2023年のエリア普及現地情報

2023年8月

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室内会議(山都町役場)
現地視察(電気柵)

鳥獣被害防止対策管内担当者会議を開催しました

上益城地域の令和3年度の鳥獣被害額は約2,400万円で、平成29年度の約6,700万円をピークに減少しつつありますが、現地からは効果的な鳥獣被害防止対策について要望が多い状況にあります。
そこで、令和5年7月11日に鳥獣被害防止対策に携わる町及びJAの担当者を参集し、上益城地域鳥獣被害対策担当者会議を開催しました。
会議では、まずは室内で、「えづけSTOP!」について農業普及・振興課から説明した後、各町の被害状況や現在の対応状況について、情報交換を行いました。上益城地域ではイノシシやシカによる被害が多く、今年度から通年捕獲に取り組んでいるといった情報提供がありました。また、先進地視察に行って対策について学びたいという意見もありました。
現地では、山都町に設置してある電気柵とワイヤーメッシュ柵を視察し、電気柵及びワイヤーメッシュ柵の設置にあたっての注意点等を確認しました。いずれの柵も、管理は大変だけど大事だという意見が挙げられていました。
農業普及・振興課としましては、今後も管内担当者の資質向上に取り組み、管内被害額の低減に向けて、担当者が一体となって取り組める体制づくりを図っていきたいと思います。

2023年8月

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ほ場巡回の様子
講習会の様子

疫病対策を万全にサトイモを栽培中!

山都町では、春から初冬にかけて、水はけがいい阿蘇火山由来の黒ボク土を活かして、サトイモが栽培されています。
近年、他県のサトイモほ場では、サトイモの葉や葉柄に水しみのような病斑が発生し、収量の低下につながる「疫病」による重大な被害が報告されています。そこで上益城地域では、JAかみましきサトイモ部会(栽培面積45ha、部会員数30名)を中心に、地域一丸となって疫病対策に取り組んでいます。  
定植前の3月には、種芋消毒講習会を開催し、実演をまじえて種芋消毒の方法を周知しました。また7月27日には夏季管理講習会を開催し、台風到来前の疫病対策として、有効な薬剤散布方法や雑草対策等について講習を行いました。部会員の疫病に対する意識は年々高まっており、講習会では活発に意見交換が行われました。 
農業普及・振興課では、今後とも関係機関と連携しながら、栽培管理講習会やほ場巡回を実施し、サトイモの安定的な生産を支援していきます。

2023年8月

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集い終了時 友情の輪ができた参加者
盛り上がったミニバレー

「夏の集い2023」成功

7月27日、県立体育館において、県4Hクラブ主催の「夏の集い2023」が開催されました。この集いを企画、運営する実行委員会に上益城地方4Hクラブと熊本地方4Hクラブがなり、集いは成功裏に終わりました。
この夏の集い、コロナ禍では中止やオンライン開催となり、昨年、3年ぶりの対面開催を目指し、今年と同じ実行委員会で企画を進めていましたが、台風の影響で今年に延期に。今回、無事に開催できたことに実行委員は安堵の表情でした。
集いには県内各地方から約40人が参加。クイズラリーで農業関係の問題を共に考え、ミニバレーで共に汗を流す中で、友情の輪ができていました。
実行委員は約2年間にわたり、コロナ禍を考慮した企画を考えることになり、発想力、企画力が磨かれるとともに、大きな成功体験が得られたと思います。
当課としては、引き続き、このような行事等の企画・運営を通じて4Hクラブ員が資質を向上できるよう支援していきます。

2023年8月

河原会長の話を聞く園児たち
田植え風景

嘉島町農村女性グループが保育園児の田植え体験指導

6月26日、27日、嘉島町農村女性グループ(河原君代会長他会員8人)は、熊本市内の2保育園の田植え体験を行いました。保育園ではそれぞれ5年、12年と継続して、浮島池近くの圃場で田植え、稲刈り体験を行っています。園児は、はだしで田んぼに入り、はしゃぎながらも上手に苗を植えていました。田植え後は、湧水でどろを落とし、益城産の西瓜を味わいました。
毎年収穫したもち米は、園に寄贈され、餅つきや、もち米を使った料理、菓子に活用されます。
嘉島町農村女性グループは町主催の祭りへの協力や地元産大豆を活用した味噌づくり等ふるさとの食の伝承活動に取り組まれており、農業普及・振興課では、今後も女性農業者の地域活動を町と連携して、支援します。

