2023年のエリア普及現地情報

2023年12月

10月の講習会
「ゆうべに」転換生産者ハウス(11/8)

「ゆうべに」講習会で土耕も高設栽培も収量アップ!!

山都町のJAかみましきイチゴ部会(第3営農)では、初冬から初夏にかけて数品種のイチゴを栽培しています。その中で7名の部会員は、土耕栽培で県育成品種「ゆうべに」に取り組んでいます。
昨年度は12月、1月に激しい寒波、3月に突然のアザミウマ類大発生で、平年並みの収量が達成できませんでしたが、今年度は管内平坦地域(年内収量900kg/10a)に負けない生産をと意気込んでいます。
6月、7月の育苗講習をはじめとして、10月には定植後講習、11月は冬期対策講習へと続きます。また講習の合間には生産者のほ場巡回も行いますが、ほぼ全員が最後まで参加しています。
今年度の講習会には、「さがほのか」から「ゆうべに」に品種転換を行った高設栽培の生産者や観光農園で「ゆうべに」の高設栽培を行っている生産者も加わり、一層講習会も盛り上がっています。土耕栽培でも高設栽培でも「ゆうべに」でしっかり収量を上げていけるように振興局は、熱い、厚い支援を行います。

2023年12月

夏秋ピーマンの師匠での研修
夏秋トマトの師匠での研修

新規就農者対象の農業師匠庭先研修開催

10月2日、上益城地域農業振興協議会(会長:梅田穰 山都町長)は、新規就農者を対象に農業師匠庭先研修を開催しました。今年の2月に続き、2回目の開催となります。
上益城地域では、新規就農者が農作業の疑問等を気軽に相談できる身近な先輩農業者として、指導農業士を中心に農業師匠をお願いし、現在21人を登録しています。
この庭先研修は、農業師匠の栽培技術や経営理念などの話を聞き、新規就農者が抱える悩みや課題の解決を図るとともに、農業師匠と新規就農者のつながりを作ることを目的としています。
研修は、2人(夏秋ピーマン栽培、夏秋トマト栽培)の農業師匠のほ場で行われ、参加者は自分の興味がある農業師匠を選んで研修に参加しました。興味がある作物、経営ということで質問も多く、農業師匠も栽培技術や経営内容について丁寧に説明されていて、今後も相談しますという就農者もいました。
当課としては、このような機会を設けることで、新規就農者の定着を図っていきます。

2023年12月

法人組織連携会議の様子

山都町農事組合法人の連携会議を開催

山都町の法人組織等で構成する山都町地域営農法人連携会議では、中山間地における地域を超えた集落営農組織間の連携等を図る目的で連携会議を、去る10月11日に山都町役場清和支所で開催しました。会議には山都町の法人組織から8名の理事と、本年9月に新たに法人を設立した「しまき2023」を加え、町、JA、農業公社、当普及・振興課の関係機関から13名が出席しました。
会議では、各法人における取組状況及び経営等の課題等についての意見交換が行われました。1法人からは、これまで後継者不足が課題で、地域外からの雇用を検討されていましたが、このたび新たな雇用希望者が入られることになったとの報告がありました。
農業機械等の利用連携に関しては、法人間での機械利用の連携はなかなか困難であるものの、昨年度より試験的に取り組みを行っているドローン防除については、短期間で効率的な作業が可能であることに加え、軽量で移動も楽なため、各地域での取り組みが増加しています。また、法人での導入も検討されているとのことでした。
その他、法人からの要望のあった、SNSの研修会や、先進地視察研修について今後実施する予定で検討が行われました。今後も各組織運営や営農活動に有効な連携の場となるよう、活動を進めていきたいと思います。

2023年12月

防疫対策の机上演習
支援センター運営演習

県央広域本部悪性家畜伝染病防疫演習を開催 (熊本・宇城・上益城)

10月19日、宇城市豊野農業者トレーニングセンター等において、熊本、宇城及び上益城の3地域合同で県央広域本部悪性家畜伝染病防疫演習を開催しました。
本演習は、高病原性鳥インフルエンザ等悪性家畜伝染病発生時の迅速かつ的確な防疫措置に資することを目的として、毎年開催しており、今回は、各地域の県や市町、関係団体等の関係者約150人が参加しました。
演習では、高病原性鳥インフルエンザや豚熱の発生状況と防疫体制に関する机上演習を行った後、支援センターの応援要員の受入れや発生農場への送出しの手順と消毒ポイントの作業手順を確認する実地演習を行いました。今回の演習で、11月からの高病原性鳥インフルエンザ特別防疫対策期間を前に、家畜防疫体制について参加者の理解を深めることができました。
県央広域本部の各農業普及・振興課では、家畜保健衛生所等の関係機関と連携し、畜産農家に対する飼養衛生管理基準の徹底や万一の発生に備えた防疫体制の強化に引き続き取り組んでいきます。

2023年11月

アグリ総研でアシストスーツ試着
株式会社たかき 高木社長

上益城農業経営同志会スマート農業を学ぶ

9月25日、上益城農業経営同志会が、スマート農業を学ぼうと研修会を開催し、会員6人が参加しました。
まず、「県アグリシステム総合研究所」でスマート農業についての講話、アシストスーツの試着、トマトの出荷予測システムの仕組みを視察しました。参加者は、機械の進歩を学び、熱心に質問していました。
次に、「株式会社たかき」で、社長から経営概況の講話を、機械・設備、バナナ栽培ハウスを視察しました。
農業普及・振興課は研修内容の検討、企画に協力し、農業経営同志会の活動を支援しています。

