2021年のエリア普及現地情報

2021年12月

支援センター防疫演習の様子
消毒ポイント防疫演習の様子

鳥インフルエンザ発生に備えた演習等を実施

球磨地域では、10月~11月上旬にかけて万一の悪性家畜伝染病(鳥インフルエンザ)発生に備え、以下のように関係者での打ち合わせ・防疫演習等を実施しました。
・9月~10月 総務、防疫支援、支援センター、現場事務所の農業普及・振興課各担当者への個別研修会
・10月28日 支援センター防疫演習
(農林部、保健所、市町村担当者)
・11月 2日 現場事務所班のレイアウト確認、動線確認等
・11月 4日 消毒ポイント班・通行規制班の防疫演習
(農林部、土木部、警察、建設業協会)
球磨管内の養鶏場は7市町村に計32農場が点在しており、中には道路の狭い山奥に位置する養鶏場が数か所あることも特徴の一つです。また、鹿児島県・宮崎県との県境付近には養鶏場が点在しており、鳥インフルエンザウイルス侵入のリスクは高いものと危機感を抱いています。
11月から鳥インフルエンザの重点警戒期間となり、発生しないことが望ましいのですが、今後も関係者への打ち合わせや研修会等を逐一実施し、万が一の発生に備えていきます。また、城南家畜保健衛生所とも連携し、養鶏場での飼養衛生管理基準遵守状況の確認、防疫対策強化の呼び掛け等、鳥インフルエンザ発生リスク低減にも取り組んでいきます。

2021年12月

GAP研修会の様子

国際水準GAP研修の開催

国の環境保全型農業直接支払交付金では、作業工程の見直しによる経営改善や更なる環境負荷低減につなげるため、国際水準GAPの実施が交付要件とされています。
そこで、人吉市、山江村が各市村の環境保全型農業推進協議会員24名に向けて、10月28日に国際水準GAP研修会を開催しました。研修会では、農業普及・振興課の古閑主幹が講師となり、GAPのもたらすメリットやGAPの実施に向けた取組について、過去の指導実績に基づいた具体的な事例を取り入れながら実施しました。研修後は、参加された農家の方だけでなく、市村職員の方からも「分かりやすかった。」「GAPの実施については何となくしか分かっていなかったが、説明を聞いて理解できた。」との声をいただき、有意義な研修となりました。
今後も球磨地域で食品安全や環境保全に取り組む生産者に対してGAPの実施や、認証取得の支援を行い、安全安心な産地づくりを支援します。

2021年12月

会場の様子
くねぶ関連商品

五木村フェアinミルク牧場を開催!

10月の毎週日曜日(初日のみ2日(土))に、五木の祭り実行委員会と、らくのうマザーズミルク牧場主催の五木村フェアが行われました。このイベントは平成27年から毎年開催されており、今年は人吉・球磨地域復興応援も兼ねての開催となりました。
村の食材を贅沢に使ったバイキング、特産品や農産加工品が並ぶ常設販売、農林水産物出荷協議会会員によるマルシェ(対面販売)に加え、今回は、木のワークショップやツリークライミングなど五木村の魅力をふんだんに伝えるイベントとなりました。
特に、関連商品が数十種類にも及んだ特産果樹の「くねぶ」については、来客者の関心が高く、「どんな果実なのか」「ゆずとどう違うのか」等様々な質問があり、会員も継続的なPR活動が必要との認識を得ました。
開催期間中、完全手作りの「栗饅頭」や「鹿かつ」とともに奥深い山の幸を満喫され、阿蘇山の噴火で入場者数の減少が心配されましたが、毎回千人を超える来客かつ、販売金額も例年並みとなりました。
農業普及・振興課では、主に栽培管理や商品開発面で支援を行い、各種イベントに参加しながら農産品の継続的なPR活動を実施していきます。

