2024年のエリア普及現地情報

2024年10月

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スマート農業機械実演の様子
実演機械に興味を示す参加者らの様子

畦畔管理作業の省力化を目指して~スマート農業機械実演会を開催~

芦北管内は中山間地域が大半を占めており、急傾斜な畦畔が多く存在します。そのため、農業者にとって畦畔管理作業は大きな負担となっており、同作業の負担軽減に取り組むことが課題となっています。
そこで当課では、スマート農業機械導入による同作業の省力化を図るため、リモコン草刈機等の実演会を開催し、農業者や関係機関等合わせて約30名が参加しました。
実演会の開催にあたっては、管内地域営農組織代表者や機械メーカー等と協議し、急傾斜に対応可能な「親子式草刈機※」、汎用性が高い「リモコン草刈機」の2台の実演を決定。複数機械を実演すること、また特に管理が困難な畦畔を会場に選定することで、参加者がスマート農業による省力効果を一目見て分かるよう工夫しました。
参加した地域の農業者からは、「急傾斜な畦畔の草刈りは本当に大変だが、親子式草刈機を使えばとても楽になると思った。地域での導入を検討したい」といった前向きな声が聞かれました。
当課では今後も、農業者の課題に寄り添った活動に力を入れながら、畦畔管理作業の省力化支援に取り組んでいきます。

※斜面の上で親機を操作し、ワイヤで繋がった子機で草刈りを行う傾斜地特化型草刈機。

2024年9月

座談会の様子
10年後の地図

地域計画の策定に向けて~津奈木町で座談会開催~

現在、全市町村が、将来の農地利用を明確化するため「地域計画」の策定に取り組んでいます。津奈木町においても、令和3年度に策定した人・農地プランを基にして、町内5地区での地域計画策定が進められており、本年4~6月にかけて農業者への意向調査が実施されました。
この結果を農家へ報告し、地域農業の将来像を話し合うため、7月16日~19日にかけて、対象5地区において座談会が開催され、当課も参加しました。
座談会では、農地利用と担い手の将来見通しの他にも、柑橘の収穫労力確保や防除ドローンの可能性、作業受託組合の人手不足、基盤整備の要望等、多様な意見があり、町担当者やJA・農業公社駐在員とも連携して助言対応しました。農家からは、今後も基盤整備等の相談に乗って欲しいとの声が聞かれました。
今回の農家側の意見も反映したうえで、今後、地域計画の原案が作成されますので、より実現性の高い地域計画の策定に向け、支援を続けていきます。

2024年9月

現地検討会の様子
現地検討会の様子

酒米現地検討会を開催!~前期編~

中山間地域である津奈木町倉谷(くらたに)・古中尾(ふるなかお)地区では、高単価作物として、酒米「山田錦」を栽培し、地元酒造会社の亀萬酒造へ販売されています。「山田錦」は、主食用品種や他の酒米品種に比べて栽培が難しく収量が低い品種であるため、生産・栽培するうえで気をつけるべきポイントが多く存在します。その中でも特に重要な管理ポイントは、「中干(なかぼ)し※1のタイミング」となります。
そこで、7月19日に現地検討会を開催し、新規作付者3戸を加えた計6戸のほ場において、中干しのタイミングや生育状況の確認などを行いました。当課からは、ほ場ごとに茎数(けいすう)※2を数え、中干しのタイミングを指導しました。各生産者からは、栽培内容や工夫点を説明いただきました。栽培経験者から新規作付者への助言を行う場面も見受けられ、活発な意見交換・情報共有がされました。
今後も、新規作付者を中心に伴走支援を続けていくとともに、収穫前には「現地検討会~後期編~」を開催する予定です。各市町の主食用米生産者などへも案内を行ない、新規作付者の確保につなげていきます。引き続き関係機関と連携し、酒米の安定生産及び作付面積の拡大に向け、支援していきます。

※1 中干し:水田の水を落とし、田面を乾かすこと。1週間程度行うことで、穂の形成を促す。
※2 茎数:水稲1株あたりの茎の数。通常、1つの成熟した茎から1つの穂ができる。山田錦は倒伏しやすいため、1株あたり18~20本の茎数を確保した頃が中干しの目安。

2024年9月

活発な意見交換を行う様子
加工品を試食する参加者ら

販路拡大を目指して4HCが管内研修を開催!~「みずたまご」開発の秘話をヒントに~

芦北地方青年農業者クラブ連絡協議会(以下4HC)では、4HC員の直販強化や販路拡大に向けて活動に取り組んでいます。その一環として、各報道機関で取り上げられ、食と農の分野において多方面に活動されている水俣市在住の永井香織氏※1を招き、8月6日に管内研修を開催しました。
研修には、4HCの他、関係機関も合わせ約25名が参加。永井氏より直販の取り組みや、「みずたまご※2」の開発秘話について説明を受けた後、永井氏が開発した商品について、試食を行いながら意見を交わしました。
4HC員からは、「販路拡大や商品開発の構想を形にする力がすごいと感じた。自身の直販等の取り組みに活かしていきたい」と話していました。
今後も当課では、将来地域農業の担い手の核となる4HC員の想いを後押しできるよう、活動支援に取り組んでいきます。

※1永井香織氏…エシカルプロダクツ株式会社代表取締役として食品の企画販売や製造販売を行う。県内女性農業者グループ「AguRokka(アグロッカ)」を立ち上げるなど、食と農分野において多方面に活動中。
※2みずたまご…液体の周りをゼリー状の被膜で覆う調理技法を誰でも簡単に使えるよう応用・進化させたもの。料理・スイーツなどジャンルを選ばず、味のアクセントや飾りつけ等に活用可能。NIPPONの宝物グランプリ2019では全国大会でグランプリ、世界大会で準グランプリを受賞。

