芦北エリア

芦北地域は水俣市、芦北郡を所管しています。熊本県の南部に位置し、八代海の海岸線に沿って起伏に富んだ地形が形成され、平坦地が少ない中山間地域です。温暖な気候を活かして、田 (マルタ)ブランドの甘夏や不知火類(デコポン)、早生たまねぎ (サラたまちゃん)など、全国的に認知されている地域ブランド作物が生産されています。
特に、農業産出額の約5割を占める果樹は地域の基幹作物であり、なかでも不知火類(デコポン)は、12月の加温栽培から鮮度保持資材を活用した6月までの長期安定出荷が行われており、県内有数の産地です。また、肉用牛では「あしきた牛」ブランドとして、高品質な牛肉の生産が行われており、各種共励会で上位入賞するなど、県内外から高い評価を受けています。

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県南広域本部 芦北地域振興局 農業普及・振興課

〒869-5461 葦北郡芦北町芦北2670

電話:0966-82-5194

FAX :0966-82-2373

芦北エリア普及現地情報

2026年10月

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生育状況確認の様子
酒かす堆肥製造確認の様子

津奈木町酒米現地検討会(前期編)を開催 ~新たな仲間も加わって、中干し時期確認~ 

津奈木町酒米生産研究会では、酒米「山田錦」を栽培し、地元酒造会社の亀萬酒造へ販売されています。「山田錦」は長稈で倒伏しやすく栽培が難しいため、当課で栽培マニュアルを作成し、栽培の支援を行っています。今年度は、新規生産者2名を加え、8名で酒米生産に取り組んでいます。
7月7日には現地検討会(前期編)を開催しました。全生産者の酒米ほ場をまわり、生育状況を確認したほか、酒米栽培の中で最も重要な中干しの時期の確認を行いました。あわせて、ベテラン生産者からは「倒伏しないための工夫」や「昨年度の反省を踏まえた栽培」が説明され、新規生産者からは熱心な質疑応答が行われました。新規生産者のほ場ではベテラン生産者からのアドバイスがなされ、研究会みんなで学びあう有意義な時間となりました。
検討会の最後には、地域から出る酒粕、籾殻、米ぬかを混ぜた“酒かす堆肥”の製造状況を研究会で確認。順調に発酵が進んでおり、次年度の酒米栽培への活用・施肥低減が期待できそうです。
次回は9月に収穫時期確認のための現地検討会(後期編)を開催し、10月には酒米を収穫、翌年2月にはおいしい日本酒が完成予定です。引き続き関係機関と連携し、酒米生産研究会の取り組みを支援しながら、中山間地域農業を維持・発展させてまいります。

2026年10月

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講習会の様子(芦北町大野)
中干しの様子

丁寧な栽培管理でおいしいお米を!大関米栽培講習会を開催

芦北地域で最も標高の高い「大関山(おおぜきやま)」の山麓では、地域ブランド米である「大関米(おおぜきまい)」が栽培されています。生産者は、標高150m以上の山間地という指定地域内で減農薬・無化学肥料の栽培に取り組み、安心・安全な米づくりが行われています。近年、高温の影響で収量と等級の低下が問題となっていることから「ヒノヒカリ」限定だった品種に、令和7年産より高温に強い「くまさんの輝き」が追加されました。品種ごとに栽培管理のポイントが異なるため、品種にあわせた適切な栽培管理が重要となります。
そこで、JAあしきたと協力し、7月27日に大関米が作付けされている芦北町大野、水俣市越小場の2か所で講習会を開催しました。当課からはこれからの栽培管理として、生育に応じたこまめな水管理や病害虫防除について説明しました。特に、品種によって中干しの開始時期が異なることや、水を溜めたままにすると発生するガスにより水稲の根が傷んでしまうことを重点的に説明しました。また、今年度管内で相談の多いコブノメイガやトビイロウンカは、幼虫の時期に農薬の効果が最も高くなるため、防除適期を確認して防除することの重要性を伝えました。生産者からは「コブノメイガの成虫にも農薬は効果あるのか」など多くの質問が寄せられ、栽培管理に対する関心の高さがうかがえました。
今後も当課では、関係機関と連携し、地域ブランド「大関米」の収量・品質・食味向上に向けた栽培技術指導・支援をおこなっていきます。

