球磨エリア

球磨地域は人吉市、球磨郡を所管しています。県の南東部に位置し、九州山地に囲まれた盆地であり、中央を東西に貫流する球磨川の沿岸に広がる水田地帯と、周囲には畑地帯からなる中山間地帯及び山間地帯からなっています。水稲をはじめとした土地利用型作物や茶・葉たばこ等の工芸作物、野菜、果樹、さらには、酪農、肉用牛等多彩な農業生産が営まれています。中でも、葉たばこ、茶、クリ、モモは、県下1位の生産量を誇っており、二条大麦、ホウレンソウ、夏秋キュウリ、酪農も県における有数の産地です。なお、最近では球磨焼酎原料用としての多収穫米や、薬用作物等の栽培も行われています。

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県南広域本部 球磨地域振興局 農業普及・振興課

〒868-8503 人吉市西間下町86-1

電話:0966-24-4129

FAX :0966-24-4144

球磨エリア普及現地情報

2024年7月

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説明の様子
研修会の様子

球磨地域振興局内防疫研修会の開催

球磨管内での高病原性鳥インフルエンザの発生は、平成26年に相良村及び多良木町で発生して以降、確認されていませんが、国内での発生は毎年確認されている状況です。農場で感染が確認されると鶏を全て殺処分する必要があり、加えて、人に感染する可能性がある人獣共通感染症であることから、万が一管内で発生した際には、地域全体で迅速にまん延防止対策を講じる必要があります。
このような状況を踏まえ、当課では、今年度からの新たな取り組みとして、年度当初の異動後に、初動防疫の流れやそれぞれの役割を確認するため、防疫研修会を5月13日に開催しました。また、研修会に参加することが出来なかった職員に対応するため、研修会を録画し視聴できるようにしました。研修会では、初動体制の確認に加え、鳥インフルエンザに係る基礎的な情報について城南家畜保健衛生所と連携して説明しました。
今後は、令和6年度の防疫シーズンに向け、現場での実地及び机上演習を実施していくとともに、鳥インフルエンザ以外の家畜伝染病に対する知識の普及・啓発を行い、万が一管内で家畜伝染病が発生した際に、迅速に初動体制を確立できるよう取り組んでいきます。

2024年7月

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収穫の様子(収穫機械の実証試験)
出荷用にトラックに積み込まれるばれいしょ

雨にもマケズ霜にもマケズ…加工用ばれいしょの収穫

球磨地域では、被災農地や葉たばこ廃作後等の新規作物として、加工用ばれいしょの試験栽培を令和4年度から実施しています。
昨年までは水稲前作を想定して水田圃場での試作を行っていましたが、試作3年目となる今年は、基盤整備が予定されている畑作地域でも試作を行いました。
本年は3月の低温による霜害や生育の遅れ、春からの天候不良が重なりましたが、条件が厳しい中でもすくすくと成長して5月29日に無事収穫を迎えることができました。作柄としては、気象条件の良かった昨年と比較すると劣るものの、1.5t~2.0t/10aとまずまずの収量を得ることができ、全量を(株)湖池屋へ出荷しました。
生産者からは、栽培に手間がかからない点に評価をいただいた反面、既に保有している機械のみでは収穫作業に手間がかかりすぎるため、規模拡大のためには専用の機械が必要という意見がありました。
今後、農業普及・振興課では、加工用ばれいしょを農業経営の中で柱として成り立つ品目とするため、他品目との組み合わせを含め、経済性や作業性を引き続き検証するとともに、担い手の確保を進めてまいります。

