宇城エリア

宇城地域は宇土市、宇城市、下益城郡を所管しており、有明海と八代海に挟まれた海岸島しょ地域(宇土半島)、八代海に面した平坦地域及び九州山地の中山間地域と大きく3つの地域に区分され、異なる立地条件を生かした多彩な農業生産活動が展開されています。
海岸島しょ地域においては、不知火類や温州みかんをはじめとする柑橘類や洋ラン等の生産が行われ、平坦地域では、トマト、メロンなどの施設野菜やれんこん、米等が生産され、酪農等の畜産も営まれています。なかでも、柑橘類、鉢物類(洋ラン)、しょうが、れんこん、柿などの生産量は県内上位を占めており、県内における有数の農業地帯です。

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県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 宇城市松橋町久具400-1

電話:0964-32-5090

FAX :0964-32-0373

宇城エリア普及現地情報

2023年11月

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肉用種牛(褐毛和種)の部審査
表彰式

宇城・上益城地域統一畜産共進会が開催

9月16日、県畜産農協矢部畜産センター(山都町)において、宇城・上益城地域統一畜産共進会(同共進会実行委員会主催)が開催されました。本共進会は、宇城・上益城地域の畜産振興に資することを目的に毎年開催されており、肉用種牛(褐毛和種、黒毛和種)の部、飼料作物の部、肉牛の部及び堆肥の部の4部門で畜産農家が日頃の飼養管理等の成果を競い合いました。
宇城地域からは、県内褐毛和種の主産地である美里町を中心に、肉用種牛の部24頭(全体39頭)、飼料作物の部11点(同20点)、肉牛の部6頭(同10頭)、堆肥の部8点(同19点)の出品がありました。審査の結果、宇城地域から飼料作物の部では北本慶一氏(美里町)、肉牛の部では岡村智弘氏(宇城市)が最優秀のグランドチャンピオン、肉用種牛(褐毛和種)の部では、惜しくもグランドチャンピオンは逃したものの井上司氏(美里町)が2部(16~24齢)の主席に選ばれました。当日はバーベキュー大会で畜産農家同士の交流も深まりました。
農業普及・振興課では、引き続き、肉用牛農家に対して、飼養管理技術に関する調査や技術指導等を通じて支援を行っていきます。

2023年10月

吉野果実選果場(氷川町)の研修の様子
(株)アグリ日奈久(八代市)の研修の様子

4年ぶりに開催。城南5地域の「城南ブッロク農業経営同友会研修会」

9月1日(金)に「城南ブロック農業経営同友会研修会」を4年ぶりに開催しました。
この研修会は八代、芦北、球磨、宇城、天草の5地域の県農業コンクール大会参加者や指導農業士で構成された地域農業経営同友会が連携して毎年開催されていましたが、コロナ感染症の影響により開催が延期されていたため、今回は4年ぶりとなりました。
本年度は八代地域での開催となり、当日は65名が参加し、輸出20年を迎える吉野梨の選果場と令和3年度に秀賞を受賞した地域営農法人(株)アグリ日奈久の現地研修を行いましました。その後の交流会では、各地域の会長から地域の現状や活動状況の報告等があり、盛会な研修会となりました。
参加者からは「隣の地域なのに今日初めて知ったことがあった」、「近い地域だからこそわかり合える」など研修会に参加して良かったとの声が聞かれました。来年度は球磨地域が担当で、皆さん楽しみにしている様子でした。