2026年8月

収穫作業の様子
収穫したばれいしょ

~令和2年7月豪雨災害からの創造的復興に向け前進~ 加工用ばれいしょを収穫しました

芦北地域では、令和2年7月豪雨災害からの創造的復興を目指して、水田裏作の新規品目として加工用ばれいしょの導入に取り組んでいます。今年産(令和8年産)は、管内の2法人が計50aで栽培に取り組み、5月25日から収穫作業を行いました。
加工用ばれいしょは、価格が比較的安定していますが、青果用の約半分ほどの価格で取引されるため、収量確保とコスト削減が重要です。しかし、令和6~7年産の収量は、10a当たり約1tと少なく、排水や雑草対策などの課題も残りました。そこで、今年産の作付前に、水田裏作の先進地である八代地域でノウハウを学び、排水対策などを強化して栽培に取り組みました。
その結果、収量は10a当たり2.2tと前作の2倍以上に向上し、生産者からは、「水田でもこんなに収穫できるとは驚いた」との喜びの声が寄せられました。一方で、農家の所得向上のためには、10a当たり3tの収量を目指す必要があります。今年産は、植付時の地温確保や種いもの管理に課題が残ったため、次作に向けて改善策を検討するとともに、技術の安定化のため、今年度中に芦北地域版の栽培基準を作成する予定です。
農業普及・振興課では、今後も引き続き、関係機関と連携して課題解決に取り組み、加工用ばれいしょの導入が農家の所得向上に結び付くよう支援を続けていきます。

2026年7月

観賞用ホオズキにおける天敵導入の取組み

芦北地域では、5戸の生産者が鑑賞用ホオズキを栽培しています。当地域のホオズキ栽培は、2~3月にかけて定植を行い、需要期である7~8月盆に向けて出荷する作型です。一方、近年の温暖化等の影響で、栽培期間中にコナジラミ類やダニ類などの微小害虫が多発し、食害や着色不良等の被害が深刻な問題となっています。現状、薬剤散布による防除が行われていますが、野外からの飛び込みが多く、防除が間に合っていないことから、効果的な防除方法の検討が求められていました。
そこで、農業普及・振興課では、天敵※の導入について検討し、実証展示ほを設置・調査を行いました。その結果、展示ほでは、天敵がホオズキに定着していることや、ターゲットとしていた害虫の発生が抑えられていることがわかり、導入した生産者からは、「効果が目に見えてわかる。来年も導入したい。」といった前向きな意見が聞かれました。また、5月20日に開催した現地検討会では、他のホオズキ生産者もルーペを使って天敵を観察するなどし、天敵利用に対する理解を深めることができました。
農業普及・振興課では、今後も引き続き、生産者の栽培技術が向上し、品質の高いホオズキを安定して出荷できるよう、支援していきます。

※害虫を捕食する生物。今回は「スワルスキーカブリダニ」を使用。

2026年7月

カンキツ「EC12」の幼木期における早期樹冠拡大を目指して

熊本県における中晩柑は、需要の多い年内に収穫できる品種が加温栽培の不知火類以外にはあまりなかったことから、本県では、12月に収穫可能で高品質・良食味な栽培しやすい早生カンキツとして「熊本EC12」を育成しました。
現在、県内の主要なカンキツ産地に導入され、当地域では、令和6年に約2tが生産されています。
当地域では、新品種の栽培特性を検証し、産地化を検討するため、果樹研究所で開発された「EC12の幼木期における早期樹冠拡大技術」の実証を行っています。
令和7年度から展示ほを水俣市に設け、新梢の芽かき処理や夏枝の摘心処理の効果を調査しています。
実証中の新梢管理は、慣行よりも樹冠拡大の程度が大きい状況であり、今年度も同様の処理を行い、引き続き効果を検証していきます。
農業普及・振興課では、今後もカンキツの高品質安定生産に向けて、新技術の地域への定着を図っていきます。

