2024年のエリア普及現地情報

2024年10月

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採種ほ場(くまさんの輝き、1回目)
ほ場審査講評風景

水稲採種ほ場審査が始まりました

上益城地域では約120haの水田で、コシヒカリ、ヒノヒカリ、くまさんの輝き等の水稲種子を生産しています。種子生産にあたっては、異品種の混入やばか苗病などの特定病害の罹病がないこと等を確認するため、2回のほ場審査を実施することが条例等で定められており、7月下旬から8月下旬にかけて、コシヒカリで2回、その他の品種で1回審査を行いました。
農業普及・振興課では、農業普及振興計画の重点課題として、「水稲種子産地の維持・確保」を掲げ、水稲種子生産技術を維持・継承し、求められる種子量を確保できるよう、3月と6月に栽培講習会を開催しました。その結果、今回の審査ではいもち病等の病害が少なく、除草や水管理など水稲種子生産に重要な技術が励行され、ほとんどの審査員からよく管理されているといった講評をいただくことができました。
また、3月と6月には種子生産に関するアンケートを生産者向けに実施し、種子生産の現状、生産者の意向等について取りまとめ、8月8日に種子生産ほ場が多い山都町、JAかみましき及び熊本県主要農作物改良協会との採種事業に係る連携会議で集計内容の説明を行いました。会議ではアンケート結果を受け、生産ほ場の集約・団地化、栽培品種等についての意見が出され、今後の課題解決に向けて、これからも同様に意見交換を行いながら検討していくこととなりました。

2024年10月

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育苗講習会の実施
育苗の様子

イチゴ「ゆうべに」の良質苗生産を目指して育苗管理講習会を 実施

上益城地域では、平坦地から中山間地域にかけて県の育成品種「ゆうべに」を約4ha栽培しています。当地域のゆうべに生産者は、平坦地は米・麦、中山間地は夏秋作物を栽培する複合経営が多いため、6~9月に作業の競合が起きてしまい、育苗作業の遅れが課題となっていました。そこで、R4年度から苗の鉢受開始から育苗終了までの施肥や病害虫防除等の管理作業の日程を細かく設定し、日程遵守を重点的に指導してきました。これにより、作業日程の明確化を行い、作業の遅れを防止することで、良質な苗づくりの実現につなげてきました。
今年度も作業日程の遵守を呼びかけるため、7月3日に中山間地、8月13日に平坦地の育苗講習会を実施しました。生産者からは施肥時期や葉色、かん水、病害虫防除に関する細かい質問があり、よりよい苗とするための育苗作業の確認が積極的に行われました。生産者の作業日程遵守の意識も定着してきており、今年度の鉢受終了期の遵守率は平坦地、中山間地ともに7割を超えました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携しながら、良質苗生産および長期的な安定生産を目指すため、育苗管理に力をいれ支援を実施していきます。

2024年9月

現地検討会の様子
現地検討会の様子

“くまさんの輝き”極良食味米の生産に向けて現地検討会を開催

上益城地域では、県育成品種である「くまさんの輝き」の生産が盛んに行われており、県内有数の生産地です(令和5年産作付面積:503ha)。生産者の関心も高く、今後も「くまさんの輝き」の作付面積拡大が見込まれており、高品質良食味米の生産に向けた技術の普及が求められています。上益城地域では、令和5年度より生産者(山都町島木地区)、農協、普及の3つからなる「上益城地域くまさんの輝き特A獲得プロジェクトチーム(以下、上益城特APT)」を立ち上げ、「くまさんの輝き」の魅力の1つである良食味を引き出す栽培技術について検討しています。
本年産の水稲も7月末には「中干し」や「穂肥施用」の時期にあたるということで、7月23日に生産者、JA、他地域普及員を対象とした「中干し」と「穂肥診断」についての現地検討会を開催しました。
検討会では、上益城特APTで実施している展示ほの目的や試験内容、これまでの栽培管理について説明を行ったほか、生育データをもとに現地の栽培ほ場を確認し、中干しと穂肥の時期について意見交換を行いました。参加者からは中干し開始の茎数の目安や実施期間・程度、穂肥後の水管理等、多数の質問があり、非常に有意義な検討会となりました。
今後も定期的な生育状況の確認を行う等、生産者や関係機関との連携を密にしながら、「くまさんの輝き」生産拡大と極良食味米生産に向けた支援を行っていきます。

