阿蘇エリア

阿蘇地域は阿蘇市、阿蘇郡を所管しています。標高が200~900mと高低差が大きく、年平均気温は11~14℃で気候は冷涼であり、年間降水量は県内平坦地の1.5倍となっています。
農業生産は、減農薬・減化学肥料栽培による水稲(阿蘇コシヒカリ)や大豆、飼料用稲(WCS)、飼料作物が栽培され、水田裏作として麦が導入されています。野菜は夏季の冷涼な気候を活かした夏秋野菜産地として、トマト、アスパラガス、ホウレンソウ、ナス、ダイコン、キャベツなどが栽培されるほか、冬季にはイチゴの生産が行われています。また、花きでは、トルコギキョウ、リンドウなどが栽培されています。さらに、畜産では広大な牧野(放牧、採草)を活用した肉用牛繁殖経営や、大規模酪農経営が営まれています。

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県北広域本部 阿蘇地域振興局 農業普及・振興課

〒869-2612 阿蘇市一の宮町宮地2402

電話:0967-22-0622

FAX :0967-22-3563

阿蘇エリア普及現地情報

2026年4月

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牧野の新たな担い手確保に向けた取り組み ~牧野組合長への聞き取り調査~

阿蘇地域では、広大な草原を活用した放牧が行われてきましたが、近年、畜産農家の高齢化や放牧利用農家が減少傾向で推移しています。また、牧野組合は150程度存在しますが、現在放牧を中止している牧野も多く、今後、牧野の維持管理をしていく担い手の確保・育成が喫緊の課題となっています。
今年度はまず牧野組合の実情を把握するため、畜産課が実施する「R7阿蘇地域放牧・採草地調査(R6実績)」に、「新たな担い手の受入意向」の質問項目を追加し調査を実施しました。調査結果は、149牧野組合のうち、放牧を実施している牧野は89牧野であり、組合員以外でも放牧取組者を受け入れる意向のある牧野組合が15牧野あることがわかりました。そこで、この15牧野の組合長に対して、牧野組合の現状や今後の受入条件などについて聞き取りを実施しました。組合長からは「新規の方も組合員になって、同条件で放牧してもらっても構わない」、「共に作業し、牧野を利用してくれる人材を是非受け入れたい」等、今後も牧野を維持・運営していくために前向きな声が聞かれました。
当課では、阿蘇地域世界農業遺産推進協会と連携し、牧野の維持・管理ができる担い手人材を確保するため、畜産関係機関が連携した支援体制を整備し、今年度4月から新規就農者の募集を開始しました。今後は、SNS等を活用し、放牧により新規就農を目指す県内外の方々に向けて情報を発信し、1人でも多くの担い手確保ができるよう取組みを継続していきます。

2026年4月

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令和8年産初選果(2月24日)
栽培管理講習会 (2月27日、JA・阿蘇南中央支所)

令和8年産アスパラガスの出荷始まる ~JA阿蘇アスパラ部会の活動~

阿蘇地域では中部地区(阿蘇市)を中心に、全域でアスパラガスが栽培されており、令和8年産の出荷が2月24日からスタートしました。管内の生産・出荷のほとんどを占めるのは、JA阿蘇「アスパラ部会」(正式名称)で、本年産は生産者数92名(作付面積31ha超)体制で800tの出荷を計画しています。
作型は、基本的には他産地同様ハウス半促成2期どり(春どり・夏秋どり)ですが、平坦地の春どり前進化傾向に対し、低温・残寒が危惧される阿蘇地域では、ハウス内温度が確保できるタイミングを慎重に見定めた上で当該年産のハウスの保温を行います。管内各地区の農家は、自分のほ場の標高他立地条件と年次気象を十分に勘案した上で、2月中旬以降3月下旬までの間に順次保温を開始し、保温開始後2~3週間で春芽の収穫・出荷が始まります。
また、2月27日は中北部、南部地区2カ所に分けて恒例の栽培管理講習会が開催され、農業普及・振興課からは保温開始~立茎時期までの栽培管理と病害虫防除について講習を行いました。具体的内容としては、温度管理、立茎の開始時期、高温期の草勢管理、さらに天候を先読みした予防散布による病害の徹底防除等を指導しました。
産地に再導入されて30年余、後継者確保と新規就農者参入により平均年齢40代というアスパラ部会の目標達成に向けて、農業普及・振興課は支援していきます。

2026年4月

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検討会の様子
作業時間の削減

水稲乾田直播で作業時間を20%以上削減!

