秋の茶園管理における 病害虫防除について
はじめに
秋の病害虫防除は、翌年の一番茶に向け、健全な葉で葉層を確保し、良質な茶を生産するために、重要な作業です。今回は、秋芽を守るための防除を芽のステージに合わせた防除(基幹防除)、病害虫の発生程度によって行う防除(臨機防除)それぞれについてご紹介します。
1.秋芽生育時期の病害虫発生状況
対象となる病害虫は、炭疽病やチャノホソガ、チャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマといった新芽を加害するものから、カンザワハダニやクワシロカイガラムシなど、成葉や枝を加害するものまで多岐にわたります。そのため、秋期は同時期に多くの病害虫が発生している時期となり、病害虫の発生時期と秋芽のステージに合わせて散布時期を考え、行う必要があります。


2.基幹防除について
秋芽の基幹的な防除は、秋芽の萌芽(ほうが)期~1葉期と、7~10日後の2~3葉期の2回に分けて行います。殺菌剤は1回目に総合予防剤、2回目に治療効果のある薬剤を選択します。殺虫剤は1回目にチャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマ等の新芽加害性の害虫に効果があるものを選び、2回目はこれらに加え、ハマキムシ類に防除効果が期待される薬剤を選択します。
省力化のため、殺菌剤と殺虫剤は混用することが慣行となっていますが、独自に薬剤を選定する場合は、農薬混用適合表などを参考に、薬害のおそれがないか事前に確認して下さい。


3.臨機防除について
基幹防除は複数の害虫に有効ですが、ハマキムシ類は発生消長によっては防除適期からはずれ、十分な防除効果が得られないことがあります。さらにカンザワハダニやクワシロカイガラムシは生息部位や効果のある薬剤が異なるため、発生密度に応じて防除を行う必要があります。こうした「時期のズレ」や「基幹防除対象外害虫」による被害を防ぐために、臨機防除をご検討下さい。
ハマキムシ類やクワシロカイガラムシについては、気温と防除時期が強く関係するため、これらの防除時期を確認されたい場合は、各地域のJAや農業普及・振興課へご相談ください。

4.秋冬番茶の生産における農薬使用の注意点
近年は茶価の急激な高騰により、秋冬番茶の生産が増加しています。秋冬番茶の生産を予定している茶園では、摘採前使用日数等の安全使用基準が適正に守られているか、十分に確認して摘採を行いましょう。
5.おわりに
秋芽防除は秋冬期の樹勢を健全に保つとともに、翌春の越冬害虫の加害を抑制する上で、きわめて重要であり、翌年一番茶の品質や収量にも大きく影響します。適切な時期に散布を行い、作業コストを抑えつつ秋芽を守りましょう。農薬の使用にあたっては、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一薬剤や同一作用機構を持つ農薬の連用は控えましょう。また、必ず容器のラベルで登録内容や薬害等をご確認のうえ、各自の責任において正しく使用してください。
9月以降も平年並み又はそれ以上の暑さが予想されます。引き続き熱中症には十分ご注意いただき、来期の一番茶づくりにつなげていきましょう。
県北広域本部 農林水産部 農業普及・振興課
秋の茶園管理における病害虫防除について (PDFファイル)