2024年9月

写真1 出荷規格を確認する生産者
写真2 優良系統の選抜の様子

ホオズキの出荷と次作に向けた優良系統選抜

上益城地域の山都町では冷涼な気候を活かして、8月盆向けのホオズキが栽培されています。今年は5戸の生産者が栽培しており、3万2千本(前年比120%)の出荷を見込んでいます。
そこで、7月27日からの出荷にあわせて、出荷査定会を7月25日に行いました。査定会では、市場が求める品質に応えられるよう生産者、関係者全員で出荷規格を確認しました(写真1)。農業普及・振興課からは、出荷調整時に使用するハサミ等の衛生管理や鮮度保持剤の利用について指導し、ホオズキの日持ち向上を図りました。 
また、ホオズキ栽培では出荷後すぐに次作の播種・育苗が始まります。栽培中のホオズキから優良株を選抜し、実を充実させるため収穫せずに管理した後、8月中旬に種子を採種します。そのため、出荷直前の7月22日、農業普及・振興課とJAで全戸を対象にした優良系統選抜を行いました(写真2)。実の形や着色が良好で、着果数が多いもの等を基準に各ほ場から10株程度ずつ選抜しました。今後、各生産者が採取した種子を農業普及・振興課で乾熱処理を行い、生産者に配布する予定です。
これからも関係機関と連携しながらホオズキ産地の育成に取り組んで参ります。

2024年8月

集荷方法等の説明
果実選別

JA阿蘇蘇陽支所ブルーベリー部会出荷査定会の開催 九州随一の産地で良質果実生産を支援

JA阿蘇蘇陽支所ブルーベリー部会出荷査定会は、「収穫時の熟度の見分け方」、「病虫害被害果やワラ等を混入させない家庭選果の徹底」、「生産者が集荷場で行う厳正な検査方法の周知」等を目的に毎年開催されています。また、それらの申し合わせ事項は、「ブルーベリー出荷心得」でまとめられ、その結果、九州随一のブルーベリー産地として、61名の生産者が12haで生産し、主に加工用向けに年間32トンの良質なブルーベリーを出荷しています。
査定会では、JA営農指導員から、家庭選別での注意点、集荷場への持ち込みの形態や集荷時間変更等の留意事項の説明が行われ、次いで、農業普及・振興課から、生育状況と一部の園で発生している病害への留意点を説明し、併せて、当産地のブルーベリー栽培が先駆者による地域適正立証などの苦労の上に40年を超える九州随一の貴重な産地が形成されていることを伝えました。
参加した部会員からは、「改めて、当産地が九州随一の産地であることを実感し、これからもブルーベリーの生産を頑張りたい。」と実践への意欲的な声が聞かれました。
農業普及・振興課では、部会員のブルーベリー生産への意欲が高いことから、今後もJAとともに銘柄産地が続くよう剪定、施肥、病害虫防除、適期収穫等の基本管理の徹底への支援を行っていきます。

