天草エリア

天草地域は上天草市、天草市、天草郡を所管しています。熊本県の西南部に位置し、大矢野島、上島、下島の三島をはじめ大小120余りの島からなる海岸島しょ地域であり、地域全体が中山間地域となっています。また、年平均気温は16.4℃と県内でも高く、温暖な気象条件を活かした特色ある農業が展開されており、早期水稲、不知火類や河内晩柑等の果樹、レタス等の野菜、トルコギキョウ等の花き、天草大王や天草黒牛等多様な農畜産物が生産されています。また、新規作物としてオリーブ等の導入が進められています。

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天草広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒863-0013 天草市今釜新町3530

電話:0969-22-4262

FAX :0969-22-5054

天草エリア普及現地情報

2025年6月

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講習会の様子
2月のジベレリン散布の様子

「熊本EC12」の生産安定に向けて

令和6年産から本格的な販売となった「熊本EC12」(ゆうばれ)は、初結果時に着花過多になりやすく、樹勢の低下や隔年結果への懸念があるため、当課では研究成果情報をもとに展示ほを設けて、安定生産に向けた技術の普及を行っています。
4月28日、JA本渡五和の「熊本EC12」生産者を対象に栽培講習会を行い、当日は約10名の生産者およびJA関係者の参加がありました。当課から結果母枝の切り返しやジベレリン処理の目的、方法および展示ほの試験結果の説明を行いました。結果母枝の切り返しを行った試験区については慣行区と比較して顕著に抑制効果が確認でき、ジベレリン処理の試験区については、やや抑制効果が得られました。説明後にはジベレリン処理について、また開花後の管理についての質問や意見交換がありました。今後JAあまくさやJAれいほくの生産者へも紹介し、安定生産ができるように支援していきます。
また、天草管内の本年産は着花量が全体的にやや多いですが、気温が低く推移している事から、満開は昨年より2週間、平年より数日遅れる見込みです。

2025年6月

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連絡協議会での試食会
「にじのきらめき」育苗状況

高温耐性水稲品種「にじのきらめき」の試験栽培開始!

天草地域の水稲作付面積の7割以上を占める早期水稲は、例年3月末から4月中旬にかけて田植えが行われます。主力品種の「コシヒカリ」は、強風に弱く、倒伏しやすい欠点があり、近年では、高温障害による品質や収量の低下も問題となっています。
当課では、高温耐性品種「にじのきらめき」を「コシヒカリ」の代替候補として、天草地域の早期栽培での適合性を確認するため、令和6年度から展示ほを設置し調査を行っています。「にじのきらめき」は、「コシヒカリ」に比べ、倒伏しにくく、収量は1.3倍という展示ほの結果を天草地域営農組織連絡協議会で報告するとともに、食味を確認してもらうための試食会を行う等、推進を図ってきました。
その結果、多くの組織が興味を示され、令和7年産早期水稲で、5つの組織で「にじのきらめき」の試験栽培に取り組む方針となりました。当課では種子の確保と組織への配布を行い、4月2日の「農事組合法人 あまくさ夢有ランド」を皮切りに田植えが行われました。
「にじのきらめき」は、熊本県の令和7年産水稲産地品種銘柄に追加され、生産者からの期待も高まっています。一方で、天草地域の早期水稲で普及し得る品種であるか、正確なデータ収集が必要となります。今後は、現地での生育特性を把握しつつ、現地検討会を実施し、生産者に向けて情報を発信していきます。

