熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

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FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2023年11月

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農事組合法人 吉松グリーンファーム設立総会の様子
農事組合法人 吉松グリーンファーム設立総会の様子

植木町合志川流域地区の地域農業を守り、未来へつなぐ農事組合法人「吉松グリーンファーム」が発足

熊本市北区植木町の合志川流域地区では令和元年5月に農地集積加速化事業の集積促進地区の指定を受けました。翌年4月に営農改善組合が発足して以来、貸し手・借り手の間で農地の利用調整に精力的に取り組まれてきました。令和3年の総会で「地域の農地は地域で守る」の理念に則って法人化の協議開始を決議されました。その後、令和5年2月の法人化検討委員会、令和5年8月の法人化発起人会を経て、令和5年10月6日の設立総会で組合員106名による農事組合法人「吉松グリーンファーム」が発足しました。地区は水田、畑地帯で稲作とスイカやナス等を中心とした施設園芸が中心ですが、今後は法人によるWCS、大豆、及び麦類の作付拡大を図り、全員参加を基本とした経営に取り組まれます。法人名には、“合志川流域・吉松の地域農業と緑を守る”の決意が示されています。
当課では引き続き、新規作物の栽培技術指導や機械導入に係る事業の取組支援等、法人運営の安定に向けた支援を行っていきます。

2023年10月

パネルディスカッションの様子

河内地域の温州みかん生産者を対象とした法人化にむけた 研修会を開催

農業普及・振興課では、将来の河内地域の担い手に対する意向を調査し、今後の担い手対策の参考とするため、令和5年6月に河内地域の温州みかん生産者を対象に、法人化への意向に係るアンケート調査を実施しました。アンケートでは、170名中49名の方が「法人化に興味がある」との回答があり、法人化に向けた高い意欲があることが判明しました。そこで、その方々に法人化への理解を深めていただくため、8月22日に「くまもと農業経営相談所」と共催で、法人化に向けた研修会を開催し、13名の参加がありました。
研修会では、まず「個人事業と法人の違い」や「法人化のメリット」など法人化の概要について説明を行いました。その後、中小企業診断士の有働氏をコーディネーターに、河内地域で温州みかんを栽培し、近年、法人化された法人代表者2名をパネラーとして、パネルディスカッションを行いました。討議の中で「法人化前とあまり変わっていない」「ただ将来の経営発展のためには法人化は必要」など、普段聞くことができない法人の代表者から本音の意見を聞くことができ、参加者にとって法人化の参考となる有意義な研修会となりました。
今後は、法人化を検討する方を対象に、個別相談会を開催し、法人化への取組を支援し、地域のリーダーとなる担い手の育成を進めていきます。

2023年10月

室内検討会の様子
害虫の払落し調査結果の説明

水稲「くまさんの輝き」のうまい米作りを目指して

当課とJA熊本市は、令和5年8月24日に熊本市南区の生産者ほ場において、水稲「くまさんの輝き」の現地検討会を開催しました。
管内における本品種の令和5年度作付面積は約500haの作付けを見込んでおり、令和4年度の280haから約2倍に急増しています。このため、極良食味である本品種の特性を発揮できる適切な栽培管理技術の普及が急務となっています。
検討会では、まず、室内検討会において、当課の生育調査結果を基に本年度の生育経過を解説し、「収量・品質向上のために重要な水管理のポイント」や「台風襲来時の対策」を中心に説明しました。その後、現地ほ場において、生育状況の確認を行い、払落し調査により害虫の発生状況を調査及び今後の対策について技術指導を行いました。
生産者からは、今後の病害虫防除の具体的な管理についての質問や、生産者同士でも良食味のための管理について活発に意見交換が行われました。
今後は、生産者に対して、気象経過や病害虫発生状況に応じた適時・適切な栽培管理について情報発信を行い、うまい米作りに向けた技術指導を行っていきます。

2023年8月

熊本市内の女性農業者合同研修、盛会に終わる

令和5年7月27日、女性農業者間の交流を深めるため、農業女性アドバイザー、食の名人、及び営農生活研究グループの女性農業者を対象に合同研修会を開催し、18名の参加がありました。
研修では、食文化継承活動等を通し、豊かな農業・農村づくりに取り組まれている「ひまわり亭」(人吉市)で、地元農産物を使った地産地消料理を満喫したあと、代表取締役の本田節さんの「もったいない精神を受け継ぎ、繋ぐ」取組や、豪雨被災からの復興への取組など、苦労話やその中での気づきなども含めて話していただき、皆、熱心に聞き入っていました。
「経験・技・知識が女性にはあるが、それを次の世代に繋ぐまでは引退してはいけない。」また、「食育・命を育む、大人の食育・・・親育て、子育ての大切さ」等についても話があり、今後の取組において意識の高揚に繋がりました。
多忙な女性農業者ですが、当課では今後も、新たな連携や活動の展開につながる取組を進めていきます。

