芦北エリア

芦北地域は水俣市、芦北郡を所管しています。熊本県の南部に位置し、八代海の海岸線に沿って起伏に富んだ地形が形成され、平坦地が少ない中山間地域です。温暖な気候を活かして、田 (マルタ)ブランドの甘夏や不知火類(デコポン)、早生たまねぎ (サラたまちゃん)など、全国的に認知されている地域ブランド作物が生産されています。
特に、農業産出額の約5割を占める果樹は地域の基幹作物であり、なかでも不知火類(デコポン)は、12月の加温栽培から鮮度保持資材を活用した6月までの長期安定出荷が行われており、県内有数の産地です。また、肉用牛では「あしきた牛」ブランドとして、高品質な牛肉の生産が行われており、各種共励会で上位入賞するなど、県内外から高い評価を受けています。

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県南広域本部 芦北地域振興局 農業普及・振興課

〒869-5461 葦北郡芦北町芦北2670

電話:0966-82-5194

FAX :0966-82-2373

芦北エリア普及現地情報

2026年4月

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八代地域での視察研修
植付作業の様子

~令和2年7月豪雨災害からの創造的復興を目指して~ 加工用ばれいしょ栽培がスタートしました

芦北地域では令和2年7月豪雨災害からの創造的復興を目指して、水田裏作として加工用ばれいしょの導入に取り組んでいます。加工用ばれいしょは、単価が一定である一方、青果用ばれいしょに比べて単価が低いことから、安定した収量を確保することが特に重要です。
前作の令和7年産は、JAあしきた及び管内法人と連携して、栽培実証試験を行いましたが、排水対策等に課題が残り、目標としていた収量(3t/10a)を達成することはできませんでした。
そこで、ほ場準備前の令和7年12月に、水田裏作のばれいしょ産地である八代地域での視察研修を行いました。当日は、令和8年産の栽培に取り組む生産者も参加し、排水対策やその他管理作業のポイントについて学びました。課題解決に向けて改善すべきポイントがよくわかり、有意義な研修となりました。
令和8年産については、管内の2法人が計50aで栽培に取り組んでおり、2月2日から植付作業を行いました。植付以降、気温が高く推移したことから、例年より早く出芽が確認され、順調な栽培スタートとなりました。前作の課題であった排水対策については、高畝や明渠※を作ることで改善を図っています。
農業普及・振興課では、今後も引き続き、収量向上に向けた技術支援を行い、加工用ばれいしょの導入が農家の所得向上に結び付くよう取り組んでいきます。

※明渠:地表の水を排水するための溝や水路のこと。

2026年4月

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クラブ員の経営紹介の様子
グループワークの様子

農業のリアルを伝える!芦北高校で就農講演会を開催

芦北地域では、農業の担い手確保が重要な課題となっており、若い世代に就農への関心を高めてもらう取組みが求められています。そのような中、芦北地方青年農業者クラブ連絡協議会(以下、芦北4H)では、芦北高校農業科と協力した活動に力を入れており、その一環として、今年も芦北高校で就農講演会を開催しました。
2月17日に行った講演会には、農業科の2年生18名が参加し、クラブ員3名と当課4名が対応しました。最初に当課から、リリーフ園制度について説明しました。続いて、クラブ員2名が自身の就農までの経緯や現在の経営について紹介し、生徒たちは熱心に耳を傾けていました。その後のグループワークでは「農業のイメージ」と「自分が就農するなら大切にしたいこと」の2テーマについて意見交換を実施。少人数での話し合いとしたことで、活発な意見交換となりました。
終了後のアンケートでは、「クラブ員の話を聞いて農家もいいと思えた」や「農業の良さを知ることができてよかった」などの感想が寄せられ、就農の魅力ややりがいを伝える機会となりました。
今後も当課では、地域に密着した芦北4H活動を支援するとともに、次世代の担い手育成に向けた活動を継続していきます。

