2018年のエリア普及現地情報

2018年12月

「加工用ホウレンソウの播種始まる」

球磨地域では、約50haにわたり加工用ホウレンソウが作付けされています。通常の青果用とは大きく異なり、45cmほどの規格まで成長させてから収穫し、管内の工場で冷凍ホウレンソウに加工され、出荷・販売されています。
本年も9月より播種作業がスタートしました。例年、10月以降の播種割合が多いため、3月以降に出荷が集中し、加工場の処理能力を超えるなどの問題が生じていました。そうした状況を改善し、出荷の平準化を図るため、本年は出荷時期ごとの平均単価が見直されました。その結果、これまで消極的だった9月播種の面積が約15ha増加し、積極的な播種時期の分散に繋がりました。
これから1月まで播種作業が続きますが、農業普及・振興課では安定した生産・出荷ができるよう、支援していきます。

2018年11月

「夏作飼料作物の現地検討会」開催

球磨地域は、県内でも有数の酪農・肉用牛生産地域であり、多くの畜産農家が自給飼料生産に取り組まれており、地域に適した品種の選定が課題となります。
農業普及・振興課では、球磨地域における夏作飼料作物の品種特性と生育状況を確認し、優良品種選定の参考とするため、らくのうマザーズと共同で展示ほを設置しており、去る8月24日に生産者、関係者を参集し現地検討会を開催しました。
現地検討会では、主要品目の飼料用トウモロコシを16品種ほか、夏牧草等28品種の生育状況を34名の出席者で確認し、活発な意見交換が行われ、有意義な検討会となりました。
また、併せて、春作飼料作物の展示ほの結果を報告しました。この検討会で得られた知見をもとに、次作に活用していただけると幸いです。

2018年10月

「クリ収穫ネット設置研修会」開催

山江村、JAくま、農業普及・振興課では、村内農家対象に「クリ基礎講座」を昨年から開催しています。今年は8月9日に第4回目として、傾斜地園の労力軽減を目的に「収穫ネット設置」の実習を行いました。山江村の傾斜地クリ園に早朝から集合した約30名が、約三分の二に当る14aにネットを張りました。
作業は、2m幅のネットを果実がこぼれ落ちないように、水糸で10cm間隔で繋ぎ合わせ一面のネットにして行きます。
暑い中、足場の悪い傾斜地での作業でしたが、参加者は熱心にネットを縫い合わせていきました。作業が終わり、青毬を試しに落とすとスムーズに園下方まで転げ落ち、それまでの苦労を忘れたかのように歓声が上がりました。
今後は、ネットの効果検証(収穫労力等)と併せて、傾斜地モデル園として普及を図っていきます。

2018年9月

幻の柑橘「くねぶ」の栽培管理講習会の開催

五木村では、全国的に希少で幻の柑橘と呼ばれている「くねぶ」の地域特産化に向け、平成28年度から村民希望者に苗木を配布しています。
そこで、配布した苗木の新枝管理や施肥、病害虫防除の徹底を目的に、去る6月27日に講義と現地実習の二部構成で「くねぶ」の栽培管理講習会を開催しました。
当日は多数の参加者があり、皆真剣な表情で講習を受け、「肥料はどれくらいやったらよいか?」、「三年目の実は収穫して良いのか?」、「外芽で摘心するのが大事なんだな。」など、活発に質問や感想があがっていました。
まだまだ生産量が少ない現状にあることから、次年度も引き続き苗木を配布し、栽培講習会や巡回指導の実施により、生産量の拡大を図っていきます。

2018年8月

排水対策で収量向上へ!

球磨地域では、夏秋ナスが栽培されており、4月下旬定植の露地栽培が大半を占めます。例年、降雨による収量減少が見られたため、昨年度からは排水対策を講習会で呼びかけてきました。その結果、排水対策の意識が部会員の中で芽生え、今年度は各自でできる限りの対策がなされました。
4月27日から栽培開始しましたが、5月上旬に大雨が続き、活着・生育はゆるやかなスタートとなりました。昨年は夏季の降水量が少なく、比較的安定した栽培でしたが、今年は平年より早い梅雨入りとなり、一層排水対策が重要になってくると考えられます。
露地栽培は天候に非常に左右されます。安定した栽培ができるよう、今後も月1回の講習会を関係機関と連携して行い、支援していきます。

2018年7月

片づけ・準備が大切です!

球磨地域のトマト栽培は8月下旬から6月まで行なわれ、現在栽培終盤を迎えています(5月16日現在)。
そこで、JAくまでは5月16日に管内のトマト・ミニトマト生産者を対象に片づけおよび次作に向けた準備に関する講習会を開催しました。農業普及・振興課からは、黄化葉巻病や土壌病害を次作に持ち込まないための対策について説明しました。今後も長く安心してトマト・ミニトマトが栽培できるよう、生産者の皆さんに伝え続けていきます。
また、併せて、トマト品種比較試験の結果を報告しました。球磨地域は他の冬春トマト産地と比較して厳寒期の気温が低いため、品種選定や温度管理が重要であることを説明しました。安定した生産および所得の向上を目指して次作に臨めるよう試験結果を活用していただけると嬉しいです。

