熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2026年5月

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講習会の様子

今年のデコポンは“投資”で決まる!

酸味と甘みが優れ、全国的に高い評価を受ける熊本ブランド「デコポン」は、年内出荷に大きな期待が寄せられています。熊本市植木町では、年内のデコポンとなる不知火類の加温栽培が盛んに行われており、県全体の約20%を占める重要な産地です。しかし、令和7年産では収穫期まで酸が高い状態が続き、その影響で12月の出荷量が減少するといった問題が発生しました。
現在、園地では花が咲き始めており、12月出荷に向けた準備が進んでいます。今年の課題は「いかに酸を下げるか」。関係機関と連携し、収穫までの品質向上を目指して「減酸・増糖しやすい体質づくり!」を掲げ、3月16日に講習会を開催しました。
講習会では、「樹体のための土づくり」「果実のための最低温度管理」「水管理」をテーマに説明を行いました。特に温度管理は、重油代の高騰による経費圧迫が大きな障壁となっています。そこで、重油代を単なるコストではなく、「投資」であるという視点を提示し、生育促進による減酸効果や収穫時期の前進化を踏まえた費用対効果を数字で示しました。これにより、生産者の意識改革につながり、令和8年産の12月出荷量増加に向けた一歩を踏み出すことができました。
今後も当課では、夏期の減酸対策や秋期以降の増糖対策など、中長期的な視点で生産者への技術支援を継続してまいります。

2026年5月

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敵及び微小害虫の生息数調査
植え替えの様子(1作目の株と株の間に定植)

国内有数のすいか産地を守るために! ~化学的防除だけに頼らない総合的な防除体系の確立~

当地域は、ウリ類の栽培が盛んであり、特にすいかは国内有数の産地です。
しかし、ウリ類退緑黄化ウイルス等を媒介する微小害虫(コナジラミ類、アザミウマ類)のまん延が問題となっており、薬剤抵抗性発達の観点から、化学的防除だけに頼らない総合的な防除体系の確立が課題となっています。
そこで総合防除による化学合成農薬の削減を目的として、すいか栽培に適した天敵利用による生物的防除並びに黒色防虫ネットの設置等による物理的防除に関する効果の技術実証に取り組んでいます。
2月に天敵を放飼し、天敵と微小害虫の生息数やウイルス病の発生状況を調査しています。ハウス内の生息数は、これまで天敵・微小害虫ともに低密度に推移していましたが、気温の上昇とともにハウス内の微小害虫が増加しており、天敵放飼区と慣行区では差がでています(天敵放飼区<慣行区)。3月末に植え替え作型の定植も行われており、天敵を次作に引き継ぎ、微小害虫の密度を抑制していけるよう調査を継続します。
当課では、今後も総合的な防除体系の確立を目指し、ウイルス病に負けないすいか産地の維持・発展を支援していきます。

2026年5月

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熊本市4Hクラブ×熊本農業高校=熊農インターン ~進路相談会を実施~

当クラブではクラブ員の確保を課題とし、農業や4Hクラブの魅力を発信するため、令和7年7月11日に第1回熊農インターン、同年12月10日に第2回熊農インターンと題した、計2回熊本農業高校生との交流会を開催し、熊本市4Hクラブの更なる活性化に努めてきました。
その中で得られた生徒の意見、反応をもとに、早い内から就農を将来の選択肢としてイメージしてもらうために、令和8年3月17日に第3回熊農インターンを開催しました。高校2年生13名、クラブ員6名(他地方含む)、普及2名の計21名が参加しました。
インターンでは、クラブ員及び高校生を交えて6グループに分かれて座談会形式で意見交換を行いました。クラブ員からは、あらかじめ作成したプロフィール表を生徒に配布し、出身校、就農理由、これまでの苦労、4Hクラブについて説明しつつ農業の魅力について積極的に発信しました。生徒からは将来の悩みについて助言を求める内容が多く挙がりました。
参加した学生からは「生産者の現場の話を知ることができてよかった」、「将来について様々な選択肢を示してくださり、将来への不安がなくなった」等の感想がありました。当交流会については、クラブ員らの実施への意欲もあり、令和8年度も実施に向け、高校側と協議する予定です。
当課では、熊本市4Hクラブを含む若手農業者育成の活動を引き続き支援して参ります。