2025年5月

~天草ならではの魅力溢れるコンテンツを天草外に発信~ 熊本市内発着の天草満喫バスツアーの開催

天草広域本部では、「天草産農林水産物の魅力発信による天草地域の活性化プロジェクト」として、若手職員を中心とした農林水産部を横断したプロジェクト活動を行っています。
その一環として、天草外の人への効果的な魅力発信のため、天草ならではの体験を盛り込んだ熊本市内発着の日帰りバスツアーを開催しました。
このツアーは、天草の新鮮な海鮮を堪能できるBBQや、歴史と文化を学ぶ富岡城跡地の散策、水平線に沈む夕陽を眺めるサンセットクルーズ巡るツアーで、熊本市内から27名、天草市内から1名の方が参加されました。
ツアーの中では、天草産農林畜水産物のPRため、各事業者の協力を得て、特別に、BBQでは高浜ワインや天草の若手生産者グループあまくさ茶SUISEIの和紅茶、天草大王等のお肉を、サンセットクルーズでは、天草晩柑ジュースを提供し、天草の特産品と美しい景観を楽しむ様子が見られました。
また、ツアーには、インフルエンサーをお招きし、各スポットの情報やツアーで提供した天草産農林畜水産物を情報発信しました。
ツアー終了後のアンケートでは、天草の特産品を初めて食べたという方も多く、参加して良かった、また天草に来たい、という声を多くいただきました。今後も、天草の魅力をより多くの人に届けられるよう活動に取組んで参ります。

2025年5月

お披露目会の様子
天草大王だしかけ丼

~食事メニュー開発による天草産農林畜水産物の魅力発信~ 天草大王だしかけ丼の開発支援に係る取組み

天草広域本部では、「天草産農林水産物の魅力発信による天草地域の活性化プロジェクト」として、若手職員を中心とした農林水産部を横断したプロジェクト活動を行っています。
その一環として、天草を代表する農林畜水産物をふんだんに使用した食事メニューの開発支援について、道の駅宮地岳かかしの里の伴走支援を行いました。
天草大王だしかけ丼の開発に当たっては、天草大王生産者や道の駅のレストランに協力いただきながら、天草の海の幸と山の幸両方を堪能できるメニューにしたいとの想いから、メインを天草大王、味付けに天草産の塩を使用した塩麹、牛深産の雑節だし、天草大王だし、天草産の柚子や胡椒を使用した自家製柚子胡椒を用いた味わい豊かなレシピとなりました。
また、3月14日には、各種メディア向けのお披露目会を開催し、新聞への掲載やテレビ放送等による情報発信を行いました。お披露目会の参加者からは、天草大王の肉のうまみ、2種類のだしや特製の薬味による味の変化が好評で、天草を満喫できる一品であったという感想をいただきました。
開発した新メニューについては、3月15日より道の駅宮地岳かかしの里のレストランで販売開始されています。天草大王だしかけ丼が天草を代表する食事メニューとなるよう引き続き支援を行っていきます。

2025年5月

~天草の新たな名物を開発し農林畜水産物の魅力を発信~ 天草大王アヒージョ缶詰の商品開発の取組み

天草広域本部では、「天草産農林水産物の魅力発信による天草地域の活性化プロジェクト」として、若手職員を中心とした農林水産部を横断したプロジェクト活動を行っています。
その一環として、天草を代表する農林畜水産物である天草大王を使った商品開発に取組み、約半年間、天草大王生産販売組合を伴走支援してきました。
何を開発するかについても多様な角度から検討し、賞味期限切れリスクを下げるため、日持ちのする缶詰を製造することとし、高価格帯であっても売れ行きが見込めるアヒージョを開発することにしました。
缶詰開発に当たっては、缶詰の委託先の選定やレシピ開発等について産業技術センターから様々なアドバイスをいただきながら進めていきました。
レシピについては、天草の雑節と天草の塩を調味料として使うことで、天草らしさのある競争力の高い商品とすることができました。
また、試作段階から、熊本在住タレントで本プロジェクトのアンバサダーでもある安井政史氏と連携して取組み、開発後は木村知事表敬、天草市長表敬も行うなど、新聞掲載・テレビ放送等による情報発信にも力を入れました。
開発した商品については、3月19日より天草の道の駅や観光施設で順次販売開始されています。この商品が天草を代表する商品となるよう引き続き支援を行っていきます。

2025年5月

地域営農組織の組織間連携に関する勉強会を初開催

天草管内の地域営農組織(法人)の組織間連携を推進し、効率的な運営を支援するため、事前の意向調査により、連携に前向きな意向を示した5組織を対象とした勉強会を3月17日(月)に実施しました。
勉強会では、当課から組織間連携の先進県である広島県の現状を報告するとともに、管内で想定される連携の在り方について提案しました。
その後、参加者同士の意見交換において、各組織における地代や賃金設定等に関する情報交換を行いました。さらに意見交換を通して、所在地が近接する2組織間での農業機械の融通についての可能性と、それに向けた課題を明らかにすることが出来ました。
勉強会の参加者は、地域営農組織の連絡協議会等で定期的に顔を合わせるメンバーであり、お互いに初対面ではありませんでしたが、担い手不足による経営の不安定要因を組織間の連携で解決したいという、同じ志を持つ者同士で集まったこともあり、非常にリラックスした雰囲気の中、普段より活発な意見交換が行われました。
当課では、参加したメンバーの熱意を維持することと、今回明らかになった課題の掘り下げを行なうため、早期水稲の田植え終了時期を目途に第2回目の勉強会を開催する計画です。

