上益城エリア

上益城地域は上益城郡を所管しています。熊本県の県央地域に位置し、熊本市に隣接する平坦地から九州山地の山間地まで広がっており、比較的温暖な地域から冷涼な地域まで、地形的にも気象的にも変化に富んだ地域です。平坦地域では米・麦・大豆の土地利用型作物やスイカ、ニラ、スイートコーン等の野菜、カキ、ミカン、クリ等の果樹、トルコギキョウなどの花きが、中山間地域では米のほか、トマト、ピーマン、キャベツ、イチゴなどの野菜、クリ、ブルーベリー、ユズ等の果樹及び茶など多様な品目が生産されています。畜産では酪農、肉用牛、養鶏及び養豚経営が点在し、中山間地域を中心に繁殖牛経営が行われています。

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県央広域本部 上益城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 上益城郡御船町辺田見396-1

電話:096-282-3010

FAX :096-282-0303

上益城エリア普及現地情報

2025年2月

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稲葉氏の講演
電気柵の設置風景

鳥獣から農作物を守れる地域を目指して~鳥獣被害防止対策研修 会を開催しました~

上益城地域における農作物の鳥獣被害額は、近年は下げ止まりであることから、現場からは鳥獣被害防止対策の推進について強く要望されている状況です。
そこで、農業普及・振興課では8月に管内関係機関の鳥獣被害防止対策担当者を参集した担当者会議を開催し、地域の被害の状況、対策を進めるにあたって困っていることなどについて、各機関での情報共有を行いました。その中で対策の専門家による研修の要望があったことから、12月19日に担当者研修会を開催しました。
研修では、まず熊本県えづけSTOPソリューションアドバイザーの稲葉氏より、えづけSTOP鳥獣被害防止対策の概念および地域での合意形成の仕方について講演をいただきました。講演では、鳥獣被害防止対策の基本は「守る」ことであり、地域全体でどのように対策するかを話し合うことが大事であること、防護柵は管理することを前提に設置することなどの説明があり、参加者からは「非常に勉強になった」との声をいただきました。続いて末松電子製作所の酒井氏より、電気柵の設置方法について説明をいただき、設置の際に注意すべきこと、効果的な柵となるための一工夫など、日ごろの支援活動や竣工確認等で役立つ情報を得ることができ、参加者にとって有意義な研修会になりました。
農業普及・振興課では、鳥獣被害防止対策に取り組む地域の支援に管内関係機関が一丸となって取り組めるよう、今後も活動を行っていきたいと思います。

2025年2月

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出荷反省会の様子
放射状裂果の割合

令和6年産のトマトの出荷が終了しました

上益城地域の山都町では、夏の冷涼な気候を生かして、JAトマト部会の88名が38haで夏秋トマトの栽培を行っています。選果場への出荷は12月6日で終了し、12月17日に開催された反省会では、生産者や関係機関、市場関係者が出席して、今年産の振り返りと次作に向けた取り組みについて検討しました。今年産は育苗期の日照不足の影響から、例年より1週間から10日程度遅れて出荷が始まり、7月以降も記録的な猛暑や、8月の台風の影響を受けたことで、生産面では厳しい年となりました。しかし、販売面では単価高で推移しました。
当課ではJAと連携して現地検討会を実施するとともに新規就農者等のほ場巡回を行い、栽培技術指導や病害虫防除の指導を行いました。また、夏期の高温対策として、新品種「れおん」の特性把握試験を行い、反省会の中で生産者に調査結果の報告をしました。「れおん」は現在の主要品種である「りんか409」に比べて裂果の発生が少なく、裂果耐性に優れることが確認でき、生産者からは期待の声が聞かれました。しかし、9月以降の収量が少なく、課題が残りました。
今後は来年1月に講習会を実施するなど、JAと連携しながら安定生産に向けた技術指導・支援を行っていきます。

