2023年のエリア普及現地情報

2023年6月

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現地検討会の様子
現地検討会の様子

飼料作物(春作)の現地検討会を開催

球磨地域では、自給飼料の生産・利用拡大の推進、導入品種検討機会の提供を目的として、4月10日に相良村の飼料作物展示ほにおいて春作飼料作物の現地検討会を開催しました。
展示ほは、らくのうマザーズと球磨農業普及・振興課共同で毎年設置しており、今年度は飼料作物の主要品目であるイタリアンライグラスを28品種、エン麦等を16品種(県奨励品種を含む)、さらにイタリアンライグラスの播種量比較展示区(播種量:3~48kg/10a)を10区設けました。現地検討会当日は、管内外の畜産関係者約30名が各飼料作物の生育状況等の確認を行いました。農業者(酪農家)や指導員(県、農業団体)など様々な立場の方に参加して頂き、有意義な意見交換の場となりました。
飼料価格の高騰が長期化し、管内では厳しい経営を迫られている畜産農家も散見されており、飼料費削減の観点から自給飼料の重要性は高くなっています。
また、最近では春先の天候が安定しないことも多く、複数品種導入による収穫時期分散などのリスク回避も重要です。今後も引き続き関係機関と連携しながら、自給飼料増産への取組みを支援していきます。

2023年6月

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総会の様子
「くまよん農業チャンネル」(YouTube)

令和5年度球磨地方青年農業者クラブ通常総会開催

球磨地方青年農業者クラブは、20代の若手農業者を中心に現在10名の農業者で活動しています。令和5年4月6日に、令和5年度通常総会が開催されました。
今回の役員改選で、人吉市の赤池大樹さんが会長に、相良村の山村孝一さんが副会長に就任しました。
これまでは新型コロナウイルスの影響により、地方行事への参加だけでなく、クラブ員間の交流も思うように出来ない状況でした。そこで、今年度は「くまよんから世界へ発信 球磨の魅力~restart~」というスローガンのもと、クラブ員間の交流を深めつつ、地域内外との交流も深め、各々の経営の資質向上を図ることを誓いました。さらに、昨年開設したSNS「くまよん農業チャンネル」(Twitter、Instagram、Youtube)を活用した情報発信も引き続き行っていきます。
農業普及・振興課では、今後も青年農業者の技術および経営所得の向上に向けた活動支援に取り組みます。

2023年6月

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連携会議の様子

新規就農者確保・育成に係る関係機関連携会議の開催

球磨地域では、地域の担い手を維持していくため、新規就農者の確保と育成が課題となっています。
年度当初にあたり、新規就農者への支援体制の強化を目的に、管内市町村主管課、JAくま、地域就農支援アドバイザー、農業普及・振興課を参集した連携会議を4月28日に開催しました。
当課から、全国や県、球磨地域の新規就農者の現状を説明した後、球磨地域における就農相談体制や認定新規就農者制度、事業活用時の留意点を共有しました。また、事業の要件等に関する質疑応答や意見交換を行い、関係機関の理解促進を図ることができました。
さらに、市町村等が行う就農相談を充実させるため、提案型の就農相談対応として、キュウリの産地維持ビジョンや球磨地域版の新規就農者向けパンフレットの活用を呼びかけました。
今後、農業普及・振興課では、関係機関と連携した就農相談、認定研修機関による研修や個別巡回等を通して、新規就農者の獲得及び経営安定化を目指していきます。

