鹿本エリア

鹿本地域は山鹿市を所管しています。県の北部に位置する中山間地域で、北に県境の筑肥山麓を中心とした中山間地、東から西に向かって流れる菊池川流域の水田平坦地、南部の畑台地に大別され、それぞれの地域特性を活かした農業生産活動が展開されています。
すいか・メロンのウリ類が基幹作物で、イチゴやアスパラ、輪ギク・ホオズキなど、水田地域では良食味米や麦・葉たばこの県内生産地でもあります。また、中山間地域では、歴史ある山鹿茶・山鹿くりのほか、近年ワイン用ぶどうの栽培を拡大しています。

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県北広域本部 鹿本地域振興局 農業普及・振興課

〒861-0594 山鹿市山鹿1026-3

電話:0968-44-2118

FAX :0968-44-2134

鹿本エリア普及現地情報

2023年8月

さらなる高みを目指して!お茶検討会・研修会を開催

7月12日、山鹿市茶業振興協議会の主催でお茶検討会・研修会が開催され、鹿本地域の各茶工場や生産部会から20人以上の参加がありました。
お茶検討会は、各茶工場の1番茶について、生産者が試飲して評価を行い、切磋琢磨して品質を向上させることを目的に実施されており、今年度は計16点について検討を行いました。今年度の一番茶は、被覆開始や摘採時期の判断が難しい気象条件の中でしたが、うまみの乗った良質なお茶が多数ありました。
当課からは、事前に行った出品茶の成分分析の結果を報告し、実際に試飲した評価と成分分析の結果を照らし合わせることで、茶の品質についてより理解を深めてもらうよう工夫しながら説明を行いました。
検討会後は、茶業研究所や農業革新支援専門員等を含めた関係機関が、生産者の質問に答える形での研修会を開催しました。肥料代が高騰している中での肥培管理や、1番茶で摘採を終える場合の枝条管理など、現場で生じている課題について多くの質問があり、生産者同士での議論も活発に行われました。
当課では、今後も茶業振興協議会の活動を支援するとともに、関係機関と連携しながら、収益向上のためのお茶の新製品開発や、肥料高騰対策としての施肥設計等の支援を行っていきます。

2023年8月

講座の様子
講座の様子

新規就農フォローアップ講座、第1回目を開催~就農にあたっての心構えと青色申告の基礎を講義~

鹿本地域では、新規就農者が一日も早く安定した経営を実現することと農業者同士の交流を深めることを目的に、必要な知識や技術を学ぶ場を提供するため、「新規就農フォローアップ講座」を毎年実施しています。
本年度は、合計4回(①就農にあたっての心構えと青色申告の基礎、②青色申告の応用、③先輩農業者の事例発表会、④経営者協議会との意見交換)を実施する予定で、令和5年7月21日(金)に第1回目となる「青色申告基礎講座」を開催しました。
当日は、新規就農者8名、農業研修生7名、関係者4名の合計19名の出席があり、農業経営者となる意味や青色申告の意義、やり方等について農業普及・振興課から講義を行いました。受講者からは、「実際に申告をしているため、内容がすごく頭に入って勉強になった」、「今年から申告をするため、今後もわからないことは積極的聞きたい」等の声がありました。
農業普及・振興課では、この講座を通じて農業経営者としての必要な知識や技術の定着を促進することはもとより、更なる新規就農者等のネットワークづくりに取り組んでいきます。

2023年8月

土壌の断面写真(菊鹿)
土壌調査を学ぶ育成センター研修

産地一体型「アスパラガスの新規就農支援」~土壌断面調査と講義を合わせて実施~

7月26日、来年春にアスパラガスの定植を検討している新規の生産者3名を対象に予定ほ場の土壌断面調査を行いました。この調査は、土壌の排水性や土性をより詳しく分析するために行うもので、定植から15年以上、植替えを行わず栽培を継続するアスパラガス栽培では重要な調査になります。当日は、農業革新支援センターと協力し、JA鹿本アスパラガス指導員立合いのもと、生産者に断面調査の結果説明と指導を行いました。また、今回の調査はJA鹿本地域担い手育成センターの講義も兼ねて行いました。新たな担い手である研修生5名に対して、土壌診断と改善対策の大切さについて実技を交えて、伝えることが出来ました。
当課では、今後の新規就農者支援として来年春の定植に向けた栽培講習会を計画しています。アスパラガス栽培に必要な資材や、準備・作業の流れを理解してもらうことで、スムーズな定植に繋げることが目的です。また、昨年度から取り組んでいる若手生産者グループの勉強会にも勧誘し、体系的な栽培技術の指導も行っていく予定です。
部会、JA、農業普及・振興課が一体となって支援することは、栽培技術の向上だけではなく、新規就農者の受け入れ体制の強化や定着にもつながるため、今後も継続して支援を行っていきます

