熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2026年8月

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講習会の様子

温暖化に負けない!みかんのための夏管理

「温州みかんの肥大・品質を左右する」といっても過言ではない作業が摘果管理です。本年産は着花量は多かったものの、5月中下旬の高温乾燥の影響で生理落果が増加し、結果として着果量は「中程度」となっています。このような生育の変化は温暖化の影響と考えられ、今後も強く影響を受けることが予想されます。温暖化がもたらす問題としては、果実品質の低下や隔年結果※1の助長が挙げられます。
そこで当課では関係機関と連携し、6月12日に「6~7月のみかん園管理」をテーマに講習会を開催し、摘果を中心とした対策について指導を行いました。
温州みかんは永年性作物であり、毎年安定して高品質な果実を生産することが求められます。そのため当課からは、品質向上と隔年結果対策として枝別摘果※2を紹介しました。現在の着果量は「中程度」ですが、園内には一部で過着果の樹も見られます。樹毎の着果量を均一化することで、園地全体の品質と収量を揃えることが目的です。
また、摘果管理だけでなく、品質向上のためのフィガロン散布やマルチの徹底、さらに生果量を減らさないための複合的な日焼け果軽減対策についても説明し、本年産の安定した高品質果実生産につなげていきます。
今後も引き続き適期管理の技術指導を行い、園地で高品質果実を安定して生産できるよう支援してまいります。

※1:着果量が極端に多い年、少ない年を交互に繰り返す現象。
※2:着果させる枝とさせない枝を明確に分けて摘果する方法。

2026年8月

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講習会の様子

河内・芳野地区でカンキツ摘果講習会を実施

6月8日から7月15日までJA熊本市と協力してカンキツ摘果講習会を行いました。講習会は、熊本市西区の農家組合を対象に地区ごとに13か所で行い延べ150名を超える参加がありました。現在の生育状況や今後の管理について座学で説明し、ほ場に行き、樹を見ながら摘果程度を確認しました。
今年産は花の時点ではやや多かったものの、1次生理落果が多かったことから現在の着果状況は中程度であり粗摘果を急いで行う着果状況ではありません。そのため、病害虫防除等の話題が中心となる地区が多く、生産者からは近年発生が多いカイガラムシの防除や日焼け果軽減のための資材(ホワイトコート等)の使い方に関する質問が多くありました。カイガラムシについては、今年の発生状況と防除タイミングがポイントであることを、ホワイトコートについては成果情報を活用し散布からの雨量の影響が大きいことを説明しました。
当課では今年度ホワイトコートの展示ほ設置を行っており、梅雨明け以降に散布と調査を実施する予定にしています。基本管理に加え日焼け果対策等の喫緊の課題に対する技術指導を行い、引き続き高品質果実の安定生産に向けて支援していきます。

2026年8月

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令和7年度JA熊本市白浜苺部会総会の様子
育苗巡回の様子

JA熊本市白浜苺部会総会の開催 ~冠水被害を乗り越え、売上は過去最高を記録!~

令和8年7月7日、KKRホテル熊本にて「令和7年度JA熊本市白浜苺部会総会」が開催されました。部会員や関係機関など44名が参加し、令和7年度の実績や市場情勢、令和8年度事業計画等について協議が行われました。
令和7年産は、8月の記録的な豪雨による冠水被害に加え、秋季の高温等、厳しい気象条件に見舞われました。特に、一部生産者では苗が浸水し、健全苗の確保や定植後の生育への影響が懸念されました。しかし、関係機関が連携して被害からの早期回復を支援するとともに、適切な栽培管理を徹底した結果、出荷数量は前年比117%となり、過去最高の販売実績を達成しました。
現在は令和8年産に向けた育苗が順調に行われています。当課では、9月下旬の定植に向けた良質苗の安定生産を図るため、引き続き巡回指導を実施するとともに、個人面談や栽培マニュアルに向けた環境モニタリング等に関係機関と連携しながら、取り組んでいく予定です。今後も白浜苺部会が「高収益イチゴ産地」としてさらなる発展とブランド力の向上を図れるよう支援していきます。

2026年8月

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スイカの微小害虫発生状況調査の様子
トマトのウイルス病調査の様子

