上益城エリア

上益城地域は上益城郡を所管しています。熊本県の県央地域に位置し、熊本市に隣接する平坦地から九州山地の山間地まで広がっており、比較的温暖な地域から冷涼な地域まで、地形的にも気象的にも変化に富んだ地域です。平坦地域では米・麦・大豆の土地利用型作物やスイカ、ニラ、スイートコーン等の野菜、カキ、ミカン、クリ等の果樹、トルコギキョウなどの花きが、中山間地域では米のほか、トマト、ピーマン、キャベツ、イチゴなどの野菜、クリ、ブルーベリー、ユズ等の果樹及び茶など多様な品目が生産されています。畜産では酪農、肉用牛、養鶏及び養豚経営が点在し、中山間地域を中心に繁殖牛経営が行われています。

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県央広域本部 上益城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 上益城郡御船町辺田見396-1

電話:096-282-3010

FAX :096-282-0303

上益城エリア普及現地情報

2025年11月

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求評会の様子
意見交換会の様子

熊本県茶品評会審査荒茶を使った求評会開催

8月7日に茶業研究所において、上益城地域のお茶を持ち寄り、評価や意見交換を行う求評会を開催しました。求評会で使った荒茶は、今年度の熊本県茶品評会(荒茶の部)の審査で使われた荒茶を使用し、出品者のみならず、茶の品質向上を図るための研修の位置づけで、茶生産者、関係者合計で20人が参加しました。求評の方法は外観、香気、水色、滋味の順で評価検討を行い、県品審査結果の順に並べたお茶を各自評価する方法で行いました。参加者には今年度県品の結果(上位者のみを記載)を配布し、また出品者には自分の審査番号だけを個別に配布しました。
今年度の県全体の出品数32点の内、上益城地域から21点が出品されていますが、普通煎茶を除いて外観が満点を取っている茶はありませんでした。品評会で上位を目指すには、如何に外観で満点を取ることが重要であることから、自分のお茶と上位のお茶の差を感じてもらいたいです。
求評会参加者からは「外観で鮮緑と濃緑はどちらが上位となるか」「蒸製玉緑茶は外観において長手のものが上位にあるように見えるが、そのような作りにしたほうが良いのか」等の質問があり、茶業研究所職員と協力して回答しました。
農業普及・振興課では、良質な出品茶の製造には前年からの茶園管理が重要であることから、出品茶の入賞に向け、定期的に摘採予定茶園を関係機関と連携を取りながら一斉巡回、管理指導、摘採・製茶指導、出品茶調製を行っています。今後とも引き続き良質な茶の生産に向け、生産者への指導を行っていきます。

2025年11月

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自動運転コントローラー
 散布状況(樹上2~3m)

クリのドローン防除面積拡大による産地維持

上益城地域は、県内でも有数のクリ産地(令和5年産栽培面積:316ha)です。しかし、生産者の高齢化や兼業化等により適切な栽培管理が行えず、生産力が低下していることから、せん定・防除作業の外部委託推進や改植・新植事業の継続支援等により、生産力の維持を図って行く必要があります。
これを受けて、農業普及・振興課では、「クリの生産力維持に向けた取り組み支援」を農業普及・振興計画に位置付け、JAと連携して活動を行っています。
具体的には、果樹技連上益城支部と一体になり、クリの防除について、大部分の園地が傾斜地であること、また、近年の夏期は高温傾向であることが生産者の負担になっているため、令和4年から2カ年ドローン防除の実証試験に取り組みました。
その結果、ドローン防除面積は、令和5年0.8ha、令和6年1.5ha、令和7年13.3haと拡大したものの問題点として、既存の高木樹から低樹高化への仕立て、防除費用の負担などが残されています。しかし、害虫被害果の軽減、園主の夏期の労力軽減や熱中症予防の効果が見込まれています。
農業普及・振興課では、今後もドローン防除を推進して行くとともに、課題解決に向けた支援を行います。

