熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2024年7月

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スイカの退緑黄化病の写真
トマトのウイルス病株の写真

ウリ類及びトマト類のウイルス病発生状況調査を実施しました!

熊本市の北区ではスイカやメロン等のウリ類、西南地域ではトマト類の栽培が盛んです。しかし、ウリ類やトマト類のウイルス病は、一部対策の不徹底などから増減を繰り返し、継続的に発生して経営への影響が見られます。
当課では、ウイルス病発生を抑える取り組みとして、JA、熊本市と連携して、ウイルス病の発生状況調査を実施しました。
ウリ類産地の北区6地区、トマト類産地の西南地域7地区を対象に、ウイルス病に感染した株数、ウイルスを媒介するタバココナジラミの発生数、防虫ネットの目合い等を調査しました。また、調査と共に、ウイルス病発生防除方法をまとめたチラシを配布し、ウイルス病防除の基本である「入れない、増やさない、出さない」対策を周知しました。
調査結果は当課で取りまとめた後、関係機関と連携して生産農家へ情報提供するとともに、栽培終了時のハウスの閉め込み徹底と、次作のハウスに保毒虫を入れない、増やさない対策支援に取り組んでいきます。

2024年7月

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熊本市営農生活研究グループ総会開催

令和6年5月31日(金)、山鹿市鹿北町「古民家レストランさんきら」において、熊本市営農生活研究グループ総会が開催されました。熊本市営農生活研究グループは、植木、河内、飽田、秋津、富合等の6グループ27名で構成されています。会員には、農業女性アドバイザーやくまもとふるさと食の名人も多く、連携して営農、農産加工、直売、食育など女性農業者の活躍推進に向けた活動に取り組んでいます。
総会には営農生活研究グループ員13名が参加し、今年度の活動計画について検討され、議案はいずれも承認されました。
また、総会後の研修会では、「古民家レストランさんきら」をご夫婦で経営されている主計(かずえ)明美さんに地元食材の豊富さ、郷土料理・行事食等を継承していく必要性等について話をいただいたほか、当課から農作業事故防止や熱中症対策などの情報提供を行いました。
当課では、引き続き、女性農業者のグループ活動を支援していきます。 

2024年7月

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担い手育成・確保設立会議の様子

果樹産地の新たな担い手の育成・確保を目指す~歴史ある果樹産地を未来につなげるために~

熊本市は県内でも有数の歴史ある果樹産地です。しかし、担い手の高齢化とともに、管理が十分に行き届かない園が見られなど、次代につながる産地維持を危惧する声が上がっています。
そこで、生産者、JA、市、県央広域本部などの関係機関で構成する「熊本市果樹産地推進協議会」では、5月16日に担い手育成・確保部会を設置する設立会議を開催し、多様な担い手を確保することで、歴史ある果樹産地を未来につなげるための支援体制の整備に取り組むこととなりました。
現在、管内全果樹農家(約800戸)に対して10年後の園の将来像についてのアンケート調査を実施しており、その結果をもとに、新たな担い手が栽培技術や経営ノウハウを学ぶための受け入れ農家や、継承できる樹園地のリストアップを行う予定です。
今後は、受入れから就農までの一連の過程を円滑に進められるよう、各機関の役割を明確にし、安心して熊本市で果樹農業が営めるような仕組みづくりに取り組んでいきます。
農業普及・振興課では、今後4年間の重点課題に位置付け、この取り組みを支援していくこととしています。

2024年6月

勉強会の様子
動画撮影

令和6年産温州みかん着果安定勉強会の実施

令和6年産の温州みかんは、昨年産の着果過多の影響で花がやや少ない傾向にあり、特に早生~普通温州でその傾向が顕著な状況にあります。そのため、JA熊本市と当課では、出荷量を確保するための緊急着果安定対策として、かぶさり枝の除去や芽かき等の新梢管理、植物成長調節剤の散布を推進してきました。
具体的には、着果安定対策を解説したチラシの配付や、JA熊本市柑橘部会生産プロジェクトで着果安定対策の勉強会を開催しました。勉強会では、芽かきと植物成長調節剤の組み合わせによる着果安定効果についての試験結果の説明やプロジェクトメンバーによるかぶさり枝の除去・芽かきの実演を行いました。さらに、より多くの生産者へ周知するために、実施方法を動画で撮影し、部会のLINEグループでの配信も行いました。
当課では引き続き、多くの生産者が着果促進対策に取り組み、出荷量を確保できるよう技術的な支援を進めていきます。

