2020年のエリア普及現地情報

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2020年11月

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生育状況報告の様子
収穫風景

高密度播種技術展示ほの現地検討会を開催

阿蘇では地域営農法人の設立が相次いでおり、経営安定に向けた取り組みとして、水稲の生産コスト低減である高密度播種技術の導入を推進しています。
本年は高森町の(農)矢村の杜で展示ほを設置しており、収穫直前の10月19日に現地検討会を開催しました。
法人構成員のほか、JA、農機メーカーなど9名が参加し、これまでに調査した使用箱数や生育状況について説明を行いました。生育について、慣行の稚苗との比較では、稈長はやや低く、穂数はやや少なかったものの、穂数型の品種であることから一株当たりの穂数が30本以上と旺盛な生育を示しました。
同日に収穫を行い、収量は概算で10a当たり8.5俵となり、同技術でも収量性は上々との声が聞かれました。
また、この展示ほでは「くまさんの輝き」を作付しており、法人では初めての作付ということで、11月下旬に食味評価会を開催し、次年度の作付を検討する予定です。
当課では今後、展示ほでの坪刈り調査を基に、収量や登熟歩合などのデータを取りまとめ、成績検討会を行い、水稲の低コスト生産と県オリジナル品種の「くまさんの輝き」の作付けを推進していきます。
※高密度播種:苗箱への播種量を増やして、田植の時に使用する苗箱数を減らすことで、資材費や労力の軽減を目指すもの。

2020年11月

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意見交換会の様子
栽培暦

もち性大麦意見交換会開催~阿蘇産もち性大麦の産地育成に向けて~

阿蘇地域では法人の経営安定や土地利用率の向上に向け、裏作麦の作付けを推進しています。特に中山間地域である高森町と南阿蘇村の法人では新規作物として、もち性大麦を有望と考えており、令和3年度産では新たに1法人加わり、3法人で5.9haに作付が拡大される見込みです。
農業普及・振興課では、次年度産の作付けに向けて、10月16日に生産者、実需者、JA、高原農研等の16名を参集し、次期作に向けた意見交換会を開催しました。
会議では、もち性大麦品種「ホワイトファイバー」の阿蘇地域での栽培特性のほか、昨年度課題となった調製機材や流通手段に関する確認をしました。
今回初めてもち性大麦の作付を行う法人もあるため、昨年のデータにより施肥設計などを改訂した栽培暦を用いて、当課及び高原農研から品種ごとの生育ステージや施肥設計及び栽培管理についての指導を行いました。このほか、種子の確保状況の確認や今後の産地品種銘柄申請、もち性大麦の今後の需要見込み等についての意見交換も行いました。
当課では、当該法人で展示ほを設置し、定期的に生育状況を確認、栽培管理技術指導を行い、阿蘇産もち性大麦の産地育成に向けて支援を行っていきます。

2020年11月

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設立総会の様子
設立総会の様子

営農改善組合 続々設立!

阿蘇地域では担い手への農地集積を図るため、農地集積加速化事業を活用し、話し合い活動を行っています。
令和元年度農地集積促進地区に指定され、話し合いを重ねてきた阿蘇市の東下原(ひがししもばる)地区、上役犬原(かみやくいんばる)地区、西町地区の3地区において、10月26~28日に法人設立準備委員会に当たる営農改善組合の設立が行われました。
総会では事業推進員会長から、これまで推進員会で行ってきた話合い活動や研修についての紹介、地元の農業者の平均年齢が60歳を超えており4~5年先の農地がどうなるか不安であること、法人設立が今必要であること等の思いが話されました。
出席者からは、将来の法人設立や運営、農作業機械の運用に関する意見等が挙げられ、地域や農地を守っていくことに対する関心の高さや熱意が伝わってきました。
今後、役員を中心に農地集積計画や自分たちが目指す法人像についての具体的な話し合いを行い、法人設立発起人会の発足を目指します。
当課では引き続き関係市村、JA、農業公社と連携し、月に2~3回のペースで農地集積や法人設立に向けた活動を支援していきます。

