芦北エリア

芦北地域は水俣市、芦北郡を所管しています。熊本県の南部に位置し、八代海の海岸線に沿って起伏に富んだ地形が形成され、平坦地が少ない中山間地域です。温暖な気候を活かして、田 (マルタ)ブランドの甘夏や不知火類(デコポン)、早生たまねぎ (サラたまちゃん)など、全国的に認知されている地域ブランド作物が生産されています。
特に、農業産出額の約5割を占める果樹は地域の基幹作物であり、なかでも不知火類(デコポン)は、12月の加温栽培から鮮度保持資材を活用した6月までの長期安定出荷が行われており、県内有数の産地です。また、肉用牛では「あしきた牛」ブランドとして、高品質な牛肉の生産が行われており、各種共励会で上位入賞するなど、県内外から高い評価を受けています。

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県南広域本部 芦北地域振興局 農業普及・振興課

〒869-5461 葦北郡芦北町芦北2670

電話:0966-82-5194

FAX :0966-82-2373

芦北エリア普及現地情報

2024年7月

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みなまた茶の新茶ふるまい会 @熊本空港

5月は一年の中で最も新鮮なお茶が味わえる、新茶のシーズンです。
水俣・芦北地域で生産される「みなまた茶」の新茶を県内外の方に味わっていただこうと、5月26日に、熊本空港内にあるQSHU HUB※にて新茶ふるまい・販売会を開催しました。また、このイベントを通じて、若い人のお茶への関心や認知度向上を図るため、地元の芦北高校の生徒にご協力いただき、茶摘み姿で試飲提供をしていただきました。
試飲した方からは、「甘みがある」、「緑茶を飲むとホッとする」などの声が聞かれ、多くの方に新茶を購入していただけました。また、この日から発売した、芦北町をモデルとした漫画「放課後ていぼう日誌」とコラボしたパッケージのお茶は販売初日から人気となりました。
当課では、みなまた茶の販売力強化のため、昨年度からPR活動に取組んでいます。今年度からはより発展的なPRとして、“地元特産物(みなまた茶)×地元企業×地元学校×地元ゆかりの漫画家”の『魅力ある地域資源を生かした活動』に着手しています。今後も、みなまた茶PRにより、茶産地の維持発展を支援していきます。

※QSHU HUB…熊本、九州の特産品を紹介するギャラリーショップ

2024年7月

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策定した栽培マニュアル
講習会の様子

新規作付者向け酒米講習会を開催!~マニュアル策定~

中山間地域である津奈木町倉谷(くらたに)・古中尾(ふるなかお)地区では、酒米を高単価作物と位置づけ、「山田錦」を栽培し、地元酒造会社の亀萬酒造へ販売されています。「山田錦」は、主食用品種や他の酒米品種に比べて栽培が難しく収量が低い品種であるため、生産・栽培するうえで気をつけるべきポイントが多く存在します。そこで、生産者がみな同様の品質・収量を確保できるよう、ポイントをとりまとめた「栽培マニュアル」を当課で策定しました。
今年度については、亀萬酒造からのさらなる酒米生産への需要へ応えるため、新規作付者3戸を加えた計6戸で酒米の生産を行います。そこで当課では、生産者の高位平準化・意識統一をはかるため、5月29日に新規作付者を重点対象とした栽培講習会を開催しました。策定した「栽培マニュアル」についても本講習会でお披露目し、新規作付者からは、施肥量・施肥時期や中干しについて多くの質問があり、また、栽培経験者との活発な意見交換もされました。生産者みんなで高品質な酒米を生産しようという意識から、生産者を中心としたⅬINEグループが作成され、今後作業内容等の情報交換がされる予定です。
今後は、土壌改良剤の試験展示を行い、現地検討会の開催や個別巡回など伴走支援していきます。関係機関と連携し、酒米の安定生産及び作付面積の拡大に向け支援していきます。