2023年8月

講習会の様子(清和地域)
水管理の資料

高品質な水稲種子が皆さんに届きますように~種子生産者向け栽培講習会を開催しました~

上益城地域では水稲の種子生産が行われており、今年度は約13.6haでの生産が計画されていますが、種子は病害虫による被害や充実不足が発生すると良質な種子とならないため、徹底した栽培管理が必要となります。そこで、高品質の水稲種子を生産するため、6月26日に管内4地区で水稲種子栽培講習会を開催しました。
講習会では、水稲生産における水管理の徹底が充実した種子の生産に重要であること、病害虫発生のメカニズムに応じた防除のポイント、遺伝的に純正である種子を生産するために日ごろから徹底するほ場管理などについて説明を行いました。生産者からは、ほ場管理方法や雑草防除の方法などについて質問があり、非常に効果的な講習会になったものと思われます。
今後も高品質な種子生産に向け、生産者や関係機関と連携し、上益城地域で生産した水稲種子がひきつづき熊本の水稲生産をしっかりと支えられるよう取り組んでいきたいです。

2023年8月

講習会の様子
仕立て方法について検討中

夏秋ピーマンの時期別収穫量の平準化を目指して

JAかみましきピーマン部会(山都町(旧矢部町、旧清和村)69名)では、夏場の冷涼な気候を活かして夏秋ピーマンを栽培しています(約13ha)。栽培品種はさらら、京ひかり、みおぎグリーンで、4月~5月に定植し、6月~11月末まで収穫を行います。主な出荷先は九州各県、関西方面です。
部会では、7~8月の出荷ピーク後、草勢が低下し、収穫量の谷ができてしまうことを課題としています。
そこで、毎日の収穫作業時に整枝も同時に行い、時期別収穫量の平準化を目指した仕立て方法を検討する技術実証ほを設置しています。この実証ほは、毎月開催されている栽培管理講習会にて部会員の皆さんと検討し、状況を確認しながら実施しています。いかに労力をかけずに収量を確保できるかが一番の課題であり、当部会に適した仕立て方法の確立に向け継続して行っていきます。
農業普及・振興課では、今後とも関係機関と連携しながら、現地検討会やほ場巡回を実施し、また、実証ほを設置して技術の実証を行い、安定的な生産を支援していきます。

2023年8月

講習会の様子

クリの夏期管理で高品質果生産を!

山都町は、県内でも有数のクリ産地(R3産実績315ha)です。
6月26日にJAかみましき栗部会第3支部(矢部・清和)を対象に、クリの夏期管理講習会を実施しました。講習会では、繁茂した新梢を適度に減らして養分を効率よく果実に配分し、大玉果生産に繋げるとともに、風通しを良くして病害虫の被害を軽減するための指導を行いました。
また、昨年度実施したドローン防除の調査結果も説明し、省力的な防除方法の一つとして提案すると、生産者から薬剤の種類などの質問や「ぜひやってみたい」との意欲的な声も上がりました。
近年クリは、需要の高まりとともに取引価格も上がっています。農業普及・振興課では、消費者ニーズにあった高品質果実安定生産による産地維持を目指し、今後もバックアップしていきます。

2023年7月

現在の生育状況
講習会の様子

夏秋ピーマンの栽培が始まっています!