2024年8月

山都町茶品評会における審査

熊本県荒茶品評会において山都町から3点の入賞!~伝統ある品評会あっての山都茶~

6月27日に開催された熊本県荒茶品評会において、山都町から出品された茶が、蒸製玉緑茶の部で2点、釜炒り茶の部で1点入賞しました。
山都町の茶業は、160戸の生産者が158haで生産され、年間62tが出荷される県内有数の茶産地です。また、荒茶品評会に対し積極的な地域でもあり(令和6年度熊本県荒茶品評会出品数33点中17点が山都町より出品)、地域の生産者は毎年入賞を目指し、出品茶の生産に取り組まれています。
そこで、農業普及・振興課では、令和6年度に行われる各荒茶品評会における山都町からの出品茶の入賞に向け、良質な出品茶の製造には前年の夏場の茶園管理が重要であることから、令和5年8月に初めて山都町およびJAかみましきの担当者とともに茶園を一斉巡回し、生産者との意見交換を行いながら管理指導を行いました。生産者からは肥料や深耕の時期、整枝の方法等について質問があり、茶園管理の充実が図れたと思われます。その後も10月、3月、4月と、良質茶の生産に重要な時期に一斉巡回指導を行ったほか、出品茶の製造や調製にも立ち会い、良質な出品茶製造に向け取り組んできました。
今回の結果を受けて、農業普及・振興課としては、引き続き良質な茶の生産に向け生産者への指導を行っていきたいと思います。また、山都町では、山都町茶振興会主催で30年以上続く山都町茶品評会があり、このことが出品意欲にもつながっていると思われます。そこで、農業普及・振興課では、この伝統ある品評会がいつまでも開催されるよう、山都町とともに担い手の育成にも取り組んでいきたいと思います。

2024年8月

出荷基準の説明をうける生産者
ミニトマトパック詰め確認状況

山都町蘇陽地区夏秋野菜出荷査定会(JA阿蘇)で生産・販売目標を確認

農業普及・振興課は、JA阿蘇と連携し、蘇陽地区野菜の現地検討会や個別ハウス巡回等で生産向上支援を行っています。
そのような中、夏秋野菜が本格出荷を迎え、JA阿蘇の出荷者36戸4品目(ミニトマト、中玉トマト、ピーマン、軟弱野菜)9.1haの生産・出荷について合同出荷査定会が6月25日に開催されました。
開会挨拶の中で運営会長から、基本方針である①農薬の安全使用基準遵守、②基本管理の徹底及び選別の徹底による品質確保の確認がなされ、JA阿蘇からは春野菜に引き継き良好な販売となるよう尽力する旨の挨拶、農業普及・振興課からは本年の病害虫発生の情報提供と集中豪雨に備えた排水対策の確認を行いました。
また、取引市場(熊本県2社、鹿児島県1社)からは、高品質な夏秋野菜出荷への期待の声とともに1円でも高く売る努力をし、資材価格高騰の助けとなりたいという意欲的な発言がなされました。
実際の出荷物の査定では、参加者はJAによる出荷査定を市場担当者と一緒に真剣に確認し、出荷者からは、「秋まで長期にわたり高品質出荷できるよう、生産も出荷選別も努力したい」という声が聞かれ、有意義な出荷査定会となりました。

2024年7月

茶摘みの様子
手もみによる茶製造の様子

茶摘みと茶製造の体験活動支援を行いました

山都町の茶業は、160戸の生産者が158haで生産され、年間62トンが出荷される県内有数の茶産地です。
山都町の清和小学校では、茶の産地としての理解醸成と地域の魅力に触れ親しんでもらうことを目的に、茶摘みと手もみによる茶製造の体験活動を、小学1、2年生児童を対象に実施されています。農業普及・振興課では、活動の支援を通じ、教育機関との連携によるお茶の魅力体験活動を実施しました。
はじめに、小学校の先生から、矢部茶のペットボトルの茶は地元の茶葉からいれていることの説明を行い、児童の興味を惹かせました。その後、当課から茶葉にはいろいろな種類があること、すべての種類が同じ茶葉から作ることができることを説明しました。また、校庭のどの樹が茶の樹か、どのような色の茶葉を摘んでいいのかを説明をし、児童に茶摘みを体験してもらいました。茶摘みや手もみによる茶製造を体験した児童からは、「とても楽しかった」などの感想が寄せられ、一生の思い出となる貴重な体験になったと思われます。
近年は、地域の指導者の高齢化やコロナ禍により活動を中止していましたが、今回の再開により児童が地域の魅力として茶に触れたことによって、日々の生活の中で茶を飲むことに興味を持ってもらえたらと思います。
農業普及・振興課では、教育機関との連携活動に対し、これからも積極的に支援を行っていきます。

