球磨エリア

球磨地域は人吉市、球磨郡を所管しています。県の南東部に位置し、九州山地に囲まれた盆地であり、中央を東西に貫流する球磨川の沿岸に広がる水田地帯と、周囲には畑地帯からなる中山間地帯及び山間地帯からなっています。水稲をはじめとした土地利用型作物や茶・葉たばこ等の工芸作物、野菜、果樹、さらには、酪農、肉用牛等多彩な農業生産が営まれています。中でも、葉たばこ、茶、クリ、モモは、県下1位の生産量を誇っており、二条大麦、ホウレンソウ、夏秋キュウリ、酪農も県における有数の産地です。なお、最近では球磨焼酎原料用としての多収穫米や、薬用作物等の栽培も行われています。

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県南広域本部 球磨地域振興局 農業普及・振興課

〒868-8503 人吉市西間下町86-1

電話:0966-24-4129

FAX :0966-24-4144

球磨エリア普及現地情報

2025年12月

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座学研修の様子
豚の模型を使った実演の様子

球磨地域特定家畜伝染病に係る防疫演習の開催

球磨地域振興局では、10月20日に錦町の勤労者体育センターにおいて、球磨地域特定家畜伝染病に係る防疫演習を開催しました。
当地域では、毎年度主に鳥インフルエンザの発生を想定した、防疫演習を実施してきましたが、本年は新たに、豚熱の防疫措置に関する項目を加え、座学と実演の2部構成で開催し、管内市町村、関係団体等約80名が出席しました。
まず座学においては、城南家畜保健衛生所から特定家畜伝染病の発生状況を、当課からは発生時の初動対応にかかる後方支援を、森林保全課からは野生いのししにおける豚熱感染の対応を説明しました。
次に実演では、養豚場での豚熱発生を想定した、殺処分の流れを豚の模型を用いて説明し、鳥インフルエンザと豚熱での発生時の対応の違いについて、参加者に理解を深めてもらいました。
演習後のアンケートでは、「発生時の自分の役割を理解できた」、「牛などの口蹄疫が発生した場合の対応を聞きたい」などの意見があり、今後の防疫演習の内容に活かしていきたいと考えています。
特定家畜伝染病が発生した場合は、地域全体で防疫措置を実施する必要があります。
鳥インフルエンザでは、すでに北海道の養鶏場で感染が確認され、近隣の県では豚熱に感染した野生いのししの発見が続くなど、予断を許さない状況です。当課では、万が一の発生に備え、関係機関との連携を強化し、特定家畜伝染病の発生リスクの低減に取り組んでいきます。

2025年12月

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販売会の様子
最優秀賞の枝肉断面写真

第1回球磨郡市地域振興肉牛枝肉研究会を開催しました

球磨地域の畜産情勢は、全国的に長期化している飼料及び資材価格の高騰、さらに高齢化や担い手不足などの影響により、非常に厳しい状況にあります。 特に黒毛和牛の肥育農家においては、今年度に入ってから肉用子牛の価格が上昇しており、もと畜費の増加により、さらに厳しいものとなっています。
こうした中、地域を元気づけ、持続可能な畜産業の確立と飼養管理技術のさらなる向上を図るため、農業普及・振興課を中心に関係機関と連携し、今年度からの新しい取り組みとして「球磨郡市地域振興肉牛枝肉研究会」を10月18日に開催しました。
球磨地域農業協同組合肥育部会および熊本県畜産農業協同組合球磨支所に所属する組合員から、28か月齢以上の黒毛和種23頭が出品され、その中から湯前町の農家が最優秀賞に選出されました。
その後、菊池市七城町にある(株)熊本畜産流通センターで販売会が実施され、最優秀賞に輝いた枝肉については最大3,100円/kgで落札されました。
当日の夜には球磨家畜市場に場所を移し勉強会を開催され、枝肉の見方や牛の栄養管理についての講演が実施され、意見交換も活発に行われました。
今回は繁殖農家にも会に同行してもらっており、枝肉や販売会への現地見学を通じて肥育農家の現場や実態をより深く理解してもらいました。また、勉強会や反省会でも交流の場が設けられ、繁殖農家と肥育農家の連携強化や相互理解が図られました。
今後も当課では、管内肉用牛産業の持続的な発展に向けた支援を継続していきます。

2025年12月

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出荷協議会活動の説明(錦町)
改装店舗内の見学(五木村)