2024年4月

令和5年度熊本市指導農業士の研修会

令和6年3月1日、熊本市指導農業士の研修会を県立農業大学校にて開催しました。会員23名の内7名が参加しました。
コロナ禍により2年前から延期していた農大での研修では、本年度の学校教育の新しい取り組みについて、木上副校長より説明を頂き、指導農業士からは農家派遣研修等について、意見要望を交わすことが出来ました。
次に、NPO法人熊本県就農支援機関協議会の平岡氏より、新規就農者育成の取り組みについて、近年の新規参入者(特に若い年代)の特性や彼らを受け入れる世代の違う農家側の心構え等について講話を頂きました。
受け入れ農家として自分も経験した事のある身近な事例に、参加者は終始納得された様子で、次年度はもっと多くの参加者を募ってあらためて研修会に招きたいと好評でした。
その後は、各学科の農場を見学し、花き・野菜・果樹等の栽培施設で担当の先生方から、学生のプロジェクト活動の取り組み状況を聴くことが出来ました。
特に、農大を卒業された方、現在子どもが農大に在籍中の指導農業士は、熱心に話を聴いていました。
当課では、新規就農者の定着支援について、指導農業士の技術と経営の経験を活かし技術指導を行うなどマッチング支援に取り組んでおり、この様な研修を重ねる事により、益々の理解促進と支援活動の活発化を図っていきます。

2024年3月

地元堆肥を活用した水稲用肥料「米エコ一発」を開発

近年、各種資材が高騰する中、特に肥料は原料の海外依存度が高いことから、価格と供給の安定化が求められています。
そこで、JA熊本うきでは大東肥料株式会社の協力を得てオリジナルの水稲用肥料「米エコ一発」を開発し、令和6年産使用分から販売を始めます。
この原料にはJA熊本うきで生産している完熟堆肥が使用されており、地域資源を活用しつつ土づくり効果も期待できる肥料となっています。
開発はJA熊本うき、肥料メーカー、JA熊本経済連及び県(県庁、農研、普及)が一体となって検討を進め、展示ほで効果を検証してきました。2年間の実証を経て従来肥料と遜色ない結果が得られたため、地域資源を活用した新しい水稲用基肥一発肥料として販売へつなげることができました。
2月の水稲講習会では、JA熊本うきが「米エコ一発」について説明し、生産者から使用量や散布方法に関する質問が出るなど、早速関心を寄せられた様子でした。
農業普及・振興課では今後も関係機関と連携し、環境に配慮した農業を進めて参ります。

2024年3月

熊本市内の女性農業者合同研修会「名人の食の技学ぶ」

令和6年2月20日、女性農業者間の交流を深めるため、農業女性アドバイザー、食の名人、及び営農生活研究グループの女性農業者を対象に合同研修会を開催し、30名の参加がありました。
研修では、山鹿市鹿北で古民家飲食店を営まれ、今年度食の名人に認定された主計(かずえ)明美さん、徳昭さんご夫妻を講師に迎え、「山鹿鹿北巻き」や「とじこ豆」などの実技指導をしていただきました。その中で、食文化継承の必要性やその取組等についてもお話をしていただき、皆、熱心に聞き入っていました。
参加された皆さんは、それなりに日頃から巻き寿司を作られる機会はある方ばかりですが、基本に返ってコツなどを改めて習い、「貴重な経験で、再認識ができた。」と喜ばれていました。
また、食の名人の新規認定者の紹介・料理披露や、食の名人・農業女性アドバイザーへの感謝状贈呈も行い、盛りだくさんの内容ではありましたが、お互いの活動等の情報交換や意見交換等もでき、充実した時間を過ごせたと喜ばれていました。
多忙な女性農業者ですが、当課では今後も、新たな連携や活動の展開につながる取組を進めていきます。

2024年3月

スイカ査定会
ほ場のスイカ

植木スイカの出荷始まる

熊本市植木地区で日本一の生産を誇るスイカの本格的出荷がJAの選果場で始まりました。
植木地区のスイカは昨年11月から本年1月にかけて定植され、ハウス内で栽培されてきたもので、2月28日から植木の選果場で初選果が始まっています。
この初出荷を前に、2月22日と26日の両日、JA本所に隣接したハウス施設で令和6年産「春夏大玉スイカ」の出荷査定会が開かれ、部会役員他行政、JA指導・販売担当者約50名が参加し、品質、内容等を確認した後、出荷日が決定されました。
選果初日の28日には6件の農家から約2600玉が持ち込まれ、選果が行われました。この時期の品種は低温でも着果性の良い「スーパーエース」で、この後「春のだんらん」や「黒武者」等の品種が出荷されていきます。出荷先は関東や関西が中心ですが、地元の「夢大地館」でもすでに店頭に並んでいます。
本年のスイカは、1月中旬ごろの低温と日照不足があったものの、2月に入り暖かい日が続いたことで順調に生育し、糖度も12度前後と平年並みになっています。
この大玉スイカは、選果ラインの光センサーで検査し、糖度や空洞の具合を厳しくチェックしたのち出荷されます。出荷のピークは5月で、本年度は植木地区で82万玉出荷される見込みです。現時点での価格は2Lで9,000円から10,000円で、昨年並みとのことです。
植木地区では、本年度約190人の生産者が約163ヘクタールでスイカを栽培していますが、農家の高齢化により栽培面積が減少しつつあり、後継者の育成が課題となっています。

