「光晴重」の後継牛として「第一光晴(だいいちみつはる)」を選抜
研究のねらい
熊本県では、「あか牛」と呼ばれる褐毛(あかげ)和種の肉用牛が数多く飼われています。あか牛は、明治の後半期から改良が重ねられ、今のように大型で肉量・肉質に優れた牛として誕生しました。その性格はおとなしいため飼いやすく、放牧にも適しています。当研究所では、あか牛の生産性・品質向上を図るため、種雄牛の研究・選抜を続けています。
研究の成果
産肉能力直接検定で選抜された候補種雄牛の遺伝的能力を推定するため、産肉能力現場後代検定(産子の肥育・枝肉調査の結果により、父牛である候補種雄牛の能力を評価する検定)を実施し、その成績と育種価評価の結果をもとに、褐毛和種種雄牛「第一光晴(だいいちみつはる)」を選抜しました。
特徴は次のとおりです。
(1)血統
(2)現場後代検定成績及び育種価
○脂肪交雑(BMS№)
去勢の平均は4.58と高く、雌の平均6.00、全体の平均4.94は、いずれも歴代最高の成績であり、育種価(BV)※も+3.296(評価種雄牛526頭中2位)と非常に高い。
○ロース芯面積
去勢の平均は64.7㎠、雌の平均は64.5㎠と非常に大きく、BVも+16.522㎝²(評価種雄牛526頭中2位)と極めて高い。
※育種価(BV):産子の成績等をもとに、その後代が父牛の遺伝的影響でどれだけ改良されるかを予測した数値
◆普及上の留意点等
以上の成績のとおり、種雄牛「第一光晴(だいいちみつはる)」は父「光晴重」の特長を引き継ぐ後継牛として産肉性の改良に貢献できると考えられ、今後の活躍が期待されます。
◆お問い合わせ先
農業研究センター 畜産研究所生産基礎技術研究室
【TEL】096-248-6433
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