2021年12月

新規就農者による自己紹介
青色申告基礎講座

球磨地域新規就農者激励会を開催

10月18日(月)、球磨地域で新たに就農した方々に対し、新たな仲間づくりの促進や有益な情報提供を行うことを目的として、JAくまあさぎり支所において球磨地域新規就農者激励会を開催しました。
今年度球磨地域では49名が就農し、そのうち12名の出席がありました。
会の第一部では、青年農業者や指導農業士等の先輩農家からの激励の言葉や活動紹介、新規就農者の自己紹介、当課からは農作業安全についての情報提供を行いました。また、第二部として、久保寺恵子税理士事務所の久保寺先生より「青色申告基礎講座」の講演をしていただきました。
今回出席の新規就農者は、会終了後積極的に青年農業者や関係機関と交流し、情報交換を行ったり、講演会においても、「おすすめの会計ソフトは」など積極的な質問を行うなど、営農におけるの意欲の高さがうかがえました。
当課では、今後も新規就農者の就農定着に向けて、関係機関と連携した巡回指導や研修会等を実施していきます。

2021年11月

自動運転アシストコンバインによる収穫実

~令和2年7月豪雨からの創造的復興に向けて~スマート農業実演会の開催

球磨地域は、令和2年7月豪雨で農林水産業に大きな被害を受け、現在も農地等の復旧が進められています。相良村及び県では、被災地区の営農の創造的復興を支援するため、10月7日(木)に相良村十島地区において、スマート農業実演会を開催しました。
実演会には、相良村十島地区、新村地区等の生産者約20名の参加があり、最新の自動アシストコンバインを用いて、県が「ヒノヒカリ」に代わる品種として作付面積の拡大を計画している水稲品種「くまさんの輝き」を収穫しました。
十島地区営農生産組合の永尾組合長は、「災害で疲弊した気持ちが続いていたが、この1年を通じ、新たな米品種の栽培や田植えから収穫までスマート農業といった新たな農業の手法を体験でき、前向きな気持ちになった」と感謝されていました。
農業普及・振興課としては、今後も豪雨災害からの復興に向けて、地域の農業の支援に取り組みます。

2021年11月

土壌採取の様子
貫入式土壌硬度計での調査

被災農地の営農再開に向け土壌調査をスタート

9月29日(水)、農業革新支援センター及び農業研究センター生産環境研究所の協力により、人吉市の被災農地において、土壌採取及び土壌硬度調査を行いました。
昨年7月の豪雨災害で被害の大きかった人吉市の中神・大柿・小柿地区では、堆積した流入土砂の撤去が順次進められているところです。今回は、土砂撤去が一部完了した中神及び小柿において、事前に人吉市が選定した5ほ場から土壌採取を行うとともに、土壌貫入式土壌硬度計を用いて、作土層の厚さ等を確認しました。
採取した土壌は、農研センターの土壌肥料研究室で分析を行い、分析結果を人吉市に提供するとともに、土壌硬度調査結果と合わせて、営農再開時の施肥等に関する助言を行うこととしています。
また、大柿地区を含め土砂撤去が終了していない残り9ほ場について同様の調査を行い、全地点の調査結果を取りまとめて、来年の年明け以降に人吉市の広報に掲載する予定です。
今後も、令和2年7月豪雨からの復旧・復興に向けた支援策を講じていきます。

2021年11月

種牛の部(審査中の様子)
飼料作物の部(乾草)