2023年11月

研修風景

嘉島町で「みどりのチェックシートの取組」に関する研修会を開催

嘉島町では昨年度、環境保全型農業直接支払事業に23名の生産者(7つの組織)が取り組んでおり、本年度も多くの生産者が本事業に取り組んでいます。
本事業では、「みどりの食料システム戦略」を踏まえ示された、『みどりのチェックシートの取組(以下、みどりの取組)』の実施が要件となっており、支援の対象となる生産者はみどりの取組に関する研修の受講が必須となっています。そこで、9月27日に本事業に取り組む生産者を対象に研修会を開催しました(27名の生産者が参加)。
研修会では、最初にみどりの取組の概要についての説明を行い、その後、解説書を用いた動画視聴を行いました。環境保全型農業を取り組むにあたっては、肥料や農薬の使用低減を意識するだけでなく、農業生産現場における問題点を発見・改善することが重要です。そのため、研修会ではみどりの取組を通じて農業生産現場の改善に繋げていただくよう指導を行いました。質疑応答の場面では、生産者からこれまでのGAPの取組との違いなどの質問があり環境保全型農業の取組に向けた意欲を感じました。
農業普及・振興課では、これからも本事業に取組む生産者をはじめ、多くの生産者が持続可能な農業に取り組める環境づくりを目指して、関係機関と連携して支援を行っていきたいと思います。

2023年11月

品評会審査の様子
目慣らし会の様子

サトイモの品質向上をめざして、品評会を初開催!

山都町では、春から初冬にかけて、水はけがいい阿蘇火山由来の黒ボク土を活かして、サトイモが栽培されています。当課では、JAサトイモ部会と連携し、生産性向上のため定植前の種芋消毒や夏季の管理講習など、様々な取り組みを行っています。
そのような中、本格的な出荷を前に9月21日にJAサトイモ部会品評会が部会設立後初めて開催されました。審査は、JAの出荷基準に準じた審査基準で行われ、事前に審査基準を部会員に周知して行われました。
出品数は9点でしたが、どの出品物も外観や玉ぞろいがよく、輪作や排水性の確保、獣害対策など栽培期間中の努力を感じられました。
また、同日に目慣らし会が実施され、実際の出荷予定物をみながら市場担当者立会いの中で出荷基準について協議が行われ、品質の均一化が図られました。
当課では、今後とも関係機関と連携しながら、栽培管理講習会やほ場巡回を実施し、サトイモの品質向上と安定的な生産を支援していきます。

2023年11月

設立総会集合写真
キャッチフレーズとロゴマーク

熊本初!! 一般社団法人の集落営農組織設立

令和5年9月20日山都町島木農村環境改善センターにおいて、九州で初めてとなる一般社団法人での集落営農組織「一般社団法人しまき2023」が設立されました。山都町島木地区では、農業者の高齢化、担い手不足、後継者の不在、米価の低迷、鳥獣被害といった様々な課題を解決しようと、令和4年から話し合い活動を始め、令和4年9月に島木営農改善協議会を発足し、協議を重ねてきました。月に1~3回農作業やそれぞれの仕事が終わった夜に話し合い活動を行い、3夜連続で集落説明会を実施したり、また集落の方々個別に説明や資料配布、アンケート調査等、役員の方々は苦労されました。一般的に集落営農組織は農事組合法人か株式会社で設立されますが、考慮を重ねた結果、一般社団法人を選択されました。「しっかりと、まもろうみんなで、きぼうのむらを」(頭文字がし・ま・き)をキャッチフレーズに、農業や地域の荒廃を防ぐための受け皿となり得る組織を目指されます。「島木の農業・農地・地域環境はみんなで守る」という初期の目標を果たすため今後活動を進められますが、農業普及・振興課としては、集落営農の新たなる模範となるべく、今後とも支援を行っていきたいと考えています。

2023年11月

法人設立の様子
理事による検討会の様子

御船町初の農事組合法人「さこんたろう」の設立!

令和5年9月28日御船町浅ノ藪公民館において、「農事組合法人さこんたろう」の設立総会が行われました。総会には、法人の組合員をはじめ、御船町やJA、上益城地域振興局などが出席し、上田代表理事を中心として法人設立の議決が行われ、盛会のうちに法人設立が採択されました。
御船町浅ノ藪集落は、基盤整備事業に取り組んでおり、この事業を機に、農地の集積を行うとともに、効率的な農業生産に取り組むため、集落の代表者による集落営農組織の取り組みについて話し合いを進めました。
話し合いの中で、集落の農業をより効率的に安定的に生産を行っていくためには、農事組合法人の設立が必要であるという意見がまとまり、法人化に向けて話し合いを進めることとなりました。具体的な内容について検討、話し合いを進め、集落への説明会を開催し、法人へ参加を呼び掛けるなど、地域全体での取組みを進め、設立に至りました。
今回の農事組合法人は御船町では初めての法人組織となります。
法人は設立しましたが、具体的な取組みについては、これからで、持続的な法人経営と、農業生産の取り組みについて今後とも引き続き支援していきます。

