県市連携によるイノシシ被害対策集落モデル「吉次地区」の3か年の取り組み
熊本地域のイノシシによる農作物被害状況は、侵入防止柵の整備が金峰山周辺地域を中心に進み、被害金額は減少傾向にある一方で、未整備園やこれまで無被害地域での新たな被害発生が問題となっています。
そこで、当課と熊本市では、効果的な対策の展開を図るため、吉次地区を重点モデル地区と位置付け、令和3年度から3か年計画で侵入防止柵の整備や捕獲活動の強化など総合的な対策を進めてきました。
取組においては、市が侵入防止柵整備事業を、本課が講習会・被害調査活動を主体に行い、その他検討会等の現地活動を連携して取り組みました。
具体的には、侵入防止柵を効率的に大面積で囲えるよう、綿密な整備計画の検討を進め、3年間で集落内果樹園面積の9割をカバーする46haのワイヤーメッシュ柵が整備されました。また、箱わな導入や捕獲活動に係る勉強会等を通して、4名の捕獲従事者による活動体制強化が実施されました。
このように、地域住民自らによる攻めと守り両面での取組を進めた結果、「被害無し」の割合は、取組前の14%から55%まで高めることができました。
今後は、本取組成果を他地区へ波及させる活動に移りますが、当課としても市と連携しながら引き続き取組を進めてまいります。