天草エリア

天草地域は上天草市、天草市、天草郡を所管しています。熊本県の西南部に位置し、大矢野島、上島、下島の三島をはじめ大小120余りの島からなる海岸島しょ地域であり、地域全体が中山間地域となっています。また、年平均気温は16.4℃と県内でも高く、温暖な気象条件を活かした特色ある農業が展開されており、早期水稲、不知火類や河内晩柑等の果樹、レタス等の野菜、トルコギキョウ等の花き、天草大王や天草黒牛等多様な農畜産物が生産されています。また、新規作物としてオリーブ等の導入が進められています。

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天草広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒863-0013 天草市今釜新町3530

電話:0969-22-4262

FAX :0969-22-5054

天草エリア普及現地情報

2025年11月

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設立総会集合写真
九州産交グループ担当者による事業説明

~サクラマチクマモトを天草でジャック~ 九州産交グループと連携したコンソーシアム設立

天草農業活性化協議会(会長:天草市長、事務局:天草広域本部農業普及・振興課)では、天草地域の農林畜水産物の魅力発信を図るため、九州産交グループと連携したコンソーシアム「食のみやこ天草×SO1(※)コンソーシアム」を設立し、食のみやこ熊本県創造コンソーシアム推進事業に取り組むこととなりました。

※SO1とは・・令和6年度(2024年度)に発足した九州産交グループ各社が持つ魅力・サービス・リソースを掛け合わせることで産交(S)のオンリー(O)ワン(1)のコンテンツ創出を目指し、「地域の貢献」、「社会の発展」の実現へ向けた様々な活動を行うプロジェクトの総称

事業の実施に向けて、9月2日(火)に天草市役所でコンソーシアム設立総会を開催し、天草市長を始めとする管内の3市町、3JA等の出席のもと、事業計画等の共有を行いました。
本コンソーシアムでは、11月にサクラマチクマモトで開催する大規模フェア「サクラマチクマモト天草ジャック」の開催や、天草産イチジクをつかったどら焼きの商品開発、天草ツアーの造成等による誘客促進など、九州産交グループのリソースをフル活用した天草産農林畜水産物の魅力発信を行います。
農業普及・振興課では、関係機関や農林水産事業者との連携を強化し、本事業の効果的な実施を目指します。

2025年11月

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セミナーの様子
商品の具体的なアドバイスの様子

~農林水産事業者のスキルアップを目指して~ 天草産農林畜水産物の商品力強化セミナーの開催

天草広域本部農業普及・振興課では、関係機関との連携のもと「天草産農林畜水産物の魅力発信プロジェクト」に取り組んでいます。
9月3日(水)に天草広域本部にて、フンドーダイ(株)マーケティングディレクターの松永千代蔵氏を講師に招聘した商品力強化セミナーを開催しました。
セミナーでは、どのような視点で商品開発を行うべきかという商品開発のポイントや、どういった情報がバイヤーに求められているのかといった自社製品のPRの仕方などについての講義に加え、参加者が持参した商品について、パッケージの改善点などについて個別具体的なアドバイスをいただきました。
当日は、農業者や水産事業者、関係機関等から約15名の参加があり、具体的なアドバイスを受けた農業者からは、普段聞くことができない具体的な話を聞くことができて、新たな知見を得ることができたという意見や、今後の商品開発の参考になったという意見が聞かれ、有意義なセミナーとなりました。
今後、フンドーダイ(株)と連携したフェアの開催が合志市の志来菜彩で予定されており、本セミナーによりスキルアップした事業者にとって、有意義なテストマーケティングの場となるよう、農業普及・振興課としても引き続き支援を行っていきます。

