宇城エリア

宇城地域は宇土市、宇城市、下益城郡を所管しており、有明海と八代海に挟まれた海岸島しょ地域(宇土半島)、八代海に面した平坦地域及び九州山地の中山間地域と大きく3つの地域に区分され、異なる立地条件を生かした多彩な農業生産活動が展開されています。
海岸島しょ地域においては、不知火類や温州みかんをはじめとする柑橘類や洋ラン等の生産が行われ、平坦地域では、トマト、メロンなどの施設野菜やれんこん、米等が生産され、酪農等の畜産も営まれています。なかでも、柑橘類、鉢物類(洋ラン)、しょうが、れんこん、柿などの生産量は県内上位を占めており、県内における有数の農業地帯です。

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県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 宇城市松橋町久具400-1

電話:0964-32-5090

FAX :0964-32-0373

宇城エリア普及現地情報

2024年3月

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美里かぼちゃ試験品種試食会の開催

美里町では、冬至や年明けの出荷を狙って「梅雨明け後に種をまいて晩秋に収穫する」いわゆる「冬至かぼちゃ」の産地化が行われてきました。
品種は、ホクホクして美味しい「くりゆたか」に統一されていますが、樹勢がやや弱く収量が低いことが問題で、農家から「経費が高騰しており、美味しくて収量が多い品種が欲しい」との声が強くなっていました。
そこで、農業普及・振興課では、「くりゆたか」の問題点を克服できる品種を見出すため、種苗メーカー等から情報を集め、農家やJA、町と協力して「くりゆたか」を対照として「笑盃」と「MKS-K1586」の2品種の比較試験を実施し、JAや町との全戸巡回、生育調査や現地検討会を行い品種の特性把握に努めました。
結果は、「MKS-K1586」が、栽培面で問題なく、果実が大きく、試験農家やJA、町の担当職員の反応も上々でした。
加えて「美里かぼちゃ」として譲れない「味」を確認するため、1月25日に試験農家、町、JA、種苗会社による「美里かぼちゃ試験品種試食会」を開催しました。
試食の結果、果実肥大に優れた「MKS-K1586」は食味も「くりゆたか」並みで「くりゆたか」の後継品種として有望であると出席者の期待を集めました。
味もよく、ますます期待の高まった「MKS-K1586」ですが、今後、経営面も踏まえ栽培試験を行い産地として品種を評価していくことが必要です。当課としましては、このような産地の課題解決の取り組みを関係機関と協力してしっかりと支援して行きます。

2024年3月

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ドローンによる農薬散布の様子
栽培講習会の様子

ショウガ栽培におけるスマート農業の推進

ショウガ栽培では、ほ場外からの病原菌の持ち込みによる土壌病害の蔓延防止のため、ほ場に入る際に靴を履き替えるなど細心の注意を払っています。さらに、夏期の厳しい暑さの中での農薬散布は、心身に大きな負担となっています。
このため、農業普及・振興課では、令和4年度から、ほ場への立ち入り回数削減と省力化を目的に、ドローン防除によるスマート農業の実証試験を実施しています。
試験の結果、ほ場への立ち入り回数を削減でき、従来の防除に比べて農薬散布時間と労力を大幅に削減できることが分かりました。
12月22日に開催された栽培講習会でこの試験結果を報告したところ、生産者からドローンの能力や散布した農薬など、ドローンの導入を念頭に置いた具体的な質問が寄せられ、多くの方が興味を持たれていました。
当課では、今後、実用化に向けた支援を行っていきます。