2023年4月

くねぶシフォンケーキ、スコーン完成

五木村特産柑橘「くねぶ」を使った商品は、関連製品を含め累計31品目に及びます。毎年、新商品が開発され、昨年度も6品が誕生しています。
今年は、有機でお茶を製造している松井農園が、最近販売好調の紅茶にあう洋菓子を作ろうと、6次産業化加速化支援事業を活用してシフォンケーキやスコーンの開発を行いました。
くねぶ果汁・ピール(果皮)を利用し、アグリシステム総合研究所の協力を得ながら、試作検討を重ねました。また、五木村で人気の高い五木とうふを主原料にし、なめらかで、食感のよい商品を目指しました。スコーンも、同じく生おからを何度も乾燥させ、バター等乳製品を使わないヘルシーな洋菓子に仕上りました。
博多駅で開催された「くまもと県南フェア」にも参加し、試食アンケートの結果からさらに改良を加えています。
農業普及・振興課でも、地域の特性を生かした農産物の加工品開発など引き続き支援をしていきます。

2023年4月

水俣での試飲会・意見交換会
振興局での試飲会

「球磨ティーファーマーズ」が「みなまた和紅茶」生産者と交流&局内試飲会

県南フードバレー事業がきっかけで球磨管内の若手お茶生産者5名で結成された「球磨ティーファーマーズ」が、萎凋香(いちょうか)緑茶で商品化を目指し、3月2日に「みなまた和紅茶」で研修・意見交換会を開催しました。
「お茶のカジハラ」、「天の製茶園」、「桜農園」など近年注目されている和紅茶を手掛ける5人の生産者からご意見を伺うため、水俣市の葛彩館で試飲会を行いました。和紅茶生産者の前で、各自用意した萎凋香緑茶と和紅茶も並べて、品種、摘み時期、肥料の時期・量などを聞き確かめながら試飲。色や茶葉のカットの大きさ等も確かめ、味の違いや渋さの際立ち、酸味の出し方など、多数の意見や質問を受けていただき、ティーファーマーズも和紅茶の味の深さや香りに驚きを隠せない様子でした。
試飲後には品質と単価を考えた販売方法などを伺い、お客様からの意見も当然大事ですが、生産者からの意見が聞けたのが良かったという感想でした。また、場所を変え、天の製茶園の茶園と茶工場を見せていただき、手作りの萎凋槽から追求した商品のこだわりを知ることができました。
3月24日には、球磨地域振興局長室で萎凋香緑茶の試飲会を行いました。ティーファーマーズからは、商品のターゲット層や加工方法、メンバー個々の工夫やティーファーマーズとしての考え等を説明されました。メンバーも今の商品に満足しておらず、今後も進化した商品を作り続けると意気込んでいます。
今後もティーファーマーズ、当課及びアグリシステム総合研究所が連携して令和5年度以降の方向性を検討し、今回の研修を生かした内容にしていく予定です。

2023年4月

設立総会の様子
組合員の集合写真

球磨村初の農事組合法人「球米(きゅうべい)」が設立

令和2年7月豪雨災害以降、球磨村内で失われた農業・農村に関連する機能を回復し、地域農業の存続のため、また、将来にわたって農地の受け皿となる組織を目指して、村内の40代を中心とする兼業農家8人が村内初の地域営農法人となる「農事組合法人球米」を設立しました。
元々、球磨村には地域営農の任意組織もありませんでしたが、豪雨災害の影響で村内に水稲の乾燥・籾摺りの受託先が無くなったことをきっかけに、自分たちが地域の起爆剤となる意気込みで、水稲基幹作業の受託と拠点となる乾燥・籾摺り施設の運営、米販売を担う農事組合法人を立上げたものです。
当課では、昨年から役場やJAと連携しながら、ゼロから担い手型の法人設立を目指して、組織のしくみ作りや事業計画作成など協議を重ね、3月24日に球磨村役場にて法人設立総会を開催。組合員全員が出席し、村長や村議長、振興局農林部長、JA理事等が立ち会う中、各議案が承認されました。
「球米」は今後、球磨村農業の核となる組織として、更には、球磨地域における復旧・創造的復興のシンボルとして発展することが期待されています。当課としても、設立後も引き続き村・JAと連携し、農地所有適格法人として、新技術導入や補助事業活用等で法人運営・営農の助言・支援を行っていきます。

