天草エリア

天草地域は上天草市、天草市、天草郡を所管しています。熊本県の西南部に位置し、大矢野島、上島、下島の三島をはじめ大小120余りの島からなる海岸島しょ地域であり、地域全体が中山間地域となっています。また、年平均気温は16.4℃と県内でも高く、温暖な気象条件を活かした特色ある農業が展開されており、早期水稲、不知火類や河内晩柑等の果樹、レタス等の野菜、トルコギキョウ等の花き、天草大王や天草黒牛等多様な農畜産物が生産されています。また、新規作物としてオリーブ等の導入が進められています。

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天草広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒863-0013 天草市今釜新町3530

電話:0969-22-4262

FAX :0969-22-5054

天草エリア普及現地情報

2024年12月

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「天草ぽんかん100周年記念式典」の開催

天草市下浦地区にポンカンが導入されてから100周年になるのを記念して10月1日にJA本渡五和本店で記念式典が行われました。
当日は、市場や運送会社などの関係企業と生産者など100名以上が集まり、ぽんかん導入から地域の産業の柱となった歴史や今後の100年につながる記念講演など盛大な式典となりました。
当地区を含むJA本渡五和では、ポンカンのほかデコポンや河内晩柑などの中晩柑を中心に栽培がおこなわれており、定期講習会などで生産支援を行っています。
9月27日には露地かんきつの全園巡回が行われ、当課からはコハン症対策としての秋肥の施用とかん水の推進をを行いました。また各園地では園地と果実の状態を評価し生産者への助言を行いました。
ぽんかんに限らず他のかんきつ産地も発展・継続するよう、今後も引き続き、地域のかんきつ生産を支援していきます。

2024年12月

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天草管内3JAの意識統一に向けた生産者部会会議の開催

天草地域における喫緊の課題として、高齢化による担い手の減少や資材高騰による経営の圧迫、輸送問題などがあり、野菜の生産現場は非常に厳しい状況にあります。
この厳しい状況を乗り越えるため、天草管内3JAが連携し一体となって取り組む必要があると考え、(一社)熊本県野菜振興協会天草支部では、その第一歩として、3JAの主要品目(レタス、ミニトマト、いちご)の生産者による検討会を令和5年度に開催しました。
今回は、各JAの園芸部会長および副部会長を参集し協議を行った結果、3JAで共通して生産、出荷されている「オクラ」について、生産者を集めた会議を11月に実施することになりました。
管内では、約90戸でオクラが栽培されています。しかし、それぞれのJAごとに出荷規格や販売先が異なっているため、今後のJA合併を見据え、出荷規格の統一や販売流通体制の整備に向けた検討を行う必要があります。
3JAのオクラ生産者が一堂に会し、生産・流通現場における課題の抽出を行う予定としておりますので、引き続き3JAの意識統一に向け、支援を続けて参ります。

2024年10月

「高浜ぶどう収穫祭」の開催

天草市天草町の高浜地区振興会が、特産化を目指して栽培している「高浜ぶどう」の収穫祭を9月1日に開催しました。
当日は、台風10号の影響も心配されましたが、地区住民や地元小中学生、ボランティアら65人が参加し、朝から収穫や調整作業を行い、昨年同様の1260kgが収穫されました。収穫物は熊本ワインファームで醸造された後、11月上旬に「高浜ワイン」として販売され、管内ホテルでの試飲会も計画されています。
「高浜ぶどう」は明治時代から栽培が始まったとされ、多くの家の軒先などで栽培が行われていました。その後、病害虫や台風などの影響を受け、同地区に残るぶどうの木は1本のみとなってしまいましたが、2009年に振興会が「高浜の風景をもう一度よみがえらせたい」という思いから活動し、今では地区内で100本ほど栽培されるようになりました。
当課は、生産が低迷していた頃、樹勢回復の相談を受けたことをきっかけに、挿し木の方法や栽培管理など長年にわたり関係を続けており、昨年度からは消費拡大についても支援を始めたところです。
今後も引き続き、この地域での取り組みを支援していきます。

2024年10月

樹園地の小規模基盤現地見学会を開催

天草地域の樹園地は山の中腹にあることが多く、1園が小面積であったり、傾斜地のため作業性が悪かったりします。このため集約を伴う基盤整備を推進しており、本年は7月から講習会や地区総会などの場を借りて必要性や利点の説明を行ってきました。
今回8月20日に天草市、JA本渡五和、JAあまくさ及び当課が共催で令和5年度に小規模基盤整備を行った園地の現地見学と意見交換会を開催し生産者21名、関係機関11名が参加しました。
現地では新規就農者が整備を行った水田転換園と廃園の再整備園の2か所で排水対策や作業性改善のために行ったことなどを、意見交換では農地の貸借や事業に係る留意点など若手生産者を中心に活発な意見交換が行われました。
産地維持のためには担い手への集約や防除や収穫作業の負担が少ない園地への転換が必要なため、引き続き基盤整備の推進に取り組んでいきます。

2024年10月

集落営農組織の今後のあり方を検討!

