天草エリア

天草地域は上天草市、天草市、天草郡を所管しています。熊本県の西南部に位置し、大矢野島、上島、下島の三島をはじめ大小120余りの島からなる海岸島しょ地域であり、地域全体が中山間地域となっています。また、年平均気温は16.4℃と県内でも高く、温暖な気象条件を活かした特色ある農業が展開されており、早期水稲、不知火類や河内晩柑等の果樹、レタス等の野菜、トルコギキョウ等の花き、天草大王や天草黒牛等多様な農畜産物が生産されています。また、新規作物としてオリーブ等の導入が進められています。

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天草広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒863-0013 天草市今釜新町3530

電話:0969-22-4262

FAX :0969-22-5054

天草エリア普及現地情報

2024年2月

審査の様子
上位に入賞したほ場

JAグループ初!トルコギキョウ立毛品評会開催

農業普及・振興課ではJAあまくさと連携し主要品目であるトルコギキョウのプロジェクトチーム(以下、PT)を立ち上げ、産地の維持及び発展に取り組んでいます。
トルコギキョウの品質は収穫前にほ場内で行う枝・芽整理(以下、芽整理)の適期実施が一つのポイントであり、この芽整理技術の高位平準化が産地の課題となっています。PTでは個別面談や集団指導の場で芽整理技術の指導を行ってきましたが、その取組状況を評価する機会がありませんでした。そこで、芽整理の実施状況を評価するための立毛品評会を実施しました。
トルコギキョウにおける立毛品評会は、県内のJAグループでは前例がなく、審査基準等もPT内で作成し、12月14日に生産者9名のほ場で審査を行いました。この審査結果は生産者にとって芽整理実施状況を客観的に確認するものとなり、PTにとっては技術習得以外の要因も芽整理の実施状況に大きく影響していることに気づかされるものとなりました。今後はこの結果を全体会議や個別面談の場で生産者と共有していく予定です。
当課では引き続きトルコギキョウ品質の高位平準化に向けた取り組みを進め、消費地から選ばれる産地づくりを支援していきます。

2024年1月

室内講義の様子
柑橘園における説明の様子

広域的な鳥獣被害防止対策研修会開催

天草地域における鳥獣による農作物被害は、イノシシによるものが大部分を占めており、高止まりしている状況です。さらに、数年前からカモ類による被害も増加してきており、これらの被害軽減への取組みが喫緊の課題となっています。
そこで、天草地域全体の研修会を、令和5年11月7日に天草市有明町において開催し、本年度に鳥獣被害防止対策事業を実施する農業者や関係者など約40名の参加がありました。
研修会では、(株)イノPの稲葉氏から、「地域と畑は自分たちで守る」と題して、カモ類及びイノシシから農作物被害を防ぐために必要な基本的な考え方と自分たちでできることについて講義がありました。その後、現地の柑橘園に移動し、ワイヤーメッシュ柵の効果的な設置方法について現物を用いた説明がありました。また、イノシシのひそみ場対策としても期待される耕作放棄地にセンダンの木を植える取組み「天草センダンプロジェクト」についての天草広域本部の林務課から情報提供も行われました。
今後は、カモ類に対する正しい対策を広めるとともに、イノシシ対策の基本の見直し等を周知し、鳥獣による農作物被害の軽減につながる取組みを引き続き進めていきます。

2024年1月

現地視察の様子(肥後あゆみの会)
現地視察の様子(松合食品)

~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~第2回勉強会(現地視察研修)を開催

天草地域は、不知火やきゅうりなど園芸主要4品目を生産する新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、就農定着支援に取組んでいます。  
11月8日に第2回勉強会として、宇城地域の優良経営体や味噌醤油メーカーの取組みを学ぶ第2回勉強会「現地視察研修」を開催しました。
新規就農者や就農準備研修生、4Hクラブ員など9名の参加があり、宇城市で柑橘やブドウを栽培されている御舩果樹園、令和4年度県農業コンクールの地域農力部門で秀賞を受賞された肥後あゆみの会、原料にこだわった味噌・醤油を製造されている松合食品を視察しました。ほ場訪問を含め、栽培管理のポイントや販売戦略などを聞き取り、栽培技術や成功したきっかけ、学ぶ姿勢などについて意見交換を行いました。
参加者からは、「付加価値をつけてブランド化する重要性を改めて感じた」、「地域の利点を生かした農業を意識していこうと思った」、「違うタイプの視察先に一度に行けて良かった」などの感想があり、有意義な現地視察となりました。
今後も新規就農者の定着に向け、集団指導(勉強会や交流会)と個別指導(技術、経営)を組み合わせながら、きめ細やかな支援に取組んでいきます。

