大豆摘心技術展示ほの現地検討会を開催しました!~阿蘇に適応した技術の探索~
阿蘇管内では、地域営農法人の収益性向上と水田フル活用のため、大豆の作付けを推進しており、現在、阿蘇市を中心に約100haで栽培されています。しかし、管内の大豆の反収は、県平均と比べて低いため、当課では、高原農業研究所やJA阿蘇と連携しながら、大豆の安定生産に向けた取り組みを行っています。
阿蘇地域の大豆栽培は、平坦地より約1カ月早く、5月下旬から播種が始まります。そのため、初期生育が旺盛で、徒長により倒伏しやすいことが問題となっていました。
そこで、熊本県では一般的に導入されていなかった摘心技術(生育期間中に主茎長を切り取る技術)に着目し、令和2年度から実証試験を行っています。摘心すると、主茎長が短くなり耐倒伏性が高まるほか、分枝数や着莢数が増加し収量向上が期待されます。令和5年度の試験において、本葉11葉期と開花直前の摘心では、収量増加は見られなかったものの、倒伏軽減の効果が確認されたことから、今年度は、昨年度より早い7葉期に摘心を実施しました。8月1日に管内の大豆生産者と関係機関を参集し、大豆の栽培管理や摘心技術について説明を行った後、実際に摘心機で作業を行いました。参加者からは、「摘心時期を早めたことで、収量増加に影響があるか楽しみ」といった声が聞かれました。また、摘心技術の時期や位置、その他の栽培技術について活発に意見交換が行われ、有意義な検討会となりました。11月には収量調査を実施し、実証試験の結果を関係機関を交えて検討する予定です。
当課では、引き続き大豆の安定生産に向けて関係機関一体となって取り組んでまいります。