2024年7月

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キュウリの天敵利用拡大のためのクレオメ苗を配布

球磨地域のキュウリ栽培は主に夏秋期であり、害虫の発生量が多いことや農薬の多用による薬剤抵抗性の発達が懸念されています。そこで、農業普及・振興課では令和4年度から環境保全型農業推進モデル展示ほにより市販の天敵「スワルスキーカブリダニ」に加え、土着の天敵「タバコカスミカメ」を利用した害虫発生抑制効果の検証を行い、有効性が確認されたため、天敵の利用拡大を目指しています。土着天敵の導入に際しては、バンカークロップとしてクレオメの導入が必要ですが、クレオメは発芽率が低いため、生産者に活用してもらうには、こぼれ種や挿し芽で増殖する必要があります。
そこで、県内でも例を見ない取り組みとして、普及とJAが主体となり生産者にクレオメ苗を配布し、増殖してもらうこと目的に、JAキュウリ部会員にクレオメの苗を配布しました。
この苗は球磨農研のオープンラボ機能を活用し、普及とJAが連携し、2月頃から育成したもので、5月23日からJAを通じて約150本を希望する生産者約70戸に配布しました。
農業普及・振興課では、今後も展示ほにおいて、害虫発生抑制効果について引き続き調査し、現地に周知を図りながら、普及に努めてまいります。

2024年7月

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現地検討会の様子
芝草種子散布作業の様子

畦畔管理作業の省力化を目的とした「畦畔芝草化」現地検 討会開催

球磨地域では、農家の高齢化や担い手不足により、夏場の畦畔除草が課題となっています。特に中山間地域では、畦畔が広く、傾斜があることから、除草作業は重労働かつ危険が伴います。
そのような中、農業普及・振興課では畦畔除草の省力化を図るため、「畦畔芝草化」の実証試験を行いました。通常、畦畔被覆では被覆植物が生育する前に雑草が繁茂することが問題となりますが、今回、寒地型の芝を採用することで、雑草の活動が比較的落ち着く冬の間に生育させることをねらいました。その結果、昨年9月の播種後、順調に生育し、本年5月には畦畔一面を覆うほどとなりました。
5月16日には現地検討会を開催し、管内の農業法人や市町村、JAの他、管外の農業法人や振興局など約50名の参加がありました。検討会では、当課から試験の経緯や試験方法について、種苗メーカーや除草剤メーカーからはそれぞれ使用した資材の説明が行われ、真剣に話を聞く参加者の様子が伺えました。
畦畔管理はどの地域も同じ悩みを抱えており、参加者からは、「ここまで芝草が成長するなら良い」、「早速現地で試したいのでノウハウを教えてほしい」など、とても好評で前向きな意見が聞かれました。
現状では、「芝草化」の方法を模索する段階にあるため、当課では引き続き試験を重ねながら技術を確立し、畦畔管理の省力化を図っていきたいと思います。

2024年7月

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お宅訪問の様子
お宅訪問の様子

球磨4Hクラブ×南稜高校「お宅訪問」を開催

球磨地方青年農業者クラブ(4Hクラブ)では、クラブ員相互の資質向上を図るため、自身の農業を他のクラブ員に紹介する「お宅訪問」を実施しています。これまでは、4Hクラブ内での開催でしたが、今年度は新たな取り組みとして、南稜高校生を招待し、交流の場を広げました。
お宅訪問では、ズッキーニを栽培する中神さんと、桃を栽培する山本さんの2名を訪問しました。中神さんは、元々栽培していたトマトをやめ、ズッキーニ栽培に切り替えた経緯を説明したほか、労働生産性など経営面に特化した説明がありました。山本さんからは、桃のせん定や新しい技術であるジョイント栽培などの技術面の説明があり、南稜高校生からは、「将来ズッキーニを栽培してみたい」、「桃の品種の違いは?」など活発な質問や意見交換があり、有意義な研修となりました。
当課では、引き続きクラブ員の資質向上を図るための活動を支援するとともに、異業種交流の場を増やすなど、魅力的な活動を支援していきます。

2024年6月

春メロン出荷開始

球磨地域は、県内有数の春メロンの産地です。球磨の春メロンは近年、消費地からの需要が高まっており、今年も4月に入り、プリンスメロン、ホームランメロン、アンデスメロンの出荷が始まりました。
本格的な出荷に合わせて、4月19日に多良木町にある上球磨選果場においてメロンの出発式が開催されました。
今作は播種期の天候が良好で、定植は2~3日程度早くなりました。一方で交配期以降の曇雨天や朝晩の気温の低さにより、初期肥大が昨年よりも鈍い状況にありました。このような状況ではありましたが、生産者の方々の日々の努力により、今年も美味しいメロンが出来ています。
近年、異常気象や肥料・資材の高騰、また連作によるネコブセンチュウの発生などメロンを取り巻く環境にも様々な課題があり、生産面積も減少傾向にあります。農業普及・振興課では、連作障害軽減の対策などにより、生産性の維持・向上に向けた取り組みを進め、産地の維持を図るべく生産者の方々と一緒に取り組んで行きます。

