2024年のエリア普及現地情報

2024年10月

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「高浜ぶどう収穫祭」の開催

天草市天草町の高浜地区振興会が、特産化を目指して栽培している「高浜ぶどう」の収穫祭を9月1日に開催しました。
当日は、台風10号の影響も心配されましたが、地区住民や地元小中学生、ボランティアら65人が参加し、朝から収穫や調整作業を行い、昨年同様の1260kgが収穫されました。収穫物は熊本ワインファームで醸造された後、11月上旬に「高浜ワイン」として販売され、管内ホテルでの試飲会も計画されています。
「高浜ぶどう」は明治時代から栽培が始まったとされ、多くの家の軒先などで栽培が行われていました。その後、病害虫や台風などの影響を受け、同地区に残るぶどうの木は1本のみとなってしまいましたが、2009年に振興会が「高浜の風景をもう一度よみがえらせたい」という思いから活動し、今では地区内で100本ほど栽培されるようになりました。
当課は、生産が低迷していた頃、樹勢回復の相談を受けたことをきっかけに、挿し木の方法や栽培管理など長年にわたり関係を続けており、昨年度からは消費拡大についても支援を始めたところです。
今後も引き続き、この地域での取り組みを支援していきます。

2024年10月

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樹園地の小規模基盤現地見学会を開催

天草地域の樹園地は山の中腹にあることが多く、1園が小面積であったり、傾斜地のため作業性が悪かったりします。このため集約を伴う基盤整備を推進しており、本年は7月から講習会や地区総会などの場を借りて必要性や利点の説明を行ってきました。
今回8月20日に天草市、JA本渡五和、JAあまくさ及び当課が共催で令和5年度に小規模基盤整備を行った園地の現地見学と意見交換会を開催し生産者21名、関係機関11名が参加しました。
現地では新規就農者が整備を行った水田転換園と廃園の再整備園の2か所で排水対策や作業性改善のために行ったことなどを、意見交換では農地の貸借や事業に係る留意点など若手生産者を中心に活発な意見交換が行われました。
産地維持のためには担い手への集約や防除や収穫作業の負担が少ない園地への転換が必要なため、引き続き基盤整備の推進に取り組んでいきます。

2024年10月

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集落営農組織の今後のあり方を検討!

天草管内の集落営農組織の構成員が一堂に会し、それぞれの課題を共有するとともに解決策を検討することを目的として、天草地域営農連絡協議会(天草管内の集落営農組織、各市町、JAで構成)主催の連携会議が8/22に開催されました。
農業普及・振興課では、連携会議の参加者らが自らの組織の今後のあり方を考える「きっかけ」となることを意図し、いわゆる「二階建て方式」等に代表される組織の広域化、経営内容や農地利用の見直し等の方向性を提示しました。
その結果、参加者からは「高齢化で単独法人では近い将来、必ず立ち行かなくなる。広域化は待ったなしの状況だ」という声や、広域化の具体的な事業スキームの提案をいただくなど、今後につながる会議となりました。
さらに当課からは、畦畔管理労力の削減を目指したグランドカバープランツの実証試験の紹介やカボチャ等の高収益作物に対する支援の方向性、天草地域のポスト「コシヒカリ」と位置付けている水稲新品種の試験状況について説明を行いました。
今後、当課では個別具体的な事柄について組織毎に対応を行うこととしていますが、その内容について可能な限り連携会議で情報共有し、天草管内の集落営農組織全体の意識高揚や経営管理能力の底上げを図って参ります。

2024年9月

適正着果の目安となるモデル樹作成の様子
ラベル付けした果実

露地デコポンを上手につくるために

天草地域は露地デコポンの県内主産地の一つであり、本年産については果実肥大が良好な一方で、昨年秋期の高温・少雨の影響で、着果が少ない園や樹勢が低下している園がみられています。また、近年夏場の裂果が問題となっており、対策が必要となっています。
このような状況を踏まえ、7/12、7/26に管内2地区(うち1地区は非共販)で柑橘の栽培管理講習会を開催し(各10名程度参加)、裂果が多い園地での摘果方法やかん水の推進など裂果対策を中心に説明を行いました。講習会後は生産者の園地にて「摘果実習」を行いました。
最終着果量を把握してもらうため、摘果の目安となるモデル樹を作成したほか、目標階級である2Lサイズの果実に目印をつけ、摘果作業の理解促進を図りました。また、近年中晩柑類でも日焼け果が増加しているうえ、梅雨明け以降晴天日が続いていることから、温州みかんの摘果方法(手間や費用がかからない日焼け果防止策)の1つである樹冠表層摘果について紹介し、実演しました。早速園主さんが実践され、「お金と手間はかからんけど慣れるまでは頭を使うなぁ」といった反応でした。
生産者からは、温暖化による露地デコポンの作りにくさ(青果率の低下)を指摘する声が多く、当課では、本年産の生育や気象データを生かしながら、露地デコポンの青果率向上に向けた取組に力を入れて支援していきます。