2020年10月

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ほ場審査の様子
審査後の講評の様子

水稲採種ほ審査を実施

阿蘇地域では、南阿蘇村で「コシヒカリ」約12ha、小国町で原種を含めて「あきげしき」約9haの採種が行われています。8月上旬から9月上旬にかけて、「コシヒカリ」及び「あきげしき」の出穂期、糊熟期に合わせて当課、主要農作物改良協会、JAの3者で採種ほ審査を行いました。
ほ場審査では、「コシヒカリ」では、生育期間中に好天に恵まれたことから、過剰な生育となったほ場で、台風の影響により一部倒伏がみられました。「あきげしき」では、トビイロウンカの発生が昨年に比べ多くみられました。
平年に比べ稲こうじ等の病害の発生はほとんど確認されていませんでしたが、一部ほ場で雑穂が見られたため、採種農家と現物を確認し、部会員で協力して除去するように指導しました。審査後には、全体講評を行い、指摘事項の確認や今後の水管理などについても指導を行いました。
本年度は、トビイロウンカの発生もほぼ全てのほ場で見られ、採種農家からは、「効果的な農薬はないか。」「来年はもっと虫の発生を早い時期から確認したい。」など次年度に向けて熱心な質問があり、対策について関係者間で意見交換しました。
収穫は順調に終了しており、今後も12月に種子生産物審査を行い、優良種子の生産を採種農家と一体となって取り組んでいきます。

2020年10月

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花芽検鏡で確認した1番花
設置した展示ほ

~イチゴの安定生産に向けて~定植終了

阿蘇地域では、「ゆうべに」「恋みのり」「さがほのか」の3品種を栽培しています。今年度は、約11.4haのイチゴの定植が終了しました。定植直前に台風10号が接近したため、定植や苗への被害が心配されましたが、9月8日から無事に定植が始まり、9月11日から15日に最盛期を迎えました。今年度は、講習会等で栽培指導を行ったこともあり、産地全体で採苗作業が揃い、病害虫の対策を徹底し、ほとんど問題は発生しませんでした。そのため、花芽分化の大きなバラつきも起きず、順調に定植を行うことが出来ました。現在は、2番花の検鏡を行っています。
当地域では、「ゆうべに」で一昨年及び昨年と過度な連続出蕾が多く発生し、頂果房と第2果房の果房間葉数が1~2枚の株の割合が高く、年明け後の成り疲れに繋がっています。このため、花房間葉数3~4枚を目指す必要があり、昨年度は、花芽分化から定植までの日数の違いと連続出蕾との関係を調査し、花芽分化後の早期定植が過度な連続出蕾対策になることが推測されました。さらに、今年度は花芽分化直後や定植直後の施肥と連続出蕾との相関を調べています。今後も関係機関と連携しながら、定期的に調査を続け、課題解決に向けて取組み、産地の発展に努めます。

2020年10月

生育状況報告の様子 
現地検討会の様子

高密度播種技術展示ほの現地検討会を開催

阿蘇では地域営農法人の設立が相次いでおり、経営安定に向けた取り組みとして、水稲の生産コスト低減である高密度播種技術の導入を推進しています。
本年は高森町の(農)矢村の杜で「くまさんの輝き」を用いて展示ほを設置しており、8月17日に現地検討会を開催しました。法人構成員のほか、JA、農機メーカーなど12名が参加し、これまでに調査した使用箱数や生育状況について説明を行いました。
高密度播種することで移植時の使用箱数は10a当たり8.7箱と、慣行の約半分まで削減しました。また、生育については、穂数型の品種であることから一株当たりの茎数が50本以上と旺盛な生育を示しました。併せて、今年はトビイロウンカの飛来が早く数も多いことから、防除所のデータをもとに防除適期の確認を行い、注意喚起を図りました。
収穫時には、スマート農業の一例として農機具メーカーに協力いただき、圃場収量やタンパク含量をその場で確認できる機能を有する「収量コンバイン」の実演会を予定しています。
当課では今後も定期的な調査、収穫前の現地検討会を行い、水稲の低コスト生産を推進していきます。

※高密度播種:苗箱への播種量を増やして、田植の時に使用する苗箱数を減らすことで、資材費や労力の軽減を目指すもの。

2020年10月

現地検討会の様子
ウンカ生息数の観察の様子

「水稲―大麦」体系化試験の現地検討会を開催

当課では、法人の経営安定に向けて、水田裏作大麦の作付拡大に取り組んでいます。阿蘇地域では5月移植のコシヒカリなどの主食用米水稲単作が多く、5月末に収穫される麦作との組み合わせが実施しにくい状況です。そのため、麦作の拡大には夏作の組み合わせが重要と考え、昨年度より「水稲-大麦」の体系化試験として、農産園芸課の県産麦パートナー強化推進事業を活用し、業務用米早生の多収品種「歓喜の風」の展示ほを阿蘇市に2か所設置しました。
9月2日に「歓喜の風」の現地検討会を開催し、生産者、JAと生育状況の確認を行いました。当課からは、各展示ほの耕種概要やこれまでに調査した生育状況の説明を行いました。生産者からは「生育初期は不安だったが、穂が出るくらいから良く出来ている」との評価を得ました。また、ウンカ生息数の調査をその場で行い観察したところ、要防除水準程度の数が確認されたため、防除指導を行いました。
当課では引き続き、生育状況調査やウンカの観察を行いながら、適切な管理を行うようJAと連携して指導を行っていきます。

