天草エリア

天草地域は上天草市、天草市、天草郡を所管しています。熊本県の西南部に位置し、大矢野島、上島、下島の三島をはじめ大小120余りの島からなる海岸島しょ地域であり、地域全体が中山間地域となっています。また、年平均気温は16.4℃と県内でも高く、温暖な気象条件を活かした特色ある農業が展開されており、早期水稲、不知火類や河内晩柑等の果樹、レタス等の野菜、トルコギキョウ等の花き、天草大王や天草黒牛等多様な農畜産物が生産されています。また、新規作物としてオリーブ等の導入が進められています。

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天草広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒863-0013 天草市今釜新町3530

電話:0969-22-4262

FAX :0969-22-5054

天草エリア普及現地情報

2026年10月

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現地検討会の様子

平坦地の遊休農地を活用した果樹園地基盤整備促進の取組み ~基盤整備候補地の現地視察検討会の開催~

天草地域の柑橘園地の多くは、狭小で急傾斜地に立地していることから、産地の維持において労働生産性を高める基盤整備が積年の課題であり、天草農業普及・振興課としても、長期に渡って課題解決に取り組んできているところです。しかし、近年の物価高騰により、傾斜地基盤整備での工事費も上昇し、生産者の基盤整備に対する意欲が鈍化しつつあります。そこで、工事費用が少なく済み、傾斜地より作業がしやすい平坦地にある遊休農地を基盤整備候補地としてリストアップし、入植を希望する柑橘生産者とのマッチングを行う、プッシュ型の取組みを当課が中心となって進めています。
その第一歩として、8月24日に天草市、JA、農業公社と当課で、候補地視察を目的とした現地検討会を開催しました。今回は、候補地(案)として天草市有明町の遊休農地5か所を視察し、現状の荒廃具合や現地までのアクセスの良否、水源の有無等の条件を検討した上で、優良候補地として3か所を選抜しました。今後、地権者状況等を確認して、スムーズに基盤整備に移れる候補地を絞り込み、入植者希望者とのマッチングへとステージを移す予定です。
候補地の地権者との合意形成や入植希望者の確保等、本取組みの完遂までには乗り越えるべき壁がまだいくつかありますが、少しでも園地基盤整備を前に進めるため、当課ではこのような取組みを通じて、天草地域の農業生産基盤の強化に努めてまいります。

2026年10月

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水不足により枯死したWCS用稲
水不足により一部枯死した普通期米

令和8年産水稲の収穫・生育状況について

天草地域は、九州内でも鹿児島県や宮崎県に次ぐ「早場米」の産地です。今年産の早期米は、作付前の2月に天草市で「渇水対策本部」が設置されるなど、記録的な少雨により作付自体が危ぶまれました。しかし、2月下旬から降水量が増加したことで、例年通り、3月下旬から田植えが開始されました。
7月下旬に収穫が始まった今年産の早期米では、近年の収穫期の高温に対応すべく、収穫直前まで可能な限りほ場内への入水を継続するよう、重点的な指導を行ってきました。その成果もあり、農業用水が豊富な地域を中心に、初回の農作物検査では1等米比率が70%以上と好調なスタートを切り、生産者からも喜びの声が上がりました。
その一方で、管内の多くの地域では、7月中旬以降の記録的な少雨により農業用水の確保が困難となりました。こうした地域では入水の継続が叶わず、早期米の収量・品質が低下したほか、管内ではWCS用稲を中心に普通期米の一部でも水不足による枯死が確認されるなど、生産者への経営の影響が懸念されています。
当課ではこの状況を受け、現地巡回を通じて渇水地域の生産者から情報収集を行い、関係機関と連携して、地域で順番に通水する等限られた農業用水の有効活用について指導を行ってきました。9月3日から4日にかけて待望のまとまった降雨があったものの、未だ予断を許さない状況が続いています。
近年は異常気象が多発しており、今後とも同様の事態が予想されます。本課でも今後の気候変動に対応し、収量・品質の向上を目指し、支援を行っていきます。