2023年8月

現地検討会の様子
出荷選別の様子

夏の風物詩「ホオズキ」の出荷はじまる

今年も、鹿本地域の特産花きであるホオズキの出荷が6月28日から始まりました。当地域のホオズキ栽培は40年以上の歴史があり、8戸の生産者が7月を中心に、主に関東方面に出荷しています。
しかし、近年は連作障害と思われる葉枯れ症等の発生とともに、新型コロナウイルス感染症による消費低迷や他産地の出荷量増加もあり、7月出荷の単価が安定しない等の課題がありました。このため、JAかもとホオズキ研究会では①土壌消毒の徹底 ②Ca剤等の葉面散布の徹底 ③計画的な出荷に向けた定植時期等の見直し ④8月出荷の検討の4点に取組んできました。
また、農業普及・振興課では、JAと協力して個別巡回や現地検討会での全戸巡回を行い、生産者への意識づけと作業遅れの防止に取組むとともに、高温による品質低下対策として遮熱性の高い寒冷紗の導入を進め、4戸の生産者が寒冷紗(33a)を導入するに至りました。
これらの取組みにより、本年産は着果も良好で品質も良く、本数も昨年より多い8万本の出荷が見込まれています。これまでは感染予防のため、視察等の部会活動の自粛も余儀なくされていましたが、今年は新規栽培者も1名増え、視察や消費宣伝活動も計画されており、今後の積極的な活動が期待されます。
当課では今後も関係機関と連携し、新規栽培者の栽培技術の向上を図りながら、ホオズキ産地の維持や経営の安定を図っていきます。

2023年8月

ウリ類ウイルス病発生状況調査の様子
啓発ステッカー貼付の様子

ウリ類ウイルス病対策の徹底を呼び掛け~春夏スイカ後のハウス閉めこみを徹底~

鹿本地域では春夏スイカの栽培がおおむね終了する6月を中心に、関係機関と連携して「コナジラミをハウスから出さない」対策を徹底する活動を行っています。
今年度は、まず5/26~6/20の期間に計9回、約400名の生産者を対象に講習会を開催し、栽培終了後のハウス閉め込みについて意識の徹底を図りました。
さらに6/16~7/15の1か月間、山鹿市全域及び熊本市北区植木町において、広報車4台による広報活動を行っています。栽培終了後のハウスの閉め込みについて、全生産者に向けて呼びかけを行うとともに、対策未実施のハウスについては、入り口に啓発ステッカーを貼るなどして、個別指導を強化しています。
こうした活動により、6/6~6/3のウイルス病発生状況調査における春のウイルス病の発生株率は、スイカで5.7%(令和4年:7.7%)、メロンで3.3%(令和4年:2.2%)と低い水準が維持され、「コナジラミをハウスから出さない」対策と生産者の意識が高まっている結果となりました。
今後も関係機関とともに、地域一体となってウリ類ウイルス病対策を実施していきます。

2023年7月

出芽の様子(6/5)

地域で初めての取組!「鹿本地域水稲直播実演会」開催

鹿本地域では、今後の高齢化等も見据え、水稲の育苗作業の負担軽減ができないかと、地域営農法人等から相談があっていました。このため、5月25日に水稲の省力化技術である直播の実証・普及を目的とした「鹿本地域水稲直播実演会」を開催しました。
今回の実演会では、農業機械メーカーの協力を得て、直播の中でも湛水直播について、「コーティング種子のドローン播種」と、「無コーティング種子のトラクターによる代掻き同時播種」の2種類の方法の実演を行いました。これらの技術の実演は、鹿本地域で初めての取組となります。
当日は、地域営農法人を中心とした生産者や、関係機関など30人以上の参加があり、質問も多く寄せられ、省力化技術への関心の高さを感じました。
播種後の状況としては、田面が低い場所でスクミリンゴガイによる食害等により出芽が確認できないなど、すべて順調とはいえませんが、初めての取組ということもあり、生産者とも密に協力しながら、栽培管理を進めています。
農業普及・振興課では、今後も、栽培管理指導や調査を行っていくとともに、水稲直播をはじめとした省力化技術の実証・普及に取り組んでいきます。

