玉名エリア

玉名地域は荒尾市、玉名市、玉名郡を所管しています。熊本県の北西部に位置し、有明海に面した平坦水田地域、金峰山や小岱山の山麓地域及び北東部の中山間地域の3地域に大別され、本地域の中央を阿蘇外輪山を水源とする菊池川が南北に流れています。
主な経営品目としては、平坦水田地域を中心に施設野菜や米・麦・大豆等が、山麓地域では温州みかん・ナシ等の果樹が、中山間地域では畜産など多彩な農業生産活動が行われています。

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県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課

〒865-0016 玉名市岩崎1004-1

電話:0968-74-2136

FAX :0968-74-2194

玉名エリア普及現地情報

2024年3月

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森川竜典氏ほ場視察風景
丹生敏也氏ほ場視察風景

農業振興同友会冬期研修会開催

玉名地方農業振興同友会では、2月27日に冬期研修会を開催しました。当日は14名の会員参加(うち夫婦2組)のもと、会員である玉名市横島町の森川竜典氏(㈱イチゴラス)のイチゴ経営と本年度加入の丹生敏也氏のミニトマト経営の視察を行いました。
森川氏のほ場では、「淡雪(白イチゴ)」の生育状況を視察しつつ、力を入れられている輸出関連の取り組みについて説明を受けました。森川氏は9カ国に輸出しており、販売先を商社に極力頼らず、国の補助事業を活用して独力で開拓していることやその際の手法等、興味深い話の数々に参加者からも質問が次々と出され、活発な意見交換が行われました。
次に丹生氏のほ場では、ミニトマトの経営概況に始まり、新たな取り組みとしてスイートコーン栽培を始めたことやそれを利用した加工への取り組みも検討していること、キノコの菌床を使ったたい肥生産のこと等について話していただきました。丹生氏のハウスには摘葉した葉等の残渣がほとんど見当たらず、整然と管理されたハウスの状況に参加者は感心しきりでした。
農業普及・振興課では、今後も同友会の円滑な運営を支援していきます。

2024年3月

耕畜連携でコスト削減と地力アップ!

玉名市の(農)野口では、令和4年度から菊池地域の畜産農家と連携して稲わらと堆肥を交換する「耕畜連携」に取組んでいます。昨年度は初めての取組みということで、試験的に6haのほ場で行いましたが、今年度は本格的に組合員へ要望調査を行い、法人管理及び組合員個人管理のほ場合わせて約23.6haで耕畜連携に取組みました。
近年、同法人では地力の低下等による大豆の収量低下が問題となっており、堆肥の連続施用による地力の回復と大豆の収量向上を目指しています。そのため、農業普及・振興課では今年度から、堆肥施用区と無施用区を設けて収量調査及び土壌分析を実施しており、堆肥施用による効果の有無を今後継続して評価していきます。
資材高騰・担い手不足が叫ばれる昨今において、耕畜連携の取組みは耕種農家側には低コスト化及び収量・品質の向上が期待でき、畜産農家側は国産粗飼料の確保と堆肥処理ができる非常に有用な取組みであり、その効果を検証することで、今後地域の他法人においても同様の取組みが波及していくことを目指しています。
農業普及・振興課では、引き続き畜産農家側との調整や土壌成分の経時推移、また適切な施用量の指導等により、本取組みの円滑な継続支援と効果検証を行うことで、耕種農家、畜産農家双方のより良い経営を目指していきます。

2024年3月

視察研修の様子(JA全農ふくおか)
視察研修の様子(JAみい)

野菜技術部会先進地視察研修の開催!~JA全農ふくおか青果物パックセンター・JAみい園芸流通センターについて~

玉名地方農業普及指導協議会野菜部会((一社)熊本県野菜振興協会玉名支部)では1月23日技術部会の先進地視察研修で、JA指導員など12名で福岡県の2箇所の施設を視察しました。
JA全農ふくおか青果物パックセンター(福岡県大木町)では、厳しい衛生管理の中でいちごの集荷、パック作業が行われ、特定技能実習生が16名雇用されていました。特定技能実習生は契約会社に年間雇用され、11月~4月は福岡県でいちごのパック詰めの作業、5月~10月は北海道でトマトの栽培管理・収穫作業を行っているとのことでした。
JAみい園芸流通センター(福岡県久留米市)では、「年間を通じて出荷できる野菜があり、市場から一年中産地の名前が消えない産地づくりと栽培体系を目指す」との販売理念のもと、年間で71品目を38の生産部会で栽培・出荷されていました。また、地域に先がけた鮮度保持対策として、集出荷の保冷及び予冷庫によるコールドチェーンの取組が行われていました。さらに、生産者の4割が20~40歳代の後継者でありました。
今後も、JAからの様々な要望を聞きながら先進地視察の企画を行い、技術部会員であるJAの営農指導員のレベルアップのために支援をしていきます。

