優れた種雄牛造成に向けた取り組み ~候補牛の審査を実施~
畜産業振興の基礎となる家畜の改良増殖には長い年月と多大な労力を必要としますが、優秀な種畜がもたらす便益は大きく、阿蘇地域では県畜産関係者団体、生産者が一丸となり、肉用牛の改良に取り組んでいます。
本県では遺伝的能力評価に基づく種雄牛の作出を実施しており、その候補牛は指定雌牛と呼ばれる県内トップクラスの高能力を有する雌牛から生まれた雄産子が対象となります。なお、指定雌牛は、県内では80頭(黒毛30頭、褐毛50頭)が選抜されますが、そのうち47頭(黒毛10頭、褐毛37頭)は阿蘇地域からとなっています。
指定雌牛から生まれた候補牛は3~4ヶ月齢時点での1次審査、4~5ヶ月齢時点での2次審査により、発育や体型の審査、様々な病気の検査を実施します。合格した牛は本県が購入し、畜産研究所での検定や厳しい選抜が実施され、年に2~3頭程度が基幹種雄牛(5歳)になることができます。
本年度は、既に阿蘇地域からの候補牛の買い上げ頭数が4頭(褐毛)となっており、今月は6頭の1次審査(かなり多い)と、1頭の2次審査を実施しました。関係機関による適正な飼養管理の指導と生産者の協力のもと、例年にない頭数の候補牛が確保できています。
当課では、引き続き阿蘇地域から肉用牛の改良に資する優れた種雄牛造成を目指し、本県の家畜改良増殖目標に沿った畜産経営の推進を図っていきます。