アリウム「丹頂」切り花は2℃および5℃の低温湿式で1週間保管できる

農業研究センター農産研究所花き研究室

研究のねらい

アリウム「丹頂」は、4~5月の出荷期集中による単価下落と労働力集中が問題となっています。また、出荷量が減る6月以降に安定した品質のアリウム切り花の出荷が求められています。
そこで、出荷時期の分散と延長を目的に冷蔵庫を活用した切り花保管温度を明らかにしましたのでご紹介します。

研究の成果

1.湿式保管後の切り花品質は、保管温度2℃が5℃と8℃より開花切り花割合が低く、着色進行が遅く、保管前との変化が小さくなりました(表1、図1)。

 

※湿式保管:水道水が入ったバケツに切り花を生けて保管すること

図1 3週間保管終了後の花房

2.生け花後の切り花品質は、開花が半分に到達するまでの日数を比較すると、保管温度2℃と5℃が8℃より長くなりました。また、茎が黄化した切り花の発生率は保管温度2℃が5℃と8℃より低くなりました(表2、図2、図3)。

 

図2 半分開花花房
図3 茎の黄化

3.保管温度2℃と5℃では、1週間保管した場合、保管中の開花はなく、着色進行は遅く(表1)、生け花後の切り花品質は保管なしと差はありませんでした(表2、図4)。

図4 生け花後7日目の花房

成果活用面・留意点

1.アリウム「丹頂」切り花の出荷時期分散と延長に活用できます。

2.試験には、2020年3月25日に採花した県内産地(施設栽培)の切り花(花房の着色率25.8%~30.0%)を用い、脱葉後、切り花長60cmに調整、20暗黒下で水道水を24時間吸水処理後、予冷庫にて保管を実施しました。生け花後の日持ち調査は、恒温室(温度25、12時間照明設定、照度1,000lxの蛍光灯下)で、200mlの三角フラスコに1本ずつ生け、切り戻し、水替えなしで実施しました。

 

No.930(令和3年(2021 年)6月)分類コード 02-05
アリウム「丹頂」切り花は2℃および5℃の低温湿式で1週間保管できる (PDFファイル)

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