玉名エリア

玉名地域は荒尾市、玉名市、玉名郡を所管しています。熊本県の北西部に位置し、有明海に面した平坦水田地域、金峰山や小岱山の山麓地域及び北東部の中山間地域の3地域に大別され、本地域の中央を阿蘇外輪山を水源とする菊池川が南北に流れています。
主な経営品目としては、平坦水田地域を中心に施設野菜や米・麦・大豆等が、山麓地域では温州みかん・ナシ等の果樹が、中山間地域では畜産など多彩な農業生産活動が行われています。

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県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課

〒865-0016 玉名市岩崎1004-1

電話:0968-74-2136

FAX :0968-74-2194

玉名エリア普及現地情報

2024年9月

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玉名地方品目別専門部会分科会を5年ぶりに開催~JAや地域を超えて園芸産地の持続的な発展を議論~

ミニトマトやイチゴなどの県内有数の作付を有する玉名地域では、管内のJAと市町及び県で野菜振興協会玉名支部を組織し、野菜産地の持続的な発展に向け連携して活動しています。この一環として、令和6年7月24日にJA玉名とJA大浜のトマト、ミニトマト、イチゴ、ナスの生産部会役員、JA熊本経済連及び県農業革新支援センターから75名の出席を得て、生産上の課題と共通する事項への対応を協議する品目別専門部会を分科会形式で5年ぶりに開催しました。
分科会の中では、栽培環境の温暖化で顕在化している生理障害や品質低下への対応及び温暖化に付随する難防除病害虫の発生の激増や長期化への対応について、協議されました。高温化に対しては、遮光や精密な潅水等の降温化対策や品種及び定植時期の変更といった耕種的対応の提案がありました。また、難防除病害虫については、発生しにくい環境条件の整備や、農薬抵抗性の発達を抑えるIPM技術の情報提供等がありました。各分科会でとりまとめた内容は、役員を通じて、生産部会全員で共有される予定です。
出席した部会員の中には、協議時間ぎりぎりまで、JAや普及・振興課の担当者に対し質問や課題を投げかける場面も見られ、JAや地域を超えた議論を通じて、産地意識が醸成されていました。
当課では、引き続き園芸産地の持続的な発展につながる関係機関の連携や生産振興対策について支援を行って参ります。

2024年9月

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令和5年度のトマト天敵利用展示ほ報告会の開催~土着タバコカスミカメの低コスト防除技術の深化に向けて~

当課では、令和3年産から地元JA、農研機構及び県農業革新支援センターと連携し、トマト類の重要病害虫であるタバココナジラミの天敵(タバコカスミカメ)の実証展示を行っています。令和3年産はトマトでの防除効果の検証、令和4年産には天敵導入時期や温存植物(クレオメ)の管理方法に着目した低コスト化の検証に取り組んでいます。令和5年産は更なる低コスト化を目的とした土着天敵利用技術に挑戦しており、その報告会を令和6年7月25日に展示ほ生産者4名を含む関係者12名を参集して開催しました。
令和5年産の調査では、野外のクレオメで収集したタバコカスミカメをトマト定植前後から導入し、早期に増殖させることで春先からトマト上で定着が確認でき、タバココナジラミの発生が抑制され、トマト黄化病等のウイルス病の発生時期が遅延しました。また、土着のタバコカスミカメを利用することで、費用が従来の購入天敵の5%程度(3千円/10a)に低減できる結果となりました。
出席した生産者からは、取組み3年目で防除効果が安定してきたといった手応えや天敵放飼時期の早進化や温存植物の追加で更に防除効果が期待されるといった声が聞かれ、生産者や関係機関と共に技術が磨き上げられている状況です。
令和6年産からは新たに4名(1ha超)が本技術を導入する見込みです。当課では、引き続きトマトの天敵利用技術の高度化、安定化に向けた技術確立の支援を行って参ります。

2024年9月

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後藤研究員による講義の様子
フタモンマダラメイガ幼虫による加害

ナシの安定生産に向けて荒尾梨部会全体研修会の開催!

