上益城エリア

上益城地域は上益城郡を所管しています。熊本県の県央地域に位置し、熊本市に隣接する平坦地から九州山地の山間地まで広がっており、比較的温暖な地域から冷涼な地域まで、地形的にも気象的にも変化に富んだ地域です。平坦地域では米・麦・大豆の土地利用型作物やスイカ、ニラ、スイートコーン等の野菜、カキ、ミカン、クリ等の果樹、トルコギキョウなどの花きが、中山間地域では米のほか、トマト、ピーマン、キャベツ、イチゴなどの野菜、クリ、ブルーベリー、ユズ等の果樹及び茶など多様な品目が生産されています。畜産では酪農、肉用牛、養鶏及び養豚経営が点在し、中山間地域を中心に繁殖牛経営が行われています。

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県央広域本部 上益城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 上益城郡御船町辺田見396-1

電話:096-282-3010

FAX :096-282-0303

上益城エリア普及現地情報

2024年12月

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上益城農畜産加工・直売連絡協議会等視察研修会の開催

10月28日、上益城農畜産加工・直売連絡協議会の視察研修会を開催し、くまもとふるさと食の名人にも参加を呼びかけて、総勢19人が参加しました。
当協議会は、個人、組織の加工所や直売所で構成されており、衛生管理や食品表示などの研修会を行っています。
今回は、直売関連施設を巡り、価格設定や商品陳列方法などを学ぼうと、合志市クラッシーノ・マルシェ、四季菜彩を見学し、きくちのまんま菊陽店では、店長から話を聞き、農産物直売所の共通の課題である、午後からの品ぞろえ、出荷者の減少、原料や資材高騰に伴う商品の値上げ等について、意見交換ができました。
参加者からは、それぞれの店舗に特徴があり、「規格外品コーナー」設置や商品の値上げのコツが参考になった。また、参加者相互の活動状況の情報交換ができたと声が聞かれました。
農業普及・振興課では、今後も、協議会活動を支援していきます。

2024年12月

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出荷目均し会
果実品評会(品質部門)

美味しい柿「太秋」を消費地へ届けます!

上益城地域は柿「太秋」の県内の銘柄産地の一つであり、かつ、上益城の重要な果樹振興品目になっております(面積19ha)。
今年はJAと協力して、摘果の徹底と全園(農家数34戸)の肥大調査を実施し、部会全員で大玉生産に取り組みました。また、果実軟化の要因の一つであるフジコナカイガラムシの適期防除を呼びかけ、品質アップにも努めました。梅雨明け後の異常な高温・少雨の気象条件の中、果実への悪影響が心配されましたが、生産者の適切な栽培管理により、その影響を最小限にとどめました。
その結果、やや小玉傾向であるものの、甘くて、シャキシャキと食感の良い果実が生産され、順調に出荷が進んでいます(計画数量20t)。
10月11日(金)にJA柿部会「太秋」出荷目均し会が行われ、29日(火)に「太秋」品評会が開催されて、品質部門に8点、大玉部門に7点の出品があり、審査項目の外観、着色、病虫害、キズ・汚れ、糖度は、いずれの出品果実は厳選されており、外観、糖度とも良好で、栽培期間中の努力だけでなく、品評会に挑んだ意気込みが感じられました。その結果、品質部門では外観や着色が最もよく、糖度20.4度のものが金賞(果実連賞)となり、大玉部門は最も重く618gの果実が大玉賞を受賞しました。
柿農家の高齢化は進んでいるものの、「太秋」の生産意欲が高いため、農業普及・振興課では、今後ともJAと連携して、銘柄産地の維持を支援したいと考えております。

2024年12月

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生育調査の様子
裂果の発生状況

硬玉で裂果に強いトマトの新品種「れおん」の特性を調査中

上益城地域の山都町では、夏の冷涼な気候を生かして夏秋トマトの栽培が盛んに行われています。現在の主な栽培品種である「りんか409」は、草勢が安定し着果性に優れ多収であることから、トマトの安定生産に大きく寄与しています。しかし、近年の地球温暖化に伴う夏期の高温の影響により、品質低下や減収につながる裂果が増加し、生産上の問題となっています。このような中、高温下でも裂果の発生が少なく、硬玉で日持ちに優れる夏秋栽培向けの新品種「れおん」が発表されました。すぐに品種の変更が必要な状況ではありませんが、今後の品種検討の参考とするためにJAと協力しながら、「れおん」の特性調査を実施しています。
これまでに生育状況や果実糖度の調査を実施し、収量については生産者に品種ごとに分けて出荷してもらい、選果場から出荷データを提供してもらっています。2回の糖度調査時には振興局内で食味についてのアンケート調査も併せて行いました。裂果については「れおん」は「りんか409」に比べ発生が少ないことが確認できました。7月の現地検討会では「れおん」の栽培ほ場を生産者に見てもらい、生育状況の確認、意見交換と調査データの共有を行いました。今後は11月の栽培終了まで調査を続け、成績を取りまとめるとともに出荷反省会や栽培講習会で調査結果の報告を行う予定です。