2026年4月

現地指導の様子
現地指導の様子

柑橘せん定講習会の開催

令和8年産温州みかんの着花は中~少と見込まれています。そこで、JA熊本市と協力して、着花・着果を確保し、安定生産に繋げることを目的に、2月13日から3月4日にかけて熊本市西区の13地区の農家組合を対象にせん定講習会を開催しました。
講習会では、まず座学でカイガラムシの防除に係る指導を行い、その後の現地では今年産の着果予想踏まえたせん定のポイントについて、実践を交えて指導しました。今季は厳寒期の少雨・乾燥の影響により樹体に強いストレスがかかっているため、間引きせん定を中心とした“軽めのせん定”をポイントとし、周知を図りました。
生産者からは、品種に応じたせん定の仕方や、病害虫についての質問・意見も多く上がり、令和8年産の栽培に向けて有意義な講習会となりました。
当課では引き続き、令和8年産のみかんが高品質なものとなるよう、生産者への技術的な支援を進めていきます。

2026年4月

講習会の様子

うまいみかんづくりを総合的に考えよう!

温州みかんは冬の終わり頃から次年度産の生産が始まります。高品質な温州みかんを生産するためには、2~3月頃に行うせん定作業、夏季の着果管理、年間を通した防除作業など、適切な栽培管理が欠かせません。そこでJA鹿本と連携し、2~3月に実施すべき管理講習会を2月13日に開催し、10人の生産者が参加しました。
講習会では、高品質果実生産を目的とした「せん定作業」と、樹勢の健全化や高品質果実生産につながる体質づくりを目的とした「土づくり」をメインテーマとしました。果樹は地上部に比べて地下部の反応が遅く、生産者から注目されにくいという課題があるため、当課から地下部(細根)に着目した土づくり(土壌団粒構造や適正pHの矯正効果など)の重要性について改めて説明しました。
生産者から「苦土石灰はいつ、どれくらい、やればよいのか」など施用時期・施用量・施用方法に関する具体的な質問が多く寄せられました。たい肥や土壌改良資材を活用した土づくりの重要性や、適正なpHへの矯正の必要性について理解が深まった様子がうかがえました。
土づくりは地上部の管理と異なり、単年では効果が現れにくいため、継続的な取り組みが不可欠です。継続して取り組む土づくりは樹の体質改善につながり、高品質果実の安定生産を支える基盤となります。当課では、次年度産以降のうまい温州みかんが連年安定して高品質を維持できるよう、引き続き支援を行っていきます。

2026年4月

研修会(講話)の様子
スイカの視察の様子

第3回新規就農者・若手農業者研修会開催

県央広域本部農業普及・振興課では、熊本市やJA等と連携して新規就農者の育成に向けた支援を行っています。しかし、営農を始めた新規就農者からは、技術面の未熟さや営農に対する不安の声が巡回等でよく聞かれます。
そこで、就農後おおむね5年以内の新規就農者と4Hクラブ員等の若手農業者を対象に、2月13日(金)JA鹿本植木支所において、基本的な知識を共有し営農への不安を少しでも解消してもらうことを目的に、3回目の研修会を開催しました。
今回は、熊本市北東部の主要作物であるスイカの新規就農者に対象者を絞り、10名が参加しました。研修内容は、①県農業革新支援センターの児玉主幹による「総合防除(IPM)の基礎」についての講話、②当課の林田班長による「現地におけるIPM導入事例」の紹介、③JA鹿本の伊牟田営農指導員の案内による「IPM導入農家のハウス視察」でした。
経営に直結するテーマあったことから、地域全体で一体となった解決方法について多くの質問や意見があり、現地視察では熱心にスイカの生育状況や管理状況を観察していました。
参加者からは、「安定生産への支援を継続してほしい」、「定期的に開催してほしい」といった意見が寄せられました。当課では、新規就農者の技術力と経営力の向上につながる支援を継続していきます。