2023年8月

新規就農者定着のための支援の手引きを作成

熊本市管内においては、令和3年4月から市・県・JA・公庫等で組織する『熊本市新規就農者支援体制(サポート体制)』が動き始め、就農・営農相談会等の場で、就農を目指す人や新規就農者に対する助言・支援に取り組んでいます。
令和4年度は、就農・営農相談会による個別相談や各種資金に係る制度上の面談など、159件の相談対応を行いました。
相談対応において、問題点と思われたことは、事前の調査不足などにより、労力的に無理のある作目を組み合わせた経営計画や、達成困難な数値設定による収支計画が多々ありました。
このことを受け、先輩農業者の就農決意から定着にいたるまでの事例や、過去の相談における関係機関のアドバイスなどをとりまとめ、より具体的に就農・営農イメージを描きやすくしてもらうため、「就農者への支援手引書」の作成に取り組みました。
熊本市及び農業者の協力もいただき、令和5年7月に手引き書が完成したため、関係機関に配布しました。
手引き書は、先輩の就農体験事例以外にも、営農計画、収支計画などに必要な経営知識を盛り込んだ内容となっています。
今後、営農相談対応の充実化を図るために活用していきます。

2023年8月

クラブ員によるスイカの販売
新規クラブ員による販売

熊本市4Hクラブ員による農産物の販売会を実施

令和5年6月26日、県庁新館地下展示スペースにおいて、熊本市青年農業者連絡協議会(以下、熊本市4HC)のクラブ員による農産物の販売会を行いました。この取り組みは、多様な販売チャンネル開拓に向けた対面販売ノウハウの習得を目的に実施しました。
クラブ員は生産原価や当日の市価、送料を考慮して価格を設定し、事前にチラシ配布などの広報活動を実施した上で臨みました。スイカについては、事前に注文のあった40玉を含む71玉が販売され、目標の50玉を大きく上回る結果となりました。また、令和5年度に加入した新規クラブ員によるジャガイモ、タマネギの販売も行われ、対面販売を通じて消費者との交流も深まり、クラブ員の更なる生産意欲の向上につながりました。
今回の取組については、熊本市青年農業者会議(12月開催予定)での発表に向け、成果・課題等の整理を行い、発表準備を行っていきます。
今後も、熊本市4HCを含む若手農業者等後継者育成のため、活動支援を続けていきます。

2023年7月

熊本市営農生活研究グループ総会開催

令和5年5月30日、県庁防災センターにおいて、熊本市営農生活研究グループ総会が開催されました。熊本市営農生活研究グループは、植木、河内、飽田、秋津、富合等の7グループ27名が所属する組織です。会員には、農業女性アドバイザーやくまもとふるさと食の名人も多く、連携して営農、農産加工、直売、食育など女性農業者の活躍推進に向けた活動に取り組んでいます。
総会は、生活研究グループ員13名が参加し、今年度の活動計画について検討され、議案はいずれも承認されました。
また、5月に県央広域本部が県庁防災センターに移転したため、総会後の研修会では、防災センター1階の展示・学習室を見学した後、「災害の特性と命を守る行動、県の災害対応」について、危機管理防災課より講話をいただくとともに、農作業事故防止や熱中症防止などの情報提供を行いました。
当課では、引き続き、女性農業者のグループ活動を支援していきます。

2023年6月

現地検討会の様子
実際の施工の様子

温州みかんの高品質化に向け新たな取組みをスタート(Sマルチ導入)

JA熊本市柑橘部会では、温州みかんの安定した高品質化を目指し、令和4年、5年の2か年で生産現場では県内初のSマルチ※導入試験を実施しています。
これまで、同部会ではシートマルチを用いた栽培を中心に高品質果実のブランド化を進めてきましたが、近年の夏秋季の大雨等気象の影響を受け、毎年安定した高品質果実生産が課題となっていました。
そこで、当課とJA熊本市では、令和4年からSマルチを果樹研究所の支援を受けて2園地で試験導入し、その効果と栽培管理方法について検討を進めています。令和5年度には、さらに若手・中堅生産者4名の園への導入を計画し、2月から勉強会や現地検討会を重ね、3月下旬から約1か月かけて計画園の施工を完了しました。  
6か所の導入園は、園地条件や品種もそれぞれ異なるため、令和5年産の生育・生産データを当課とJA熊本市で収集・分析し、導入効果にについて検討していく予定です。当課では、引き続き、温州みかんの品質向上に係る産地の取組みを支援して参ります。

※専用のNARO.Sシートを樹冠外周部に埋設したうえでシートマルチ栽培を行うことで適切な水分管理を容易にした技術。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構で開発(正式名NARO.Sマルチ)。

