熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2026年7月

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低濃度エタノール土壌還元消毒の取組み ~土壌還元消毒効果向上に向けて勉強会を開催~

JA熊本市トルコギキョウ部会(3戸)では、令和6年度にジャパンフラワー強化プロジェクト推進事業(国)を活用して低濃度エタノールを使った土壌還元消毒に取組みました。初年度は、立枯れ症状発生割合を40%から5%程度まで低下させることができただけでなく、令和7年度の継続的な取り組みにより立枯れ症状発生率の5%維持につながりました。このことから、部会では低濃度エタノールを使った土壌還元消毒を今後も継続して取り組む方針が定まりました。
そこで、この手法をより効果的に実施できるよう、5月27日に日本アルコール産業から講師を招き勉強会を開催しました。勉強会では、当課から過去2年間の取り組みについての報告を行ったのち、日本アルコール産業(株)から低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒の適正施用方法について講演いただきました。出席者からは各ほ場の土壌条件に合わせた具体的な施用方法や、大雨による冠水被害後の対処をいかに実施するかなどさまざまな質疑応答がなされ、今後の取組みに活かせるよう適正な技術手法の理解がより深まりました。
今回得た手法を現場に活かすことで、立ち枯れ症状発生割合が低く推移し単位面積当たりの生産数量が高位安定することが期待されます。
当課では引き続き、トルコギキョウ生産が安定して行えるよう、生産者への技術的な支援を進めていきます。

2026年7月

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研修会の様子

変わる気候、変わる栽培 ~植木地域が挑む“持続可能なカンキツづくり”~ 

植木地域は、温州ミカンをはじめ、多様なカンキツの生産が盛んな地域です。特に、加温栽培不知火類は県内で最大の作付面積を誇り、さらに熊本・玉名地域のみで栽培される希少価値の高いハウスみかんが栽培されるなど(※)、当地域は県内のカンキツ生産において非常に重要な役割を担っています。
近年は温暖化の影響により、カンキツを取り巻く生産環境がダイナミックな変化にさらされ、生産者はその対応策を日々模索しています。そこで当課では、JAと連携し、カンキツ生産者全体が温暖化への向き合い方を整理できるよう、令和8年5月8日に開催されたJA鹿本みかん部会通常総会の後に「カンキツの温暖化適応対策」と題した研修会を実施しました。
本研修会では、温州ミカンに限らず、各品目について春・夏・秋・冬それぞれの時期に焦点を当て、温暖化による影響と対策について説明しました。生産者からは、樹相と気象に着目した管理の重要さについて理解が深まった様子が見られ、非常に有意義な研修会となりました。
今後も当課では、各月の管理講習会の中で研修内容を振り返りながら、樹相や今後の気象を踏まえた適期管理の支援に取り組んでまいります。

※(参考)令和6年産 熊本県果樹振興実績

2026年7月

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キュウリほ場で試験内容を確認 する参加者
クロマルハナバチ交配試験の生育状況

安定生産に向けた環境負荷低減技術の現地検討会を開催

環境負荷の低減と安定生産の両立に向けた技術の普及を図るため、5月8日、野菜振興協会熊本市支部技術部会による現地検討会を開催しました。
検討会には、県、市、JAから技術部会員15名が参加し、マリーゴールドを活用したキュウリのネコブセンチュウ対策、天敵利用によるスイカの総合防除実証、クロマルハナバチによる交配試験について確認しました。
はじめにマリーゴールドによるネコブセンチュウ被害軽減効果が見られたキュウリほ場で、参加者が根こぶの発生状況等を確認しました。次に、スイカほ場では、天敵導入後の害虫発生状況やクロマルハナバチによる着果状況を確認しました。
参加者からは、「マリーゴールドをどのような作付体系で導入するのか」、「天敵を既存の防除体系に組み込めるのか」などの質問が出され、導入コストや実用性についても意見交換が行われました。
今回の検討会を通じて環境負荷低減技術への理解を深めるとともに、現場への導入・普及に向けた課題を共有しました。当課では、今後も環境に配慮した防除技術の普及を進め、生産者の安定生産を支援していきます。