2023年10月

ブルーベリースムージー試作
緑茶スムージーの試作

「お茶」「ブルーベリー」を利用した商品づくり研修会の 開催

8月22日、御船町吉無田高原緑の駅(代表野口留美子さん)で、熊本県農産物加工協議会アドバイザー派遣事業を活用し、商品づくり研修会を行いました。
野口さんは、茶栽培、加工販売が主ではありますが、「ブルーベリー」等の果樹を栽培し、週3日直売所で軽食の提供、青果販売、またブルーベリーの摘取園として消費者との交流に取り組まれています。
活動の課題として、手軽に購入できる商品づくりや、加工技術の向上があり、まず、自家製産物を活用したスムージーの試作検討を行いました。
農業普及・振興課では、講師の選定や商品展開への助言を行い、今後も農業者の6次産業化を支援します。

2023年10月

プロジェクト説明会の様子
現地ほ場での生育状況確認

おいしい「くまさんの輝き」を上益城から届けたい

上益城地域では、県の水稲新品種である「くまさんの輝き」の生産が盛んに行われており、その作付面積は令和4年産が約450haで県内1位です。今後も産地として面積を拡大し、おいしいくまさんの輝きを消費者に届けるため、今回、生産者、農協、普及の3つからなる「上益城地域くまさんの輝き特A獲得プロジェクトチーム」を立ち上げ、魅力の1つである良食味を引き出す栽培技術の確立を検討することとしました。また8月31日に、協力いただく山都町島木地区の8名の生産者に対し、プロジェクト説明会を行いました。
説明会では、プロジェクトチーム発足の背景と目的、これからの栽培管理について説明を行ったほか、現地の栽培ほ場を確認し、今年度の生育状況について意見交換を行いました。生産者からは、プロジェクトとしての今後の推進方法、出穂後の水管理、収穫後のほ場管理等について質問があったほか、プロジェクトを機会にこれまで以上の栽培指導をお願いしたいとの意見が出され、生産者の良質な米生産への意欲を強く感じました。
農業普及・振興課としましては、チームの一員として、プロジェクトに参加する生産者に対し有益な情報を提供するとともに、プロジェクトを通じて得られる技術を他の地域へと普及し、「上益城のくまさんの輝きなら間違いない!」と言われる産地づくりに取り組んでいきたいと思います。

2023年10月

散布園の空撮画像
散布の様子

クリのドローン防除で労力軽減と青果率アップを目指します!

上益城地域は、県内でも有数のクリ産地(R3産実績315ha)です。しかし、クリ園は傾斜地が多く、また近年の夏場の高温は防除する生産者の労力負担となっています。
そこで、農業普及・振興課では昨年度からJAや町、生産部会と協力し、ドローン防除現地実証試験を実施しています。2年目となる今年は、オペレーターの目視が難しい中山間地で、ドローンの自動操縦による防除を行いました。
事前に空撮した画像を元に、散布範囲を登録しておくと、設定どおりにドローンが飛行するため、樹高が高いクリ園でも散布することができました。一方で、空撮時から枝が伸長し、想定した飛行範囲に伸び出していると、ドローンが接触する可能性があり、飛行前の調整に時間がかかるため、事前にそのような枝をせん除する必要があることがわかりました。
農業普及・振興課では、今年産の虫栗軽減効果を検証して、来年の防除の選択肢となるよう現地に提案していく予定です。

2023年8月

室内会議(山都町役場)
現地視察(電気柵)

鳥獣被害防止対策管内担当者会議を開催しました

上益城地域の令和3年度の鳥獣被害額は約2,400万円で、平成29年度の約6,700万円をピークに減少しつつありますが、現地からは効果的な鳥獣被害防止対策について要望が多い状況にあります。
そこで、令和5年7月11日に鳥獣被害防止対策に携わる町及びJAの担当者を参集し、上益城地域鳥獣被害対策担当者会議を開催しました。
会議では、まずは室内で、「えづけSTOP!」について農業普及・振興課から説明した後、各町の被害状況や現在の対応状況について、情報交換を行いました。上益城地域ではイノシシやシカによる被害が多く、今年度から通年捕獲に取り組んでいるといった情報提供がありました。また、先進地視察に行って対策について学びたいという意見もありました。
現地では、山都町に設置してある電気柵とワイヤーメッシュ柵を視察し、電気柵及びワイヤーメッシュ柵の設置にあたっての注意点等を確認しました。いずれの柵も、管理は大変だけど大事だという意見が挙げられていました。
農業普及・振興課としましては、今後も管内担当者の資質向上に取り組み、管内被害額の低減に向けて、担当者が一体となって取り組める体制づくりを図っていきたいと思います。

2023年8月

ほ場巡回の様子
講習会の様子

疫病対策を万全にサトイモを栽培中!

