麦の雑草対策は、麦播種後ではなく稲刈り後から始まります。
稲刈り後に雑草が発生している場合は、非選択性除草剤や耕起などにより、播種前にできるだけ減らしておきましょう。特に、前年に雑草の発生が多かったほ場では、できるだけ雑草の密度を減らし、持ち越さないよう播種前の除草が必要です。
また、稲株や稲わら等の残渣が多く残っていると、初期除草剤(土壌処理剤)の効果が十分に得られず雑草が発生しやすくなるほか、発生状況の確認や耕起・整地の妨げになることがあります。稲刈り後は稲株をできるだけ細かくし、耕起によって雑草とともに土中へすき込みましょう。
播種前にはほ場を確認し、雑草や稲株が少ない状態に仕上げることが大切です。
麦作における雑草対策 ~播種(はしゅ)前からのほ場管理がポイント~
はじめに
麦作では、雑草が麦の生育を妨げ、収量や品質の低下につながることがあります。また、収穫物に雑草種子が混入すると、選別作業の負担の増加、品質低下の原因にもなります。
麦類は使用できる除草剤の種類が限られているため、除草剤だけに頼らず、耕種的な対策を組み合わせ、雑草が発生しにくいほ場をつくることが重要です。そこで今回は、麦作における雑草対策についてご紹介します。
播種前の雑草と稲残渣(ざんさ)の処理(播種前)

丁寧な整地で土壌処理剤の効果を高める(播種直後~麦出芽前・麦生育初期)
播種後の雑草対策では、土壌処理剤を適期に使用します。
土壌処理剤は薬剤が土壌表面に処理層をつくり、処理層に雑草の芽や根があたると枯れます。ただし、ほ場表面に大きな土塊や稲株、凹凸があると、薬剤が均一に処理されず、十分な効果が得られない場合があります。播種前の耕起・整地を丁寧に行い、稲株を適切に処理して、できるだけ均平なほ場に仕上げましょう。

播種後の防除
土壌処理剤を使用しても、その後に発生する雑草を完全に抑えることはできません。播種後も定期的にほ場を確認し、雑草の発生状況を把握しましょう。
麦生育期の雑草対策では、茎葉処理剤を使用します。茎葉処理剤を使用する場合は、雑草が大きくなってからでは、除草剤の効果が十分に得られない場合があります。使用する除草剤の登録内容を確認し、適期を逃さず防除することが重要です。雑草が目立ってからではなく、小さいうちに防除することを心掛けましょう。
また、麦類では使用できる除草剤の種類が限られるため、除草剤だけで雑草を抑えるには限界があります。そこで、中耕や土入れといった耕種的な雑草防除を組み合わせて対策を行うことで、雑草の生育を抑えることができます。中耕は1月上旬ごろから2月中旬ごろまで、土入れは1月上旬ごろから3月上旬までを目安に、晴天続きの良く乾燥した時に実施します。中耕や土入れ作業を駆使し、除草剤と耕種的な対策を組み合わせながら防除しましょう。
注意する雑草
麦作では近年、スズメノテッポウの発生が問題となっています。特に発生が多いほ場では、播種前から対策を行いましょう。
スズメノテッポウは、土中5cm以内から出芽し、麦の播種までに土壌表層にある種子の多くが出芽します。そこで、播種前に発生したスズメノテッポウを非選択性除草剤で防除することで、土壌表層のスズメノテッポウの種子を減らすことができます。その後、麦を播種する際に一般的な深さ(10~15cm)で耕起すると、深い位置にある未発芽の種子が表層に運ばれてしまうため、5cm程度の耕起を行うことで種子の移動は少なく、麦を播種した後の出芽を抑制できます。
その他にもヤエムグラやカラスノエンドウなど、種子が混入すると選別が難しい雑草などにも注意が必要です。これらの雑草が発生した場合は、種子をつける前に防除を行うことが重要です。


まとめ
麦の雑草対策は、
①播種前に雑草や稲残渣を適切に処理する
②丁寧に整地して土壌処理剤の効果を高める
③発生した雑草は小さいうちに防除する
④除草剤と耕種的防除を組み合わせる
ことがポイントです。
また、雑草対策は単年の結果だけで考えるのではなく、長期的な視点で取り組む事が重要です。発生した雑草を確実に防除し、徐々にほ場に残る雑草種子を減らしていくことを意識しましょう。
県央広域本部 農林部 農業普及・振興課
麦作における雑草対策~播種前からのほ場管理がポイント~ (PDFファイル)