2024年3月

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角田製茶茶園
肥後あゆみの会トマトほ場

宇城地方青年農業者クラブ研修会の開催

宇城地方青年農業者クラブで視察研修を開催しました。
まず、12月13~14日に、福岡県の「にたばる養蜂場」(久留米市)と「角田製茶」(八女市)、菊池市の「(株)ろのあ」を視察し、同世代経営者の販売戦略について学びました。
各経営者ともに、業務用や小売り販売といった販売先を意識した戦略を立てており、参加したクラブ員は、自身の経営と販売方法を考えるきっかけとなり、今後の経営改善に向けた意欲が高まったようでした。
次に、1月10日に、宇城市でトマトの有機農業を行っている「(有)肥後あゆみの会」を視察し、栽培と加工について学びました。
野草堆肥やぼかし肥料を自家製造し、徹底した土づくりにより「味」にこだわった栽培を行い、その青果を加工にも使用していることに、クラブ員は改めて土づくりが青果の品質向上につながることを実感していました。
農業普及・振興課では、今後もクラブ員がやりがいのある活動を行いながら、地域の中核を担う経営者となるよう支援していきます。

2024年2月

せん定講習会
トレンチャーによる土壌深耕

令和6年産に向けたブドウの栽培管理スタート

宇城地域は、面積・生産量ともに本県の約4割を占める県内最大のブドウ産地です。令和5年産のJA熊本うきブドウ部会の販売高が近年で最高となったことで、農家の生産意欲も一層高まっています。
JAと農業普及・振興課では、令和6年産に向けた冬季管理作業が本格化する前の11月16日から12月8日にかけて、6地区、70戸の部会員を対象に冬季管理講習会を実施しました。講習会では、犠牲芽※せん定を基本に、枝の配置や残す長さ(切る程度)等を実演指導。農家からも活発な意見が出て有意義な講習会となりました。 
また、長年のブドウ栽培で硬くなった土壌改善のため、トレンチャーによる深耕法を説明し、希望する農家の園で深耕を行いました。
当課では、今後もせん定や土壌管理、ハウス被覆時期の助言を行い、より高品質なブドウが安定して生産出来るよう引き続き支援して参ります。

※犠牲芽:残したい芽の次の枝先の芽を半分切ることにより、枝の枯れこみ を防ぐ方法。

2024年2月

自己紹介の様子
受賞者及び出席者

宇城地方青年農業者会議の開催

12月6日に宇城地方青年農業者会議を開催し、4Hクラブ員による課題解決プロジェクトの発表と4Hクラブの活動報告を行いました。
今年度のプロジェクト発表は、トマトの病害対策の見直し、カンキツ栽培へのドローン防除の導入、イチジクのポット栽培への挑戦、い草加工品のネット販売による販路拡大と宇城地域の多彩な農業を反映したものとなりました。
発表後には各クラブ員から栽培品目や今後の目標などを交えた自己紹介を行いました。
発表や自己紹介に対する先輩農業者、新規就農アドバイザー、市町、JA熊本うきなど関係機関からの質問やアドバイスが今後の活動のモチベーションにつながったようでした。
今後は、2月14日に開催される熊本県青年農業者会議に向けて、クラブ員と当課が一丸となって発表内容をさらに磨き上げていきます。
当課では、クラブ員がやりがいのあるクラブ活動が行えるよう、環境づくりを引き続き進めていきます。

2024年1月

販売開始時の様子
お客様が一気に押し寄せる場面も、、、

びぷれす広場で宇城のうまかもんフェスティバルを開催

令和5年11月10日(金)、宇城地域の物産館等で組織する「宇城地域直販ネットワークの会」が、熊本市中央区上通町のびぷれす広場で「宇城のうまかもんフェスティバル」を開催しました。これは、都市部の消費者に宇城地域の生産物や特産品のPR・販売を行い、物産館等を拠点とした地域の活性化を目指すものです。
当日は4店舗が出店し、トマトや生姜等の野菜に加え、温州みかんや太秋柿等の果物、農産加工品を販売しました。あいにくの雨天により、街を行き交う人数も少なく感じられる中、それでも多くの方が来店され商品を購入してくださいました。
特に、トマト等の野菜は価格が高騰している中、新鮮で比較的安価なものを購入できるということで、早々に売切れとなりました。
熊本市の繁華街での開催は初めてであり、宇城地域の農産物をPRする良い機会となりました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携しながら、宇城地域の農産物のさらなるPRに向けて支援活動を行っていきます。