2026年4月

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ワークショップの様子

安定した畜産経営に向けた新規就農者への経営・技術支援

当課では、JA・市町と連携し、令和4年10月に新規就農した畜産農家(夫妻)を重点指導対象に位置づけ、繁殖・肥育牛の飼養管理技術や経営管理能力の向上に向けた支援を行っています。ヒアリングや現地指導により現状・課題を把握し、指導を進める中で、“経営者”として、自ら課題を見つけ考え行動する主体性を高めることが重要であると考えました。
そこで、令和7年度より農家自身による「目標管理シート」と「課題解決シート」の作成・実践への取組を開始しました。1月7日には、年間目標管理シートの作成に向け、KJ法を用いたワークショップを実施しました。初めに全員で課題を出し合い、グループ分けを行った後、解決策の立案を行うことで、より効果的な年間目標を立てることができました。課題解決シートについては、年間目標を踏まえ、毎月1つの課題を選び、解決に向けて取り組んでもらいます。農家からは、「今回のワークショップを通じて改めて課題を整理し、目標を設定したことで、取り組むべきことがより明確になった」といった声が聞かれました。
今後は、これらのシートを基に新規就農者の進捗状況を確認し、評価・改善に向けたサポートを継続することで、更なる経営改善や技術向上を図ってまいります。

2026年3月

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マニュアル作成のため作業の様子を取材
作成されたマニュアル

果樹のスポットワーカー作業マニュアルの作成支援 ~労働力確保のため求人アプリ活用を~

芦北地域において、一次産業をはじめとする事業者での労働力確保が大きな課題となっていることから、水俣・芦北地域雇用創造協議会がスポットワーク求人アプリ最大手の株式会社タイミーと令和7年4月に連携協定を結び、新たな雇用労力の確保が始まっています。
地域内の基幹作物である柑橘類においても、収穫期等の労働力確保は喫緊の課題であることから、農業普及・振興課では、農家がタイミーのワーカーさん募集や作業説明等に利用できるよう、『水俣・芦北地域果樹農家さんでのお仕事マニュアル』の作成を支援し、令和7年12月に完成しました。
マニュアルでは、果樹園の作業に適した服装や、収穫・摘果等の主な作業の手順等を、分かりやすく写真で説明しており、タイミーに登録した農家の求人サイトに掲載できます。管内では、タイミーの利用を検討されている農家が増えつつあり、今後の労働力確保に寄与できるものと期待されます。
当課では、今後も関係機関と連携して、農作業労働力の確保対策に努めて参ります。

2026年3月

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主幹抜き説明の様子
主幹部切除後の樹の様子

太秋ジョイント栽培園でせん定検討会を開催

芦北地域における柿「太秋」の栽培では、ジョイント栽培が17園地、約1.5haあり、全体の20%を占めています。ジョイント栽培とは一列に植栽した苗木を主枝部分で接ぎ木(ジョイント)し、低樹高で直線的に仕立てる方法のことで、芦北管内では省力化を目的に平成27年から導入しています。しかし、接ぎ木後5年程度経過すると樹勢※が強くなり、強勢な側枝の発生や着果量の減少が問題となっています。
そこで、樹勢が強まっているジョイント栽培園において、12月18日に普及およびJA、市町担当者などの指導者でせん定検討会を開催しました。
始めに「主幹抜き」と呼ばれるせん定を行いました。これはジョイントが確認され、強樹勢になった樹の主幹部を切除して、根からの養水分供給量を抑制し、樹勢の安定を図る方法です。JAと普及からの説明後、参加者全員で強樹勢部の主幹切除を行い、「主幹抜き」の方法を確認しました。また、昨年度果樹技連芦北支部で作成したジョイント栽培マニュアルを用いて、側枝のせん定も行いました。
今後も地域一体となって、ジョイント栽培園のせん定技術支援に取組み、太秋栽培における安定生産の実現を進めていきます。

※樹勢…樹の生育の強弱を示す表現で、枝の伸長や葉量などから判断される。

2026年2月

現地検討会の様子
ドローン防除の様子

~サラたまちゃん産地の維持に向けて~ ドローン防除現地検討会を開催しました

芦北地域のタマネギ栽培では、生産者の高齢化による労働力不足が深刻な状況となっており、今後、産地を維持していくためには、栽培管理の省力化・軽労化を推進していく必要があります。
タマネギ栽培の防除作業(農薬散布)については、主に生産者が動力噴霧器を用いて行っており、重労働だという声がよく聞かれています。また、タマネギの病害発生を防止するためには、定植直後の11月~12月にかけての防除が特に重要ですが、同じ時期に植付作業が続くため、防除に手が回らないという問題を抱えています。
そこで、タマネギの農薬散布の労力削減と適期防除を目的に、防除作業を受託組織に委託し、ドローン防除の実証に取り組みました。11月27日に開催した現地検討会では、生産者約20名が集まり、ドローン防除に関する意見を交わしました。生産者からは、「年内に防除した方がいいのはわかっているが手が回らない。委託できるならぜひやってもらいたい」、「あっという間に終わって驚いた」といった意見があった一方、「委託料が水稲よりも高い。植付時期や栽培場所を集約することで、安くできるのではないか」といった意見もあり、今後は地域一体となった取組みが必要と考えられました。
農業普及・振興課では、今後も引き続き、サラたまちゃん産地の維持に向けて、関係機関と連携して取り組んでいきます。