2024年1月

食品表示の現状について(講師:甲斐主事)
ワークショップの様子(中央:新納主技)

食品表示の適正化に向けて~農産加工グループ食品表示研修会開催~

天草地方農山漁村活性化グループ連絡協議会に所属する農産加工グループでは、物産館や直売所で弁当や総菜を販売していることから、企画調整班と連携し、食品表示の適正化に向けた研修会を11月21日(火)天草広域本部会議室において開催しました。研修会には農産加工グループ及び関係機関・団体より21名の参加があり、講義とワークショップ形式により研修を行いました。
はじめに、管内の物産館や直売所の巡回調査結果に基づいた食品表示の現状について、企画調整班の甲斐主事より説明があり、間違えやすい表示内容や不適正事例、食品表示の重要性等について指導してもらいました。
また、くらしの安全推進課の新納主任技師より、食品表示の目的や表示に係る法律、表現方法、表示しなければならない品目など、管内で販売されていた総菜等の表示を参考に分かりやすく解説がありました。後半のワークショップでは班に分かれ、例題を用いて食品表示表を完成させ、正しい表示方法や間違えやすいポイント等を学びました。研修中は、講師に積極的に声をかけ、使用中の表示内容について確認してもらうなど参加者の関心の高さが伺えました。
食品表示は食の安心安全を担保するうえで必要不可欠なものですが、様々な法律が関与し複雑であることに加え、違反により被害が発生した場合のリスクは想像以上に高いものがあります。本課では引き続き各班と連携し、活性化グループの活動支援に取り組むこととしています。

2023年12月

10月4日実地演習の様子
10月25日机上演習の様子

天草地域悪性家畜伝染病対策防疫演習の開催

熊本県では、例年11月から翌年4月までの期間を「高病原性鳥インフルエンザ特別防疫対策期間」と定め、防疫強化に当たっています。
天草地域でも特別防疫対策期間に備え、万が一悪性家畜伝染病が発生した際に迅速かつ的確な初動対応ができるよう天草管内の建設業協会、農業共済組合、農業協同組合、警察署、市町、天草広域本部職員を対象として、防疫演習会を開催しました。
10月4日には、天草市新和町において、農場内作業者の送り出しの拠点となる現場事務所について、設営と運営に係る一連の流れを確認しました。また、運営は、実際に防疫服を着用した作業者を送り出し、現場事務所スタッフが対応することで、担当者の役割を確認する実践に即した演習を行いました。
10月25日には、天草広域本部において、天草家畜保健衛生所及び天草広域本部農業普及・振興課から、口蹄疫、豚熱、鳥インフルエンザ等の悪性家畜伝染病の概要及び初動対応に係る後方支援についての説明を行いました。また、10月4日の演習での振り返りや現場事務所以外の防疫対応についても説明を行い、参加者の防疫意識の徹底と確実な初動対応に向けた心構えを養うことができました。
当課では、引き続き支援センターや現場事務所候補地の確認を行うなど、防疫体制の整備を実施していきます。