2023年3月

令和4年度球磨地域農業活性化セミナーを開催

3月6日(月)、くま農業活性化協議会と球磨農業普及・振興課の共催により、「令和4年度球磨地域農業活性化セミナー」(以下、セミナー)を開催しました。本セミナーは、農業者、行政機関、農業団体等が一堂に会し、農業普及・振興課が関係機関と連携して取り組んだ活動成果、球磨農業研究所の研究内容、および熊本県立南稜高等学校の学習成果等を報告し、地域農業の活性化につなげることを目的としており、当日は約60名の出席がありました。
セミナーでは、上記の報告以外に、(株)農テラス 代表取締役 山下弘幸氏を招き、「逆境に打ち勝つ農業経営」と題して講演をいただき、活発な質疑応答もなされ、改めて、農業経営に対する関心の高さがうかがわれました。
当課では、今後も地域の活性化につながる取組みを推進し、地域農業の維持・発展に努めます。

2023年3月

設立総会の様子
講演会の様子

球磨地域有機農業推進ネットワーク設立総会を開催

球磨地域では有機農業に取り組む生産者が多数いますが、各地域に点在しており、また、管内全域を網羅する組織もなく効果的な情報の提供等が難しい状況でした。そこで、市町村の枠を超え、生産者、農業団体、行政機関等が一体となって球磨地域の有機農業を推進・拡大するため、2月17日に「球磨地域有機農業推進ネットワーク」(以下、ネットワーク)の設立総会を開催しました。
ネットワークには、29戸の生産者が会員として、管内の全市町村、JA及び球磨地域振興局が賛助会員として参加し、設立総会には生産者や行政機関等から30名の出席がありました。
設立総会では、規約の承認、役員の選任等が行われ、総会終了後には宇城市で有機農業に取り組んでいる「肥後あゆみの会」代表の澤村輝彦氏による講演会を開催しました。澤村氏からはネットワークや本地域での有機農業の発展について力強い応援メッセージをいただきました。
農業普及・振興課では、今後、ネットワークを通じて様々な情報提供等を行い、当管内における有機農業の取組み拡大に向けて支援していきます。

2023年3月

餡について講義
セミナー調理実習

五木村の農産物を活用した和菓子加工セミナー

「あんこ」のプロが伝授!餡の基礎技術を習得しませんか。をキャッチフレーズに、1月31日、2月7日、21日の3日間にわたり、和菓子加工セミナーを開催しました。これは、先日、五木村民が開発した加工品が令和4年度優良ふるさと食品中央コンクール農林水産大臣官房長官賞を受賞したことから、さらに村民の加工品開発に対する意欲向上を図るため開催したものです。
講師には、製菓プロデユ―サーでお菓子の香梅元工場長の大村国治さんを講師に和菓子の基礎となる餡について講義・実演指導が行われました。「材料はなるべく地産地消のコンセプトで利用すると愛着がわく」と工場長時代に豆と砂糖の種類を変え、それぞれ違う商品を作ったなど具体的話を交えながら講義を進めていました。
五木村には、「ナンバ」という小豆の在来作物も存在しており、村の特産品開発に向けて、一般農地や焼畑での作付けに繋げる検討もされました。
農業普及・振興課でも、地域の特性を生かした農産物の加工品開発など引き続き支援をしていきます。

2023年3月

講習会の様子
講習会の様子

「くまさんの輝き」栽培管理講習会の開催

「くまさんの輝き」(以下、「輝き」)は球磨地域でも面積拡大が進んでおり、今後、地域の良食味米の主軸とするため関係機関と一体となって推進を図っています。しかし、生産者の認知度がまだ低いこともあり、「輝き」を知ってもらう機会として、令和5年度作付けに向け、「輝き」に特化した水稲栽培管理の講習会を2月27日から28日にかけ開催しました。
講習会はJAくま3地区営農センター及び錦支所にて行い、生産者や関係機関含め30人以上の参加がありました。
「輝き」の特長や栽培し易い品種であること、農業普及・振興課とJAくまと連携して「輝き」の認知度向上に向けたイベント活動等を行ったことも伝え、生産者からは「「輝き」を早く作ってみたい」、「令和4年に実際作って良い品種だと思ったので、更に面積を増やしたい」、「種子があれば直ぐにでも作りたい」等、取組み意欲のある生産者が非常に多いことが分かりました。
農業普及・振興課では、今後も球磨地域の「輝き」の更なる拡大に向け生産・販売等の推進を支援していきます。