2025年2月

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矢部高校農業現地研修会の開催

農業普及・振興課では、令和3年から上益城管内で農業関連学科がある矢部高校との連携活動を行っています。今年度は、12月6日に、農業現場研修会を開催(管内5町、2JAで構成される上益城地域農業振興協議会と共催)し、食農科学科1年生8人、担当教諭2人が参加しました。
まず、農業研究センター果樹研究所で、研究所や県産果樹の紹介、園地見学を行い、次に、甲佐町清住フラワーファームで、鉢花栽培について、特に高校でも栽培するシクラメンに関して熱心に学びました。
最後に、益城町の株式会社みっちゃん工房で、ベビーリーフの栽培から販売までの話を聞き、加工室での選別、袋詰め作業を見学しました。また、雇用就農した新入社員から、経営理念への共感や福利厚生が充実している等の入社動機を聞きました。
本研修会が生徒たちの職業選択の一助となり、また、将来消費者として地元農産物、農業を応援してくれることを期待します。

2025年1月

研修風景
ケガ人の防疫服を脱衣方法の実演

地域の条件に応じた家畜防疫演習を開催

11月20日に、管内の町、建設業協会上益城支部などの関係機関の職員と地域振興局の職員を対象に、地域振興局会議室で、家畜防疫演習を実施しました。
今年度は、町から初動の段階で、どのタイミングで動き出してよいのか、よくわからない等の意見があったことから、その要望等と上益城地域の地理的条件を考慮した初動防疫のシミュレーションによる演習を行いました。
まず、簡易検査結果陽性の報告受理から殺処分開始までの初動期間で、町と建設業協会上益城支部のスタッフが、どのタイミングで何をするか等について、説明しました。続いて、地域対策本部の支援センター等の配置場所毎のスタッフの対応について、同様に時間を追って説明しました。特に、上益城地域の養鶏場は山都町蘇陽地区に多いことから、振興局から現場到着までの時間的なことを考慮し、県のマニュアル等を基に、独自の時間設定等により実施しました。
また、後方支援で重要な資機材についても、初動期間の受入れから配送、さらには追加資材の発注の準備等について、流れを説明しました。
さらに、夜間に照明が少ない中で、埋却地の掘削から埋却の準備を行う中で作業を行う際、応援要員の転倒等が予想されるため、万が一、自力で動けない人が出た時を想定して、ケガ人の防疫服の脱衣方法について、一部実演を加えて行いました。
今後は、初動期間前後も含めて、関係機関及び振興局職員との連携を図り、家畜防疫体制の強化を図りたいと考えています。

2025年1月

栽培の様子
栽培講習会の様子

県育成イチゴ品種「ゆうべに」の生産振興の取り組み

上益城地域では、平坦地から中山間地域にかけていちご(ゆうべに、恋みのり、さがほのか)が約7ha栽培されており(R5年産出荷量265t)、中でも県の育成品種ゆうべには約4ha栽培されています。
近年、ゆうべにの栽培を新規に開始する生産者やゆうべにへ品種転換する生産者が増えており、普及振興計画(R5~R9)の重点課題として、JAかみましきいちご部会のゆうべに生産者への集団指導とともに、栽培初心者(栽培1~2年目)への個別指導による短期間での栽培技術習得支援を関係機関とともに実施しています。
今年度は、他品種からゆうべにへ品種転換し2年目の対象者に対して、重点個別指導を実施しています。6月にR5年産の本ぽ期の管理における振り返りを行い、R6年産に向けて課題を整理しました。対象者は、収穫開始期の着色不良果の発生と12月末から年始の草勢低下、春先の灰色かび病の発生が課題としてあげられたため、着色不良果対策の施肥設計を行うとともに、年内の摘花徹底による草勢維持と病害の予防防除について個別指導を実施しています。この結果、対象者自ら積極的にゆうべにに合った管理に改善する姿勢がみられ、1番果の着果および乱れの心配された2番花の開花も順調に進んでいます。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携しながら、栽培技術習得および向上を図るため、栽培管理講習会や個別巡回を定期的に実施し、上益城地域のいちごにおける生産振興の支援を行ってまいります。

2025年1月

講習会の様子
栽培の様子

高品質生産に向けた西瓜講習会が開催されました。

上益城地域では大玉・小玉西瓜の栽培が行われており、年内12月から翌年6月まで出荷され、5~6月に出荷のピークを迎えます。
令和7年産の育苗等が始まる中、11月13日に令和7年産JAかみましき西瓜部会講習会が開催されました。部会員に対し、経済連、種苗メーカー(萩原農場)、振興局が次年作の栽培について講習を行いました。
経済連からは農薬の適正使用についてローテーション防除の重要性、薬剤使用時の注意点等の説明があり、種苗メーカーからは着果・肥大対策について温度・湿度管理や潅水方法等の講習が行われました。振興局からは、本年秋期に数件の病害虫の相談があったことを受け、病害虫防除について、特に病害虫発生初期からの防除の徹底について説明を行いました。生産者間では有効な防除方法や西瓜の栽培方法について活発な意見交換がされていました。
当課では今後も生産者や関係機関と協力しながら、令和7年産の西瓜の安定生産に向けて引き続き支援を行ってまいります。