2026年7月

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講習会の様子
植木法人での播種の様子

新たな挑戦!関心高まる水稲乾田直播栽培

近年、省力化技術として水稲作では乾田直播栽培が注目されています。熊本市管内でも、栽培面積の拡大に伴い、育苗・苗運び・代かき・田植えが不要となる同技術を導入することで、省力化や作業分散を図る取り組みが大規模法人を中心に進んでいます。特に今年は、乾田直播栽培に新たに挑戦する農家や法人が増加しており、同技術への関心が一層高まっています。
こうした状況を受け、5月21日(木)に富合地域で、新規導入予定農家を対象とした乾田直播栽培の講習会をJA熊本うきの担当者と共に開催しました。講習会では、乾田直播栽培で特に重要となる漏水対策および雑草対策について説明を行い、その後、意見交換を実施しました。生産者からは除草剤の選定や播種機の調整に関する質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。
また、植木地区の1法人においても今年から乾田直播栽培への取り組みが始まっており、当課では伴走型の指導を行っています。いずれの事例も、まずは小規模な面積で試験的に実施し、その結果を踏まえて今後の導入・拡大を検討する予定です。
当課では、今後も地域の実情に応じた乾田直播栽培技術の確立に向け、引き続き支援を行っていきます。

2026年6月

S.マルチ栽培イメージ図
捻枝イメージ図

気候変動に負けない!温州みかんづくりの最新ノウハウ

近年、温州みかんの生産現場では、「これまで通り」が通用しない状況が続いています。温暖化の影響により、夏秋季の高温乾燥や局地的な豪雨が増え、収量や品質の安定が難しくなっているためです。本年産も、前年の傾向から着果が少ないと予想され、収量の確保と高品質果実の生産が大きな課題となっています。
こうした状況を踏まえ、当課では関係機関と連携し、4月15日に開催された「みかん部会植木地区全体会議」において、着果・収量の確保と品質向上を目的とした新技術を紹介しました。紹介した新技術は「S.マルチ栽培※1」「捻枝・表層摘果※2」の2点。説明に当たっては、現場の視点で整理したメリット・デメリットやおすすめの導入方法を示しました。また、健全な樹勢の維持が前提であることを強調し、新技術と基本管理を組み合わせることで、温暖化による異常気象を乗り超える必要があることを提案しました。
今後も引き続き、高品質果実の安定生産に向けて、新技術の情報提供や適期管理の技術支援などを進めてまいります。

※1「S.マルチ栽培」:防水・防根シートを活用した、多雨による糖度低下を抑制する新技術。
※2「捻枝・表層摘果」:夏季の高温による日焼け果症を軽減する摘果方法。

2026年6月

葉色検査の様子
検査結果説明の様子

小麦「ミナミノカオリ」のタンパク質含有率向上を目指して ~実肥前の葉色診断を実施~

秋津営農組合では、生産しているパン用小麦「ミナミノカオリ」のタンパク質含有率を高めるために実肥を行っており、生育に合わせた実肥の適切な施肥量を確認するための葉色検査が4月10日と17日に秋津カントリーエレベーターで行われました。参加した組合員は延べ22名で、検査はJA熊本市と当課で行いました。
検査は出穂期に行い、組合員が前作の異なるほ場や生育が気になるほ場などから5株程度を抜き取り、その株の上位第2葉の葉身長と葉色を測定します。それを用いてこれまで当地域で集積したデータによって作成された予測式を基にした早見表により各ほ場に適した実肥の施肥量を算出します。
今年産は播種時期の違いにより出穂期のバラつきが大きかったため、2回に分けて検査が行われましたが、算出した施肥量は標準的なほ場が多く、生育は概ね順調でした。参加した組合員は、各ほ場の適切な施肥量を確認するとともに、今年の生育状況や栽培管理などについても多くの質問があり、「ミナミノカオリ」のタンパク質含有率向上を含めた高品質生産に向けた有意義な取り組みとなりました。
この葉色検査は、昨年度までは県単事業を活用した取り組みでしたが、今年度は事業を活用せずに、秋津営農組合が独自に行うもので、地域が一体となって積極的に高品質な小麦を生産する取り組みとなっています。当課では引き続き、高品質小麦生産への支援を行っていきます。

