亀萬酒造と地元生産者の連携による中山間地域活性化の取り組み ~酒米生産による農業所得アップを目指して~
中山間農業モデル地区強化事業に取り組んでいる津奈木町倉谷・古中尾地区では、酒米を高単価作物と位置づけ、「山田錦」約1haを栽培しています。酒米は地元酒造会社である亀萬酒造で醸造され、津奈木町産を極めた日本酒として販売されています。主食用米に比べ安定した高単価が望める一方、長稈で倒伏しやすいため、栽培方法や収穫時の労力が問題となっていました。
そこで、栽培技術の普及と高位平準化を目指す取り組みとして、3月2日に酒米生産研究会を開催しました。研究会では、生産者4名、亀萬酒造、町役場等が参加し、①農業革新支援専門員から「県内における酒米生産状況」、②亀萬酒造から「山田錦の酒造特性」、③当課から「山田錦の栽培特性や当地区における現状等」について、説明を行いました。
生産者からは倒伏軽減のポイントや収穫適期等について多く質問があり、活発な意見交換ができました。さらに、今後の活動として、他地域とのオンライン意見交換会等の提案もあり、有意義な研究会となりました。当課では、「栽培面積を増やしたい」という生産者と亀萬酒造の要望もあるため、今後も関係機関と連携し、栽培基準を作成するなど酒米の安定生産や作付面積の拡大を支援していきます。
また、亀萬酒造では古代赤米を原料とした赤ワインのような色をした日本酒の醸造をしています。今後、芦北地域での原料生産を検討しており、古代赤米に適した栽培方法について併せて支援を行っていきます。