2018年のエリア普及現地情報

2018年12月

キュウリ農家の所得向上を支援する取組み

当課では、JAの技術指導・経営指導担当とともにプロジェクトチーム(以下PT)を組み、キュウリ農家の所得向上支援に取り組んでいます。
PTでは、7月に14戸の農家に対して個別面談を実施し、収量や販売金額の目標設定とその達成に向けた各農家の栽培計画を策定しました。
またPTでは、各農家を個別に巡回し、栽培計画に基づいた定植や収穫作業及びハウス内の温度・湿度などの栽培管理チェックと指導を行っています。8月から10月の巡回時には、かん水管理やウイルス病を媒介する微小害虫対策の指導を重点的に行い、初期生育の重要性を周知しました。
当課では、今後も本取組みを継続することで、農家自らの「気づき」、「考え」、「実践」を促し、儲かる農業の加速化を図っていきます。

2018年11月

~未来へつなげカンキツの島“あまくさ”~

天草柑橘産地の維持発展のために、柑橘園地の基盤整備・園地集積等を推進する講演会を8月31日に開催しました。 
講演会は、天草農業活性化協議会果樹部会が主催となり、管内果樹生産者を中心に140名の参加がありました。
講演内容は、農地整備課による「天草地域における果樹園地基盤整備について」と、(株)不動岩果樹園代表取締役社長立山誠一氏による「基盤整備と私の経営」と題した基調講演が行われました。   
真剣に聞き入る参加者からは、「糖度を上げるコツは?」「幼木の育成法は?」など多くの質問があり、基盤整備の関心の高さがうかがえ、「これからのみかん作りに大変参考になった。」等好評でした。
当課では、生産者の基盤整備意欲に火が付いてるうちに、担い手への農地集積と併せてスピード感を持って関係機関と協力して推進していきます。

2018年10月

土壌水分状態を「見える化」し、合格率UP

近年、加温不知火類栽培では、秋期の高温多雨の気象に対応した水分管理が難しく、果実糖度が低い傾向にあります。このため、当課では昨年度、土壌水分目視計設置園を設け、生産者に適正水分状態を見えるようにしました。その結果、果実糖度の上昇効果が得られ、他の生産者も興味を示したことから、今年度は展示ほを11か所に増設しています。
目視計は、破損しやすいことや測定部を土壌と密着させること等に注意する必要があるため、当課とJA指導員で設置しました。今後は目視計の記録を生産者が行い、その記録と果実分析の結果をもとに、かん水のタイミングや量を指導していくこととしています。
また、当課では各ほ場の土壌に適した水分量の指標作成に取り組む等、土壌水分状態を「見える化」することにより、デコポン合格率向上を図っていきます。

2018年9月

iPadで「見える化」 ~夏場の牛のSOS~

今夏も暑熱により乳量が減少する等、酪農家における暑熱対策は年々重要度が増しています。そこで、当課では暑熱対策指導にタブレット端末(iPad)の活用を開始しました。
一般的に牛に対する暑熱ストレスは、温度と湿度から得られる「THI」という指標を用いて、ストレスの程度を判断しますが、算定式が複雑なため、これまでは現地で示すことができませんでした。
このため、今年から現地でiPadを用いて「THI」を計算し、暑熱ストレスの程度の「見える化」を図っています。酪農家からは「牛へのストレスの程度が一目で分かり、今後の暑熱対策の改善が行える」という意見が聞かれました。
夏場の牛のSOSを現地でICT等を活用し「見える化」することで、対策の改善につながりました。今後も指導を継続し管内での暑熱被害ゼロを目指します。

2018年8月

魅力発信!あまくさ晩柑フェア2018

みなさん、「あまくさ晩柑」をご存知ですか?「あまくさ晩柑」とは天草地域で生産された河内晩柑のことです。全国2位を誇る熊本県の河内晩柑生産量のうち、62%が天草地域で生産されています。
これまで当課では、晩柑の酵素剥皮技術導入を機として、本渡商工会議所等と連携を進め、3年前から晩柑を用いたスイーツや料理を提供する「あまくさ晩柑フェア」を開催しております。
本年度も6月中旬から7月末まで、「あまくさ晩柑フェア2018」が開催され、プレイベントとして試食会が行われました。参加店28店舗39商品の中から、工夫を凝らした商品が多数並び、多くの報道関係者も訪れました。
当課では、あまくさ晩柑フェアを通した特産品PRや地域振興のための活動に取り組み、地域が主体となって活動できるよう支援を行っていきます。

2018年7月

餌から肉まで天草で。天草の「箱入り黒牛」

現在、全国には多くのブランド牛があり、その中で「天草黒牛」は地元を含め知名度があまり高くありません。この状況を踏まえ、地元での消費拡大を目指した新たな取組が始まっています。
本取組は、組織設立・地元での消費拡大活動に取り組む秋田県での事例にヒントを得て、天草地域でも取り組むことが出来ないかと当課が提案したものです。 
今回は、第一段階として関係者を対象に、4月5日にホテルでの試食会、4月11日には試食会のアンケート結果を基にした会議を開催しました。参加者からは、季節ごとの催しの提案等、第二段階への前向きな意見が多く出されました。 
天草では前月号掲載の「飼料の地産地消」と共に、地元での「天草黒牛」に対する知名度を高め、数年後には消費者も含めた「チーム天草」で全国に進出していけるよう取り組んでいきます。