7月30日に荒尾梨の生産安定と部会員の技術力・知識力の向上を目的に荒尾梨部会の全体研修会が開催され、約30名の部会員が参加しました。
研修会では、まず果樹研究所の後藤研究員からフタモンマダラメイガとニセナシサビダニの防除についての講義がありました。これらの害虫は玉名地域のナシで問題となっていることから多くの質問があり、活発な意見交換が行われました。効果の高い薬剤や病害虫を発生させないための耕種的防除といった内容もあり、部会員各々の防除体系について見直すいい機会になったようでした。
当課からは「新高」で問題となっているミツ症について今年の積算温度のデータを示し、発生の注意喚起及び対策の徹底を呼びかけました。
玉名地域では、9月の「新高」の収穫に向けて重要な時期に入ります。これからも引き続きナシの生産安定に向けた指導を行っていきます。

2024年9月

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新規就農者ヒアリング
作物担当による指導状況

新規就農者の経営安定に向けた巡回指導の実施

玉名地域の新規就農者は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も20代から40代後半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そのような中、目標とする農業経営に向かって順調に経営できている新規就農者がいる反面、計画通りの経営ができていない新規就農者がいるのも事実です。
特に、計画通りの経営改善ができてない新規就農者に対しては、技術の習得をはじめ、規模拡大のための支援も必要になります。
そこで、当課としては、作物担当をはじめ、市町や農協等の関係機関一体となった支援をするために、関係機関と連携し、新規就農者27名に対して巡回指導を6月から7月にかけて実施しました。併せて継続的な支援が実施できるように指導事項を記載した「新規就農者カード」の作成を行いました。
今回の巡回指導の結果、農業経営が順調な方がいる一方で、適期作業の遅れや技術が未熟で計画通りの収量が確保出来ていない方もいる状況でした。
特に、今後は技術的に課題がある方については、作物担当が中心となって指導を強化するとともに、下期についてもその後の状況確認のために巡回指導を実施することで、関係機関と情報共有を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2024年9月

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PCを使って自由自在に名刺づくりを!~農業女性ネットワーク「ひまわりクラブ」研修会~

玉名地域では、農業女性アドバイザーやOGでつくる任意グループ「ひまわりクラブ」(山野美佐子会長、会員数22人)があり、年2回程度の自主的な研修会を行っています。
今回は、7月11日に、来月に球磨地域で開催予定のくまもと農業女性ネットワーク全体研修会で必要な名刺づくりを実習しました。名刺は、市販の台紙を使い、PCを使って汎用性の高い文書作成ソフトを用いて作成しました。基本的なフォーマットは、普及指導員が作ったサンプルを使いながら、各自で文字入力や自分が生産する作物等のイラストを貼付けて作成しました。交代しながらPCを使い、文字入力が苦手な方は、普及指導員のサポートを受けながら80分余りで参加者の名刺が出来上がりました。
また、当日は、今年度新規認定を受けたアドバイザー3人に農林部長から認定証の交付も行いました。先輩方から温かい歓迎を受け、新規認定を受けた方もひまわりクラブに加入されたところです。
各市町や地域での活躍が期待される農業女性アドバイザーですが、当課は、任意グループへの活動支援を通じて、アドバイザーの活躍の場づくりを行い、農山漁村の男女共同参画の下支えをしていきます。

2024年8月

南関町まるごと田舎体験田植え会で町ににぎわい

南関町まるごと田舎体験事業推進協議会では、農業理解促進を目的とした体験活動を約30年前から実施しています。今年は6月30日に、田植え会が上長田地区のほ場で開催され、県内外から6家族26名の参加がありました。リピーターとなって毎年楽しみに来られる方や、ラジオでイベントを知って初めて参加したという方など様々で、地域PRにも貢献しています。
植え始めは慣れない様子でぎこちない手つきだった参加者も、協議会メンバーの指導を受けどんどん上達していました。子供たちは、田んぼで泥んこになった後は竹の水鉄砲作りで盛り上がり、なんかんトッパ丸とのふれあいを楽しんでいました。会の終わりには、南関町生活研究グループによる地域食材を利用した田舎弁当がふるまわれ、協議会会長からは「田植えや稲刈り体験だけでなく、稲の成長する様子を見にたくさん足を運んでいただき、南関町をまるごと満喫してほしい」との挨拶があり、盛況のうちに閉会しました。
当課では、人を繋ぎ農業と農地を未来につなぐこれらの取組みに対して、今後も継続的に支援していきます。

2024年8月

高品質なみかんを目指して応援隊が行く!

