2024年のエリア普及現地情報

2024年3月

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牧野組合情報交換会の様子

牧野組合情報交換会の開催

古くから野焼き・放牧・採草を行い、膨大な時間をかけて形成・維持されてきた牧野は近年、有畜農家の高齢化及び離農による放牧頭数の減少や人手不足が深刻化しています。そこで、阿蘇の広大な牧野の維持・再生及び肉用牛生産の拡大を図るため、牧野組合及び管内関係機関(延べ56名)を参集し、牧野組合情報交換会を開催しました。
牧野における畜産的利用(放牧・採草)を推進するうえで必要な情報・支援策として、省力化技術の取り組み(リモコン草刈り機や放牧牛の監視システム等)や普及活動・試験研究等で得た成果について情報共有を図るとともに、意見交換を行いました。参加者からは放牧牛監視に要する多くの時間を削減するために、GPSを使った管理に取り組んでみたいという意見が多く聞かれました。
現在、飼料や肥料等の価格高騰や子牛価格低迷により、生産現場にとって非常に厳しい状況に直面しています。このような中、改めて自給飼料や堆肥の活用等、国内資源による生産基盤の強化が注目されており、阿蘇地域の草原の維持と持続的農業の重要性はますます高まっています。
農業普及・振興課としては、引き続き阿蘇の広大な草地資源の有効利用とIoT機器等の新しい技術の導入に向けた支援を行い、阿蘇の畜産振興に取り組みます。

2024年2月

研修の様子

市町村・団体等向け阿蘇地域家畜防疫研修を開催

高病原性鳥インフルエンザを始めとする悪性家畜伝染病対策には通常時の準備が必要です。後方支援体制の中心となる振興局内職員に対してはこれまで複数回にわたり研修を行ってきましたが、今回初めて市町村・団体等のみを対象とした研修を開催しました。
研修では、近県の発生から阿蘇管内での発生まで様々なケースを想定し、これに対応する各機関に必要な行動や準備などについて解説を行い、事前の人員貼り付け等の毎年の見直しなど、準備の重要性を伝えました。
また、埋却ができないと判断された場合に使用する可能性のある、移動式焼却炉について、映像を用いてその設置や稼働に必要な条件等を確認しました。
今後も引き続き、万一の発生時に迅速な初動防疫が行えるよう、体制の強化に取り組んで参ります。

2024年2月

中部トマト部会総会・反省会
生育調査の様子

過去最高の販売実績で夏秋トマト出荷終了!

阿蘇地域では、阿蘇市、南阿蘇村を中心に200名の生産者が56haで夏秋トマトを栽培しています。令和5年産は定植時期の低温や、梅雨前線による大雨、異常気象等の影響を受けながらも、順調に生育し、過去最高であった令和4年産の実績を更に上回る販売実績となりました。
さらに収量を伸ばすためには、7月下旬から8月中旬の出荷量の落ち込みを改善する必要があります。初期に草勢を強くしすぎると着果数が増加し、梅雨の曇雨天と重なる時期にスタミナ切れとなり、着果数が減少することがその要因の一つです。特に、地下水位が高く、土壌が乾きづらいほ場では、土壌水分とともに肥料分が吸収されるため、より初期の草勢が強くなる傾向にあります。
そこで当課では、令和3年度から継続して、地下水位の高い地域の初期の草勢コントロールの改善を目的に、肥料溶出が水分の影響を受けない緩効性肥料を利用した実証試験を実施しました。3年間の実証試験により、緩効性肥料を利用することで、初期の草勢を抑え、長期に渡って肥効を維持させることで草勢安定につながり、収量が向上する結果が得られました。
これらの結果を12月に行われたJA阿蘇中部トマト部会、ミニトマト部会の反省会の中で報告し、緩効性肥料の有効性の周知を行いました。生産者からは来作での導入を検討する声や導入に対する相談が寄せられ、関心の高さが感じられました。
今後も、初期の草勢コントロールの技術確立に加え、収量向上に向けた技術支援を行ってまいります。