山都町(旧矢部町、旧清和村)では、夏場の冷涼な気候を活かして、JAかみましきピーマン部会の69名が約13haにて夏秋ピーマンを栽培しています。4月~5月に定植期を迎え、6月から11月末まで収穫を行います。品種はさらら、京ひかり、みおぎグリーンで、主な出荷先は九州各県、関西方面です。
5月9日に雨よけハウス栽培、6月8日に露地栽培にてJAとともに管理講習会を実施しました。講習会では、定植1か月後頃の側枝の整枝開始時期に合わせた栽培管理として、水・温度管理に加えて、受光態勢を良くし、長期的な栽培を可能とする栽培前半(7月中旬頃)の整枝方法について実演を交え説明を行いました。
農業普及・振興課では、今後とも関係機関と連携しながら、現地検討会やほ場巡回を実施し、また、展示ほを設置して技術の実証を行い、安定的な生産を支援していきます。

2023年7月

総会には6人の新クラブ員が出席
挨拶する藤木会長

上益城地方4Hクラブ総会

5月8日、上益城地域振興局において、上益城地方青年農業者クラブ連絡協議会(4Hクラブ)総会が開催されました。
昨年の総会時のクラブ員数は5人と少なく、ここ数年、新クラブ員の加入はありませんでした。そこで、昨年度、会長を先頭に勧誘を頑張った結果、今年の総会までに9人が加入しました。今年度の活動について、会長は、新しい若い力を取り入れて活性化したいと張り切っています。
また、プロジェクト活動も低迷していたことから、総会後にプロジェクト打合せ会を行い、当課から新クラブ員へプロジェクト活動について説明するとともにクラブ員個々に計画を検討しました。
当課としては、協議会の活性化が図られるようプロジェクト活動等を支援していきます

2023年6月

荒茶製造指導の様子
山都町献茶祭(R5.5.2 小一領神社)

さわやか新茶の香り!高品質な山都茶を目指して

山都町では茶の摘採が4月18日から始まっています。今年度は3月から4月の気温が平年より1~2℃高く推移したことから、3~7日ほど早い摘採となっています。八十八夜にあたる5月2日には、品質の高い茶の生産と品評会での入賞を祈念し、山都町の小一領神社にて献茶祭が開催されました。
山都町では、令和4年度に「山都町茶振興計画」を策定・公表し、特色ある茶の生産、流通、販売、後継者育成など、茶の生産振興に取り組んでいます。
農業普及・振興課としましても、令和5年1月から山都町、JAかみましき及びJA阿蘇の担当者と毎月打ち合わせを行い、生産振興に向けた取組みを検討してきました。また、3月22日と4月11日には荒茶品評会に出品する茶園を対象に山都町の延べ22茶園を巡回して、病害虫被害の発生状況、摘採に向けた管理方法、摘採時期、被覆の開始時期等について指導を行っています。さらに荒茶製造にも立ち会い、製造方法や今後の茶園管理方法を指導するなど、高品質な山都茶の生産に向け、関係機関と一体となって進めています。

2023年6月

現地検討会【個別指導】
現地検討会【全体指導】

中山間地域における8月出荷ホオズキの安定生産に向けた取り組み

山都町では、準高冷地の冷涼な気候を活かし、高単価が期待できる8月出荷のホオズキの栽培が行なわれています。
4月27日には山都町ホオズキ生産者(5戸)を対象にホオズキ栽培現地検討会を開催しました。当地区では⓵系統選抜⓶種子繁殖による無病苗確保⓷縦植え定植⓸マルハナバチによる交配⓹天敵防除⓺適期適作業の推進に取組んでおり、現在のところ、順調に生育しています。
農業普及・振興課では、今後もJAかみましきと連携しながら生産者の更なる栽培技術の向上並びに反収向上に取組んでいきます。

2023年6月

講習会の様子
(左2本)切り接ぎ (右1本)腹接ぎ

クリ高接ぎで産地維持を!

山都町蘇陽地区は、県内でも有数のクリ産地です。
4月10日にJA阿蘇栗共販部会員を対象に、クリの高接ぎ講習会を実施しました。講習会では、接ぎ木に便利な道具の紹介と穂木の調整、切り接ぎ、腹接ぎの実演を行い、接ぎ木が初めての生産者も興味深く作業に見入っていました。
また、登録品種の自己増殖(高接ぎ)には許諾申請が必要であることも説明し、制度の理解を深めてもらいました。
近年クリは、需要の高まりとともに取引価格も上がっています。農業普及・振興課では、消費者ニーズにあった高品質果実安定生産による産地維持を目指し、今後もバックアップしていきます。