2018年6月

球磨地域春メロン出荷開始

4月18日に多良木町のJAくま上球磨選果場で、メロンの出発式が開催されました。球磨地域では春メロンの栽培が盛んで、1月から定植・栽培されてきたメロンが、4月10日から出荷開始されました。
今年は、栽培初期の気温が低く生育の遅れが心配されましたが、好天に恵まれ生育・着果は良好です。球磨地域では交配開始日や着果数の制限を徹底しており、非常に甘くて大きな果実に仕上がっています。
近年、生産者の高齢化や土壌病害等により、メロンの栽培面積は減少傾向です。農業普及・振興課は、JA等関係機関と連携し、市場関係者とも情報を共有して、歴史ある春メロン産地として今後も維持・発展できるよう支援していきます。

2018年5月

幻の柑橘「くねぶ」生産拡大への取り組み

五木村では、「くねぶ」の地域特産化に向け、平成28年度から村民に「くねぶ」の苗木を配布しています。
本年度は、3月下旬に六百二十本の苗を配布し、3年間で千二百五十本の配布本数となりました。
3月11日には、17名の参加のもと、「くねぶ」植付講習会を開催し、参加者の方々は皆、熱心に受講されていました。
また、同村高野地区に実証ほを設置し、3月20、22日に約百五十本を植付けました。今後は「くねぶ」生産の場のみならず、情報提供のモデル園として活用していきたいと考えています。
4月10日には、「くねぶ」生産組合も設立され、生産体制の基盤づくりは着々と進んでいます。将来的な増産に向け、「くねぶ」の知名度向上に向けたPR活動、加工品開発にも取り組んでいます。

2018年4月

“女性限定”トマト栽培現地検討会の開催

球磨地域では冬春トマトが約7haで栽培されています。JAくまトマト生産部会では部会内に女性部組織が結成されており、栽培や販売への意識が非常に高く、普段の現地検討会や視察研修、出荷反省会にも積極的に参加されます。当部会では毎月一回現地検討会を開催していますが、2月は女性部を対象とした現地検討会を開催しました。
今回の現地検討会で農業普及・振興課からは「女性の観察力・環境を感じる力と実際とのすり合わせ:温度」をテーマに説明をし、わが家ではどうなっているかを考えていただきました。意見交換を行っていく中で、女性部会員の皆さんは感性豊かで、毎日の作業で葉の色や形の変化、温度変化などを感じ、疑問を抱いていることがわかりました。そのような感性がさらに磨かれるよう、今後もきっかけ作りをしていきたいです。

2018年3月

平成30年産夏秋露地ナス栽培に向けて

球磨地域では、4月下旬から11月にかけて、露地ナスが約4haで栽培されています。平成29年産は排水対策に重点的に取り組んだ結果、球磨地域農協茄子部会の反収が前年比129%となりました。
平成30年産もさらなる増収を目指して、12月に3か所で講習会を開催したところ、新規の栽培希望者も含め約30名の参加がありました。定植する4月下旬までは曇雨天日が多く、計画的な早めの準備が大切です。そこで講習会では、平成29年産で排水対策を実施し、増収した事例を紹介し、排水対策や土づくり等ほ場準備の重要性を伝えました。生産者からは排水対策だけでなく、土壌消毒や肥培管理についても熱心な質問があり、生産意欲の高まりが非常に感じられました。
今後も、ほ場巡回や現地検討会で栽培管理や病害虫防除技術の講習を行い、収量増加を目指したいと考えています。

2018年2月

五木村新商品、都市への販路開拓に成功

五木村では、昨年度、村内産農林水産物を主要な原料に使用した新商品を開発し、道の駅物産館の人気商品として定着してきました。
しかし、物産館の来客数は季節によって大きな変動があり、特に冬季は少なくなります。
「待ちの商売ではなく、攻めの商売が必要」、また「新商品にどれくらいの実力があるのか試したい」との考えから、11月に福岡市で開催された「くまもと逸品商談会」(主催:県と熊本銀行)に道の駅職員とともに参加し、商談に臨みました。
この結果、全国展開している有名大手企業の博多店と新商品「ヤマメの塩焼き」の商談が成立しました。商品開発から、わずか1年で都市への販路開拓に成功することができました。これを突破口に、今後も販路開拓・拡大を支援します。

2018年1月

ナシ大きさ・品質ともに良好

11月9日(木)に人吉市において、平成29年産JAくまナシ出荷反省会が開催されました。球磨地域では、品種「幸水」、「豊水」、「秋麗」、「あきづき」を主体に栽培していますが、販売実績は出荷量が前年比の127%、販売単価98%で販売価格は125%となりました。
本年は、3月の低温により開花が遅れ、小玉果が心配されましたが、月ごとの講習会や展示ほデータの活用等による早期摘果を中心とした指導により、大きさ・品質ともに良好で前年を大きく上回る結果となりました。
そのような中、「秋麗」では、早期収穫による糖度不足で合格率が悪い等反省点がありました。
そこで、今後は選果データを生産者へフィードバックし、「秋麗」の適期収穫の徹底指導を行うとともに、生産意欲の向上を図っていきます。

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