人吉・球磨物産販売施設連絡協議会視察研修会の開催

球磨郡市の農産物直売所及び物産館、加工グループ等12団体で構成されている人吉球磨物産販売施設連絡協議会は、10月9日に研修会を開催しました。
本協議会は、相互の連携協調、安定販売、都市住民との交流を通じて地域の活性化に貢献することを目的としており、今回は道の駅錦「くらんど市」及び道の駅五木「子守歌の里五木」を研修先とし、各施設から8名の参加がありました。
くらんど市運営団体「錦町農産物等直売所出荷協議会」は、土壌改良剤の効果実証から、地域住民と連携した交流会まで広範な取り組みがなされ、令和7年度豊かなむらづくり全国表彰事業では農林水産大臣賞を受賞されています。子守歌の里五木は、近年、施設の大規模改修を行っており、それを機に商品陳列を見直し、地元客向けの日用品や休憩所機能を充実させています。また、両施設はお互いの農産物や加工品を店頭に並べるなど、経営上でも協力関係にあります。
午後は、五木村出荷者の事例発表があり、お客が毎日買いに来てくれそうな商品づくりを心掛けていることが話されました。また、その後両施設で販売されるナシジャム、くねぶ関連商品の試食が行われた他、意見交換会でインバウンドやキャッシュレスへの対応といった話題が上がりました。
参加者は、研修を通じて両施設の経営に対する意識の高さや、人手不足や出荷者高齢化への対応例、商品開発例に高い関心を寄せられました。
当課は、引き続き当協議会の活動支援を通して、農産物加工販売を通じた球磨地域の活性化を図ります。

2025年12月

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発表資料
調査の様子

夏秋キュウリにおける天敵利用拡大 ~中間検討会開催~

球磨地域のキュウリは主に夏秋期に栽培されており、栽培面積は約18haと県内でも有数の産地です。一方で、夏秋期はコナジラミ類やアザミウマ類などの微小害虫が多発するため、これらが媒介するウイルス病の発生に注意が必要です。
農業普及・振興課では、令和4年度から天敵資材「スワルスキーカブリダニ」及び土着天敵「タバコカスミカメ」の利用による害虫密度の抑制を目的とした展示ほを設置しており、10月27日に展示圃担当農家2名とJA、農薬メーカー、革新支援センターを参集し、中間検討会を開催しました。
検討会では当課から害虫の発生密度や天敵の増殖率などの現状について説明を行いました。本年は天敵を導入したすべての圃場で害虫は低密度で推移しましたが、天敵が過度に増殖したことでキュウリの葉が食害された圃場も見られ、その対策についても検討しました。一方で天敵の生息数が少なかった圃場もあり、天敵に影響を及ぼす薬剤散布したことが原因と推察されました。これを受け、参加者からは「天敵を活かせる防除体系を作って欲しい」との要望が挙げられました。
当課では12月に実績検討会の開催を予定しており、今後も天敵利用による害虫抑制技術について、その効果を確認しながら、防除体系の作成も含め、地域での普及に取り組んでいきます。

2025年12月

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指導農業士連絡協議 会長挨拶
農業経営同友会 会長挨拶

令和7年度球磨地方農業経営同友会及び球磨地方指導農業士連絡 協議会総会の開催

農業コンクール受賞者35経営体で構成される球磨地方農業経営同友会と、県普及指導協力員12経営体で構成される球磨地方指導農業士連絡協議会は、10月23日(木)、錦町において令和7年度の通常総会を開催しました。
両組織とも、令和7年度の活動として、昨年度から引き続き自主研修会を合同で開催すること、また、新たに両組織の将来的な合併を目的とする新組織合併準備委員会の設置について諮られ、承認されました。
合併の目的は、両組織の活動の質を高め、情報交換をより密にするとともに、経費及び事務負担の軽減を図るもので、令和6年度末から役員会で検討が進められていました。今回、正式に本年度活動計画に位置付けられたことで、新組織の掲げる目標に向けた活動立案や新組織への円滑な移行を図っていくことになります。今回、総会及び情報交換会を同日、同会場での開催としたのも、その機運醸成を高める意味合いがあります。
当課では、引き続き、合併に係る協議を支援するとともに、農業者組織の経営力向上を図っていきます。