2024年9月

穂肥の有無について検討する様子
専技の説明を熱心に聞く出席者ら

「県南くまさんの輝き」特A獲得に向けて~現地検討会を開催~

当課では、「くまさんの輝き」が悲願である最高評価の「特A※1」を獲得するため、生産者3名を重点指導対象に位置付け、伴走型支援に取り組んできました。今年度からは、生産者をはじめ、関係者の“意識改革を図ること(気づき)”を重視して活動支援に取り組んでいます。5月に実施した「勉強会・食味会」に続き、8月2日には「現地検討会」を開催しました。
今年の検討会では、参加者全員で各ほ場を巡回する手法を取り入れ、互いの栽培状況を確認してもらうことで意識の向上を図られるよう工夫しました。また、農業革新支援センター専門技術員を講師に招き、より濃密な指導・助言のもと、穂肥※2の散布量や時期を確認する等、技術向上も図りました。
生産者らは、積極的に質問したり、生産者同士で意見を交わしたりして、熱心に検討会に参加されていました。また、関係機関の担当者は「穂肥散布について理解を深められた」と手ごたえを感じていました。
当課では、今後も、新たなチャレンジを恐れず、「くまさんの輝き」の特A獲得に向け、地域と生産者に密着した伴走型指導に取り組んでいきます。

※1:(一財)日本穀物検定協会が主催する米の食味ランキング
※2 穂肥(ほごえ)とは種の籾を充実させることを目的に出穂前に散布する肥料のこと。散布量、散布時期は、葉色や基肥の量等をもとに判断する。

2024年9月

ホオズキ出荷最盛期・PR展示

芦北地域の観賞用ホオズキは、本年度、10戸、約1haで栽培されています。本作は、2月から5月にかけて雨が多く、土壌病害の発生等が心配されましたが、7~8月の出荷最盛期を迎え、例年通り出荷が進んでいます。
当課では、現地検討会の開催や個別巡回等を通して、病害虫防除や栽培管理等について技術指導を行うとともに、花き部会の活動を支援しています。
芦北地域では実付きや色付きが良いホオズキが生産される一方で、認知度向上が課題となっていました。そこで、本年度新たに、夏休みスタート時期に合わせて、肥薩おれんじ鉄道の5駅とJAあしきたファーマーズマーケットでこぽんにご協力いただき、㏚展示を行いました。駅の方から「駅が華やかになってとても良い」、「目立つのでお客さんが皆さん見て行かれる」といった感想とともに、飾り方や日持ちについて質問がありました。また、生産者からは、「多くの人に見てもらう機会ができて嬉しい」との声が聞かれました。
芦北地域の花き生産者の栽培技術と生産意欲が向上するよう、今後も継続して支援を行っていきます。

2024年9月

堺参事による「果樹栽培の基礎」講義
川端技師による「カンキツ栽培管理」講義

新規就農希望者へ果樹栽培の座学講座を開催

芦北地域では、市町、農協、当課等で「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム」を設置し、新規就農者の育成・確保に取り組んでいます。その一環として、普及指導員等が講師になり、新規就農希望者(以下、研修生)に年間8回(5~12月に各月1回)の座学講座を開催しています。
8月は果樹担当の普及指導員が講師となり、「果樹栽培の基礎」と「8~9月のカンキツ栽培管理」について講義を行いました。
講義には研修生6名の参加があり、果樹の生理や他作物との違い、夏季のカンキツ栽培管理等について説明を行いました。6名の研修生は経歴や習熟度がそれぞれ異なるため、個別の状況に対応できるよう対話型で講義を行いました。
講座後のアンケートでは「研修園地での今後の作業と講義内容がリンクしていて参考になった」や「基礎知識の復習ができた」といった感想が得られました。これも講座前に研修生から希望する講義内容を聞きとってカリキュラム組んだことが、高い満足に繋がったと思います。今後も研修生が円滑に就農できるよう関係機関と連携して支援を継続していきます。

2024年9月

露地不知火の園地にて
屋根掛け不知火の優良園地を見学

新規就農者組織“せしかう会“で園地巡回と技術交換~技術力向上は「自身の気づき」から~

「せしかう会」(会員16名)は、芦北地域で新規就農した農業者とこれから就農する研修生で結成した組織です。
毎年7月に会員の果樹園地等を巡回し、栽培のポイントなど意見交換を行いながら、栽培管理技術の向上を図っています。その際には、農業普及・振興課やJAの果樹担当がアドバイスを行うとともに、栽培上のポイントやヒントを投げ掛けることで、彼らの「気づき」を誘導しています。
2年連続で着花(果)が少ない園地では、園主はその理由について判然としていませんでしたが、話を伺うと収穫や剪定作業が遅れており、作業の遅れがどのように生産に影響するのか、理由に気づいてもらいました。参加者からは「時期毎の栽培管理に追われていたが、終了時期の大切さがわかった」「着果が少ない理由が理解できた」との意見が出ました。
今後も各々の技術力のアップを図られるように農業普及・振興課として支援を行っていきます。

2024年8月

室内研修会における説明の様子
現地における電気柵の説明の様子

「地域と畑は自分たちで守る」!鳥獣対策研修会を開催

芦北地域では、獣類による農林業への被害が急増しており、被害軽減対策の取組みが喫緊の課題となっています。
そこで昨年6月に、地域の関係7団体で構成する連絡協議会(以下、協議会)を立ち上げ、一丸となって被害軽減対策に取り組んでいます。また当課ではこれらの対策を重点普及計画に位置付け、強力に推進しています。
本年度の現場活動のキックオフとなる地域全体の研修会を、7月2日に水俣市において開催し約70名の参加がありました。
外部講師として招聘した(株)イノPの稲葉氏からは鳥獣害対策の基本的な考え方を、電気柵メーカーの末松電子製作所の西氏から電気柵の正しい設置と維持管理について、講義と現地指導をいただきました。
参加者は熱心に聞き入り、アンケート結果では参加者ほぼ全員が「役に立つ内容だった」と回答するなど、意義深い研修会となりました。
今後は、研修会で学んだ「気づき」を「実践」に変えられるよう、また多くの方に「地域ぐるみで取り組むことの重要性」を理解いただけるよう、協議会による取組みを進めていきます。

