宇城エリア

宇城地域は宇土市、宇城市、下益城郡を所管しており、有明海と八代海に挟まれた海岸島しょ地域(宇土半島)、八代海に面した平坦地域及び九州山地の中山間地域と大きく3つの地域に区分され、異なる立地条件を生かした多彩な農業生産活動が展開されています。
海岸島しょ地域においては、不知火類や温州みかんをはじめとする柑橘類や洋ラン等の生産が行われ、平坦地域では、トマト、メロンなどの施設野菜やれんこん、米等が生産され、酪農等の畜産も営まれています。なかでも、柑橘類、鉢物類(洋ラン)、しょうが、れんこん、柿などの生産量は県内上位を占めており、県内における有数の農業地帯です。

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県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 宇城市松橋町久具400-1

電話:0964-32-5090

FAX :0964-32-0373

宇城エリア普及現地情報

2024年3月

調理実演の様子
情報交換会の様子

宇城地域くまもとふるさと食の技交換会を開催

2月19日に、宇城市保健福祉センターで「宇城地域くまもとふるさと食の技交換会」を開催、宇城管内のくまもとふるさと食の名人など約20名の参加がありました。
当日は食の名人2名が講師となり調理実演を行いました。元普及指導員である飯田眞志子氏がショウガ糖を、八代農業高校講師である岩野賢一氏が甘夏マーマレードジャムを調理実演しました。参加者から調理のコツ等について多くの質問が飛び交い、賑やかな研修会となりました。
その後、調理実演した料理を試食しながら、情報交換を行いました。情報交換では、参加者の活動紹介のほか、「横のつながりを広げて、幅広く食育活動を展開したい」、「学校の先生にもっと食の名人を知ってほしい」等の意見がありました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携しながら、くまもとふるさと食の名人の郷土料理の伝承・食育活動を支援していきます。

2024年3月

地元堆肥を活用した水稲用肥料「米エコ一発」を開発

近年、各種資材が高騰する中、特に肥料は原料の海外依存度が高いことから、価格と供給の安定化が求められています。
そこで、JA熊本うきでは大東肥料株式会社の協力を得てオリジナルの水稲用肥料「米エコ一発」を開発し、令和6年産使用分から販売を始めます。
この原料にはJA熊本うきで生産している完熟堆肥が使用されており、地域資源を活用しつつ土づくり効果も期待できる肥料となっています。
開発はJA熊本うき、肥料メーカー、JA熊本経済連及び県(県庁、農研、普及)が一体となって検討を進め、展示ほで効果を検証してきました。2年間の実証を経て従来肥料と遜色ない結果が得られたため、地域資源を活用した新しい水稲用基肥一発肥料として販売へつなげることができました。
2月の水稲講習会では、JA熊本うきが「米エコ一発」について説明し、生産者から使用量や散布方法に関する質問が出るなど、早速関心を寄せられた様子でした。
農業普及・振興課では今後も関係機関と連携し、環境に配慮した農業を進めて参ります。

2024年3月

講習会の様子
せん定実演の様子

カンキツの安定生産のため、せん定講習会を実施

宇城地域では、2月中旬頃から令和6年産に向けた柑橘の管理作業が本格化します。そこで、JA熊本うきと連携して、柑橘部会を対象に2月13日から20日にかけて、せん定講習会を開催しました。
講習会では、JA営農指導員と普及指導員が令和6年産の着花予測に基づいた管理ポイントを説明し、せん定の実演を行いました。特に、温州みかんは裏年傾向と予測されており、昨年の着果状況や樹勢に応じてせん定時期や程度を調整するなど、今後の着花・着果確保対策が重要です。園地によっては、せん定時期を遅らせて土壌改良を行うことや、春肥の施用と越冬病害虫の防除を徹底するよう指導しました。併せて、不知火類は施設・露地ともに高樹齢樹が増え、収量や果実品質の低下、作業性の悪化などの弊害が出ているため、計画的な改植を呼びかけました。
講習会参加者からは、「今年のせん定で注意すべきポイントがよく分かった」といった声を聴くことができました。
農業普及・振興課では、引き続き関係機関と連携しながら、講習会や現地指導を行い、高品質果実の安定生産に向けた支援を行います。

