球磨エリア

球磨地域は人吉市、球磨郡を所管しています。県の南東部に位置し、九州山地に囲まれた盆地であり、中央を東西に貫流する球磨川の沿岸に広がる水田地帯と、周囲には畑地帯からなる中山間地帯及び山間地帯からなっています。水稲をはじめとした土地利用型作物や茶・葉たばこ等の工芸作物、野菜、果樹、さらには、酪農、肉用牛等多彩な農業生産が営まれています。中でも、葉たばこ、茶、クリ、モモは、県下1位の生産量を誇っており、二条大麦、ホウレンソウ、夏秋キュウリ、酪農も県における有数の産地です。なお、最近では球磨焼酎原料用としての多収穫米や、薬用作物等の栽培も行われています。

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県南広域本部 球磨地域振興局 農業普及・振興課

〒868-8503 人吉市西間下町86-1

電話:0966-24-4129

FAX :0966-24-4144

球磨エリア普及現地情報

2025年3月

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調理例

球磨工業高校及び球磨中央高校、郷土料理講習会を開催

球磨工業高校及び球磨中央高校において、令和7年1月16日~2月7日にかけて、「人吉・球磨地域くまもとふるさと食の名人ネットワーク」全面支援のもと、郷土料理講習会が開催されました。球磨工業高校は累計19回目、球磨中央高校は今回初の取り組みです。
「くまもとふるさと食の名人」は、女性や若年層への調理指導を通じで郷土料理の伝承に取り組んでおり、球磨地域では現在14名が活動しています。
球磨工業高校は3年生約130名、球磨中央高校は1年生約100名が、「つぼん汁」、「山菜おこわ」、「ねったんぼ」等に挑戦、食の名人達の指導を受けました。
若い世代は郷土料理を味わう機会が少なくなっていますが、生徒たちは包丁や蒸し器の扱い、すりつぶし作業など慣れない作業に戸惑いながらも、祖母世代となる名人たちと楽しそうに会話しながら実習にあたっていました。
一方、食の名人は11名が計9日間でのべ50回指導にあたる大変な活動となりましたが、「若い人のよろこぶ顔が見れてよかった」との感想が聞かれました。
両校の生徒とも、卒業後は多くが人吉・球磨地域外へ就職・進学し、一人暮らしや社宅生活に入ります。本実習は郷土の味を知り、いつまでも大事にしてほしいとの願いが込められており、その伝承の意義を感じる会となりました。
農業普及・振興課では、今後も郷土料理伝承や地産地消の支援を通じて、地域農業の振興を図っていきます。

2025年3月

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視察研修の様子
視察研修の様子

新規就農者の確保・育成に向けた視察研修を開催

球磨地域では、農業担い手の減少に歯止めをかけるため、新規就農者の確保が急務となっています。そこで今回、新規就農者の確保に向けた機運を高め、就農相談や研修等の体制をより良いものにするため、管内市町村やJAの新規就農担当等を参集した視察研修を初めて企画し、県内の優良事例として鹿本地域の取り組みを学ぶことにしました。
当日は関係機関から12名の参加があり、山鹿市および鹿本地域振興局から「相談」、「研修」、「就農」、「定着」の各ステージに応じた「鹿本型就農支援体制」について説明を受けた後、鹿本農業協同組合が運営する地域担い手育成センターでの研修状況を見学しました。
視察研修では、「相談」の段階で、いかに地域で就農するメリットを感じてもらえるかが重要であり、そのためには就農にあたっての支援制度や充実した研修が受けられることが必要とのアドバイスもありました。
出席者からは、就農相談者に対する農業体験や研修生の模擬経営、市単独の支援制度、中古ハウスの情報収集などについて多くの質問があがり、山鹿市での担い手確保の手法を意欲的に活用しようとする姿が見られました。
当課では、今後、今回の研修で得られた情報を生かし、市町村やJAとの連携を強化し、担い手の確保・定着促進に向けた活動を行っていきます。