2024年3月

侵入防止柵設置計画の検討

県市連携によるイノシシ被害対策集落モデル「吉次地区」の3か年の取り組み

熊本地域のイノシシによる農作物被害状況は、侵入防止柵の整備が金峰山周辺地域を中心に進み、被害金額は減少傾向にある一方で、未整備園やこれまで無被害地域での新たな被害発生が問題となっています。
そこで、当課と熊本市では、効果的な対策の展開を図るため、吉次地区を重点モデル地区と位置付け、令和3年度から3か年計画で侵入防止柵の整備や捕獲活動の強化など総合的な対策を進めてきました。
取組においては、市が侵入防止柵整備事業を、本課が講習会・被害調査活動を主体に行い、その他検討会等の現地活動を連携して取り組みました。
具体的には、侵入防止柵を効率的に大面積で囲えるよう、綿密な整備計画の検討を進め、3年間で集落内果樹園面積の9割をカバーする46haのワイヤーメッシュ柵が整備されました。また、箱わな導入や捕獲活動に係る勉強会等を通して、4名の捕獲従事者による活動体制強化が実施されました。
このように、地域住民自らによる攻めと守り両面での取組を進めた結果、「被害無し」の割合は、取組前の14%から55%まで高めることができました。
今後は、本取組成果を他地区へ波及させる活動に移りますが、当課としても市と連携しながら引き続き取組を進めてまいります。

2024年3月

小麦の生育状況(1/12)
意見交換の様子

城南町・富合町で小麦栽培講習会を開催

令和6年1月22日に熊本市南区城南町・富合町を対象に、収量・品質向上を目的とした小麦栽培講習会(中間)を開催しました。当地区は当課管内で最も大きな小麦栽培地域で、シロガネコムギ、ミナミノカオリを主に栽培しています。今冬は気温が高く、令和6年産小麦の生育は旺盛となっています。一方で過剰分げつによる出穂後の倒伏が懸念され、その対策として1月~2月のほ場管理が重要となります。
講習会では、本課から現在の小麦生育状況や今後の気象条件及びそれに応じたほ場管理、雑草、赤カビ病防除の考え方や対策について説明した後、JAの担当者から薬剤等の説明がありました。その後現地に移動し、現在の生育状況を見ながら、過剰分げつ防止のための培土等のほ場管理、雑草防除について説明しました。講習会はJA熊本うき下北支所、北営農センター、大町区公民館の3箇所で開催し、それぞれ18名、34名、9名の生産者が参加しました。参加した生産者からは追肥や除草の適切な時期等について活発な質問や意見交換が行われ、有意義な講習会となりました。
当課では、基本管理の徹底、除草剤散布による雑草の発生抑制について指導を行っていきます。また、収量・品質向上のため、今後の生育や病虫害発生状況を見ながら、関係機関と連携して指導を行っていきます。

2024年3月

座学の様子
現地ほ場の様子

アリウム専門部会による研修会および現地検討会の開催

令和6年1月23日、熊本市西南営農センターにて、JAグループくまもとアリウム専門部会関係者約15名の参加のもと、研修会が行われました。
当日は農業研究センターより早期出荷技術と切り花の長期貯蔵技術が紹介され、当課からも今年度に実施した長期貯蔵技術の現地試験結果を発表しました。また、早期作型ほ場において現地検討会も併せて行われ、定植時期や水・温度管理、球根の確保等について実際の生育を見ながら活発な意見交換が行われました。
JA熊本市西部花き部会では、アリウム栽培の課題である「出荷期間の分散化」の手段として、早期出荷作型の検討を進めてきましたが、発蕾不良や品質低下の問題が残ったままでした。そのような中、令和4年度に農研センターからの新たな知見により、これら問題が解決でき、試験導入から普及段階へと移りました。今後も継続して、長期貯蔵技術の実証試験を実施し、令和6年度は関東市場での評価も行うこととしています。
今回の研修会を通して、部会員が新技術の理解を深め、管理技術の向上につながっていくことが期待されます。当課としても、今後もアリウムの課題解決に向けた調査活動や栽培管理指導・支援を継続していきます。

2024年2月

収穫の様子
収穫した子実とうもろこし

子実とうもろこしの生産の取組み

熊本市城南町で養鶏農家による夏作の子実とうもろこし(※)の収穫が12月26~28日に行われました。
管内では、飼料の自給率向上及び飼料価格の高騰対策として、昨年から養豚・養鶏農家において子実とうもろこしの生産、利用拡大に取り組んでいます。この養鶏農家では耕作放棄地を活用し、昨年は、春作のみ約1.4haの作付けでしたが、2年目の今年は春作約2.3haに加え夏作も約3ha作付けされ面積も大きく拡大しました。
取組みが始まったばかりのこともあり、収量はほ場によりバラツキが見られますが、生育が良好なほ場では春作夏作合わせて1,000kg/10a以上の収量がありました。
今後は、全ほ場で1,000kg/10a以上の収量となるよう適切な堆肥散布による地力向上や播種時期の検討を行う必要があります。
当課としても、収量調査や子実の成分分析及び土壌分析などを行い、子実とうもろこしの安定生産のため、継続して支援していきます。

※子実とうもろこし:家畜の濃厚飼料として、とうもろこしの実だけを収穫したもの。

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