2023年6月

新役員紹介
事例発表

上益城農業経営同志会総会・研修会の開催

4月14日、上益城農業経営同志会会員20経営体28人が参加し、総会を開催しました。同志会は、2021年11月に上益城農業経営改善同友会と上益城地方指導農業士連絡協議会を再編した組織で、今年度は役員改選を行い、新体制のもと庭先研修会等の事業計画が承認されました。
総会終了後は、昨年度農業コンクール新人王部門に参加された甲佐町上田さん、御船町清村さんによる事例発表を行い、若い世代が実践する農業経営、経営理念、活動状況を報告されました。
農業普及・振興課では、今後も活力ある上益城農業のけん引役を担う同志会と連携し、円滑な運営を支援していきます。

2023年4月

会議の様子

第2回山都町地域営農法人連携会議開催される

山都町の農事組合法人6法人が連携した令和4年度第2回地域営農連携会議が5法人の代表理事の9名と関係機関(町、JA、農業公社、県普及)の出席のもと3月24日に山都町清和支所で開催されました。
会議では課題であった雇用確保について、普及から新規就農者等を活用する案や(農)いちょうが行っている交流活動など地域のファン層を増やす事例など雇用に繋げる取組みなどを提案しました。また、意見交換では、視察研修(11月に高千穂町で実施)の事例から、全国に法人の活動が認知されるためにはSNS等の活用が必須であり、SNSの講習の要望など活発な意見が交わされました。なお、雇用確保の取組みとして、(農)高月が国の集落営農活性化プロジェクト促進事業を要望しており、積極的に雇用を拡大していくことが報告されました。そして、各法人の活動を山都町内外に向けて発信するため、山都町の広報誌に5月号から順次6法人の活動を紹介していく計画です。
会議後の懇親会では関係者からは、連携会議2年目となったことで課題が明確化され、情報共有や視察研修によって法人運営の向上を目指す意欲がみられているという意見がありました。
普及・振興課では連携会議の意見をもとに課題を整理し、各法人に対し課題解決の支援を行っていきます。

2023年4月

講習会の風景(山都町矢部地区)

管理しやすいユズ樹を目指して

山都町矢部地区は昼夜の気温差が大きく、品質の良いユズが生産できることから、県内一の産地となっています。
3月13日には、JAかみましき柚子部会員を対象に、ユズ管理講習会を実施しました。ユズは、樹が高くなりやすくトゲも多いため、収穫やせん定などの管理作業は他の柑橘類より労力がかかります。そこで今回の講習会では、樹の整枝と低樹高化を目的に、若木の主枝誘引の実演を行いました。
当日は農業革新専門員にも出席してもらい、整枝の必要性や誘引のコツなどアドバイスをいただくと、早速自園の樹もやってみようという前向きな生産者の声も聞かれました。
農業普及・振興課では、更なる栽培技術の向上と高品質果実安定生産が継続して行えるよう、今後もバックアップしていきます。

2023年3月

遠山代表の講演
R5から補助対象となる電気柵用防草シート

鳥獣被害防止対策は「みんなで勉強」から始めよう!~鳥獣被害対策研修会を開催しました~

上益城地域の令和3年度の鳥獣被害額は約2,400万円で、平成29年度の約6,700万円をピークに減少しつつありますが、現地からは効果的な鳥獣被害防止対策について要望が多い状況にあります。
そこで、令和5年2月14日に鳥獣被害防止対策に携わる町及びJAの担当者の知識向上のため、上益城地域鳥獣被害対策担当者研修会を開催しました。
研修会では、熊本県鳥獣被害対策マイスター集落であるあさぎり町松尾集落の遠山代表より、松尾集落での取り組みについて講演をいただきました。また、鳥獣被害対策を担当する職員に対しては、自ら動いて地域リーダーを育成し、被害軽減に取り組んでほしいとの意見をいただきました。
さらに、効果的な防護柵の設置方法というテーマで、電気柵メーカーの(株)末松電子製作所より電気柵の設置方法について説明をいただきました。
研修後のアンケートでは、非常に良い研修会で今後も同様の研修会や取り組みを続けていってほしいといった意見が寄せられました。
農業普及・振興課としましては、今後も管内担当者の資質向上に取り組み、管内被害額の低減に向けて、担当者が一体となって取り組める体制づくりを図っていきたいと思います。