2025年1月

上益城農業経営同志会 研修会の開催

上益城農業経営同志会は、2021年に上益城農業経営改善同友会と上益城地方指導農業士連絡協議会を再編した組織です。11月27日~28日に、会員10経営体13人が参加し、長崎県への視察研修会を開催しました。
まず、諫早湾干拓環境保全型農業推進協議会の担当から諫早湾干拓事業の概要及び営農の歴史を学び、干拓地全体を見学しました。
次に、第1期当初から入植し、キャベツ露地栽培を大規模に行う有限会社アラキファーム諫早支店の荒木さんから、経営概況の他、入植当時のご苦労やGAP、スマート農業への取り組みの話を伺いました。
2日目は、8戸の農家で設立した有限会社シュシュにおいて、農産物交流拠点施設「おおむら夢ファームシュシュ」開業から、農産物直売所、農産物加工・販売、食育・農業体験など多角化経営による地元雇用の拡大や地域の活性化につながる取り組みを伺いました。
農業普及・振興課では、今後も上益城農業のけん引役を担う同志会の活動を支援していきます。

2024年12月

上益城農畜産加工・直売連絡協議会等視察研修会の開催

10月28日、上益城農畜産加工・直売連絡協議会の視察研修会を開催し、くまもとふるさと食の名人にも参加を呼びかけて、総勢19人が参加しました。
当協議会は、個人、組織の加工所や直売所で構成されており、衛生管理や食品表示などの研修会を行っています。
今回は、直売関連施設を巡り、価格設定や商品陳列方法などを学ぼうと、合志市クラッシーノ・マルシェ、四季菜彩を見学し、きくちのまんま菊陽店では、店長から話を聞き、農産物直売所の共通の課題である、午後からの品ぞろえ、出荷者の減少、原料や資材高騰に伴う商品の値上げ等について、意見交換ができました。
参加者からは、それぞれの店舗に特徴があり、「規格外品コーナー」設置や商品の値上げのコツが参考になった。また、参加者相互の活動状況の情報交換ができたと声が聞かれました。
農業普及・振興課では、今後も、協議会活動を支援していきます。

2024年12月

出荷目均し会
果実品評会(品質部門)

美味しい柿「太秋」を消費地へ届けます!

上益城地域は柿「太秋」の県内の銘柄産地の一つであり、かつ、上益城の重要な果樹振興品目になっております(面積19ha)。
今年はJAと協力して、摘果の徹底と全園(農家数34戸)の肥大調査を実施し、部会全員で大玉生産に取り組みました。また、果実軟化の要因の一つであるフジコナカイガラムシの適期防除を呼びかけ、品質アップにも努めました。梅雨明け後の異常な高温・少雨の気象条件の中、果実への悪影響が心配されましたが、生産者の適切な栽培管理により、その影響を最小限にとどめました。
その結果、やや小玉傾向であるものの、甘くて、シャキシャキと食感の良い果実が生産され、順調に出荷が進んでいます(計画数量20t)。
10月11日(金)にJA柿部会「太秋」出荷目均し会が行われ、29日(火)に「太秋」品評会が開催されて、品質部門に8点、大玉部門に7点の出品があり、審査項目の外観、着色、病虫害、キズ・汚れ、糖度は、いずれの出品果実は厳選されており、外観、糖度とも良好で、栽培期間中の努力だけでなく、品評会に挑んだ意気込みが感じられました。その結果、品質部門では外観や着色が最もよく、糖度20.4度のものが金賞(果実連賞)となり、大玉部門は最も重く618gの果実が大玉賞を受賞しました。
柿農家の高齢化は進んでいるものの、「太秋」の生産意欲が高いため、農業普及・振興課では、今後ともJAと連携して、銘柄産地の維持を支援したいと考えております。

