上益城エリア

上益城地域は上益城郡を所管しています。熊本県の県央地域に位置し、熊本市に隣接する平坦地から九州山地の山間地まで広がっており、比較的温暖な地域から冷涼な地域まで、地形的にも気象的にも変化に富んだ地域です。平坦地域では米・麦・大豆の土地利用型作物やスイカ、ニラ、スイートコーン等の野菜、カキ、ミカン、クリ等の果樹、トルコギキョウなどの花きが、中山間地域では米のほか、トマト、ピーマン、キャベツ、イチゴなどの野菜、クリ、ブルーベリー、ユズ等の果樹及び茶など多様な品目が生産されています。畜産では酪農、肉用牛、養鶏及び養豚経営が点在し、中山間地域を中心に繁殖牛経営が行われています。

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県央広域本部 上益城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 上益城郡御船町辺田見396-1

電話:096-282-3010

FAX :096-282-0303

上益城エリア普及現地情報

2023年6月

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荒茶製造指導の様子
山都町献茶祭(R5.5.2 小一領神社)

さわやか新茶の香り!高品質な山都茶を目指して

山都町では茶の摘採が4月18日から始まっています。今年度は3月から4月の気温が平年より1~2℃高く推移したことから、3~7日ほど早い摘採となっています。八十八夜にあたる5月2日には、品質の高い茶の生産と品評会での入賞を祈念し、山都町の小一領神社にて献茶祭が開催されました。
山都町では、令和4年度に「山都町茶振興計画」を策定・公表し、特色ある茶の生産、流通、販売、後継者育成など、茶の生産振興に取り組んでいます。
農業普及・振興課としましても、令和5年1月から山都町、JAかみましき及びJA阿蘇の担当者と毎月打ち合わせを行い、生産振興に向けた取組みを検討してきました。また、3月22日と4月11日には荒茶品評会に出品する茶園を対象に山都町の延べ22茶園を巡回して、病害虫被害の発生状況、摘採に向けた管理方法、摘採時期、被覆の開始時期等について指導を行っています。さらに荒茶製造にも立ち会い、製造方法や今後の茶園管理方法を指導するなど、高品質な山都茶の生産に向け、関係機関と一体となって進めています。

2023年6月

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現地検討会【個別指導】
現地検討会【全体指導】

中山間地域における8月出荷ホオズキの安定生産に向けた取り組み

山都町では、準高冷地の冷涼な気候を活かし、高単価が期待できる8月出荷のホオズキの栽培が行なわれています。
4月27日には山都町ホオズキ生産者(5戸)を対象にホオズキ栽培現地検討会を開催しました。当地区では⓵系統選抜⓶種子繁殖による無病苗確保⓷縦植え定植⓸マルハナバチによる交配⓹天敵防除⓺適期適作業の推進に取組んでおり、現在のところ、順調に生育しています。
農業普及・振興課では、今後もJAかみましきと連携しながら生産者の更なる栽培技術の向上並びに反収向上に取組んでいきます。

2023年6月

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講習会の様子
(左2本)切り接ぎ (右1本)腹接ぎ

クリ高接ぎで産地維持を!

山都町蘇陽地区は、県内でも有数のクリ産地です。
4月10日にJA阿蘇栗共販部会員を対象に、クリの高接ぎ講習会を実施しました。講習会では、接ぎ木に便利な道具の紹介と穂木の調整、切り接ぎ、腹接ぎの実演を行い、接ぎ木が初めての生産者も興味深く作業に見入っていました。
また、登録品種の自己増殖(高接ぎ)には許諾申請が必要であることも説明し、制度の理解を深めてもらいました。
近年クリは、需要の高まりとともに取引価格も上がっています。農業普及・振興課では、消費者ニーズにあった高品質果実安定生産による産地維持を目指し、今後もバックアップしていきます。

2023年6月

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新役員紹介
事例発表

上益城農業経営同志会総会・研修会の開催

4月14日、上益城農業経営同志会会員20経営体28人が参加し、総会を開催しました。同志会は、2021年11月に上益城農業経営改善同友会と上益城地方指導農業士連絡協議会を再編した組織で、今年度は役員改選を行い、新体制のもと庭先研修会等の事業計画が承認されました。
総会終了後は、昨年度農業コンクール新人王部門に参加された甲佐町上田さん、御船町清村さんによる事例発表を行い、若い世代が実践する農業経営、経営理念、活動状況を報告されました。
農業普及・振興課では、今後も活力ある上益城農業のけん引役を担う同志会と連携し、円滑な運営を支援していきます。