2023年11月

抑制カボチャ現地検討会の様子
抑制カボチャ現地検討会の様子

集落営農組織における高収益作物(抑制カボチャ)現地検討会開催

天草地域の集落営農組織では、経営力強化の一つとして高収益作物の導入と定着を図っています。中でも抑制カボチャは有望な品目であり、令和5年度は6組織において約5Ha栽培されています。
しかし、栽培技術が安定しておらず、令和4年産の生産量は営農組織間で大きなバラツキがありました。また、集落が離れていることもあり、お互いの圃場等を見ることや交流する場もない状況でした。
そこで、栽培技術の向上と産地の活性化を図るため、令和5年9月12日に集落営農組織が一同に会した現地検討会を開催しました。
今年度栽培されていない営農組織も含め、7組織から21名の参加がありました。「農事組合法人芹生の郷ての」の圃場において、今後の栽培管理や実際の作物を見ながらの質疑が多くあり、非常に活気ある検討会となりました。
また、検討会の合間には営農組織の生産者同士でお互いの栽培状況等の意見交換も行われました。今後もこのような合同の検討会をぜひ開催して欲しいとの意見も多く、集落営農組織の経営力向上のため、引き続き支援して参ります。

2023年10月

阿村干拓生産組合の麦作における鳥害及び難防除雑草対策

上天草市松島町にある阿村干拓生産組合では、小麦を約16ha栽培しています。しかし、近年は鳥類による食害や難防除雑草であるカラスムギが繁茂し収量が低下していました。
そこで当課では、令和5年産麦作において、鳥類に対しては吹き流しやテグスに防鳥テープを組み合わせた資材による対策を指導し、カラスムギに対しては麦の播種前に石灰窒素を散布する防除法を指導し、現地実証を行いました。
結果として、鳥類による食害やカラスムギの発生を抑えることができ、令和4年産と比べると収量が約13%向上し、生産者も手ごたえを感じていました。
これらの結果を受けて、8月22日に生産者やJAと令和6年産麦作検討会を開催し、鳥害・カラスムギ対策の実施面積をさらに増やすことを決めました。
当課では、今後も関係機関と連携しながら、麦の安定生産と天草地域を担う営農組織の経営力強化に向けて、支援を続けていきます。

2023年10月

(株)ほたるの里城河原の主力加工品「こっぱ餅」の製造・ 販売方法の拡充にむけた取り組みについて~集落営農法人の経営改善の支援~

天草市五和町城河原地区にある(株)ほたるの里城河原では、水稲などの生産に加え、こっぱ餅などの加工品の製造・販売に力を入れています。
(※法人全体の売上のうち4割弱がこっぱ餅の販売収入)
こっぱ餅の賞味期限は20日~30日程度で、10月から翌年4月の約半年間製造し、常温のみで保管・販売を行っています。
12月の需要が突出して高いことから、12月に製造が集中しているため、冷凍技術の活用による製造時期や販売時期の分散、効率の良い生産体制について、産業技術センターの助言も得ながら検討を行っています。
7月以降、産業技術センター及びホシザキ南九(株)の協力のもと、急速冷凍機の活用による保存温度帯の拡充(冷凍保存し、解凍して販売するなど)や、製造工程において急速冷凍機による粗熱とりを組み入れることで、製造時間を短縮するなど様々な可能性について検討を重ねています。
9月1日には、急速冷凍機を活用して製造したこっぱ餅について、関係者(法人構成員、天草広域本部、JA本渡五和、産業技術センター、ホシザキ南九)15名で食味試験を実施しました。
今後、急速冷凍機の導入によるメリットやリスク等について検討を重ね、導入の必要性が明らかになれば、補助事業の活用等についての助言指導も含め、法人の経営力強化に向けて引き続き支援を行っていきます。

2023年10月

吉野果実選果場(氷川町)の研修の様子
(株)アグリ日奈久(八代市)の研修の様子

4年ぶりに開催。城南5地域の「城南ブッロク農業経営同友会研修会」

9月1日(金)に「城南ブロック農業経営同友会研修会」を4年ぶりに開催しました。
この研修会は八代、芦北、球磨、宇城、天草の5地域の県農業コンクール大会参加者や指導農業士で構成された地域農業経営同友会が連携して毎年開催されていましたが、コロナ感染症の影響により開催が延期されていたため、今回は4年ぶりとなりました。
本年度は八代地域での開催となり、当日は65名が参加し、輸出20年を迎える吉野梨の選果場と令和3年度に秀賞を受賞した地域営農法人(株)アグリ日奈久の現地研修を行いましました。その後の交流会では、各地域の会長から地域の現状や活動状況の報告等があり、盛会な研修会となりました。
参加者からは「隣の地域なのに今日初めて知ったことがあった」、「近い地域だからこそわかり合える」など研修会に参加して良かったとの声が聞かれました。来年度は球磨地域が担当で、皆さん楽しみにしている様子でした。