2024年3月

研修会:就農支援情報の提供
研修会:農業経営

新規就農者研修会の開催

令和6年1月30日(火)、玉名市、玉東町、和水町、南関町の1市3町で組織する玉名圏域定住自立圏形成推進会議の農政分科会が、新規就農者を対象に研修会を開催しました。
研修会には、新規就農者13人と関係者6人の出席がありました。初めに、玉名市から就農支援に関する情報提供があり、その後、農業普及・振興課の職員2人が農業経営と農作業安全等についての講話を行いました。農業経営管理においては、経営成果を数字として客観的に把握することの重要性や青色申告のメリット、インボイス制度などの税務の基礎について説明を行いました。農作業安全等については、農作業事故及び刈払機の安全な使い方のDVD視聴を行った後、施設園芸栽培における省エネ技術の紹介を行いました。
研修会終了後は、新規就農相談や就農支援の事業等について個別に質問がありました。また、研修会アンケートでは、「インボイス制度がよく分かった」、「農作業安全では思い当たる危険な体験があった」などの意見がありました。
当課では、今後も関係機関などと連携し、新規就農者の資質向上のための支援を行っていきます。

2024年2月

講師の山野氏の説明を聞く園児たち
真剣に花苗を植えている園児たち

保育園で花育~花の寄せ植え体験~

12月14日(木)に玉名地方農業普及指導協議会花き部会・花き協会玉名支部の活動の一環として、玉東町の「認定こども園 山北保育園」にて、花の寄せ植え体験を初めて行いました。一人一つ寄せ植えをつくり育ててもらうだけでなく、作った寄せ植えを保育園に展示することで、保護者にも関心を持ってもらい、花きの消費拡大につながる取り組みとなっています。講師には、玉東町で10年以上花苗・野菜苗を生産しており、ひまわりクラブ※の会長でもある山野美佐子氏に来ていただきました。
当日の参加者は、年長児19名、園の先生5名、玉東町役場2名でした。たくさんの種類から花苗を選ぶ際、好きな色の苗を選ぶ子やつぼみが多くついている苗を選ぶ子と、年長児たちが楽しそうに選んでいる姿や真剣に取り組んでいる姿が見られました。後日、園の先生より、寄せ植え後に雨が降った様子をみて「雨が降ってお花が喜ぶね」と園庭を見つめながらつぶやいている年長児がいたと伺いました。寄せ植え前に、園長先生より花の命について話をいただいたこともあり、花に優しい気持ちを寄せてくれたと感じました。その話を伺ったとき、みなさんの協力があってこそできた企画だと改めて感じました。
次年度以降も花育や展示を通して、花の消費拡大や興味・関心をもてる機会をつくりたいと考えています。

※ひまわりクラブ:玉名地方農業女性アドバイザーネットワークの呼称

2024年2月

豊水地区での協議(12/18)
伊倉地区での協議(12/20)

地域計画策定に向け玉名市で協議が始まりました

農業経営基盤強化促進法等の一部改正により、地域での話し合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化する「地域計画」の策定が令和6年度末までに各市町に求められています。玉名管内6市町では各市町の農業や担い手の状況に応じて、各市町に合った方法で計画策定に向けた動きが始まっています。
玉名市では、「協議の場」に参集する農業者を把握するため、経営拡大意向なのか、今後どの地区でどの程度拡大意向なのか等、詳細なアンケートが中心経営体(認定農業者や新規就農者等)923名に対して実施されました。アンケート提出期間は2か月間とされていましたが、提出期間内での回収率が34.8%と低かったため、その後、アンケート未回答者には農業委員や農地利用最適化推進委員による個別訪問での回答依頼や担当による電話聞き取りなどを実施されました。結果的にアンケート回収には4か月を要しましたが、最終的な回収率は93.3%となり、回収されたアンケートを基に現況地図が作成され、12月中旬から各地区で協議が始まりました。
当課は今後各市町の農地集積促進チーム員として「協議の場」へ参加するとともに各市町の進捗や優良事例等入手した有益な情報を管内市町に情報共有することで「地域計画」策定の取組みを支援していきます。