山都町では、春から初冬にかけて、水はけがいい阿蘇火山由来の黒ボク土を活かして、サトイモが栽培されています。
近年、他県のサトイモほ場では、サトイモの葉や葉柄に水しみのような病斑が発生し、収量の低下につながる「疫病」による重大な被害が報告されています。そこで上益城地域では、JAかみましきサトイモ部会(栽培面積45ha、部会員数30名)を中心に、地域一丸となって疫病対策に取り組んでいます。  
定植前の3月には、種芋消毒講習会を開催し、実演をまじえて種芋消毒の方法を周知しました。また7月27日には夏季管理講習会を開催し、台風到来前の疫病対策として、有効な薬剤散布方法や雑草対策等について講習を行いました。部会員の疫病に対する意識は年々高まっており、講習会では活発に意見交換が行われました。 
農業普及・振興課では、今後とも関係機関と連携しながら、栽培管理講習会やほ場巡回を実施し、サトイモの安定的な生産を支援していきます。

2023年8月

集い終了時 友情の輪ができた参加者
盛り上がったミニバレー

「夏の集い2023」成功

7月27日、県立体育館において、県4Hクラブ主催の「夏の集い2023」が開催されました。この集いを企画、運営する実行委員会に上益城地方4Hクラブと熊本地方4Hクラブがなり、集いは成功裏に終わりました。
この夏の集い、コロナ禍では中止やオンライン開催となり、昨年、3年ぶりの対面開催を目指し、今年と同じ実行委員会で企画を進めていましたが、台風の影響で今年に延期に。今回、無事に開催できたことに実行委員は安堵の表情でした。
集いには県内各地方から約40人が参加。クイズラリーで農業関係の問題を共に考え、ミニバレーで共に汗を流す中で、友情の輪ができていました。
実行委員は約2年間にわたり、コロナ禍を考慮した企画を考えることになり、発想力、企画力が磨かれるとともに、大きな成功体験が得られたと思います。
当課としては、引き続き、このような行事等の企画・運営を通じて4Hクラブ員が資質を向上できるよう支援していきます。

2023年8月

河原会長の話を聞く園児たち
田植え風景

嘉島町農村女性グループが保育園児の田植え体験指導

6月26日、27日、嘉島町農村女性グループ(河原君代会長他会員8人)は、熊本市内の2保育園の田植え体験を行いました。保育園ではそれぞれ5年、12年と継続して、浮島池近くの圃場で田植え、稲刈り体験を行っています。園児は、はだしで田んぼに入り、はしゃぎながらも上手に苗を植えていました。田植え後は、湧水でどろを落とし、益城産の西瓜を味わいました。
毎年収穫したもち米は、園に寄贈され、餅つきや、もち米を使った料理、菓子に活用されます。
嘉島町農村女性グループは町主催の祭りへの協力や地元産大豆を活用した味噌づくり等ふるさとの食の伝承活動に取り組まれており、農業普及・振興課では、今後も女性農業者の地域活動を町と連携して、支援します。

2023年8月

講習会の様子(清和地域)
水管理の資料

高品質な水稲種子が皆さんに届きますように~種子生産者向け栽培講習会を開催しました~

上益城地域では水稲の種子生産が行われており、今年度は約13.6haでの生産が計画されていますが、種子は病害虫による被害や充実不足が発生すると良質な種子とならないため、徹底した栽培管理が必要となります。そこで、高品質の水稲種子を生産するため、6月26日に管内4地区で水稲種子栽培講習会を開催しました。
講習会では、水稲生産における水管理の徹底が充実した種子の生産に重要であること、病害虫発生のメカニズムに応じた防除のポイント、遺伝的に純正である種子を生産するために日ごろから徹底するほ場管理などについて説明を行いました。生産者からは、ほ場管理方法や雑草防除の方法などについて質問があり、非常に効果的な講習会になったものと思われます。
今後も高品質な種子生産に向け、生産者や関係機関と連携し、上益城地域で生産した水稲種子がひきつづき熊本の水稲生産をしっかりと支えられるよう取り組んでいきたいです。

2023年8月

講習会の様子
仕立て方法について検討中

夏秋ピーマンの時期別収穫量の平準化を目指して

JAかみましきピーマン部会(山都町(旧矢部町、旧清和村)69名)では、夏場の冷涼な気候を活かして夏秋ピーマンを栽培しています(約13ha)。栽培品種はさらら、京ひかり、みおぎグリーンで、4月~5月に定植し、6月~11月末まで収穫を行います。主な出荷先は九州各県、関西方面です。
部会では、7~8月の出荷ピーク後、草勢が低下し、収穫量の谷ができてしまうことを課題としています。
そこで、毎日の収穫作業時に整枝も同時に行い、時期別収穫量の平準化を目指した仕立て方法を検討する技術実証ほを設置しています。この実証ほは、毎月開催されている栽培管理講習会にて部会員の皆さんと検討し、状況を確認しながら実施しています。いかに労力をかけずに収量を確保できるかが一番の課題であり、当部会に適した仕立て方法の確立に向け継続して行っていきます。
農業普及・振興課では、今後とも関係機関と連携しながら、現地検討会やほ場巡回を実施し、また、実証ほを設置して技術の実証を行い、安定的な生産を支援していきます。

2023年8月

講習会の様子

クリの夏期管理で高品質果生産を!

山都町は、県内でも有数のクリ産地(R3産実績315ha)です。
6月26日にJAかみましき栗部会第3支部(矢部・清和)を対象に、クリの夏期管理講習会を実施しました。講習会では、繁茂した新梢を適度に減らして養分を効率よく果実に配分し、大玉果生産に繋げるとともに、風通しを良くして病害虫の被害を軽減するための指導を行いました。
また、昨年度実施したドローン防除の調査結果も説明し、省力的な防除方法の一つとして提案すると、生産者から薬剤の種類などの質問や「ぜひやってみたい」との意欲的な声も上がりました。
近年クリは、需要の高まりとともに取引価格も上がっています。農業普及・振興課では、消費者ニーズにあった高品質果実安定生産による産地維持を目指し、今後もバックアップしていきます。

2023年7月

現在の生育状況
講習会の様子

夏秋ピーマンの栽培が始まっています!