2024年3月

会議の様子①
会議の様子②

新規就農者確保・育成対策会議を開催

今年度の宇城地域での新規就農者対策の取組みと次年度計画を協議するため、2月26日に新規就農者確保・育成対策会議を開催、関係機関から25名の参加がありました。
はじめに、今年度の新規就農者数や活動結果について農業普及・振興課より報告を行いました。令和5年度から新たに始めた新規就農者と先輩農業者とのマッチング会では先輩農業者である指導農業士から技術的なアドバイスだけでなく、農作業の段取りや雇用の活かし方など農業者目線での実践的なアドバイスが得られ好評であること。また、就農計画の入念な練りこみや地道な巡回を続け、新規就農者の定着に向けた一定の効果が得られていることなどを報告しました。
今後は農業の担い手減少をカバーするため、新規就農者確保とともに農繁期のパート雇用等の補完人材の確保についても地域が一丸となって取り組み、その一環として農福連携の勉強会や活用事例の共有なども当会議で担っていくことを申し合わせました。
会議後半では、優良事例として山鹿市農業振興課の前田専門員から「空き農地・ハウスマッチングの取組み」について報告頂きました。山鹿市ではハウスを地域の資産と捉え、規模縮小者や離農者と新規就農希望者間のハウスマッチングを意欲的に行っています。宇城地域でも今年度からJA熊本うき園芸部会のハウスマッチングを進めており、そのノウハウは大変参考になりました。
本会議も3年目が終了し、今後は担い手全般について多方面から協議する場へ形を変えていく予定です。

2024年3月

美里かぼちゃ試験品種試食会の開催

美里町では、冬至や年明けの出荷を狙って「梅雨明け後に種をまいて晩秋に収穫する」いわゆる「冬至かぼちゃ」の産地化が行われてきました。
品種は、ホクホクして美味しい「くりゆたか」に統一されていますが、樹勢がやや弱く収量が低いことが問題で、農家から「経費が高騰しており、美味しくて収量が多い品種が欲しい」との声が強くなっていました。
そこで、農業普及・振興課では、「くりゆたか」の問題点を克服できる品種を見出すため、種苗メーカー等から情報を集め、農家やJA、町と協力して「くりゆたか」を対照として「笑盃」と「MKS-K1586」の2品種の比較試験を実施し、JAや町との全戸巡回、生育調査や現地検討会を行い品種の特性把握に努めました。
結果は、「MKS-K1586」が、栽培面で問題なく、果実が大きく、試験農家やJA、町の担当職員の反応も上々でした。
加えて「美里かぼちゃ」として譲れない「味」を確認するため、1月25日に試験農家、町、JA、種苗会社による「美里かぼちゃ試験品種試食会」を開催しました。
試食の結果、果実肥大に優れた「MKS-K1586」は食味も「くりゆたか」並みで「くりゆたか」の後継品種として有望であると出席者の期待を集めました。
味もよく、ますます期待の高まった「MKS-K1586」ですが、今後、経営面も踏まえ栽培試験を行い産地として品種を評価していくことが必要です。当課としましては、このような産地の課題解決の取り組みを関係機関と協力してしっかりと支援して行きます。