2020年10月

意見交換会の様子
ニシノホシ(左)ホワイトファイバー(中)はねうまもち(右)

次年度に向けたもち性大麦の意見交換会を開催

阿蘇地域では法人の経営安定や土地利用率の向上に向け、裏作麦の作付けを推進しています。特に中山間地域である高森町と南阿蘇村の2法人では新規作物として、もち性大麦を有望と考えており、「はねうまもち」と「ホワイトファイバー」の品種比較試験を行っています。
R2年産の農産物検査が終了し、生産量・品質が確定したことを受け、8月19日に生産者、実需者、JA、品種育成地担当者(オンライン)等の17名を参集し、次期作に向けた意見交換会を開催しました。
会では、生産現場や実需者の意見、高原農業研究所のデータを検討した結果、次年度以降「ホワイトファイバー」に一本化することを決定しました。また、生育旺盛による倒伏の発生や、異種穀粒混入など生産面での課題のほか、今後の産地品種銘柄申請、もち性大麦の今後の需要見込みについて意見交換を行いました。
R3年産は2法人で4.9haと本年産の約2倍の作付けを予定しています。当課では次作に向け、本年度の結果を踏まえた栽培暦の改訂を行い、播種前に講習会を開催し、阿蘇産もち性大麦の安定生産に向けて支援を行っていきます。

2020年10月

情報提供の様子
ラジコン草刈り機の実演の様子

地域営農組織の運営をサポートします

8月27日に阿蘇地域集落営農連絡会報告会がJA阿蘇中部野菜センター敷地内で開催されました。
この連絡会は阿蘇地域の集落営農法人相互の連携・協調を目的に平成29年にJAを事務局として設立され、阿蘇管内で設立された法人で構成されています。阿蘇地域では、近年、農地集積加速化事業を活用した法人設立が相次いでおり、今年も令和元年度に設立した6法人が加入し、合計14法人となりました。
報告会では、例年当課から法人向けの各種情報提供をしていましたが、今年はJAから研修会も併せて行いたいと相談を受け、企画段階から関わり、各法人の関心があるドローンやラジコン草刈機の実演を提案しました。
当日は、法人やJA関係者76名が参加し、第一部として各法人の取組状況の自己紹介、JAからは資金等の情報提供がありました。当課からは機械導入に係る補助事業の紹介や農作業事故の状況と対策の周知、トビイロウンカの発生状況及び防除の周知を行いました。第二部では農機具メーカーの協力を得て、各種草刈機やドローンの展示・実演を行い、参加者は興味を持って熱心に質問を行っていました。
今後も、集落営農法人の経営安定・所得向上に向け、関係機関と連携して研修会開催などを通して、法人間の横の繋がりができるような支援を行っていきます。

2020年8月

勉強会の様子

阿蘇地方4HC勉強会の開催

阿蘇地方青年農業者クラブ連絡協議会は、幅広い年齢層(23歳~41歳)の15名で活動しています。
今年度は、新型コロナウイルスの影響で、長く集まる活動が行えていない状況でしたが、新役員の発案により、県民のコロナ発生が落ち着いていた7月13日にクラブ員と関係機関18名による勉強会を開催しました。
この勉強会では、クラブ員の多くが苦手意識をもっている「プロジェクト活動」の考え方や取り組み方について、昨年度の県農業者会議における秀賞発表を視聴する等の勉強を行いました。また、クラブ員との顔合わせや活動の取り組みを知ってもらい、新規就農者等への呼びかけを行ってもらうため各市町村担当者にも参加いただきました。
夏秋産地である阿蘇地域は、これから農作業が集中する時期になりますが、定期的な会議等を通し、意見交換を行うなどしてクラブ員間の視察研修やプロジェクト発表に向けて活動に取り組む予定です。
阿蘇で予定されていた本年度の「夏の集い」が延期となり、クラブ員も残念がっていますが、プロジェク活動で盛り上げていけるよう当課でも個別支援を行っていきます。