2023年10月

記念講演の様子
宇城地域産スイーツの試食会

くまもと農業女性ネットワーク全体研修会について

8月30日(水)、宇土市で「くまもと農業女性ネットワーク」全体研修会が開催され、県下全域から会員等約190名が参加しました。研修会は、県内各地域の農業女性アドバイザーOG組織が持ち回りで開催していますが、新型コロナウイルス感染症の影響から、4年ぶりの開催となりました。
研修会は、午前に、民謡歌手であり、くまもと米粉インスタラクターとしても活躍する西村直子氏の記念講演が行われました。午後には、平成7年度に熊本県農業女性アドバイザーに認定され、「くまもと農業女性ネットワーク」を立ち上げた宇土市の澤田美也子氏の事例発表が行われました。事例発表では、組織の立ち上げ時から現在に至るまでの活動変遷に加えて、女性農業者の経営参画推進に尽力されてきた澤田氏の強い思いが語られました。その後、今回の研修会の主催者である「宇城ウキ農業女性アドバイザーネットの会」によるパネルディスカッションと宇城地域産農産物を使ったスイーツ試食会で、参加者が交流しました。参加者からは、「久しぶりに他地域の方と一緒に勉強ができてよかった」との声が上がっていました。
農業普及・振興課では、今回の研修会の開催支援のように、引き続き女性農業者の活動支援に取り組んでいきます。

2023年10月

共通課題勉強会
先輩農業者とのマッチング会

新規就農者の課題解決活動について

8月17日(木)に農業アカデミーと連携した新規就農者共通課題勉強会を宇城地域振興局で開催し、新規就農者を含む16名の参加がありました。今回は株式会社イノPの稲葉達也氏から「農家でもできる鳥獣害対策」について講義を頂き、農作物の残さ放置など知らぬ間の餌付けをやめることや効果的な電柵の張り方、箱ワナ設置のコツ等の説明がありました。箱ワナはほ場近くに置くと効果がないばかりかイノシシが出てくることが習慣化するため、山裾に置きICTで管理することが大事との話を聞き、参加者一同納得した様子でした。講義後は農業普及・振興課から関連補助事業の紹介を行い、さっそく申請したいとの声もあがりました。
また、翌18日(金)には新規就農者と農家アドバイザー(地域の先輩農業者)とのマッチング会を開催し、ショウガ生産の新規就農者2名に先輩農業者を紹介したうえで個別面談を行いました。会では先輩農業者に種ショウガの選別や防除のタイミングなど重要な管理ポイントをひとつひとつ確認して頂きました。面談後は新規就農者のほ場で、ショウガの生育状況を見てもらい助言を頂きました。新規就農者と先輩農業者は既に顔見知りであったものの、マッチング会を通じてお互いを意識し、先輩農業者のほ場を訪問する等さらに親密な関係が築けています。
農業普及・振興課では、勉強会や農家アドバイザーを通して、引き続き新規就農者の営農力強化に取り組んでいきます。

2023年8月

生産者への指導啓発
処理状況確認票を掲示

トマト類等の害虫をハウスの外に逃がさないぞ!(JA・市町・普及で栽培終了後のハウス密閉確認を実施)

トマト類をはじめとした施設栽培が盛んな宇城地域ですが、令和3年産トマト・ミニトマトでタバココナジラミの媒介するトマト黄化葉巻病が多発し問題となりました。
そこで昨年、栽培終了後に害虫を野外へ逃がさないようにハウスを閉め切り殺虫する「密閉処理」を徹底するため、JA、市町、普及合同で管内全生産者・ハウスを巡回して適正処理の指導を行いました。
今年もこの取り組みを継続し、地域で取り決めたトマトの栽培終了時期が6月末であることから、6月下旬と7月上旬の2回、トマト類やキュウリを対象に巡回しました。ほとんどの農家で「巡回指導」を認識されており、密閉処理が昨年より徹底されていました。
なお、収穫が終了していないほ場や雑草が生えたほ場には、対面指導や処理状況確認票をハウス内へ掲示し、6月末の収穫終了と密閉処理の実施、ほ場まわりの環境整備の徹底を呼びかけました。
農業普及・振興課では、今後もこのような取り組みを継続し、施設野菜の生産の安定を図って参ります。