第71回球磨畜産共進会が開催

球磨地域では、肉用牛生産振興の一環として9月25日(土)に球磨家畜市場にて第71回球磨畜産共進会が開催されました。当日は種牛の部に黒毛和種39頭、飼料作物の部に乾草・サイレージ17点の出品があり、それぞれ黒毛和種種牛審査標準、飼料作物品質判定基準等に基づいて県、畜産団体から選出された審査員が審査を行いました。出品した畜産農家は牛の手入れや飼料調製を入念に行われており、種牛の部、飼料作物の部ともに非常にレベルの高い共進会となりました。
厳正な審査の結果、種牛の部では那須 哲夫 氏(人吉市)、飼料作物の部では西田 数男 氏(人吉市)がグランドチャンピオンに選出されました。那須氏出品の牛は発育が非常によく、体の伸び・深み、尻幅、モモの張りがあり、輪郭・品の良さが特に優れていると評価されました。また、西田氏出品のトウモロコシサイレージは非常に良質なサイレージ臭があり、収穫時期、水分調整が優れていると評価されました。
今回は新型コロナウイルスまん延防止等重点措置期間中の開催で、主催者、出品者、審査員が感染対策を徹底し参加者を絞って行われ、予定されていたスケジュールを無事に終了することが出来ました。
次年度以降、農業普及・振興課としては、これまでのように多くの参加者のもと安全安心で賑わいのある共進会の開催となるよう、支援していきます。

2021年11月

講義を熱心に聞く新規就農者ら
講義を熱心に聞く新規就農者ら

新規就農者向け研修会「農産物販売基礎講座」の開催

球磨地域では、新規就農者の技術や知識の習得を支援するため、農業アカデミーを活用した研修会を行っています。第1回研修会となる「農産物販売基礎講座」を9月30日(木)に球磨地域振興局寺町別館で開催しました。株式会社農テラス代表取締役の山下弘幸氏を講師に、「あなたの販売戦略は?」というテーマで講義が行われました。
講師の経験をもとに、令和の農業はどのような農産物を販売していくのか、また各販路の特徴等について講義がなされました。当日は球磨地域の新規就農者を含む9名が受講し、熱心に聞いていました。講義終了後にはほぼ全員が自身の作物の販売方法について質問を行っており、販売への関心の強さが感じられました。
今後も新規就農者らが抱える課題を解決するため、当課では様々な研修会を開催し情報提供を行っていきます。

2021年7月

自動運転田植機の実演を熱心に見る生産者

~令和2年7月豪雨からの創造的復興に向けて~スマート農業実演会の開催

球磨地域は、令和2年7月豪雨で農林水産業に大きな被害を受け、現在も農地等の復旧が進められています。相良村及び県では、被災地区の営農の創造的復興を支援するため、令和3年6月17日(木)に相良村十島地区において、スマート農業実演会を開催しました。
実演会には、相良村十島地区、新村地区の生産者20名程の参加があり、県が「ヒノヒカリ」に代わる品種として作付面積の拡大を計画している水稲品種「くまさんの輝き」を自動運転田植機で植え付けするとともに、ドローンによるジャンボタニシ防除薬剤の散布を行いました。
十島営農生産組合の永尾組合長は、「災害で疲弊した気持ちが続いていたが、新たな農業の手法を見せていただき、前向きな気持ちになった」と感謝されていました。
農業普及・振興課としては、今後も豪雨災害からの復興に向けて、地域の農業の支援に取り組みます。

2021年7月

講演会の様子
実演会の様子

スマート農業機械での「くまさんの輝き」田植え実演会の開催

令和3年6月18日(金)に熊本県農業研究センター球磨農業研究所(以下「球磨農業研究所」という。)において、㈱クボタ及びクボタアグリサービス㈱の協力を得て、県育成の水稲優良品種「くまさんの輝き」の田植え実演会を開催しました。
実演会には、高校生、一般生産者、市町村職員等30名程の参加があり、自動運転機能を搭載した最新の「アグリロボ田植機NW8SA(無人仕様)」を用い、令和4年度から一般栽培が可能となる「くまさんの輝き」を移植しました。  
また、実演会後に、「くまさんの輝き」の品種特性や栽培法について県農産園芸課から、スマート農業について㈱クボタから説明がありました。
参加された多くの方々が、最新のスマート農業機械に興味を持たれ、写真や動画を撮られていました。また、「くまさんの輝き」については、「ヒノヒカリ」と栽培方法があまり変わらないことを知り、安堵されていました。
今後、農業普及・振興課としては、球磨農業研究所の今回田植え実演会を行ったほ場を「くまさんの輝き」の栽培及び普及拡大展示ほとして位置付け、現地検討会や実演会等に活用していく予定です。