2026年6月

食育講座「親子で学ぼう!河内の美味しいみかん」

農業普及・振興課では、熊本市内の子どもたちが河内地域や農業への関心を持つきっかけを作る活動に取組んでおり、河内公民館が主催する食育講座「親子で学ぼう!河内の美味しいみかん」の開催を支援しています。4月25日(土)、今回は6家族16名が参加し、温州みかん栽培における春の管理作業や栽培における工夫などについて座学や現地体験を通して学習しました。
講座では、座学にて様々な種類のみかんの特徴や害虫、みかん農家の春の仕事について学習しました。現地体験では、せん定道具の紹介やほ場にいる病害虫の説明、施肥体験を行いました。また、ビンゴゲーム形式で、ほ場に生息する生き物を探し、子どもたちは意欲的に観察やスケッチに取り組んでいました。質疑応答では、子供たちだけでなく、保護者の方からも質問が飛び交い、河内みかんへの関心の高さが伺えました。
当課では、引き続き地域農業の理解を深めるため、食育活動を通じて子どもたちへ河内地域と温州みかん栽培の魅力を発信していきます。

2026年5月

講習会の様子

今年のデコポンは“投資”で決まる!

酸味と甘みが優れ、全国的に高い評価を受ける熊本ブランド「デコポン」は、年内出荷に大きな期待が寄せられています。熊本市植木町では、年内のデコポンとなる不知火類の加温栽培が盛んに行われており、県全体の約20%を占める重要な産地です。しかし、令和7年産では収穫期まで酸が高い状態が続き、その影響で12月の出荷量が減少するといった問題が発生しました。
現在、園地では花が咲き始めており、12月出荷に向けた準備が進んでいます。今年の課題は「いかに酸を下げるか」。関係機関と連携し、収穫までの品質向上を目指して「減酸・増糖しやすい体質づくり!」を掲げ、3月16日に講習会を開催しました。
講習会では、「樹体のための土づくり」「果実のための最低温度管理」「水管理」をテーマに説明を行いました。特に温度管理は、重油代の高騰による経費圧迫が大きな障壁となっています。そこで、重油代を単なるコストではなく、「投資」であるという視点を提示し、生育促進による減酸効果や収穫時期の前進化を踏まえた費用対効果を数字で示しました。これにより、生産者の意識改革につながり、令和8年産の12月出荷量増加に向けた一歩を踏み出すことができました。
今後も当課では、夏期の減酸対策や秋期以降の増糖対策など、中長期的な視点で生産者への技術支援を継続してまいります。

2026年5月

敵及び微小害虫の生息数調査
植え替えの様子(1作目の株と株の間に定植)

国内有数のすいか産地を守るために! ~化学的防除だけに頼らない総合的な防除体系の確立~

当地域は、ウリ類の栽培が盛んであり、特にすいかは国内有数の産地です。
しかし、ウリ類退緑黄化ウイルス等を媒介する微小害虫(コナジラミ類、アザミウマ類)のまん延が問題となっており、薬剤抵抗性発達の観点から、化学的防除だけに頼らない総合的な防除体系の確立が課題となっています。
そこで総合防除による化学合成農薬の削減を目的として、すいか栽培に適した天敵利用による生物的防除並びに黒色防虫ネットの設置等による物理的防除に関する効果の技術実証に取り組んでいます。
2月に天敵を放飼し、天敵と微小害虫の生息数やウイルス病の発生状況を調査しています。ハウス内の生息数は、これまで天敵・微小害虫ともに低密度に推移していましたが、気温の上昇とともにハウス内の微小害虫が増加しており、天敵放飼区と慣行区では差がでています(天敵放飼区<慣行区)。3月末に植え替え作型の定植も行われており、天敵を次作に引き継ぎ、微小害虫の密度を抑制していけるよう調査を継続します。
当課では、今後も総合的な防除体系の確立を目指し、ウイルス病に負けないすいか産地の維持・発展を支援していきます。