2026年4月

個別面談の様子

夢と希望のある果樹産地を目指して! ~規模縮小意向者への個別面談会開催~ 

農業普及・振興課では、熊本市やJA、生産者団体等と連携して果樹の担い手育成・確保に向けた取組を支援しています。その取組の一つとして、昨年度実施した「果樹産地の未来を考えるアンケート」で規模縮小予定と回答した生産者を対象に、縮小・離農時期やほ場、設備、機械等の譲渡可否等について個別面談を行いました。この面談は、新たな担い手が成木園を継承し、短期間で営農基盤の安定を図ることができるよう、継承候補となる園地リストを整理することを目的としており、昨年に続き2回目の実施となります。今回は、縮小意向の生産者のうち、5年以内に縮小意向があり、売買や賃借が可能と回答された14人を対象としました。
対象者の平均年齢は70代で、多くの方は後継者が不在または未定であることから、今後の園地管理に不安を抱いている様子がうかがわれました。一方で、急傾斜など作業性の悪い園地から先に手放したいという傾向は否めず、今後は現地確認も行いながら、新たな担い手が短期間で営農基盤の安定を図ることができるよう、継承候補となる園地リストを整理する予定です。
農業普及・振興課では、現在の担い手の営農継続支援と新たな担い手の育成・確保について、引き続き関係機関と共に対策を進めていきます。

2026年4月

集合写真
懇談会

「果樹産地新規就農者激励会」を開催

熊本市では、県、熊本市、JA熊本市と連携し、熊本市河内地区を中心とした柑橘産地において、新たな担い手に加え、親元就農者の育成・確保に重点的に取り組んでいます。
その一環として、産地の重要な担い手である新規就農者を招き、先輩農業者や関係機関が産地の一員として迎え入れ、営農への希望や意欲を共有するため、2月18日に「果樹産地新規就農者激励会」を開催しました。
当日は、「『熊本市果樹産地担い手育成確保ビジョン(案)』に係る意見交換会」と同日開催し、約40名の若手農業者・関係機関と新規就農者13名が出席しました。
激励会は新規就農者の自己紹介からスタートし、記念品の贈呈と先輩農家からの激励、さらに令和7年度熊本県農業コンクール大会地域農力部門で秀賞を受賞された株式会社味咲の坂本清一代表取締役による、新規就農者育成についての講話と懇談会を行いました。
地域で育てた担い手が産地の活力となるという坂本代表の取組には、新規就農者や若手農業者、関係機関も感銘を受け、懇談会では、みかん栽培の技術から生活のことまで、ざっくばらんに語り合いました。
新たな担い手の育成・確保には、生産者・関係機関一体となった産地ぐるみの意識醸成が必要です。農業普及・振興課としては、引き続き親元就農者・新規参入者の支援に取り組んでいきます。

2026年4月

フォカッチャ生地をこねる
持寄り品を前にひと言プレゼン

地元農産物を使ったパンづくりを学ぼう ~営農生活研究グループ&食の名人 食の技研修会~

熊本市営農生活研究グループとくまもとふるさと食の名人を対象に、2月3日に「食の技研修会」を行いました。
今回は、はあもにい熊本で、パン講師の永盛靖子先生に、トマトをテーマにフォカッチャ(パン)とジュレ(デザート)を御指導いただきました。ミニトマトを使ったフォカッチャでは、生地をこねて成型する際に、強く伸ばしすぎないことや仕上発酵のコツを学びました。
一方、ジュレにはトマトピューレにオレンジジュース等を加え、トマト臭さのないさわやかなゼリーができました。
また、参加者が持ち寄った自慢の一品について、1人2分間でプレゼンを行ったのち、試食を行いました。御自慢のからし蓮根をはじめ、甘酒や筍、切干し大根の煮物の他、米粉のケークサレや秋津産ミナミノカオリのドーナッツ、いちご・不知火・みかんジュースなどを使った菓子類、団子などを堪能しました。作り方はもちろんのこと、原料生産や下処理方法、長期保存の方法など話題は尽きず、参加者は満足した面持ちで研修会を終了しました。
グループ員も名人も兼ねるメンバーが多いことから、合同での研修を行っていますが、当課では重要な「食文化の担い手」への支援を継続していくつもりです。