阿蘇地域では、作業が集中する春作業(育苗、代かき等)の労力軽減が課題となる中、当課では株式会社クボタと連携して、「振動ローラ式乾田直播技術」による稲作の省力化・低コスト栽培の実証試験を行いました。本方式での乾田直播は、管内では初めての取組みであったことから、開発元である九州沖縄農業研究センターに助言を得ながら調査を進めました。
試験結果をまとめ、2月6日に、関係機関を参集して、成績検討会を行いました。乾田直播栽培では育苗や田植え等の作業が省略されたことで、移植栽培と比較して、10a当たりの延べ作業時間が約26%削減されました。さらに、坪刈り収量679kg/10aとなり、品質は1等相当に格付けされ、収量・品質ともに移植栽培同等の良好な結果となりました。委託農家からは「育苗が省略されて作業が非常に楽になった」や「令和8年産からは約10haまで拡大したい」などの意見をいただき、高い評価が得られました。また、管内の他の生産者からも「乾田直播技術に興味がある」との声が多くあり、本技術に対する期待の大きさを感じました。
検討会では、九州内でも平均気温が低い阿蘇地域での播種適期の早期確立が課題に挙げられ、来年度は試験ヵ所を増やして調査を実施します。今後、管内での技術確立及び普及定着により、効率的で安定的な生産による所得向上につなげて参ります。

2026年4月

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ドローンを飛ばしている様子
ドローンからの撮影画像

普及活動強化を図るドローン研修会の実施

スマート農業の展開が農業分野で不可欠となっていますが、普及指導員がスマート機器の操作を習得する機会は多くありません。そのため今回、当課に配備されているドローンでの操作方法を職員全員が習得し、業務における写真撮影やデータ収集を通じて、普及活動や調査研究に活用できるスキルを身につけることを目的として研修会を実施しました。研修当日は、まず資料に基づき操作方法の説明を行い、その後、2台のドローンを使用した実地演習を行いました。参加者は3班に分かれ、各班が交代で約30分間の演習を行うことで、参加者全員がドローンの操作を体験し、基本的な操縦手順を確実に習得することができました。演習では離着陸や簡易的な撮影操作など、現場で求められる基本動作を重点的に練習しました。
少人数制で個別に操作方法を説明することができたことや、参加者同士が操作のポイントを共有しやすい環境が整ったことで、班内での活発な情報交換が行われ、学習効果が高まりました。
今回の研修で習得した操作スキルを今後の普及活動や調査研究に活かすことで、現場での調査精度が向上するだけでなく、地域を俯瞰的に見つめることで新たな課題発見等にも繋がることが期待されます。これにより、業務の効率化と精度向上を進め、普及活動の高度化を図っていきます。

2026年3月

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インタビューの様子
うしみる(首輪)を装着した牛

阿蘇地域で進む放牧ICTの活用について

阿蘇地域では、広大な草原を活用した放牧が古くから営まれてきました。しかし近年、担い手不足や管理労力の増大が深刻化しており、放牧管理の効率化が大きな課題となっています。こうした状況を受け、ICT技術を活用した新たな放牧管理手法が注目されています。
本年度は、阿蘇地域世界農業遺産推進協会と協力し、当該地域の5つの牧野において、ICT機器「うしみる」を試験的に導入しました。「うしみる」は、牛の位置情報をリアルタイムで把握できるツールで、広大な牧野を抱える阿蘇地域において、見回り作業の効率化や放牧事故の防止に寄与することが期待されています。
12月には、導入牧野を対象に、ICT機器メーカーと連携してアンケート調査を実施し、放牧ICTの利用実態や課題、今後の展望について把握を行いました。調査では、「位置確認の手間が減った」「見回りの負担が軽減した」といった効果が報告される一方で、通信環境の不安定さや機器コストなど、試験導入ならではの課題も明らかになりました。
これらの結果を踏まえ、当課では今後も各メーカーや関係機関と協力し、技術開発の促進や支援体制の充実を図ることで、放牧ICTのさらなる普及に向けた取り組みを進めていきます。

2026年3月

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スズナ(右)・スズシロ(左)栽培
春の七草(パック売り)