地域一体となったウイルス病対策を推進

熊本市は、北区でスイカやメロンなどのウリ類、西南地域でトマト類の栽培が盛んです。近年は夏季の高温が長期化し、ウイルス病の感染リスクが高まっています。
当課では、ウイルス病の発生・まん延防止に向け、春作終盤および秋作初期にJA、熊本市と連携してウイルス病の発生状況調査を実施しています。
今年は5~6月にかけて、ウリ類産地6地区67ほ場、トマト類産地7地区66ほ場を対象に、ウイルス病の感染株数やウイルスを媒介する微小害虫の発生状況を調査しました。その結果、昨年同時期と比較して、ウリ類ウイルス病の発生は減少傾向でしたが、ほ場間差が大きく、トマトでは黄化葉巻病は減少した一方、黄化病はやや増加しました。調査にあわせて、生産者へチラシを配布し、「入れない、増やさない、出さない、つながない」を基本とした防除対策の徹底を呼びかけました。
当課では、今後も関係機関と連携し、ウイルス病の発生・まん延防止に向け、メロン退緑黄化病抵抗性品種の定着、スイカでは天敵の利用など薬剤に頼り過ぎない防除体系の導入、トマトでは黄化葉巻病抵抗性品種の導入を推進していきます。

2026年8月

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根こぶの発生状況 (左:畝肩栽植区、右:畝肩未栽植区)
実証ほ場での現地検討会の様子

現地実証から面的展開へ ~フレンチマリーゴールドを活用したネコブセンチュウ対策~

農業普及・振興課では、キュウリ栽培で問題となっているネコブセンチュウ被害の軽減を目的に、フレンチマリーゴールド※1を用いた防除実証を実施しました。
本実証では、マリーゴールドを土壌消毒の効果が出にくいハウスの谷下や両サイドに加え、試験区は畝肩部分にも栽植しました。
その結果、畝肩栽植区では根こぶの発生が少なく、生育後半まで草勢が維持されました。また、土壌中のネコブセンチュウ密度は、畝肩未栽植区と比べて約7分の1まで低減しました。収量の増加は限定的でしたが、秀品率は向上しました。さらに、生産者からは、谷下や両サイドのみに栽植した条件でも、例年より萎れ症状の発生が遅く、谷下の雑草も抑えられたことで除草作業が軽減されたとの評価が得られ、防除効果と併せて高く評価されました。
これらの結果を受け、6月15日に生産者、JA、メーカー、当課による協議会を設立し、国事業を活用した約1haの面的実証に取り組むこととしました。関係機関が連携した地域ぐるみの取組が始まっています。

※1フレンチマリーゴールド:草丈が低くセンチュウ対策に用いるマリーゴールドの一種。本試験は「エバーグリーン」(タキイ種苗)を用いた。

2026年8月

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講習会の様子

大豆の安定生産に向けて

熊本市の令和7年産大豆の栽培面積は520haで県全体の4分の1程度を生産する大豆産地となっています。そのなかでも作付面積が多いJA熊本うき管内の城南町、富合町の生産者を対象とした令和8年産大豆栽培講習会が6月16日にJA下北営農センターで開催されました。
講習会では当課から昨年産大豆の振り返りと品種切り替えに伴う栽培管理の注意点等について説明を行い、JAからは病害虫と雑草防除に関わる取り扱い農薬の説明。また近年、大豆栽培で大きな問題となっている難防除雑草の対策として農薬メーカーから初期防除の徹底による体系防除等について説明が行われました。昨年は8月豪雨による株の枯死や生育遅延に加えて開花期の高温や雑草害等の影響で収量・品質ともに平年よりも不良の年となりました。また今年は従来品種「フクユタカ」から「フクユタカA1号」に全面切り替えの年になります。参加した生産者からは帰化アサガオ類等の難防除雑草の対策として提案された農薬の使用方法や新品種の特性等について質問があるなど、今年産大豆の安定生産に向けた有意義な講習会となりました。
また、大豆栽培では梅雨明け直後の播種や夏場の猛暑時期の除草作業などがあるため、農作業中の熱中症についても講習会のなかで注意喚起を行いました。当課では引き続き、関係機関と連携しながら大豆の安定生産に向けて取り組んでいきます。