2025年11月

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個別面談の様子
個別面談資料

新規就農者(ミニトマト・きゅうり)個別面談の実施

天草農業普及・振興課では、「新規就農者の確保と定着支援」を重点課題として位置づけ、不知火、ミニトマト、きゅうり、トルコギキョウの4品目を栽培する新規就農者への支援を行っています。
今回は、その活動の一環として、8月中旬から9月上旬にかけて、ミニトマト・きゅうりを栽培する新規就農者8名への個別面談を実施しました。個別面談には、JA、市町、新規就農支援アドバイザーにも出席いただき、当課担い手支援班より、令和6年度青色申告決算書を基にした経営分析と、野菜・花き産地づくり支援班から前作の振り返りと今後の目標について助言指導を行いました。また、今回から経営課題発見チェックシートを作成し、経営管理面、栽培管理面、販売・コスト管理面、作業・労務管理面といった多方面から自身の経営を見つめなおす機会を作りました。その結果、新規就農者一人ひとりの課題が明確となり、今後の経営戦略について考える大変有意義な面談となりました。
当課では引き続き、新規就農者が安定して農業経営を続けていけるよう、関係機関一体となって伴走型支援を行っていきます。

2025年11月

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基盤整備4年後のポンカン園地
現地見学会の様子

かんきつの生産基盤強化に向けた取り組み ~小規模基盤整備現地見学会の開催~

天草の農業、とりわけ、中山間の傾斜地といった園地条件の厳しいかんきつ栽培では、園地の集積と作業効率の良い園地作りができなければ、近い将来に農地の大部分が失われ、‘天草’という歴史あるカンキツ産地が維持できなくなる可能性すらあります。そこで、天草地域では、県・市・JAが一体となり、露地かんきつ栽培の園地基盤整備を重点課題として、その推進や導入支援を行っています。その取り組みの一環として、7月22日に小規模基盤整備現地見学会を天草市主催で開催しました。この見学会は、4年前に基盤整備を実施した園地が今どのようになっているかを見てもらい、基盤整備後の将来像をイメージしやすくすることで、基盤整備に興味のある生産者にさらにやる気になってもらおう、という主旨で企画されたものです。見学会には生産者10名を含む20名ほどが参加し、まずは基盤整備後の園地を視察した後、場所を室内に移して、園主の体験談の発表や意見交換を行いました。園主からは、基盤整備を行ったことで作業効率が格段に良くなったこと、また、各種補助事業の活用により費用の自己負担はあまり大きくなかったこと等、基盤整備におけるメリットや費用に関する不安を払拭する話があり、参加した生産者は熱心に耳を傾けていました。その後の意見交換の中では、盛土規制法の適用開始による手続きの煩雑化や費用増嵩を懸念する声があり、盛土規制法への対応が基盤整備を今後推進する上での一つの課題であることが共有できた良い機会となりました。今回の見学会のような取り組みを重ねていくことで、天草地域の農業生産基盤の強化に努めてまいります。

2025年11月

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成熟期の草姿 (左:にじのきらめき、右:コシヒカリ)
収穫期の調査

早期水稲の収穫開始!

天草地域の早期米「コシヒカリ」の収穫が7月下旬から始まりました。今年は移植期の気温が低く、活着不良が懸念されたものの、その後、好天となったことで生育は旺盛となり、収穫開始は平年より5~7日早くなりました。なお今年産は、「令和の米騒動」により、米価が上昇していることもあり、生産者も例年以上に管理を徹底されています。また、収量は平年よりやや多くなる見込みですが、出穂期以降の高温・乾燥、収穫間際の降雨による倒伏等により、品質の低下が懸念されています。
当課では、ポスト「コシヒカリ」として有望視している「にじのきらめき」の天草地域での適応性を確認するため、管内の地域営農組織5組織で現地試験しています。「にじのきらめき」は、「コシヒカリ」同様、生育も旺盛ですが、背丈が低いこともあり、倒伏は全く見られませんでした。また、今後詳細を調査する予定ですが、達観で粒が大きく、収量は「コシヒカリ」以上になると予想されます。
「令和の米騒動」を受け、現場からは高品質かつ多収となる水稲栽培技術や品種の普及を求められています。本課では、関係機関と連携しながら、現場のニーズに応えた技術の普及を推進していきます。

2025年11月

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より良い地域営農組織の実現を目指して~天草地域営農連絡協議会 連携会議を開催~