七草の出荷作業が最盛期を迎えています

1月7日は無病長寿を願い縁起物の野菜を食する人日の節句とされる、いわゆる「春の七草」の日です。春の七草は「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」で知られ、栄養価も高いことから今日ではお正月の御馳走の後に健康食をいただいて胃腸を休めるという意味でも広く親しまれています。
阿蘇地域の北部に位置する小国郷では、生産者4名が150aで七草を栽培しており、R7年産は約75,000パックを県内のスーパーや福岡への出荷を予定しています。各品目は9月上旬以降に播種され、12月22日から収穫作業や洗浄・葉根の切り落とし等の出荷準備が行われます。収穫からパック詰めまでの作業は約15~20名で行われ、地域間で声を掛け合いながら1月7日の食卓に七草を提供できるよう準備が進められています。
小国郷地域は七草の栽培において先駆的な地域である一方で、収穫後から出荷時期までの品質保持や担い手確保が課題となっています。県内屈指の七草栽培地域として、当課は今後も七草の安定生産と産地維持に向けてJA阿蘇と連携し、支援して参ります。

2026年3月

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意見発表の様子
クラブ員集合写真

令和7年度阿蘇地方青年農業者会議を開催

阿蘇地方青年農業者クラブでは、クラブ員が日頃の活動成果を発表・共有することで、資質向上と課題解決の方向性を見出すことを目的とし、12月19日に「令和7年度阿蘇地方青年農業者会議」を開催しました。これまで当課は、各クラブ員に担当者を配置し、経営上の課題の抽出や解決に向けた取組み、スライド作成や発表方法等について伴走支援を行ってきました。また、複数回にわたり実施した発表練習では、クラブ員同士が互いの発表を確認しながら意見を出し合う等、発表内容の充実を図ってきました。その結果、今年度は意見発表の部1名、プロジェクト発表の部4名、地域活動発表の部1名の計6名が発表を行いました。
当日は阿蘇農業同志会会長や関係機関担当者など9名が審査を担当し、意見発表及びプロジェクト発表の最優秀者(各1名)に秀賞が授与されました。併せて、2月18日に開催される県大会への発表者全員の推戴が決定しました。審査講評では「発表内容についてよく整理できており、発表態度等もとても良かった」といった評価の他、地域との関わりをより意識した視点を盛り込むことで一層内容が深まるとのコメントや、資料の構成・表現を工夫するための具体的な助言もいただきました。
県大会ではより良い発表ができるよう、引き続きクラブ員と当課が一体となって発表内容の完成度向上を図ります。今後も、農業普及・振興課全体で4Hクラブ員の成長を後押しする体制づくりを進めて参ります。

2026年3月

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12/8 南部地域の現地研修
12/16 北部地域の現地研修

地域営農法人の地域別連携会議を開催

阿蘇地域では、平成27年から地域営農法人の設立が進み、早い法人は設立から10年が経過しています。今後は法人役員や構成員の高齢化に伴い、法人を担うリーダー確保や人材育成が大きな課題になると考えられます。また、農業上の様々な課題に対し、農地の立地条件が近い法人はそれらの傾向も類似していると考えられます。
そこで、昨年度に引き続き、南部地域と北部地域の地域営農法人について、法人の抱える課題の共有や解決に向けた意見交換を行うため、それぞれ12月8日と12月16日に地域別連携会議を開催しました。
会議では、事前に回収したアンケート調査の集計結果を農業普及・振興課から説明したあと、各法人がそれぞれの回答について背景や現況を踏まえ解説しました。また、今回は新たに現地研修を設け、各地域1法人の活動状況や施設・機械の整備状況等について視察しました。参加者からは補助事業に関する行政への要望や、労働力確保に関する他法人の取り組みなどについて意見が交わされました。
今回の会議に関する感想を、くまもと水土里GISを用いたQRコードより回答してもらったところ、北部地域で90%以上、南部地域で60%以上が良かった・少し良かったとの評価を得ました。また、その場で結果をスクリーンに映し共有することができ、今後のアンケートはこの方式で良いとの回答が70%以上となりました。
今回の会議を踏まえ、来年度も地域別連携会議について内容を検討して開催し、関係機関とともに法人間の連携強化に向けて取り組んで参ります。