2023年3月

3年ぶりに高校での郷土料理講習会を開催

今年度、球磨地域では4つの高校で食の名人派遣事業を活用した「郷土料理講習会」が開催されました。管内で活動するくまもとふるさと食の名人を講師に、食の名人と生徒らが一緒に調理実習を行いました。
このうち、球磨工業高校では、毎年、食の名人らを講師に講習会が行われていましたが、令和2~3年度は新型コロナウイルスの影響もあって外部講師を呼ぶことができず、今回は対策を講じたうえで3年ぶり17回目の実施となりました。
3年生計170人が「つぼん汁、山菜おこわ、ねったんぼ」を作り、食の名人からは孫世代と話しながらの料理は楽しいとの声があり、生徒たちは普段あまり作らない郷土料理に四苦八苦しながらも楽しそうに実習にあたっていました。また、卒業後地域外へ就職する生徒が多くおり、地元の味を知ること作ることがきっと心の支えになる、と校長先生からのお話があり、郷土料理の伝承の意義を感じる会となりました。
農業普及・振興課では、郷土料理伝承や地産地消を通じて、地域の食文化や農業の振興支援をしていきます。

※くまもとふるさと食の名人:郷土の伝統料理等について、卓越した知識・経験・技術等を有し、伝承活動等に取り組んでいる者を県が認定した方

2023年3月

くねぶの特別授業

五木東小学校にてくねぶの特別授業開催

極寒、雪の降る中の1月24日、五木東小学校5~6年生を対象に五木村特産柑橘くねぶの特別授業が開催されました。
これは、球磨川流域地産地消支援事業を活用し、小中学校栄養教諭と連携しながら実施したものです。当日は、児童7人と関係する教諭3名の計9名に対し、くねぶ生産者からくねぶについて45分間講義をいただきました。
「くねぶを栽培する人々の工夫について学ぶ」をテーマに、①栽培へのこだわり・工夫②栽培の苦労③おいしい食べ方④皆さんへのメッセージを話されました。特に、鹿や兎など獣害被害の苦労、接木栽培によって収穫が早まったこと、県と共に開発した商品が認知度を高めたなど様々な話に及びました。
講義終了後、くねぶドレッシングを利用したコールスローやくねぶチーズケーキを全学校関係80名に提供し、関係者と一緒に給食をいただきました。
農業普及・振興課では、小中学生に対し、地元愛着が沸くくねぶなど地元特産品への理解促進と地産地消の啓発活動など引き続き支援をしていきます。

2023年3月

岳間茶寮 好信楽
原田氏のブドウ園

球磨地方青年農業者クラブ先進地視察研修の実施

球磨地方青年農業者クラブには現在13名のクラブ員が所属しており、キュウリ、メロン、酪農、筍、桃、梨、茶、ミシマサイコ等の多様な作物を栽培しています。
コロナの影響もあり、数年間、県内外への視察研修は控えていましたが、本年度は、感染対策を実施のうえ、若手クラブ員を中心に山鹿市、合志市、菊池市へ研修を実施しました。
山鹿市では、岳間茶寮 好信楽の戸川氏に飲食物を提供する店舗として、お茶を知らない方に向けたSNSを活用した発信方法等についてを、合志市では、有限会社高司農園の高司氏にブドウやイチゴの栽培方法や生産物の加工・販売についての取り組みについて説明して頂きました。
また、菊池市では、菊池地方青年農業者クラブの原田祥太郎氏のほ場視察を行い、ブドウの栽培方法や個人販売の取り組みについて説明していただきました。
クラブ員は、視察で大きな刺激を受け、視察後「自分のところでも学んだことを取り入れてみよう」と担当普及員に話していました。球磨農業普及・振興課では、今後もクラブ員の地域間交流や経営力向上に向け支援していきます。

2023年2月

現地でのよけまん※で提供した料理 ※人吉球磨地方でいう休憩
赤大根の収穫体験

五木村在来作物まるごと体験ツアー開催!