2024年7月

現地検討会の様子
講習会の様子

産地の中核を担う儲かるトマト農家の育成

山都町では夏の冷涼な気候を生かした夏秋トマトの栽培が盛んに行われており、JAかみましきトマト部会では今年も89名の生産者が38haの雨よけハウスで栽培に取り組んでいます。
このような中、梅雨入り前の5月27日から31日にかけて、7つの地区ごとにJAとともにトマト部会の現地検討会を開催しました。検討会では初めに参加者全員でほ場巡回をし、他の生産者の栽培や生育状況の確認、生産者間での情報交換を行いました。巡回後に種苗会社から品種特性に合わせた栽培管理全般を、JAから施肥管理や防除、生育診断について講習を行いました。農業普及・振興課からは、例年一部の圃場で病害の多発生による栽培後半の草勢低下がみられ、減収につながっていることから、梅雨期を中心とした病害の予防防除を重点的に説明しました。
これから梅雨期の日照不足や梅雨明け後の高温期を迎えることから、かん水、追肥や摘果などの細かな栽培管理が必要となります。当課ではJAと連携しながら現地検討会や講習会、また、ほ場の巡回を通して増収による産地の中核を担う儲かるトマト農家の育成に向けた支援を実施していきます。

2024年7月

柚子園
かぶさり枝の剪徐

緊急!柚子部会着果対策講習会の開催県内一産地での良質な柚子生産の支援

JAかみましき柚子部会では、28名の生産者が13haで良質な柚子を生産し、県内一の柚子産地として加工用向けに年間200トンを出荷されています。
今年産の着花が前年の2~3割程度と、例年になく少ないことから、着果対策として緊急に講習を5月22日に開催しました。
講習会には、部会員のほとんどである25人が参加し、冒頭、部会長から、「緊急に着果対策の講習を行うので、各自、自分の園で実施してほしい。」と意識統一に向けた挨拶がありました。JA営農指導員から5月2日の着花調査で着花が少ない状況であること、農業普及・振興課から6~8月にかけて気温が平年より高くなる見込みであるため、作業中の熱中症に注意することを説明し、実習では、着果の少ない樹を用いて、着果部周辺のかぶさり枝や強い新梢を剪徐し、果実へ光合成生産物を集積し、着果を促進させる方法の実演を行いました。
参加した部会員からは、「今日、教えてもらった着果部周辺の新梢の剪徐をやってみよう。」、「着果の少ない樹の隔年結果防止の方法を教えてほしい。」と実践の声が聞かれました。部会員の要望を踏まえ、7月に着果対策の講習会を行うこととしました。
農業普及・振興課では、部会員の柚子生産への意欲が高いことから、着果が少ないピンチを乗り越えるため、JAとともに技術的な支援を行っていきます。

2024年6月

摘採指導の様子

高品質な新茶が今年も消費者に届きますように

上益城管内では、4月22日ごろから一番茶の摘採が始まりました。今年は2月の気温が平年と比較して高く推移したことから、萌芽が早くなり霜による被害が懸念されていましたが、3月以降大きな冷え込みがなかったことから霜の被害もなく、摘採時期も例年通りの時期となっています。一方で、3月下旬から4月上旬にかけて雨の日が多く、その後も断続的に降雨があったことから、雨の合間をぬって、管理・摘採作業が行われています。雨に濡れた茶葉での製造は品質低下の原因となることから、生産者は天気予報を見ながら高品質の茶生産に取り組まれています。
農業普及・振興課では、3月下旬ごろから茶園や生産者宅を巡回し、病害虫被害の発生状況、摘採に向けた管理方法、摘採時期、被覆の開始時期等について指導を行ってきました。また、荒茶製造にも立ち会い、製造方法や今後の茶園管理方法等についても指導を行っています。
併せて、管内の茶の主産地である山都町では、昨年度から普及、町、JAかみましき及びJA阿蘇の担当者が毎月打ち合わせを行い、生産振興に向けた取組みを検討しています。生産者が製造した高品質な茶の魅力が消費者に伝わるよう、関係者一体となって取り組んでいます。