2023年8月

個人面談の様子
作型計画表

宿根カスミソウの計画出荷に向けた個人面談を実施

6月20~22日にかけてJA 熊本うき花倶楽部の宿根カスミソウ生産者40戸を対象に、計画出荷と所得安定を目指した個人面談を行いました。
個人面談では、まず生産者ごとに栽培品種や定植日、出荷時期を聞き取りながら作型計画表を入力し、その入力データを基に、出荷の平準化や労力分散など各自の労力に合わせた栽培計画を作成しました。
面談により、生産者から「需要期への出荷は大事だが、労力分散を考えて、ハウス管理を見直す必要がある」などの発言があり、経営の改善に向けた意識改革が図られました。
また、JA 熊本うきの宿根カスミソウは、需要期以外でも安定した出荷量を確保し、R3~4年産は、2年連続で過去最高の販売額を達成しており、JA の担当者からは、「栽培計画を活用した有利販売を行いたい」と意気込みが感じられました。
農業普及・振興課では、今後、JA と個別巡回などを行いながら、計画に沿った栽培指導を実施し、計画出荷への支援を行っていきます。

2023年8月

総会の様子
課題設定会議の様子

宇城地方青年農業者クラブ連絡協議会通常総会の開催

5月10日、宇城地域振興局で宇城地方4Hクラブの総会が開催されました。新型コロナウイルスが第5類感染症へ移行したことを受け、4年ぶりにパーテーションを取り除き、来賓を招待した対面形式での開催となりました。
役員改選後、新会長が「これまではコロナ禍で活動を縮小せざるを得なかったが、今年度はクラブ員全員で楽しめるような活動をしたい」と話したとおり、今年度は例年の活動に加えてクラブ員の交流会や異業種交流会などクラブ員同士の繋がりを深める様々なイベント活動を計画しています。
また、総会終了後には、プロジェクト活動に向けた「課題設定会議」を開催し、クラブ員が自身の経営状況や日頃の栽培管理などの中から課題を見つけ、その解決に取り組めるように、各担当普及員が状況を聞き取りながら意見交換を行いました。
農業普及・振興課では、引き続き、クラブ活動支援を通して地域の将来を担う農業者の育成に取り組んでいきます。

2023年8月

ワークショップの様子
ワークショップの結果

里浦地区にて若手担い手への勉強会を開催

6月21日に、宇城市三角町里浦地区で若手生産者を対象に勉強会を開催しました。当地区は、果樹を中心に約11ha(道路含む)の大規模基盤整備を計画しています。
整備地区内で営農を計画している若手生産者が、これからの自身の農業経営および地区の将来を思い描く「場」を提供するため、今年度新たに勉強会を開始したものです。
1回目は、土壌肥料の講義、ワークショップ(テーマ:地区の将来をどうしたい?)、今後の勉強会の打合せを行いました。
特にワークショップでは、日頃の思いを積極的に出してもらった結果を公民館に張り出したところ、地区のベテラン生産者から「若いもんの考えが見れて良か!」との声が寄せられました。今回の取り組みが地区全体の将来を改めて考えるきっかけになればと期待しています。
農業普及・振興課では、次回以降の勉強会も活用しながら、地区の将来を牽引していく人材育成を支援していきます。

2023年7月

野菜関係病害虫対策会議の様子
ミカンコミバエ防疫対策連絡会議の様子

地域で連携!! 宇城地域の病害虫対策会議

5月17日に管内市町、JA、生産者代表等関係機関を参集し野菜関係病害虫対策会議及びミカンコミバエ防疫対策連絡会議を宇城地域振興局で開催しました。
野菜関係病害虫対策会議では、当地域において課題となっているトマト黄化葉巻病やウリ類の退緑黄化病等のウイルス病を媒介する微小害虫の防除対策について協議しました。地域の現状や課題の報告後、令和5年産施設園芸作物の被害低減に向けて、トマト類は7月の1か月間は本ぽに作付けしないことと、ハウス密閉処理の徹底を申し合せました。さらに市町等にチラシや広報誌による周知を依頼しました。
ミカンコミバエ防疫対策連絡会議では、ミカンコミバエの概要とこれまでの取組状況を報告後、管内で誘殺された場合の具体的な対応を確認しました。ミカンコミバエは果樹や野菜などの果実に寄生し、初動対応を怠ると地域外への果実の移動が制限される重要害虫であることから、関係機関の役割及び対応の重要性について意識統一を図りました。
農業普及・振興課では、引き続き地域と連携して病害虫対策に取り組み、農産物の生産・安定に向けた支援を行っていきます。

