球磨エリア

球磨地域は人吉市、球磨郡を所管しています。県の南東部に位置し、九州山地に囲まれた盆地であり、中央を東西に貫流する球磨川の沿岸に広がる水田地帯と、周囲には畑地帯からなる中山間地帯及び山間地帯からなっています。水稲をはじめとした土地利用型作物や茶・葉たばこ等の工芸作物、野菜、果樹、さらには、酪農、肉用牛等多彩な農業生産が営まれています。中でも、葉たばこ、茶、クリ、モモは、県下1位の生産量を誇っており、二条大麦、ホウレンソウ、夏秋キュウリ、酪農も県における有数の産地です。なお、最近では球磨焼酎原料用としての多収穫米や、薬用作物等の栽培も行われています。

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県南広域本部 球磨地域振興局 農業普及・振興課

〒868-8503 人吉市西間下町86-1

電話:0966-24-4129

FAX :0966-24-4144

球磨エリア普及現地情報

2024年4月

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現地検討会の様子
現地検討会の様子

飼料作物(春作)の現地検討会を開催

球磨地域では、畜産農家の自給飼料の生産・利用拡大の推進、新品種の導入検討を目的として、飼料作物・有望品種の展示ほをらくのうマザーズと球磨農業普及・振興課共同で設置しています。今回、4月8日に相良村の飼料作物展示ほにおいて春作飼料作物の現地検討会を開催しました。
今年度は飼料作物の主要品目であるイタリアンライグラスを26品種、エン麦等を18品種(県奨励品種を含む)、さらにイタリアンライグラスの播種量比較展示区(播種量:3~100kg/10a)を設けました。 
現地検討会当日は、悪天候の中、畜産農家をはじめ管内外の畜産関係者約30名が各飼料作物の生育状況等の確認を行いながら、活発な意見交換が行われ、有意義な現地検討会となりました。
現在、飼料価格は高止まりが継続しており、管内では厳しい経営を迫られている畜産農家も散見されており、飼料費削減の観点から自給飼料生産の重要性は高くなっています。また、昨年に引き続き春先の天候が安定しないことが多く、複数品種導入による収穫時期分散などのリスク回避が重要です。
農業普及・振興課では今後も関係機関と連携しながら、自給飼料増産への取組みを支援していきます。

2024年4月

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土壌断面調査の様子
農業革新支援センター専門員による説明

就農予定地の土壌を確認しよう!~土壌断面調査の実施~

球磨地域では、地域農業を維持していくために新規就農者の確保・育成が重要となっており、就農希望者の円滑な営農確立の支援に取り組んでいます。
令和6年3月27日には、JAくまが受け入れている研修生の就農予定ほ場2か所において、ほ場の作土層や排水性を確認するために、土壌断面調査を実施しました。
当日は、研修生、JA営農指導員、振興局普及指導員が一緒になって、土壌を約50cm掘り、地層の幅、土性、ち密度などを農業技術課農業革新支援センターの協力のもと調査しました。
調査の結果、作土層が狭いことや排水性が悪いことが判明し、高畝栽培や明きょの設置、暗きょの掃除などを指導しました。
研修生からは、「今後作付けする地面の下がどのようになっているかを見ることができてよかった。」、「作土層の確保のため、畝の高さを検討する。」など、実際に営農を開始するために役に立ったと感じられるコメントがありました。
研修生のほか、JAからは5名の出席があり、営農指導員の資質向上とともに、地域を挙げた新規就農支援体制の確立にもつながりました。
当課では、球磨地域農業の維持・発展のため、新規就農者の育成及び定着に向けた支援に取り組んでいきます。

2024年3月

定植作業の様子(錦町現地ほ場) ※左:当課職員、右:JA職員
畑地の実証圃場(相良村)

加工用ばれいしょの現地実証開始!