2024年6月

JAかみましき柿部会「太秋」摘蕾講習の開催

4月19日、JAかみましき柿部会14人が参加し、大玉生産に重要な管理である摘蕾の講習会が開催されました。冒頭、部会長から、「「太秋」の令和5年産が小玉傾向だったことを踏まえて、令和6年産は大玉を目指し、早期摘蕾として1結果枝1蕾にする摘蕾を行ってほしい。」と挨拶があり、その後の摘蕾実習では、5月上旬頃と予想される開花の始まりまでに、雌花を1結果枝に1蕾にする摘蕾を優先し、次に、作業の進捗状況を見ながら、雄花の摘蕾及び摘花を行う方法が行われました。
その後、部会員から、「雄花の摘蕾は、雌花の摘蕾と一緒に行うべきではないか。」という意見が出されましたが、JA営農指導員から「昨年、雄花の摘蕾を行ってみたが、果実肥大への影響が明らかにならなかった。一方、雄花の摘蕾をすることで、養分の流れが雌花へ集まることが推測されるため、開花までの限られた時間では、とにかく雌花の摘蕾を実施してもらいたい。」と説明がなされ、皆で摘蕾に取り組むことが確認されました。
以上のとおり、部会員の高齢化は進んでいるものの、「太秋」の生産への意欲が高いことから、昨年の生産量の17tから20tへの飛躍が期待され、農業普及・振興課では、営農指導員とともに今後も活力ある「太秋」の産地を支援していきます。

2024年6月

上益城農業経営同志会総会・研修会の開催

4月12日、上益城農業経営同志会会員20経営体25人が参加し、総会を開催しました。同志会は、2021年11月に上益城農業経営改善同友会と上益城地方指導農業士連絡協議会を再編した組織で、年3回の研修会の開催、県立農大生等の研修生の受け入れを実施しています。
昨年は、7月の豪雨で農地等が被災した会員もいて、同月に予定していた庭先研修会を中止としました。会員の状況に応じて、相互の交流や資質向上につながる研修を実施していく計画です。
総会終了後は、令和5年度熊本県農業コンクール経営体部門、新人王部門参加者よる事例発表を行い、農業経営の概要、活動状況等を報告され、研修会後の懇親会では、同志会会員と活発な意見交換がおこなわれました。
農業普及・振興課では、今後も活力ある上益城農業のけん引役を担う同志会と連携し、円滑な運営を支援していきます。

2024年4月

清和地区での講習会の様子
名連川地区での講習会の様子

高品質な水稲種子の生産に向けて講習会を開催

上益城地域は県内でも有数の水稲種子生産地です。昨年は7月3日の豪雨災害で土砂の流入や冠水被害があり、ほ場ではいもち病や稲こうじ病の発生が散見されました。毎年気候が変化する中で、安定的な生産を行うためには基本的な栽培管理を行うことが重要となります。そこで、今年も高品質な水稲種子を生産するため、管内4地区で栽培管理講習会を開催しました。
講習会では、育苗から移植後まで常に水管理の徹底が重要であること、移植前から病害虫防除をしっかりと行うこと、遺伝的に純正である種子を生産するために日頃から徹底した管理を行うことなどについて説明を行いました。併せて、ほ場での鳥獣害被害対策として防護柵の設置・管理について説明しました。
生産者からは、箱施薬剤の散布方法や水田での雑草対策等について質問があり、非常に有意義な講習会になったと思われます。
上益城地域で生産した水稲種子が引き続き本県の水稲生産をしっかりと支えられるよう、今後も高品質な種子生産に向け生産者や関係機関と連携して支援を行っていきます。

2024年4月

ほ場のテンションメーター
「ゆうべに」出荷風景

「ゆうべに」ほ場へ テンションメーター設置でかん水管理もバッチリ!!