2024年8月

休耕田を活用する果樹園整備候補地
関係機関連携会議の様子

果樹の基盤整備実現へ ~現地検討会を開催~

水俣・芦北地域の基幹作物である柑橘類において、樹園地の基盤整備は重要な課題の一つです。そこで、当課では昨年度から推進体制を整備し、ほぼ毎月の関係機関連携会議の開催を通じて、推進方針の策定や整備候補地の選定を行う等、樹園地の基盤整備の推進を図っているところです。
令和6年度の整備候補地が出そろったことから、6月25日に、市町・農業委員会・JAあしきた及び農業公社の担当者を参集し、現地検討会を開催しました。
現地検討会では、各整備候補地の現状と、その整備方法を検討した後に、休耕田の嵩上げに活用する土砂(令和2年7月豪雨による土砂崩れ災害の復旧工事で発生した土砂)の保管現場も確認しました。その後の連携会議では、各候補地の準備状況と今後の推進スケジュールを確認し、工種や事業費の詰めを急ぐことを共有しました。農家からも基盤整備の実現へ期待が高まっていることから、当課としましても、関係機関と連携しつつ本年度中の整備園地の完成を目指します。

2024年8月

柿「太秋」の高品質化に向けて地区別講習会を開催

芦北地域における柿「太秋」は昨年度、果実階級の小玉傾向が問題でした。本年度の着果程度は平年並みですが奇形果や傷果が見られ、梅雨入りが遅かったこともあり小玉果が多い傾向です。
そこで、中玉果実の比率向上を目的として、6月17、19日にJAあしきたと連携し、地区別に計5回、管理講習会を行いました。
講習会では、仕上げ摘果の方法や施肥、防除などについて実演を交えながら指導を行いました。各回2~8名ずつの少人数で会話を交えながら指導を進めることができ、特に袋掛けや防除の方法については、生産者から積極的に質問がありました。当課からは適期摘果の重要性について、昨年度芦北地域で調査した展示ほのデータを用いて説明しました。生産者にはうなずきながら真剣に聞く姿が見受けられ、摘果がもたらす果実生産への影響について理解が深まった様子でした。
今後も個別の園地巡回等により、太秋栽培における課題解決と安定生産に向けた支援に取り組んでいきます。

2024年8月

普及で国・県での就農支援の説明
水俣市、芦北町、津奈木町各担当で支援制度説明

新規就農者等へプロジェクトチームで支援制度を説明

芦北地域では、市町、JA、普及で「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム」を平成30年から設置し、新規就農者の確保に取り組んでいます。
活動の一つに「新規就農者育成研修」を年間8回(毎月第2水曜日)、就農を希望する研修生や新規就農者を対象に農業普及・振興課職員等が講師になって開催しています。
この度、受講生から「就農する際には様々な手続きを短期間で同時に進行していく必要があり、何から、どのように進めていくべきか教えてほしい」という要望があり、今年度初めて「就農支援制度について」を1コマ設け、管内市町も参加して行いました。
研修は、新規就農支援制度の説明から始まり、就農相談の場所とタイミング、認定新規就農者に認定されるまでのスケジュールや準備内容、農業経営の試算、農地の賃貸借契約の準備等、全体のスケジュールを示しながら説明を行いました。特に、各市町独自の支援や自身の準備について数多くの質問がありました。
受講後のアンケートでは「研修生にとっても、就農者にとっても非常に貴重な講座だった」など好意的な結果であり、新規就農者等の不安を一つでも払拭できるよう今後も継続していきたいと考えています。

2024年8月

高校生に収穫方法を説明する4HC員
高校生と意見交換を行う4HC員

農業の未来へ種を播く!4HCが芦北高校生との交流会を開催

芦北地域では農業の担い手不足が深刻であり、若い世代に対し就農への関心を持ってもらうための活動を行っていくことが課題となっています。そのような中、芦北地方青年農業者クラブ連絡協議会(4HC)は、“地域に密着!芦北4HC!”を今年度の活動スローガンに掲げ、地域との交流を深める活動に力を入れています。その一環として、昨年から取り組んでいる芦北高校生との交流会を今年も開催しました。
6月29日に開催した交流会では、農業科6名の生徒が出席し、4HCの活動紹介を行った後、トウモロコシの収穫体験、試食会を行いました。高校生達は、初めは戸惑いもありましたが、4HC員の積極的な声かけにより、次第に多くの質問が発せられ、試食会ではトウモロコシの美味しさに笑顔が増えていきました。
また、栽培で発生する規格外トウモロコシの説明を行い、その活用方法について意見を出し合いました。高校生からは、プリンや化粧品といったアイデアが次々と出され、4HC員は「自分達では思いつかない斬新な発想だった」と驚きを見せていました。
交流会後、高校生からは「農業はきつい仕事と思っていたが、4HC員の『農業は楽しい』という気持ちが伝わり農業は面白いと思った。いつか就農を検討したい」といった前向きな感想が寄せられ、交流会の開催が「農業の未来に種を播く」ことにつながる手ごたえを感じたところです。
当課では、今後も4HCのより良い地域貢献のための活動を支援していきます。