2025年4月

輸送効率化と地産地消の取組拡大を目指して ~天草地産地消フェアinゆめマート松島店の開催~

天草地域で生産されるミニトマトやきゅうり、いちご等の野菜は、各集荷施設に集められ、単価の高い遠方の市場へ出荷されています。一方で、天草管内の量販店の仕入は、本社主導で行われていることが多く、地元の農産物を販売する店舗が少ない現状があります。生産現場においても生産力の低下が懸念されており、ロット数の減少による更なる輸送コストの上昇の懸念もあります。
そこで、天草広域本部では、天草産農産物の輸送効率化と地元での消費拡大促進を目的に、JA、運送会社、仲卸業者、量販店、県流通アグリビジネス課と連携し、新たな輸送経路の検討を行ってきました。そして、3月1日~2日に地域内流通試験の実施ならびに天草地産地消フェアをゆめマート松島店において開催しました。
当日は、JAの各集荷所から運ばれた野菜が店頭に並び、オリジナルトートバッグ入り天草産農産物詰め合わせセットの販売やコラボLINEスタンププレゼント等の販促を行いました。普段から店舗を利用する地元客を中心に、たくさんの方に商品を手に取ってもらうことができ、天草産農産物の認知度向上、消費拡大につながりました。
消費地から離れた天草においては、輸送の効率化は喫緊の課題となっています。今後の産地維持・発展のためにも、関係機関と連携しながら生産現場および流通現場の両面において、引き続き支援して参ります。

2025年4月

天草市長への商品報告
天草市役所での和紅茶試飲会

「あまくさ茶SUISEI」新商品販売開始!

令和5年11月、天草市内の茶若手生産者3名で、「あまくさ茶」のブランド化を目指し、「あまくさ茶SUISEI」を結成しました。令和5年度には、「あまくさ茶」の統一ロゴ作成、メンバーそれぞれが製造する緑茶リーフの飲み比べセットを販売する等の活動を行いました。
今年度は、グループの活動を通して、製造技術の向上、営業力の強化及び「あまくさ茶」のPRのための更なる商品の拡充を目指し、和紅茶・緑茶のティーバッグ、それぞれ2商品の開発を行いました。メンバー3名は、それぞれで試作を行いながら、県内先進地への視察研修や新商品の検討会を実施し、改良を重ね、令和7年2月25日(火)から新商品の販売を開始しました。
同日、販売開始のキックオフイベントとして、馬場天草市長へ新商品販売開始の報告を行いました。市長にも、和紅茶を試飲して頂き、「3名それぞれ、どれも個性があり、美味しい」との評価を頂きました。また、併せて市役所内でも試飲会を開催し、多くの方に試飲をして頂きました。新商品は、「天草とれたて市場」、「天草市イルカセンター」で販売中です。
本課では、今後とも「あまくさ茶SUISEI」の活動を支援しながら、天草地域の茶業振興を推進していきます。