温州みかんにおいて、7月は品質向上に重要な時期です。JAたまな柑橘部会は、着果量に応じた着果管理やマルチ被覆を主体に、高品質果実生産に向けて部会を挙げて取り組んでいます。部会役員等を中心に「マルチ被覆応援隊」を結成し、労力的にマルチ被覆が困難な部会員のマルチ被覆を応援しています。今年は、依頼があった3園のマルチ被覆を総勢26名で応援しました。また、6月下旬からは、各地区で管理講習会を開催し、摘果方法や防除について、実技を交えて講習しました。さらに、極早生温州のマルチ被覆と摘果実施状況をJAと県の指導員で園地を巡回し確認しました。講習会後に巡回することで、講習会の内容が理解されているか、実践できているか、を確認することにもつながりました。
今後も重要な管理が続きます。生産者への指導、指導結果の確認、それを次の指導に生かす、というサイクルを実践しながら、高品質果実作りに向けて関係機関や部会と連携し取組んでいきます。

2024年8月

玉名のトマト産地の未来を創る人づくり~地域の中核となるトマト若手生産者の育成~

玉名地域は県内有数のトマト・ミニトマト産地ですが、近年の需給バランスの不均衡に加え、生産資材費の高騰や労働力不足により収益性は悪化傾向にあり、さらに気象の温暖化で果実品質の低下も見られています。
このような中、産地を維持・発展させていくためには、今後、地域のトマト・ミニトマト生産を担っていく若手生産者の能力を更に引き上げる必要があります。このため農業普及・振興課では、重点普及課題に位置付け、4HCや青年農業士の代表者等中核となる若手生産者5名を重点対象に選定しました。
取組としては、「メールやSNSで対象者が気になることを何時でも相談できる体制を基本とし」、月1回の割合で、個別巡回と面談、対象者の施設での現地検討会における技術指導、地元の農業コンクール出品者への視察研修、栽培や人材派遣の専門家を招聘しての講演会等を実施。これらの取り組みを通じ、対象者は新たな気づきを得ると共に、若手同士や取り組みで出会った方々との繋がりを醸成していきます。
先日、令和6年6月28日には令和5年度の活動の振り返りと今年度の活動計画を協議するキックオフミーティングを開催すると共に、現在、経営担当者を交えて、令和6年度の栽培と経営の目標設定の個別面談を行っています。
今後も、将来のトマト産地を担う、若手生産者の経営力及び資質向上に向け、継続的なニーズの汲み取りを行い、学びと交流の機会創出を行って参ります。

2024年8月

環境負荷低減事業「みどり認定」の取り組みを支援

玉名農業普及・振興課では、「みどりの食料システム戦略」の実現のため、環境負荷低減への取り組みを支援しています。これまでも、産地全体で環境にやさしい農業に取り組み、「くまもとグリーン農業マーク」の利用等により、選ばれる産地づくりへの支援を行ってきました。
この一環として、令和6年6月25日に生産者が環境負荷の低減に取り組む計画を認定する「みどり認定」の申請書記入会を開催しました。当日は、市町担当者とJA指導員が計25名参加し、県農業技術課担当者から「みどりの食料システム戦略」に関する県の方針や、「みどり認定」を受けるメリット、申請の流れについての説明を受けました。また、団体申請を想定し、書類作成模擬演習にも取り組みました。併せて、生産者部会での環境負荷低減の活動内容について意見交換を行い、生産者が認定を受ける際の支援体制を作ることができました。
今後も、市町担当者やJA指導員と協力し、玉名地域全体で環境にやさしい農業の推進に向けて支援を行っていきます。