2023年3月

かっぽ飯を準備する法人役員
体験参加者が田舎ご飯を食べる風景

山都町下矢部東部で農業体験モニターツアー!!~火祭り行事どんどやと椎茸狩り・椎茸のコマ打ち体験~

山都町の下矢部東部地区では、「農事組合法人いちょう」の役員が中心となり、農業体験モニターツアーを開催しました(2月11日)。どんどやの火入れや田起こし作業、椎茸の収穫とコマ打ち体験を満喫した後は、田舎料理(猪鍋と竹で炊き上げたかっぽ飯)に舌鼓を打ち、県内外から参加した13名から好評を得ることが出来ました。
この取り組みは、同法人の所得確保策の一つとして、中山間地域の資源を活かした体験型観光プログラムの開発を進めるために、県むらづくり課の事業を活用したものです。昨年10月から同地区内でのワークショップを重ね、当課も参加して農村の強みや個性を掘り起こし、体験プログラムを創り上げていきました。モニターツアーの成功は勿論のこと、観光商品となり得る農村の日常や景観、地区住民の“おもてなし”に対する潜在的欲求が顕在化したことは、今後に向けた大きな収穫となりました。
同法人では、交流人口増加のためにも、農業体験ツアーを継続的に実施していく予定です。農業普及・振興課では、今回のモニターツアーで得られた成果や反省点を精査して、法人の運営支援を続けていきます。

2023年3月

市川氏 美里町長 松井氏 JA熊本うき登常務 右田氏
松井氏の茶園

県茶品評会(茶園の部)で上位入賞!

くまもと茶ブランド確立対策協議会が主催する令和4年度熊本県茶品評会(茶園の部)において、美里町の生産者3名が上位入賞されました。1等及び農林水産大臣賞は2年連続で松井義博さんが受賞されたほか、特別賞として公益社団法人日本茶業中央会会長賞を市川辰太さん、全国茶生産団体連合会会長賞を右田健一さんがそれぞれ受賞されました。宇城地域は農林水産大臣賞を7年連続で受賞しており、生産者の日頃の茶園管理の努力が現れています。
3年ぶりの開催となった熊本県茶振興大会(2月6日)で表彰されたのち、3月2日に美里町長から改めて受賞が称えられました。受賞者は良質な茶生産に向け、更に意欲を高めた様子でした。
農業普及・振興課では、宇城地域茶業振興協議会6名の生産者に対し、現地検討会などを通じて茶園管理についての情報提供や技術指導を行っています。今後も良質で消費者ニーズにマッチした魅力あるお茶づくりの支援を行っていきます。

2023年3月

ほ場や選果場での研修
ほ場や選果場での研修

農業師匠庭先研修開催

2月28日、上益城地域農業振興協議会(会長:西村博則益城町長)※は、新規就農者や4Hクラブ員を対象に農業師匠庭先研修を開催しました。
上益城地域では、新規就農者が農作業の疑問等を気軽に相談できる身近な先輩農業者として、指導農業士を中心に農業師匠をお願いし、現在21人を登録しています。
今回の研修は、農業師匠の栽培技術や経営理念などの話を聞き、新規就農者や青年農業者が抱える悩みや課題の解決を図るとともに、新規就農者と農業師匠のつながりを作ることを目的としました。
研修は、3人(ミニトマト栽培、ニンジン中心の露地野菜栽培、ニンニク・アスパラガスと土地利用型作物栽培)の農業師匠のほ場や選果場で行われ、就農者は自分の興味がある農業師匠を選んで研修に参加しました。興味ある作物、経営ということで質問も多く、農業師匠も栽培技術や経営内容について丁寧に説明されていて、今後も相談しますという就農者もいました。
この研修は、引き続き他の農業師匠を訪問して開催する予定です。