球磨地域では、令和4年度から新たな品目として加工用ばれいしょの導入を検討しており、令和5年度は管内2か所で現地実証を開始しました。
令和4年度に行った錦町での実証では、収穫作業に多くの労力を必要することを確認したため、令和5年度では区画を10aから30aに広げ、機械による収穫体系を実証することとしています。更に、畑地での適応性を検討するため、新たに相良村においても実証を開始しました。
導入にあたっては、当地域で作付けの多い葉たばこに対して、アブラムシによるウイルス病の発生が懸念されるため、今後、徹底した病害虫対策や葉たばこ作付地域との住み分けの検討が必要となってきます。
農業普及・振興課では、実証結果を取りまとめ、関係機関とともに球磨地域での加工用ばれいしょ導入の検討を進めていきます。

2024年3月

データに基づく栽培管理によるイチゴの収量向上を 目指して

球磨地域では、スマート農業の取組みの一環として、イチゴ栽培において栽培環境のデータに基づいた管理による収量向上に取り組んでいます。令和5年産は、8戸のモデル生産者において環境モニタリングを実施しており、2月21日に各生産者のほ場において現地検討会を開催しました。
今回の現地検討会では、厳寒期における栽培管理の違いによる生育や収量の差を説明し、改めて厳寒期の温度管理と積極的な炭酸ガス施用の重要性を確認する機会となりました。特に、炭酸ガスを積極的に施用したほ場では収量向上が見られ、農業革新支援専門員からも炭酸ガスの有効性について説明があり、活発な意見交換が行われました。
現地検討会に参加した生産者からは、「次年度は炭酸ガス施用を改善したい」、「定植前や年末にも現地検討会を開催してほしい」などの意見があり、環境モニタリングの「見える化」による改善が少しずつ広がっています。
今後、6月に実績検討会を開催して、令和5年産の課題を共有するとともに、令和6年産の単収向上に向けた改善を話し合うこととしています。
農業普及・振興課では、球磨地域のイチゴの更なる収量向上を図るため、環境モニタリングを活用した根拠に基づいた栽培指導により、データに基づく栽培管理を推進していきます。

2024年3月

切り枝回収の現地打合せ(R6.2.6)
園地での切り枝回収の様子

ナシの火傷病に対する広域連携の取り組み

昨年8月に中国で火傷病が発生したことによりナシの花粉が輸入停止となったため、八代地域では、令和6年産の人工受粉用花粉が不足する事態となっていました。一方で、球磨地域は花粉を供給する樹を混稙したハチ交配が主流であるため、花粉の輸入停止による影響は少なく、また、交配に適した品種「新興」の生産量が県内で最も多いことから、JAやつしろナシ部会の依頼を受け、「新興」のせん定作業で出た切り枝を提供することとなりました。
まず、1月にJAくまと連携して生産者説明会を管内4地区で開催し、アンケート調査により切り枝の提供可能者数や「新興」の本数・面積等をとりまとめ、回収方法を八代地域と協議しました。その後、令和6年2月6日から2月22日にかけて、当課とJAくま、八代地域の関係者で3班体制を組み、各提供園を巡回して切り枝の回収や選別を行いました。
花粉採取には新鮮な枝が必須であるため、回収日2日前~1日前に切り枝を用意しておく必要がありましたが、ほとんどの生産者は計画通りに準備していただき、当初の予定日で終了することができました。最終的に提供者は25名、計361樹分となりました。
農業普及・振興課では今後も他産地と連携をとりながら、県産ナシの生産安定に向けた活動支援を行っていきます。

