天草エリア

天草地域は上天草市、天草市、天草郡を所管しています。熊本県の西南部に位置し、大矢野島、上島、下島の三島をはじめ大小120余りの島からなる海岸島しょ地域であり、地域全体が中山間地域となっています。また、年平均気温は16.4℃と県内でも高く、温暖な気象条件を活かした特色ある農業が展開されており、早期水稲、不知火類や河内晩柑等の果樹、レタス等の野菜、トルコギキョウ等の花き、天草大王や天草黒牛等多様な農畜産物が生産されています。また、新規作物としてオリーブ等の導入が進められています。

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天草広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒863-0013 天草市今釜新町3530

電話:0969-22-4262

FAX :0969-22-5054

天草エリア普及現地情報

2023年4月

剪定研修の様子
剪定研修の様子

あまくさ晩柑の安定生産に向けて~剪定研修会の開催~

天草地域は県内有数の中晩柑産地であり、「河内晩柑(あまくさ晩柑)」については県内1位の生産量(県内シェア約65%)を誇ります。
3月16日に、天草農業研究所でJAの指導員を講師として、管内の果樹技術員(15名)を対象に河内晩柑の剪定研修を開催しました。果実外観向上のための剪定方法の検討や低樹高化による省力化について確認を行い、技術員同士で意見交換を行いながら剪定を進めていきました。また、管内で導入が進んでいる、わい性台木を用いたヒリュウ台「河内晩柑」の剪定も行うことで、導入推進に向けて特性の理解を深めることができました。剪定は、カンキツの年間栽培管理の中でとても重要な作業となるため、講師を務めた技術員には多くの質問が寄せられ、充実した研修会となりました。
当課では引き続き、あまくさ晩柑を含めた中晩柑の安定生産に向けた取組を実施していきます。

2023年4月

現地検討会の様子((有)コウヤマ)
現地検討会の様子(すみっこの台所)

~新たな加工品開発を目指して~天草地方農漁村活性化グループ管外研修会開催

天草地域では、15の加工グループにより『天草地方農漁村活性化グループ連絡協議会』を組織し、男女共同参画社会の実現や経営管理能力の向上、女性組織の育成及びネットワークの強化、更には、地元の特色を生かした地産地消の推進及び食文化の継承を目指した活動に取り組まれています。そこで、天草地域の農林水産物を活用した魅力ある特産物加工品づくりの知識・技術の習得を目的とし、益城町の『(有)コウヤマ』及び合志市の『ヴィーブルレストランすみっこの台所』において、2年ぶりとなる管外での研修会が開催されました。『(有)コウヤマ』では、サツマイモの加工・販売の取組みや商品開発、海外事業等の話を聞き、天草の特産品である「こっぱ餅」や「がねあげ」に代わる加工品開発に意欲が高まった様子でした。また、『すみっこの台所』では、くまもと食の名人でもある代表者と地産地消レストランの運営や食材の調達方法等細部にわたり意見交換を実施し、特に世代交代の話題で盛り上がりました。参加した会員17名からは大変有意義であったとの感想があり、早くも次の研修計画の話が上がり、当課としても引き続き支援していくことにしています。

2023年3月

果実審査の様子
入賞果実の展示

天草地域の特産カンキツが勢ぞろい!~中晩柑果実品評会の開催~

天草地域は県内有数の中晩柑産地であり、「不知火(デコポン)」「河内晩柑(あまくさ晩柑)」「ポンカン」等の様々な品種のカンキツが栽培されています。また、現在は露地不知火が出荷の最盛期を迎えています。
2月16日に県天草広域本部において、消費者へのPRと消費拡大、カンキツ農家の技術向上を目的として、「天草地域中晩柑果実品評会」を開催しました。
当日は、カンキツ9品種57点の出品があり、JAや市、天草農業研究所、農業普及・振興課等の果樹関係職員が審査を行いました。
本年度は、着花・着果が少なかった上に、資材価格の高騰や台風の襲来、寒波等により厳しい生産環境となりましたが、外観もよく高品質の果実が出品されていました。また、入賞果実は「天草とれたて市場」に展示され、生産者や買い物客、観光客が入賞果実を興味深く眺めておられ、天草のおいしいカンキツをアピールすることができました。
当課ではおいしい天草のカンキツを食卓へ届けられるよう、今後も関係機関や生産者と連携し、高品質果実の安定生産に向けた取組みを実施していきます。