2024年9月

研修会の様子
研修会の様子

施設デコポンの省力化と品質向上に向けて

屋根掛け栽培不知火は、気候変動により露地栽培で問題となっている裂果やこはん症が発生しにくく、また、加温栽培と比較してコストがかからないことから生産者の関心が高まっており、屋根掛け施設新設の相談もあっています。
そのような中、7/5にはJA本渡五和の部会で摘果技術の向上と生産安定を目的とした、屋根掛け不知火の研修会が開催され、20名の参加がありました。当課からは、R5年に果樹研究所から出された省力化技術(二本主枝仕立て)の紹介や、直近で問題となっている着色不良・低糖対策としてのシートマルチの導入について、管内で調査したデータや研究成果情報を用いた説明を行いました。JA指導員からは夏場の管理について講習があり、研修後には全園を巡回し、病害虫の発生調査や摘果の進捗について確認を行いました。本年は降水量が多く、生育ステージも早まっていることから肥大は良好で目立った病害虫の発生もありませんでした。
巡回時には、「この樹齢の樹を二本主枝にしたいが樹勢は落ちないだろうか」といった質問が出たほか、マルチを実施している園で効果について話し合う姿がみられるなど、省力化や高品質化について考えるきっかけがつくれたことは良かったと感じます。
当課では、今後も関係機関と連携し、施設栽培不知火の生産安定に向けた支援を行っていきます。

2024年9月

拓心高校 肉用鶏「天草大王」の飼養に新規参入

天草地域は、天草大王の県内生産量の約8割を占める一大産地です。
しかしながら、高齢化等の理由により、近年の生産者数は減少傾向です。そのような中、熊本県立天草拓心高等学校から、肉用鶏「天草大王」を新規で飼養したいとの相談を受けました。
農業普及・振興課では、熊本県高品質肉鶏推進協議会等(※注1、以下協議会)の関係機関と連携して、新規参入の支援を行いました。具体的には、生産のための条件説明や飼養管理技術指導、既存生産者との意見交換を行いました。その結果、協議会の承認を受けて、令和6年8月20日に初回のひなが導入されることとなりました。
肉用鶏「天草大王」の肥育を高校が行うのは、県内初の事例です。高校からは、ひな導入を楽しみにしているとの声があり、将来の畜産担い手確保や天草大王の魅力発信、㏚につながると期待されます。
今後も、当課では天草大王の安定生産に向けた取り組みを引き続き行って参ります。

2024年9月

第1回勉強会(経営+品目別分科会)を開催~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~

農業普及・振興課は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、重点普及課題「新規就農者の確保と定着支援」に取り組んでいます。本年度は個別指導に加え、集合形式による3回の勉強会を計画し、7月11日に第1回目の勉強会(集団指導)を天草広域本部において開催しました。
当日は、新規就農者及び関係機関から22名の参加があり、第1部は共通テーマの「経営講座」を行いました。農業経営相談所の有働中小企業診断士から青色申告等の講義をしていただきました。また、第2部として品目別分科会「栽培技術講座」を実施しました。
新規就農者からは、「青色申告を通じた経営分析の大事さがわかった」、「自分の土地にあった栽培方法を探し続ける重要性がわかった」等の声が聞かれました。
引き続き当課では、個別指導とともに勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2024年8月

総会の様子
(農)宮地岳営農組合による事例発表

令和6年度天草農業経営者協議会総会が開催

6月21日、天草広域本部において、「令和6年度天草農業経営者協議会総会」が開催されました(関係機関含め参加者31名)。
総会においては、今年度普及指導協力委員(指導農業士)の委嘱を受ける経営体への委嘱状の交付及び令和5年度熊本県農業コンクール大会入賞者の紹介を行いました。その後、地域農力部門において秀賞を受賞した「(農)宮地岳営農組合」の事例発表がありました。
宮地岳営農組合は、宮地岳地区全体を一つの圃場と考え、地域の受け皿として活動しています。事例発表では、場所ごとに肥料の施肥量を変える可変施肥の取組みや農村型地域運営組織(農村RMO)などが紹介されました。
天草広域本部としましても、スマート農業の一層の推進とともに、優れた農業技術、経営能力等を持ち地域において先導的な役割を担っている経営者協議会の活動を支援し、後継者育成並びに地域農業の振興を図って参ります。