2025年3月

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若手農家を先進地へ!キュウリ等自動収穫機械の視察研修

球磨地域の30代~40代の農家9名で構成される球磨地方青年農業経営者等連絡協議会では、会員相互の情報交換や能力・資質の向上を目指した活動を実施しており、農業普及・振興課では本協議会の活動に対して支援・助言を行っています。
今年度は、農業の労働力不足対策として、キュウリやピーマンの自動収穫機械について学ぶため、宮崎県宮崎市への視察研修を企画し、令和7年1月20日に実証農家のほ場と宮崎県農業総合試験場を訪問しました。
当日は、本協議会会員3名が参加し、開発社であるAGRIST株式会社の担当者から機械の性能や現地実証の実施状況について説明を受けました。会員の関心は高く、収穫時の設定方法や今後の改良方針、機械の価格などについて、多くの質問があがりました。また、実証農家や県農業総合試験場の担当者と栽培技術等について情報交換する姿も見られ、会員の見識と交流を広げることができました。
当課では、今後とも革新的な技術や先進地の事例を紹介するなど本協議会の活動を支援し、地域の農業の担い手となる若手農家の資質向上、農業経営の発展を図っていきます。

2025年2月

実際に定植したブドウ山椒の様子

ブドウ山椒定植・剪定講習会の開催

人吉・球磨地域においては、一昨年からあさぎり薬草合同会社が主体となり、製薬メーカーと連携し漢方薬の原料として利用される「ブドウ山椒」の産地化に取り組んでおり、現在4.4haで栽培されています。
今年度新たに栽培を始める方向けに、10月の定植前講習会に続き、実際のほ場を用いた定植・剪定講習会を12月24日にあさぎり薬草合同会社の主催で開催しました。
講習会には、20名を超える生産者の出席があり、当課からは苗の定植方法について、先進地の高知県から招へいした講師からは活着後の誘引・剪定の方法について実演を交えた説明が行われました。
出席者からは、苗の定植晩限や定植後の切り返し方法について、多くの質問が出されました。講習会後には、今年作付け用の苗の配布と近隣の優良園の見学を行い、定植後の管理について講師を交えて意見交換を行いました。
当課では、ブドウ山椒が地域の新たな主力品目となるよう、引き続き関係機関と協力しながら栽培技術や生産体制の確立を支援していきます。

2025年2月

立毛品評会の様子(12月13日)
切り花品評会の様子(12月20日)

年末ギクの立毛及び切り花品評会を開催

球磨地域は県内有数の大中輪ギクの産地であり、生産者19戸により面積651aで作付けされています。
今回、高品質な菊の生産・出荷を図るため、12月13日に立毛品評会、12月20日に切り花品評会がJAくま菊部会主催で開催されました。
立毛品評会では、部会3役が予備選考した上位5ほ場において、県(農業技術課、球磨農業普及・振興課)と経済連担当者の計3名の審査員により、ほ場管理、生育状況、開花揃いの観点から審査を行い、森 幸一氏を1位に選定。切り花品評会では、部会の主力品種「精興光玉」を栽培する農家9名の出品から、1位に野田康彦氏を選定しました。
今年度は、①定植時期である9月が例年より高温、乾燥傾向に推移したため、初期の活着が難しかったこと、②11月まで暖冬傾向で推移し、12月の急激な温度低下により、1~3日ほど開花ピークが遅れたことなど、栽培には難しい気候でしたが、受賞者はいずれも、開花が良く揃い、年末需要に応じた十分なボリュームがあり、葉や花の発色も良い見事な菊を作り上げていました。
今後は、1月22日開催の出荷反省会にて、審査講評と表彰式を行う予定です。

2025年2月

環境モニタリングのCO2データ
現地検討の様子

イチゴの環境モニタリング4期目スタート!!

球磨地域では、農業DXの取組みの一環として、イチゴ栽培において栽培環境のモニタリングと、そのデータの共有による管理技術の向上に取り組んでいます。4期目となる令和6年産では、管内12戸の生産者が環境モニタリングを実施しており、今回各生産者のほ場において現地検討会を開催しました。
現地検討会では、各生産者の環境データに加え、収量増加のための炭酸ガス施用展示ほのCO2データについて、当課から説明を行いました。その後の意見交換では、今年度初めて取り組む生産者から「高収量の生産者と自分の栽培管理の違いがデータで初めてわかった」、「同じ球磨管内でも、他地区のほ場を見る機会は少ないので勉強になった」など前向きな意見がありました。
今後は、各生産者の生育・収量と管理方法の関係を解析し、2月以降の現地検討会において、生産者や関係機関へ結果を共有する予定です。
当課では引き続き、環境モニタリングを活用した管理技術の向上の取り組みをさらに拡大し、球磨地域のイチゴの収量増加、収益増大を図っていきます。