2023年7月

pFメーターを用いたかん水管理
排水性改善のための縦穴堀りの様子

次世代のアスパラガス生産者の育成に向けて~収量3tを目指して重点指導を実施~

JA鹿本アスパラ部会では、収量目標3t/10aを達成出来る若手生産者を育成するため、アスパラ株齢3年以内(約10名)を対象に当課と連携して、重点指導を行っています。また、栽培技術を早く習得してもらうための勉強会や、若手生産者グループ間での技術共有・情報交換も精力的に行っています。
この中で、農業普及・振興課では、本格的な夏芽の出荷に向けて、かん水管理方法の改善による収量向上(前年比25%増)を目標に掲げ、技術対策の指導に取り組んでいます。
特に梅雨入り後は、かん水の判断が難しくなるため、pFメーターをほ場に設置し、土壌水分の「具体的な数値」を意識したかん水管理を指導しています。併せて、土壌下層部に耕盤があり、排水性が悪い生育不良のほ場では、エンジンオーガを用いて縦穴暗渠を施行し、排水性の改善にも取り組みました。
その結果、かん水量やかん水頻度の改善が図られ、夏芽の出荷量も順調に増えています。また、生産者もその効果を強く実感されています。
部会、JA、普及・振興課が一体となって支援することは、栽培技術の向上だけではなく、新規就農者の受け入れ体制の強化や定着にもつながるため、今後も継続して支援を行っていきます

2023年7月

総会の様子
祝賀会の様子

令和5年度「鹿本地方農業経営者協議会」スタート!3年ぶりの「農業関係表彰受賞者祝賀会」も開催

鹿本地方の篤農家で組織する「指導農業士協議会」と「農業経営同友会」が合併した「鹿本地方農業経営者協議会(以下、協議会)」が令和4年9月に設立されて以降、初めてとなる通常総会を、5月25日に山鹿市内で開催しました。
現在、協議会の会員数は72名(うち指導農業士30名)ですが、会員から「地域農業の維持発展のためには、新規就農者の確保、育成が喫緊の課題」という声が多く、今年の活動は、新規就農者・就農予定者・JA鹿本担い手育成支援センターの研修生との意見交換会や県外視察研修などを行うことを決議しました。
また、総会終了後は、農業コンクールなど表彰受賞者をお招きした「鹿本地方農業関係表彰者受賞者祝賀会」も3年ぶりに協議会主催で開催しました。受賞者(32組(うち16組出席)、協議会員、関係団体の約60名出席があり、コロナ禍で2年間延期を余儀なくされていた期間を含め、久しぶりの祝宴と親睦を深める機会となり、活発な情報交換がなされました。
農業普及・振興課では、今後とも協議会の活動支援を行いながら、新規就農者との交流の場を積極的にコーディネートするなど、地域が一体となって新規就農者を支える仕組みづくりに取り組んでいきます。

2023年6月

露地ナスほ場(鹿北町岩野)
定植後1週間のナスの様子

鹿北町の露地ナス定植が順調にスタート!~若手生産者への個別指導を強化~

令和5年度JA鹿本鹿北町茄子部会の露地ナス栽培が面積約2.4ha、部会員数24名でスタートしました。鹿北町は県内でも有数の露地ナス産地であり、部会には栽培歴30年以上のベテランから新規就農者まで幅広く在籍しています。現在は定植作業の真っ最中で、6月中下旬の出荷に向けて取り組んでいます。
昨年度は梅雨明け以降の天気も安定していたことや病害虫対策の徹底により、収量・品質とも良好で、部会歴代最高の成績となりました。しかし、一部ほ場では定植直後の活着不良や、夏場のかん水不足による樹勢低下が見られたため、定植後のスムーズな活着に向けた対策が、より一層求められています。
そこで、農業普及・振興課ではJA鹿本と連携し、特に栽培経験の少ない就農3年目以内の若手生産者に対しては巡回数を増やし、定植日や生育に合わせた指導の強化に取り組んでいます。今後は特に高温・乾燥傾向が続くと予想されるため、活着までのかん水管理(根回し水、発根剤施用)を重点的に指導し、本年の気象に合わせた管理の見直しを呼び掛けています。また、肥料高騰対策として、低コストの代替肥料を用いた栽培試験にも取り組む予定です。
当課では、ほ場の温度データの測定等も行いながら、更なる安定生産及び品質向上に向けて、関係機関と協力して取り組んでいきます。