※「天草農業経営者協議会」とは、天草地域における熊本県農業コンクール大会入賞者と普及指導協力委員で構成(会員24戸)。

2024年7月

天草地方青年農業者クラブ連絡協議会通常総会の開催

5月29日、天草広域本部において天草地方4Hクラブの通常総会が開催されました。天草地方4Hクラブは現在9名で活動しており、本年度は、来賓を含め24名(うちクラブ員8名)の参加がありました。総会では役員改選が行われ、新会長には昨年度行われた全国青年農業者会議で農林水産大臣賞を受賞した舩田幸平氏が選任されました。新会長あいさつでは、プロジェクト活動による農業経営の向上、2年連続の全国大会出場などを目標に掲げ、年々減少するクラブ員の新規勧誘による活動の活発化に向けた熱い思いがクラブ員に向けて語られました。
総会終了後には、本年度のプロジェクト活動について、面談方式の検討会で各クラブ員が担当の普及員と意見交換し、自身の農業経営で抱える問題や課題について整理しました。その後目標を設定し、本年度の取組みについて検討を行いました。検討会が進むにつれて、品目を超えてのアドバイスやクラブ員同士で意見交換する場面も見られるなど、有意義な検討会となりました。
当課では引き続き、県外視察研修や新規クラブ員の勧誘など4Hクラブの活動を支援し、天草の将来を担う若手農業者の育成に取り組んでいきます。

2024年7月

連携会議の様子

~新規就農支援機関の連携強化に向けて~第1回天草地域新規就農サポート連携会議を開催

天草管内の新規就農支援機関の連携を強化するため5月15日、第1回天草地域新規就農サポート連携会議を開催しました。広域本部、市町、JA、就農支援アドバイザー計15名の出席があり、天草地域での近年の新規就農状況や、今年度の新規就農に係る事業計画の共有、県内でもトップクラスの支援体制を誇る天草市の事例紹介等を行いました。
天草市は新規就農サポートセンターを設置しており、市独自事業であるお試し研修制度(12万円/月の給付、原則3ヵ月間、就農しなくても返還不要)や、新規就農者向けの勉強会の開催、県外で開催される就農相談会への参加による新規就農者確保の取組み等について市の担当者より紹介がありました。
天草市の支援制度に対し、出席者からは新規就農サポートセンターができたおかげで新規就農者への相談対応が非常にしやすくなったという意見や、お試し研修制度は非常にいい制度であるとの意見がありました。実際に農業を体験したうえで農業への適性を確認することができるため、新規就農者にとっても支援機関にとってもメリットの大きい制度となっており、新規就農者の確保の一助となっています。
天草広域本部としても、管内の新規就農者への支援体制が強化されるよう引き続き関係機関との連携強化に努めて参ります。

2024年6月

天草広域本部と天草市イルカセンターで共同開発した新商品「ザクっとSURIMI」販売開始

天草広域本部では、「天草産農林水産物の魅力発信による天草地域の活性化プロジェクト」として、農林水産部を横断したプロジェクト活動を行っています。
その中で、天草農林水産物の地産地消及び魅力向上を目的とした「イルカセンター名品プロジェクト」と題して、天草に来ないと食べられないテイクアウト商品をつくることを目標に、昨年10月から、天草広域本部各課、イルカセンター、地域おこし協力隊、県水産研究センターが共同で、3回にわたる試作会及び打合せ、2度の試験販売を行うなどして完成したのが、新商品「ザクっとSURIMI」です。
「ザクっとSURIMI」は、天草漁協で作られる鮮度抜群の魚を使った「魚肉すり身」に天草名品「あおさ」を練りこみ、コーンフレークを衣にして揚げた商品であり、すり身らしからぬ見た目とザクザクとした食べ応えのある食感が最大の魅力です。また、相性抜群のあおさマヨソースが、すり身の美味しさをさらに引き立てます。
令和6年3月20日には、イルカセンターで、新発売記念イベントを開催し、魚の詰め放題やくまモンによる新商品PRを実施しました。4月27日から週末限定で販売開始され、数量限定で売り出し、午前中に完売するなど、好評です。
本商品が天草の看板商品となり、イルカセンターの売上増加を通じた農業者の所得向上に繋がるよう、引き続き支援を行って参ります。