※上益城管内の町、JA、振興局で構成される組織

2023年3月

苗の配布と定植講習風景
定植のイメージ図

甲佐町宮内地区で山椒の定植講習会を開催

甲佐町では、地域特産物産地づくり支援対策事業(単県)等を活用して、山椒の産地化に取り組んでいます。令和元年から毎年定植を続け、現在では約1,000本を超える幼木が、本格的な収穫が望める定植5年後に向けて栽培されています。
2月2日、上益城振興局では、同町宮内地区の今年定植分の苗木配布(生産者10名、苗木約130本)に合わせて、定植講習を実施しました。今回は、先進地の事例等を踏まえて排水性の確保と適正な定植間隔について説明を行いました。
香辛料や漢方薬の原材料として注目度の高い山椒ですが、非常に繊細な植物で、土地条件や栽培環境で順調に生育しないことも少なくありません。加えて、栽培に関する知見も多くないため、生産者の皆様と一緒にトライアンドエラーを繰り返しながら、継続的に栽培技術の構築を進めていきます。

2023年3月

せん定班によるせん定作業(山都町蘇陽)

クリせん定班が大活躍!

落葉果樹はせん定シーズン。産地では寒い中、生産者がせん定作業を進めています。しかし、生産者の高齢化等による労力不足で、十分なせん定ができず、品質の良い果実が収穫できない園も増えています。
JA阿蘇蘇陽栗共販部会のクリせん定班は、山都町内クリ生産者のせん定作業を受託し、クリ園の維持に取り組んでいます。現在作業員は7名で、冬場に労力確保できる花き生産者や林業者も含まれており、ベテランのクリ生産者からせん定のノウハウを教わりながら、チームでせん定作業を行っています。
今年は補助事業を活用して組織強化に取り組み、せん定の勉強会やせん定班で使用するチェンソー、電動バサミなどの整備を行いました。
今年の受託面積は約19haで、年々増加する見込みです。そのため、作業員の確保が現在の課題です。農業普及・振興課では、せん定班の活動が円滑に行えるよう、今後もバックアップしていきます。

2023年2月

現地検討会の様子
トマト部会出荷反省会

夏秋トマトシーズン終了。目標販売額達成!

上益城地域に位置する山都町では、夏場の冷涼な気候を活かして、JAトマト部会の96名が38haで夏秋トマトを栽培しています。本年度は、定植時期から天候に恵まれたことで生育は順調に進み、収穫初めから大玉での出荷となりました。9月には台風14号が通過したものの、産地への影響は小さく、11月末まで安定的な出荷を行うことができました。
R4年産は出荷数量4,283t(計画比104%、前年比103%)、単価314円/kg(同105%、110%)、販売金額1,344,234千円(同109%、113%)となり、当初の計画や前年度を大きく超える販売実績となりました。部会では販促活動に力を入れ、従来のPOP作成に加え、SNSを利用した直接消費者に発信するPR活動を積極的に行い消費拡大につなげました。12月9日にはトマト部会出荷反省会が開催され、生産者また関係機関、市場関係者が出席し、今作の振り返りと次作に向けた取り組みについて検討を行いました。
当課では、定期的な現地検討会を開催、若手生産者を対象とした勉強会(トマト塾)やほ場を中心とした巡回を行い、生育ステージごとの栽培技術指導を行ってきました。また高温対策、小玉化対策の展示ほを設置し、生産性向上を目指した技術実証を行いました。今後もJAと連携しながら安定的な生産出荷を支援していきます。

2023年2月

視察研修の様子
機械倉庫

山都町島木営農改善協議会が鳥取県の一般社団法人を視察

山都町の島木営農改善協議会においては、島木地区の農地を守り集落を維持していくための営農法人の設立が協議されています。その中で、一般社団法人に興味を持ち、去る12月4日に役員11名と関係者2名で鳥取県日野郡日南町の一般社団法人笠木営農組合を視察されました。
(一社)笠木営農組合は集落営農組織の任意組織が母体となっており、中山間地域等直接支払や多面的機能支払などの交付金の受け皿、公益的な事業、自治組織との連携、集落の活性化を担う組織として、平成27年に設立されました。なお、作業受託組織としては別法人(有)が組織化されており、組合側で機械導入し、法人との貸借契約を結ぶなどいわゆる2階建て方式をとっているのが特徴です。しかし、この契約は収益事業にあたるため、課税事業となりますが、日南町が総会の議決権の1/2を取得するなど特定法人となっていることから非課税扱いと認められています。
しかし、特定法人となることは町の財政もからみ、非常に困難であったことや一般社団法人は営利目的の事業展開ができないことが課題もありました。
今後、島木が目指すビジョンを作成し、島木地区が目指す方向性に適した法人を選択するよう普及・振興課として支援していく方針です。