2024年7月

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勉強会の様子
模擬食味会の様子

「県南くまさんの輝き」特A獲得に向けて

芦北地域では毎年、(一財)日本穀物検定協会が主催する米の食味ランキングにおいて、「県南くまさんの輝き」(以下、「県南輝き」)の選考会に出品するためのサンプルを提出しています。しかし、残念ながら「県南輝き」は令和3年産から3年連続で最高評価である特Aを逃しており、「県南輝き」の知名度向上、有利販売につなげるためにも、特A獲得が喫緊の課題です。
そこで当課では、新たな取り組みの一環として、5月30日に、伴走型指導対象生産者3名、JA、市町を対象に、特A獲得に向けた勉強会及び食味会を開催しました。勉強会では、施肥量をできる限り抑えることと中干しを徹底させることの重要性を呼びかけ、また食味会では、毎年10月に行われる食味選考会の模擬版を開催し、どのような点が評価に重要かを生産者に実感してもらいました。
生産者らは、良食味生産に向けて取り組んでいることをお互いに共有したり、意欲的に模擬食味試験に取り組んだりして、特A獲得に向けた意欲を膨らませていました。 また、関係機関からは、「振興局やJAの取り組みを知ることができ、町としても支援していきたい」と前向きな声が聞かれました。今後も、関係機関と一体となり、「県南輝き」の特A獲得に向け、より濃密な伴走型指導を行っていきます。

2024年7月

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農業法人への説明会
ハーベスターでの収穫

加工用ばれいしょの導入に向けて

芦北地域では、令和2年7月豪雨で被災した芦北東部地区の基盤整備が予定されており、水田裏作に導入可能な品目が求められています。このため、令和3年度からJAあしきたと連携し、ポテトチップ原料として需要がある加工用ばれいしょの栽培実証を行っています。本年度からは、担い手の確保等、現地導入に向けても取り組みを開始したところです。
5月16日に、管内の3つの農業法人に対し、加工用ばれいしょ栽培について説明し、中山間地域での営農等について意見交換を行いました。法人からは適地性や収量性等、多くの質問があり、関心を示した1法人が来季試験的に取り組む方向で調整しています。また、5月29日に芦北町宮浦の50aの実証ほ場で(株)クボタ協力のもと、掘取機やハーベスターを利用した収穫の実演、調査を行い、法人にも実際の機械収穫の様子を見ていただきました。なお、本作の栽培実証では、生育後半に雨が多かったことから、排水対策や病害対策について新たに課題が見つかりました。
今後も、加工用ばれいしょの産地化に向けた課題解決と現地への導入推進に取り組んでいきます。

2024年7月

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就農希望者が果樹作業体験で農家のイメージ掴む

芦北地域では、市町、JA、普及で「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム」を設置し、地域一丸となって新規就農者の確保に取り組んでいます。
県外から芦北地域への就農を希望される方については、就農相談会や産地見学会、バスツアー等を経て、3泊4日程度の短期研修を実施しています。
果樹農家の農作業の一部を体験してもらうことで、果樹農家の農作業の多岐にわたる作業のやりがいや大変さを知ってもらい、自分が果樹農家として就農する時のイメージを掴んでもらうことが狙いです。
新規就農者の園地では、不知火栽培の一連の流れの説明、若木の摘果作業や堆肥投入を体験しました。作業体験以外に農業者として経営上の課題や地域での人間関係づくり等も質問されていました。
またJAが樹園地の一時預かりをしている園では、草刈作業や肥料散布、農薬散布を体験し、暑い時期での農作業の大変さをJAの担当者から説明をもらいました。
今後は、冬期に収穫作業を体験してもらうことで、芦北地域での就農イメージをもっていただく予定です。

2024年6月

通常総会の様子
現地検討会の様子

鳥獣被害の軽減に向け総力結集!~連絡協議会総会を開催~

近年、野生鳥獣による農林業への被害が急増している当地域では、令和5年6月に振興局、市町、農業協同組合、森林組合、農業共済組合等の7関係団体で「芦北地域鳥獣被害防止対策広域連絡協議会」を立ち上げ、昨年度は広域的な研修会や地区別講習会等の開催、防御効果の高い金網防護柵のモデル園設置などを行い、関係機関が一体となって鳥獣被害の軽減に努めました。
今年度は5月9日に通常総会を開催し、総会後は防護柵モデル園において施工性や防御効果について現地検討会を行いました。
これまでの課題として、地域住民が主体となって鳥獣被害対策に取り組むことの必要性があげられます。総会では、研修会や講習会等を通じて正しい鳥獣被害対策の習得と普及や地域リーダーの育成、先進事例調査等による地域ぐるみで鳥獣被害対策に取り組む機運の醸成を進めていくこととなりました。
農業普及・振興課では、これからも関係機関と一体となって鳥獣被害防止・軽減を進めていきます。