※切り枝: 花芽の着生した枝のこと。温室で水差しし開花させ、花粉を採取することができる。

2024年3月

農業版BCPについて説明
BCPについて意見交換

女性農業者へ農業版BCP活用研修会を開催

3月1日に、球磨管内の農業女性アドバイザー研修会を対象に「農業版BCP活用研修会」を開催したところ、アドバイザーなど女性農業者6名の出席がありました。
近年、豪雨や台風による農業被害が頻繁に起こっており、気象災害の直前の対策に加えて、災害発生後にいかに早く営農を復旧させるかが重要になってきています。
当課から農業版BCPとは何か、事前対策との違い、早期復旧による事業継続の重要性等について説明した後、実際にチェックリストと計画書様式を用いて記入していただきました。
様式記入後は、記入で難しいと感じた点や、令和2年7月豪雨での体験についてグループに分かれて意見交換を行いました。7月豪雨の記憶も新しく、河川の増水・氾濫や橋を通行できなくなった際のほ場への移動について心配する意見などがあげられました。また、記入できなかった項目については、どのように対応をするか、家族内で話し合いの機会を設けてもらうように伝えました。
農業普及・振興課では今後も農業女性アドバイザーに対し、様々な情報提供の場を設け、さらなる活躍を支援していきます。
※農業版BCP:インフラや経営資源等について、被害を事前に想定し、被災後の早期復旧・事業再開に向けた計画

2024年3月

セミナーの様子
基調講演の講師 有田氏

球磨地域農業の発展を目指して~活性化セミナーの開催~

令和6年2月27日に、球磨地域の農業の活性化・発展を目的として「球磨地域農業活性化セミナー」を開催しました。管内の農業者や関係機関から63名の参加がありました。
第一部の基調講演では、令和5年度(第62回)農林水産祭において最高賞である天皇杯を受賞された、錦町の株式会社有田牧場の代表取締役有田耕一氏から、これまでの歩み及び経営戦略について講演いただきました。参加者からは有田牧場の経営に対して多くの質問があり、有田氏の経営理念や仕事に対する熱心さは、参加した農家のやる気を奮い立たせるものでした。
第二部では、農業普及・振興課から「管内のスマート農業の実践例」及び「地域営農組織の法人化と経営支援」について普及活動の状況を報告するとともに、農業研究センター球磨農業研究所から研究内容の紹介と南稜高等学校から学習成果の発表を行っていただきました。当課の支援活動や最新の農業技術、地元高校生の活動等を地域の方々へ情報発信することで有意義なセミナーとなり、農業への機運を高める良い機会となりました。
当課では、今後とも地域農業の活性化につながる取り組みを推進し、情報発信等に努めます。

2024年3月

研修の様子

食品表示と効果・効能表示に関する研修会を開催!

人吉・球磨物産販売施設連絡協議会は、管内の物産館、直売所、加工グループなどの11組織で構成され、組織間の連携・協調や地域物産の安定的な販売等を目的に活動しており、農業普及・振興課では、当協議会の活動に対して支援・助言を行っています。
今年度は、会員の資質向上を図るための機会を5年ぶりに企画し、令和6年1月24日に食品表示や効果・効能表示に関する研修会を開催したところ、6組織8名の参加がありました。
当日は、人吉保健所衛生環境課の職員が講師となり、食品表示法に基づく原材料名や添加物等の正しい表記方法と、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律)に基づく広告規制等について講義がありました。
講義後には会員から、具体的な事例や表示方法について多くの質問がありました。参加した会員からは、「食品表示や効能表示について学ぶことができ、とてもためになった。」などの感想があがりました。
農業普及・振興課では、今後も当協議会の活動支援を通して、さらなる球磨地域の発展を目指します。

2024年3月

連携協定締結式の様

夏秋イチゴの産地化に向けた連携協定締結式の開催

五木村の子(こ)別峠(べつとうげ)地区では、標高1000mと冷涼な気候を生かし、6月~11月に出荷する夏秋イチゴが栽培されています。夏秋イチゴは、通常11月~5月に出荷する冬春イチゴより希少価値が高いため、量販ケーキ店などで需要の高い品目です。そのため、五木村では、担い手の確保・育成や耕作放棄地の解消に向けて、夏秋イチゴに着目し、その産地化に取り組んでいます。
 令和6年1月30日には、夏秋イチゴ生産の団地化を図るうえで、夏秋イチゴの先進農家である前畑農園(代表:前畑佳男氏)と連携するため、五木村と前畑農園による連携協定締結式が執り行われました。官民連携の強化により、耕作放棄地の解消のみならず、村への移住・定住の促進や新たな特産化としても期待されることから、五木村の木下村長は、協定書に署名するとともに、「明るい将来につなげたい」と抱負を語りました。
今後、五木村では、新規就農希望者を地域おこし協力隊として募集し、栽培技術の習得や施設整備を支援することで、村への定着につなげていく予定です。
農業普及・振興課では、今後も五木村と連携し、中山間地の特徴を活かした産地づくりなどを継続して支援します。