2020年8月

講習会の様子
流し込み施肥の実演

業務用向け多収品種「やまだわら」の普及拡大に向けて

JA阿蘇では、農業所得の向上、乾燥調製施設の効率的利用の観点から、業務用向けの多収品種「やまだわら」を推進しています。阿蘇地域は県内でも最大の産地となっており、本年度も約88haと作付けは拡大傾向にあります。
7月22日に生産者、JA担当者など23名により、講習会及び低コスト技術としての「流し込み施肥」実演会を開催しました。
講習会では当課から気象及び生育概況、農業研究センターから公表された栽培のポイント等を説明しました。
特に、本年はトビイロウンカの飛来が早く、また飛来数も非常に多くなっているため、防除時期についての説明を重点的に行いました。
「流し込み施肥」の実演では、メーカーより専用肥料の説明や注意事項を聞き、実演が行われました。事前に、肥料が拡散しやすいよう水田をひたひた状態にする必要はあるものの、水田に入らず追肥作業が行え、複数の水田を同時に施用できるため、更なる省力・低コスト技術として期待されます。
「やまだわら」については、JAと連携し、管内4カ所に展示ほを設置しており、7月31日に生育調査を行いました。一部のほ場ではトビイロウンカの発生も見られたことから、今後の防除に注意が必要です。
阿蘇地域はJA熊本経済連が開催する令和元年度「くまもとのお米」レベルアップコンテスト【やまだわらの部】において、1~3位を独占するなど生産技術面でも向上しています。「やまだわら」は栽培期間が長く、ウンカ被害を受けやすいため、今後もJAと生育状況調査を行い、ウンカ被害防止に向けた管理指導を行っていきます。

2020年8月

講習会の様子

ソバの講習会を開催

阿蘇地域は県内でもソバの大きな産地で、主に阿蘇市と南阿蘇村で作付けされています。特に南阿蘇村では、比較的取り組みやすく、所得が得られる作物としてソバを振興しています。本年度は南阿蘇村で約110haの作付けが見込まれており、8月6日に南阿蘇のソバ生産者を対象に、適期播種や栽培管理等についての講習会を開催しました。午前と午後の2回行い、延べ100名ほどの生産者が参加しました。
昨年度は8月中旬からの長雨の影響で収量が減少するなど、湿害による生育障害が課題となっていたので、排水対策を中心に講習を行いました。また、高原農業研究所のデータを活用し、播種期と収量の関係を説明、適期播種の推進による収量の向上を説明しました。
このほか、今年は県内でも農作業死亡事故が多く発生していることから農作業事故や熱中症を未然に防ぐため、農業技術課からの資料を元に注意喚起を行うとともに、農薬散布によるミツバチ被害防止に関する資料を提供し、情報共有を図りました。
講習会終了後、参加者からイノシシの被害が多いとの声も聞かれたため、今後は鳥獣害被害の対策や、電柵等の正しい設置の仕方の指導を併せてソバの安定生産と収量増加に向けた栽培指導を行っていきます。

2020年8月

設立総会の様子

JA阿蘇花卉生産協議会が設立!

阿蘇地域の花きは周年出荷されていますがその中でも、準高冷地の気候を活かした6月から11月のトルコギキョウやリンドウ等は、熊本県内だけでなく九州内外でも需要が高くなっています。
現在JA阿蘇では、花き関係部会が10部会(小国郷1、中部4、南部5)あり、集荷場単位の花き生産者が集荷場ごとの規格で出荷・活動しています。
これまで地域の部会ごとに行われていた取り組みの一部を阿蘇全域で行うことにより、出荷に係るコスト削減や出荷市場の調整を行い、一歩進んだ活動や個人の経営安定に取り組むことを目的として、7月17日に「JA阿蘇花卉生産協議会」が設立されました。
総会では、市町村や輸送会社、取引市場(8社)に対して、会長や組合長から今後の新たな取り組みに対する協力依頼が行われました。
今後は、現在の集荷場ごとでの出荷を継続しながら、協議会活動による技術情報の交換や対策検討を行い、阿蘇産地としての生産販売促進活動等にも取り組む予定です。
当課でも、現在行っている個別指導や部会単位の技術指導に加え、同生産協議会へも技術指導を行い、夏秋期の主力産地としてのさらなる高品質花きの生産や経営安定を支援し、産地の維持・発展に努めます。