2018年6月

天草黒牛の飼料だって「地産地消」

昨年度天草地域では、平成27年度と比べ、飼料用米の作付面積が1.7倍、籾米サイレージ(SGS)給与農家戸数が9倍まで拡大しています。一方で、飼料用米栽培者とSGS利用者の顔がお互いに見えない状況であるため、互いのニーズが把握しづらく、作付と利用の両面から更なる普及は難しい状況となっていました。
そこで、当課では栽培者と利用者のマッチングの場として、3月12日に「飼料用米耕畜連携会議」を初めて開催しました。当日は26名の参加があり、堆肥の活用や病害虫の防除法等、栽培者と利用者双方の観点から積極的な意見交換がなされました。
今後は、管内で生産されたSGSと粗飼料を利用したTMR(完全混合飼料)の推進にも取り組み、現在59%に留まる「あまくさ飼料自給率」の向上に取り組んでいきます。

2018年5月

手作り特産加工品で、天草の魅力よ届け!

天草地域36の加工グループで構成された「天草地方農漁村活性化グループ連絡協議会」は、加工品のPRや販路拡大を目的として、平成29年度から県庁販売会を実施しています。
本年度第1回の販売会を11月に開催しましたが、商品の偏りや売れ残りなど販売面での課題が見つかりました。そのため、多様な品揃えの計画や各商品での試食の実施など、より消費者を意識した改善策について役員会で検討しました。
これらの改善を2月の販売会で行った結果、前回比で販売個数・売上が3割増加しました。「前回よりにぎわって良かった」との会員の声も聞かれ、販売方法等の重要性を考える良い機会となりました。
今後当課では、商品づくりなどの技術支援だけでなく、様々な販売機会を設けるなど販売手法等にも着目し、会員の活動支援を行っていきます。

2018年4月

就農定着に向けて

当課では、天草地域の70名を超える認定新規就農者の栽培技術や農業経営力向上を目的に、今年度新たに市町毎に設置されたサポートチームの一員として関係機関と連携した活動に取り組んでいます。
特に、認定新規就農者が50名を超える天草市に対しては、7月に対象者全員の面談を行い、1月には、現地ほ場等を巡回し、それぞれの課題把握や栽培管理の改善等に向けた指導を行いました。
この他にも、農業に係る基本技術習得の契機とするため、全5回の講座制による「天草地域農業基礎セミナー」や新規就農者相互の連携を図るため「天草ニューファーマーズネットワーク」の設立等の支援を行いました。
今後も、新規就農者の円滑な就農定着に向け、関係機関との連携をより一層図りながら就農支援体制の整備に取り組んでいきます。

2018年3月

天草農業未来会議「冬の集い」初開催!

12月14日に青年農業者や新規就農者、農業高校の学生が一堂に会して「天草農業未来会議『冬の集い』」を開催しました。
天草地域は、県内でも新規参入やUターンによる就農率が高く、就農ルートの多様化が進んでいます。
そこで、農業普及・振興課が青年農業者及び新規就農者、農業高校等の様々な立場の農業者をコーディネートして、「天草農業未来会議」を通じて、ネットワークづくりに取組みました。
当日は、新規就農者への激励や4Hクラブの意見・プロジェクト発表、農業高校の研究発表等を通じて、技術や情報の取得、農業者相互の連携を図りました。
今後も、農業普及・振興課は、次世代を担う農業者の育成と先進的農業者や関係機関が一体となった体制構築を支援します。

2018年2月

さらなる鳥インフル防疫体制強化を目指して

渡り鳥の飛来による高病原性鳥インフルエンザの発生に備えて、11月9日に天草市五和町体育館で行政や農業団体など約80名参加のもと防疫演習を開催しました。
今回の演習では、管内で発生した際の支援センターの運営を実務担当者に実演してもらいました。参加者のアンケート調査では、自分の役割のイメージが掴めたという意見が多数ありました。
また、今回の開催に際しては、管内の養鶏農家にも呼び掛け、鶏舎へのウイルス侵入対策や異常な鶏を発見した時の早期通報の手順などを農家とともに再確認し、地域一体となった防疫体制が構築できるよう防疫意識を高めました。
万が一発生した際には、行政、関係団体、養鶏農家が一体となり適切な対応ができるよう、今後も研修会や会議を通して体制強化を図ります。

2018年1月

「オリーブの島“天草”」を目指して

10月7~9日にかけて、今年で5回目となるオリーブ収穫祭が、天草市五和町の(株)九電工で開催されました。収穫祭では、収穫体験や搾りたてオイルのテイスティング等も行われ、多くの来場者で賑わいました。
これまで天草市では、オリーブを通じて6次産業化や地域振興に取り組み、現在では34haで栽培が行われています。本年は、結果樹齢に達した園が多く、また、開花時の天候に恵まれたこともあって、過去最高の4.2tの総収量を得ることが出来ました。
農業普及・振興課では、オリーブ導入当初から、病虫害の防除やせん定等の栽培技術指導を行ってきました。
今後も、オリーブ栽培へ参入した企業とともに、天草市の地域活性化に向けた取り組みを推進していきます。

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