2021年7月

収穫・調整の様子(R3.5.26)
自家種で栽培したホワイト6片(生)

五木村ニンニク生産組合の生産反省会開催

五木村では、現在、8戸の生産者によりニンニク(品種:ホワイト6片)が栽培されています。この品種は、青森県で一般的に栽培されているものと同系統の品種で、大粒で肌白が特徴の高品質ニンニクです。寒地系の品種のため九州での栽培は難しく、村の特産品としてブランド化を進めています。
今年産は、昨年度並みの作付面積(38a)で、標高1000mの子別峠地域の収穫(5月31日)をもって全地域の収穫が終了しました。2月からの急激な温度上昇や梅雨入りが早まったことにより10日程度収穫が早く、小玉や割れ果等の商品果率低下により前年比約1割減となりました。そこで、6月7日に生産反省会を開催し、次期作の対応策を検討しました。
反省会では、試験的に作付けを進め、肥大良好で良質なニンニクが生産できた自家種による栽培状況を報告しました。また、球磨農業研究所のオープンラボにおける試験結果をもとに、より高品質な商品作りへ向けた栽培技術の検討を行いました。
今後も、農業普及・振興課では、五木特産「ホワイト6片」の栽培安定のた
め、関係機関と連携して、生産技術支援を行っていきます。

2021年6月

摘採の様子
製造の様子

茶品評会に向けたお茶づくりの取組み

球磨地域では、平年よりも1週間ほど早い4月12日頃から相良村(四浦)、錦町(西)で一番茶の収穫が始まりました。
また、4月20日と22日に相良村銘茶研究会員(岩見会長他4名)が品評会に向けた一番茶の製造に取り組みました。
茶園での摘採作業には、家族や相良村役場職員も応援に駆け付け、被覆資材の撤去や支柱の取り外しなどを行った後、茶芽の生育を確認し、摘採位置を微調整しながら収穫。続いて、球磨農業研究所の茶工場にて、煎茶4点、玉緑茶2点を製造しました。今後、製造したお茶は、県品評会(7月)、全国品評会(8月)に出品する予定です。
農業普及・振興課としては、今後も高品質な茶生産に向けた、栽培管理、製造支援に取り組みます。

2021年6月

春作飼料作物の現地見学会及び高校生の収量調査実習

球磨地域では、自給飼料の生産・利用拡大の推進、また飼料作物に対して広く関心を持ってもらうことを狙いとして、4月に以下の2つに取り組みました。
① 春作飼料作物における現地見学会(相良村展示ほ)
らくのうマザーズと当課共催で4月12日に現地見学会を実施しました。飼料作物の主要品目であるイタリアンライグラスを30品種、エンバク等を14品種さらに播種量比較展示を14区設け、畜産関係者39名が生育状況等の確認を行いました。コロナ禍のため、集合しての意見交換会は実施出来ませんでしたが、関係者に品種比較を行ってもらう有意義な見学会となりました。
② 牧草研修および収量調査実習(球磨農研オープンラボ)
4月19日にらくのうマザーズ、農業技術課と連携して、南稜高校の総合農業科動物コースの3年生12名を対象に、現地ほ場(球磨農研オープンラボ)で研修、実習を行いました。
研修では飼料作物全般に関しての生育特性などを講義し、実習では学生と一緒にイタリアンライグラスほ場において1m2収量を調査しました。学校で飼料作物に特化した講義はほとんどないとのことで、短時間でしたが学生にとっては貴重な経験となりました。
今後も関係機関と連携して、オープンラボを効果的に活用していきます。

2021年6月

生産組合総会の様子(R3.4.21)
接木講習会の様子(R3.4.21)