2024年7月

みなまた茶の新茶ふるまい会 @熊本空港

5月は一年の中で最も新鮮なお茶が味わえる、新茶のシーズンです。
水俣・芦北地域で生産される「みなまた茶」の新茶を県内外の方に味わっていただこうと、5月26日に、熊本空港内にあるQSHU HUB※にて新茶ふるまい・販売会を開催しました。また、このイベントを通じて、若い人のお茶への関心や認知度向上を図るため、地元の芦北高校の生徒にご協力いただき、茶摘み姿で試飲提供をしていただきました。
試飲した方からは、「甘みがある」、「緑茶を飲むとホッとする」などの声が聞かれ、多くの方に新茶を購入していただけました。また、この日から発売した、芦北町をモデルとした漫画「放課後ていぼう日誌」とコラボしたパッケージのお茶は販売初日から人気となりました。
当課では、みなまた茶の販売力強化のため、昨年度からPR活動に取組んでいます。今年度からはより発展的なPRとして、“地元特産物(みなまた茶)×地元企業×地元学校×地元ゆかりの漫画家”の『魅力ある地域資源を生かした活動』に着手しています。今後も、みなまた茶PRにより、茶産地の維持発展を支援していきます。

※QSHU HUB…熊本、九州の特産品を紹介するギャラリーショップ

2024年7月

策定した栽培マニュアル
講習会の様子

新規作付者向け酒米講習会を開催!~マニュアル策定~

中山間地域である津奈木町倉谷(くらたに)・古中尾(ふるなかお)地区では、酒米を高単価作物と位置づけ、「山田錦」を栽培し、地元酒造会社の亀萬酒造へ販売されています。「山田錦」は、主食用品種や他の酒米品種に比べて栽培が難しく収量が低い品種であるため、生産・栽培するうえで気をつけるべきポイントが多く存在します。そこで、生産者がみな同様の品質・収量を確保できるよう、ポイントをとりまとめた「栽培マニュアル」を当課で策定しました。
今年度については、亀萬酒造からのさらなる酒米生産への需要へ応えるため、新規作付者3戸を加えた計6戸で酒米の生産を行います。そこで当課では、生産者の高位平準化・意識統一をはかるため、5月29日に新規作付者を重点対象とした栽培講習会を開催しました。策定した「栽培マニュアル」についても本講習会でお披露目し、新規作付者からは、施肥量・施肥時期や中干しについて多くの質問があり、また、栽培経験者との活発な意見交換もされました。生産者みんなで高品質な酒米を生産しようという意識から、生産者を中心としたⅬINEグループが作成され、今後作業内容等の情報交換がされる予定です。
今後は、土壌改良剤の試験展示を行い、現地検討会の開催や個別巡回など伴走支援していきます。関係機関と連携し、酒米の安定生産及び作付面積の拡大に向け支援していきます。

2024年7月

勉強会の様子
模擬食味会の様子

「県南くまさんの輝き」特A獲得に向けて

芦北地域では毎年、(一財)日本穀物検定協会が主催する米の食味ランキングにおいて、「県南くまさんの輝き」(以下、「県南輝き」)の選考会に出品するためのサンプルを提出しています。しかし、残念ながら「県南輝き」は令和3年産から3年連続で最高評価である特Aを逃しており、「県南輝き」の知名度向上、有利販売につなげるためにも、特A獲得が喫緊の課題です。
そこで当課では、新たな取り組みの一環として、5月30日に、伴走型指導対象生産者3名、JA、市町を対象に、特A獲得に向けた勉強会及び食味会を開催しました。勉強会では、施肥量をできる限り抑えることと中干しを徹底させることの重要性を呼びかけ、また食味会では、毎年10月に行われる食味選考会の模擬版を開催し、どのような点が評価に重要かを生産者に実感してもらいました。
生産者らは、良食味生産に向けて取り組んでいることをお互いに共有したり、意欲的に模擬食味試験に取り組んだりして、特A獲得に向けた意欲を膨らませていました。 また、関係機関からは、「振興局やJAの取り組みを知ることができ、町としても支援していきたい」と前向きな声が聞かれました。今後も、関係機関と一体となり、「県南輝き」の特A獲得に向け、より濃密な伴走型指導を行っていきます。

2024年7月

農業法人への説明会
ハーベスターでの収穫

加工用ばれいしょの導入に向けて

芦北地域では、令和2年7月豪雨で被災した芦北東部地区の基盤整備が予定されており、水田裏作に導入可能な品目が求められています。このため、令和3年度からJAあしきたと連携し、ポテトチップ原料として需要がある加工用ばれいしょの栽培実証を行っています。本年度からは、担い手の確保等、現地導入に向けても取り組みを開始したところです。
5月16日に、管内の3つの農業法人に対し、加工用ばれいしょ栽培について説明し、中山間地域での営農等について意見交換を行いました。法人からは適地性や収量性等、多くの質問があり、関心を示した1法人が来季試験的に取り組む方向で調整しています。また、5月29日に芦北町宮浦の50aの実証ほ場で(株)クボタ協力のもと、掘取機やハーベスターを利用した収穫の実演、調査を行い、法人にも実際の機械収穫の様子を見ていただきました。なお、本作の栽培実証では、生育後半に雨が多かったことから、排水対策や病害対策について新たに課題が見つかりました。
今後も、加工用ばれいしょの産地化に向けた課題解決と現地への導入推進に取り組んでいきます。