「五木村の在来作物を収穫して食べよう!」と題して、10月29日、11月19日に収穫体験ツアーを開催しました。当日は、穏やかな秋晴れと紅葉真っ盛りの山々の中、約30名の参加がありました。
在来作物は、一般的に出回っている改良品種とは異なり、硬い・酸っぱいなどの個性豊かな特徴があります。風味が強く、形にばらつきがあるなど栽培しづらい面もありますが、何十年もその種を繋いできたその地域の食文化といえるものです。
今回は、この在来作物の中で、五木村で振興を図っている「くねぶ」と、くまもとふるさと伝統野菜に指定されている「赤大根」にフォーカスし、収穫体験とその素材をいかした郷土料理を提供した後、料理教室を開催しました。
また、人吉球磨地方で休憩を表す「よけまん」では、短冊切りやいちょう切りなど、切り方を変えた赤大根酢漬け、くねぶパウンドケーキ、くねぶ果汁を絞った生コンニャクのさしみ等を、畳の上や野外で参加者やスタッフも一緒に食卓を囲みました。
参加者からは、まるで田舎のおばあちゃんの家に大集合した親戚一同のような体験ができたと大好評でした。
農業普及・振興課では、今後も引き続き、地域の特産物を活かした、五木村ならではの取組みを支援していきます。

2023年2月

入賞した切り花

年末菊の立毛品評会及び切り花品評会を開催

JAくま菊生産部会では、年末菊栽培における生産者の技術・生産意欲向上のため、毎年、立毛品評会及び切り花品評会を開催しています。今年は12月13日(火)に立毛品評会、12月20日(火)に切り花品評会が行われ、経済連及び球磨農業普及・振興課の担当者が審査しました。
立毛品評会では、あらかじめ選定された4か所のほ場で、ボリューム・病害虫の有無・ほ場管理等の項目について審査を行い、切り花品評会では、持ち込まれた13点の切り花のボリューム・花の揃い等の項目について審査を行いました。
立毛品評会で審査したほ場は、いずれも生育・開花が揃っており、改めて当管内の技術力の高さを確認することができました。また、切り花品評会で入賞した3点は、ボリュームや揃いもさることながら、花の大きさ、葉の艶、花首の締り具合等も素晴らしく、甲乙つけ難い切り花でした。
農業普及・振興課では、今後も切り花品質向上に関する栽培指導を行い、産地における栽培技術の高位平準化を目指します。

2023年2月

次代につなぐ担い手育成に向けて~キュウリ若手生産者勉強会 全5回開催終了~

球磨地域では、近年、新規就農者の定着が課題となっており、産地の維持・発展のためには、新規就農者および若手生産者を中心に経営や栽培に関する基礎知識や技術力の習得および向上が必要となっています。
また、球磨地域の主力品目で、県内一の産地である夏秋キュウリにおいても、若手生産者が13%※と少ないことや個々の技術力の差による反収の違いが課題となっています。
そこで、JAくま胡瓜部会の若手および新規生産者を対象として、8月から12月まで毎月勉強会を開催しました。
勉強会では、球磨農業普及・振興課が高温対策や土壌病害対策、経営分析等に関する講義を行い、農業革新支援センターからも病害虫対策や生育診断に関する講義を行いました。勉強会には、毎回約10名の出席があり、基本技術の習得に加え、キュウリの栽培経験や市町村を超えた交流を深めることができました。生産者からは、技術を向上させ産地維持に役立てたいという声や、JAからもこのような機会は今まで無く、大変良かったとの声がありました。
1月には勉強会で学んだ事を踏まえ、令和4年産の課題整理と次年産に向けた目標設定を行うための座談会を開催し、総仕上げを行う予定です。
今後も引き続き、地域の担い手確保に向けた支援を行っていきます。