五木村振興(くねぶ特産化支援)に向けた取組み ~くねぶ生産組合総会及び接木講習会の開催~

五木村の在来柑橘である「くねぶ」の生産組合総会及び接木講習会が、令和3年(2021年)4月21日に生産組合員や関係者約20名の参加のもと開催されました。
総会では、園田組合長が「新しく3名の組合員を迎え(37人→40人)、配布された苗木も順調に育っている。」と挨拶。出荷量の拡大に向けた栽培管理の徹底や、五木村と共同でくねぶのPR活動を積極的に行うこと等が決議されました。
その後、約150株の幼木が育成されている同村高野地区くねぶ実証ほ場で、幼木の管理講習会を開催しました。新技術であるトップバッティング法※を用いた接木方法や病害虫防除、施肥等について当課果樹担当が実演を交えながら丁寧に説明しました。
農業普及・振興課では、苗の増殖技術対策としての接木講習会や管理講習会を定期的に実施するなどにより、将来の生産量の安定確保に努め、五木村の農業振興を図っていきます。

※トップバッティング法:台木に一定の切れ目を入れ、その切れ目頂部の一部を開いて接木対象の穂部を挿入しラボラトリーフィルムで結束被覆する方法。従来の接木方法よりも簡便で苗の大量生産に適する。

2021年6月

現地検討会の様子
実演会の様子

ホオズキ栽培におけるハダニ天敵の導入検討

球磨地域では、10名の生産者が約1haでホオズキを栽培しており、県内でも有数の産地となっています。
当管内では、1月下旬~2月上旬にかけてホオズキを定植し、7月盆に合わせて出荷されますが、4月以降に多発するハダニによる被害が深刻化しています。これまで、農薬による防除が行われてきましたが、抵抗性の発達や高温傾向等により増殖を抑えることが難しくなっています。そこで、4月20日に、天敵を利用した防除について検討すべく、今後の栽培管理に関する現地検討会と併せて、天敵散布の実演会をあさぎり町で開催しました。
農業普及・振興課より今後の温度管理やかん水管理等の栽培指導を行い、次いでメーカーから天敵の特性と、実際にほ場で天敵を散布する際の注意点について、実演を交えて説明がありました。
今後もハダニの発生状況や導入コスト等について調査を行い、天敵導入の有効性について検討していきます。

2021年5月

人吉市における被災農業者の営農継続支援

昨年7月の豪雨により甚大な被害を受けた人吉市の球磨川沿いの地域では、復旧に向けた取組みが進んでいるところですが、特に水稲では用水路等の復旧が間に合わず、作付けができない農地が発生しています。
そこで、人吉市、JAくま、農業普及・振興課では12月から協議を重ね、災害直後の土壌分析結果を紹介するとともに、未通水農地等において春及び秋から作付けできる露地野菜について、人吉市やJAくまの広報誌で代替品目として紹介しました。
農地復旧は、工事箇所が多く、また、地権者の同意を要するなど時間がかかる見込みですが、1日も早く営農を再開し収入を得てもらえるよう、関係機関と連携し、継続した支援を行っていく予定です。

2021年5月

整枝作業を行っている様子
収穫を控えたアンデスメロン

春の訪れを告げる絶品くまメロンの出荷スタート ~メロン産地の維持・拡大に向けた取組みも進行中~

春の訪れを告げるくまメロンの出荷が始まります。球磨地域は、栽培面積約30haを誇る県内有数の春メロン産地で、今作は天候にも恵まれ、とてもいいメロンに仕上がっています。
農業普及・振興課では、現地巡回における適期作業の呼びかけに加え、担い手確保に向けた新たな取組みとして、地域の若手農家と連携し、栽培管理作業を映像で記録しています。高度な技術を要するメロン栽培の担い手確保は、地域を問わず重要な課題であり、今後は撮影した映像を活用し、初心者でも理解しやすい資料を作成する予定です。
4月上旬からプリンスメロンとホームランスターメロン、中旬からアンデスメロンの出荷が始まります。平成31年度から実施している主要害虫の発生予察調査等も活用し、春メロンの安定生産に繋げると同時に、担い手確保に向けた取り組みも進めて参ります。