2024年7月

就農希望者が果樹作業体験で農家のイメージ掴む

芦北地域では、市町、JA、普及で「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム」を設置し、地域一丸となって新規就農者の確保に取り組んでいます。
県外から芦北地域への就農を希望される方については、就農相談会や産地見学会、バスツアー等を経て、3泊4日程度の短期研修を実施しています。
果樹農家の農作業の一部を体験してもらうことで、果樹農家の農作業の多岐にわたる作業のやりがいや大変さを知ってもらい、自分が果樹農家として就農する時のイメージを掴んでもらうことが狙いです。
新規就農者の園地では、不知火栽培の一連の流れの説明、若木の摘果作業や堆肥投入を体験しました。作業体験以外に農業者として経営上の課題や地域での人間関係づくり等も質問されていました。
またJAが樹園地の一時預かりをしている園では、草刈作業や肥料散布、農薬散布を体験し、暑い時期での農作業の大変さをJAの担当者から説明をもらいました。
今後は、冬期に収穫作業を体験してもらうことで、芦北地域での就農イメージをもっていただく予定です。

2024年6月

通常総会の様子
現地検討会の様子

鳥獣被害の軽減に向け総力結集!~連絡協議会総会を開催~

近年、野生鳥獣による農林業への被害が急増している当地域では、令和5年6月に振興局、市町、農業協同組合、森林組合、農業共済組合等の7関係団体で「芦北地域鳥獣被害防止対策広域連絡協議会」を立ち上げ、昨年度は広域的な研修会や地区別講習会等の開催、防御効果の高い金網防護柵のモデル園設置などを行い、関係機関が一体となって鳥獣被害の軽減に努めました。
今年度は5月9日に通常総会を開催し、総会後は防護柵モデル園において施工性や防御効果について現地検討会を行いました。
これまでの課題として、地域住民が主体となって鳥獣被害対策に取り組むことの必要性があげられます。総会では、研修会や講習会等を通じて正しい鳥獣被害対策の習得と普及や地域リーダーの育成、先進事例調査等による地域ぐるみで鳥獣被害対策に取り組む機運の醸成を進めていくこととなりました。
農業普及・振興課では、これからも関係機関と一体となって鳥獣被害防止・軽減を進めていきます。

2024年6月

今年もみなまた茶の一番茶収穫が始まりました

芦北・水俣地域で生産される「みなまた茶」は、県内で最も早く一番茶の摘採が始まります。温暖な海側の水俣市長崎地区を皮切りに、標高約600mの山奥の同市石飛地区まで1か月間ほど摘採が続きます。
今年の摘採開始は平年並みの4月11日となりました。3月の2度の冷え込みにより生育が抑えられていたところに、4月の暖かさで急激に生育が進んだことや、雨が続き被覆や摘採が例年通りに進められなかったことから、お茶づくりが非常に難しい年となりました。
そこで、当課及び農業革新支援センターでは製造の技術支援に入り、工程ごとに葉の状態を見極めながら機械の設定を細やかに調整したことで、生葉の力を最大限引き出した美味しい「みなまた茶」に仕上げることが出来ました。
生産者は「みなまた茶」の製造のほかにも、山茶摘み体験イベントの開催(芦北町告地区)や、「みなまた和紅茶」やウーロン茶の生産等、それぞれ特色あるお茶づくりにも取り組まれています。今後も当課では、良質な「みなまた茶」の生産支援に加えて、PRの支援も行っていきます。

2024年6月

水田転換による果樹園整備の例(イメージ)

果樹の基盤整備に向けた第一歩~連携会議の開催

水俣・芦北地域の基幹作物である柑橘類においては、樹園地の多くが傾斜地に立地し、農家の高齢化も進んでいることから、基盤整備の重要性は関係者の共通認識となっている一方で、実際の整備は進んでいない状況です。この課題解決に向けて、当課では、既存の「芦北地方農業振興協議会」の下に、昨年度に果樹の専門部会を設置し、樹園地の基盤整備の推進を図っているところです。
4月22日には、市町・JAあしきた及び農業公社の担当者を参集し、令和6年度第1回目の連携会議を開催しました。
今回の連携会議では、令和6年度の整備候補地(管内の2~3カ所、計1ha以上で計画中)の準備状況や、今後の推進スケジュールの確認を主に行いました。地権者の同意取得を速やかに行うことや、果樹の基盤整備のため各市町が整備された補助制度の活用等について協議する等、基盤整備の実現に向けた第一歩となりました。
当課では、今後も関係機関との密接な連携を通じて、本年度中に整備園地の実現を目指します。

2024年6月

新役員紹介
令和5年度白濱会長挨拶

水俣・芦北・津奈木の農業コンクール受賞者語り合う

芦北地域の県農業コンクール受賞者の会(農業経営改善同友会)が、4月30日に令和5年度総会を開催しました。例年6月に開催された総会ですが、本年は早いスタートを切り、市町や農協など関係者を含め37名が出席し、盛会となりました。
新会長にNPO法人ばらん家 代表の松原氏を迎え、新体制で臨むこととなりました。
総会に続き、令和5年度熊本県農業コンクール受賞者の農業経営改善の活動紹介として、当課から 経営体部門の茶・和紅茶の取り組み、新人王部門のサラダ玉ねぎ、地域農力部門の寒漬大根を使った食育の取り組み、地域貢献賞の不知火の先駆的導入の取り組みなど、持続可能な農業である受賞者4組の事例を紹介しました。参加者は身近な地域の取り組み事例に関心を持っていただけたようでした。
令和6年度の活動は、城南ブロック研修会(球磨地域)、管内先進事例研修会、経営研修会を計画しており、前年に続いて若い担い手との合同研修を予定しています。
農業普及・振興課では、市町・JAと連携して、地域の方々と一緒に担い手の育成を支援していきます。