2026年5月

熊本市4Hクラブ×熊本農業高校=熊農インターン ~進路相談会を実施~

当クラブではクラブ員の確保を課題とし、農業や4Hクラブの魅力を発信するため、令和7年7月11日に第1回熊農インターン、同年12月10日に第2回熊農インターンと題した、計2回熊本農業高校生との交流会を開催し、熊本市4Hクラブの更なる活性化に努めてきました。
その中で得られた生徒の意見、反応をもとに、早い内から就農を将来の選択肢としてイメージしてもらうために、令和8年3月17日に第3回熊農インターンを開催しました。高校2年生13名、クラブ員6名(他地方含む)、普及2名の計21名が参加しました。
インターンでは、クラブ員及び高校生を交えて6グループに分かれて座談会形式で意見交換を行いました。クラブ員からは、あらかじめ作成したプロフィール表を生徒に配布し、出身校、就農理由、これまでの苦労、4Hクラブについて説明しつつ農業の魅力について積極的に発信しました。生徒からは将来の悩みについて助言を求める内容が多く挙がりました。
参加した学生からは「生産者の現場の話を知ることができてよかった」、「将来について様々な選択肢を示してくださり、将来への不安がなくなった」等の感想がありました。当交流会については、クラブ員らの実施への意欲もあり、令和8年度も実施に向け、高校側と協議する予定です。
当課では、熊本市4Hクラブを含む若手農業者育成の活動を引き続き支援して参ります。

2026年4月

現地指導の様子
現地指導の様子

柑橘せん定講習会の開催

令和8年産温州みかんの着花は中~少と見込まれています。そこで、JA熊本市と協力して、着花・着果を確保し、安定生産に繋げることを目的に、2月13日から3月4日にかけて熊本市西区の13地区の農家組合を対象にせん定講習会を開催しました。
講習会では、まず座学でカイガラムシの防除に係る指導を行い、その後の現地では今年産の着果予想踏まえたせん定のポイントについて、実践を交えて指導しました。今季は厳寒期の少雨・乾燥の影響により樹体に強いストレスがかかっているため、間引きせん定を中心とした“軽めのせん定”をポイントとし、周知を図りました。
生産者からは、品種に応じたせん定の仕方や、病害虫についての質問・意見も多く上がり、令和8年産の栽培に向けて有意義な講習会となりました。
当課では引き続き、令和8年産のみかんが高品質なものとなるよう、生産者への技術的な支援を進めていきます。

2026年4月

講習会の様子

うまいみかんづくりを総合的に考えよう!

温州みかんは冬の終わり頃から次年度産の生産が始まります。高品質な温州みかんを生産するためには、2~3月頃に行うせん定作業、夏季の着果管理、年間を通した防除作業など、適切な栽培管理が欠かせません。そこでJA鹿本と連携し、2~3月に実施すべき管理講習会を2月13日に開催し、10人の生産者が参加しました。
講習会では、高品質果実生産を目的とした「せん定作業」と、樹勢の健全化や高品質果実生産につながる体質づくりを目的とした「土づくり」をメインテーマとしました。果樹は地上部に比べて地下部の反応が遅く、生産者から注目されにくいという課題があるため、当課から地下部(細根)に着目した土づくり(土壌団粒構造や適正pHの矯正効果など)の重要性について改めて説明しました。
生産者から「苦土石灰はいつ、どれくらい、やればよいのか」など施用時期・施用量・施用方法に関する具体的な質問が多く寄せられました。たい肥や土壌改良資材を活用した土づくりの重要性や、適正なpHへの矯正の必要性について理解が深まった様子がうかがえました。
土づくりは地上部の管理と異なり、単年では効果が現れにくいため、継続的な取り組みが不可欠です。継続して取り組む土づくりは樹の体質改善につながり、高品質果実の安定生産を支える基盤となります。当課では、次年度産以降のうまい温州みかんが連年安定して高品質を維持できるよう、引き続き支援を行っていきます。

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