2020年7月

大麦収穫の様子
多収品種「歓喜の風」移植の様子

大麦と業務用米の体系化展示ほを設置

阿蘇地域では地域営農法人の経営安定に向けて、水田裏作への大麦作付けを推進しています。管内では、阿蘇市の基盤整備されたほ場を中心に、大麦の作付が約220ha行われていますが、大麦収穫期と水稲移植期が重なるため、水稲単作が多く、裏作の面積としてはわずかな面積となっています。
このため当課では、大麦の作付拡大に向けて「夏作との組合せが重要」と考え、早生で多収品種の水稲(「歓喜の風」)との作付体系を検討しています。
3月に当課とJAで展示ほ設置に向けた種子の手配などの打合せを行い、阿蘇市の2地区において展示ほの設置を決定しました。
大麦の生育が早かったこともあり、5月下旬に麦の収穫が行われ、6月10日、17日に水稲の移植を行いました。
管内の水稲の標準の移植時期より約1カ月遅い移植となるため、多収品種ではあるものの生育量の不足が課題ですが、今後もJAと生育状況調査を行い、茎数確保に向けた管理指導を行っていきます。

2020年7月

もち性大麦の収穫

阿蘇地域では地域営農法人の経営安定に向けて、裏作の大麦の作付けを推進しています。特に中山間地域の法人では、もち性大麦の導入を検討しており、高森町、南阿蘇村の農事組合法人で「ホワイトファイバー」、「はねうまもち」の2品種を試験的に作付けしています。11月上旬に播種した大麦は、4月中旬に出穂し、6月上旬に収穫時期を迎えました。
ほ場の排水性が良く、稈長が120cmを超える旺盛な生育となり、ほとんどのほ場で倒伏したため、登熟遅れと、梅雨入りによる収穫不能が懸念されましたが、なんとか梅雨入り直前に収穫を終えることができました。
乾燥調整後の収量は、ホワイトファイバーで約400kg/10a、はねうまもちで約200kg~450kg/10aと、結果的には当初の見込みより多収となりました。また懸念されていた前作に由来するソバの混入などは見られませんでした。
法人にとっては初めての作付けであったため、6月30日に行われた農産物検査では、充実不足により2等となり、倒伏や収穫後の調整など品質面に課題が残りました。
当課では、今後実需者やJA等を交えて意見交換会を開催し、次作に向けて品種の選定や品質向上に向けた改善方策を検討していきます。

2020年7月

トマトの着果状況
土壌水分センサー設置状況

トマトの出荷好調を維持

阿蘇管内の夏秋トマトの出荷が、6月上旬から始まりました。4月中旬を中心に定植された今年度のトマトは、天候・日照ともに恵まれ、順調な生育をしており、6段目の果実までは良好な着果となっています。
例年、梅雨時期の日照不足による樹勢の低下・7段目以降の着果不良が見られます。このため、当課では水田地域でのトマトの生育(3地点)について、水分センサーなどを用いて土壌水分動態と土壌溶液のEC、硝酸態窒素の測定、並びに生育状況調査を行っています。
調査の結果を随時生産者に報告しながら、品質向上・安定出荷に向けてJAや高原農業研究所と連携し、JA阿蘇トマト部会(213戸)全体の技術力の強化に努めます。

2020年6月

苗の様子(左:高密度播種苗・右:慣行)
試験説明の様子

高密度播種苗の移植開始!

当課では地域営農法人設立後の経営安定に向けた支援を行っています。その中でも水稲の低コスト技術として高密度播種技術の導入を進めており、これまでは規模の大きい阿蘇市の法人で展示ほを設置してきました。全体の約7割を高密度播種に切り替えられた阿蘇市の法人も出てくるなど、技術導入面積は拡大しています。
今年度は中山間地での同技術普及にむけて、高森町の「農事組合法人矢村の杜」で展示ほを設置しました。
矢村の杜では4月27日に播種した高密度播種苗を5月11日に移植しました。慣行よりも育苗期間が短いため苗の長さやマット形成が心配されましたが、約12cmと十分な健苗となりました。農機具メーカーの協力のもと、専用田植機で作業を行い、慣行で10aあたり約16箱使用していた箱数を約9箱まで減らすことができました。
今後も生育状況調査を行い、現地検討会や成績検討会を開催し、中山間地においても技術の波及に向けて情報提供を行っていきます。
※高密度播種:苗箱への播種量を増やして、田植えの時に使用する苗箱数を減らすことで資材費や労働力の軽減を目指すもの。

2020年6月

使用した屋根散水資材※固定するために15mmネットにチューブを縫い付けたもの
設置した様子(内部から撮影)