2024年1月

天敵放飼後の葉
粘着トラップ展張の様子

宇城地域のキュウリ栽培におけるIPMの推進

宇城地域では、ウリ類退緑黄化病など、タバココナジラミが媒介するウイルス病が問題となっています。
一方で、コナジラミ類などの微小害虫は農薬が効きにくくなっており、農薬に頼らない防除対策が求められています。そこで、農業普及・振興課では、様々な防除方法を組み合わせるIPM(総合的病害虫・雑草管理)を推進しています。
現在は、キュウリで微小害虫の密度抑制を目的に、天敵資材※と粘着トラップを活用したIPMの技術実証展示ほに取り組んでいます。
この展示ほは、令和4年度から取り組んでおり、令和5年11月21日にはIPM実証調査成績検討会で調査結果を報告し、全国の関係者と意見交換を行いました。
展示ほの生産者からは「繁忙期に天敵に防除を任せることができて良かった」「粘着トラップで谷部分からのコナジラミの侵入を防止できるので良かった」という意見があり、IPM技術は好評でした。
今後、調査で得られた結果を基に宇城地域の天敵利用版の防除暦を作成し、講習会や現地検討会等でIPM技術の普及を図っていきます。

※リモニカスカブリダニ、スワルスキーカブリダニ

2024年1月

勉強会の様子
新規就農者の自己紹介

新規就農者共通課題勉強会・新規就農者激励会を開催

11月2日(木)に第2回新規就農者共通課題勉強会と新規就農者激励会を宇城地域振興局で開催し、関係機関や地域農業者を含む40名の参加がありました。
共通課題勉強会では㈱農テラスの山下弘幸氏に「新規就農者にとって重要な時間とオカネの捉え方」をテーマに講演を頂きました。講演では自身の農業での失敗事例とそこから経営改善に導いた考え方(定期的な経営把握と収益率向上に向けた原価率改善、収入アップ)、投資や雇用のポイント、時間を確保するための自己管理法など
の話を頂きました。山下氏がティーチングアシスタントを務めるくまもと農業経営塾の門下生も多く参加し、質疑応答では活発な意見交換がなされました。
終了後のアンケートでは「作物を作ることしか考えていなかったが、時間とお金の面から見る大事な機会をもらった」「もっと時間が欲しいと思うほど学びになる内容だった」との声が多くあがりました。
続く新規就農者激励会では、出席した4名の新規就農者から就農の動機や今後の目指す方向性について発表してもらいました。その後、同友会の畑野会長による激励の言葉、4Hクラブ紹介、新規就農者が使いやすい補助事業等の紹介をしました。
終了後は懇親会を開催。コロナ禍以降、久しぶりに懇親を深める良い機会となりました。

2023年12月

防疫対策の机上演習
支援センター運営演習

県央広域本部悪性家畜伝染病防疫演習を開催 (熊本・宇城・上益城)

10月19日、宇城市豊野農業者トレーニングセンター等において、熊本、宇城及び上益城の3地域合同で県央広域本部悪性家畜伝染病防疫演習を開催しました。
本演習は、高病原性鳥インフルエンザ等悪性家畜伝染病発生時の迅速かつ的確な防疫措置に資することを目的として、毎年開催しており、今回は、各地域の県や市町、関係団体等の関係者約150人が参加しました。
演習では、高病原性鳥インフルエンザや豚熱の発生状況と防疫体制に関する机上演習を行った後、支援センターの応援要員の受入れや発生農場への送出しの手順と消毒ポイントの作業手順を確認する実地演習を行いました。今回の演習で、11月からの高病原性鳥インフルエンザ特別防疫対策期間を前に、家畜防疫体制について参加者の理解を深めることができました。
県央広域本部の各農業普及・振興課では、家畜保健衛生所等の関係機関と連携し、畜産農家に対する飼養衛生管理基準の徹底や万一の発生に備えた防疫体制の強化に引き続き取り組んでいきます。