2024年6月

今年もみなまた茶の一番茶収穫が始まりました

芦北・水俣地域で生産される「みなまた茶」は、県内で最も早く一番茶の摘採が始まります。温暖な海側の水俣市長崎地区を皮切りに、標高約600mの山奥の同市石飛地区まで1か月間ほど摘採が続きます。
今年の摘採開始は平年並みの4月11日となりました。3月の2度の冷え込みにより生育が抑えられていたところに、4月の暖かさで急激に生育が進んだことや、雨が続き被覆や摘採が例年通りに進められなかったことから、お茶づくりが非常に難しい年となりました。
そこで、当課及び農業革新支援センターでは製造の技術支援に入り、工程ごとに葉の状態を見極めながら機械の設定を細やかに調整したことで、生葉の力を最大限引き出した美味しい「みなまた茶」に仕上げることが出来ました。
生産者は「みなまた茶」の製造のほかにも、山茶摘み体験イベントの開催(芦北町告地区)や、「みなまた和紅茶」やウーロン茶の生産等、それぞれ特色あるお茶づくりにも取り組まれています。今後も当課では、良質な「みなまた茶」の生産支援に加えて、PRの支援も行っていきます。

2024年6月

水田転換による果樹園整備の例(イメージ)

果樹の基盤整備に向けた第一歩~連携会議の開催

水俣・芦北地域の基幹作物である柑橘類においては、樹園地の多くが傾斜地に立地し、農家の高齢化も進んでいることから、基盤整備の重要性は関係者の共通認識となっている一方で、実際の整備は進んでいない状況です。この課題解決に向けて、当課では、既存の「芦北地方農業振興協議会」の下に、昨年度に果樹の専門部会を設置し、樹園地の基盤整備の推進を図っているところです。
4月22日には、市町・JAあしきた及び農業公社の担当者を参集し、令和6年度第1回目の連携会議を開催しました。
今回の連携会議では、令和6年度の整備候補地(管内の2~3カ所、計1ha以上で計画中)の準備状況や、今後の推進スケジュールの確認を主に行いました。地権者の同意取得を速やかに行うことや、果樹の基盤整備のため各市町が整備された補助制度の活用等について協議する等、基盤整備の実現に向けた第一歩となりました。
当課では、今後も関係機関との密接な連携を通じて、本年度中に整備園地の実現を目指します。

2024年6月

新役員紹介
令和5年度白濱会長挨拶

水俣・芦北・津奈木の農業コンクール受賞者語り合う

芦北地域の県農業コンクール受賞者の会(農業経営改善同友会)が、4月30日に令和5年度総会を開催しました。例年6月に開催された総会ですが、本年は早いスタートを切り、市町や農協など関係者を含め37名が出席し、盛会となりました。
新会長にNPO法人ばらん家 代表の松原氏を迎え、新体制で臨むこととなりました。
総会に続き、令和5年度熊本県農業コンクール受賞者の農業経営改善の活動紹介として、当課から 経営体部門の茶・和紅茶の取り組み、新人王部門のサラダ玉ねぎ、地域農力部門の寒漬大根を使った食育の取り組み、地域貢献賞の不知火の先駆的導入の取り組みなど、持続可能な農業である受賞者4組の事例を紹介しました。参加者は身近な地域の取り組み事例に関心を持っていただけたようでした。
令和6年度の活動は、城南ブロック研修会(球磨地域)、管内先進事例研修会、経営研修会を計画しており、前年に続いて若い担い手との合同研修を予定しています。
農業普及・振興課では、市町・JAと連携して、地域の方々と一緒に担い手の育成を支援していきます。