2025年11月

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セミナー会場の様子
相談ブースで田上アドバイザーと

熊本県新規就農支援セミナー&就農相談会への参加

熊本県新規就農支援センターが毎年2回、担い手確保のためにセミナーと相談会を開催しており、8月9日に当課もブースを設け参加しました。当課としては、就農希望者の関心を引き付け上益城地域への就農につなげ、新規就農者確保のきっかけとして活用できるかが課題です。
そこで、10月に開催する「新規就農者のための産地見学会」をPRすることで、当地域を印象づけを図ることとし、出展者のアピールtimeでその概要等を説明しました。
当日は60名余の参加がありました。それぞれ何らかの目的をもって参加されていましたが、県下11地域の中で上益城ブースを選んでもらえるかというと、簡単ではありません。実際、約30ブースが出展した中で、当地域ブースへの来訪者は3名と、多くはありませんでした。しかし、3名ともに相談の内容はある程度明確でした。就農に向けた準備の進捗に違いはありますが、それぞれの懸念や不安に対して、課題は何か、どうしたら良いか、上益城地域就農支援アドバイザーの田上氏とともに、国や県の支援策に係る情報提供も含めて、相談に応じました。
今後どう進めていくかは本人が決めることですが、山都町でトマト生産を希望する相談者には、山都町担い手総合支援協議会に研修申込みを行うことを助言し、同協議会とも情報を共有しました。甲佐町で普通作やミシマサイコを柱に就農を検討している相談者には、ミシマサイコの情報収集や生産者との接点づくりなどのため、球磨ブースをたずねるようアドバイスし、球磨ブースにも現地視察などのサポートも依頼したところです。相談者には就農が確実なものとなるよう、年次計画を立てるだけでなく、実際にミシマサイコを試作し、ほ場の排水性等の確認が必要なことも伝えました。
今後とも、新規就農希望者に対して、本人のイメージを尊重しつつも、必要な準備など現実的な助言など行いながら、計画の実現に向けてサポートをして参ります。

2025年11月

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家保との防疫作業について確認
養鶏農家への情報提供

家畜防疫対策のための養鶏農家及び養豚農家の立入調査を実施

全国での秋口から春先までの養鶏場における鳥インフルエンザの発生及び発生時期が限定されない豚熱の発生を受け、本県においても一層の飼養衛生管理の徹底が求められていると同時に、特定家畜伝染病が発生した場合の防疫作業の体制強化が求められているところです。
そこで、県内では各地の家畜保健衛生所とともに、毎年、管轄の養鶏農家及び養豚農家の立入調査を行い、各々の家畜防疫対策について検討を行っています。
上益城地域には9戸の養鶏農家と8戸の養豚農家があり、今月は養鶏農家6戸と養豚農家2戸の立入調査を行いました。
その中で、1件の養鶏農家では山林を埋却予定地にしてありましたが、道が細く傾斜が続くことから防疫作業が困難になることが予想されました。そこで、関係者と協議を行い、鶏舎近くのハウス跡地を新たに埋却予定地として設定することができました。
今後も管内の防疫作業が必要な畜産農家の立入調査を行い、防疫作業が滞りなく行えるよう努めます。
また、養鶏農家及び養豚農家に関しては、飼養衛生管理の関係から畜舎内に容易に立ち入ることが難しい状況にあるため、立入調査の機会を活用して暑熱対策についても情報提供を行いました。飼養衛生管理が厳しくなった最近では、養鶏農家及び養豚農家に直接情報を伝える機会は少ないため、こういった機会を活かして畜産農家への情報提供を行っていきます。

2025年11月

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出品茶の調製作業の様子
県茶品評会荒茶の部審査風景

熊本県茶品評会荒茶の部において上益城地域から2点の入賞!

6月26日に茶業研究所において開催された熊本県品評会(荒茶の部)において、上益城地方から出品された茶が、煎茶の部で1点(御船町、1等)、釜炒り茶の部で1点(山都町、3等)入賞しました。
今年度の出品には、山鹿市、八代市、天草市、御船町、山都町及び相良村から、煎茶3点、蒸製玉緑茶13点及び釜炒り茶16点の合計32点の出品がありました。
上益城地域では、荒茶の部に対し積極的な出品を行っており、今年度は県内の出品数32点のうち21点が上益城地域の出品です。
出品者は入賞を目指し、毎年出品茶の生産に取り組まれていますが、良質な出品茶の製造には前年からの茶園管理が重要であることから、農業普及・振興課では、摘採予定茶園を関係機関と連携を取りながら定期的に一斉巡回し、生産者との意見交換を行いながら管理指導を行っています。生産者からは肥料や整枝、その他茶園管理についての質問があり、茶園管理の充実が図れています。さらに、出品茶の摘採、製造や調製の指導を行い、良質な出品茶製造に向け、支援に取り組んでいます。
農業普及・振興課としては、引き続き良質な茶の生産に向けた生産者への支援を行っていきます。