2023年3月

~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~第3回勉強会(経営+栽培講習会)を開催

天草地域は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、重点普及課題「新規就農者の定着による稼げる園芸の土台づくり」に取り組んでいます。本年度は個別指導に加え、集合形式による3回の座学講座を計画し、3回目の勉強会(集団指導)を2月21日に開催しました。
当日は、新規就農者及び関係機関から29名の参加があり、第1部として共通テーマ「経営講座」をグループワーク形式により、第2部として品目別分科会「栽培技術講座」を実施しました。さらに、夜の部として、就農者同士の交流を深めることを目的とした懇親会を開催し、有意義な会となりました。
新規就農者からは、「青色申告のメリットが分かり経営に活用したい」、「せん定作業を写真付きで解説してもらい、よく理解できた」、「今後の栽培管理に活かしたい」等の声が聞かれました。
引き続き、個別指導とともに勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2023年3月

品種展示会参加の様子(7月)
個別面談の様子

選ばれるトルコギキョウ産地づくりに向けて

トルコギキョウは多くの種苗メーカーが毎年新品種を発表しており、多様な花色や花形が人気の切り花で、天草地域でも盛んに栽培されています。一方で、市場からは産地として安定した出荷と品質の高位平準化が求められており、そのためには栽培技術の向上に加え、地域の気候や土質にあった品種選定が重要となっています。
近年、温暖化等で栽培環境が厳しくなる中、JAあまくさトルコギキョウ部会でも品種選定を重要視しており、7月に開催された種苗メーカーの品種展示会へ参加するなど、優良品種の選定に努めています。
そこで当課ではJAあまくさと連携し、部会員を対象に来年度の作付け品種に関する個別面談を実施しました。面談では各生産者の作付け計画や品種構成について聞き取りを行い、優良品種の特性や栽培管理における品種ごとの注意点について説明しました。生産者からも品種の特性や組み合わせについて積極的に質問がなされ、品種選定の重要性を改めて確認する機会となりました。今後は面談の内容をもとに、トルコギキョウ部会としての年間出荷計画や品種構成について、主要市場も交え意見交換を行う予定です。
当課では引き続き栽培技術の向上、品質の高位平準化を図り、消費者から求められるトルコギキョウの産地づくりを支援していきます。

2023年2月

~新規就農者&若手農業者等が一堂に集結!~天草農業未来会議「冬の集い」を開催

新規就農者の激励と先輩農業者(天草地方4Hクラブ)との活動発表等を通した技術や情報の交換・相互交流を図るため、天草農業未来会議「冬の集い」を12月14日に開催しました。
第1部の新規就農者激励会では、本年度新規就農者6名が出席し、自らの営農展望を語るとともに、関係機関から激励の言葉と記念品を贈呈しました。 また、先輩農業者にあたる4Hクラブ、天草NFN※の活動紹介や令和4年度県農業コンクール参加者(新人王部門)の経営事例の発表も行いました。
第2部の青年農業者クラブの活動発表では、2名が意見発表、4部門に5名が経営改善のためのプロジェクト発表を行いました。新規就農者からは、「今後の営農に参考になった」などの意見がありました。「冬の集い」は今回で6回目の開催となりますが、指導農業士、青年農業士、拓心高校生など合計54名が参加し、新規就農者を地域で支えるイベントとして定着しています。
当課では、引き続き、新規就農者の課題解決のための技術習得をきめ細かく支援しながら、自ら成長していく「未来」を担う人材の育成を進めていきます。

※天草NFN(天草ニューファーマーズネットワーク)
 新規就農者の相互連携と情報共有を目的に平成29年5月に設立。メンバーは25名で、SNS等を用いたやりとりを行っている。