山都町(旧矢部町、旧清和村)では、夏場の冷涼な気候を活かして、JAかみましきピーマン部会の69名が約13haにて夏秋ピーマンを栽培しています。4月~5月に定植期を迎え、6月から11月末まで収穫を行います。品種はさらら、京ひかり、みおぎグリーンで、主な出荷先は九州各県、関西方面です。
5月9日に雨よけハウス栽培、6月8日に露地栽培にてJAとともに管理講習会を実施しました。講習会では、定植1か月後頃の側枝の整枝開始時期に合わせた栽培管理として、水・温度管理に加えて、受光態勢を良くし、長期的な栽培を可能とする栽培前半(7月中旬頃)の整枝方法について実演を交え説明を行いました。
農業普及・振興課では、今後とも関係機関と連携しながら、現地検討会やほ場巡回を実施し、また、展示ほを設置して技術の実証を行い、安定的な生産を支援していきます。

2023年7月

総会には6人の新クラブ員が出席
挨拶する藤木会長

上益城地方4Hクラブ総会

5月8日、上益城地域振興局において、上益城地方青年農業者クラブ連絡協議会(4Hクラブ)総会が開催されました。
昨年の総会時のクラブ員数は5人と少なく、ここ数年、新クラブ員の加入はありませんでした。そこで、昨年度、会長を先頭に勧誘を頑張った結果、今年の総会までに9人が加入しました。今年度の活動について、会長は、新しい若い力を取り入れて活性化したいと張り切っています。
また、プロジェクト活動も低迷していたことから、総会後にプロジェクト打合せ会を行い、当課から新クラブ員へプロジェクト活動について説明するとともにクラブ員個々に計画を検討しました。
当課としては、協議会の活性化が図られるようプロジェクト活動等を支援していきます

2023年6月

荒茶製造指導の様子
山都町献茶祭(R5.5.2 小一領神社)

さわやか新茶の香り!高品質な山都茶を目指して

山都町では茶の摘採が4月18日から始まっています。今年度は3月から4月の気温が平年より1~2℃高く推移したことから、3~7日ほど早い摘採となっています。八十八夜にあたる5月2日には、品質の高い茶の生産と品評会での入賞を祈念し、山都町の小一領神社にて献茶祭が開催されました。
山都町では、令和4年度に「山都町茶振興計画」を策定・公表し、特色ある茶の生産、流通、販売、後継者育成など、茶の生産振興に取り組んでいます。
農業普及・振興課としましても、令和5年1月から山都町、JAかみましき及びJA阿蘇の担当者と毎月打ち合わせを行い、生産振興に向けた取組みを検討してきました。また、3月22日と4月11日には荒茶品評会に出品する茶園を対象に山都町の延べ22茶園を巡回して、病害虫被害の発生状況、摘採に向けた管理方法、摘採時期、被覆の開始時期等について指導を行っています。さらに荒茶製造にも立ち会い、製造方法や今後の茶園管理方法を指導するなど、高品質な山都茶の生産に向け、関係機関と一体となって進めています。

2023年6月

現地検討会【個別指導】
現地検討会【全体指導】

中山間地域における8月出荷ホオズキの安定生産に向けた取り組み

山都町では、準高冷地の冷涼な気候を活かし、高単価が期待できる8月出荷のホオズキの栽培が行なわれています。
4月27日には山都町ホオズキ生産者(5戸)を対象にホオズキ栽培現地検討会を開催しました。当地区では⓵系統選抜⓶種子繁殖による無病苗確保⓷縦植え定植⓸マルハナバチによる交配⓹天敵防除⓺適期適作業の推進に取組んでおり、現在のところ、順調に生育しています。
農業普及・振興課では、今後もJAかみましきと連携しながら生産者の更なる栽培技術の向上並びに反収向上に取組んでいきます。

2023年6月

講習会の様子
(左2本)切り接ぎ (右1本)腹接ぎ

クリ高接ぎで産地維持を!

山都町蘇陽地区は、県内でも有数のクリ産地です。
4月10日にJA阿蘇栗共販部会員を対象に、クリの高接ぎ講習会を実施しました。講習会では、接ぎ木に便利な道具の紹介と穂木の調整、切り接ぎ、腹接ぎの実演を行い、接ぎ木が初めての生産者も興味深く作業に見入っていました。
また、登録品種の自己増殖(高接ぎ)には許諾申請が必要であることも説明し、制度の理解を深めてもらいました。
近年クリは、需要の高まりとともに取引価格も上がっています。農業普及・振興課では、消費者ニーズにあった高品質果実安定生産による産地維持を目指し、今後もバックアップしていきます。

2023年6月

新役員紹介
事例発表

上益城農業経営同志会総会・研修会の開催

4月14日、上益城農業経営同志会会員20経営体28人が参加し、総会を開催しました。同志会は、2021年11月に上益城農業経営改善同友会と上益城地方指導農業士連絡協議会を再編した組織で、今年度は役員改選を行い、新体制のもと庭先研修会等の事業計画が承認されました。
総会終了後は、昨年度農業コンクール新人王部門に参加された甲佐町上田さん、御船町清村さんによる事例発表を行い、若い世代が実践する農業経営、経営理念、活動状況を報告されました。
農業普及・振興課では、今後も活力ある上益城農業のけん引役を担う同志会と連携し、円滑な運営を支援していきます。