2024年12月

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品評会の様子
目慣らし会の様子

さといもの出荷本番を目前に品評会・目慣らし会を開催。

上益城地域の山都町では、火山灰を含んだ水はけのよい土壌を活かして春から初冬にかけて、さといもの栽培がおこなわれています。農業普及・振興課では、JAかみましき さといも部会と連携して、植え付け前の種いも消毒実演会や夏季の管理講習会など安定した出荷に向けた管理指導を行っています。
そのような中、9月19日に部会員の栽培管理の意欲向上を目的とした品評会が開催されました。本年作は疫病等の病害の影響が少なく、さといもの肥大が良好で外観や玉ぞろいが良い6点が出品されました。審査は農業普及・振興課、JA、市場が熊本県経済連の出荷基準に準じて行い、部会員が審査を見物する中で孫いもの肥大が進んだ3点を入賞に選定しました。
また目慣らし会では、出荷品質統一のため市場担当者を交えて出荷予定物を見ながら優品と良品の区分のポイントの確認が行われ、良品の加工販売などについても話し合われました。生産者からは様々な意見が飛び交い、有意義な会となりました。
当課では各関係機関と協力しながら、栽培管理講習会や圃場巡回を実施し、今後もさといもの品質向上と安定的な生産を支援していきます。

2024年12月

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イチゴ定植体験の様子
トマト選果施設見学

上益城地域新規就農現地視察会を開催

上益城地域で新規就農を検討している方を対象とした現地視察会を9月21日(土)に開催しました。
視察会は先輩農業者のほ場視察、JAかみましきのトマト選果施設見学、各町・認定研修機関の概要説明の3つの柱で構成し、10名の参加がありました。
午前中は益城町のイチゴ農家を視察。先輩農家から就農の経緯や就農後の苦労などの話を聞いた後、全員でイチゴの定植体験を行いました。
昼食後は地域を代表する夏秋トマトの生産状況や集出荷までの流れの説明と選果ラインを見学の後、管内各町の農地の空き状況や単独支援策、認定研修機関の研修受入状況や受入農家の紹介を行いました。
その後2件の先輩農家のほ場を視察。トマト農家ではわずか就農4年で単収約15tを実現している先輩農家から技術習得のポイントや技術の比較検討の様子を、有機露地野菜の農家では県外から移住し地域的な信用を得ていくまでの過程や有機農業における土づくりの実践内容を事細かに話して頂きました。
参加者は就農を検討中の方から次年度就農に向けて準備中の方まで多岐にわたっており、それぞれのニーズに合わせた対応を行ったことで実施後のアンケート調査結果からは高い満足が得られました。農業普及・振興課では今後も現地視察会の開催を継続し、新規就農確保に対する関係機関の意識醸成と就農希望者に選ばれる産地になるための提案を行っていく予定です。

2024年10月

採種ほ場(くまさんの輝き、1回目)
ほ場審査講評風景

水稲採種ほ場審査が始まりました

上益城地域では約120haの水田で、コシヒカリ、ヒノヒカリ、くまさんの輝き等の水稲種子を生産しています。種子生産にあたっては、異品種の混入やばか苗病などの特定病害の罹病がないこと等を確認するため、2回のほ場審査を実施することが条例等で定められており、7月下旬から8月下旬にかけて、コシヒカリで2回、その他の品種で1回審査を行いました。
農業普及・振興課では、農業普及振興計画の重点課題として、「水稲種子産地の維持・確保」を掲げ、水稲種子生産技術を維持・継承し、求められる種子量を確保できるよう、3月と6月に栽培講習会を開催しました。その結果、今回の審査ではいもち病等の病害が少なく、除草や水管理など水稲種子生産に重要な技術が励行され、ほとんどの審査員からよく管理されているといった講評をいただくことができました。
また、3月と6月には種子生産に関するアンケートを生産者向けに実施し、種子生産の現状、生産者の意向等について取りまとめ、8月8日に種子生産ほ場が多い山都町、JAかみましき及び熊本県主要農作物改良協会との採種事業に係る連携会議で集計内容の説明を行いました。会議ではアンケート結果を受け、生産ほ場の集約・団地化、栽培品種等についての意見が出され、今後の課題解決に向けて、これからも同様に意見交換を行いながら検討していくこととなりました。