2024年4月

毎月1回ペースで実施したPT会議
JAあしきたでの就農準備研修者推移

芦北型かんきつ就農支援で令和5年度研修生が増加

芦北地域では、かんきつ農家の高齢化と担い手不足の問題解決のために、市町、JA、普及で「新たな担い手確保対策プロジェクトチーム」を設置し、地域一丸となって新規就農者の確保に取り組んでいます。
管内での新規就農者が難しい中で、全国から新たな人材を発掘すべく、SNS(ホームページ、インスタグラム)で積極的に発信しています。
併せて県内外の就農相談会で、園地のリリーフ体制(就農後の園地確保)の構築を紹介し、その後もオンライン相談後、現地見学、お試し研修と段階を踏んで、あしきた農業の魅力体験してもらって、移住の際の住居や生活面の不安の解消にも役立ててもらいます。
その効果もあって、年々芦北へ移住して、新規就農される方が増えてきました。令和5年度では、前年の2名から増えて6名の就農準備研修生(うち1組は夫婦)となり、芦北地域の将来を担う若い世代で活気が生まれています。
この流れを止めることなく、これからも農業普及・振興課では市町、JAと一体となった切れ目のない芦北型かんきつ就農支援で選ばれる産地を目指していきます。

2024年3月

認知度UPを!みなまた茶のブランディング支援

管内の茶生産者は、近年の価格低迷に加え、大産地(知覧茶、八女茶等)との競争などにより大変厳しい状況にあります。今後、みなまた茶が生き残っていくためには、認知度の向上が急務と考えます。
そこで、当課では関係機関と連携し、例年の生産指導に加え、今年度から新たに、局政策調整事業及び県単事業を活用して、”みなまた茶のブランディング支援”を開始しました(以下取組①~⑨)。
①コンセプトの策定…「環境へのやさしさ」、「ライフスタイルの充実」、「魅力ある地域資源との共生」
②ターゲット層の策定…20~30代のライフスタイルを重視する女性
③共通ロゴマークの作成…和紅茶とセットとなるデザイン
④リ―フレット・カードの作成…茶殻をすきこんだ紙を使用した紹介資料
⑤ロゴを活用した資材の作成…ハッピ、金太郎飴、ガチャガチャの導入等
⑥地元漫画家とのコラボ…茶袋パッケージデザイン、テーブルクロスの作成
⑦地元企業とのコラボ…ライスレジン®※を使用した商品の開発
⑧ギフトセットの作成…みなまた茶・和紅茶 全13種類、透明急須のセット
⑨商談会等への出展…SMTS2024、FOODEX JAPAN2024等
来年度からも、次なる策としてみなまた茶のプロモーション強化に着手するなど、生産者・関係機関と一体となって引き続き取り組んでまいります。

※ バイオマスレジン(水俣市)が製造する、お米を使用したプラスチック

2024年3月

室内研修会で説明する講師
現地での電気柵の電圧の確認状況

獣害対策 ~防護柵の維持・管理講習会を開催~

芦北地域ではシカ等による農作物被害が急増しており、被害から「守れる」 圃場づくりを進めています。補助事業等を活用して防護柵の導入を図っていますが、メンテナンスが不十分なため害獣が圃場に侵入するケースが散見されています。そこで3月6日に防護柵の維持や管理に関する講習会を、県むらづくり課と連携して水俣市で開催しました。
講習会では、当課から被害の実状と対策の必要性を説明し、熊本県えづけSTOP!対策ソリューションアドバイザーである稲葉氏から「守るを基本から学ぶ」と題して講習いただきました。さらに、電気柵を設置している現地圃場で、実際に電圧を測定しながら改善点の指導を受けました。
多くのほ場で適正な電圧が確認されなかったこともあり、参加者から「数値(電圧)をもって認識する重要性を再認識した」、「侵入防止柵は、設置後も定期的に点検することが大事」といった声が聞かれました。
学んだことを活かし、正しい対策の実践につなげるため、講習会の最後に当課から、定期的な現地確認をすることを提案しました。今後もできることを着実に取組み、獣害から「守れる」地域づくりを進めていきます。

2024年3月

「熊本EC12」園地
現地検討会の様子

「熊本EC12」若木の冬季管理検討会を開催

本県が開発した柑橘品種「熊本EC12」は、水俣・芦北地域においても不知火類・甘夏みかんを補完する新規品種として関心が高まっています。本品種は果実の美味しさが農家に知られるようになり、栽培面積も増えつつありますが、花の咲き過ぎにより樹が衰弱してしまうケースが指摘されており、樹勢を維持しながら苗木から成木まで育成する技術の定着が課題となると考えられます。
そこで、せん定管理や植物ホルモン剤の活用により、適正な樹勢を維持する技術を検討するため、JAあしきたを始めとする関係機関と共に、津奈木町の生産者ほ場において、2月26日に現地検討会を開催しました。この検討会には、JAあしきたの技術員に加え、園主始め農家2名も参加しました。
検討会では、若木の仕立て方や花の咲き過ぎを防ぐ方法等について、白熱した議論が行われ、本品種への注目の強さを窺うことができました。
当課では、JAあしきたを始めとする関係機関と連携し、「熊本EC12」の栽培技術の確立や産地の振興計画作りを支援していきます。

2024年3月

講演会の様子
新規就農支援の取組み紹介の様子

芦北高校生向けに地元農業の魅力と 就農支援内容を授業で紹介

芦北4Hクラブ(以下、4HC)では、今年度から芦北高校農業科の生徒との交流会を開催し、交友を深めています。そのような中、2月21日に、生徒に芦北の農業の魅力を知ってもらうため、4HCが講師となり、就農教育講演会が開催されました。生徒は22名、4HCからは3名参加がありました。
講演は、地元の農業及び就農へのイメージを分かりやすくするため、スライドを用いて、就農するに至った経緯や、農業経営の現状など、自身の経験を交えた内容でした。更に、4HCについても、クラブ員が作成した動画で紹介し、活動の魅力を伝えました。その後、クラブ員と生徒間のフリートークでは、生徒からも多くの質問が出され、就農に関する興味が深まった印象が伺えました。
当課からも、地元就農に関して、リリーフ園制度など、芦北地域の新規就農支援の取組みについて事例を交え紹介しました。
生徒からは、「4HCの皆さんの姿と活動がかっこいい」「芦北地域の新規就農者向け支援が手厚い」など、地元農業と就農に関する興味が感じられました。
次年度も、4HC員のほ場でトウモロコシの収穫・試食体験や、授業の一環での分科会等、一層交流会を深めていくよう計画しており、当課では、今後も4HCの活動を支援していきます。