天草管内の集落営農組織の構成員が一堂に会し、それぞれの課題を共有するとともに解決策を検討することを目的として、天草地域営農連絡協議会(天草管内の集落営農組織、各市町、JAで構成)主催の連携会議が8/22に開催されました。
農業普及・振興課では、連携会議の参加者らが自らの組織の今後のあり方を考える「きっかけ」となることを意図し、いわゆる「二階建て方式」等に代表される組織の広域化、経営内容や農地利用の見直し等の方向性を提示しました。
その結果、参加者からは「高齢化で単独法人では近い将来、必ず立ち行かなくなる。広域化は待ったなしの状況だ」という声や、広域化の具体的な事業スキームの提案をいただくなど、今後につながる会議となりました。
さらに当課からは、畦畔管理労力の削減を目指したグランドカバープランツの実証試験の紹介やカボチャ等の高収益作物に対する支援の方向性、天草地域のポスト「コシヒカリ」と位置付けている水稲新品種の試験状況について説明を行いました。
今後、当課では個別具体的な事柄について組織毎に対応を行うこととしていますが、その内容について可能な限り連携会議で情報共有し、天草管内の集落営農組織全体の意識高揚や経営管理能力の底上げを図って参ります。

2024年9月

適正着果の目安となるモデル樹作成の様子
ラベル付けした果実

露地デコポンを上手につくるために

天草地域は露地デコポンの県内主産地の一つであり、本年産については果実肥大が良好な一方で、昨年秋期の高温・少雨の影響で、着果が少ない園や樹勢が低下している園がみられています。また、近年夏場の裂果が問題となっており、対策が必要となっています。
このような状況を踏まえ、7/12、7/26に管内2地区(うち1地区は非共販)で柑橘の栽培管理講習会を開催し(各10名程度参加)、裂果が多い園地での摘果方法やかん水の推進など裂果対策を中心に説明を行いました。講習会後は生産者の園地にて「摘果実習」を行いました。
最終着果量を把握してもらうため、摘果の目安となるモデル樹を作成したほか、目標階級である2Lサイズの果実に目印をつけ、摘果作業の理解促進を図りました。また、近年中晩柑類でも日焼け果が増加しているうえ、梅雨明け以降晴天日が続いていることから、温州みかんの摘果方法(手間や費用がかからない日焼け果防止策)の1つである樹冠表層摘果について紹介し、実演しました。早速園主さんが実践され、「お金と手間はかからんけど慣れるまでは頭を使うなぁ」といった反応でした。
生産者からは、温暖化による露地デコポンの作りにくさ(青果率の低下)を指摘する声が多く、当課では、本年産の生育や気象データを生かしながら、露地デコポンの青果率向上に向けた取組に力を入れて支援していきます。

2024年9月

研修会の様子
研修会の様子

施設デコポンの省力化と品質向上に向けて

屋根掛け栽培不知火は、気候変動により露地栽培で問題となっている裂果やこはん症が発生しにくく、また、加温栽培と比較してコストがかからないことから生産者の関心が高まっており、屋根掛け施設新設の相談もあっています。
そのような中、7/5にはJA本渡五和の部会で摘果技術の向上と生産安定を目的とした、屋根掛け不知火の研修会が開催され、20名の参加がありました。当課からは、R5年に果樹研究所から出された省力化技術(二本主枝仕立て)の紹介や、直近で問題となっている着色不良・低糖対策としてのシートマルチの導入について、管内で調査したデータや研究成果情報を用いた説明を行いました。JA指導員からは夏場の管理について講習があり、研修後には全園を巡回し、病害虫の発生調査や摘果の進捗について確認を行いました。本年は降水量が多く、生育ステージも早まっていることから肥大は良好で目立った病害虫の発生もありませんでした。
巡回時には、「この樹齢の樹を二本主枝にしたいが樹勢は落ちないだろうか」といった質問が出たほか、マルチを実施している園で効果について話し合う姿がみられるなど、省力化や高品質化について考えるきっかけがつくれたことは良かったと感じます。
当課では、今後も関係機関と連携し、施設栽培不知火の生産安定に向けた支援を行っていきます。

2024年9月

拓心高校 肉用鶏「天草大王」の飼養に新規参入

天草地域は、天草大王の県内生産量の約8割を占める一大産地です。
しかしながら、高齢化等の理由により、近年の生産者数は減少傾向です。そのような中、熊本県立天草拓心高等学校から、肉用鶏「天草大王」を新規で飼養したいとの相談を受けました。
農業普及・振興課では、熊本県高品質肉鶏推進協議会等(※注1、以下協議会)の関係機関と連携して、新規参入の支援を行いました。具体的には、生産のための条件説明や飼養管理技術指導、既存生産者との意見交換を行いました。その結果、協議会の承認を受けて、令和6年8月20日に初回のひなが導入されることとなりました。
肉用鶏「天草大王」の肥育を高校が行うのは、県内初の事例です。高校からは、ひな導入を楽しみにしているとの声があり、将来の畜産担い手確保や天草大王の魅力発信、㏚につながると期待されます。
今後も、当課では天草大王の安定生産に向けた取り組みを引き続き行って参ります。