上益城の平坦地・中山間地では20名ほどの生産者が「ゆうべに」の栽培に取り組んでいます。最近では平詰めパック(基本的には大玉3L以上を5~9玉)の出荷が増加し、その多くは海外へ輸出されており、2月には香港において部会関係者による販売促進活動を行いました。
導入後の数年間は、「ゆうべに」特有の栽培管理に慣れない生産者もいましたが、現在では育苗期の施肥管理、定植後の葉色保持、摘果などに配慮した栽培管理を行っています。
イチゴ栽培は、秋春の極端なかん水が果実の品質低下(まだら果等)につながります。このため振興局では、かん水管理を支援するため、希望があった栽培ほ場にテンションメーター(土壌水分計)の設置を実施しました。現在11名の生産者が収穫後半に入ったハウスで、適正なかん水管理を目指しながら「ゆうべに」の品質向上・収量増加に努めています。

2024年3月

講習会の様子
講習会の様子

ユズの整枝せん定で管理しやすい樹づくりを

上益城地域は、県内でも有数のユズ産地です。中でも山都町は昼夜の気温差が大きく品質の良い果実が生産できるため、実需者からの評価も高い地域です。
農業普及・振興課とJAかみましき柚子部会では、管理しやすい樹づくりを目標に、2月29日にせん定講習会を開催しました。柚子は隔年結果性が強く、摘蕾摘果による着果量の調整が連年結果のための大切な作業です。また、特有の鋭いトゲは摘果や収穫の妨げになり、生産者を困らせます。そこで、講習会では令和6年産に着果が十分期待できる樹を用いて、主枝を骨格とした整枝に重点を置き、主枝の流れに逆らう枝や上向きに強く徒長する枝などをせん除して樹形を整え、管理作業時に体や手を入れやすい樹づくりについて指導を行いました。
高齢の生産者も多い部会ですが、毎回講習会の出席率が高く熱心さがうかがえます。
せん定は果樹栽培における1年の始まりです。農業普及・振興課では引きつづき巡回指導を行いながら、せん定の進捗状況の確認と産地維持できるような園づくりを指導していきます。

2024年3月

電気柵設置について説明を受ける田小野地区の住民

地区の農地は効果的な電気柵でガッチリ!パート2 ~電気柵設置講習会を開催しました~

山都町田小野地区では、シカ等による農作物被害が発生していることから、県単のえづけSTOP!鳥獣被害対策事業を活用し、正しい鳥獣被害防止対策を学び、効果的な電気柵の設置を目指しています。これまで地域点検マップの作成、先進地視察研修を行ってきましたが、今回は、実際に電気柵を設置するにあたり設置講習会を開催しました。
講習会には地区から30名以上の住民が集まり、シカ用の電気柵(5段張り)の設置方法について、電気柵メーカーである末松電子株式会社の説明を受けました。電線を設置する高さ、電線を留める碍子の設置方法、放電を起こさない電線のつなぎ方等について説明を受けた住民からは、「これまでの認識が違った」といった意見も出され、設置に関して気になっている点を中心に多くの質問がされていました。
田小野地区では、これから各工区に分かれ、約70haの農地に電気柵を設置する予定です。また設置後には、被害状況や誤った設置がされていないかを巡回して確認するなど、被害防止に向けた取組みを継続して行っていく予定にしています。農業普及・振興課としましても、地区の被害低減に向けこれからも支援を行っていきたいと思います。