2024年3月

専門家によるゲノミック評価に関する講演
我が家の飼料設計(栄養状況)を確認中

水俣・芦北の畜産!繁殖でも県内トップクラスを目指して

水俣・芦北の畜産は、従来、肥育経営が主力の産地として有名ですが、子牛(肥育素牛)価格の高騰等により、繁殖経営への転換が進んでいます。
肥育経営では、食肉としての価値を高める飼養管理技術が必要ですが、一方、繁殖経営では、1年1産させる・子牛を健康な状態で分娩させる・子牛を良好に発育させる・市場価値の高い子牛を生産する等、より高い飼養管理技術が求められます。
そこで、R2年度から、関係機関と連携して、子牛成育調査や飼料設計の助言、繁殖検診等による飼養管理技術の向上や、早期に牛の能力を推定するゲノミック評価分析(計71 頭分)の実施等による高能力母牛の造成推進等に取り組んできました。
1月30日には、これらの取組(成果)について、生産者自らが、より有効に活用していくための方法・知識を身に付けてもらうことを重点に、飼料設計の実習(PC作業)を兼ねた研修会を企画・開催しました。
非常に厳しい畜産経営を強いられている今だからこそ、生産者が学べる場を提供できたことはとても有意義であったと思います。
これまで以上に、生産者・関係機関等が一丸となって、肥育だけでなく、 繁殖でも、県内(全国) トップクラス になれるよう支援して参ります。

2024年3月

移植機での植付の様子
現地検討会

被災地域への加工用バレイショ新規導入に向けて

芦北地域では、令和2年7月豪雨で被災した芦北東部地区で基盤整備の計画が進んでおり、整備地への新規導入を目的として、令和3年度から加工用ばれいしょの栽培実証に取り組んでいます。
過去2年間の実証で有望品種や適した植付時期等が明らかとなり、本作では、収量向上や省力化を目的に、植付時期の早進化、栽植密度、機械化一貫体系について栽培規模で検討しています。
1月17日には、(株)クボタ、JAあしきた、農業技術課の協力のもと、移植機を用いて実証ほ場約50aに加工用品種「オホーツクチップ」を植付し、調査を行いました。また、1月25日には、(株)湖池屋、県関係機関、関係JA等と現地検討会を行いました。地域の担い手へ取り組みを周知するため、実証ほを基幹道路沿いに設け、作業機会には担い手候補者への参加呼びかけも行っています。
加工用バレイショの産地化には機械導入が必須であり、高齢化が進み担い手が少ない地域での導入には課題も多くありますが、産地化に向けて関係機関と連携しながら取り組んでいきます。

2024年3月

先輩農家としてリアルライフを話す山本氏
就農希望者への質問に答える山本氏

首都圏へ向けて就農情報で先輩農家としてリアルライフ を紹介

熊本農業を知りたい首都圏の方を対象に、芦北地域のリアルな就農の姿を見てもらい興味をもってもらいたいと考え、1月19日に「くまもと新規就農セミナー」が開催されました。サラリーマンから新規就農した先輩農家として、山本章太氏に体験発表を行ってもらいました。山本氏は一般企業を経験後1年6か月の就農準備研修を経て第三者継承をされて就農4年目になります。
農業者としていい面(いろんな縁や普通では味わえない経験)やつらい面(自然相手の抗えない部分や起業家として何から何まで自分でやる事)等リアルに体験し苦労してきたことを新規就農希望者へのアドバイスとして熱をもって話されました。発表後の山本氏への質問も多数ありました。
又セミナーを共催した芦北地方農業振興協議会から就農相談から産地見学会や農業研修そしてリリーフ園での就農までの「伴走型就農支援」を説明して、芦北地域への柑橘での新規就農の可能性を紹介しました。
今後も引き続き関係機関が連携して、新規就農者の確保支援を行ってまいります。

2024年2月

世界最高峰の茶コンテスト「THE LEAFIES」で生産者2名が受賞・表敬訪問

「THE LEAFIES」は昨年度から紅茶の本場イギリスで開催されている世界最高峰の茶のコンテストで、紅茶、緑茶、釜炒り茶等の20以上の部門に300点以上の茶が出品されます。
今年、管内の茶生産者である「お茶のカジハラ」さんが釜炒り茶で金賞を、「お茶の坂口園」さんが紅茶で優秀賞を受賞されました。梶原さんは昨年度のコンテスト最高賞に続き、2年連続での受賞となりました。(結果詳細は下表のとおり。)
12月22日には受賞されたお二方による、振興局長への表敬訪問をいただき、栽培や製造上のこだわりについてのお話や、受賞茶のふるまいを行っていただきました。
管内の茶が世界基準で高評価を受け、2年連続で受賞されたことは、生産者の皆さんへも明るいニュースとなりました。今後も当課では、高品質な茶生産のため栽培技術の支援等を行っていきます。