2026年2月

第1回目研修8/29 田んぼダム用排水桝の説明(農地整備課)
第2回目研修11/14 放牧ICTの説明(農業普及・振興課) 第2回目研修11/14

農林部3課合同での現地研修会の開催

現在の農業情勢は、高齢化・担い手不足、耕作放棄地の増加といった課題に直面する一方、規模拡大と経営効率化を図るため基盤整備やスマート農業技術の導入が進められています。当局農林部では、地域が抱える課題について農林部3課全職員が情報を共有するため、今年度は3回(9テーマ)の現地研修会を開催します。
11月14日には2回目の研修会を実施し、当課からは、ICTを活用した放牧看視システム「うしみる」について、産山村下平川牧野にてシステムの概要及び阿蘇地域の放牧状況について説明しました。職員からは金額面や導入事例に対する活発な質疑がありました。
林務課からは産山村の林地内にて「人工林の管理・伐採状況」について、農地整備課からは大蘇ダムの現地にて「大蘇ダムの現状及び今後の見通し」についての説明がありました。
この研修会は、他課職員が滅多に足を運ぶことがない他分野の現地を視察でき、阿蘇地域の農林業が抱える現状、課題及び各課の取組みをより深く理解するための一助となっています。また、他課とつながりをつくることで、連携が必要な際、相談がしやすい環境づくりにも繋がっています。次回は、2月を予定しています。

2026年2月

出店の様子
会場の様子

阿蘇地域世界農業遺産フェアにおける阿蘇産農畜産物のPR

阿蘇地域では、長年にわたり草資源を循環的に利用し、持続的な農業が展開されてきた結果、世界最大級のカルデラに大草原が広がり、多くの動植物が生育・生息しています。これが世界に高く評価され、2013年に国際連合食糧農業機関から世界農業遺産の認定を受けました。
認定後は、当課に阿蘇地域世界農業遺産推進協会事務局が設置され、各種補助事業や4部会による活動、イベント企画・実施など、様々な取組みを積極的に実施しています。
今回、阿蘇地域世界農業遺産をより多くの方に認知してもらい、阿蘇産農林畜産物の付加価値向上を図るため、10月25日(土)~26日(日)の2日間、阿蘇市内牧にある阿蘇体育館で「阿蘇地域世界農業遺産フェア」を開催しました。
イベントでは、当協会の補助事業を活用し商品開発をされた事業者や阿蘇4HC、地元商工会等に呼びかけ、阿蘇地域の食材や商品を数多く集めました。
初めての開催だったものの、阿蘇地域の価値や現状を学べる世界農業遺産クイズのブースを設置し、併せてスタンプラリーも実施したことで多くの方に楽しんでもらえるイベントとなりました。
来年度以降は、イベント規模を拡大させ、地域に根付いたイベントにつなげてまいります。

2025年12月

支援センター演習の様子
バス運行管理演習の様子

阿蘇地域家畜防疫演習の開催

鳥インフルエンザ等の家畜伝染病が発生した場合、迅速かつ円滑(的確)な防疫対応ができるよう備えるため、10月16日、実際に支援センターの拠点となる産山村旧山鹿小学校体育館において、阿蘇地域家畜防疫演習を開催しました。
毎年、阿蘇地域の防疫演習では、座学と併せて実施演習を取り入れており、今年度は座学と「支援センターの運営」や「バス運行管理」、「通行規制」、「消毒ポイント」について演習を行いました。参加者である局職員及び市町村や関係団体は各自の役割を確認するとともに、万が一発生した際に、迅速かつ確実な対応ができるよう、業務の理解を深めました。
今シーズンも熊本県特別防疫対策期間前の10月22日に国内1例目が確認されており、いつどこで発生してもおかしくない状況です。今回の演習及び日頃からの関係者との情報交換を引き続き行い、発生に備え、体制強化に取り組んで参ります。

2025年12月

ほうれんそう栽培の様子  
JA阿蘇小国郷春菊部会栽培講習会の様子

北東外輪地域の葉菜類の収量向上へ向けて

阿蘇地域の北部に位置する小国郷(小国町、南小国町)では、年間を通してほうれんそうが、4月上旬から11月下旬にかけては春菊が栽培されています。
近年、春期から秋期にかけての高温多湿条件の多発により、病害虫の発生増加が懸念されていることから、各部会員を対象に10月21日にほうれんそう栽培講習会、10月28日には春菊栽培講習会を開催しました。
ほうれんそうの栽培講習会では種苗会社からべと病抵抗性品種について、JA熊本経済連からはアザミウマ類やチョウ目類に登録のある農薬の紹介がありました。講習会後は生産者の方から多くの質問が寄せられ、収量向上に向けた対策について関心の高さを伺うことができました。
春菊の栽培講習会ではJA阿蘇小国郷から令和7年度出荷販売実績や市況について報告がありました。農業普及・振興課からは双方の講習会で、薬剤防除と併せた総合防除や作物の根が育つ環境を整える土づくりの方法などについて説明を行いました。
農業普及・振興課では、小国郷地域の葉根菜類収量向上を普及計画の重点課題に位置付け、JA阿蘇等関係機関と連携し、しっかりと支援して参ります。

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