2024年9月

第1回勉強会(経営+品目別分科会)を開催~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~

農業普及・振興課は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、重点普及課題「新規就農者の確保と定着支援」に取り組んでいます。本年度は個別指導に加え、集合形式による3回の勉強会を計画し、7月11日に第1回目の勉強会(集団指導)を天草広域本部において開催しました。
当日は、新規就農者及び関係機関から22名の参加があり、第1部は共通テーマの「経営講座」を行いました。農業経営相談所の有働中小企業診断士から青色申告等の講義をしていただきました。また、第2部として品目別分科会「栽培技術講座」を実施しました。
新規就農者からは、「青色申告を通じた経営分析の大事さがわかった」、「自分の土地にあった栽培方法を探し続ける重要性がわかった」等の声が聞かれました。
引き続き当課では、個別指導とともに勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2024年8月

総会の様子
(農)宮地岳営農組合による事例発表

令和6年度天草農業経営者協議会総会が開催

6月21日、天草広域本部において、「令和6年度天草農業経営者協議会総会」が開催されました(関係機関含め参加者31名)。
総会においては、今年度普及指導協力委員(指導農業士)の委嘱を受ける経営体への委嘱状の交付及び令和5年度熊本県農業コンクール大会入賞者の紹介を行いました。その後、地域農力部門において秀賞を受賞した「(農)宮地岳営農組合」の事例発表がありました。
宮地岳営農組合は、宮地岳地区全体を一つの圃場と考え、地域の受け皿として活動しています。事例発表では、場所ごとに肥料の施肥量を変える可変施肥の取組みや農村型地域運営組織(農村RMO)などが紹介されました。
天草広域本部としましても、スマート農業の一層の推進とともに、優れた農業技術、経営能力等を持ち地域において先導的な役割を担っている経営者協議会の活動を支援し、後継者育成並びに地域農業の振興を図って参ります。

※「天草農業経営者協議会」とは、天草地域における熊本県農業コンクール大会入賞者と普及指導協力委員で構成(会員24戸)。

2024年7月

天草地方青年農業者クラブ連絡協議会通常総会の開催

5月29日、天草広域本部において天草地方4Hクラブの通常総会が開催されました。天草地方4Hクラブは現在9名で活動しており、本年度は、来賓を含め24名(うちクラブ員8名)の参加がありました。総会では役員改選が行われ、新会長には昨年度行われた全国青年農業者会議で農林水産大臣賞を受賞した舩田幸平氏が選任されました。新会長あいさつでは、プロジェクト活動による農業経営の向上、2年連続の全国大会出場などを目標に掲げ、年々減少するクラブ員の新規勧誘による活動の活発化に向けた熱い思いがクラブ員に向けて語られました。
総会終了後には、本年度のプロジェクト活動について、面談方式の検討会で各クラブ員が担当の普及員と意見交換し、自身の農業経営で抱える問題や課題について整理しました。その後目標を設定し、本年度の取組みについて検討を行いました。検討会が進むにつれて、品目を超えてのアドバイスやクラブ員同士で意見交換する場面も見られるなど、有意義な検討会となりました。
当課では引き続き、県外視察研修や新規クラブ員の勧誘など4Hクラブの活動を支援し、天草の将来を担う若手農業者の育成に取り組んでいきます。

2024年7月

連携会議の様子

~新規就農支援機関の連携強化に向けて~第1回天草地域新規就農サポート連携会議を開催

天草管内の新規就農支援機関の連携を強化するため5月15日、第1回天草地域新規就農サポート連携会議を開催しました。広域本部、市町、JA、就農支援アドバイザー計15名の出席があり、天草地域での近年の新規就農状況や、今年度の新規就農に係る事業計画の共有、県内でもトップクラスの支援体制を誇る天草市の事例紹介等を行いました。
天草市は新規就農サポートセンターを設置しており、市独自事業であるお試し研修制度(12万円/月の給付、原則3ヵ月間、就農しなくても返還不要)や、新規就農者向けの勉強会の開催、県外で開催される就農相談会への参加による新規就農者確保の取組み等について市の担当者より紹介がありました。
天草市の支援制度に対し、出席者からは新規就農サポートセンターができたおかげで新規就農者への相談対応が非常にしやすくなったという意見や、お試し研修制度は非常にいい制度であるとの意見がありました。実際に農業を体験したうえで農業への適性を確認することができるため、新規就農者にとっても支援機関にとってもメリットの大きい制度となっており、新規就農者の確保の一助となっています。
天草広域本部としても、管内の新規就農者への支援体制が強化されるよう引き続き関係機関との連携強化に努めて参ります。

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