~火山防災対策~ハウス屋根散水技術開発に着手

阿蘇地域では、阿蘇中岳の噴火活動の長期化により2019年4月から降灰が継続しています。そのため、当地域では、降灰による作物の品質への影響が懸念されています。園芸用ハウス栽培においての懸念事項は、①連棟ハウスの谷部換気による降灰の入り込み、②降灰の汚れによる光透過率の低下及び被覆ビニルの劣化などです。
そこで、2020年4月に熊本県野菜振興協会の本会事業を活用し、ハウスの屋根散水の展示ほをイチゴ連棟ハウスに設置しました。天井散水による降灰の掃除と高温対策として期待される技術です。連棟ハウスの試験は今回が初めての試みであるため、生産者とメーカーの協力により効果的な技術になるように取り組んでいます。
当課では、関係機関と連携しながら、使用者の感想等も参考にして降灰対策技術の開発・改善を行っていきます。また、今回得られた結果を情報共有して、この技術について協議し、産地にあった技術確立に向けて取り組みを続けます。

2020年5月

高原農研立毛検討
室内検討

もち性大麦の収穫前意見交換会を開催

阿蘇地域では地域営農法人の経営安定に向けて、裏作の大麦の作付けを推進しています。特に中山間地域の法人では、もち性大麦の導入を検討しており、高森町、南阿蘇村で「ホワイトファイバー」、「はねうまもち」の2品種を試験的に作付けしています。
4月17日、実需者、JA担当者および当課を含む県関係者よる意見交換会を行いました。
始めに、高原農業研究所のほ場において、前述の2品種について、研究所担当者から昨年までの成績や本年の生育状況の説明を受けたあと、生育状態の確認などの立毛検討を行いました。
室内検討では、当課から現地の作付状況、実需者からはもち性大麦の需給状況の説明があり、その後本年産の価格、収穫後の調製方法や荷姿、農産物検査、保管等について、各団体での役割を確認し、令和3年産以降の取り組み方針について意見交換を行いました。高森町および南阿蘇村は、新規の麦作地域であるため、調整用のふるいがないなど課題がありますが、当課では今回の内容を生産者に伝え、解決に向けて調整を行っていきます。
今後も生育状況の調査を行いながら、JA担当者と情報を共有し、病害防除や適期収穫など栽培管理技術指導を行っていきます。

2020年5月

阿蘇の牧野への放牧が開始されました!!

4月23日、阿蘇北外輪山の狩尾牧野及び跡ケ瀬牧野において、阿蘇管外からの妊娠牛を受け入れる熊本型放牧畜産事業の入牧式が開催されました。当日は、県北及び県央地域からの65頭の母牛が両牧野に放され、冬に逆戻りしたような冷たい強風が吹く中にもかかわらず、牛たちは元気よく飛び出していきました。
熊本型放牧の取り組みは、狩尾・跡ケ瀬両牧野において平成9年度から20年以上継続されており、阿蘇の草原維持に貢献してきました。放牧牛を受け入れる牧野組合にとっては、放牧・採草・野焼きによって牧野の景観が維持される一方で、出し手側の農家にとっては夏場の飼養管理や牛舎での密飼いが軽減されるなど、様々な利点が生まれています。
両牧野の昨年度の放牧実績は28戸272頭であり、今年度も同程度の牛が放牧される見込みです。
農業普及・振興課としても、畜産農家の経営発展のため、牧野の整備や放牧頭数拡大の取り組みを引き続き支援していきます。

2020年5月

展示ほ設置打合せ
播種の様子

水稲高密度播種技術展示ほを設置

阿蘇地域では地域営農法人の経営安定に向けて、水稲の生産コスト低減技術である密播技術の導入を平成30年から進めています。
これまでは、阿蘇市の基盤整備された大規模の法人において、展示ほを設置し導入を進めてきましたが、令和2年度は中山間地の法人へも進めていくため、高森町の「農事組合法人矢村の杜」で展示ほを設置します。3月に当課と農機具メーカーで法人役員に対し密播技術の説明、展示ほ設置に向けた機械の手配などの打合せを行い、4月13日に播種作業を行いました。
5月11日に移植を予定しており、実際の使用箱数や苗質の調査を行います。高密度播種技術は、慣行の育苗に比べ育苗期間が約1週間短いため、当課では移植時の苗の長さが不足しないような管理を指導しています。
今後、得られたデータについて、関係機関や管内の地域営農法人と情報共有し、技術指導を行っていきます。
※高密度播種:苗箱への播種量を増やして、田植えのときに使用する苗箱数を減らすことで、資材費や労力の軽減を目指すもの。