2026年7月

試飲中の高校生
食べ比べ中の高校生

県立芦北高校における出前講座開催 ~未来の担い手育成~

芦北農業普及・振興課では、芦北高校農業科と連携して、5月12日は2年生30名に対してお茶の、5月22日は3年生18名に対して畜産の出前講座を開催しました。
お茶の講座では、水俣・芦北地域の茶の歴史から茶種や製造方法、飲んだ時の効能等の講義を行った後、4班に分かれて6種のお茶(煎茶、蒸し製玉緑茶、釜炒り茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶)を、それぞれの茶種に合った方法での淹れ方を学び、味わってもらいました。生徒からは「お茶によって湯温を変える意味が分かった」や「お茶を飲む効能を学べてよかった」等の声が寄せられました。
畜産の講座では、肉用牛の基礎知識や水俣・芦北地域における肉用牛振興の取組について講義を行った後、あか牛肉とあしきた牛肉(黒毛和種)の食べ比べを実施し、アンケートに回答してもらいました。生徒からは「畜産について学ぶ機会が少ないので勉強になった」や「畜産分野に興味を持った」などの感想が寄せられました。当課では、水俣・芦北地域の未来の担い手を育成する一助となることを期待して、来年以降もこの取り組みを続けていきます。

2026年7月

マルシェ初出店で地域農業の魅力を発信!

芦北地方青年農業者クラブ連絡協議会(以下、芦北4HC)では、「つながる・深まる・進化する!芦北4H」を今年度のスローガンに掲げ、地域とのつながりを深める活動に力を入れています。
今年度は新たな取り組みとして、地域農産物のPRや消費者との交流を目指し、モンヴェール農山で開催された「ひのきの森マルシェ」へ初めて出店しました。5月2日と4日の計2日間ブースを構え、クラブ員が栽培した「サラダたまねぎ」や「不知火」などの農産物の販売に加え、地域特産品である中晩柑を使用した「生絞りジュース作り体験」を行いました。
芦北4HCとして初めての試みでしたが、2日間で約70名の方にジュース作り体験を楽しんでいただき大盛況となりました。参加した子供たちからは「自分で絞れて楽しい!」や「おいしくて飲みやすい!」といった声が聞かれ、農産物の魅力をアピールできただけでなく、消費者との交流につなげることができました。
今後も当課では、地域農業の活性化と次世代を担う若手農家の活動PRに向けた取り組みを支援していきます。

2026年7月

普及指導員による説明の様子
現地での実演の様子

芦北の甘夏を守る!「週末あまなつセミナー」初開催

芦北地域は、甘夏の生産量・栽培面積ともに県内1位を誇っていますが、近年は生産者の高齢化による離農が進み、生産量や栽培面積の減少が深刻な問題となっています。そのため、当地域では、生産量を維持し「マルタブランド」を守り続けることが課題となっています。
そこで、甘夏生産の担い手確保を目的として、5月24日に田の浦柑橘組合と芦北町主催で「週末あまなつセミナー」が開催されました。
第1回目となる今回は、初めに田の浦柑橘組合の山下社長から組合の歴史や甘夏の現状について、熱い講話がありました。その後、当課から4月~6月の栽培管理について、基本語句の解説を交えながら指導を行いました。最後に園地に行き、施肥作業の実演を行いました。
セミナーには甘夏栽培に興味がある8名が参加し、「栽培管理の基礎とその根拠を学ぶことができた」や「座学指導の内容を園地で確認することができて良かった」といった前向きな感想が寄せられました。
本セミナーでは年6回の講義を通じて、基本的な栽培管理方法について指導を行う予定です。今後も当課では、新規就農希望者や就農者の技術力向上に向けて、関係機関と連携しながら支援を継続していきます。

