牧野巡回調査を継続実施中
牧野の畜産的利用(放牧、採草)は草原の維持に重要な役割を果たしています。一方で、有畜農家の減少等により、牧野の畜産的利用が衰退しているところもあり、草原の荒廃が懸念されています。そこで、各市町村担当者と畜産協会協力のもと、8月から2月にかけて7市町村44ヶ所の牧野組合において、牧野の現状把握を目的とした巡回調査を実施しました。
調査の結果、44牧野のうち4牧野で畜産的利用が行われていませんでした。さらに、今後の牧野の維持管理に不安や負担を感じていると回答した牧野は34牧野にのぼりました。その半数以上の25牧野では放牧者が3人以下、特に高齢者1人だけで放牧実施中の牧野が3牧野という結果となり、存続が危ぶまれる状況です。
また、畜産的利用が衰退しつつある牧野からは、「せっかくの資源。放牧等で牧野資源を有効活用してほしい。」、という意見も多くあげられました。今回調査した牧野とは異なる組合に所属する若手農家からは、「牧野を活用して規模拡大したい。」、「もっと放牧したいが牧野が足りない。」といった相談もあります。調査した牧野のうち22牧野が「条件次第では牧野の組合員外への貸し付けが可能。」と回答しており、今後は牧野資源の有効活用に向けて組合員以外も牧野を利用できるよう、合意形成を支援していく必要が考えられました。
当課では、今後は残り約100牧野の調査を継続して実施するとともに、関係機関との連携を図り、牧野の有効活用支援に取り組んでまいります。