2024年6月

茶園の様子
新茶収穫

夏も近づく八十八夜

県内の荒茶生産量の約半分を占める一大産地である球磨地域では、4月18日から一番茶の収穫が始まりました。
今年は平年より2日程遅く萌芽し、害虫の被害も心配されましたが、新芽への被害はほとんどなく、順調に生育しています。
球磨地域では、一昨年からドリンクメーカー向けのJA茶工場が本格稼働し、ペットボトル用の茶葉とリーフ茶用の茶葉の両方が生産されています。
荒茶の品質は良好で、4月19日に行われた熊本経済連の初入札会では、86点の出品茶の中で球磨地域のお茶が最高値を獲得しました。
また、茶業研究所にて蒸し製玉緑茶や普通煎茶、釜炒り茶の出品茶製造が行われました。製造したお茶は県品評会(7月)へ出品する予定です。
当課では、今後も農業革新支援センターやJAと連携して、良質なお茶の製造支援に取り組みます。

2024年6月

総会の様子
お悩み相談会の様子

令和6年度球磨地方青年農業者クラブ通常総会開催

球磨地方青年農業者クラブは、20~30代の若手農業者を中心に現在8名で活動しており、このたび、令和6年度通常総会が4月25日に開催されました。
令和5年度の事業実績では、球磨独自で活動しているSNS(「くまよん農業チャンネル」X(旧Twitter)、Instagram、Youtube)を活用したPR活動のほか、これまで新型コロナウイルスの影響で活動できなかった「錦町ふるさと祭り」での対面販売や、八代・芦北4Hクラブとの交流を再開するなど、様々な活動が報告されました。
令和6年度の計画では「物価高に負けない農業経営を目指す」というスローガンのもと、クラブ員同士の勉強会や先進地視察研修を通して、自身の農業経営上の課題を解決できるような活動や、新規のクラブ員の勧誘による活動の活性化を図っていくことが決議されました。
また、総会終了後には、普及指導員との対面による「お悩み相談会」を実施。普及指導員がクラブ員の抱える農業経営・栽培上の悩みや不安を引き出し、課題解決に向けた展示ほ場やプロジェクト活動に関する計画を助言しました。
当課では、引き続き青年農業者の技術および経営所得の向上に向けた活動支援に取り組みます。

2024年6月

勉強会の様子
勉強会の様子

若手農家向けに農業経営勉強会を開催

球磨地域では、被災者支援・観光業者支援事業等を手がける一般社団法人RCFが中心となって「人吉球磨・農業未来プロジェクト」が進められており、以下の3つの事業が展開されています。農業普及・振興課も関係市町村や団体等と連携して、同社が進める地域の農業の魅力発信や課題解決の取り組みを支援しているところです。
① 球磨地域の農業・農家を多くの人に知ってもらう「情報発信事業」
② 勉強会や視察研修を通して農家同士の交流を図る「ネットワーキング事業」
③ スキマバイト募集サービス(タイミー)を活用した労働力の確保支援等の「経営課題サポート事業」
このうち、②ネットワーキング事業の一環として、農業経営の法人化や経営分析手法等を学ぶ「農業経営勉強会」が4月11日に開催されました。これは、本プロジェクトに参画している若手農家から「法人化のメリットやデメリットを学びたい」という要望を受けて実施されたもので、当日は農業者10名が集まり、当課から、法人化の利点や社会保険制度、財務諸表を用いた安全性分析等について説明しました。
参加者からは、「法人の種類について教えて欲しい」、「個人と比べて融資額にどのくらい差があるのか」といった質問が数多くあがり、出席者のスキルアップにつながりました。
当課では、今後も本プロジェクトと連携し、農家の課題解決に向けて取り組んでいきます。