2024年10月

育苗講習会の実施
育苗の様子

イチゴ「ゆうべに」の良質苗生産を目指して育苗管理講習会を 実施

上益城地域では、平坦地から中山間地域にかけて県の育成品種「ゆうべに」を約4ha栽培しています。当地域のゆうべに生産者は、平坦地は米・麦、中山間地は夏秋作物を栽培する複合経営が多いため、6~9月に作業の競合が起きてしまい、育苗作業の遅れが課題となっていました。そこで、R4年度から苗の鉢受開始から育苗終了までの施肥や病害虫防除等の管理作業の日程を細かく設定し、日程遵守を重点的に指導してきました。これにより、作業日程の明確化を行い、作業の遅れを防止することで、良質な苗づくりの実現につなげてきました。
今年度も作業日程の遵守を呼びかけるため、7月3日に中山間地、8月13日に平坦地の育苗講習会を実施しました。生産者からは施肥時期や葉色、かん水、病害虫防除に関する細かい質問があり、よりよい苗とするための育苗作業の確認が積極的に行われました。生産者の作業日程遵守の意識も定着してきており、今年度の鉢受終了期の遵守率は平坦地、中山間地ともに7割を超えました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携しながら、良質苗生産および長期的な安定生産を目指すため、育苗管理に力をいれ支援を実施していきます。

2024年9月

現地検討会の様子
現地検討会の様子

“くまさんの輝き”極良食味米の生産に向けて現地検討会を開催

上益城地域では、県育成品種である「くまさんの輝き」の生産が盛んに行われており、県内有数の生産地です(令和5年産作付面積:503ha)。生産者の関心も高く、今後も「くまさんの輝き」の作付面積拡大が見込まれており、高品質良食味米の生産に向けた技術の普及が求められています。上益城地域では、令和5年度より生産者(山都町島木地区)、農協、普及の3つからなる「上益城地域くまさんの輝き特A獲得プロジェクトチーム(以下、上益城特APT)」を立ち上げ、「くまさんの輝き」の魅力の1つである良食味を引き出す栽培技術について検討しています。
本年産の水稲も7月末には「中干し」や「穂肥施用」の時期にあたるということで、7月23日に生産者、JA、他地域普及員を対象とした「中干し」と「穂肥診断」についての現地検討会を開催しました。
検討会では、上益城特APTで実施している展示ほの目的や試験内容、これまでの栽培管理について説明を行ったほか、生育データをもとに現地の栽培ほ場を確認し、中干しと穂肥の時期について意見交換を行いました。参加者からは中干し開始の茎数の目安や実施期間・程度、穂肥後の水管理等、多数の質問があり、非常に有意義な検討会となりました。
今後も定期的な生育状況の確認を行う等、生産者や関係機関との連携を密にしながら、「くまさんの輝き」生産拡大と極良食味米生産に向けた支援を行っていきます。

2024年9月

写真1 出荷規格を確認する生産者
写真2 優良系統の選抜の様子

ホオズキの出荷と次作に向けた優良系統選抜

上益城地域の山都町では冷涼な気候を活かして、8月盆向けのホオズキが栽培されています。今年は5戸の生産者が栽培しており、3万2千本(前年比120%)の出荷を見込んでいます。
そこで、7月27日からの出荷にあわせて、出荷査定会を7月25日に行いました。査定会では、市場が求める品質に応えられるよう生産者、関係者全員で出荷規格を確認しました(写真1)。農業普及・振興課からは、出荷調整時に使用するハサミ等の衛生管理や鮮度保持剤の利用について指導し、ホオズキの日持ち向上を図りました。 
また、ホオズキ栽培では出荷後すぐに次作の播種・育苗が始まります。栽培中のホオズキから優良株を選抜し、実を充実させるため収穫せずに管理した後、8月中旬に種子を採種します。そのため、出荷直前の7月22日、農業普及・振興課とJAで全戸を対象にした優良系統選抜を行いました(写真2)。実の形や着色が良好で、着果数が多いもの等を基準に各ほ場から10株程度ずつ選抜しました。今後、各生産者が採取した種子を農業普及・振興課で乾熱処理を行い、生産者に配布する予定です。
これからも関係機関と連携しながらホオズキ産地の育成に取り組んで参ります。