2025年2月

プロジェクト発表の様子
グループワークの様子

「Kuma New Farmers’Meetup」を開催

球磨地域では、これまで別々に開催していた新規就農者の歓迎会と球磨地方青年農業者会議を、地域を担う若い農業者が一同に会する場として統合し、「Kuma New Farmers’Meetup」として12月13日に開催しました。この交流会では、球磨地域で今年新たに就農した農業者8名をはじめとして、青年農業者クラブ員及び指導農業士などの先輩農家、JAや市町村などの関係機関を含め42名の出席がありました。
第1部の歓迎会では、新規就農者一人一人の自己紹介が行われ、記念品贈呈ののち、先輩農家から激励の言葉が送られました。
第2部のプロジェクト発表では、6名のクラブ員が1年間の取り組みの成果を報告し、新規就農者も熱心に聞き入っていました。審査の結果、「肥料と土寄せの違いによる白ネギ収量の比較調査」を発表した多良木町の中神さんが、最優秀賞に選ばれ、彼を含めた5名が県青年農業者会議へ推戴されました。
第3部の交流会では、出席者で5~7人のグループをつくり、農業を始めたきっかけや今の悩みについて意見交換を行いました。新規就農者からは、今後の期待や目標について熱心に語る様子も見られました。
農業普及・振興課では、今後も若手農業者の相互交流や資質向上の場を作り、新規就農者の営農定着と地域農業の活性化を図っていきます。

2025年1月

座学研修の様子
消毒ポイント実演の様子

球磨地域悪性家畜伝染病に係る防疫演習の開催

球磨地域振興局では、11月11日にあさぎり町の深田高山体育館で、球磨地域悪性家畜伝染病に係る防疫演習を開催しました。
本演習では、「防疫措置開始までの初動対応」について、座学研修と実演の2部構成で実施し、城南家畜保健衛生所、管内市町村、農業関係団体及び建設業協会人吉支部等、関係機関約80名が出席しました。
座学研修においては、高病原性鳥インフルエンザの発生状況、発生時の地域対策本部にける初動対応及び健康福祉部の防疫対応指針の変更点について、それぞれ担当所属から説明しました。
実演においては、支援センター、現場事務所、消毒ポイント及び通行規制を体育館と駐車場にそれぞれ設置し、農業普及・振興課の担当から説明及び実演を実施しました。
球磨地域で高病原性鳥インフルエンザが発生した場合は、地域全体で防疫措置を実施する必要があります。特に今シーズンにおいては、例年よりも早いペースで感染が拡大しています。そこで、万が一の発生に備えるとともに、関係機関と連携強化、養鶏場での飼養衛生管理基準の遵守状況の確認、防疫対策強化の呼びかけ等を継続して実施し、鳥インフルエンザ発生リスクの低減に取り組んでいきます。

2025年1月

お披露目式
SLとトルコギキョウ

SL人吉の譲渡に合わせた球磨産花きのPR

この春引退したSL人吉は、JR九州から人吉市へ譲渡されることになり、令和6年11月17日には吉駅前でそのセレモニーが開催され、市民にお披露目されました。この機会にあわせて花き協会球磨支部(くま農業活性化協議会花き部会)では、地元産花きのPRを図るため、トルコギキョウを用いた装飾展示を行いました。
人吉球磨地域では30年ほど前から、あさぎり町、多良木町を中心にトルコギキョウの栽培が行われています。しかし、出荷先は関東市場が中心で、地元ではあまり知られていません。
お披露目式では、木村知事をはじめとした来賓、地元保育園児、くまモンが見守る中、除幕式などが行われ、満開のトルコギキョウが花を添えました。
その後は球磨産花きがSLの横に飾られ、マスコミに加えて、SLファンの方々も、花とSLの写真を撮影し、SNS等で紹介されていました。今回の取り組みは、地元産トルコギキョウの認知度向上の良いきっかけとなりました。
農業普及・振興課では、これからも、花きの生産促進のための側面支援として、消費拡大に努めていきます。

