市場ニーズを捉えた一番茶生産対策の取組
茶の生産者にとって重要な一番茶の摘採作業が、4月16日から5月末にかけて行われました。今年の一番茶は凍霜害が見られず、概ね順調に生育しましたが、摘採直前から摘採期にかけて、強風や高温、天候不順など、茶の品質を損なう悪条件が続きました。特に、降雨の影響で予定通りに作業が進まない茶園が散見され、生産者からは「こんな年は記憶にない」といった不安の声が聞かれました。
そこで、市場の動向とニーズを生産者が把握し、出荷する茶の製造へ即時反映できるよう、入札販売会を頻繁に訪れ、市場関係者からの聞き取りや見本茶の収集へ取り組みました。また、JA菊池との打合せや生産者からの要請に応じて茶工場を巡回し、見本茶や価格情報を生産者と確認しながら、農業革新支援センター等からの助言を参考に、市場ニーズを捉えた製造方法を指導しました。
その結果、管内の入札販売茶の単価は前年並みとなり、一部の生産者からは「当初の想定よりも高値で売れた」といった感想が出るなど、生産者との連帯感が高まったと感じました。一方で、出荷最盛期の降雨の影響で、出荷を見送られた茶が在庫となるなど、厳しい状況の生産者は少なくありません。農業普及・振興課は関係機関と連携し、菊池地域の茶の生産対策や消費対策へ引き続き取り組んでまいります。