※JAくま胡瓜部会における30代までの生産者の割合

2023年1月

RTKドローンの大麦用除草剤(粒剤)散布
後付け自動操舵装着トラクタの耕起作業

RTKを活用したスマート農機実演会[中山間地域向け]の開催

相良村川辺地区及び高原台地にて、RTK(リアルタイムキネマティックの略)を活用したスマート農機実演会を、11月30日に農業技術課と共催で開催しました。RTKとは測量に使用する技術で、電子基準点や基地局設置による補正情報を活用することでGNSS(全球測位衛星システムの総称)よりも精度の高い位置情報を得られ、農機での作業誤差が数cmになるものです。そのため、高齢者や農業を始めたばかりの人でも正確な作業が簡単にでき、その後の作業効率も上がるメリットがあります。
今回は認知度向上のため、RTKを活用した①ドローンによる麦除草粒剤散布、②後付け自動操舵装置装着トラクタによる耕起作業を実演しました
予めほ場をマッピングすることで、ドローン散布の自動飛行や散布圃場の間違いを防ぐことが可能です。実演会では、飛び地のほ場を含めた5か所に連続で粒剤散布と、既存トラクタに後付け自動操舵を取り付けた、自動での直進・旋回・耕起を行いました。
当日は、相良村の生産者や関係機関等を含め約30人の参加があり、参加者からはRTKを活用した農機に興味を持たれ質問等も多く、RTKスマート農業への理解を深めたところです。
今後も、スマート農業の認知・利用拡大に向けた取組みを行っていきます。

2023年1月

経産牛の部 審査講評の様子
経産牛の部 グランドチャンピオン

第41回熊本県乳牛共進会で球磨郡勢が躍進

令和4年11月20日、第41回熊本県乳牛共進会が熊本県家畜市場(大津町)で開催されました。
 新型コロナウイルスの影響により3年ぶりの開催となった本大会には、球磨地域から酪農家7農場と南稜高校より15頭が出品されました。
未経産牛の部では、第1部で大王牧場(人吉市)のDFDチーフ アンナ エコー号、第3部で村田牧場(錦町)のスマイリー ビユーテイー バツクフリツプ カーリー号の2頭が名誉賞首席を受賞。経産牛の部では、第8部で椎葉牧場(錦町)のインテンシヨン クラツシユ デイア号、第9部で田口牧場(錦町)のタグチ チツプ スイート号、第12部で林田牧場(あさぎり町) のスターク バーデイー BモントレラET号の3頭が名誉賞首席及びベストアダ―賞を受賞と、全11部門中5部門で球磨地域が1位を取得しました。
さらに、各部のグランド・リザーブチャンピオンにおいても、
(未経産牛の部)
リザーブチャンピオン:村田牧場 スマイリー ビユーテイー バツクフリツプ カーリー号
(経産牛の部)
グランドチャンピオン:林田牧場 スターク バーデイー BモントレラET号
リザーブチャンピオン:田口牧場 タグチ チツプ スイート号
以上の3頭が受賞し、球磨地域出品牛の躍進が目立つ大会となりました。
農業普及・振興課では、地区大会も含めて、今後も賑わいのある共進会の開催となるように支援してまいります。

2023年1月

有田耕一代表による事例発表
受賞者記念撮影(最前列左から2,3人目が有田夫妻)