2024年2月

研修会の様子(青年部会員)
研修会の様子(放飼の手ほどき)

いちごのアザミウマ対策として天敵放飼

玉名地域はいちごの栽培が盛んで、200戸の農家が約50haを栽培しています。主な品種は「ゆうべに」が35ha、「恋みのり」が14haです。今年も9月下旬に定植を終え、11月中旬からいちごの出荷が始まりました。
しかしながら、近年、収穫初期からのアザミウマの果実食害による品質低下が大きな課題となっています。
そこで、JAたまな横島いちご部会青年部では、11月8日にアザミウマの天敵である、※ククメリスカブリダニを放飼する防除の研修を実施しました。まず、農薬メーカーであるアリスタライフサイエンスの地域担当より、放飼の手ほどきを受けて、その後、各自放飼を行いました。
防除のポイントとしては、「11月末までと翌年4月以降は、野外のアザミウマをハウス内に入れないこと。12月~5月末までは、天敵導入によりハウス内でアザミウマの増殖をさせないこと。」を生産者相互で確認をしました。
令和5年産いちごの品質安定、収量増加のために、農業普及・振興課も化学農薬の使用を抑えた環境に優しい栽培体系を支援していく予定です。

※アザミウマを補食する天敵。商品名称:ククメリスEX

2024年2月

プロジェクト発表の様子
集合写真

「第63回玉名地方青年農業者会議」を開催~若手農業者の課題解決を支援~

12月18日、玉名地方青年農業者クラブ連絡協議会による「第63回玉名地方青年農業者会議」が開催されました。4年振りの通常開催となり、クラブ員をはじめ、来賓、青年農業者クラブOBと多数の出席者のもと、意見発表部門2点とプロジェクト部門5点の発表が行われました。
当課では、プロジェクトに取り組むクラブ員に部門担当者を割り当てており、各々の課題解決に向け、経営や栽培技術面で定期的に助言・指導を行いながらクラブ員が主体的に取り組むよう、支援をしてきました。
当日の発表でクラブ員は、新規品目の導入検討や作業の平準化に向けた調査、地域や地元小学校との取り組みといった課題設定を、わかりやすく工夫して発表を行いました。発表内容はいずれも、地域代表選考では甲乙つけがたく、審査員を悩ませました。地域代表に選出されたクラブ員は、2月に実施される県大会へ向けて、発表内容をさらにブラッシュアップしていきます。
玉名地域のクラブ員は平均年齢が20代と若く、様々な活動を通して、同年代で切磋琢磨し合う学びの場として、4HCクラブは重要な組織です。引き続き関係機関と連携して、地域を支える若手農業者の育成支援に取り組んでいきます。

2024年1月

家畜防疫後方支援体制のブラッシュアップ

玉名地域では、令和3年度の南関町における高病原性鳥インフルエンザ発生時の後方支援に多くの課題が浮き彫りとなったことを受け、見直しを進めています。令和4年度は局内応援体制の変更、消毒ポイント、支援センター候補地のレイアウト作成や見直し、現場事務所レイアウトの作成等を行いました。
今年度は、養鶏場の立入調査や上記レイアウトの見直し・更新作業と並行しながら、8月から9月にかけて地域支援対策本部(総務班)、支援センター、現場事務所、消毒ポイント、通行規制の5班に分けた係別の座学研修を実施しました。発生時に実際に業務にあたる少人数で座学を行うことで、より具体的な質問や、令和3年発生時に実際に業務にあたった人からの貴重な意見を共有することができ、非常に良い研修となりました。
また、6月に市町の防疫担当者会議の開催、10月に管内警察署、建設業協会への協力依頼事項の説明を行い、関係機関との連携強化も図りました。
シーズン直前の10月31日には、玉名地域家畜防疫研修会を開催し、局内、市町、警察、建設業協会における発生時の役割を全員で再確認し、今シーズンの発生に備え、認識の統一を行いました。
まずは発生させないことが一番ですが、万一の際には迅速かつ的確な後方支援ができるよう、引き続き課題を整理し、局内及び管内関係組織と連携を図りながら体制づくりを進めていきます。