2023年4月

会議の様子

第2回山都町地域営農法人連携会議開催される

山都町の農事組合法人6法人が連携した令和4年度第2回地域営農連携会議が5法人の代表理事の9名と関係機関(町、JA、農業公社、県普及)の出席のもと3月24日に山都町清和支所で開催されました。
会議では課題であった雇用確保について、普及から新規就農者等を活用する案や(農)いちょうが行っている交流活動など地域のファン層を増やす事例など雇用に繋げる取組みなどを提案しました。また、意見交換では、視察研修(11月に高千穂町で実施)の事例から、全国に法人の活動が認知されるためにはSNS等の活用が必須であり、SNSの講習の要望など活発な意見が交わされました。なお、雇用確保の取組みとして、(農)高月が国の集落営農活性化プロジェクト促進事業を要望しており、積極的に雇用を拡大していくことが報告されました。そして、各法人の活動を山都町内外に向けて発信するため、山都町の広報誌に5月号から順次6法人の活動を紹介していく計画です。
会議後の懇親会では関係者からは、連携会議2年目となったことで課題が明確化され、情報共有や視察研修によって法人運営の向上を目指す意欲がみられているという意見がありました。
普及・振興課では連携会議の意見をもとに課題を整理し、各法人に対し課題解決の支援を行っていきます。

2023年4月

講習会の風景(山都町矢部地区)

管理しやすいユズ樹を目指して

山都町矢部地区は昼夜の気温差が大きく、品質の良いユズが生産できることから、県内一の産地となっています。
3月13日には、JAかみましき柚子部会員を対象に、ユズ管理講習会を実施しました。ユズは、樹が高くなりやすくトゲも多いため、収穫やせん定などの管理作業は他の柑橘類より労力がかかります。そこで今回の講習会では、樹の整枝と低樹高化を目的に、若木の主枝誘引の実演を行いました。
当日は農業革新専門員にも出席してもらい、整枝の必要性や誘引のコツなどアドバイスをいただくと、早速自園の樹もやってみようという前向きな生産者の声も聞かれました。
農業普及・振興課では、更なる栽培技術の向上と高品質果実安定生産が継続して行えるよう、今後もバックアップしていきます。

2023年3月

遠山代表の講演
R5から補助対象となる電気柵用防草シート

鳥獣被害防止対策は「みんなで勉強」から始めよう!~鳥獣被害対策研修会を開催しました~

上益城地域の令和3年度の鳥獣被害額は約2,400万円で、平成29年度の約6,700万円をピークに減少しつつありますが、現地からは効果的な鳥獣被害防止対策について要望が多い状況にあります。
そこで、令和5年2月14日に鳥獣被害防止対策に携わる町及びJAの担当者の知識向上のため、上益城地域鳥獣被害対策担当者研修会を開催しました。
研修会では、熊本県鳥獣被害対策マイスター集落であるあさぎり町松尾集落の遠山代表より、松尾集落での取り組みについて講演をいただきました。また、鳥獣被害対策を担当する職員に対しては、自ら動いて地域リーダーを育成し、被害軽減に取り組んでほしいとの意見をいただきました。
さらに、効果的な防護柵の設置方法というテーマで、電気柵メーカーの(株)末松電子製作所より電気柵の設置方法について説明をいただきました。
研修後のアンケートでは、非常に良い研修会で今後も同様の研修会や取り組みを続けていってほしいといった意見が寄せられました。
農業普及・振興課としましては、今後も管内担当者の資質向上に取り組み、管内被害額の低減に向けて、担当者が一体となって取り組める体制づくりを図っていきたいと思います。

2023年3月

かっぽ飯を準備する法人役員
体験参加者が田舎ご飯を食べる風景

山都町下矢部東部で農業体験モニターツアー!!~火祭り行事どんどやと椎茸狩り・椎茸のコマ打ち体験~

山都町の下矢部東部地区では、「農事組合法人いちょう」の役員が中心となり、農業体験モニターツアーを開催しました(2月11日)。どんどやの火入れや田起こし作業、椎茸の収穫とコマ打ち体験を満喫した後は、田舎料理(猪鍋と竹で炊き上げたかっぽ飯)に舌鼓を打ち、県内外から参加した13名から好評を得ることが出来ました。
この取り組みは、同法人の所得確保策の一つとして、中山間地域の資源を活かした体験型観光プログラムの開発を進めるために、県むらづくり課の事業を活用したものです。昨年10月から同地区内でのワークショップを重ね、当課も参加して農村の強みや個性を掘り起こし、体験プログラムを創り上げていきました。モニターツアーの成功は勿論のこと、観光商品となり得る農村の日常や景観、地区住民の“おもてなし”に対する潜在的欲求が顕在化したことは、今後に向けた大きな収穫となりました。
同法人では、交流人口増加のためにも、農業体験ツアーを継続的に実施していく予定です。農業普及・振興課では、今回のモニターツアーで得られた成果や反省点を精査して、法人の運営支援を続けていきます。

2023年3月

市川氏 美里町長 松井氏 JA熊本うき登常務 右田氏
松井氏の茶園

県茶品評会(茶園の部)で上位入賞!