2025年12月

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ナシ園地視察の様子
譲渡希望の牛舎視察の様子

人吉球磨地域初!新規就農・経営継承バスツアーの開催

球磨地域振興局農業普及・振興課では、円滑な新規就農や経営継承に向け、地域初となる現地視察バスツアーを10月4日に開催しました。当地域で就農や継承を希望している人を対象に募集した結果、県内外の19歳~46歳の7名が参加されました。
午前中は、指導農業士の経験もあるナシ農家を訪れ、「売り先や労働力を確保すること」、「軌道に乗るまで我慢すること」など就農するうえでの心構えについて説明いただきました。
そして、JAくまの選果場の見学や若手農家との交流会ののち、午後からは、経営の譲渡を希望されている肥育牛農家を視察しました。参加者からは一日の作業計画や営農にかかる経費など具体的な経営の中身について多くの質問があり、理解を深めていました。
現地視察後には、錦町役場会議室で当課及び市町村から農業研修制度や新規就農者向けの補助事業などについて情報提供しました。また、参加者との意見交換を行い、「就農に向けて工夫すべきところが知れてよかった。」「農家とのコミュニケーションの時間をもっと取りたかった」などの意見があがりました。
今回の取組によって、人吉球磨地域の魅力をアピールし、当地域への新規就農や経営継承の意欲向上につながりました。当課では、今後も人吉球磨地域における農業の新たな担い手の確保に向けた取組を推進していきます。

2025年11月

座談会の様子
立上式の様子

肉用牛産地の持続的発展を目指して~肉用牛生産性向上プロジェクト立上式~

球磨地域の肉用子牛生産については、生産者の高齢化及び後継者不足、資材価格高騰等の要因により、営農継続が困難となる農家や離農する農家が増加しており、産地としての生産力の維持が課題となっています。そこでこの度、熊本県畜産農業協同組合球磨支所を中心に関係団体が連携し、農家の繁殖成績及び飼養管理技術の向上を図り、地域の肉用牛生産の持続的な発展を推進するための「球磨地域肉用牛生産性向上プロジェクト」を実施することとなり、その立上式が8月21日に行われました。
立上式では、農業普及・振興課からプロジェクトにおける関係機関の役割についての説明を行い、城南家畜保健衛生所から畜産農家の繁殖指導方針や現状の課題について、熊本県農業共済組合球磨支所からは月別の事故牛データの情報共有が行われました。
また、当課では立上式に先立ち、管内の地区畜産会における座談会とアンケート調査を実施。管内全繁殖農家を対象とした繁殖雌牛の飼養状況と今後の分娩予定頭数を把握し、そのデータを基に各地域の繁殖指数を算出、地域ごとの繁殖成績を「見える化」しており、今回の立上式では、調査結果とそこから見えてきた課題について報告しました。
今後も、当課は、本プロジェクトを基盤に関係機関と連携しながら、畜産農家への指導や勉強会の開催等を支援し、地域の肉用牛生産性向上に取り組んでいきます。

2025年11月

ドローン始動前
ドローン農薬散布中の様子

クリのドローン防除の取り組み拡大

球磨地域のクリ栽培では、生産者の高齢化や担い手の減少に伴う労働力不足が問題となっています。そこで農業普及・振興課では、山江村及び相良村と協力し省力化技術としてドローン防除の実施体制の整備を支援するとともに、管内の防除事例を収集・共有することで取り組み拡大を目指しています。8月13日には山江村の「山江村航空防除組合」、8月20日には相良村の「相良村スマート農業サービス組合」によってクリのドローン防除が行われ、当課でその散布状況を調査しました。
ドローンによる農薬散布は、山江村では手動操縦で行われており、計6.9haで防除が実施されました。今回調査した園地では、約40aの面積を農薬補充時間等含めて8分程度で散布されていました。初めてドローン防除を行った生産者からは「ドローン防除をしたことで作業が楽になった」という声も上がっており、慣行防除と比べて作業時間の短縮、労働力の削減ができることからドローン防除は労働力不足の解消に繋がると実感できました。また、昨年は試験的実施であった相良村でも本年は本格的に防除が実施され、計3.9haで散布が行われました。
今後は、防除実施者・生産者双方から聞き取り調査を行い、管内の防除事例を収集し、生産者や関係機関と情報共有することでドローン防除活用拡大に繋げていきます。

2025年11月

青年農業経営者等連絡協議会と4Hクラブの交流

球磨地域の30代~40代の農家8名で構成される球磨地方青年農業経営者等連絡協議会では、会員相互の情報交換や能力・資質の向上を目指した活動を実施しており、8月20日に本協議会の通常総会が開催されました。
総会では、昨年度に実施された宮崎県の視察研修に参加したメンバーから、キュウリやピーマンの自動収穫機械の実証試験の様子について報告が行われ、学びや気づきが会員に共有されました。また、本年度の事業計画として、会員と同世代で、常時雇用を入れて大規模に経営している優良農家への視察を行うこと等が承認されました。
総会後には、球磨地方4Hクラブとの交流会をコロナ禍以降初めて開催しました。協議会員には4HクラブOBも多く、クラブ員と相互に自身の農業経営を紹介しあい、栽培技術や経営管理について活発な意見交換やアドバイスが行われるともに、近年の米価上昇に伴う政策などについて話がおよびました。
今後、当課では、同年代の優良経営体の紹介などで世代のヨコのつながり醸成を支援し、地域農業の主軸を担う中堅農家の資質向上を図るとともに、若手農家との交流など世代のタテのつながりも深めることで、人吉球磨地域が一体となった農業の持続的な発展を目指していきます。