2021年5月

球磨地方青年農業者クラブ通常総会

令和3年度球磨地方青年農業者クラブ通常総会開催

球磨地方青年農業者クラブは、現在12名の農業者が所属しており、令和3年4月7日に、令和3年度通常総会が開催されました。
今回の役員改選で、相良村の山村孝一さんが会長に、あさぎり町の小出大輔さんが副会長に就任しました。 
今年度は「一人一人が農業経営技術の向上を目指すとともに、活動を通して皆で地域発展に貢献しよう!」というスローガンのもと、経営技術の向上とプロジェクト活動での秀賞獲得、さらには令和2年7月豪雨で被災した地域のために活動していくことを誓いました。農業普及・振興課としても青年農業者の技術および経営所得の向上に向けた活動支援に取り組みます。

2021年3月

幼木管理講習の様子(R3.2.25撮影)
成木管理講習会の様子(R3.2.25撮影)

「くねぶ」の栽培管理講習会開催

五木村の在来柑橘である「くねぶ」の幼木・成木管理講習会を、令和3年(2021年)2月25日に五木村くねぶ生産組合員や関係者約20名の参加のもとに開催しました。
まずは、約150株の幼木が育成されている同村高野地区くねぶ実証ほ場で幼木の管理講習を実施し、枝のせん定方法や発芽後の管理、病害虫防除や施肥等について、農業普及・振興課果樹担当が実演を交えながら丁寧に要点を説明しました。
その後、近くの成木のある場所に移動し、今年花が多いと予想される樹(表年樹)と花が少ないと予想される樹(裏年樹)での枝のせん定の考え方やポイントの違いについて説明しました。
参加者は皆熱心に聞き入り、質問も活発にされ、とても有意義であることが実感できた講習会となりました。
苗の配布から数年が経過した中で、組合員の幼木の一部には鹿の食害等により生育不良の樹も目立つようになってきたため、農業普及・振興課では、苗の増殖技術対策として、3月、5月に接木講習会の開催を予定し、将来的な生産量の安定確保を備えていきたいと考えています。

2021年2月

ジョイント仕立ての模式図
せん定講習会の様子

ナシジョイント仕立て樹せん定講習会開催

球磨地域では、ナシのジョイント仕立て栽培に2012年から取り組み始め、現在9戸約130aで栽培されています。ジョイント仕立ては、従来の整枝法に比べ樹形が単純で、作業動線が直線化し栽培管理の簡易化・効率化を図ることのできる仕立て方法です。一部の園で、側枝(果実をならせるための枝)の更新遅れや配置数の過剰傾向がみられたため、JA熊本果実連の技術員を講師に招き、ナシ生産者を対象としたナシジョイント仕立て樹のせん定講習会を令和3年1月13日に錦町で開催しました。
講習会には、生産者15名の参加があり、講師のせん定を見ながら側枝の適正配置や更新用枝の育成方法等を確認した後、実際にせん定を行いました。参加者は、側枝の配置に悩むことが無く、短時間でせん定が終わることを実感できたようです。
管内では、ナシ以外でジョイント仕立て導入を考える青年農業者もおり、省力栽培への意識が強くなってきています。せん定が難しいイメージがあるナシ栽培ですが、単純な樹形の導入を進め、産地活性化を図っていく予定です。