2024年12月

生育調査の様子
裂果の発生状況

硬玉で裂果に強いトマトの新品種「れおん」の特性を調査中

上益城地域の山都町では、夏の冷涼な気候を生かして夏秋トマトの栽培が盛んに行われています。現在の主な栽培品種である「りんか409」は、草勢が安定し着果性に優れ多収であることから、トマトの安定生産に大きく寄与しています。しかし、近年の地球温暖化に伴う夏期の高温の影響により、品質低下や減収につながる裂果が増加し、生産上の問題となっています。このような中、高温下でも裂果の発生が少なく、硬玉で日持ちに優れる夏秋栽培向けの新品種「れおん」が発表されました。すぐに品種の変更が必要な状況ではありませんが、今後の品種検討の参考とするためにJAと協力しながら、「れおん」の特性調査を実施しています。
これまでに生育状況や果実糖度の調査を実施し、収量については生産者に品種ごとに分けて出荷してもらい、選果場から出荷データを提供してもらっています。2回の糖度調査時には振興局内で食味についてのアンケート調査も併せて行いました。裂果については「れおん」は「りんか409」に比べ発生が少ないことが確認できました。7月の現地検討会では「れおん」の栽培ほ場を生産者に見てもらい、生育状況の確認、意見交換と調査データの共有を行いました。今後は11月の栽培終了まで調査を続け、成績を取りまとめるとともに出荷反省会や栽培講習会で調査結果の報告を行う予定です。

2024年12月

品評会の様子
目慣らし会の様子

さといもの出荷本番を目前に品評会・目慣らし会を開催。

上益城地域の山都町では、火山灰を含んだ水はけのよい土壌を活かして春から初冬にかけて、さといもの栽培がおこなわれています。農業普及・振興課では、JAかみましき さといも部会と連携して、植え付け前の種いも消毒実演会や夏季の管理講習会など安定した出荷に向けた管理指導を行っています。
そのような中、9月19日に部会員の栽培管理の意欲向上を目的とした品評会が開催されました。本年作は疫病等の病害の影響が少なく、さといもの肥大が良好で外観や玉ぞろいが良い6点が出品されました。審査は農業普及・振興課、JA、市場が熊本県経済連の出荷基準に準じて行い、部会員が審査を見物する中で孫いもの肥大が進んだ3点を入賞に選定しました。
また目慣らし会では、出荷品質統一のため市場担当者を交えて出荷予定物を見ながら優品と良品の区分のポイントの確認が行われ、良品の加工販売などについても話し合われました。生産者からは様々な意見が飛び交い、有意義な会となりました。
当課では各関係機関と協力しながら、栽培管理講習会や圃場巡回を実施し、今後もさといもの品質向上と安定的な生産を支援していきます。

2024年12月

イチゴ定植体験の様子
トマト選果施設見学

上益城地域新規就農現地視察会を開催

上益城地域で新規就農を検討している方を対象とした現地視察会を9月21日(土)に開催しました。
視察会は先輩農業者のほ場視察、JAかみましきのトマト選果施設見学、各町・認定研修機関の概要説明の3つの柱で構成し、10名の参加がありました。
午前中は益城町のイチゴ農家を視察。先輩農家から就農の経緯や就農後の苦労などの話を聞いた後、全員でイチゴの定植体験を行いました。
昼食後は地域を代表する夏秋トマトの生産状況や集出荷までの流れの説明と選果ラインを見学の後、管内各町の農地の空き状況や単独支援策、認定研修機関の研修受入状況や受入農家の紹介を行いました。
その後2件の先輩農家のほ場を視察。トマト農家ではわずか就農4年で単収約15tを実現している先輩農家から技術習得のポイントや技術の比較検討の様子を、有機露地野菜の農家では県外から移住し地域的な信用を得ていくまでの過程や有機農業における土づくりの実践内容を事細かに話して頂きました。
参加者は就農を検討中の方から次年度就農に向けて準備中の方まで多岐にわたっており、それぞれのニーズに合わせた対応を行ったことで実施後のアンケート調査結果からは高い満足が得られました。農業普及・振興課では今後も現地視察会の開催を継続し、新規就農確保に対する関係機関の意識醸成と就農希望者に選ばれる産地になるための提案を行っていく予定です。

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