2024年8月

集荷方法等の説明
果実選別

JA阿蘇蘇陽支所ブルーベリー部会出荷査定会の開催 九州随一の産地で良質果実生産を支援

JA阿蘇蘇陽支所ブルーベリー部会出荷査定会は、「収穫時の熟度の見分け方」、「病虫害被害果やワラ等を混入させない家庭選果の徹底」、「生産者が集荷場で行う厳正な検査方法の周知」等を目的に毎年開催されています。また、それらの申し合わせ事項は、「ブルーベリー出荷心得」でまとめられ、その結果、九州随一のブルーベリー産地として、61名の生産者が12haで生産し、主に加工用向けに年間32トンの良質なブルーベリーを出荷しています。
査定会では、JA営農指導員から、家庭選別での注意点、集荷場への持ち込みの形態や集荷時間変更等の留意事項の説明が行われ、次いで、農業普及・振興課から、生育状況と一部の園で発生している病害への留意点を説明し、併せて、当産地のブルーベリー栽培が先駆者による地域適正立証などの苦労の上に40年を超える九州随一の貴重な産地が形成されていることを伝えました。
参加した部会員からは、「改めて、当産地が九州随一の産地であることを実感し、これからもブルーベリーの生産を頑張りたい。」と実践への意欲的な声が聞かれました。
農業普及・振興課では、部会員のブルーベリー生産への意欲が高いことから、今後もJAとともに銘柄産地が続くよう剪定、施肥、病害虫防除、適期収穫等の基本管理の徹底への支援を行っていきます。

2024年8月

山都町茶品評会における審査

熊本県荒茶品評会において山都町から3点の入賞!~伝統ある品評会あっての山都茶~

6月27日に開催された熊本県荒茶品評会において、山都町から出品された茶が、蒸製玉緑茶の部で2点、釜炒り茶の部で1点入賞しました。
山都町の茶業は、160戸の生産者が158haで生産され、年間62tが出荷される県内有数の茶産地です。また、荒茶品評会に対し積極的な地域でもあり(令和6年度熊本県荒茶品評会出品数33点中17点が山都町より出品)、地域の生産者は毎年入賞を目指し、出品茶の生産に取り組まれています。
そこで、農業普及・振興課では、令和6年度に行われる各荒茶品評会における山都町からの出品茶の入賞に向け、良質な出品茶の製造には前年の夏場の茶園管理が重要であることから、令和5年8月に初めて山都町およびJAかみましきの担当者とともに茶園を一斉巡回し、生産者との意見交換を行いながら管理指導を行いました。生産者からは肥料や深耕の時期、整枝の方法等について質問があり、茶園管理の充実が図れたと思われます。その後も10月、3月、4月と、良質茶の生産に重要な時期に一斉巡回指導を行ったほか、出品茶の製造や調製にも立ち会い、良質な出品茶製造に向け取り組んできました。
今回の結果を受けて、農業普及・振興課としては、引き続き良質な茶の生産に向け生産者への指導を行っていきたいと思います。また、山都町では、山都町茶振興会主催で30年以上続く山都町茶品評会があり、このことが出品意欲にもつながっていると思われます。そこで、農業普及・振興課では、この伝統ある品評会がいつまでも開催されるよう、山都町とともに担い手の育成にも取り組んでいきたいと思います。

2024年8月

出荷基準の説明をうける生産者
ミニトマトパック詰め確認状況

山都町蘇陽地区夏秋野菜出荷査定会(JA阿蘇)で生産・販売目標を確認

農業普及・振興課は、JA阿蘇と連携し、蘇陽地区野菜の現地検討会や個別ハウス巡回等で生産向上支援を行っています。
そのような中、夏秋野菜が本格出荷を迎え、JA阿蘇の出荷者36戸4品目(ミニトマト、中玉トマト、ピーマン、軟弱野菜)9.1haの生産・出荷について合同出荷査定会が6月25日に開催されました。
開会挨拶の中で運営会長から、基本方針である①農薬の安全使用基準遵守、②基本管理の徹底及び選別の徹底による品質確保の確認がなされ、JA阿蘇からは春野菜に引き継き良好な販売となるよう尽力する旨の挨拶、農業普及・振興課からは本年の病害虫発生の情報提供と集中豪雨に備えた排水対策の確認を行いました。
また、取引市場(熊本県2社、鹿児島県1社)からは、高品質な夏秋野菜出荷への期待の声とともに1円でも高く売る努力をし、資材価格高騰の助けとなりたいという意欲的な発言がなされました。
実際の出荷物の査定では、参加者はJAによる出荷査定を市場担当者と一緒に真剣に確認し、出荷者からは、「秋まで長期にわたり高品質出荷できるよう、生産も出荷選別も努力したい」という声が聞かれ、有意義な出荷査定会となりました。

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