【ナシのジョイント仕立て】主枝を1本として先端部を水平に誘引し、隣接樹の主枝基部と接木することによりナシ樹を連続的に連結する仕立て法

2021年2月

ジビエ☆ファ―ム(猪等処理加工施設)
櫻田氏のスナップエンドウハウス

球磨地方青年農業者クラブ先進地視察研修の実施

球磨地方青年農業者クラブには現在11名のクラブ員が所属しており、キュウリ、メロン、桃、梨、茶、ミシマサイコ等の多様な作物を栽培しています。
毎年、クラブ員の技術研鑽のために先進地視察研修を行っていますが、今年度はコロナの影響もあり、やむなく参加者は3人のクラブ員と普及指導員に絞らせてもらい、宇城市、天草市、苓北町へ研修に行きました。
宇城市では宮川洋蘭での六次産業化や、くまもと農家ハンターの取組みを、宮川将人氏に解説していただきました。
天草市では、天草地方青年農業者クラブの櫻田聖弥氏のスナップエンドウのハウスを視察し、キュウリとの複合経営や栽培方法について解説していただきました。
苓北町では、元天草地方青年農業者クラブの田島健司氏のレタス圃場を視察し、地域でのGAPの取組みや、生分解性マルチの活用等について学びました。
クラブ員は、視察で大きな刺激を受け、視察後「自分のところでも学んだことを取り入れてみよう」と担当普及員に話していました。球磨農業普及・振興課はクラブ員の経営力向上に向けこれからも支援していきます。

2021年1月

現地検討会の様子
ほ場巡回の様子

トルコギキョウ現地検討会開催

熊本県は、トルコギキョウの作付面積・出荷本数ともに全国2位の産地です。球磨管内では現在11名の生産者が年内に出荷する抑制作型(8月定植)と3~5月に出荷する促成作型(10月定植)に取り組んでいます。12月は、温度管理、電照処理、病害虫防除等が重要な時期となるため、12月10日に、JAくま及び農研センターと連携して現地検討会を開催しました。
現地検討会では、今後の気象情報や病害虫防除について当課から説明し、次いで、これまで得られた研究成果を基に、農研センターから今後の温度管理や電照の利用方法について説明を行いました。その後、各生産者のほ場を巡回し、今後の管理について活発な議論が交わされました。
当課では、今後も管理のポイントとなる時期に現地検討会や講習会を開催し、高品質なトルコギキョウが生産できるよう指導していきます。

※電照処理・・・トルコギキョウは長日植物であり、短日条件となる冬期の栽培ではブラスチング(蕾の壊死)や開花遅延等が発生するため、白熱電球を用いた電照処理を行い、これらの発生を軽減させている。 

2021年1月

『一勝地梨』せん定基礎講習会開催

球磨村毎床集落において、一勝地果実協同組合と連携してナシ生産経験の浅い人を対象としたせん定基礎講習会を開催しました。
毎床集落のナシは、100年を超える歴史があり一勝地梨として知られていますが、生産者の高齢化や兼業農家の増加により担い手の減少が進みつつあります。そこで、高齢化した親世代を補佐している他産業に従事する子世代等に対し栽培技術支援の一環として講習会を行いました。
講習会には、予定していた1.5倍にあたる23名の参加があり、枝や花芽の名称、枝の切りかた(切る位置や角度)の説明をしながらせん定実演を行ったところ、「以前、講習会に参加したことはあるが、単語がわからないため理解できないと言えないでいた。基本的なことが理解できたので、さらに学習してせん定技術を向上させたい。」との声が多数寄せられました。
歴史ある産地を継続発展させるため、引き続き、生産者が技術習得できるよう支援を行っていく予定です。

2021年1月

発表の様子
抱負を語る針馬さん

令和2年度球磨地方青年農業者会議開催!

球磨地方青年農業者クラブは、現在11名の農業者が所属しており、クラブ員は自分の経営を改善するプロジェクト活動に日々取り組んでいます。
令和2年(2020年)12月9日に、意見発表とプロジェクト発表の場として球磨地方青年農業者会議が開催され、4Hクラブ員は農業経営への思いや、課題解決の成果を披露しました。
審査の結果、意見発表では球磨村の恵良海斗さん(19歳)、プロジェクト発表では多良木町の針馬伸弥さん(25歳)がそれぞれ秀賞に選ばれました。恵良さんは、就農のきっかけや、今年就農してから感じたこと等を、また、針馬さんはアンデスメロンの二番果の交配時期による玉肥大への影響の試験に取り組み、一番果の交配から20日後が最も良かったことを報告しました。
秀賞に選ばれたお二人を含め球磨地域から選出された7人は、令和3年(2021年)2月10日に開催される熊本県青年農業者会議で発表します。

エリアカテゴリ