2023年6月

「山鹿市4Hクラブ総会」3年ぶりの対面開催~7名の新規クラブ員が加入!~

4月21日(金)、対面での開催は3年ぶりとなる山鹿市4Hクラブ総会が開催されました。昨年度からクラブ員と協力して、地域の若手農家との交流や先輩農家へクラブ員候補者の情報提供依頼等を行うとともに、プロジェクト活動での躍進ぶりが認知度向上にも繋がった結果、今年度から新たに7名ものクラブ員の加入がありました。新体制の活動テーマは「交流」に決定し、15名の約半数が新規クラブ員となる今年度にふさわしいテーマとなりました。
総会後は、4Hクラブ員と普及員でクラブ員の経営や技術の課題について話し合う、「プロジェクト検討会」を実施しました。クラブ員と普及員との顔合わせを行い、スムーズにプロジェクト活動に繋げていくことが狙いです。初参加の新規クラブ員とも、経営の状況や悩みについて活発に意見交換を行いました。
山鹿市4Hクラブでは、昨年度の県農業者会議で総合優勝したことで、クラブ員の士気が高まっており、さらに7名もの新たなクラブ員を迎えたことで、今後の活動の活性化が期待されます。
当課では、プロジェクト活動への支援とともに、新規クラブ員の確保や交流会などのクラブ活動についても、引き続き支援していきます。

2023年4月

対策資料を説明する城本参事(当時)
鹿本地域における対策活動の説明資料

ウリ類退緑黄化病防除対策会議を3年ぶりに開催~令和5年度の重点活動を関係者で確認~

コロナ禍により2年間開催されていなかった「鹿本地域ウリ類退緑黄化病防除対策会議」を、山鹿市、熊本市、JA、物産館連絡協議会、生産者代表など関係機関37名を参集し、令和5年3月23日にJA鹿本本所で開催しました。
会議では、まずJAから今年度の活動経過が報告された後、当課から鹿本地域におけるウリ類退緑黄化病対策について説明を行いました。事前に実施した生産者へのアンケート結果からは、退緑黄化病の認知度は93.6%に上り、どのような対策を取ればよいか知っていると答えた割合も9割を超えていました。
一方で、実際に行われている「入れない」「増やさない」「出さない」の対策内容には、生産者間のバラつきが大きいことが示されました。参加者からは、対策の更なる徹底や一斉防除の必要性について熱心な発言がありました。また、「栽培後のハウスの閉め込み」に重点をおいた、令和5年度の活動スケジュールを確認しました。
今後も関係機関と連携し、地域一体となってウリ類退緑黄化病防除対策を実施し、スイカを中心としたウリ類の生産安定に取組んでいきます

2023年4月

「川南地区」集積・集約状況
法人の新規作物導入の検討

鹿本地域農地集積推進チームの取り組み~「川南地区」の農地集積と営農法人の体制強化を支援~

当課が事務局の「県・市連携会議」農地の有効利用部会※では、JA鹿本を加えて農地集積推進チームを編成し、農地集積の推進に取組んでいます。
3月14日に、今年度最後の会議を開催し、年間活動の総括を行いました。
今年度は、山鹿市農業委員会が中心となり、川南地区をモデル地区に設定し、目標地図の作成と農地中間管理機構による利用権設定を推進したことにより、1ha以上の団地面積が7.5haから32haへと大幅に拡大しました。
また、当課が主導し、集積の受け手となる地域営農法人の体制強化を支援した結果、JA研修卒業生など若手オペレーターの確保事例が出てきたほか、子実用トウモロコシなどの新規作物導入の取組みも始まりました。
さらに、農地整備課では、基盤整備を契機とした農地集積推進に向け、農業農村整備の現状把握(特に用水路等の再整備)と課題の抽出、地元要望の内容・エリアのマッピング作業等を実施しました。
今後は、「川南地区の事例を基にした効果的な『地域計画』策定の推進」、「地域営農法人の経営力強化と更なる農地集積に向けた取組みの支援」、「市と連携した、地域の状況を踏まえた計画的な基盤整備推進方策の検討」について、関係機関と連携を密にしながら、引き続き活動を進めていきます。

※構成:(山鹿市:農業振興課、農林整備課、農業委員会、振興局:農業普及・振興課、農地整備課)

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