2024年3月

夏秋トマトの収量向上に向けて -JAかみましきトマト部会栽培講習会-

上益城地域の山都町は阿蘇地域と共に西日本有数の夏秋トマトの産地です(R5年産JA共販面積38ha)。近年は販売単価高にも支えられて比較的安定した生産販売が行われていますが、生産資材や運賃などの経費が増大しており、生産者の収益を確保するためにはさらなる収量向上が必要となっています。
そこで、1月19日に開催されたJAかみましきトマト部会の栽培講習会では、収量向上をテーマに講習を行いました。栽培後半の草勢低下が収量低下を引き起こしていることから、草勢低下の大きな原因である病害の対策について農業革新支援センターに講義をお願いしました。当課からは同じく草勢低下防止対策として摘果の徹底や灌水管理について、また併せて裂果防止対策について説明しました。
これから令和6年産の栽培が始まりますが、引き続きJAと連携し、現地検討会や巡回指導などをとおして産地を支援していく予定です。

2024年2月

SNS研修会の様子

山都町農事組合法人連携会議でSNS研修を開催

山都町の法人組織等で構成する山都町地域営農法人連携会議では、中山間地における地域を超えた集落営農組織間の連携等を図る目的で連携会議を開催しています。取り組みの一環として、去る12月26日に山都町役場でSNS研修会を開催しました。研修には山都町の7法人組織、町、JA、農業公社、当普及・振興課の関係機関から24名が出席しました。
講師に(株)アド・コムの眞藤隆次氏を迎え、「地域営農組織におけるSNS活用の情報発信の現状とその方法」という演題で講演をいただきました。参加者の大半が70才以上ということもあり、まず、SNSとはどういうものかという、基本的な内容から、分かりやすく説明をいただきました。講演の後、実際にパソコンやスマートフォンを使って、X(旧ツイッター)のアカウントを設定する実演も行われ、参加者は、慣れないながら熱心にパソコンの入力に取り組んでいました。
このSNSの研修については、昨年度先進地視察で高千穂の法人組織に行かれた事がきっかけで、山間地の交通の不便な場所で、加工品の販売や地域活動をSNSを活用して、全国に発信されている事例を見て、情報発信の大切さを痛感されたことがきっかけとなりました。
SNSの取り組みはやっと入口に立ったばかりですが、既に若い農業参入者を地域に迎え入れ、その準備を始められている組織もあり、今後の取り組みに期待がされています。

2024年2月

室内研修風景
松尾集落の風景(ひそみ場の除去)

鳥獣被害防止対策上益城地域担当者先進地視察研修を開催しました。

上益城地域における鳥獣被害額は、近年は横ばい状態であることから、さらなる対策の強化に向け、令和5年12月15日に鳥獣被害防止対策に携わる町及びJAの担当者を参集し、上益城地域鳥獣被害防止対策担当者先進地視察研修を、熊本県鳥獣対策マイスター集落であるあさぎり町松尾集落で開催しました。
研修では、松尾集落の代表である遠山好勝氏より、これまでの松尾集落での取り組みについて説明を受けた後、実際に防護柵が設置されている現地を視察しました。現地では、松尾集落の住民が協力して防護柵の管理や地域環境の整備を行っている状態を確認し、参加者からも驚きの声が上がっていました。さらに、「行政職員は鳥獣被害の報告を待つのではなく探し出す意識で、地域の住民と話し合って対策を進めていってほしい」という要望を遠山氏よりいただき、今後の対策を進めていくにあたって、参加者にとって気が引き締まる研修になったのではないかと思われます。
農業普及・振興課としましては、今後も管内担当者の資質向上に取り組み、管内被害額のさらなる低減に向けて、担当者が一体となって取り組める体制づくりを図っていきたいと思います。

