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経営シミュレーション

ICT機器の活用により放牧牛の監視作業の軽労化が可能である

草地畜産研究所

１　研究のねらい

放牧を利用した畜産経営は、放牧牛の事故等を防ぐために毎日牛の確認を行う必要があり、放牧地が広いほど確認作業時間が増加します。また、放牧地は通信環境が脆弱であることが多く、ICT機器を活用しにくいといった課題もあります。そこで本研究では、放牧地の通信環境の整備（Wi-Fi化）と、低消費電力が特徴であるBLE通信による位置測位を活用した放牧牛安否確認システムの有効性を調査しました。

２　成果

（１）広域Wi-Fi化機能を搭載した長距離無線LANネットワークシステム（製品名：FalconWAVE4.9G-MP）を放牧地に設置することで起伏の激しい放牧地の約６割での無線通信が可能となります（図１）。

（２）生体センサ（BLEタグ）を放牧牛に装着することで、放牧地内に設置したBLE受信機で放牧牛を検知でき、インターネット上の放牧牛安否確認システム内でモニタリングできるため、牛の監視作業の軽労化（実証農場の監視作業時間が約61％削減）や悪天候時での位置把握が可能となります（図２、表１）。

（３）また、携帯式BLE受信機（スマートフォンのBluetooth機能を利用）を活用すれば放牧牛の探索が容易となります（図２）。

３　留意点

谷間や樹木がある箇所では、電波障害が起こる可能性があるため無線通信機の設置個所や数を放牧地毎に検討する必要があります。

 

No.1032（令和５年（2023年）６月）分類コード 08-14
ICT 機器の活用により放牧牛の監視作業の軽労化が可能である

肉用牛（肥育牛・繁殖牛）

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