2026年7月

講習会(座学)の様子
現地研修の様子

担い手を確保せよ!初心者向けお米の学びなおし講習会を開催 ~津奈木町の取組みを3市町へ拡大~

芦北管内における水稲の作付けは、担い手不足や高齢化により、耕作放棄地の発生や受託組織への作業依頼が増加しています。一方、近年の米価高騰により、水稲作付けを希望する声は一段と高まっているところです。
そこで昨年度、新たに水稲作付けを希望する方に基本を学んでもらうため、津奈木町、農業法人代表者が計6回の初心者向けの講習会の開催を企画。JAと農業普及・振興課も連携して取り組み、延べ114名の農業者の参加がありました。
今年度は、3市町・JA・農業普及・振興課からなる芦北地方農業振興協議会を実施主体とし、3市町へ取組み地域を拡大。第1回目を5月17日に開催し、27名の参加がありました。“誰にでも分かる”内容で説明することをモットーとし、当課の担当した座学では「1俵は60kg」といった米作りに必要な基本的な内容から説明しました。現地研修では、株式会社アグリ津奈木の坂口代表が種子消毒や播種、育苗、肥料散布などの作業を実演しました。
残り5回も関係機関と連携し、地域の担い手育成支援に取り組むとともに、今後は農地を手放したい農業者と新規に水稲作付けに取組みたい担い手の現状を把握し、マッチング支援にも取り組んで参ります。

2026年6月

定植4年目のほ場
R8.3月に定植したほ場

県オリジナル茶新品種「熊本TC01」の生育状況 ~来年からの出荷を目指して~

本県初のオリジナル茶品種である「熊本TC01」は、農業研究センター茶業研究所が育種を行った品種で、令和6年に品種登録されました。令和5年から現場への定植が始まり、水俣市では3年連続で「熊本TC01」を定植される等、管内の3農家合計で約90aが栽培されています。芦北地域はその温暖な気候が品種特性にマッチsssssして、県内でも一番生育が良く、予定よりも1年早く、令和9年から出荷が始まる予定です。
当課では「熊本TC01」の普及にあたって、農業革新支援センターと連携して定期的な栽培管理指導や生育調査を行ってきました。また、令和8年1月には県内の普及指導員や生産者を集めての現地検討会が、2年連続して芦北地域で開催されており、管内生産者の技術向上に一役買っています。来年の初出荷に向けて、今後も引き続き栽培管理技術や製造加工等の総合的な支援を行っていきます。

2026年6月

2年間務めた松原会長から挨拶と謝辞
新会長から農業コンクール大会受賞者へ

農業コンクール受賞者祝賀会を開催

4月23日、芦北地方農業経営改善同友会が、令和7年度総会と農業コンクール祝賀会を開催し、県市町JAの関係者を含め37名が出席しました。
総会では、新会長に㈱まるごと農場代表の吉井和久氏が就任し、令和7年度熊本県農業コンクールの受賞者を普及から簡単に紹介した後、受賞者へ花束が贈られました。
交流会では、会員も皆名札を胸に、なごやかに歓談が行われました。
各地域から選出された役員は、様々な役を兼ねつつ留任された方が多いものの、新体制で決意も新たに、意見を出し合って、よりよい活動をしていきたいとの抱負が述べられました。
農業普及・振興課では、市町・JAと連携して、同友会の活動を継続的に支援し、地域農業の発展と担い手の育成を支援していきます。

2026年5月

協議会設立会議の様子
 産地維持ビジョン

みなまた茶・みなまた和紅茶振興連絡協議会の設立

水俣・芦北地域では茶生産者の高齢化が進み、JA茶部会の会員数は十数年前に比べ、4割程度まで落ち込んでいます。また、令和6年度までの入札販売額は年々減少する一方でした。このようななか、3月25日に生産者と関係機関の担当者を参集して、水俣・芦北地域の茶産地を維持発展させていくためのビジョン説明会を開催しました。
そのビジョン実現のために生産者と関係機関の連携を深める場として、「みなまた茶・みなまた和紅茶振興連絡協議会」の設立を提案したところ、担い手の減少等の問題に危機意識を持っていた今後を担っていく若手生産者からも組織の必要性に賛同の声があがったことから、JA茶部会長が会長、和紅茶実行委員会長が副会長を務める形で、同日設立となりました。
本協議会では、新たな担い手の確保・育成や機械・労働力の共有化による低コスト化、地元のイベントや直売所での緑茶・紅茶共同での販売会の開催等に取り組むことで産地の維持発展に努めます。
当課では、みなまた茶の販売力強化のため、令和5年度からPR活動の強化に取組んでおり、今後は新協議会の運営支援も含めて、水俣・芦北地域の茶産地の維持発展を支援していきます。

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