2023年12月

審査の状況

カキ「太秋」の産地振興活動(宇城)

宇城地域は県内有数のカキ「太秋」の産地です。JA熊本うき柿部会では、生産者相互の栽培技術の向上と更なる産地振興を目的に、本年で9回目となる果実品評会が10月24日に開催されました。
今年度は、品質部門18点、大玉部門6点の出品があり、部会員と関係機関の計28名で審査しました。
高温乾燥が続き栽培管理に苦労された年でしたが、出品された果実は玉揃いも良く、糖度が20度を超える果実もありました。
品質部門の金賞は果実の揃い・糖度・着色・外観ともに優れ、素晴らしい果実でした。  
また、大玉部門は少雨のため、全体的に大玉が作りにくい状況にもかかわらず、金賞は616gと通常果実の1.5倍の重量でした。
農業普及・振興課では今後、収穫後の土つくりや整枝せん定、次年度の対策を呼びかけるとともに、省力化が図れるジョイント栽培の導入支援を行い、栽培技術の向上及び高品質の果実安定生産につながるよう普及活動を進めていきます。

2023年12月

会議の様子
JA菊池事例発表

新規就農者確保・育成対策会議を開催

10月26日(木)に第2回新規就農者確保・育成対策会議を宇城地域振興局で開催し、関係機関から25名の参加がありました。
はじめに、今年度の新規就農者数や巡回状況について農業普及・振興課より報告を行いました。宇城地域は新規就農者が徐々に減少、加えて周辺農家から新規就農者への農地・施設等の賃借、購入相談を受けきれない事例が出てきています。産地維持のため、研修生の受入れ体制整備や経営継承の取組み本格化について改めて提案し、今年度から経営継承モデルとして進めているJA熊本うき園芸部会の継承意向のアンケート結果についても会議内で情報を共有しました。
会議後半では、JA熊本うき園芸部会のアスパラガス部会長にも参加頂き、農地担い手・支援課から「経営継承について」、JA菊池北営農センターの西本センター長から「JA菊池アスパラガス部会での産地維持の取組みについて」それぞれ報告を頂きました。JA菊池では新規参入者確保策として、年間カリキュラムを策定した「明日パラダイス塾」を開講し、短期間での技術習得と農地・施設斡旋による独立制度を作られており、その熱意と仕組みに参加者一同、感嘆の様子でした。
意見交換では令和6年度に向けた動きとして、宇土市と宇城市で新規就農者確保及び育成に向けた新たな予算要求について報告がありました。
本会議も3年目を迎え、新規就農者確保・育成に対する関係者の機運の高まりとともに施策への反映など一定の効果が現れています。

2023年11月

肉用種牛(褐毛和種)の部審査
表彰式

宇城・上益城地域統一畜産共進会が開催

9月16日、県畜産農協矢部畜産センター(山都町)において、宇城・上益城地域統一畜産共進会(同共進会実行委員会主催)が開催されました。本共進会は、宇城・上益城地域の畜産振興に資することを目的に毎年開催されており、肉用種牛(褐毛和種、黒毛和種)の部、飼料作物の部、肉牛の部及び堆肥の部の4部門で畜産農家が日頃の飼養管理等の成果を競い合いました。
宇城地域からは、県内褐毛和種の主産地である美里町を中心に、肉用種牛の部24頭(全体39頭)、飼料作物の部11点(同20点)、肉牛の部6頭(同10頭)、堆肥の部8点(同19点)の出品がありました。審査の結果、宇城地域から飼料作物の部では北本慶一氏(美里町)、肉牛の部では岡村智弘氏(宇城市)が最優秀のグランドチャンピオン、肉用種牛(褐毛和種)の部では、惜しくもグランドチャンピオンは逃したものの井上司氏(美里町)が2部(16~24齢)の主席に選ばれました。当日はバーベキュー大会で畜産農家同士の交流も深まりました。
農業普及・振興課では、引き続き、肉用牛農家に対して、飼養管理技術に関する調査や技術指導等を通じて支援を行っていきます。

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