今回は、秋の収穫作業に欠かせない、コンバインに多い事故と対策をご紹介します。
コンバインの事故は、移動・走行中の事故のほか、点検・整備中の事故、手こぎ作業の際の事故が多いという特徴があります。
秋の農作業安全確認運動が始まりました!! ~まずはワンチェック、ワンアクションで農作業安全~
秋は農作業事故が増える季節
猛暑が続いた夏がようやく終りを迎え、いよいよ秋になります。
秋は収穫など作業が本格的にスタートする時期。統計的に見ても、秋は春に続いて農作業事故が増える時期です(図1)。
農業就業人口が減少する中、毎年約300人以上発生し続けている農作業死亡事故を減少させるため、秋作業が行われる9~10月を重点期間として、全国的に「秋の農作業安全確認運動」を展開しています(P○参照)。
平成30年の運動については、GAP(生産工程管理)の周知を通じた現場の安全活動、農業者への安全確保の声かけ、注意喚起など、農作業事故防止対策の取り組みを進めています。
収穫時期はコンバインの事故に注意!
1.後進時はより慎重に!
コンバインの事故で最も多いのが、転倒・転落事故です。特に後進時に事故が多く発生する傾向があります。
進行方向の安全を確認し、無理のない運転をしましょう。
2.巻き込まれによる負傷事故に注意
コンバイン巻き込まれ事故は、点検整備・清掃作業中に多く発生しています。そのうち、エンジン非停止が事故要因となるケースが多い状況です。
点検整備・清掃作業時では、エンジンを停止しましょう。 また、手こぎ作業は、手袋をしないか、手に密着したものを着用するなど適切な服装で行い、機械の中に手を入れないようにしましょう。
GAP(生産工程管理)を通じた現場の安全活動
現場の安全活動
GAPとは、農産物(食品)の安全や環境保全、働く農業者の労働安全を確保するために、農業者自身が行う、生産工程管理の取組みです。
本県で昨年9月にスタートした「くまもと県版GAP」では、機械・設備の点検整備や、作業安全用の保護具の着用などの労働安全チェック項目(表1)を設けています。
毎年300人以上が亡くなっている農作業事故では、死亡・重傷事故1件が発生する背景に、軽傷事故が29件、もう少しで怪我をしたかもしれない事故(ヒヤリ・ハット)が300件あると言われています。
身の回りに潜んでいるリスクを軽減させるために、GAPの取組を通じて農作業安全を図りましょう。
国や県、団体の取組
熊本県内では、農作業中の事故により、毎年数十名の死亡者が発生しています。そのため、県では、農作業死亡事故ゼロを目標に、県警や農業関係団体、農業機械メーカー等と連携して、農作業事故についての情報交換や、安全についての研修会実施、農業者への普及啓に取り組んでいます。
特にトラクターの転倒、転落により、下敷きとなって亡くなるケースが多いため、県とJAグループ熊本では、くまモンの農作業安全啓発ステッカーを作成し、講習会や座談会などで配布することとしました。
農業者のみなさんも、家族や仲間内で声をかけあって、農作業事故をなくしましょう。
- 生産力強化対策
- 農作業安全