2024年1月

全体研修会の風景
女性部研修会の風景

玉名地域認定農業者連絡会議各種研修会開催

玉名地域認定農業者連絡会議では、11月9日に経営継承と雇用の確保をテーマに全体研修会を開催し、当日は会員21名、関係機関9名の参加がありました。さらに、11月21日には女性部研修会を開催、福岡県三潴郡大木町のグリル&ビュッフェくるるんの視察研修と代表からの講演をいただき、参加者は会員21名、関係機関2名でした。
これらの研修会は役員会において、連絡会議会長の推薦で事業継承のコンサルタントを行う株式会社南星の山田紘志氏、次に複数役員からの希望でスマホアプリを使って農作業の労働力確保に取り組む株式会社タイミーが全体研修会の講師に決定。また、女性部からは女性農業者で黄綬褒章を受勲された松藤富士子氏の取り組みを知りたいという希望から研修会が実現しました。
全体研修会では、実際にタイミーを利用して労働力を確保した管内柑橘生産者が使い勝手や感想を話す場面があり、参加者が特に興味を示していました。女性部研修会では、女性だけでキノコの生産法人を立ち上げ、その後農家レストランの代表となった松藤氏のお話に参加者は聞きいっていました。
農業普及・振興課では、今後も玉名地域認定農業者連絡会議の会員のニーズに合った研修会開催を通じて、会員の資質向上を支援していきます。

2023年12月

耕蜂連携開始~持続可能な中山間農業へ向けて~

和水町平野地区では16年前から緑肥作物として水田裏作にレンゲを播種し地力増進に努めています。しかし、近年、種子代が高騰しているため、十分な播種量を購入できない状態でした。そこで、県内の養蜂家と連携し、播種量の半分となるレンゲ種子を養蜂家から提供してもらい、レンゲ開花後採蜜場として提供することで、耕種農家と養蜂家両者にメリットがある「耕蜂連携」の取組みを行うことになりました。地区水田全体での取組みであり約23haになります。10月上旬には稲刈りが行われ、耕起後の10月下旬、レンゲが播種されました。
また、今後高齢化が進んでも平野地区全体での取り組みが継続できるよう、播種作業の省力化を目的として20aのほ場にて水稲立毛ドローン播種試験を実施しました。播種は、稲刈り1週間前の9月29日、水稲立毛中にドローンによりレンゲ種子を播種しました。今後は、省力化にかかるデータ収集及び発芽・開花状況を確認し、来年度以降取組み可能な技術であるか検証していきます。
当課では、中山間地域における持続可能な農業経営の検討、また、地域営農組織等の取組み支援を継続していきます。

2023年12月

土着天敵放飼(害虫がいないことを確認中)
ハウス内のクレオメの様子

タバコカスミカメの活用によるトマト黄化葉巻病対策

玉名地域では、トマト・ミニトマト栽培において、トマト黄化葉巻病対策が大きな課題となっています。これまで様々な対策が行われてきましたが、トマト黄化葉巻病ウイルスを媒介するタバココナジラミへの農薬感受性低下が確認されたため、農薬だけに頼らない新たな防除方法の確立が必要とされています。
そこで、令和3年産からタバココナジラミの天敵であるタバコカスミカメを活用した防除技術の確立を目指し、関係機関と共に調査・検討を行っています。
令和4年産の調査では、「天敵の導入時期および回数」、「天敵温存植物であるクレオメの管理とハウス内の配置」などについて、調査を行い、これまでの2回放飼(10月、2月)ではなく1回放飼でも十分な防除効果が期待できることやハウス全体にクレオメを配置することで天敵による防除効果を高められることなどがわかりました。
令和5年産の調査では天敵の導入コストを低減するため、新たに土着天敵の活用を検討しており、9月29日に、7月から野外で確保に取り組んできたタバコカスミカメをハウス内に放飼したところです。10月中旬時点で昨年と変わらない状況が作れており、次年度以降の現地普及に向け、大きな足掛かりとなると期待しています。

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