2024年2月

講習会の様子

クリせん定で高品質果を目指そう

上益城地域は、県内でも有数のクリ産地(R3産実績315ha)です。収穫を終え一息ついたところですが、次年産に向けてせん定の季節となり、管内のクリ園では寒い冬空の下、作業を行う生産者をあちこちで見かけます。
農業普及・振興課とJAかみましき栗部会第3支部では、次年産も大玉で品質の良い果実を収穫するため、12月18日にせん定講習会を開催しました。産地では、植栽されてから年が経過し、樹勢が弱りつつある樹が多く見られており、強めに切り戻して主枝に近いところに若い枝を出すせん定について説明を行いました。また、良好な結果母枝や適切な本数も説明し、枝を残しすぎて密植にならないように指導しました。
せん定は果樹栽培における1年の始まりです。農業普及・振興課では引きつづき巡回指導を行いながら、せん定の進捗状況の確認と産地維持できるような園づくりを指導していきます。

2024年2月

新規就農者と関係機関
先輩農業者からの激励

ニューファーマーの集い&研修会開催

12月18日、熊本県農業共済組合上益城支所において、上益城地域農業振興協議会(会長:梅田穣 山都町長)は、上益城地域の新規就農者を地元関係者で激励するため、ニューファーマーの集い(新規就農者激励会)を開催しました。
今年度の新規就農者20名のうち7名が参加し、就農の決意や今後の目標を披露。また、先輩農業者から、新規就農者に対して熱いエールが送られました。
その後の研修会では、今年度農業コンクール大会新人王部門の参加者が、就農の経緯や経営理念、取組みについて事例発表を行いました。
また、新規就農者の営農リスクに備えるため、JA中央会から農業者年金について、農業共済組合から農業共済と収入保険についての説明がありました。
この会は、新規就農者にとって関係機関とのつながりを作るいい機会となりました。
今後、当課としては、協議会や関係機関一体となって、就農定着に繋げるため、巡回指導やニーズに合わせた研修会の開催などにより支援していきます。

2024年1月

上益城農業経営同志会「農福連携」を学ぶ

11月30日、12月1日に上益城農業経営同志会が、視察研修会を開催し、会員14人が参加しました。
鹿児島県南さつま市で、平成24年に漬物製造業者が材料調達のため農業に参入し、その後農福連携に取り組まれている「株式会社南風べジファーム」を訪問しました。
併設のカフェで、視察研修者向けの食事を済ませた後にハウス内、総菜加工施設内を見学し、経営の概況等の話を聞きました。利用者が無理なく働くことのできる環境づくりを工夫し、「農福連携」を実践されている社長の、経営者としての理念は、同志会会員にとっても共感でき、関心を持って質疑され、活発な情報交換ができ、有意義な研修となった。
今後とも、農業経営者の経営発展につながるよう、農業経営同志会の活動を支援していきます。

2024年1月

室内会議(山江村役場)
現地視察(栗園の電気柵

地区の農地は効果的な電気柵でガッチリ!~鳥獣対策視察研修を実施しました~

山都町田小野地区では、シカ等による農作物被害が発生していることから、県単のえづけSTOP!鳥獣被害対策事業を活用し、正しい鳥獣被害防止対策を学び、効果的な電気柵の設置を目指しています。そこで、電気柵の効果的な設置と管理方法を学ぶため、12月1日に電気柵による対策を実施している山江村への視察研修を実施しました。
研修では、まず山江村における鳥獣被害防止対策について、山江村産業振興課の横井主事より説明があり、電気柵の設置の際には柵の前後に緩衝帯を設けること、管理においては下草の処理が大変になるため、防草シートも活用しているなどの話がありました。また、実際に設置されている水田と栗園を視察し、シカに対応した5段張りの電気柵の説明をいただきました。参加者からは特に管理方法に関する質問が多く出され、被害を減らしたいという思いや設置だけで終わらせないという意識を強く感じました。
田小野地区では、これまでにも被害農地や加害鳥獣の目撃状況等をまとめた地域点検マップを作成するなど、積極的に対策に取り組まれています。農業普及・振興課としましても、田小野地区の被害低減に向けこれからも支援を行っていくとともに、これらの取り組みを他の地区へも普及させ、管内の被害低減にもつなげていきたいと思います。

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