2026年2月

研修生からリリーフ園について説明を受ける参加者
JA職員から選果場の説明を受ける参加者

新たな未来の担い手募集中「新規就農研修バスツアー」開催

芦北地域では関係機関で「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム(以下PT)」を構成し、減少する地域の担い手確保に向けた取組を積極的に行っています。例年就農を希望する方々を対象にバスツアーを計画しており、本年は県内外から4名が参加して12月6日(土)に開催しました。このツアーでは、現地での栽培状況をはじめ、認定研修機関(JAあしきた)での研修紹介や就農に必要な情報提供を行い、地域の魅力や果樹農業の実際を知ってもらうことを目的としています。
参加者は高齢等により管理が困難になった園地をJAが地主から一時的に預かっている「リリーフ園」を訪れ、来年5月に継承予定の研修生からの研修内容などの話を聞き、1年目から農業所得が得られることへの関心は非常に高いように感じました。  
就農を検討されている参加者は就農イメージが具体的にできたようで、昼食時の意見交換では就農への想いや就労状況、収入に至るまでの質問が多く出されました。
午後からのJAカンキツ選果場では「デコポン」の生産選果状況や販路について説明を受けました。収穫されたばかりの果実が丁寧な工程を経て箱詰めされ、出荷される状況を見学し、参加者からは、「収穫後の販売についても不安でしたが、悩みが解消されました。」といった声を聞くことができました。
ツアー終了後には、参加された2名から就農に向けた次のステップである「短期研修(作業体験)」への申し込みがあり、着実に活動成果が現れています。今後も関係機関と連携しながら円滑かつ就農希望者に寄り沿ってサポートを行っていく予定です。

2025年12月

みなまた茶のPR展示&ふるまい会開催 @熊本空港

水俣・芦北地域で生産される「みなまた茶」を県内外への知名度UPや美味しさを認知してもらうため、10月の1カ月間、熊本空港内にあるQSHU HUB※にて「みなまた茶」6種の展示を行いました。また、期間中の10月3日、11日、13日にはお茶ふるまい&販売会も開催しました。11日のイベントの際には、このイベントを通じて若い人のお茶への関心や認知度向上を図るため、地元の芦北高校生にご協力いただき、「みなまた茶」の法被姿で試飲提供をしていただきました。
試飲した方からは、「おいしい」、「甘みがある」などの声が聞かれ、多くの方にお茶を購入していただけました。
当課では、みなまた茶の販売力強化のため、R5年度からPR活動の強化に取組んでおり、“地元特産物(みなまた茶)×地元企業×地元学校×地元ゆかりの漫画家”の『魅力ある地域資源を生かした活動』を展開しています。今後もみなまた茶PRにより、茶産地の維持発展を支援していきます。

※QSHU HUB…熊本、九州の特産品を紹介するギャラリーショップ

2025年12月

地域ブランド米「大関米」に「くまさんの輝き」を追加! ~夏季高温対策試験の取組~ 

芦北管内の地域ブランド米「大関米」は、大関山の標高150m以上の山麓、減農薬・無化学肥料等の栽培基準の下、安全・安心な付加価値の高いお米として、JAあしきたにて販売されています。しかし管内外から強い需要がある一方、近年は担い手不足や高温に対応した生産量・品質の向上が課題でした。
そこで当課では、品種が「ヒノヒカリ」に限定されていることに目を付け、高温耐性があり県のリーディング品種である「くまさんの輝き」(以下:輝き)の導入を検討するため、R3年度から栽培試験や生産者への聞き取りを実施。JAと協議を重ねる中で生産者からの要望も受け、全生産者同意のうえR7年産から「輝き」を追加※することとなりました。
さらに今年度は、「大関米」及び「輝き」の更なる生産・消費拡大を図るため、局政策調整事業を活用し、法被やのぼり等のPR資材を制作。特に米袋については、お米を原料とした素材を採用することで“安全・安心な”栽培方法で生産される「大関米」のイメージアップを図る工夫を施しました。
10月11日には、念願となる「輝き」版の「大関米」の販売開始を記念してリニューアルセレモニーを開催し、約30名が式典に訪れました。セレモニー後には試食を交えた販売会も行い、消費者からは「試食が美味しかったので購入した」「一般米より大関米の品質が良いなら買おう」といった声が聞かれ、消費拡大の効果が伺えました。