2024年6月

発起人代表挨拶
集合写真

あさぎり町初!「農事組合法人須恵かちゃあ」設立総会の開催

4月26日にあさぎり町須恵地区において、あさぎり町初の地域営農法人となる「須恵かちゃあ」の設立総会が開催されました。
当地区では、農業者の高齢化や後継者不足等が問題となっており、このような状況に危機感を持った農業者や営農生産組合、機械利用組合の代表者が発起人となって、令和2年8月から法人設立に向けた検討が行われてきました。
農地集積の手法や法人の形態、経営の収支を検討するための話し合いや地区内の同意を得るための座談会等を70回以上経て、組合員82名(JAくま含む)が参加する「(農)須恵かちゃあ」が設立されました。
当法人では、須恵地区に残る「はじあい(支えあい)」と「かちゃあ(共同作業)」の精神のもと、将来にわたって地域の農業を維持・発展させ、「地域とともに稼げる農業」を実現することを目的に掲げています。当面は作業受託を経営の中心とし、将来的には構成員の農地を法人に集めながら、米・麦・大豆などの土地利用型農業を中心とした協業経営を行っていきます。
農業普及・振興課では、あさぎり町やJAくまと連携しながら法人設立に向けた話し合いをサポートしてきており、今後も関係機関との連携を活かしつつ、法人経営の安定化に向けた支援を行ってまいります。

2024年4月

現地検討会の様子
現地検討会の様子

飼料作物(春作)の現地検討会を開催

球磨地域では、畜産農家の自給飼料の生産・利用拡大の推進、新品種の導入検討を目的として、飼料作物・有望品種の展示ほをらくのうマザーズと球磨農業普及・振興課共同で設置しています。今回、4月8日に相良村の飼料作物展示ほにおいて春作飼料作物の現地検討会を開催しました。
今年度は飼料作物の主要品目であるイタリアンライグラスを26品種、エン麦等を18品種(県奨励品種を含む)、さらにイタリアンライグラスの播種量比較展示区(播種量:3~100kg/10a)を設けました。 
現地検討会当日は、悪天候の中、畜産農家をはじめ管内外の畜産関係者約30名が各飼料作物の生育状況等の確認を行いながら、活発な意見交換が行われ、有意義な現地検討会となりました。
現在、飼料価格は高止まりが継続しており、管内では厳しい経営を迫られている畜産農家も散見されており、飼料費削減の観点から自給飼料生産の重要性は高くなっています。また、昨年に引き続き春先の天候が安定しないことが多く、複数品種導入による収穫時期分散などのリスク回避が重要です。
農業普及・振興課では今後も関係機関と連携しながら、自給飼料増産への取組みを支援していきます。

2024年4月

土壌断面調査の様子
農業革新支援センター専門員による説明

就農予定地の土壌を確認しよう!~土壌断面調査の実施~

球磨地域では、地域農業を維持していくために新規就農者の確保・育成が重要となっており、就農希望者の円滑な営農確立の支援に取り組んでいます。
令和6年3月27日には、JAくまが受け入れている研修生の就農予定ほ場2か所において、ほ場の作土層や排水性を確認するために、土壌断面調査を実施しました。
当日は、研修生、JA営農指導員、振興局普及指導員が一緒になって、土壌を約50cm掘り、地層の幅、土性、ち密度などを農業技術課農業革新支援センターの協力のもと調査しました。
調査の結果、作土層が狭いことや排水性が悪いことが判明し、高畝栽培や明きょの設置、暗きょの掃除などを指導しました。
研修生からは、「今後作付けする地面の下がどのようになっているかを見ることができてよかった。」、「作土層の確保のため、畝の高さを検討する。」など、実際に営農を開始するために役に立ったと感じられるコメントがありました。
研修生のほか、JAからは5名の出席があり、営農指導員の資質向上とともに、地域を挙げた新規就農支援体制の確立にもつながりました。
当課では、球磨地域農業の維持・発展のため、新規就農者の育成及び定着に向けた支援に取り組んでいきます。

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