2023年8月

レタス分科会の様子
イチゴ・ミニトマト分科会の様子

天草地域野菜品目別生産者会議の開催~「オール天草」に向けた取り組み~

天草地域における喫緊の課題として、高齢化による担い手の減少や資材高騰による経営の圧迫、トラック輸送における2024年問題などがあり非常に厳しい状況にあります。
この厳しい状況を乗り越えるためには、天草管内3JAが連携し一体となって取り組む必要があると考え、(一社)熊本県野菜振興協会天草支部では、3JAの主要品目(レタス、ミニトマト、イチゴ)において、全ての生産者に参加を呼びかけ、品目別の検討会を7月11日と7月31日開催しました。
その中で、今後のJA合併を見据えて、品質の統一に向けた、合同での現地検討会や目均し会の開催や、耕種基準を統一し、共通の生産資材を使用することでコスト低減を図ることに合意しました。令和6年からは、統一の耕種基準に基づく共通の生産資材を使用していきます。
また、共同出荷を図るためにレタスのラップ施設やミニトマトの選果、イチゴのパックセンター等、中核となる集出荷施設の整備についても要望や意見が活発に出され、今後、国の事業等の活用も視野に入れ検討していきます。
生産者からもJAの県域合併を見据え直ちに行動できるよう定期的に開催をお願いしたいとの意見があり、今後も「オール天草」に向け支援して参ります。

2023年8月

実演会の参加者
実演の様子

ラジコン草刈り機の実演会の開催

天草地域では、13の地域営農組織が設立されており、地域の農地や農業を守るために活動をされています。しかし、組合員の高齢化等により労働力が不足しており、特に夏場の畦畔等の草刈りが負担となっています。このような中、営農組織から「ラジコン草刈り機の導入を検討している。導入前に性能を確認してみたい。」と言った要望があったため、農業普及・振興課では、全営農組織を参集してのラジコン草刈り機の実演会を6月20日にJA本渡五和の育苗センターで開催しました。
実演会には、天草の営農組織の組合員等約80名が参加し、3社のラジコン草刈り機の実演を熱心に見学していました。実演会後には、アンケート調査を実施し、各営農組織のラジコン草刈り機の導入意向について調査を行いました。
今後は、アンケート結果を元に、共同導入の検討や作業受託の提案等、営農組織の労働力負担軽減へ向けた活動支援を続けていきます。

2023年8月

関係機関と打合せ
操作講習会の様子

ザルビオフィールドマネージャの普及に向けた連携会議と操作講習会の開催

天草地域では、地域の担い手である地域営農法人に対して、栽培管理支援システム「ザルビオフィールドマネージャー(以下ザルビオ)」の導入を進めています。導入を進めるうえで、関係機関同士で情報交換するための連携会議を6月20日にJA本渡五和本所で開催しました。
会議には、全農、経済連、中央会、JA本渡五和、ザルビオの開発メーカーBASFジャパンの担当者が出席し、各組織の役割分担や現在行っている可変施肥の試験について協議を行いました。
また、午後からは、ザルビオを導入している地域営農組織を対象に、ザルビオを効果的に活用するための操作研修会を実施しました。田植えの忙しい時期でしたが、ザルビオを導入している9法人のうち7法人が研修会に参加し、講師の説明を受けながら、熱心にシステム操作を習得されていました。
今後は、関係機関と連携しながら、試験ほ場の調査や営農組織へのフォローアップを行い、スマート農業技術の普及と定着に向けた支援を続けていきます。

※ザルビオフィールドマネージャー…気象情報、人工衛星からの画像等をAIが解析して、作物の生育や病害・雑草の発生を予測。その結果に基づき、最適な防除時期や収穫時期等を提案する栽培管理支援システム。

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