2019年のエリア普及現地情報

2019年12月

肉用牛経営の働き方改革を目指して

JA菊池では、サラリーマンと同等の労働条件を目指して、約30年前から、肉用牛経営の定期的な休暇確保を目的に、定休型ヘルパー組合が活動しています。
11月26日に、JA菊池のヘルパー組合など九州管内の肉用牛定休型ヘルパー組合の主催で、畜産農家をはじめ関係者約400名参加のもと、定休型ヘルパーサミットが菊池市泗水町で開催されました。サミットでは、JA菊池から「ヘルパー組合の概要及びヘルパーからの就農事例」の紹介のほか、大分県や長崎県の組合から事例発表が行われました。
ヘルパーは、畜産経営OBや一般企業を退職された方、大分県では地域おこし協力隊の方等多種多様ですが、どの組合もヘルパー確保が課題になっています。
農業普及・振興課では、肉用牛経営の安定に向けて、定休型ヘルパー組合を就農希望者の働き場、技術習得の場としての活用も視野に支援を行っていきます。

2019年12月

農場HACCP認定証
CBS

全国初!JA菊池キャトルブリーディングステーションが農場HACCP認証を取得

菊池地域農業協同組合は管内酪農家の乳牛育成施設および肉用素牛の供給基地としての役割を担うため、畜産クラスター事業を活用して、平成29年に菊池市泗水町においてキャトルブリーディングステーション(以下、CBS)を整備しました。
このCBSは落成前から家畜衛生管理を徹底するため、普及等が指導に入りHACCP構築に取り組んだ結果、10月7日にJAとして、またCBSとして全国初となる認証農場となりました。
この取り組みは認証前の段階から多くの視察があるなど全国的に注目されており、今後も農業普及・振興課では認証の維持と改善に向けて支援していきます。

2019年12月

退牧式
定期的な衛生検査の様子

今年も無事に広域放牧終了!

県では、阿蘇の牧野で県央や県北地域の牛を放牧する「広域放牧」に取り組んでおり、その半数以上が菊池地域から放牧されています。
当地域からは、主に跡ヶ瀬牧野、木落牧野、笹倉牧野へ放牧しており、今年度はこの3牧野で391頭(速報値)が放牧され、11月末に無事に退牧しました。
広域放牧は、繁殖農家の省力化や粗飼料コスト低減だけでなく、阿蘇地域の牧野の維持管理にも貢献しており、双方の課題である担い手不足の解消につながる取り組みです。
しかし、牧野での滑落事故や流産、脱柵、ピロプラズマをはじめとした放牧病等、様々な課題があり、今年度も3件の事故が発生しています。
農業普及・振興課では、このような事故を減らすため、今年度の実績を踏まえ、草地の改良や適正な放牧頭数の算出、他牧野の斡旋等を関係機関と検討する予定です。来年度の広域放牧に向けて、今後も関係機関と連携し、安全な放牧の実施に向けた支援を行っていきます。

2019年12月

会議の風景

外部組織による畜産経営の省力化を目指して

菊池地域では、畜産クラスター事業等を活用した畜産農家の規模拡大が進み、飼料の確保と飼養管理の省力化が求められています。そのため、コントラクター組織やTMRセンターへのさらなる期待が高まっています。
このような中、菊池地域のコントラクター8組織とTMRセンター4組織を集め、それぞれの課題解決と情報交換のため、連絡会議を開催しました。コントラクター組織では人材確保が難しいことや、TMRセンターでは、製品の品質安定及び管理について意見交換が行われました。
農業普及・振興課では、今後、コントラクター組織等の法人化や農地集積を支援し、持続的な担い手組織の育成を図りながら、地域ごとの飼料製造拠点づくりを行っていきます。

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