2025年11月

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弾丸暗渠施工の様子
吸水性ポリマーを用いた保水対策試験

グラジオラスの生産安定を目指して

JA阿蘇蘇陽支所花卉生産部会では、高冷地の冷涼な気候を活かして、7名の生産者が露地でグラジオラスを栽培しており、県内最大の夏秋産地となっています。
しかし、近年梅雨時期の長雨・大雨により根痛み等が発生し、生産・出荷が不安定になっています。そこで、当課では令和4年度からサブソイラーを利用した弾丸暗渠による排水対策技術の実証試験に取り組んできました。さらに、令和6年度には「くまもとの花ステップアップ事業」を活用してサブソイラーの導入を支援し、定植前である3月に各ほ場で弾丸暗渠を施工しました。施工した生産者からは「弾丸暗渠を施工したことで雨が降った翌日でもぬかるむことなく畑に入ることができ、その効果を実感できる」と話されました。施工後は湿害の発生もなく出荷されており、出荷率の向上が期待できます。
しかしながら、梅雨明け以降の高温・渇水が新たな問題となっており、特に昨年はグラジオラスでも品質・収量の低下や開花遅延など農業経営に大きな影響がありました。そこで、今年度は吸水性ポリマーを用いた畝内の保水対策に取り組んでいます。
今後も当課、JA及び生産者が一体となり、グラジオラスの生産安定に取り組んで参ります。

2025年11月

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生産者育苗ハウスの確認

高温化におけるイチゴの経営安定に向けた育苗期の栽培管理講習 会を開催

上益城地域では、平坦地から中山間地にかけて県の育成品種「ゆうべに」を約4ha栽培しています。当地域の「ゆうべに」生産者は、米・麦・夏秋作物を栽培する複合経営が多いため、6~9月に作業の競合が起きてしまい、イチゴの育苗作業の遅れが問題となっていました。さらに、昨年は記録的な猛暑の影響で花芽分化が進まず、未分化定植となった事例もあり、年内収量が減少しました。
そこで、当課ではR4年度から苗の鉢受開始から育苗終了までの施肥や病害虫防除等の管理作業の日程を細かく設定し、日程遵守を重点的に指導してきました。加えて、今年度は適期の花芽分化を促すため、高温対策としては、かん水や換気、遮光資材の使用時の注意点を喚起し、栽培管理として肥培時期について指導しました。現地確認の場では、育苗状況や高温下におけるハウス内の環境づくり、病害対策の土づくりについて、生産者間で活発な意見交換が行われました。
当課では、今後も関係機関と連携しながら、良質苗生産及び長期的な安定生産を目指すため、育苗管理に力をいれ支援を行っていきます。

2025年11月

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ミニトマト勉強会によるミニトマト若手生産者の育成

JAかみましきミニトマト部会の山都地区では、山都町の冷涼な気候を利用して、部会員25名により約5haの夏秋の栽培が行なわれています。近年は高齢者の離農により生産者の減少が問題となっていますが、ミニトマト部会においては、新規就農者や品目転換により若手生産者が部会へ加入するなど、活性な部会活動を行っています。
今回、ミニトマト生産3年以内の若手生産者6名の賛同を得て、技術力向上及び新規就農者の育成を目的に、「ミニトマト勉強会」の組織をつくりました。
6月24日に第1回目の勉強会を開催し、それぞれのハウスを巡回し、栽培方法や定植日の違いによる生育の差、畝の作り方など、若手生産者同志による情報交換を行いました。
若手生産者の中には、当初は賛同したものの、作業が忙しく、頻繁には参加できないという話もありましたが、開催後は2回目も開催してほしいとの要望がありました。この勉強会を通じて若手生産者の技術力向上を図り、今後新規就農者が加入してきた時の受け皿としていきたいと考えています。
今後ともJAかみましき等関係機関と連携しながら、担い手育成に向けた支援を実施していきます。