2024年6月

~農林水産事業者の6次産業化・販売活動支援による経営改善~ もっと、もーっと#天草知ろうフェア&マルシェin大丸福岡天神店

天草広域本部では、「天草産農林水産物の魅力発信による天草地域の活性化プロジェクト」として、若手職員を中心とした農林水産部を横断したプロジェクト活動を行っています。
その一環として、福岡都市圏における天草産農林水産物の消費拡大を図るため、令和6年3月6日~12日にかけて、大丸福岡天神店の食品売り場3店舗(精肉、鮮魚、青果)にて「天草フェア」を開催しました。
また、3月8日~9日には、大丸福岡天神店パサージュ広場にて「天草マルシェ」を開催し、天草管内から果樹生産者や野菜生産者、JA直売所等の17事業者の出展があった他、天草広域本部が天草市イルカセンターと共同開発した魚のすり身揚げ「ザクっとSURIMI」の試験販売も行いました。
出展者からは、ブースディスプレイやPOP、お客さんへのPRの仕方について、直接肌で感じることができ今後の参考となったといった意見や、他の事業者との交流ができ、地域としての一体感が強まったなどの意見が聞かれました。
天草広域本部では、農林水産事業者の所得向上に向け、生産物の消費拡大に向けた支援を引き続き行っていきます。

2024年6月

研修会の様子
加温不知火類の着果状況

加温ハウスデコポンの安定生産に向けて~研修会の開催~

天草地域は、不知火類を中心とした中晩生カンキツの栽培が盛んで、特にお歳暮用として高値で販売される加温ハウスデコポンについて、生産量が県内2位の産地となっています。
4月5日、JA本渡五和施設デコポン部を対象に、加温不知火類の連年安定生産・高品質果実生産を目的とした研修会が行われました。当日は16名の生産者が管内ハウス団地に集まり、開花後の管理についてJA指導員から講習がありました。当課からは果樹関係の補助事業の説明ならびにかん水の実施・設備の導入についての説明を行い、説明後には補助事業に関する相談もありました。
講習後の各園巡回では、着果量や病害虫の発生等について確認を行った結果、本年産の着果量は全体的に良好でしたが、温度管理の違いにより生育のばらつきがみられる状況でした。
加温不知火類においては糖度向上が産地の課題となっているため、当課では展示ほを設けて、品質向上に向けた技術(かん水の指標)の効果を検討予定としています。加えて、高品質果実生産が期待されるヒリュウ台「肥の豊」の導入推進等により、天草デコポンの産地力強化を進めていきます。

2024年3月

「あまくさ茶SUISEI」のメンバー
あまくさ茶飲みくらべセット

若手茶生産者グループ「あまくさ茶SUISEI」の設立及びあまくさ茶飲みくらべセットの販売を開始!

天草地域は、現在、専業で茶を生産・販売されている生産者は3戸のみとなっています。しかし、厳しい茶業の情勢のなか、この3戸の生産者には、すべてに若い後継者がいます。これまで、コロナ禍の影響で集まる機会がありませんでしたが、農業普及・振興課の呼びかけで10月に意見交換会を開催し、3人で天草のお茶の販売促進に取り組んでいくことが決まりました。
11月には、若手茶生産者グループ「あまくさ茶SUISEI」を立ち上げ、第一弾として「あまくさ茶SUISEI」3人の緑茶飲みくらべセットの販売を決定しました。まずは、商品を手に取ってもらうため、目を引くデザインが必要ということになり、3人のお茶を「あまくさ茶」として販売していくためのロゴマークの作成と包装のデザインを地元印刷会社との検討を重ね3カ月をかけて完成させました。
そして、3月1日から、『「あまくさ茶SUISEI」特選緑茶飲みくらべセット』を「天草とれたて市場」において数量限定で販売を開始しました。当日は、3名で試飲販売会を開催し、試飲した方からは美味しいと好評を得ており、グループの意欲向上につながっています。今後は、第二弾の新商品販売に向け、今年のお茶の生産製造が行われます。農業普及・振興課では、「あまくさ茶」の振興のため、更なる支援を行っていきます。

※「あまくさ茶SUISEI」の由来
栖本製茶工場の『SU』、井上製茶の『I』、清水製茶の清の『SEI』の頭文字から名付けました。

2024年3月

市、JA、(株)岳、普及の事前打合せ
園地評価(横)と樹毎発病率(縦)