管内の地域営農組織(13法人、3任意組織)の構成員が一堂に会し、課題を共有するとともに、その解決への方策を検討することを目的として、天草地域営農連絡協議会主催の連携会議が7月25日(金)に開催されました。
天草広域本部農業普及・振興課では、早期水稲の稲刈りシーズンを目前に控え、農作業安全と熱中症対策の情報提供を行うとともに、持続可能な組織への転換(世代交代や経営継承等)や、夏場の畦畔管理の効率化に関する情報提供を行いました。また、今年度から管内の地域営農組織5法人で試験栽培を開始した水稲新品種「にじのきらめき」の中間検討会も併せて実施しました。
管内の地域営農組織は最も歴史の浅いものであっても、設立後10年を経過しています。しかしながら、世代交代できずに執行部の平均年齢が70歳を超えた組織も珍しくなく、持続可能な組織への転換は喫緊の課題となっています。そこで当課では、ロールモデルの一つとして多くの組織の背中を押せるよう、「Iターンの若者による地域営農組織の経営継承」など、管内における世代交代に向けた実際の動きについて、情報共有を行いました。
以上、当課では「持続可能な組織への転換」を常に意識しながら、今後とも地域営農組織の支援を行っていきます。

2025年11月

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全体研修の様子
分科会(果樹)の様子

第1回天草地域新規就農者勉強会を開催~新規就農者の早期定着に向けて~

農業普及・振興課は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者を対象に、関係機関と連携して、重点普及課題「新規就農者の確保と定着支援」に取り組んでいます。個別指導に加え、集合形式による勉強会を年3回計画しており、今年度1回目の勉強会(集団指導)を7月2日に天草広域本部において開催しました。
当日は、新規就農者や天草拓心高校など関係機関から合計22名の参加があり、第一部の全体研修では共通テーマの「農作業安全(熱中症対策と農作業事故防止)」及び「鳥獣被害対策」について、第二部の品目別分科会では「栽培技術」について、農業普及・振興課より講義を行いました。
講義後のアンケートでは、参加者のほとんどが概ね理解できており、「全体的に話が分かりやすかった」、「改めていろいろと勉強になった」等の声が聞かれました。分科会の意見交換では活発な質疑も行われる等、新規就農者の積極的な姿勢が見られました。
引き続き当課では、個別指導とともに勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2025年8月

講義の様子

高校生が天草の農業を知り、理解を深める

熊本県立天草拓心高校においては、「天草学」と称し、地域の理解を深め、探究活動の素地を養う活動を展開しています。生徒たちが地域の魅力や課題に気づくきっかけづくりとして6月13日、「天草農業の現状と課題」というテーマで1年生(希望者約50名)を対象に講義(同じ内容を3回)を行いました。
講義内容は人に焦点を充て、農家数及び担い手の減少、高齢化、特に天草地域の高齢化は県平均より10年進んでいることなど、現状と課題を講義しました。
これらの課題に対して、当課が関係機関と取り組んでいる「新規就農者の確保と定着支援」の取組内容、水稲などの土地利用型作物を中心とした地域営農法人による営農活動及びスマート農業の取り組みなどを紹介しました。
今回の講義により、天草農業の現状を知り、農業の魅力と可能性に気づき、少しでも農業という産業に興味を持ち、農業を職業選択肢の一つにして欲しいと思います。

2025年7月

審査の様子
審査圃場

トルコギキョウ立毛品評会開催

農業普及・振興課では、JAあまくさと連携し主要品目であるトルコギキョウの産地の維持及び発展に取り組んでいます。
トルコギキョウの品質は収穫前にほ場内で行う枝・芽整理(以下、芽整理)の適期実施が一つのポイントであり、この芽整理技術の高位平準化が産地の課題となっています。当課では個別面談や集団指導の場で芽整理技術の指導を行っており、取組状況を評価する立毛品評会を令和5年度より実施しています。
例年は12月出荷の一番花の品評会しか行っていませんでしたが、今年度から6月出荷の二番花についても品評会を行うこととし、5月8日に生産者9名のほ場で審査を行いました。この審査結果は生産者にとって生育や芽整理状況、品質を客観的に確認するものとなり、当課、JAあまくさにとっては、今後産地としてさらなる品質向上に必要な芽整理の適期作業や病害虫防除の徹底が必要だと気づかされるものとなりました。また、品評会には、経済連の指導担当や農産園芸課にも参加いただき幅広い意見をいただくことができました。
当課では引き続きトルコギキョウ品質の高位平準化に向けた取り組みを進め、消費地から選ばれる産地づくりを支援していきます。