2026年10月

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室内検討の様子
展示ほ場での現地検討会の様子

いちご育苗期の高温対策展示ほに係る現地検討会の開催 ~持続可能ないちご産地を目指して~

いちご栽培において、育苗では、近年花芽分化期の高温により花芽分化の大幅な遅延がみられます。天草地域においても、高温による花芽分化の遅延に伴う年内収量の減少が問題となっており、育苗期の高温対策による所得の安定確保が課題となっています。また、高齢化が進む当産地においては、コストが比較的かからない省力的な方法が求められています。
この課題を解決するため、農業普及・振興課では、紙ポットを用いた育苗期の高温対策展示ほを設置し、培地内地温や生育状況の調査を行っています。
2年目の取組みとなる今年は、いちご品種「ゆうべに」の紙ポット利用時の施肥体系の検討を行っており、8月28日には、天草管内2JA合同での現地検討会を開催しました。検討会には、いちご生産者約10名のほか、市、JAから参加があり、現在までの調査結果や今後の管理について室内検討を行った後、展示ほ場に移動し、各試験区の生育状況等について検討を行いました。本年度は、天草市の実証事業により、管内のほとんどのいちご生産者が紙ポットを試験的に導入しており、参加された生産者同士で我が家の育苗状況や効率的な管理方法について活発に意見交換をする姿が見られ、大変有意義な検討会となりました。
当課では引き続き、花芽検鏡調査や定植後の生育調査等を関係機関連携して実施していく予定としており、持続可能ないちご産地を目指して取り組んでいきます。

2026年10月

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個別面談の様子
個別面談の様子

重点指導新規就農者の個別面談を実施

天草地域では、地域の奨励品目を経営の柱とする新規参入者等を重点指導対象者に設定し、年間通じた伴走支援に取り組んでいます。
その一環として、令和8年8月から各品目の重点指導対象者と個別面談を実施しました。夏場は農閑期であり、前作の反省と次作への対策を検討できる良い機会であるため、市町やJA、新規就農アドバイザーも同席し、決算書や出荷実績などをもとに振り返りを行いました。
面談では、部門担当普及員が栽培管理を中心に、経営面や労働力確保等を経営担当が聞き取るなど役割分担し、新規就農者からの質問に答える場面等もありました。
また、高温や雨不足、資材・燃料代の高騰、単価の伸び悩みなど経営基盤がぜい弱な新規就農者には厳しい状況が続いていることがわかりました。一方で、収量を確保し面積を拡大するなど、着実にステップアップしている新規就農者もありました。
最後に、前作の反省・対策と次作の目標設定を記したヒアリングシートを新規就農者に手渡し、次年度また確認することを申し合わせて終了しました。
今回の面談は、腰を据えて経営を見直するよい機会となりました。今後も、現地指導と個別面談、全体研修会を織り交ぜながら、新規就農者の伴走支援を継続していきます。

2026年10月

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JA指導員から現地検討の方法を説明
河内晩柑園での検討会の様子

露地カンキツの高品質安定生産を目指す  ~全園地巡回検討会の開催~

天草地域は、不知火類を主体とする柑橘類の生産が盛んな地域ですが、特に河内晩柑やポンカンは県下最大の産地となっています。
JA本渡五和果樹部会では、柑橘類の高品質安定生産を図るため、7月23日に全農家園地の巡回検討会が開催されました。当日は、JA指導員に加えてJA熊本果実連や県農業共済組合天草支所、天草広域本部農業普及・振興課並びに天草農業研究所職員も参加し、初めに現地検討の方法を確認した後、地区毎に農家90名の171園地(温州ミカン・不知火類・ポンカン・河内晩柑)を巡回しました。
検討会では、地元農家の案内で園地を巡回しつつ、着果数の多少や果実の肥大、摘果の進捗度合、樹勢や病害虫の発生状況等を確認・記録した後、JAに集合して報告会が行われ、不知火類で着果数が少ない傾向と報告がありました。また、栽培管理について、現地でも農家同士や確認者(部会役員やJA指導員・普及指導員等)との活発な意見交換が行われ、有意義な検討会となりました。
当課では、今後も高品質安定生産に向けた栽培技術の向上や、気候変動に対応したかん水設備の導入推進等を通じ、天草地域果樹産地の強化を支援して参ります。