2026年4月

せん定研修会実演

芳野地域のウメせん定研修会を実施 ~枝づくりが実りをつくる。芳野のウメ、始動~

熊本市西区河内町の芳野地域で生産されているウメについて、令和8年産に向けたせん定講習会を1月16日に開催し、同地域の黒石・横山地区の生産者約20名が参加しました。
講習会は、ウメの適正な管理指導及び生産技術の向上を目的として開催され、農業普及・振興課から基本的なせん定の考え方や枝の選定方法について説明しました。
座学では、せん定の考え方を再確認するとともに、近年の気象状況、他県の開花動向を含めた今年の生育状況を説明しました。また、新たな品種の紹介を行ったところ、果実の特性や受粉樹の必要性など様々な質問が挙がり、新しい品種への期待が窺われました。 
さらに、登録品種の高接ぎ更新には事前申請が必要など、種苗法の順守についても説明を行い、より良い栽培が行えるよう情報を共有しました。
また、現地では、実際に切り方の実演を行い、樹一本を仕上げました(新採で初めてのせん定の実演で緊張しましたが良いせん定ができました)。当課では、ウメの安定生産に向け、今後もこの地域への支援を継続していきます。

2026年4月

講習会の様子

令和8年産のナシ生産に向けて講習会を実施 ~新年のひときりから始まる、ナシづくり~

熊本市西区河内町の芳野地区では、温州みかんとの複合経営の一品目としてナシ栽培が行われています。令和8年産のナシ生産を開始するにあたり、年明けの1月7日にせん定講習会を開催しました。
現地では、せん定の基本的な考え方の説明、品種(「豊水」・「あきづき」)に応じた切り方の実演を行い、その後、主に若手生産者達と一緒に樹一本を仕上げました。
また座学では、改めてこの時期の基本的な管理を確認するとともに、近年の温暖化に対応した品種(※1)の栽培管理について県の研究成果情報等による説明を行いました。参加者からは整枝に関する質問が挙がり、参加者同士でも積極的に意見交換がなされるなど、ナシ生産にかかる意欲の高さが窺えました。
当課では、今後もナシの安定生産に向けて栽培技術指導・支援を継続していきます。

※「凜夏(りんか)」暖地でも安定して花芽が着生、結実する品種
  「甘太(かんた)」夏季の高温乾燥によるみつ症が発生しにくい品種

2026年4月

検討会の様子

植木デコポン、生産改革に着手!

不知火類の中でも、一定の品質基準を満たした果実はデコポンとしてブランディングされ、高い人気を誇ります。その中でも加温栽培のデコポンは、『「時期限定」×「高単価商材」』という強みを持ち、毎年12月上旬に需要のピークを迎えます。こうした状況を踏まえ、植木地区では加温栽培を軸として、生産を進めてきました。しかし令和7年産では、植木地区のみならず県全体で高酸果実・低糖果実が多発。その結果、合格が低下し市場への出荷量減少という厳しい状況となりました。
この状況を受け、関係機関と課題を共有し、「11月下旬には収穫を行える生産体制の構築」を最優先事項として設定。令和8年1月21日に「R8年産 加温デコポン生産対策検討会」と銘打って、前例のない検討会を開催しました。
検討会では、基本管理の要である「最低温度管理」と「かん水管理」を中心テーマに、月ごとの管理改善案を提示。現場で取り組める管理、難易度の高い取組まで、生産者12名と意見交換を行いながら整理しました。参加者からは、「まずは1つのハウスから改善に着手する」、「果実分析を定期的に行う」など前向きな声が多く上がり、生産管理のレベルアップに向けた意識が大きく高まる、非常に有意義な場となりました。
今後当課では、令和7年産で取り組んだ遮光資材や摘果管理の試験結果を共有し、基本管理を補完する技術として生産指導に活かしていきます。さらに、令和8年12月の出荷量増加・合格率向上を目標に、各月で講習会を開催し、高品質果実の安定生産を力強く支援してまいります。

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