2026年8月

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先輩の長年の活動に感謝の花束を! ~熊本市営農生活研究グループ総会を開催~

熊本市営農生活研究グループ協議会(6グループ25人)は、女性農業者が主体となり、生活や農業生産に関する研究・情報交換を行う地域組織です。当課では、食文化の伝承活動や6次産業化などの実践活動を通じて、会員間の相互交流を支援しています。
6月11日に令和8年度総会を開催し、活動計画等の協議とともに上田トモ子会長から片山初美新会長へバトンタッチされました。さらに総会終了後には、「ひと品持ち寄り交流会PartⅡ」と題して、出席者による手料理を持ち寄った試食交流会が行われました。「豆だご」「筍の煮しめ」など8品の自慢の郷土料理が並び、出席者からは「懐かしい味!」「このスイカの切り方は子どもが喜ぶよね」といった意見が出るなど、互いの創意工夫や料理のコツについて情報交換する良い機会となりました。
また、長年グループ活動のリーダーとして活躍されてきた村上浮子さんが今回をもって引退されるため、交流会の最後に感謝の意を表して花束の贈呈が行われました。
今後とも当課では、「やりたい事を自ら考え、無理なく、できることを継続していく」というグループ員の姿勢を尊重しながら、引き続き活動を支援してまいります。

2026年8月

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みかん産地就農支援アドバイザー委嘱式
研修会の様子

夢と希望のある果樹産地を目指して! ~今年度も産地全体で担い手を育成・確保します~

当課では、令和6年度から熊本市果樹産地推進協議会担い手育成・確保部会と連携して、果樹の担い手育成・確保に向けた取組を支援しています。
6月5日には、これまでの2か年の取組みを踏まえて、「担い手育成」「園地を減らさない」「労働力確保」を実現するための具体的な取組の方向性について協議を行うため、第1回担い手育成・確保部会を開催しました。
今年度は初めて長期研修生を受け入れます。そのため、数年後の就農定着を目指して関係機関で伴走支援する体制を早急に確立しました。さらに、研修期間中には栽培技術を習得するだけでなく、様々な心配事を気軽に相談できるよう、産地との関わりが深い2名に「みかん産地就農支援アドバイザー」を委嘱し、研修生のフォローを行います。
会議後には、担い手育成に先進的に取り組む芦北地域から、JAあしきた外部講師である大崎伸一様をお招きし、取組の旗振り役となるJAや行政の役割についてご講演いただきました。講演では、「産地で取組の必要性を理解してもらうため、現状と将来予測の数値的な分析を基に支援を求め、JA内の専属人員配置に繋げた」との話があり、「耳が痛い話だった」との感想も聞かれました。
当課では、引き続き熊本市版の支援体制の確立と産地での運用に向けた伴走支援を行います。

2026年7月

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低濃度エタノール土壌還元消毒の取組み ~土壌還元消毒効果向上に向けて勉強会を開催~

JA熊本市トルコギキョウ部会(3戸)では、令和6年度にジャパンフラワー強化プロジェクト推進事業(国)を活用して低濃度エタノールを使った土壌還元消毒に取組みました。初年度は、立枯れ症状発生割合を40%から5%程度まで低下させることができただけでなく、令和7年度の継続的な取り組みにより立枯れ症状発生率の5%維持につながりました。このことから、部会では低濃度エタノールを使った土壌還元消毒を今後も継続して取り組む方針が定まりました。
そこで、この手法をより効果的に実施できるよう、5月27日に日本アルコール産業から講師を招き勉強会を開催しました。勉強会では、当課から過去2年間の取り組みについての報告を行ったのち、日本アルコール産業(株)から低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒の適正施用方法について講演いただきました。出席者からは各ほ場の土壌条件に合わせた具体的な施用方法や、大雨による冠水被害後の対処をいかに実施するかなどさまざまな質疑応答がなされ、今後の取組みに活かせるよう適正な技術手法の理解がより深まりました。
今回得た手法を現場に活かすことで、立ち枯れ症状発生割合が低く推移し単位面積当たりの生産数量が高位安定することが期待されます。
当課では引き続き、トルコギキョウ生産が安定して行えるよう、生産者への技術的な支援を進めていきます。

