カンキツの着果対策

~樹相に応じた適正管理によって安定生産を目指そう!~

はじめに

5月に入ると、カンキツは開花時期になります。2019年産の着花量は、極早生、早生温州では平年並、普通温州ではやや少ないことが予想されます。
また、新梢の発生量は、極早生、早生温州が中程度、普通温州についてはやや多いと予想されており、着果量を確保し、連年安定した生産をするためにそれぞれの樹相に合わせた管理が必要です。

カンキツ類全般の管理

緑化促進

新梢(葉)の緑化促進と花(子房)の充実のため、窒素を中心とした液肥(尿素300~500倍液等)開花前後に3~5日おきに3回程度行うと効果的です。

温州ミカンの管理

着花が少ない場合

新梢の発生が多く、着花が少ないと(写真1)、養分競合によって、生理落果が助長されます。そこで着果を促進させるための管理が必要です。

 

〇新梢管理・かぶさり枝の除去
新梢との養分競合による生理落果防止のため、強い新梢については芽かきや摘心を行います。また、花に十分な光が当たるように、かぶさり枝や徒長枝などの強い枝の除去を行い、着果促進を図りましょう。
〇水管理
降雨が少なく乾燥すると生理落果を助長しますので、新梢(葉)と子房の充実を図るためにかん水を実施します。
〇ジベレリンの活用
落果防止のために開花期(特にに満開~5日後)にジベレリンを散布すると、結実率が向上します(表1)。また、徒長的な新梢の芽かきと併用することで効果が高まります。

写真1 花が少なく、新梢が多い状態
表1 温州みかんの落果防止を目的としたジベレリンの使用法

着花が多い場合

着花が多く、新梢の発生が少ない場合、次年度の結果母枝不足が懸念されます(写真2)。そのため、新梢の発生を促し、結果母枝の確保が必要です。

 

〇予備枝の設定
来年度の結果母枝の確保のため、予備枝を設定します。エンピツ大の2~3年枝を坊主枝とするため1年枝(発育枝)・蕾(花)を全部除去します(図1)。また、冬に設定した予備枝に着花した場合はすべての蕾(花)を除去します(図2)。乾燥が続く場合は新梢発生を促すためにかん水を実施しましょう。
〇有葉花摘蕾
普通温州の有葉花は大玉果実となり商品性が低くなるため、5枚以上の有葉花を中心に摘蕾・摘花を行い、次年度の結果母枝とします(図3)。
〇花肥の施用
着花過多の樹では、春肥とは別に速効性肥料を窒素成分で20kg/10a(窒素成分で4kg/10a程度)を出蕾期から満開前までに施用します。
〇摘果剤の利用
極早生温州では開花から収穫までの期間が短いため、摘果が遅れると果実階級が小玉中心になります。植物成長調整剤を活用し摘果を行うことで作業の省力化が可能です。内なり・裾なりに摘果剤(ターム水溶剤など)を散布しましょう(表2)。ターム水溶剤の場合は日中25℃以上、夜温20℃以上の晴天が続く日に散布します。気温が30℃以上になると落果が多くなる可能性があるので注意してください。

写真2 花が多く、新梢の発生が少ない状態
図1 予備枝の設定
図2 予備枝の再設定
図3 5枚以上の有葉花摘蕾
表2 温州みかんの摘果を目的としたターム水溶剤の使用法

中晩柑(不知火類)の管理

高品質果実生産のために

不知火類(デコポン)をはじめ中晩柑では、大玉生産を目指します。大玉で品質良好な果実を生産するには5葉以上の有葉花がよいとされます。

〇不知火類の着花(着果)管理
花が少ない樹については温州ミカンと同様、かぶさり枝の除去や芽かきを行い、着果促進を促します。一方、花が多い樹については、再度切り返しを主体に手直しせん定をおこなうなど新梢の発生を促します。

開花期前後の防除

開花期は訪花性害虫や灰色かび病などの防除時期です。これらは外観へ影響し、青果率が下がりますので、適期防除を行いましょう。

最後に

本年も適正階級、高品質果実生産のために適正管理に励みましょう。