2023年4月

会議の様子

第2回山都町地域営農法人連携会議開催される

山都町の農事組合法人6法人が連携した令和4年度第2回地域営農連携会議が5法人の代表理事の9名と関係機関(町、JA、農業公社、県普及)の出席のもと3月24日に山都町清和支所で開催されました。
会議では課題であった雇用確保について、普及から新規就農者等を活用する案や(農)いちょうが行っている交流活動など地域のファン層を増やす事例など雇用に繋げる取組みなどを提案しました。また、意見交換では、視察研修(11月に高千穂町で実施)の事例から、全国に法人の活動が認知されるためにはSNS等の活用が必須であり、SNSの講習の要望など活発な意見が交わされました。なお、雇用確保の取組みとして、(農)高月が国の集落営農活性化プロジェクト促進事業を要望しており、積極的に雇用を拡大していくことが報告されました。そして、各法人の活動を山都町内外に向けて発信するため、山都町の広報誌に5月号から順次6法人の活動を紹介していく計画です。
会議後の懇親会では関係者からは、連携会議2年目となったことで課題が明確化され、情報共有や視察研修によって法人運営の向上を目指す意欲がみられているという意見がありました。
普及・振興課では連携会議の意見をもとに課題を整理し、各法人に対し課題解決の支援を行っていきます。

2023年4月

講習会の風景(山都町矢部地区)

管理しやすいユズ樹を目指して

山都町矢部地区は昼夜の気温差が大きく、品質の良いユズが生産できることから、県内一の産地となっています。
3月13日には、JAかみましき柚子部会員を対象に、ユズ管理講習会を実施しました。ユズは、樹が高くなりやすくトゲも多いため、収穫やせん定などの管理作業は他の柑橘類より労力がかかります。そこで今回の講習会では、樹の整枝と低樹高化を目的に、若木の主枝誘引の実演を行いました。
当日は農業革新専門員にも出席してもらい、整枝の必要性や誘引のコツなどアドバイスをいただくと、早速自園の樹もやってみようという前向きな生産者の声も聞かれました。
農業普及・振興課では、更なる栽培技術の向上と高品質果実安定生産が継続して行えるよう、今後もバックアップしていきます。

2023年3月

遠山代表の講演
R5から補助対象となる電気柵用防草シート

鳥獣被害防止対策は「みんなで勉強」から始めよう!~鳥獣被害対策研修会を開催しました~

上益城地域の令和3年度の鳥獣被害額は約2,400万円で、平成29年度の約6,700万円をピークに減少しつつありますが、現地からは効果的な鳥獣被害防止対策について要望が多い状況にあります。
そこで、令和5年2月14日に鳥獣被害防止対策に携わる町及びJAの担当者の知識向上のため、上益城地域鳥獣被害対策担当者研修会を開催しました。
研修会では、熊本県鳥獣被害対策マイスター集落であるあさぎり町松尾集落の遠山代表より、松尾集落での取り組みについて講演をいただきました。また、鳥獣被害対策を担当する職員に対しては、自ら動いて地域リーダーを育成し、被害軽減に取り組んでほしいとの意見をいただきました。
さらに、効果的な防護柵の設置方法というテーマで、電気柵メーカーの(株)末松電子製作所より電気柵の設置方法について説明をいただきました。
研修後のアンケートでは、非常に良い研修会で今後も同様の研修会や取り組みを続けていってほしいといった意見が寄せられました。
農業普及・振興課としましては、今後も管内担当者の資質向上に取り組み、管内被害額の低減に向けて、担当者が一体となって取り組める体制づくりを図っていきたいと思います。

2023年3月

かっぽ飯を準備する法人役員
体験参加者が田舎ご飯を食べる風景

山都町下矢部東部で農業体験モニターツアー!!~火祭り行事どんどやと椎茸狩り・椎茸のコマ打ち体験~

山都町の下矢部東部地区では、「農事組合法人いちょう」の役員が中心となり、農業体験モニターツアーを開催しました(2月11日)。どんどやの火入れや田起こし作業、椎茸の収穫とコマ打ち体験を満喫した後は、田舎料理(猪鍋と竹で炊き上げたかっぽ飯)に舌鼓を打ち、県内外から参加した13名から好評を得ることが出来ました。
この取り組みは、同法人の所得確保策の一つとして、中山間地域の資源を活かした体験型観光プログラムの開発を進めるために、県むらづくり課の事業を活用したものです。昨年10月から同地区内でのワークショップを重ね、当課も参加して農村の強みや個性を掘り起こし、体験プログラムを創り上げていきました。モニターツアーの成功は勿論のこと、観光商品となり得る農村の日常や景観、地区住民の“おもてなし”に対する潜在的欲求が顕在化したことは、今後に向けた大きな収穫となりました。
同法人では、交流人口増加のためにも、農業体験ツアーを継続的に実施していく予定です。農業普及・振興課では、今回のモニターツアーで得られた成果や反省点を精査して、法人の運営支援を続けていきます。

2023年3月

市川氏 美里町長 松井氏 JA熊本うき登常務 右田氏
松井氏の茶園

県茶品評会(茶園の部)で上位入賞!