2024年2月

芦北地域「輝き」栽培面積推移
「輝き」に関心を寄せる生産者ら

「くまさんの輝き」作付け拡大へ!水稲講習会を開催

芦北地域の水稲作付けは、「ヒノヒカリ」が大部分を占めている一方で、「くまさんの輝き」(以下、「輝き」)の作付面積が年々拡大しています(下グラフ参照)。その大きな要因は、近年、記録的な猛暑が続く中、「輝き」は高温耐性に優れ、品質が保たれることにあります。実際に、今年の1等米比率は「ヒノヒカリ」の43.9%に対し、「輝き」は86.1%と差が開きました。
そこで、更なる「輝き」への品種転換を推進するため、JAあしきたと連携して講習会を開催しました。始めに、「輝き」のR5年産の出荷量と1等米比率、また、県内での生産状況や品種特性について説明を行いました。続けて、品種ごとに玄米サンプルを用意して、白未熟粒※の割合等を見比べてもらいました。
生産者からは、「『輝き』に来年からでも転換したい」という声が聞かれるなど、「輝き」の品質の良さを実感され、前向きに品種転換を検討される方が多くいました。
R6年産も「輝き」の作付面積は増加する見込みです。今後も当課では、「輝き」への転換が生産者にとって希望となるように支援して参ります。

2024年2月

Y氏の園地を見学する様子
JAあしきた選果場の視察状況

新規就農確保に向けてバスツアーの開催

芦北地域では、管内で就農を希望される方を対象に、地域の魅力や果樹農業の実情を見て知ってもらうための「バスツアー」を12月9日に実施しました。
今年度就農相談会の来場者や情報誌を通してツアーを周知したところ、関東を含む4名(県外3名県内1名)の参加がありました。当日は、新規就農者第1号のY氏の園地を見学し、Y氏からは就農のきっかけや果樹という作物のメリット・デメリット等を話され、その後の意見交換では参加者から多くの質問が出されました。選果場では、JAから県内でトップクラスの「でこぽん」の生産状況や販路について話され、参加者の中には芦北での就農に強い意欲を示され方もおられました。今後は、就農への次のステップとして果樹作業体験等の短期研修に参加いただき、円滑かつ就農希望者に寄りそう就農サポートを図っていく予定です。

2024年1月

対策展示ほ設置検討会の様子
対策展示ほ設置検討会の様子

鳥獣被害に強い園地へ~防護柵のモデル園を設置~

芦北地域ではシカ等による農作物被害が急増しており、被害から「守れる」園地づくりを進めています。その一環として、11月20日に地域で初めての導入となる防護柵(金網柵)の対策展示ほ設置検討会を開催しました。
既存の防護柵の設置箇所においては、被害防止効果が導入時にはあるものの、管理不足等により柵が機能していない場合が見られます。そこで、今回の展示により、設置に係る施工性や農作物の被害軽減効果の検証を行っています。
現地検討会では、専門家や資材メーカーの担当者を始め、関係機関(市町、JA、農業共済)、農業者を招き、施工方法や施工性を体感しました。参加者からは「設置は力が必要で大変だけど、これなら守れそう」といった声が聞かれ、活発な意見交換を行うことができました。
鳥獣被害の軽減を図るため、これまで当課では関係機関と連携して地域連絡協議会を設立し、連携会議や講習会等を実施してきました(5月、9月普及現地情報参照)。
今後も連携を密にして、展示ほでの被害軽減効果を検証しながら鳥獣被害に強い園地づくりを進めていきます。

2024年1月

佐伯市での研修の様子(11/15)
放棄園や休耕田を再生した樹園地

果樹の基盤整備に向けて~先進事例研修の開催

水俣・芦北地域の基幹作物である柑橘類では、樹園地の多くが傾斜地にあるため、労働生産性の向上を図る上で基盤整備の推進が大きな課題となっています。
そこで、今後の基盤整備の参考とするため、主に水田の畑地化を通じて樹園地の基盤整備と、担い手への集積を推進している大分県佐伯市の取り組み状況を調査しました。研修会には、市町・JAあしきたの担当者に加え、JAあしきた果樹部会の役員等の農家3名も参加いただきました。
研修会では、大分県南部振興局並びに佐伯市の担当者から、地権者との交渉において地域リーダー農家の参画が大きな力になったこと、土質調査等により最適な改良工事を実施し、工費の節約に努めたこと等、取り組みの要点を説明いただきました。参加者からは、「集積推進チームの編成や進行管理の手法がポイントと感じた」「水田転換での果樹園整備の参考になる」等の声が聞かれ、当地域で樹園地の基盤整備を進める上で、貴重な知見を得られたと考えられます。
当課では、樹園地の基盤整備を進めるため、市町・JAあしきたで構成する「芦北地方農業振興協議会果樹部会」において、毎月の連携会議や、整備候補地の現地検討会等を実施しています。今後も関係機関との連携を密にし、樹園地の基盤整備の実現に努めていきます。

2024年1月

プロジェクト発表
表彰式

プロジェクト取組数倍増!4HC全員で農業経営改善能力を培う

芦北地方青年農業者クラブ連絡協議会(4HC)は、クラブ員がここ数年増加し、現在11名となり活気が増しています。しかし、プロジェクト活動に取組むクラブ員は、前年度で4名程度と半数以下の状況でした。
今年度は、新会長を中心に「クラブ全員でプロジェクトに取組むことで農業経営の改善を図りたい」という強い意志を受け、当課では全課員で5月から個別ヒアリングによる課題の選定や、9月の中間報告会、11月の合同発表練習など、実になるプロジェクト活動となるための積極的な支援を行ってきました。
その結果、11月17日に開催された芦北地方青年農業者会議では、意見発表と地域活動報告を含め、9名が発表しました。初めてプロジェクトを発表したクラブ員からは、「プロジェクトは面倒そうで抵抗があったが、普及指導員やクラブ員の協力を得ながら取組めたことで、問題を解決するための方法が身に付き、自信につながった」など、意欲の向上が見られました。
当課では、クラブ員のプロジェクト活動を通じた経営改善に向け今後も継続的に支援していきます。

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