露地「不知火」の収穫期から貯蔵管理のポイント

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近年、露地栽培の「不知火」は、収穫前の降雨や冬季の異常高温等により、貯蔵管理が難しくなっています。
ここでは、収穫期から貯蔵管理のポイントについて紹介します。

収穫前の管理

①水腐れ症対策
水腐れ症は、果皮の老化に伴い果実表面、特に果梗部や果頂部に生じた亀裂(クラッキング)に降雨等の水分が入り込み油胞が破壊されると発生します。
対策としては、果実の着色が7~8分となる頃、ジベレリンを果実に散布します(表1)。
ジベレリンの散布により着色が若干遅れることがありますが、貯蔵中に着色が進むため、心配ありません。逆に、完全に着色してから散布しても効果はありません。

②こはん症対策
こはん症とは、収穫前後や貯蔵中に発生する果皮障害のことで、樹上で発生する要因は図1(左)のとおりであり、対策としては、適度なかん水・適正施肥・土づくりによる樹勢維持に加えて、肥大期における水溶性カルシウム剤の葉面散布による果皮体質の強化が重要です。

図1 樹上で発生するこはん病の要因と対策

③貯蔵病害対策
貯蔵中の腐敗果を減少させるため、収穫前に貯蔵病害(青かび病、緑かび病、軸腐病など)対策として、薬剤防除を必ず行いましょう。散布にあたっては、果実にしっかりかかるよう丁寧に散布をしましょう(表2)。

④収穫果実の取り扱い
腐敗果の発生を抑えるには、収穫作業や運搬中の果実の取り扱いを丁寧にすることが特に大切です。また、果実が濡れた状態での収穫は避けましょう。収穫作業において、必ず二度切りを行うとともに、果皮にハサミ傷がつかないよう注意します(写真1)。
さらに、果実を収穫袋からコンテナに移すときは、一個ずつ丁寧に入れましょう。また、多く詰めすぎないようにします。

写真1 果梗部のハサミ傷

収穫後の管理

(予措)
予措は果皮の水分を減少させ、果実の呼吸や蒸散作用を抑えることにより貯蔵中の品質低下や浮皮、腐敗果などの発生を抑制する効果があります。予措の程度は、収穫時の天候や果実の状態に応じて、減量程度が異なります。収穫直後に積み上げたコンテナ上段と中段から2,3コンテナ選び1週間毎に重量を図り、減量歩合を確認しましょう。収穫時の天候が乾燥気味であれば3%、雨が多く湿潤気味であれば5%の減量を目安に予措をします。予措を行う際は、図2を参考にコンテナ間の風通しを確保し、均等に予措ができるようにします。

図2 予措時のコンテナの配置

(貯蔵菅理)
「不知火」に適する貯蔵条件は、庫内温度5~10℃、湿度85~90%です。貯蔵中は、果皮を乾燥させすぎないことが重要です。果実を乾燥させないため新聞紙やタイベックで覆ったり、床がコンクリートの場合など乾燥しやすい場合は、打ち水や水の入ったバケツに雑巾を付けて水を垂らすなど加湿します。
また、貯蔵庫内の急激な温度の変化により結露を生じると長時間果実が濡れていた状態となり水腐れが多発します。貯蔵中は、こまめに貯蔵庫内を見回り、果実の状態を確認し、腐敗果をこまめに除去することが重要です。
収穫前の果実は樹が品質管理をしていますが、収穫後は人の手に委ねられます。一所懸命育てた果実が1個でも多くお客様に食べていただけるように、最後の品質管理を疎かにしないようにしましょう。

予措・貯蔵管理のポイント

県南広域本部 芦北地域振興局 農業普及・振興課

 

添付PDF:露地「不知火」の収穫期から貯蔵管理のポイント