不知火園へのドローン散布による効果的な防除を目指して ~樹園地の評価法の検討~

天草市のスマート農業実証事業として今年度ドローンを用いた不知火の黒点病防除試験が実施されました。役割分担として市が散布費用を全額補助し、JAあまくさが事業を主導、(株)岳が散布を受託、当課が防除効果の調査に協力しました。実証は、希望のあった有明町の不知火園22.8haで行い、事業の効果、次年度の計画等について2/19に検討会を実施しました。
ドローン散布による防除効果は、発病率は手散布とほぼ同等と評価できました。また、各調査園について ①樹間の粗密 ②樹形が逆円錐か円錐か ③枝(亜主枝)の間隔 ④樹の大きさ(老若)の4項目について評価点を付し、園地のドローン防除適合具合を試行的に数値化した園地評価点と発病率に明確な相関が見られ、評価点の高い園では、黒点病発病率が減少する傾向が見られました。評価項目や調査方法を工夫し、更に事例を重ねることで、ドローン防除に適した園地づくりの一助となる可能性があることがわかりました。
防除を委託した農家の評価は良好で、来年も委託したいとの声が上がりましたが、樹園地の環境、委託費用の額、対応できるエリア等々課題も多いことがわかりました。
今回得られた結果については、市、JA及び(株)岳が、農家への説明などドローン防除の普及に向けた活用を希望しており、当課も引き続き協力して推進する予定です。

2024年3月

全国大会の様子
全国大会の様子

天草地方から全国の頂点に! ~4H全国大会で農林水産大臣賞を受賞~

天草地方青年農業者クラブには10名の若手農業者が在籍し、日々精力的に活動を行っています。
3月5日から3月6日にかけて、東京都渋谷区代々木で「全国青年農業者会議」が開催され、天草4HCの舩田氏が地方大会、県大会、そして各地域ブロックの大会をそれぞれ勝ち上がってきた強者が集う畜産経営部門で、最高賞の農林水産大臣賞を受賞されました。
舩田氏の発表は、自身の経営改善に加え、地域の課題であった天草大王の知名度の向上・流通量の拡大に取り組まれた内容で、経営改善に向けた行動と実績、そして他部門の方にもわかりやすい発表であった点が特に評価されたようです。
天草のクラブ員も数名出席し、来年の九州大会出場が内定しているクラブ員は自身の発表にどう活かせるか考えている様子でした。また他地域のクラブ員との交流もあり、大変有意義な大会となりました。
当課では本大会に向け、資料作成や発表練習の支援を行ってきました。今後も天草の農業を担う若手農家のスキルアップを図るため、引き続きクラブの活動を支援していきます。

2024年3月

~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~ 第3回勉強会(スマート農業+栽培講習会)を開催

天草地域は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、重点普及課題「新規就農者の定着による稼げる園芸の土台づくり」に取り組んでいます。令和5年度は個別指導に加え、集合形式による3回の勉強会を計画し、3回目の勉強会(集団指導)を2月28日に開催しました。
当日は、新規就農者及び関係機関から15名(うち新規就農者9名)の参加があり、第1部として共通講座「本県におけるスマート農業の取組紹介」をアグリシステム総合研究所より講師を招いて講義を行い、第2部として品目別分科会「栽培技術講座」を実施しました。
新規就農者からは、「知らない知識が多く大変役立った」「スマート農業を実践している農家を見てみたい」、「導入費用が気になった」、「今後の栽培管理に活かしたい」等の声が聞かれました。
引き続き、個別指導とともに勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2024年2月

審査の様子
上位に入賞したほ場

JAグループ初!トルコギキョウ立毛品評会開催

農業普及・振興課ではJAあまくさと連携し主要品目であるトルコギキョウのプロジェクトチーム(以下、PT)を立ち上げ、産地の維持及び発展に取り組んでいます。
トルコギキョウの品質は収穫前にほ場内で行う枝・芽整理(以下、芽整理)の適期実施が一つのポイントであり、この芽整理技術の高位平準化が産地の課題となっています。PTでは個別面談や集団指導の場で芽整理技術の指導を行ってきましたが、その取組状況を評価する機会がありませんでした。そこで、芽整理の実施状況を評価するための立毛品評会を実施しました。
トルコギキョウにおける立毛品評会は、県内のJAグループでは前例がなく、審査基準等もPT内で作成し、12月14日に生産者9名のほ場で審査を行いました。この審査結果は生産者にとって芽整理実施状況を客観的に確認するものとなり、PTにとっては技術習得以外の要因も芽整理の実施状況に大きく影響していることに気づかされるものとなりました。今後はこの結果を全体会議や個別面談の場で生産者と共有していく予定です。
当課では引き続きトルコギキョウ品質の高位平準化に向けた取り組みを進め、消費地から選ばれる産地づくりを支援していきます。