2025年7月

天草地方青年農業者クラブ連絡協議会通常総会の開催

5月27日(火)、天草市複合施設「ここらす」において、天草地方青年農業者クラブ通常総会が開催されました。天草地方4Hクラブは現在9名で活動しており、来賓を含め28名(うちクラブ員7名、新規就農者2名)の参加がありました。今年度、役員改選が行われ、苓北町・天草市を拠点にあまくさ晩柑等の柑橘の栽培と加工を行う果樹農家の山下裕太郎氏が新会長に選任されました。山下会長は、プロジェクト活動を通した農業経営の向上と県大会での総合優勝を目標に掲げ、魅力的なクラブ活動を続けることで新規クラブ員の勧誘につなげるといった思いをクラブ員に向けて語られました。また、今回は総会に新規就農者を招くことで天草4Hクラブの活動を知っていただき、クラブ員勧誘につながる取組を行うことができました。
総会終了後には、本年度のプロジェクト活動について、品目ごとに班分けを行いクラブ員と担当普及員の面談形式での検討会を行いました。検討会では、自身の経営での問題や課題について整理を行い、それらの課題解決に向けた目標設定を行いました。
当課では引き続き、プロジェクト活動や新規クラブ員の確保など4Hクラブの取組を支援し、天草の将来を担う若手農業者の育成に取り組んでいきます。

2025年6月

講習会の様子
2月のジベレリン散布の様子

「熊本EC12」の生産安定に向けて

令和6年産から本格的な販売となった「熊本EC12」(ゆうばれ)は、初結果時に着花過多になりやすく、樹勢の低下や隔年結果への懸念があるため、当課では研究成果情報をもとに展示ほを設けて、安定生産に向けた技術の普及を行っています。
4月28日、JA本渡五和の「熊本EC12」生産者を対象に栽培講習会を行い、当日は約10名の生産者およびJA関係者の参加がありました。当課から結果母枝の切り返しやジベレリン処理の目的、方法および展示ほの試験結果の説明を行いました。結果母枝の切り返しを行った試験区については慣行区と比較して顕著に抑制効果が確認でき、ジベレリン処理の試験区については、やや抑制効果が得られました。説明後にはジベレリン処理について、また開花後の管理についての質問や意見交換がありました。今後JAあまくさやJAれいほくの生産者へも紹介し、安定生産ができるように支援していきます。
また、天草管内の本年産は着花量が全体的にやや多いですが、気温が低く推移している事から、満開は昨年より2週間、平年より数日遅れる見込みです。

2025年6月

連絡協議会での試食会
「にじのきらめき」育苗状況

高温耐性水稲品種「にじのきらめき」の試験栽培開始!

天草地域の水稲作付面積の7割以上を占める早期水稲は、例年3月末から4月中旬にかけて田植えが行われます。主力品種の「コシヒカリ」は、強風に弱く、倒伏しやすい欠点があり、近年では、高温障害による品質や収量の低下も問題となっています。
当課では、高温耐性品種「にじのきらめき」を「コシヒカリ」の代替候補として、天草地域の早期栽培での適合性を確認するため、令和6年度から展示ほを設置し調査を行っています。「にじのきらめき」は、「コシヒカリ」に比べ、倒伏しにくく、収量は1.3倍という展示ほの結果を天草地域営農組織連絡協議会で報告するとともに、食味を確認してもらうための試食会を行う等、推進を図ってきました。
その結果、多くの組織が興味を示され、令和7年産早期水稲で、5つの組織で「にじのきらめき」の試験栽培に取り組む方針となりました。当課では種子の確保と組織への配布を行い、4月2日の「農事組合法人 あまくさ夢有ランド」を皮切りに田植えが行われました。
「にじのきらめき」は、熊本県の令和7年産水稲産地品種銘柄に追加され、生産者からの期待も高まっています。一方で、天草地域の早期水稲で普及し得る品種であるか、正確なデータ収集が必要となります。今後は、現地での生育特性を把握しつつ、現地検討会を実施し、生産者に向けて情報を発信していきます。

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