2025年11月

屋内座学講習の様子
現地ほ場講習の様子

暑さに負けない!うまい米づくりのための水稲講習会の開催

水稲の高品質及び良食味米安定生産に向け、7月28日、29日の2日間、人吉市・錦町・あさぎり町・多良木町の4か所でJAくまと連携した栽培講習会を開催しました。
米の価格上昇により、球磨地域におけるR7年産の水稲作付面積は増加が見込まれており、今回の講習会では、例年より多い42名の参加がありました。米作りの関心の高さが伺えましたが、このような時こそ「産地評価を落とさない高品質、良食味米生産を目指した栽培管理の徹底」を呼びかけました。
まず、座学講習では、品質低下防止に特に重要な水管理について、各生育ステージでの適正な水位や、追肥のタイミング、台風時の事前・事後対策を説明しました。また、いもち病の防除適期、ウンカ類の本年の飛来状況や防除適期を説明し、注意喚起と防除の徹底を指導しました。
次に、会場付近のほ場において、中干しのタイミングや、葉色と生育状況に応じた追肥の現地指導を行いました。
参加した生産者からは、「移植直後にガスが発生するのを抑えるためにはどうすればいいか」、「追肥の量の判断について教えてほしい」など、本年の気温の高さや生育状況に応じた管理に関する質疑・意見交換が活発に行われ、有意義な講習会になりました。
当課では今後も講習会や現地指導を通した生産者への情報発信により、水稲の高品質及び良食味米安定生産に向けた支援を行って参ります

2025年11月

室内検討の様子
現地検討の様子

イチゴ環境モニタリング実績検討会の開催

球磨地域では、スマート農業の取組みの一環として、イチゴ栽培において栽培環境のデータに基づいた管理による収量向上に取り組んでいます。令和6年産では12戸のほ場で環境モニタリングを実施しており、そのデータを用いた実績検討会を7月3日に開催しました。
今回の検討会では、各ほ場の環境・生育データを比較するとともに、当地域における課題の一つである「日中の炭酸ガス濃度不足の改善」に向け、生産者と関係機関を交えた意見交換を行いました。当課からは展示ほの実績を報告し、環境モニタリング機器を活用しながら、ハウス内の炭酸ガス濃度を好適にするための日中施用や谷換気の開度調整を行うことで、燃料を削減しつつ厳寒期の生育を維持できる可能性を示しました。
環境モニタリングの取組みを通して、厳寒期のハウス内管理温度を栽培管理指針よりも高めに設定するなど、球磨地域での高収量栽培モデルが徐々に確立しつつあり、栽培環境の「見える化」とデータの相互共有による効果が着実に現れています。
当課では、令和7年産も引き続き環境モニタリングを実施し、JAの営農指導員とも連携して講習会等で部会全体へ取組みを波及させていく予定です。

2025年11月

当課による球磨地域の農業の説明

オープンラボを活用した農業体験学習の実施

令和7年7月7日に球磨農業研究所にて、あさぎり町立あさぎり中学校の生徒による、かぼちゃの種まき(播種)体験が行われました。
あさぎり町では、令和2年度から球磨農業研究所の「オープンラボ機能」を活用した「あさ中農業体験ラボ」を実施しており、町内の中学生に対し、スマート農業や野菜栽培を中心とした農業体験学習を開催しています。令和7年度は、「栗のめぐみ」という小ぶりのかぼちゃ品種の栽培に取り組みました。
当日は、農業普及・振興課の担当者とともに、あさぎり町役場の職員が、播種の方法の説明や、クラスごとに指導にあたりました。中には、かぼちゃの栽培が初めての生徒もおり、農業に触れる良い機会となりました。
梅雨明けの非常に暑い日でしたが、生徒たちはテキパキと動き、予定通りの時間で、作業は終了しました。その後、学校に戻り、当課とあさぎり町役場から管内農業や他地域にはない薬用作物、ミシマサイコについて説明があり、生徒たちは熱心に聞いていました。
今後、9月に除草作業や管内主要農産物としての栗の説明、秋にはかぼちゃの収穫を行う予定です。
当課では、これからも、将来の農家の担い手や食への関心を高めるため、教育現場と連携して農業の理解促進を進めていきます。

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