2020年5月

展示ほ設置状況
展示ほ設置状況

R2年産夏秋トマト栽培開始

阿蘇地域の主力品目である夏秋トマトの令和2年度の栽培が、4月上旬から始まりました。
JA阿蘇の中部トマト部会と南部トマト部会、合わせて213戸が、6月~11月の順調な出荷を目指し管理を行っています。
農業普及・振興課では、専門課題として「スマート農業を活用した栽培方法の開発」に取り組みますが、トマトにおいては水分センサーを設置し、土壌水分変動と生育状況等の調査を行います。
センサー設置は畝の地下部に行う必要があるため、生産者の了解を得て、定植時期に土中に埋め込みました。
本年は新型コロナウイルス対策のため、生産者に直接会わないよう、管理の聞き取りや調査経過の報告は、電話でやりとりしながら行う予定です。

2020年4月

販売会花束
振興局展示風景

コロナに負けるな!花き消費活動の実施

阿蘇地域では、トルコギキョウを中心にリンドウ等の花きが6~11月を中心に周年出荷されています。
花きの需要は、イベント時に増加する傾向にあります。特に、3月,4月は卒業式や入学式、彼岸など、イベントが多い時期になります。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いイベントが相次いで中止となっており、花きの需要が減少しています。
このため、当振興局では、3月12,13日に局内で花きの販売会を実施し、職員161人に花束207束と花のドレッシング41本の購入協力をいただきました。また、阿蘇地域農業振興協議会(熊本県花き協会阿蘇支部)では、3月30日から当局、各市町村、農協支所等の玄関や窓口に花を飾り、消費を促す活動を実施しています。
今後、出荷の中心となる夏期に向け、関係機関と協力して花きの安定生産と消費拡大に継続して取り組み、新型コロナウイルスに負けない花き生産基盤づくりを進めます

2020年2月

設立総会の様子

高森町で地域営農法人(農)矢村の杜が設立

11月6日に高森町南在地区で、町としては2つ目の農事組合法人「矢村の杜」が設立されました。
当地区は中山間地でほ場は基盤整備されておらず、営農組合などの組織もなく、次世代へ農地をいかにして引き継ぐかが喫緊の課題となっていました。
このため、平成30年度から農地集積加速化事業を活用して農地集積の手法や担い手の形態などの検討を計38回行い、15名が参加する法人(集積面積約17ha)の設立に至りました。 
今後は、法人への農地集積を推進し、機械の整理合理化によるコスト削減等を進め、経営安定化を目指します。
当課では、関係機関と連携し経営安定化に向け、中山間地域に適した新技術導入や補助事業の活用等の支援を引き続き行っていきます。

2020年1月

研修会の様子
研修会の様子

家族・家庭の役割とは!?阿蘇地方生活研究グループ研修会の開催

阿蘇地方生活研究グループは、当地域の農村女性約130名で構成され、学校での食育活動や農産加工品の開発等を通じて、郷土料理の伝承や農村活性化に取り組まれています。
去る12月12日に共通課題「家族」をテーマに、阿蘇市農村環境改善センターで研修会を開催し、約70名が参加されました。
今回、熊本家庭教育研究所の工藤英子氏を講師に招き、「安心してください!みんないい家族」の題目で講演いただきました。最近は、スマートフォンのSNSによる事件や子供の虐待などが、多く報道されており、家族を取り巻く社会環境も大きく変化しているとの説明がありました。
講演内容が身近なもので共感を生んだため、終了時刻を過ぎるほどの熱心な質疑・応答がありました。参加者からは「家庭は大切だと改めて思った」、「私たちにできることもたくさん あること知った」などの声が聞かれました。
当課では、研修課題の提案や開催の支援・助言を行っており、本年3月には10回目となる「阿蘇ふるさと食の文化祭」の開催が計画されています。今後もますます阿蘇から農村女性パワーを発信していきます。