くまもと茶ブランド確立対策協議会が主催する令和4年度熊本県茶品評会(茶園の部)において、美里町の生産者3名が上位入賞されました。1等及び農林水産大臣賞は2年連続で松井義博さんが受賞されたほか、特別賞として公益社団法人日本茶業中央会会長賞を市川辰太さん、全国茶生産団体連合会会長賞を右田健一さんがそれぞれ受賞されました。宇城地域は農林水産大臣賞を7年連続で受賞しており、生産者の日頃の茶園管理の努力が現れています。
3年ぶりの開催となった熊本県茶振興大会(2月6日)で表彰されたのち、3月2日に美里町長から改めて受賞が称えられました。受賞者は良質な茶生産に向け、更に意欲を高めた様子でした。
農業普及・振興課では、宇城地域茶業振興協議会6名の生産者に対し、現地検討会などを通じて茶園管理についての情報提供や技術指導を行っています。今後も良質で消費者ニーズにマッチした魅力あるお茶づくりの支援を行っていきます。

2023年3月

ほ場や選果場での研修
ほ場や選果場での研修

農業師匠庭先研修開催

2月28日、上益城地域農業振興協議会(会長:西村博則益城町長)※は、新規就農者や4Hクラブ員を対象に農業師匠庭先研修を開催しました。
上益城地域では、新規就農者が農作業の疑問等を気軽に相談できる身近な先輩農業者として、指導農業士を中心に農業師匠をお願いし、現在21人を登録しています。
今回の研修は、農業師匠の栽培技術や経営理念などの話を聞き、新規就農者や青年農業者が抱える悩みや課題の解決を図るとともに、新規就農者と農業師匠のつながりを作ることを目的としました。
研修は、3人(ミニトマト栽培、ニンジン中心の露地野菜栽培、ニンニク・アスパラガスと土地利用型作物栽培)の農業師匠のほ場や選果場で行われ、就農者は自分の興味がある農業師匠を選んで研修に参加しました。興味ある作物、経営ということで質問も多く、農業師匠も栽培技術や経営内容について丁寧に説明されていて、今後も相談しますという就農者もいました。
この研修は、引き続き他の農業師匠を訪問して開催する予定です。

※上益城管内の町、JA、振興局で構成される組織

2023年3月

苗の配布と定植講習風景
定植のイメージ図

甲佐町宮内地区で山椒の定植講習会を開催

甲佐町では、地域特産物産地づくり支援対策事業(単県)等を活用して、山椒の産地化に取り組んでいます。令和元年から毎年定植を続け、現在では約1,000本を超える幼木が、本格的な収穫が望める定植5年後に向けて栽培されています。
2月2日、上益城振興局では、同町宮内地区の今年定植分の苗木配布(生産者10名、苗木約130本)に合わせて、定植講習を実施しました。今回は、先進地の事例等を踏まえて排水性の確保と適正な定植間隔について説明を行いました。
香辛料や漢方薬の原材料として注目度の高い山椒ですが、非常に繊細な植物で、土地条件や栽培環境で順調に生育しないことも少なくありません。加えて、栽培に関する知見も多くないため、生産者の皆様と一緒にトライアンドエラーを繰り返しながら、継続的に栽培技術の構築を進めていきます。

2023年3月

せん定班によるせん定作業(山都町蘇陽)

クリせん定班が大活躍!

落葉果樹はせん定シーズン。産地では寒い中、生産者がせん定作業を進めています。しかし、生産者の高齢化等による労力不足で、十分なせん定ができず、品質の良い果実が収穫できない園も増えています。
JA阿蘇蘇陽栗共販部会のクリせん定班は、山都町内クリ生産者のせん定作業を受託し、クリ園の維持に取り組んでいます。現在作業員は7名で、冬場に労力確保できる花き生産者や林業者も含まれており、ベテランのクリ生産者からせん定のノウハウを教わりながら、チームでせん定作業を行っています。
今年は補助事業を活用して組織強化に取り組み、せん定の勉強会やせん定班で使用するチェンソー、電動バサミなどの整備を行いました。
今年の受託面積は約19haで、年々増加する見込みです。そのため、作業員の確保が現在の課題です。農業普及・振興課では、せん定班の活動が円滑に行えるよう、今後もバックアップしていきます。

2023年2月

現地検討会の様子
トマト部会出荷反省会

夏秋トマトシーズン終了。目標販売額達成!

上益城地域に位置する山都町では、夏場の冷涼な気候を活かして、JAトマト部会の96名が38haで夏秋トマトを栽培しています。本年度は、定植時期から天候に恵まれたことで生育は順調に進み、収穫初めから大玉での出荷となりました。9月には台風14号が通過したものの、産地への影響は小さく、11月末まで安定的な出荷を行うことができました。
R4年産は出荷数量4,283t(計画比104%、前年比103%)、単価314円/kg(同105%、110%)、販売金額1,344,234千円(同109%、113%)となり、当初の計画や前年度を大きく超える販売実績となりました。部会では販促活動に力を入れ、従来のPOP作成に加え、SNSを利用した直接消費者に発信するPR活動を積極的に行い消費拡大につなげました。12月9日にはトマト部会出荷反省会が開催され、生産者また関係機関、市場関係者が出席し、今作の振り返りと次作に向けた取り組みについて検討を行いました。
当課では、定期的な現地検討会を開催、若手生産者を対象とした勉強会(トマト塾)やほ場を中心とした巡回を行い、生育ステージごとの栽培技術指導を行ってきました。また高温対策、小玉化対策の展示ほを設置し、生産性向上を目指した技術実証を行いました。今後もJAと連携しながら安定的な生産出荷を支援していきます。

