2019年のエリア普及現地情報

2019年12月

種苗会社による品種説明の様子
トルコギキョウ栽培ほ場

トルコギキョウ品種説明会の開催

阿蘇地域の花き生産では、トルコギキョウが主要な品目となっています。特に、夏秋期の重要な出荷の役割を担っており、県全体の周年出荷を可能としています。
トルコギキョウの生産者は、高齢化に伴い面積を縮小する傾向にありますが、近年、数名の若手が新たに作付けを開始しており、産地の維持及び活性化が期待されています。一方、当地域の課題として、各生産者が品種や定植時期を決定するため、品種のばらつきや出荷量の増減により安定した市場供給が行えていないことが挙げられます。
このため、去る11月22日にJA阿蘇が主催し、来年産の作付けに向けたトルコギキョウの品種説明会が開催されました。種苗会社6社から新品種の説明や当地域の作型に合う品種組合せが提案されました。また、市場担当者から今年産の出荷状況や情勢報告が行われ、色のバリエーション確保や出荷量の平準化についての要望がありました。
当課では、今回の説明会の内容もふまえ、関係機関と協力して、品種や定植時期の現状調査を行い、当地域に適合する品種の選定と定植・出荷計画を助言し、稼げる花き経営に繋げていきます。

2019年12月

出荷反省会の様子
アスパラガス栽培の様子

JA阿蘇アスパラ部会が販売額8億円を突破

阿蘇地域では、夏場の冷涼な気候を活かした夏秋野菜の生産が盛んです。特に、アスパラガスは、トマトに次ぐ主力品目となっており、栽培面積、栽培戸数ともに微増傾向です。
12月5日に開催された令和元年度JA阿蘇アスパラ部会出荷反省会において、販売額が初めて8億円を突破したことが報告されました。本年は、前年より約7,000万円超の大幅な伸びとなっています。
この要因は、アスパラガス栽培が当地域に適しており、関係機関が一丸となって生産振興していること、講習会により栽培技術が向上していること、JA販売担当者と取引市場が密に情報交換を行い、販売価格の向上に努めていること、「農業師匠」等により後継者の確保・育成が図られていることなどが考えられます。
また、当部会からは、高原農業研究所において当地域に適した品種選定や新たな栽培技術の確立などの現地での研究実施を望む声や降灰対策事業の要望が出されました。
当課では、これらの要望を関係機関につなぎ、対応を進めるほか、栽培技術の向上に向けた現地調査や講習会を継続して行い、稼げる農業経営を推進していきます。

2019年12月

ロボットコンバインによる稲刈りの様子

水稲生産コスト低減を図るための新技術の取り組み

当課では、水稲生産コストの低減を図るため密播技術の展示ほを設置しており、9月11日に阿蘇市の地域営農法人の展示ほの現地検討会に併せて、収量センサー及び自動運転アシスト機能付のロボットコンバインの実演会を開催しました。
当該機械は収穫した籾米のタンパク質含有率や収量が自動で計測されるだけでなく、ほ場の周囲5mを手動で刈取りを行えば、操縦者を乗せた状態での自動運転が可能です。また、籾米タンクが満杯になると、収穫をやめて自動で籾を排出する場所へ移動します。実際に乗車した法人の構成員からは、「操作しなくていいから便利だ。」という声が聞かれ、他の参加者からも熱心に質問が行われていました。
当課では、従来の収量調査と当該機械の収量データについて比較検討を行うなど、今後も新技術やスマート農業の情報提供を行っていきます。

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