2020年1月

4Hクラブ員発表者
グループワーク

阿蘇地方青年農業者会議開催

去る12月17日、阿蘇地域振興局で阿蘇地方青年農業者会議が開催されました。
今年度は意見発表2題、プロジェクト活動4題をそれぞれ発表されました。今年度加入した新規クラブ員も発表され、活発な質疑・応答が行われました。
また、今年度は、グループワークが初めて行われました。「農業で儲かるためにはどうすればいいのか、5年後のあるべき姿として今から何をすべきか」のテーマをクラブ員・行政・普及を交えて意見交換を行いました。最後にクラブ員の代表1名が各班の意見を取りまとめてそれぞれ発表し、情報共有ができました。クラブ員が一人一人役割や責任を持ち、すばらしい会議にすることができました。
今後は、1月28日に開催される熊本県青年農業者会議で優秀な成績が収められるように、クラブ員と当課と一丸となって発表内容をさらに磨き上げていきます。当課では、本会議の成果を踏まえ、各クラブ員がプロジェクト活動に楽しく取り組めるように動機づけと環境づくりを進めていきます。

2020年1月

南阿蘇村展示ほ(R元年12月)
高森町展示ほ(R元年12月)

もち性大麦の展示ほ調査

阿蘇地域では近年地域営農法人の設立が続いており、当課では法人設立後の経営安定に向けて、裏作として大麦を推進しています。
これまで、管内の大麦作付は阿蘇市の基盤整備されたほ場がほとんどでしたが、管内の中山間地域の2法人(高森町、南阿蘇村)から、近年ダイエット食品やグラノーラの材料で注目されているもち性大麦の新規作付の意向を受けました。このため、8月と10月に実需者やJAなど関係機関を参集し、品種選定や展示ほ設置を決定しました。
11月上旬のソバ収穫後、もち性大麦2品種の播種(高森町で約155a、南阿蘇村で約70a)が行われました。このうち、南阿蘇村の展示ほで、生産者と生育状況を確認しながら調査を行っています。播種後、高温多照傾向で推移したことから、現在、出芽、初期生育は良好となっています。
当課では今後も生育状況の確認を行いながら、適期追肥など栽培管理技術指導を行っていきます。

2020年1月

光線透過率調査の状況(ハウス内外で同時に照度を測定)

ハウスフィルムの光線透過率を調査

阿蘇中岳は7月下旬から連日噴火・降灰が継続しており、11月以降、降灰量が増加傾向であるため、現在栽培中のイチゴの他、多様な品目で来春からの栽培への影響が懸念されています。
生産者は、度重なるハウスへの降灰によるフィルムの汚れや劣化を特に心配しており、被害状況の把握が必要となっています。
当課では、12月にJA及び市町村と協力し、管内7市町村におけるハウスフィルムの光線透過率調査を初めて実施しました。ハウス50棟を対象にサンプリング調査を行った結果、光線透過率が大きく低下している地域を確認しました。
今回の調査結果を関係機関とも共有し、必要な降灰対策を進めるとともに、引き続き被害状況の把握に努めていきます。

2020年1月

草勢を示す茎径のグラフ
出荷反省会での調査報告の様子

トマト生育調査結果を説明

12月に開催されたJA阿蘇トマト・ミニトマト部会の出荷反省会において、5~10月にかけて行ったトマト農家4戸の生育調査結果とこれらの結果をもとに作成した栽培管理や肥培管理のポイントを説明しました。
具体的には、反収の多いほ場は、
① 初期の草勢が強く、安定していること
② 収穫果実数がおおいこと
③ 施肥量が多くない傾向があること
が分かり、グラフにまとめて説明しました。出席された生産者の方々から分
かりやすかったという声をいただきました。
また、来年度は、今回行うことができなかった定植直後からの生育調査をはじめ、排水性に課題がある水田でのトマトほ場を対象とした詳細な調査を行っていきたいと思います。これらの調査をもとに、栽培管理技術の向上につなげ、阿蘇地域全体のトマト生産性向上を図っていきます。

2020年1月

出荷が始まった充実した株

イチゴの出荷が始まりました

阿蘇地域では、恋みのり、ゆうべに、さがほのかの3品種を中心にイチゴが作付されています。今年も県内でいち早くイチゴの出荷が始まりました。11月上旬からはJA阿蘇いちご部会のパックセンターが稼働し、出荷が本格化する見込みです。
本年度は、例年より花芽分化が早く、定植も早めに始まりました。定植後の活着も順調に進み、好天にも恵まれたことから、充実した株となっています。降灰の影響も心配されましたが、これまで大きな問題もなく順調に生育しています。
当課では、ゆうべにの定植時期の適正化を目的とした展示ほを2ヶ所設置し、初期の草勢確保による収量安定効果を実証しています。この調査結果を含め、有効な技術情報を、今後の栽培技術講習会や巡回指導を通して提供していきます。

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