2024年7月

まなびば・たまなでの提供料理
受け取って笑顔の親子

1000人にやさしさのお裾分け~同友会による農畜産物提供~

玉名地方農業振興同友会では、令和3年度から生産した農産物等をこども食堂に寄贈する活動に取組み始め、5月14日に通算9回目となる活動を実施しました。
今回の活動では、会員4名から寄せられたトマト、にんじん、たまねぎ、キンショーメロン、LL牛乳(250ml)を、玉名市の「まなびば・たまな」と和水町の「みんなの食堂」及び長洲町の「地域食堂ビストロすてっぷ」へ提供しました。
これまでの9回の活動により、こども食堂等が開催したイベントへの参加者は、合計で1,000名を超え、多くの感謝の声が寄せられています。
この活動は現役員の発案で始まったものですが、役員改選後の令和6年度も継続して実施される予定です。同友会では、子供たちの笑顔の輪を支えに、役員以外にも寄贈活動に参加する会員が増えていくように働きかけることにしていきます。
農業普及・振興課では、今後も同友会の円滑な運営を支援していきます。

2024年7月

選定ほ場

地域営農法人における大豆の収量向上のための土壌養分動態把握の取組み

玉名市岱明町の「農事組合法人 野口」では、約100haのほ場で水稲、麦および大豆のブロックローテーションに取り組んでいます。しかし、法人の大豆の収量が県内平均を下回っていることから、農業普及・振興課が指導し、地力の回復による収量向上に向けた取り組みを実施しています。
昨年度は、堆肥施用区と無施用区を設けて収量調査および土壌分析を実施したところ、堆肥施用の有無に加え、大豆栽培前の石灰施用の有無が大豆の収量に影響していることが判明しました。
そこで、今年度は調査対象ほ場を拡大し、堆肥施用の有無と大豆栽培前の石灰施用の有無による土壌養分の経時変化と収量を評価することとしました。当課と法人で協議を重ね、過去の堆肥投入および大豆前石灰施用の有無から、約100haのうち20ほ場を選定しました。土壌の採取は、選定ほ場の耕作者である組合員に採取方法を説明したのち、自ら採取を行ってもらうことで、土壌養分把握の必要性を認識してもらいました。現在、農業研究センター協力のもと、土壌分析を実施しています。
当課では、土壌養分の経時変化を組合員へ還元し、堆肥や石灰の適正施用量を指導することにより、大豆の収量向上支援を行っていきます。

2024年7月

クレオメ
タバコカスミカメ

トマト・ミニトマトの天敵利用展示ほ現地検討会の開催~土着タバコカスミカメによる低コスト防除の普及に向けて~

玉名地域の冬春トマト類で各種ウイルス病を媒介し重要害虫となっているタバココナジラミは、近年、農薬感受性の低下が懸念されています。このため農業普及・振興課では、関係機関と連携し、令和3年産からタバココナジラミの天敵(タバコカスミカメ)を利用した防除を検討してきました。
令和3~4年産の検証では、購入天敵を活用した防除方法はコストが高い(3~6万円/10a程度)ため、更に安価な方法に改良する必要があると感じました。
そこで令和5年産からは天敵導入コストを低減するため、天敵誘引植物(クレオメ)を用い野外の土着天敵を収集、トマト施設内に導入した場合の防除効果を検証しています。
今回、土着天敵を利用した防除効果を見てもらうため、令和6年5月10日にトマト類生産者や関係機関を対象とした現地検討会を開催しました。会場のトマト施設は、野外のクレオメで収集したタバコカスミカメを定植前後から導入し増殖させました。施設内のトマトはタバコカスミカメの定着が確認でき、ほぼタバココナジラミの発生が無く、トマト黄化葉巻病等のウイルス病の発生も低く抑えられていました。更に、土着のタバコカスミカメを利用することで、費用が従来の購入天敵の5%程度(3千円/10a)に低減しました。展示ほ生産者からは、農薬散布回数が減って、タバココナジラミがいなくなったとの説明があると共に、参加生産者からは次作で天敵を利用した防除に取り組みたいとの声が聞かれました。
農業普及・振興課では、引き続きトマト生産の安定につながる低コストな防除技術の普及に向け支援を行って参ります。

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