※品種は混ぜるのではなく、「ヒノヒカリ」版、「くまさんの輝き」版の大関米として、2種類を販売。

2025年12月

「あしきた牛」ブランド力強化に向けた米ぬか給与試験 ―第2回中間検討会の開催―  

くまもと黒毛和種「あしきた牛」のブランド力強化を目的として、水俣・芦北産米ぬかの給与試験を実施しています。7月に開催した第1回中間検討会では、「梅雨時期や暑い時期の米ぬかの劣化が心配である」や「米ぬか給与による枝肉成績への影響を知りたい」といった意見が挙がりました。
そこで、8月14日から4週間にわたり、米ぬか保存方法に関する試験を実施し、米ぬか袋・お茶袋・畜産飼料袋の3種類で計6パターンを比較しました。「米ぬか袋+畜産飼料袋(緩く締める)」及び「畜産飼料袋に直接保存」の2パターン以外では米ぬかの劣化が確認されました。同時に「新鮮な米ぬか」と「米ぬか袋で2週間保存したもの」を飼料分析(一般成分分析・カビ毒)検査を実施。新鮮な米ぬかと比較して、品質の劣化やカビ毒が検出されました。保存成績の良かったパターンでの飼料分析は未実施のため、次年度に実施して確認していきます。
10月30日には、第2回中間検討会を開催し、米ぬか保存方法試験や枝肉成績の結果、今後の対応等について意見交換を行いました。JAあしきたからの枝肉成績の報告では、オレイン酸含有量の上昇が確認されました。これにより、米ぬかの給与が枝肉に良好な影響を与えていることが示されました。
今後は、枝肉調査の継続や米ぬか以外の飼料(管内の特産物である柑橘)の牛肉の品質検討を進め、肥育農家・JAあしきたと密に連携し、「あしきた牛」ブランド力の一層の強化を推進していきます。

2025年12月

土壌断面調査の様子①
土壌断面調査の様子②

掘って学ぶ!土壌と肥料の基礎講座

芦北地域では、市町、農協、当課などが連携し「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム」を設置し、新規就農者の育成・確保に取り組んでいます。その一環として、普及指導員等が講師になり、新規就農希望者(以下、研修生)に年間8回(5~12月に各月1回)の座学講座を開催しています。
10月は「土壌肥料の基礎」についての講座と、土壌断面調査の実演を行いました。講座には研修生8名の参加があり、有機物の種類や特徴、土壌の化学性などについて学んだあと、2グループに分かれて、リリーフ園で実際に土壌断面調査を行いました。スコップで深さ60㎝まで掘り進める作業は体力を要しましたが、研修生は交代しながら手際よく掘りすすめ、地中での根の張り方や土壌の層構造をじっくり観察していました。
講座後のアンケートでは「普段見えない根や土壌の状態について、直接確認できて勉強になった」や「肥料選定のポイントや注意点が良く分かった」といった感想が得られました。土壌断面調査は現場でも頻繁に行うものではないため、今回の体験は研修生にとって大きな収穫となりました。
今後も当課では、研修生が円滑に就農できるよう、関係機関と連携しながら支援を継続していきます。

2025年12月

銀杏収穫の様子
試食の様子

笑顔いっぱい!芦北高校生と芦北4HCの農業交流会

芦北地域では、農業の担い手確保が重要な課題となっており、若い世代に就農への関心を持ってもらう取組みが求められています。そのような中、芦北地方青年農業者クラブ連絡協議会は、「地域を盛り上げYO!芦北4HC」をスローガンに、地域とのつながりを深める活動に力を入れています。その一環として、今年も芦北高校生との交流会を開催しました。
10月4日に開催した交流会では、農業科の2~3年生4名が参加し、津奈木町にあるクラブ員の園地で銀杏の収穫体験を行いました。最初は緊張気味だった生徒たちも、クラブ員と一緒に作業を進めるうちに笑顔が増えていき、「収穫方法が予想外で面白かった」や「想像より臭くなくて楽しかった」といった感想が寄せられました。
その後は室内に移動し、銀杏の試食と意見交換会を行いました。事前に高校生へ農業に対するイメージや疑問点についてのアンケートを実施し、それに対してクラブ員が答える形式で進行しました。県外から移住して就農したクラブ員の体験談も紹介され、「就農の実情が聞けてよかった」や「疑問が解消できた」といった声がありました。
今後も当課では、地域農業の活性化と次世代の担い手育成に向けた活動を支援していきます。

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