2024年4月

毎月1回ペースで実施したPT会議
JAあしきたでの就農準備研修者推移

芦北型かんきつ就農支援で令和5年度研修生が増加

芦北地域では、かんきつ農家の高齢化と担い手不足の問題解決のために、市町、JA、普及で「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム」を設置し、地域一丸となって新規就農者の確保に取り組んでいます。
管内での新規就農者が難しい中で、全国から新たな人材を発掘すべく、SNS(ホームページ、インスタグラム)で積極的に発信しています。
併せて県内外の就農相談会で、園地のリリーフ体制(就農後の園地確保)の構築を紹介し、その後もオンライン相談後、現地見学、お試し研修と段階を踏んで、あしきた農業の魅力体験してもらって、移住の際の住居や生活面の不安の解消にも役立ててもらいます。
その効果もあって、年々芦北へ移住して、新規就農される方が増えてきました。令和5年度では、前年の2名から増えて6名の就農準備研修生(うち1組は夫婦)となり、芦北地域の将来を担う若い世代で活気が生まれています。
この流れを止めることなく、これからも農業普及・振興課では市町、JAと一体となった切れ目のない芦北型かんきつ就農支援で選ばれる産地を目指していきます。

2024年3月

認知度UPを!みなまた茶のブランディング支援

管内の茶生産者は、近年の価格低迷に加え、大産地(知覧茶、八女茶等)との競争などにより大変厳しい状況にあります。今後、みなまた茶が生き残っていくためには、認知度の向上が急務と考えます。
そこで、当課では関係機関と連携し、例年の生産指導に加え、今年度から新たに、局政策調整事業及び県単事業を活用して、”みなまた茶のブランディング支援”を開始しました(以下取組①~⑨)。
①コンセプトの策定…「環境へのやさしさ」、「ライフスタイルの充実」、「魅力ある地域資源との共生」
②ターゲット層の策定…20~30代のライフスタイルを重視する女性
③共通ロゴマークの作成…和紅茶とセットとなるデザイン
④リ―フレット・カードの作成…茶殻をすきこんだ紙を使用した紹介資料
⑤ロゴを活用した資材の作成…ハッピ、金太郎飴、ガチャガチャの導入等
⑥地元漫画家とのコラボ…茶袋パッケージデザイン、テーブルクロスの作成
⑦地元企業とのコラボ…ライスレジン®※を使用した商品の開発
⑧ギフトセットの作成…みなまた茶・和紅茶 全13種類、透明急須のセット
⑨商談会等への出展…SMTS2024、FOODEX JAPAN2024等
来年度からも、次なる策としてみなまた茶のプロモーション強化に着手するなど、生産者・関係機関と一体となって引き続き取り組んでまいります。

※ バイオマスレジン(水俣市)が製造する、お米を使用したプラスチック

2024年3月

室内研修会で説明する講師
現地での電気柵の電圧の確認状況

獣害対策 ~防護柵の維持・管理講習会を開催~

芦北地域ではシカ等による農作物被害が急増しており、被害から「守れる」 圃場づくりを進めています。補助事業等を活用して防護柵の導入を図っていますが、メンテナンスが不十分なため害獣が圃場に侵入するケースが散見されています。そこで3月6日に防護柵の維持や管理に関する講習会を、県むらづくり課と連携して水俣市で開催しました。
講習会では、当課から被害の実状と対策の必要性を説明し、熊本県えづけSTOP!対策ソリューションアドバイザーである稲葉氏から「守るを基本から学ぶ」と題して講習いただきました。さらに、電気柵を設置している現地圃場で、実際に電圧を測定しながら改善点の指導を受けました。
多くのほ場で適正な電圧が確認されなかったこともあり、参加者から「数値(電圧)をもって認識する重要性を再認識した」、「侵入防止柵は、設置後も定期的に点検することが大事」といった声が聞かれました。
学んだことを活かし、正しい対策の実践につなげるため、講習会の最後に当課から、定期的な現地確認をすることを提案しました。今後もできることを着実に取組み、獣害から「守れる」地域づくりを進めていきます。

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