2023年1月

(農)高千穂かわのぼりの視察風景
(株)高千穂ムラたびの視察風景

山都町の農事組合法人が宮崎県の先進事例を視察

山都町の6法人で構成する山都町地域営農連携会議では、中山間地における集落営農の優良事例を学ぶため、去る11月29日に宮崎県高千穂町2法人の視察研修を開催しました。視察研修には5法人から11名の理事、及び町、JA、農業公社、当普及・振興課の関係機関から6名が出席しました。
1つ目の(農)高千穂かわのぼりでは、中山間直払を活用して設立した機械利用組合が法人に移行した組織です。この法人では、設立当初から田んぼアートなどの取組みを行うなど交流人口を増やす取組を行っています。また、新規就農者に対する営農支援をきめ細やかに行うなど、課題となっている担い手対策として参考になりました。
2つ目の(株)高千穂ムラたびでは、元役場職員であった代表が若者を雇用し、宿泊や加工品製造・販売の取組みを行っています。山都町よりも条件の悪い山間地に若者が集まっていることが驚きでした。代表からは、集落にあるものを活かし、アクションを起こしてくことが重要であるという理念に沿って各法人に対し個別のアドバイスをいただきました。
今回の視察研修を踏まえ、普及・振興課では、課題である法人の経営安定化及び担い手対策について、法人の意向等を調査し、法人の運営支援を実施する計画です。

2023年1月

育苗栽培指導 8月上旬
頂花房収穫 12月上旬

「ゆうべに」育苗管理を改善 目指せ年内収量800kg/10a

上益城地域は、県の育成品種「ゆうべに」を4haほど栽培しています。しかしながら、山間地は夏秋キュウリ、平坦地は米・麦との競合で6~9月までの育苗作業が遅れがちになり、ここ数年、作業の日程管理が課題でした。そこで、今年度は講習会にて鉢受開始→鉢受終了→置肥1回目→切離し→置肥2回目の作業に対して日にちを指定し、その後作業日程が順守されているかを確認するため、こまめに指導巡回を行いました。その結果、一部に鉢受終了の遅れがみられたものの、鉢受開始や施肥管理の作業が指定日近くで実施されるようになり、良質な苗づくりに繋がりました。
12月上旬、JAかみましきでは4000パック/日程度で順調に「ゆうべに」の出荷が行われています。上益城振興局では「良質苗生産が収量を上げる」というコンセプトで、年内収量800㎏/10aを目標に、育苗管理に力を入れ、定植後に収穫が持続できるような株を目指して指導を行っています。

2023年1月

イチゴほ場にて熱心に学習
スイカ選果状況見学

県立矢部高校生「夢」農業講座の開催

12月1日、矢部高校食農科学科1年生を対象に、選択しているコースの実践的な学びに資するため、コース別事例研修を開催しました。
野菜コースの生徒9名は、午前中、㈱湖池屋九州工場(益城町)で㈱湖池屋のジャガイモ加工の取り組みについて学習後、工場見学を行いました。
午後は、嘉島町のイチゴハウスでイチゴ栽培と農業経営についての講話とハウス見学を行いました。
草花コースの生徒9名は、農業生産法人コウヤマ(益城町)の取り組みについて、かんしょ生産・加工の各施設の見学をしながら学習しました。その後、JAかみましきスイカ選果場の選果状況と、益城町のスイカハウス見学を行いました。午後は、甲佐町のシクラメンハウスで花き栽培と経営について学習しました。
生徒たちは、それぞれ熱心にメモを取りながら、また、いろいろと質問して熱心に学習していました。
上益城農業普及・振興課では、矢部高校、山都町と連携して実施している担い手育成事業の一環として、この取り組みを支援しています。

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