2025年1月

「第1回畜産振興ふれあい祭り」の開催

球磨地域では、11月29日に球磨郡錦町にある球磨家畜市場にて第1回となる「畜産振興ふれあい祭り」が開催されました。このイベントは、昨今の子牛価格の低迷や飼料費の高止まり等畜産業に大変厳しい状況が続いている中、逆境を乗り越えるため皆で結束し協力し合って、地域の畜産を盛り上げようと若手肉用牛生産農家が中心となって開催されました。当課畜産支援班も畜産振興ふれあい祭り実行委員会の一員として活動の支援を行いました。
当日は、生産者及び関係者約270名が参加。午前の部は、生産者の勉強会として家畜改良事業団熊本種雄牛センターによる「ゲノミック活用と今後について」と題した講演や第43回熊本県畜産共進会の入賞者の表彰が行われました。
その後、お楽しみ抽選会では、お肉やトラクター模型さらには希少精液の獲得権利が賞品に供されており、たいへん盛り上がりました。最後に、青年部による参加者全員でガンバロー三唱を行い午前の部は終了となりました。午後の部は、地元産牛でのバーベキューの昼食会が行われ、参加者たちが肉を焼きながら交流を深めていました。
今回の取組は、若手農家が声を上げて開催されたという点に大きな意義があり、球磨地域の畜産を盛り上げる大きな起爆剤となると実感しました。今後も、当課では厳しい畜産情勢の中でも頑張って乗り切ろうとする地域生産者に寄り添い、引き続き畜産振興の推進を行っていきます。

2025年1月

研修会の様子
グループワークの様子

初開催!「球磨地域営農法人研修会」の実施

球磨地域では、現在6つの地域営農法人があり、それぞれの地域の担い手として活躍しています。法人の課題は共通するものが多く、その解決に向けては、個別支援だけでなく法人間での情報交換や関係機関とも連携した取り組みが必要です。そこで令和6年11月28日に管内6法人に加え2営農生産組合、市町村やJAを参集し、球磨地域で初となる「球磨地域営農法人研修会」を開催しました。
研修会では、当課から経営診断や畦畔芝草化の現地試験の結果報告、機械導入などの各種補助事業の話題提供を行いました。また、基調講演として、「農事組合法人多良木のびる」専務執行役員尾方伸一郎氏から、「夢のある地域農業への挑戦」と題して、効率的な基幹作業の方法や従業員の人員配置、法人運営のポイントについて講演いただきました。他の法人からは、「ミニライスセンターの導入や運営について知りたい」など様々な質問が出されました。
研修会の最後は、法人共通の課題である「人、営農、お金」のテーマでグループワークを行いました。初対面にもかかわらず、参加者は、同じ営農組織として各法人が抱える課題について積極的に意見交換が交わされました。
当課では引き続き、研修会や視察、勉強会を通じて、地域営農法人間の連携強化に取り組んでいきます。

2024年12月

定植されたブドウ山椒の様子

ブドウ山椒定植準備講習会の開催

人吉・球磨地域においては、一昨年から漢方薬の原料として利用される「ブドウ山椒」の栽培が開始されており、農業普及・振興課ではあさぎり薬草合同会社や製薬メーカーと連携してその産地化に取り組んでいます。
ブドウ山椒はミカン科の樹木で、水はけがよく、日照の少ない条件を好むため、安定生産のためにはほ場選びと定植方法に注意する必要があります。
今年度は新たに46戸(作付面積計6ha)が栽培を開始する予定で、永年作物の定植に不慣れな生産者が多いことから、定植前の10月23日に講習会を行いました。
講習会には、20名を超える新規栽培予定者が出席し、製薬メーカーからブドウ山椒の栽培の概要・栽培計画書の作成方法等について、当課からは、植栽に適した園地の条件やその栽植方法について説明を行いました。
出席者からは、霜害の対策方法や、ほ場準備時に使用する資材についてなど、活発な質疑応答が行われ、農業者のブドウ山椒栽培への関心や期待の高さを感じました。
当課では、ブドウ山椒が新たな主力品目となるよう、引き続き関係機関・生産者と協力しながら栽培技術や生産体制の確立を支援していきます。

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