2026年7月

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研修会の様子

変わる気候、変わる栽培 ~植木地域が挑む“持続可能なカンキツづくり”~ 

植木地域は、温州ミカンをはじめ、多様なカンキツの生産が盛んな地域です。特に、加温栽培不知火類は県内で最大の作付面積を誇り、さらに熊本・玉名地域のみで栽培される希少価値の高いハウスみかんが栽培されるなど(※)、当地域は県内のカンキツ生産において非常に重要な役割を担っています。
近年は温暖化の影響により、カンキツを取り巻く生産環境がダイナミックな変化にさらされ、生産者はその対応策を日々模索しています。そこで当課では、JAと連携し、カンキツ生産者全体が温暖化への向き合い方を整理できるよう、令和8年5月8日に開催されたJA鹿本みかん部会通常総会の後に「カンキツの温暖化適応対策」と題した研修会を実施しました。
本研修会では、温州ミカンに限らず、各品目について春・夏・秋・冬それぞれの時期に焦点を当て、温暖化による影響と対策について説明しました。生産者からは、樹相と気象に着目した管理の重要さについて理解が深まった様子が見られ、非常に有意義な研修会となりました。
今後も当課では、各月の管理講習会の中で研修内容を振り返りながら、樹相や今後の気象を踏まえた適期管理の支援に取り組んでまいります。

※(参考)令和6年産 熊本県果樹振興実績

2026年7月

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キュウリほ場で試験内容を確認 する参加者
クロマルハナバチ交配試験の生育状況

安定生産に向けた環境負荷低減技術の現地検討会を開催

環境負荷の低減と安定生産の両立に向けた技術の普及を図るため、5月8日、野菜振興協会熊本市支部技術部会による現地検討会を開催しました。
検討会には、県、市、JAから技術部会員15名が参加し、マリーゴールドを活用したキュウリのネコブセンチュウ対策、天敵利用によるスイカの総合防除実証、クロマルハナバチによる交配試験について確認しました。
はじめにマリーゴールドによるネコブセンチュウ被害軽減効果が見られたキュウリほ場で、参加者が根こぶの発生状況等を確認しました。次に、スイカほ場では、天敵導入後の害虫発生状況やクロマルハナバチによる着果状況を確認しました。
参加者からは、「マリーゴールドをどのような作付体系で導入するのか」、「天敵を既存の防除体系に組み込めるのか」などの質問が出され、導入コストや実用性についても意見交換が行われました。
今回の検討会を通じて環境負荷低減技術への理解を深めるとともに、現場への導入・普及に向けた課題を共有しました。当課では、今後も環境に配慮した防除技術の普及を進め、生産者の安定生産を支援していきます。

2026年7月

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講習会の様子
植木法人での播種の様子

新たな挑戦!関心高まる水稲乾田直播栽培

近年、省力化技術として水稲作では乾田直播栽培が注目されています。熊本市管内でも、栽培面積の拡大に伴い、育苗・苗運び・代かき・田植えが不要となる同技術を導入することで、省力化や作業分散を図る取り組みが大規模法人を中心に進んでいます。特に今年は、乾田直播栽培に新たに挑戦する農家や法人が増加しており、同技術への関心が一層高まっています。
こうした状況を受け、5月21日(木)に富合地域で、新規導入予定農家を対象とした乾田直播栽培の講習会をJA熊本うきの担当者と共に開催しました。講習会では、乾田直播栽培で特に重要となる漏水対策および雑草対策について説明を行い、その後、意見交換を実施しました。生産者からは除草剤の選定や播種機の調整に関する質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。
また、植木地区の1法人においても今年から乾田直播栽培への取り組みが始まっており、当課では伴走型の指導を行っています。いずれの事例も、まずは小規模な面積で試験的に実施し、その結果を踏まえて今後の導入・拡大を検討する予定です。
当課では、今後も地域の実情に応じた乾田直播栽培技術の確立に向け、引き続き支援を行っていきます。

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