2025年11月

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後継者がいる農業者への経営継承の支援の呼びかけ

上益城地域は、農業従事者の減少スピードや高齢化の進展が県平均よりも早く、担い手の確保育成が喫緊の課題です。
今年度から取り組む普及振興計画において、「担い手の確保・育成」を重点課題の一つとして位置づけ、経営継承の推進、中でもその根幹である親元就農を着実に増やしていくことを目標に取り組んでいます。
認定農業者の更新時に行われる全国共通の「経営改善計画の達成状況等に関する調査」(以下「アンケート」という。)の回答を活用して、経営継承に関する設問の中から、「後継者は決まっている」と回答のあった申請者を、まずリストアップします。その農業者に「農業経営・就農支援センター」の活動を紹介し、支援を希望する場合には、農業者に同センターを通じた支援に繋げています。
活用が可能な令和5年度と6年度の2カ年のアンケートの個票から、「後継者は決まっている」と回答のあった農業者は、御船町1名、益城町4名、山都町12名の計17名で、後継者との関係は、全て「子・親族」でした。また、アンケートの回収率は、2カ年平均で、御船町21%、嘉島町20%、益城町80%、甲佐町0%、山都町71%、上益城管内56%という結果でした。
町によって回収率に大きな差がみられ、経営継承の取組みにも影響が及ぶことから、7月31日に開催した上益城地域農業振興協議会担い手育成部会(各町から担当班長、担当が出席)において、アンケートを活用した経営継承の取組みへの協力と併せて、回収率の向上の取組みを促して、経営継承の取組みの機運を醸成してまいります。

2025年8月

初めて!JA阿蘇蘇陽栗共販部会防除暦を作成

JA阿蘇蘇陽栗共販部会は、担い手の減少で、産地の維持が難しくなっています。そこで、6月18日、部会員18人が参加し、栽培講習会を開催し、初めて、クリの栽培暦作りを行いました。部会長からは、「栽培暦を蘇陽地区のクリ産地の維持につなげたい。」と挨拶がありました。その後、農業普及・振興課から、県果樹振興実績書の8年間の推移から農家数の減少が大きいこと、気象庁発表の3ヶ月予報では気温が高くなりやすいこと、熱中症予防、町から農業経営継承の相談窓口を説明しました。
クリの栽培暦について、JAの担当者から、部会のスローガン、栽培管理、病害虫防除及び施肥の説明があり、それに対して、部会員からクリタマバチ対策や冬期のマシン油散布に関する質問がありました。その後、JAと当課の担当者から、県等が作成した「果樹対策指針」について、詳しく説明しました。
また、当課では、「経営継承の推進」を重点課題、「クリの生産力の維持を目的とした生産安定」を一般課題に位置付け、産地を支援していきます。

2025年8月

現地巡回の様子
今後の栽培管理について説明

中山間地いちご育苗期の栽培管理講習会を開催

上益城地域では、平坦地から中山間地にかけて県の育成品種「ゆうべに」を約4ha栽培しています。当地域の「ゆうべに」生産者は、米・麦・夏秋作物を栽培する複合経営が多いため、6~9月に作業の競合が起きてしまい、いちごの育苗作業の遅れが問題となっていました。そこで、令和4年度から苗の鉢受開始から育苗終了までの施肥や病害虫防除等の管理作業の日程を細かく設定し、日程遵守を重点的に指導してきたところ、昨年度の鉢受終了時の遵守率は7割を超え、生産者の作業日程遵守の意識も定着してきています。
今年度も作業日程の遵守を呼びかけるため、6月13日に中山間地を対象とした育苗講習会を実施しました。生産者からは施肥量やかん水、病害虫防除に関する細かい質問があり、良質な苗づくりのための育苗作業の確認が積極的に行われました。当課からは昨年の猛暑を踏まえ、夏期高温期の親株及び子株への十分な潅水や病害虫の予防防除について講習を行いました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携しながら、良質苗生産及び長期的な安定生産を目指すため、育苗管理に力を入れた支援を実施していきます。

2025年8月

JAかみましきトマト部会定植後の現地検討会を開催

JAかみましきトマト部会は部会員89名、約38haで、山都町の冷涼な気候を利用して夏秋トマトの栽培が行なわれています。しかし、近年は高齢者の離農により部会員の減少や、生産者間の単収や品質の格差が大きく、中位以下の単収増が課題となっています。また、温暖化等、夏期高温の影響により夏期の小玉果の発生割合が高くなっているなどの課題があります。
そこで、トマトの栽培技術の高位平準化のため、6月2日から6日にかけて、6地区に分けて現地検討会を開催しました。定植日により差はみられましたが、本年は定植直後から最低気温が低く推移したため、1週間から10日くらいの遅れがみられました。現地検討会では、誘引方法、摘果方法などついて説明を行うとともに、防除所から注意報が発出された「トマトキバガ」について注意喚起を行いました。また、昨年と同様に本年も高温傾向であるとの予報から、高温対策についての説明を行いました。
JAからは小玉対策として、昨年度の実績を分析した結果から、高温期のホルモン剤の利用についても説明がありました。
今後ともJAかみましき等関係機関と連携しながら、高温対策や安定生産に向けた支援を実施していきます。

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