2024年2月

相談会の様子
決算分析書

地域営農法人向け経営相談会を開催

農家の高齢化や担い手の減少等が加速する中、阿蘇地域では平成27年から多数の地域営農法人(以下、法人)が設立されています。今後、法人の担う役割がますます重要となることから、法人の運営を支援するため、管内19法人を対象とした経営相談会を開催しました。
経営相談会では、各法人の決算書やアンケート調査結果を基に決算分析書等を作成し、経営視点を持ってもらうため、経営状況を説明しました。併せて、農業公社、市町村、JAと連携して、法人が抱える課題について意見交換を行いました。経営分析では、売上部門ごとに製造原価費等を分けていない法人が多く、コスト削減に向けた取組みとして、部門ごとの収支を把握するよう指導しました。意見交換では、各法人によって課題は様々ですが、共通の課題として「労力の確保」や「収入源の確保」等が挙がりました。また、一部法人からは「法人間同士で機械・作業の共同化が必要である」といった意見が聞かれ、将来への危機感が強まっていると感じました。
当課では、法人の経営維持・発展に向けて、土地利用型作物の収量・品質向上や冬作の導入支援、法人間連携に向けた関係機関との協議等を引き続き行っていきます。

2024年1月

今シーズンの広域放牧が終了しました

阿蘇では、阿蘇地域以外から妊娠牛の放牧を受け入れる「広域放牧」が実施されています。11月30日、阿蘇市の狩尾牧野と跡ケ瀬牧野において、今シーズンの広域放牧を締めくくる退牧式が開催されました。これで阿蘇市の木落牧野と高森町の小倉原牧野を含めた4牧野における今シーズン(4月-11月)の全ての広域放牧が終了となりました。
4月下旬から阿蘇の草原でのびのびと放牧されていたあか牛や黒牛は、冬の間はそれぞれ地元の牛舎に帰り、来年の春にまた阿蘇の牧野に戻ってきます。
放牧期間中、草地畜産研究所と協力し、オンラインで放牧牛の位置情報がわかるICT機器の実証試験に取組みました。試験終了後には、「自宅で牛の居場所がわかるから安心だった」、「牛を捜索する際に目星をつけられて便利だった」という声が聞かれました。
当課では、引き続き牧野組合や農業団体等と協力し、広域放牧の拡大やICT機器活用による省力化の検討を進め、牧野の畜産利用を推進してまいります。

2024年1月

過去最高の販売高!阿蘇の園芸品目で「稼げる農業」を実現

阿蘇地域は冷涼な気候特性を生かして園芸品目の栽培が盛んな地域です。管内の農業師匠※1の元で研修を積み、新たに農業を始める新規就農者が多い地域で、その多くはJA阿蘇の各生産部会に所属しています。生産部会の総会や出荷査定会が開催される中、夏秋トマト、アスパラガス、イチゴでは過去最高の販売高を記録し、園芸品目で「稼げる農業」を実現しています。
農業普及・振興課は、これまで品目ごとの課題に対して関係機関と協力しながら解決に向けた支援を実施してきました。その成果が販売高のアップに結び付いたと思っています。総会や出荷査定会では「ありがとう。おかげで良い品質の物が取れたよ」など感謝されることも多く、普及活動の醍醐味を感じる機会が増えています。今後も世界農業遺産※2に認定された阿蘇地域農畜産物の安定供給に向けて、生産出荷体制の更なる強化を図っていきます。

※1:農業師匠とは、阿蘇地域で農業を営む、後進の育成に情熱を持った先進農家。
※2:世界農業遺産とは、国際連合食糧農業機関が開始した仕組みで、次世代に受け継がれるべき伝統的農業や生物多様性、伝統知識、農村文化、農業景観などを全体として認定し、その保全と持続的な活用を図るもの。阿蘇地域は平成25年に認定を受け、今年で10周年。

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