2023年1月

全体会議の様子
分科会(レタス)の様子

~全国から天草地域の野菜関係者が集結!~令和4年度 天草地域冬野菜販売対策会議を開催

天草地域の冬野菜の本格出荷に向け、11月25日に「令和4年度天草地域冬野菜販売対策会議」を開催しました。当日は、野菜生産者、市場・輸送関係者、管内3JAや市町担当者を含む、約100名の参加がありました。
会議では、全体会議後、主要品目であるレタス、ミニトマト、イチゴに分かれて分科会を開催しました。各JAから、現在の生産状況や出荷計画の説明があり、市場からは情勢が報告されました。その後、天草内外の生産物を用いて現物査定を実施し、イチゴ、ミニトマトの着荷時の着色状況を意識した収穫やレタスの出荷規格の確認を行いました。
参加者からは、「市場からの情勢報告や消費地の動向を聞くことができ良かった。今後もこのような会議を継続して開催してほしい。」「生産コストが上昇している中で、しっかり価格に反映させてほしい」といった声が聞かれ、今後も天草地域が一体となって、野菜を生産、販売していく士気が高まる会議となりました。
当課では、引き続き、天草産野菜のブランド力を高めるため、技術向上や販売力アップなどに、関係機関と一体となって取り組んでいきます。

2023年1月

「熊本EC12」実証園での品種特性説明
小規模基盤整備園モデル園での推進

果樹新技術・新品種実証園等を活用した普及活動~カンキツ経営の省力化・所得向上を目指して~

天草地域は、不知火類(デコポン)、「河内晩柑」、ポンカン等中晩生カンキツの県内主産地です。当課では、カンキツ農家の生産安定と所得向上を図るため、関係機関と連携して新技術・新品種の実証や樹園地集積・小規模基盤整備モデル園の整備等に取り組んでいます。
11月9日、これらの実証園やモデル園を活用し、新しい技術や品種特性などへの理解を深めることを目的に、JA本渡五和中晩柑部を対象とした、管内の先進事例研修会を開催しました。当日は生産者約30名の参加があり、ヒリュウ台「河内晩柑」や新品種「熊本EC12」、基盤整備モデル園について、それぞれ当課から説明を行いました。いずれの園地も省力化や規模拡大、所得向上が図られている事例であり、参加者からは多くの質問が寄せられ、関心と意欲の高さがうかがえました。
また、JA本渡五和では、収穫安全や好調な販売を祈願した施設デコポン収穫祭、ポンカン収穫安全祈願祭が開催され、本年産の販売がスタートしました。
当課では、引き続き関係機関と連携し、カンキツ生産者の所得向上のため、新技術・新品種等の更なる導入拡大に取り組んでいきます。

2023年1月

~地域リーダー相互の経営改善と後継者育成に向けて~天草農業経営者協議会経営高度化研修会を開催

指導農業士等で組織される「天草経営者協議会」では、会員相互の研鑽と経営の高度化を目的として、現地研修会を11月11日に開催しました。
最初に、昨年度県農業コンクール受賞者の畜産農家を訪問し、繁殖経営における計画的な規模拡大や哺乳ロボットを活用したスマート農業、次に、施設園芸経営体におけるきゅうりの周年出荷や販売戦略の事例を現地視察しました。更に、就農2年目の若手園芸農家のミニトマトハウスを訪問し、現状や考え方を聞く中で、生産技術の向上や地域との関係づくりに向けたアドバイスや激励の言葉を送られました。
当日は15名の参加があり、作物の垣根を越えて今後の展望や課題を活発な意見交換となり、「非常に勉強になった」「学ぶものが多くあった」など意見がありました。また、今年度からは新たに3名が会員として加わることになり、相互交流による経営改善等を通して、地域の牽引役として更なる活躍が期待されます。
当課では、地域リーダーである経営者協議会の活動支援を通じて、若手農業者の育成や地域農業の活性化の取組みを進めていきます。