2024年3月

勉強会の様子
勉強会の様子

茶生産者向け勉強会を開催しました

管内では、茶の新梢枯死症が毎年発生しています。収量に影響を及ぼす発生量ではないものの、毎年症状が出ているため、生産者から「防除方法について知りたい」との声があがっていました。そこで、2月2日に茶の新梢枯死症に関する勉強会を開催しました。勉強会には19名の生産者が参加しました。
勉強会では、農業革新支援センターや農薬メーカーから担当職員を招き、新梢枯死症の生態や基礎的な防除方法に加え、薬剤混用による新しい防除法、農薬の効果的な使用法について学びました。今回の勉強会には若い生産者が多く出席しており、お茶生産に対する意欲の高さが感じられました。参加された生産者からは「こういった勉強会をもっと企画してほしい、次も参加したい。」との声をいただきました。
球磨地域は県内で若手生産者が最も多い地域ですが、就農年数や経験も様々であるため、今後は栽培管理の基礎から応用まで、技術レベルに応じた勉強会を開催しつつ、栽培管理技術の底上げ支援を行っていきます。

2024年3月

講座の様子
講座の様子

次代につなぐ担い手の育成に向けて ~キュウリ若手生産者勉強会 全6回終了~

球磨地域では夏秋キュウリの作付面積が約20haと県内一の産地ですが、高齢化によって若手生産者の割合は低く、なかには技術力が不足して反収が低い生産者も見られます。一方、新規就農者の定着も課題となっており、経営や栽培に関する基礎知識と技術の習得・向上が必要となっています。
そこで、農業普及・振興課では、次代につなぐ担い手の育成に向けてキュウリの若手生産者を対象とした勉強会を8月から毎月開催してきました。
最終回となった1月18日(木)は、くまもと農業アカデミーを活用し、農作業安全や農業機械の操作・管理等を学ぶ「農業機械講座」を開催したところ、JAの研修生3名を含む12名の参加がありました。
講師として農機メーカーの担当者を招き、実際の事故事例から原因と対策を学んだ後、実技では、刈払機の安全操作と日常点検、トラクタの点検方法について学びました。参加者からは、「草刈機の取り扱い方法など詳しく教えて頂いたので良かった。」「農業機械の危険性がよくわかった。」という感想がありました。
農業普及・振興課では、次年度以降も夏秋キュウリ産地の維持・発展のための支援を通して、担い手の育成を進めていきます。

2024年2月

勉強会の様子
勉強会の様子

全共北海道大会に向けた勉強会を開催

球磨地域では、令和9年度に開催される全国和牛能力共進会北海道大会に向けた機運醸成及び畜産農家の経営発展を目的として、12月22日に球磨家畜市場にて「全共北海道大会に向けた畜産関係者勉強会」を開催しました。勉強会には球磨地域の畜産農家42名、行政機関・農業団体31名の計73名の参加がありました。
当日の勉強会では、熊本県畜産協会及び熊本県農業研究センター畜産研究所から講師を招き、畜産協会からは「肉用牛改良についての基礎、全共北海道大会に向けた取り組み」について、畜産研究所からは「熊本県における種雄牛造成の流れ、熊本県の種雄牛」について講演いただきました。また、勉強会の後半では黒毛和種2頭を実際に展示し、良い牛の見方や各部位における着眼点について畜産協会から説明いただきました。
参加者からは、「今回のような肉用牛改良の基礎的な説明は初めて行われたが、非常に良かったと思う」等の感想がありました。また、畜産農家に県有種雄牛を周知する良い機会にもなりました。
子牛価格の下落など厳しい状況の中であっても、良い牛づくりは農業所得を確保するために非常に重要です。当課では、今後も今回のような勉強会を定期的に企画しつつ、また、全共北海道大会に向けて取り組んでいく畜産農家に対しては、関係機関一体となって支援していきます。

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