2026年10月

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天草農業経営者協議会総会・研修会を開催

天草農業経営者協議会は、歴代の農業コンクール参加者と指導農業士で構成される、天草農業を牽引するリーダー組織です。
去る7月14日に会員約15名と関係機関出席のもと、令和8年度天草農業経営者協議会総会・研修会が開催されました。
総会では、令和7年度の活動実績と収支決算、令和8年度活動計画と収支予算が承認され、特に今年度は「城南ブロック農業経営同友会研修会」を主催するため(令和8年熊本地震発生により中止決定)、多くの会員の参加を呼びかけました。
また、総会後の研修会では、「地域に根差した食育・農業理解活動の取組み」と題し、経営者協議会小田豊会長が、約10年にわたり地元小学校と連携して取り組んでいる出前授業の取組みについて事例発表しました。地元特産のレタスを種まきから定植、収穫、ラップ包装まで体験し、最後は給食メニューでいただく一連の取組みにより、レタス嫌いの小学生がレタス好きになった、などのエピソードも紹介され、生産者だからできる実践事例に会員からの質問も相次ぎました。
農業普及・振興課では、今後も農業経営者協議会の活発な活動を支援していきます。

2026年10月

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出店の様子①
出店の様子②

天草4HCが地域イベントで農畜産物をPR

天草地域における持続可能な農業体制の構築には、地域農業の担い手となる若手農業者の経営能力向上および地域農産物の知名度向上・地産地消の推進が重要となっています。そこで当課では、域農業の担い手となる若手農業者の経営能力向上と、地域農産物の知名度向上・地産地消の推進を目的とした支援を行いました。 管内の若手農業者組織である「天草4HC(青年農業者クラブ)」による、地域大型イベントを活用した農畜産物マルシェへの出店を支援し、消費者との直接対話を通じたニーズの把握および実践的な販売ノウハウの習得を図りました。
8月に開催された「天草夏まつり 本渡花火大会」の特設マルシェ会場において、天草4HCブースを出展しました。出展にあたっては、クラブ員およびOBが自ら生産した地域特産物を活用し、「天草大王の炭火焼」、「天草晩柑スカッシュ」、「天草晩柑サワー」等の販売を行いました。
当日は、天草大王の香ばしい炭火焼や、地域特産の晩柑果汁を使用した爽快感のあるドリンク類が多くの来場者の好評を博し、天草農畜産物の魅力を広くアピールしました。参加したクラブ員にとっては、自ら生産した農畜産物に対する顧客の反応を直接体感することで、商品づくりや対面販売の知見を深化させるとともに、経営・販売意欲の高揚およびクラブ員間の結束強化を図る大変有意義な機会となりました。
当課では、今回の取組で培われたクラブ員の主体的活動への意欲を活かし、今後も販路拡大やブランド化、組織活動の活性化等に向けた巡回・指導等を継続し、支援してまいります。

2026年10月

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全体研修の様子
分科会(果樹)の様子

新規就農者激励会及び第1回天草地域新規就農者勉強会を開催 ~新規就農者の早期定着に向けて~

農業普及・振興課は、園芸主要品目を生産する新規就農者を対象に、関係機関と連携して、重点普及課題「新規就農者の確保と定着支援」に取り組んでいます。
例年12月に開催していた新規就農者激励会を、今年度は年3回開催している勉強会(集合形式)と併せて、7月8日に天草広域本部で開催しました。
当日は、新規就農者や天草拓心高校など関係機関から合計36名の参加がありました。激励会では、3名の新規就農者が栽培品目や今後の抱負を述べた後、関係機関から激励の言葉をいただくとともに、記念品を贈呈しました。また、今回の勉強会は4Hクラブとの共催で実施し、全体研修では4Hクラブの紹介と4HクラブOBによる事例発表を行いました。その後、「農作業安全(熱中症対策と農作業事故防止)」について、品目別分科会では「栽培技術」について、農業普及・振興課より講義を行いました。
アンケートでは、参加者は概ね理解できており、4HクラブOBの話を聞いて「農業を始めると決心した気持ちを改めて思い出した」、「モチベーションが高まった」等の声が聞かれました。分科会では活発な質疑応答が行われる等、新規就農者の積極的な姿勢が見られました。
当課では引き続き、個別指導と勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートを行い、新規就農者の所得向上と定着に向けて取り組んでいきます。