全国優良畜産経営管理技術発表で最優秀賞を受賞

令和4年度全国優良畜産経営管理技術発表が、公益社団法人中央畜産会の主催で、11月25日に都市センターホテル(東京都千代田区)で開催され、球磨地域から肉用牛一貫・酪農の複合経営を営む株式会社有田牧場(代表取締役有田耕一氏、錦町)が出場しました。
この大会は、畜産経営の優秀な事例をたたえるとともに、その成果を生んだ経営管理技術を広め、畜産の振興を図るため、昭和61年度から開催される歴史ある大会です。
今大会では、全国から書類選考と現地審査により選出された8経営体の中から、最優秀賞4事例、優秀賞4事例を表彰。当日は、各経営体からの取り組み事例発表後、最終審査が行われ、(株)有田牧場は最優秀賞を受賞しました。熊本県勢の同大会における同賞の受賞は、平成7年度以来27年ぶりの快挙です。
(株)有田牧場は、育種価やゲノミック評価に基づく肉用繁殖雌牛の増頭や稲WCS、イタリアンライグラス等延べ約400haに及ぶ自給飼料の生産などが特に優れているとして評価されました。
農業普及・振興課では、今回の優良経営体の取り組み事例を、今後の肉用牛・酪農経営の生産振興・普及活動に生かしてまいります。

2023年1月

講師の武井弘一教授
講演会の様子

「球磨茶」を深く知る講演会を開催

「球磨茶」は、JAくまが地域団体商標を取得し、関係機関とともに生産振興とブランド力向上を支援しているところです。
今回、JAくま茶業部会出荷反省会開催に合わせて11月18日に相良村ふるさと館にてお茶生産者と関係機関を対象とした「『球磨茶』を深く知る講演会」を、県南フードバレーの事業を活用し県農業研究センターアグリシステム総合研究所との共催で開催しました。
講演は、琉球大学国際地域創造学部の武井弘一教授を講師に招き、『「求麻茶(くまちゃ)」とは何か -琉球で愛された銘茶-』という演題で、“江戸時代の人吉・球磨一帯で生産されていた「求麻茶(球磨茶)」が香り高いお茶として認知・評価され、琉球国で士族から庶民まで好んで飲まれていた”という史実を、歴史書や当時の絵画・写真などを基に結論づける大変興味深い内容でした。
武井教授は人吉市出身で、沖縄県に赴任されてから琉球と球磨地域との交流の歴史を知ったことがきっかけで「茶と琉球人」(岩波新書)を執筆されており、地元ならではの話を織り交ぜながら、「求麻茶」の魅力をご紹介いただきました。講演後には「琉球国へどれくらい輸出されていたのか」「当時の球磨地域で庶民も球磨茶を飲んでいたのか」など参加者から多くの質問があり、生産者も知らないお茶の歴史が「球磨茶」振興の非常に大きなPR材料になると感じました。
今後、まずは地元で一般の方々へ歴史や文化も含めて「球磨茶」をもっと知っていただくイベントを開催する計画です。

2023年1月

4Hクラブ員意見発表
球磨地方4Hクラブ員

球磨地方青年農業者会議の開催

球磨地方青年農業者クラブは、現在13名の若手農業者で組織され、自分の経営や栽培方法を改善するプロジェクト活動に日々取り組んでいます。
去る12月1日に令和4年度球磨地方青年農業者会議が開催され、10名のクラブ員が農業経営への思いや、1年間取り組んだプロジェクト活動の成果を発表しました。
審査の結果、意見発表では錦町の税所万翔さん、プロジェクト発表では多良木町の針馬伸弥さんがそれぞれ秀賞に選ばれました。税所さんは、農業者を目指す仲間との交流の中で変化した思いや、稼げる農業に向けての目標等を、また、針馬さんはメロンの安定生産に向けた2番果着果技術の検討について発表しました。
また、本会議には地元の南稜高校生も参加し、日頃取り組んでいるモモやブドウのブランディングに向けたプロジェクトについて、今後の球磨地域の農業の担い手として力強く発表を行いました。
今回秀賞に選ばれた2人をはじめ、推戴されたクラブ員は、令和5年2月14日に開催される熊本県農業者会議で発表を行います。

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