2025年4月

経営継承に向けた面談会・現地見学会を開催 ~カスミソウ経営の第三者継承を目指して~

天草地域は県内でも有数のカスミソウ産地ですが、生産者の高齢化が進み、生産戸数は7年前と比べ約6割に減少しており、担い手・後継者への円滑な継承が課題となっています。
このような中で今回、農業経営継承支援センターが行っている第三者継承支援の一環として、移譲希望者と継承希望者のマッチングを目的としたオンライン面談会が、2月11日に上天草市で開催されました。
移譲希望の経営は15年以上カスミソウを栽培されている経営体で、SNS等も活用し周知を行ったところ、県内外から22名の参加がありました。面談会では、経営継承の支援状況、動画による経営概要と地域の紹介、カスミソウ栽培の基本について説明を行いました。その後の質疑応答では、花きの栽培や農作業の事をはじめ、移住や地域の様子など、継承を意識した質問も多くなされました。主催側からも地域が花き生産の盛んな地域で、周囲の環境が花き生産に適していることや、移住に関する市の支援について情報提供を行いました。
3月5日には面談会参加者で希望した方を対象に、現地見学会も開催されました。見学会には9名が参加され、ハウスや作業場、収穫中のカスミソウを見てもらいながら、意見交換を行いました。参加者からの質問では、より継承を意識された内容も多く、双方にとって有意義な機会となりました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関との連携のもと、経営継承や新規就農者の定着支援に取り組み、持続可能な花き産地づくりを進めていきます。

2025年3月

第3回新規就農者勉強会(農作業安全・農業機械メンテナンス研修+品目別分科会)を開催

農業普及・振興課では、園芸主要品目を生産する新規就農者を対象に、重点普及課題「新規就農者の確保と定着支援」に取り組んでおり、1月28日に集合形式による勉強会を開催しました。
当日は、くまもと農業アカデミー出前講座として「農機具の安全な取り扱いとメンテナンス」をテーマにした共通講座と、果樹、野菜に分かれた分科会を開催し、新規就農者及び関係機関から約30名の参加がありました。
共通講座は(株)クボタを講師にお招きし、トラクター等の実機を使った研修を行ったほか、果樹の分科会は天草農業研究所の協力のもと、せん定講習等を行いました。
新規就農者からは、「座学で習った内容を直に見て理解を深めることができてよかった」といった意見や「理想の樹の形がイメージできてとても勉強になった」等の声が聞かれました。
引き続き当課では、個別指導とともに集合形式の勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2025年3月

お茶の力で健康に!~うがい茶贈呈式~

天草農業活性化協議会茶業部会では、お茶の風邪予防効果の啓発と消費拡大のため、インフルエンザ等の蔓延が懸念される厳冬期、管内の小中学校や福祉施設等へ「うがい茶」を贈呈する取組みを10年以上前から続けています。
今年度は小中学校34校、福祉施設等6施設へ「うがい茶」を贈ることとしており、そのキックオフイベントとして令和7年1月17日(金曜日)、天草農業活性化協議会茶業部会員の後継者で構成される「あまくさ茶SUISEI」の三名が、天草市立栖本小学校の児童代表者に対する贈呈式を開催しました。
当日は報道機関からの取材も多数あり、その後、実際に新聞記事への掲載や県域テレビでの放映に繋がるなど、「あまくさ茶」や頑張る後継者の取り組みを広くPRすることができました。
「あまくさ茶SUISEI」では、メンバー同士で協力し、新商品の開発に取り組むなど、「あまくさ茶」のさらなる魅力発信に繋がる活動を計画、実践しており、当課では今後とも、メンバーへの伴走支援を行って参ります。

2025年2月

産地一体となり天草産野菜を全国の消費者へ! ~令和6年度天草地域冬野菜販売対策会議を開催~

シーズンの天草地域の冬野菜の本格出荷を前に、12月4日に「令和6年度天草地域冬野菜販売対策会議」を開催しました。当日は、野菜生産者、市場・輸送関係者、管内3JAや市町担当者を含む、約90名の参加がありました。
会議においては、全体会議を行った後、主要品目であるレタス、ミニトマト、いちごの3品目に分かれて分科会を開催しました。各JA担当者より、現在の生産状況や出荷計画の説明があり、市場からは情勢が報告されました。その後、天草管内および他産地の生産物を持ち寄った現物査定を実施し、レタスの出荷規格やいちご、ミニトマトの着荷時の着色状況などの確認を行いました。
参加した生産者からは、「他の生産者や他産地の現物を見れて、今後の選別や箱詰めの参考になった。」「市場からも評価をいただき、今作も高品質野菜の生産に向け頑張りたい。」といった声が聞かれ、天草地域が一体となって、野菜を生産、販売していく機運が高まる有意義な会議となりました。
当課では引き続き、天草産野菜のブランド力を高めるため、栽培技術向上や販売力アップ、輸送問題の解決などに、関係機関と一体となって取り組んでいきます。

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