2023年4月

支援機関も参集した総勢80名の研修会
先輩就農者5名の画像を使った体験発表

令和4年度熊本市新規就農者研修会を開催

令和5年3月22日、市民会館シアーズホーム夢ホールにおいて、新規就農者36名参加のもと、熊本市新規就農者研修会を開催しました。
はじめに、先輩農業者5名からそれぞれの就農から現在までの苦労や工夫、仲間づくりの大切さ等の事例報告をいただきました。その後、意見交換会を行い、就農間もない新規就農者から、発表者それぞれに対して、栽培方法等についてたくさんの質問がありました。
次に、指導農業士5名から、地域における担い手の役割や期待の激励の言葉をいただきました。さらに、(公財)新規就農支援センターから、県下の新規就農者の状況や熊本県新規就農セミナーや就農相談会の状況報告、熊本市4HCから、勧誘の意味も含めて、活動紹介がありました。
孤立しがちな新規就農者は、これを機に同じ仲間との交流や地域の師匠とのつながり、支援機関への相談のきっかけをつかめたと思われます。
今後とも、県としましては栽培技術の向上及び農業経営を発展させる知識を得る機会をつくり、就農定着につなげていきます。

2023年3月

活発な意見交換会の様子
果樹・施設園芸施設でプロジェクトを見学

熊本市指導農業士協議会研修会 熊本農業高校との意見交換会を開催

一昨年度からのコロナ禍により、同協議会は十分な活動が出来ておらず、熊本農業高校生の現場研修も無く、先生方との交流も少なくなっていました。
そこで、先生方と意見交換を通して、連携を深める事を目的に、2月3日(金)、指導農業士15名、熊本農業高校の先生6名の参加を得て、意見交換会を開催しました。
意見交換会では、熊本農業高校の概要(教育方針や生徒の構成等)や、本年度の農家派遣研修(現場研修)の計画案を聴き、受け入れ農家である指導農業士から直接の意見や提案が交わされました。
また指導農業士からは、食事の好き嫌いや、アレルギー等を持つ生徒の事前の周知をお願いする要望も出されました。そして短い日数の現場研修ですが、他人の家で寝食を共にし一緒に働く事の教育的意義を確認し合いました。
さらに、農場の施設を見学し、生徒たちの近年の学習環境も確認できましたので、新年度の生徒たちの受入れでは、楽しい会話も増えるものと期待します。

2023年3月

講習会の様子

水稲播種前講習会を開催

熊本県の平坦地における令和4年産水稲作の作柄は、高温や台風等の影響を受け、収量・品質ともに平年よりも低下し、熊本市地域産米も同様の傾向がみられました。
このような中、2月24日に城南・富合地区の水稲生産者約120名を対象に、農協と共同で令和5年産水稲の播種前講習会を開催し、耕種基準に沿った栽培要点を確認しました。4年産水稲は8月~9月にかけて高温、乾燥風及び台風の影響を大きく受けた状況を踏まえ、収量・品質の低下要因及び気象変動に負けない稲作りとして、特に、健苗の育成や生育ステージに応じた水管理等、基本的な管理技術の重要性について説明し、前年の稲作の管理を振り返りました。
生産者からは、品種や地域間での収量・品質差や除草剤の使い方等についての質問があり、改めて、5年産水稲の作付に向けて意欲的に取り組もうとする生産者の強い決意が感じられました。
農業普及・振興課では、今後も水稲の安定生産に向けて、栽培技術指導・支援を継続していきます。

2023年3月

研修会(1月)
先進地視察研修会(2月)

熊本市内の女性農業者合同研修会、盛会に終わる

女性農業者間の交流を深めるため、県が認定している農業女性アドバイザー、食の名人、及び営農生活研究グループ組織に加入している女性農業者を対象に合同研修会を開催しました。
1月の研修会では、県農業女性アドバイザーに各自の営農を発表いただき、営農生活研究グループと食の名人からは、地域活動の報告、更に地元農産物を使った料理の紹介やフルーツカッティングの実演等を行っていただきました。
また、今回は特別に、九州農政局から「みどりの食料システム戦略」を説明していただき参加者の知見を深めました。
盛沢山の内容でしたが、「充実した内容だった」など参加者からは好評でした。
2月の先進地視察研修会では、今年度全国農林水産祭の多角化経営部門で天皇杯を受賞した「(株)パストラル」を訪れ、代表取締役 市原氏から取組活動などについて講話していただきました。里山農業を軸に、生産から加工まで6次産業化を実現した話を、時に頷き、時に驚きながら参加者が聞き入り、「このような活動をされていることを知らなかった」「良い話だった」と感想が出ました。
2回の研修会とも20名を超える参加者があり、今後の取り組みについて意識の高揚に繋がりました。多忙な女性農業者ですが、県では今後も、新たな連携や活動の展開につながる取組を進めていきます。

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