くまもと茶ブランド確立対策協議会が主催する令和4年度熊本県茶品評会(茶園の部)において、美里町の生産者3名が上位入賞されました。1等及び農林水産大臣賞は2年連続で松井義博さんが受賞されたほか、特別賞として公益社団法人日本茶業中央会会長賞を市川辰太さん、全国茶生産団体連合会会長賞を右田健一さんがそれぞれ受賞されました。宇城地域は農林水産大臣賞を7年連続で受賞しており、生産者の日頃の茶園管理の努力が現れています。
3年ぶりの開催となった熊本県茶振興大会(2月6日)で表彰されたのち、3月2日に美里町長から改めて受賞が称えられました。受賞者は良質な茶生産に向け、更に意欲を高めた様子でした。
農業普及・振興課では、宇城地域茶業振興協議会6名の生産者に対し、現地検討会などを通じて茶園管理についての情報提供や技術指導を行っています。今後も良質で消費者ニーズにマッチした魅力あるお茶づくりの支援を行っていきます。

2023年3月

ほ場や選果場での研修
ほ場や選果場での研修

農業師匠庭先研修開催

2月28日、上益城地域農業振興協議会(会長:西村博則益城町長)※は、新規就農者や4Hクラブ員を対象に農業師匠庭先研修を開催しました。
上益城地域では、新規就農者が農作業の疑問等を気軽に相談できる身近な先輩農業者として、指導農業士を中心に農業師匠をお願いし、現在21人を登録しています。
今回の研修は、農業師匠の栽培技術や経営理念などの話を聞き、新規就農者や青年農業者が抱える悩みや課題の解決を図るとともに、新規就農者と農業師匠のつながりを作ることを目的としました。
研修は、3人(ミニトマト栽培、ニンジン中心の露地野菜栽培、ニンニク・アスパラガスと土地利用型作物栽培)の農業師匠のほ場や選果場で行われ、就農者は自分の興味がある農業師匠を選んで研修に参加しました。興味ある作物、経営ということで質問も多く、農業師匠も栽培技術や経営内容について丁寧に説明されていて、今後も相談しますという就農者もいました。
この研修は、引き続き他の農業師匠を訪問して開催する予定です。

※上益城管内の町、JA、振興局で構成される組織

2023年3月

苗の配布と定植講習風景
定植のイメージ図

甲佐町宮内地区で山椒の定植講習会を開催

甲佐町では、地域特産物産地づくり支援対策事業(単県)等を活用して、山椒の産地化に取り組んでいます。令和元年から毎年定植を続け、現在では約1,000本を超える幼木が、本格的な収穫が望める定植5年後に向けて栽培されています。
2月2日、上益城振興局では、同町宮内地区の今年定植分の苗木配布(生産者10名、苗木約130本)に合わせて、定植講習を実施しました。今回は、先進地の事例等を踏まえて排水性の確保と適正な定植間隔について説明を行いました。
香辛料や漢方薬の原材料として注目度の高い山椒ですが、非常に繊細な植物で、土地条件や栽培環境で順調に生育しないことも少なくありません。加えて、栽培に関する知見も多くないため、生産者の皆様と一緒にトライアンドエラーを繰り返しながら、継続的に栽培技術の構築を進めていきます。

2023年3月

せん定班によるせん定作業(山都町蘇陽)

クリせん定班が大活躍!

落葉果樹はせん定シーズン。産地では寒い中、生産者がせん定作業を進めています。しかし、生産者の高齢化等による労力不足で、十分なせん定ができず、品質の良い果実が収穫できない園も増えています。
JA阿蘇蘇陽栗共販部会のクリせん定班は、山都町内クリ生産者のせん定作業を受託し、クリ園の維持に取り組んでいます。現在作業員は7名で、冬場に労力確保できる花き生産者や林業者も含まれており、ベテランのクリ生産者からせん定のノウハウを教わりながら、チームでせん定作業を行っています。
今年は補助事業を活用して組織強化に取り組み、せん定の勉強会やせん定班で使用するチェンソー、電動バサミなどの整備を行いました。
今年の受託面積は約19haで、年々増加する見込みです。そのため、作業員の確保が現在の課題です。農業普及・振興課では、せん定班の活動が円滑に行えるよう、今後もバックアップしていきます。

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