2023年2月

視察研修の様子
機械倉庫

山都町島木営農改善協議会が鳥取県の一般社団法人を視察

山都町の島木営農改善協議会においては、島木地区の農地を守り集落を維持していくための営農法人の設立が協議されています。その中で、一般社団法人に興味を持ち、去る12月4日に役員11名と関係者2名で鳥取県日野郡日南町の一般社団法人笠木営農組合を視察されました。
(一社)笠木営農組合は集落営農組織の任意組織が母体となっており、中山間地域等直接支払や多面的機能支払などの交付金の受け皿、公益的な事業、自治組織との連携、集落の活性化を担う組織として、平成27年に設立されました。なお、作業受託組織としては別法人(有)が組織化されており、組合側で機械導入し、法人との貸借契約を結ぶなどいわゆる2階建て方式をとっているのが特徴です。しかし、この契約は収益事業にあたるため、課税事業となりますが、日南町が総会の議決権の1/2を取得するなど特定法人となっていることから非課税扱いと認められています。
しかし、特定法人となることは町の財政もからみ、非常に困難であったことや一般社団法人は営利目的の事業展開ができないことが課題もありました。
今後、島木が目指すビジョンを作成し、島木地区が目指す方向性に適した法人を選択するよう普及・振興課として支援していく方針です。

2023年1月

(農)高千穂かわのぼりの視察風景
(株)高千穂ムラたびの視察風景

山都町の農事組合法人が宮崎県の先進事例を視察

山都町の6法人で構成する山都町地域営農連携会議では、中山間地における集落営農の優良事例を学ぶため、去る11月29日に宮崎県高千穂町2法人の視察研修を開催しました。視察研修には5法人から11名の理事、及び町、JA、農業公社、当普及・振興課の関係機関から6名が出席しました。
1つ目の(農)高千穂かわのぼりでは、中山間直払を活用して設立した機械利用組合が法人に移行した組織です。この法人では、設立当初から田んぼアートなどの取組みを行うなど交流人口を増やす取組を行っています。また、新規就農者に対する営農支援をきめ細やかに行うなど、課題となっている担い手対策として参考になりました。
2つ目の(株)高千穂ムラたびでは、元役場職員であった代表が若者を雇用し、宿泊や加工品製造・販売の取組みを行っています。山都町よりも条件の悪い山間地に若者が集まっていることが驚きでした。代表からは、集落にあるものを活かし、アクションを起こしてくことが重要であるという理念に沿って各法人に対し個別のアドバイスをいただきました。
今回の視察研修を踏まえ、普及・振興課では、課題である法人の経営安定化及び担い手対策について、法人の意向等を調査し、法人の運営支援を実施する計画です。

2023年1月

育苗栽培指導 8月上旬
頂花房収穫 12月上旬

「ゆうべに」育苗管理を改善 目指せ年内収量800kg/10a

上益城地域は、県の育成品種「ゆうべに」を4haほど栽培しています。しかしながら、山間地は夏秋キュウリ、平坦地は米・麦との競合で6~9月までの育苗作業が遅れがちになり、ここ数年、作業の日程管理が課題でした。そこで、今年度は講習会にて鉢受開始→鉢受終了→置肥1回目→切離し→置肥2回目の作業に対して日にちを指定し、その後作業日程が順守されているかを確認するため、こまめに指導巡回を行いました。その結果、一部に鉢受終了の遅れがみられたものの、鉢受開始や施肥管理の作業が指定日近くで実施されるようになり、良質な苗づくりに繋がりました。
12月上旬、JAかみましきでは4000パック/日程度で順調に「ゆうべに」の出荷が行われています。上益城振興局では「良質苗生産が収量を上げる」というコンセプトで、年内収量800㎏/10aを目標に、育苗管理に力を入れ、定植後に収穫が持続できるような株を目指して指導を行っています。

2023年1月

イチゴほ場にて熱心に学習
スイカ選果状況見学

県立矢部高校生「夢」農業講座の開催

12月1日、矢部高校食農科学科1年生を対象に、選択しているコースの実践的な学びに資するため、コース別事例研修を開催しました。
野菜コースの生徒9名は、午前中、㈱湖池屋九州工場(益城町)で㈱湖池屋のジャガイモ加工の取り組みについて学習後、工場見学を行いました。
午後は、嘉島町のイチゴハウスでイチゴ栽培と農業経営についての講話とハウス見学を行いました。
草花コースの生徒9名は、農業生産法人コウヤマ(益城町)の取り組みについて、かんしょ生産・加工の各施設の見学をしながら学習しました。その後、JAかみましきスイカ選果場の選果状況と、益城町のスイカハウス見学を行いました。午後は、甲佐町のシクラメンハウスで花き栽培と経営について学習しました。
生徒たちは、それぞれ熱心にメモを取りながら、また、いろいろと質問して熱心に学習していました。
上益城農業普及・振興課では、矢部高校、山都町と連携して実施している担い手育成事業の一環として、この取り組みを支援しています。

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