2024年3月

ドローンによる農薬散布の様子
栽培講習会の様子

ショウガ栽培におけるスマート農業の推進

ショウガ栽培では、ほ場外からの病原菌の持ち込みによる土壌病害の蔓延防止のため、ほ場に入る際に靴を履き替えるなど細心の注意を払っています。さらに、夏期の厳しい暑さの中での農薬散布は、心身に大きな負担となっています。
このため、農業普及・振興課では、令和4年度から、ほ場への立ち入り回数削減と省力化を目的に、ドローン防除によるスマート農業の実証試験を実施しています。
試験の結果、ほ場への立ち入り回数を削減でき、従来の防除に比べて農薬散布時間と労力を大幅に削減できることが分かりました。
12月22日に開催された栽培講習会でこの試験結果を報告したところ、生産者からドローンの能力や散布した農薬など、ドローンの導入を念頭に置いた具体的な質問が寄せられ、多くの方が興味を持たれていました。
当課では、今後、実用化に向けた支援を行っていきます。

2024年3月

角田製茶茶園
肥後あゆみの会トマトほ場

宇城地方青年農業者クラブ研修会の開催

宇城地方青年農業者クラブで視察研修を開催しました。
まず、12月13~14日に、福岡県の「にたばる養蜂場」(久留米市)と「角田製茶」(八女市)、菊池市の「(株)ろのあ」を視察し、同世代経営者の販売戦略について学びました。
各経営者ともに、業務用や小売り販売といった販売先を意識した戦略を立てており、参加したクラブ員は、自身の経営と販売方法を考えるきっかけとなり、今後の経営改善に向けた意欲が高まったようでした。
次に、1月10日に、宇城市でトマトの有機農業を行っている「(有)肥後あゆみの会」を視察し、栽培と加工について学びました。
野草堆肥やぼかし肥料を自家製造し、徹底した土づくりにより「味」にこだわった栽培を行い、その青果を加工にも使用していることに、クラブ員は改めて土づくりが青果の品質向上につながることを実感していました。
農業普及・振興課では、今後もクラブ員がやりがいのある活動を行いながら、地域の中核を担う経営者となるよう支援していきます。

2024年2月

せん定講習会
トレンチャーによる土壌深耕

令和6年産に向けたブドウの栽培管理スタート

宇城地域は、面積・生産量ともに本県の約4割を占める県内最大のブドウ産地です。令和5年産のJA熊本うきブドウ部会の販売高が近年で最高となったことで、農家の生産意欲も一層高まっています。
JAと農業普及・振興課では、令和6年産に向けた冬季管理作業が本格化する前の11月16日から12月8日にかけて、6地区、70戸の部会員を対象に冬季管理講習会を実施しました。講習会では、犠牲芽※せん定を基本に、枝の配置や残す長さ(切る程度)等を実演指導。農家からも活発な意見が出て有意義な講習会となりました。 
また、長年のブドウ栽培で硬くなった土壌改善のため、トレンチャーによる深耕法を説明し、希望する農家の園で深耕を行いました。
当課では、今後もせん定や土壌管理、ハウス被覆時期の助言を行い、より高品質なブドウが安定して生産出来るよう引き続き支援して参ります。

※犠牲芽:残したい芽の次の枝先の芽を半分切ることにより、枝の枯れこみ を防ぐ方法。

2024年2月

自己紹介の様子
受賞者及び出席者

宇城地方青年農業者会議の開催

12月6日に宇城地方青年農業者会議を開催し、4Hクラブ員による課題解決プロジェクトの発表と4Hクラブの活動報告を行いました。
今年度のプロジェクト発表は、トマトの病害対策の見直し、カンキツ栽培へのドローン防除の導入、イチジクのポット栽培への挑戦、い草加工品のネット販売による販路拡大と宇城地域の多彩な農業を反映したものとなりました。
発表後には各クラブ員から栽培品目や今後の目標などを交えた自己紹介を行いました。
発表や自己紹介に対する先輩農業者、新規就農アドバイザー、市町、JA熊本うきなど関係機関からの質問やアドバイスが今後の活動のモチベーションにつながったようでした。
今後は、2月14日に開催される熊本県青年農業者会議に向けて、クラブ員と当課が一丸となって発表内容をさらに磨き上げていきます。
当課では、クラブ員がやりがいのあるクラブ活動が行えるよう、環境づくりを引き続き進めていきます。