2023年6月

「美里うまい米づくり会」スタート!
来賓の美里町長

「美里うまい米づくり会」、スタート!

美里町は中山間地域であり、農地の大部分が丘陵地や傾斜地で占められています。町では、美里町産米の知名度向上と町のPRを目的にお米の食味コンクールを開催するなど、おいしい米づくりを積極的に進めてきました。
今後、さらに美里町のお米の食味向上とブランド化を進め、地域農業の維持や活性化等に繋げることを目的に、「美里うまい米づくり会」が15名の生産者により4月25日に発足しました。
美里町長による来賓挨拶のあと、規約や役員選任、事業計画等の議案がすべて承認されました。今年度は生育調査や現地検討会、先進地研修、食味コンクールへの参加等が予定され、各会員の技術力向上が期待されます。
農業普及・振興課では、「美里うまい米づくり会」に対し、技術指導や情報提供等を行い活動を支援していく予定です。

2023年4月

「宇城地域農業女性アドバイザー研修会」の開催

県農業女性アドバイザーに認定されている宇城地域の14名を対象に、3月14日(火)、宇城市小川町「風の館塩屋」において研修会を開催しました。
まず、本年度熊本県女性活躍表彰を受賞された森田加代子さん(平成7年度農業女性アドバイザー認定)から「地域の宝(ヒト・モノ・コト)を地域のちからに」と題して、農業や地域活動の取り組みについて発表していただきました。
森田さんは、結婚当初から夫婦で有機農業に取り組み、現在は有機農業を目指す研修生の受入れや有機JAS認定審査員として活躍されています。また、仲間で古民家を再生した「風の館(国有形文化財に指定)」を拠点に地域づくり活動にも取り組まれています。
農業生産と地域活動の両立についての質問に対し、「自分の中で双方のバランスが良く、精神的にも切り替えができたことで、それぞれ前向きに取り組めたと思う」との回答に参加者は頷きながら聞き入っていました。
後半では、煉瓦を使った手作り釜を使って、有機野菜たっぷりのピザづくりを実習しながら、久しぶりの良き交流の機会となりました。
農業普及・振興課では、今後もネットワーク力を生かした女性農業者の活動支援に取り組んでいきます。

2023年4月

キュウリ退緑黄化病の発生株率の推移
天敵放飼の様子

キュウリ栽培における天敵利用体系の確立に向けて

宇城地域のキュウリ栽培におけるコナジラミ類等微小害虫の防除には、主に化学合成農薬が使用されていますが、近年、薬剤抵抗性の発達により感受性が低下している殺虫剤もあるため、化学合成農薬に依存しない総合的な防除体系の確立が課題となっています。
そこで、化学合成農薬と併せて、微小害虫の天敵生物であるスワルスキーカブリダニ及びリモニカスカブリダニと害虫を補殺する粘着性トラップを利用した防除体系による、微小害虫の密度抑制効果を調査しました。
調査の結果、慣行の化学合成農薬主体防除よりもタバココナジラミの密度を抑えることができ、タバココナジラミが媒介するキュウリ退緑黄化病の発生も少なくなりました。また、コナジラミ類に対する化学合成農薬の使用回数は慣行と比べて32%削減できました。
今後、農業普及・振興課では、導入コスト等も評価しながら、天敵を利用する際の防除暦やマニュアルを作成し、生産者へ配布することで、キュウリの生産安定を支援していきます。

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