2023年1月

総会の様子(中央 山崎会長)
講演の様子(講演者:山本氏)

~法人間連携等による経営力強化に向けて~2年ぶりの連絡協議会総会及び連携会議開催

地域の核となる16法人組織と関係機関で組織された「天草地域営農組織連絡協議会」の総会及び第2回連携会議を11月24日に開催しました。総会は対面では2年ぶりで15法人組織と関係機関から約50名の出席がありました。
総会では、R3活動実績・R4活動計画について全ての議案が承認され、新たに桑野組合長((農)楊貴妃の郷しんわ)が新会長に選出されました。
また、連携会議では、法人組織の経営力強化と法人組織間の連携を推進するため、JA熊本中央会より来年10月から実施されるインボイス制度による法人への影響と緩和策となる広域連携の取り組みについて事例紹介を交えて講演していただきました。また、管内で試験実証に取り組んでいるスマート農業技術(ザルビオフィールドマネージャー)について、全農及びJA本渡五和の担当者より、本年産水稲において「いもち病」の発生を初発時に予見し被害拡大を未然に防いだ実績などが紹介され、高い関心を見せた4法人で導入に向けて検討することとなりました。
今回の総会・連携会議では、ほとんどの組織から複数名の参加があり、未だ関心の低いインボイス制度に対する警鐘と法人間連携の前提となる運営状況を見直す契機になったと考えます。本課では引き続き、各法人組織の経営力強化に向け、栽培技術の向上や共同化に関係機関と一体となって取り組みます。

2022年11月

重点対象農家の園地訪問(幼木管理指導)
新規就農者向け講習会(有明地区)

不知火新規就農者の定着に向けた支援~経営力強化を産地全体でバックアップ~

天草地域では、基幹園芸品目である不知火、キュウリ、ミニトマト、トルコギキョウの担い手確保と産地維持を図るため、当課の技術担当と経営担当、関係機関がプロジェクトチームを結成し、新規就農者の定着支援に取り組んでいます。不知火チームでは、天草市への移住者(新規参入者)4名を重点対象に位置づけ、基礎講座や現地指導、経営診断等を実施しています。
9月には天草市・JAと連携し、4日間をかけて重点対象を含む新規就農者14名の就農園地を訪問しました。果樹は永年性作物であることから、園地での個別面談形式で昨年産の技術・経営の反省点や本年産の生育状況等を確認し、摘果作業や病害虫防除、幼木の枝梢管理等について指導しました。また、新規就農者の栽培管理への質問や困っていることも聞き取り、個々の経営や栽培環境に応じたアドバイスも行いました。
特に、不知火栽培の新規就農者が多い有明地区では、JAと連携して新規就農者向け栽培管理講習会を月1回開催し、若手からシニア世代までの就農定着と交流を図っています。
今後も関係機関と連携したきめ細かいサポートにより、新規就農者の技術力向上と経営安定を支援し、就農定着を図っていきます。

2022年9月

~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~ 第1回勉強会(経営+栽培講習会)を開催

天草地域は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、重点普及課題「新規就農者の定着による稼げる園芸の土台づくり」に取り組んでいます。本年度は個別指導に加え、集合形式での勉強会(集団指導)を3回計画しており、第1回を7月20日に開催しました。
当日は、新規就農者及び関係機関から35名の参加があり、第1部として共通テーマ「経営基礎講座」を、第2部として、同じ作物の就農者同士のつながりと今後の交流を深めることを目的に、担当普及員指導による品目別分科会「栽培技術講座」を実施しました。
新規就農者からは、「経営の知識がなく難しかったが、必要性は理解出来た。しっかり身に着けたい」、「現地研修の復習になり、よく理解できた」、「学んだことを栽培管理に活かしていきたい」等の声が聞かれました。また、当日は「複式簿記テキスト」、「支援制度逆引き集」を配付し、自己研鑽への支援も併せて行っています。
今後も個別指導とともに勉強会(集団指導)を組み合わせながら、新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

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