2024年1月

販売開始時の様子
お客様が一気に押し寄せる場面も、、、

びぷれす広場で宇城のうまかもんフェスティバルを開催

令和5年11月10日(金)、宇城地域の物産館等で組織する「宇城地域直販ネットワークの会」が、熊本市中央区上通町のびぷれす広場で「宇城のうまかもんフェスティバル」を開催しました。これは、都市部の消費者に宇城地域の生産物や特産品のPR・販売を行い、物産館等を拠点とした地域の活性化を目指すものです。
当日は4店舗が出店し、トマトや生姜等の野菜に加え、温州みかんや太秋柿等の果物、農産加工品を販売しました。あいにくの雨天により、街を行き交う人数も少なく感じられる中、それでも多くの方が来店され商品を購入してくださいました。
特に、トマト等の野菜は価格が高騰している中、新鮮で比較的安価なものを購入できるということで、早々に売切れとなりました。
熊本市の繁華街での開催は初めてであり、宇城地域の農産物をPRする良い機会となりました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携しながら、宇城地域の農産物のさらなるPRに向けて支援活動を行っていきます。

2024年1月

天敵放飼後の葉
粘着トラップ展張の様子

宇城地域のキュウリ栽培におけるIPMの推進

宇城地域では、ウリ類退緑黄化病など、タバココナジラミが媒介するウイルス病が問題となっています。
一方で、コナジラミ類などの微小害虫は農薬が効きにくくなっており、農薬に頼らない防除対策が求められています。そこで、農業普及・振興課では、様々な防除方法を組み合わせるIPM(総合的病害虫・雑草管理)を推進しています。
現在は、キュウリで微小害虫の密度抑制を目的に、天敵資材※と粘着トラップを活用したIPMの技術実証展示ほに取り組んでいます。
この展示ほは、令和4年度から取り組んでおり、令和5年11月21日にはIPM実証調査成績検討会で調査結果を報告し、全国の関係者と意見交換を行いました。
展示ほの生産者からは「繁忙期に天敵に防除を任せることができて良かった」「粘着トラップで谷部分からのコナジラミの侵入を防止できるので良かった」という意見があり、IPM技術は好評でした。
今後、調査で得られた結果を基に宇城地域の天敵利用版の防除暦を作成し、講習会や現地検討会等でIPM技術の普及を図っていきます。

※リモニカスカブリダニ、スワルスキーカブリダニ

2024年1月

勉強会の様子
新規就農者の自己紹介

新規就農者共通課題勉強会・新規就農者激励会を開催

11月2日(木)に第2回新規就農者共通課題勉強会と新規就農者激励会を宇城地域振興局で開催し、関係機関や地域農業者を含む40名の参加がありました。
共通課題勉強会では㈱農テラスの山下弘幸氏に「新規就農者にとって重要な時間とオカネの捉え方」をテーマに講演を頂きました。講演では自身の農業での失敗事例とそこから経営改善に導いた考え方(定期的な経営把握と収益率向上に向けた原価率改善、収入アップ)、投資や雇用のポイント、時間を確保するための自己管理法など
の話を頂きました。山下氏がティーチングアシスタントを務めるくまもと農業経営塾の門下生も多く参加し、質疑応答では活発な意見交換がなされました。
終了後のアンケートでは「作物を作ることしか考えていなかったが、時間とお金の面から見る大事な機会をもらった」「もっと時間が欲しいと思うほど学びになる内容だった」との声が多くあがりました。
続く新規就農者激励会では、出席した4名の新規就農者から就農の動機や今後の目指す方向性について発表してもらいました。その後、同友会の畑野会長による激励の言葉、4Hクラブ紹介、新規就農者が使いやすい補助事業等の紹介をしました。
終了後は懇親会を開催。コロナ禍以降、久しぶりに懇親を深める良い機会となりました。

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