2024年1月

室内講義の様子
柑橘園における説明の様子

広域的な鳥獣被害防止対策研修会開催

天草地域における鳥獣による農作物被害は、イノシシによるものが大部分を占めており、高止まりしている状況です。さらに、数年前からカモ類による被害も増加してきており、これらの被害軽減への取組みが喫緊の課題となっています。
そこで、天草地域全体の研修会を、令和5年11月7日に天草市有明町において開催し、本年度に鳥獣被害防止対策事業を実施する農業者や関係者など約40名の参加がありました。
研修会では、(株)イノPの稲葉氏から、「地域と畑は自分たちで守る」と題して、カモ類及びイノシシから農作物被害を防ぐために必要な基本的な考え方と自分たちでできることについて講義がありました。その後、現地の柑橘園に移動し、ワイヤーメッシュ柵の効果的な設置方法について現物を用いた説明がありました。また、イノシシのひそみ場対策としても期待される耕作放棄地にセンダンの木を植える取組み「天草センダンプロジェクト」についての天草広域本部の林務課から情報提供も行われました。
今後は、カモ類に対する正しい対策を広めるとともに、イノシシ対策の基本の見直し等を周知し、鳥獣による農作物被害の軽減につながる取組みを引き続き進めていきます。

2024年1月

現地視察の様子(肥後あゆみの会)
現地視察の様子(松合食品)

~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~第2回勉強会(現地視察研修)を開催

天草地域は、不知火やきゅうりなど園芸主要4品目を生産する新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、就農定着支援に取組んでいます。  
11月8日に第2回勉強会として、宇城地域の優良経営体や味噌醤油メーカーの取組みを学ぶ第2回勉強会「現地視察研修」を開催しました。
新規就農者や就農準備研修生、4Hクラブ員など9名の参加があり、宇城市で柑橘やブドウを栽培されている御舩果樹園、令和4年度県農業コンクールの地域農力部門で秀賞を受賞された肥後あゆみの会、原料にこだわった味噌・醤油を製造されている松合食品を視察しました。ほ場訪問を含め、栽培管理のポイントや販売戦略などを聞き取り、栽培技術や成功したきっかけ、学ぶ姿勢などについて意見交換を行いました。
参加者からは、「付加価値をつけてブランド化する重要性を改めて感じた」、「地域の利点を生かした農業を意識していこうと思った」、「違うタイプの視察先に一度に行けて良かった」などの感想があり、有意義な現地視察となりました。
今後も新規就農者の定着に向け、集団指導(勉強会や交流会)と個別指導(技術、経営)を組み合わせながら、きめ細やかな支援に取組んでいきます。

2024年1月

食品表示の現状について(講師:甲斐主事)
ワークショップの様子(中央:新納主技)

食品表示の適正化に向けて~農産加工グループ食品表示研修会開催~

天草地方農山漁村活性化グループ連絡協議会に所属する農産加工グループでは、物産館や直売所で弁当や総菜を販売していることから、企画調整班と連携し、食品表示の適正化に向けた研修会を11月21日(火)天草広域本部会議室において開催しました。研修会には農産加工グループ及び関係機関・団体より21名の参加があり、講義とワークショップ形式により研修を行いました。
はじめに、管内の物産館や直売所の巡回調査結果に基づいた食品表示の現状について、企画調整班の甲斐主事より説明があり、間違えやすい表示内容や不適正事例、食品表示の重要性等について指導してもらいました。
また、くらしの安全推進課の新納主任技師より、食品表示の目的や表示に係る法律、表現方法、表示しなければならない品目など、管内で販売されていた総菜等の表示を参考に分かりやすく解説がありました。後半のワークショップでは班に分かれ、例題を用いて食品表示表を完成させ、正しい表示方法や間違えやすいポイント等を学びました。研修中は、講師に積極的に声をかけ、使用中の表示内容について確認してもらうなど参加者の関心の高さが伺えました。
食品表示は食の安心安全を担保するうえで必要不可欠なものですが、様々な法律が関与し複雑であることに加え、違反により被害が発生した場合のリスクは想像以上に高いものがあります。本課では引き続き各班と連携し、活性化グループの活動支援に取り組むこととしています。

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