2026年8月

JA指導員による管理講習の様子
摘果検討会の様子

施設デコポンの高品質安定生産にむけて ~全園検討会の開催~ 

天草地域は不知火類を中心に中晩生カンキツの栽培が盛んな地域で、特に加温や屋根掛けデコポンは県内でも有数の産地となっています。
JA本渡五和果樹部会施設デコポン部では、6月8日に加温デコポン、7月6日に屋根掛けデコポンの全園巡回が開催されました。2日で延べ43名の生産者が参加され、JA指導員による今後の管理講習の後、参加者の園地を巡回しました。
各園地では着果状況や果実肥大状況等を確認し、樹容積に応じた適正着果数を計算したうえで、参加者全員で必要数の果実にラベルを付け余剰な果実を摘果した見本樹を1園地に1樹ずつ作成し、今後の摘果に向けた目揃えを行いました。
昨年産のデコポンでは酸高傾向による合格率の低下が問題となったため、土づくりや樹勢の維持・強化による高品質・大玉生産に向けた管理方法について生産者間で活発な意見交換も行われ、有意義な検討会となりました。
当課では高温に伴う果皮障害対策技術やかん水設備の推進等により高品質果実生産に取り組み、天草デコポンの産地力強化に努めていきます。

2026年8月

講義の様子

天草農業の現状と課題を高校生に伝える

熊本県立天草拓心高校では、「天草学」と称し、地域の理解を深め、探究活動の素地を養う活動を展開しています。生徒たちが地域の魅力や課題に気づくきっかけづくりとして6月11日、「天草農業の現状と課題」というテーマで1年生(普通科、商業科等約20名)を対象に講義を行いました。
講義内容は人に焦点を充て、農家数及び担い手の減少、高齢化、特に天草地域の高齢化は県平均より10年進んでいることなど、現状と課題を講義しました。
これらの課題に対して、当課が関係機関と取り組んでいる「新規就農者の確保と定着支援」の内容や「スマート農業の推進」などを紹介しました。
受講した学生からは、新規就農の支援は重要、DXを進めるしかない、などのさまざまな意見が寄せられ、天草農業の現状について考えるきっかけとなったようです。
今回の講義により、高校生が農業という産業に興味を持ち、職業を選ぶ際の選択肢の一つとなることを期待します。

2026年7月

先進地視察を通じた新規就農者の技術向上支援

天草地域における花き生産の維持・発展には、次代を担う新規就農者の育成が不可欠です。しかし、就農間もない生産者は、隔離床栽培における精密な潅水管理や、不測の事態への対応、新品目の導入判断など、多くの課題に直面しています。そこで当課では、課題解決を目的とした先進地視察研修を実施しました。
5月7日には、トルコギキョウの高度な栽培技術習得や、新たな栽培品目として湿地性カラーの導入を検討している新規就農者とともに、八代地域の生産圃場視察を行いました。カラー圃場では、省力性やジャンボタニシ対策などの具体的な管理技術を学び、新規就農者が低リスクで着手するための判断材料を得ることができました。また、トルコギキョウ圃場では、大雨被害という不測の事態においても、潅水や換気といった基本管理の徹底で品質を確保する実例を学び、経験の浅い就農者が技術の重要性を再認識する有意義な機会となりました。
5月15日には、隔離床における潅水技術の向上を目指す新規就農者とともに、菊池地域の視察を行いました。住化アグリテック株式会社では、潅水チューブの実機を視察し、水管理の省力化と精度向上を両立できる最適な機材選定について学びました。また、宿根カスミソウ農家の圃場では、チューブの配置工夫や圧力を一定に保つための具体的な潅水ノウハウ、データロガーによる環境測定について直接助言を受け、参加した新規就農者の技術改善への意欲が大きく向上しました。
当課では、今回の視察で得られた知見を活かし、今後も巡回指導等を通じて新規就農者の安定生産と経営基盤の強化を支援してまいります。

2026年7月

会議の様子

天草地域新規就農サポート連携会議を開催

天草地域では、令和2年度に設立・運営開始した「天草市新規就農サポートセンター」等関係機関と連携し、新規参入者等の技術・経営指導に重点的に取り組んでいます。
その一環として、令和8年5月26日に管内関係機関を参集し「天草地域就農サポート連携会議を開催しました。
会議では、重点農業普及振興計画の取組みについて説明したほか、市町やJAにおける新規就農者の把握方法、支援を通じての課題、対応に苦慮する事案などを出し合い共有しました。中には、資材や燃油・運賃高騰が農家経営のみならず産地に多大な影響を及ぼしており、厳しい状況との声も聞かれました。
今回の会議により、天草地域一体となって新規就農支援に取り組む意識付けができました。今後は、関係機関と連携した、効果的・効率的な支援の仕組みづくりが必要です。今年度実施していく具体的な取組を通じ、関係機関と連携を深めながら新規就農者を支援していきます。

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