2022年のエリア普及現地情報

2022年3月

試験サンプル配膳の様子
食味審査の様子

米の食味コンクールで重点指導地区が上位入賞

鹿本地域は良食味米の産地として知られており、米の食味と産地力向上を目的に、JA主催の「これぞ!一番米コンクール」が開催されています。
5年目となる今年は「ヒノヒカリ」42点、「くまさんの輝き」28点、「森のくまさん」18点と計88点の出品がありました。
一次審査では食味計測器※による分析により上位8点を決定し、11月9日に二次審査として、実食による食味官能試験を実施しました。当課では審査が公平かつ正確に行えるよう、炊飯準備の段階から試験方法の指導や評価方法の説明を行いました。
二次審査まで残ったサンプルは例年にないほど食味の評価が高かった中、当課が毎月生産指導を実施してきた中山間モデル地区の(農)岳間の杜の「くまさんの輝き」が部門2位を獲得しました(審査結果は2月公表予定)。また、出席した部会役員からは「年々、地域全体で米のレベルが上がってきている。我が家の米も食味向上のためにできることはないか考えるきっかけになった。」との声も聞かれるなど、意欲の高まりが感じられました。
当課では引き続き、良食味米生産に向けた支援を行っていきます。

※ 食味計測器 (ケット社AN-820):タンパク含有率、アミロース値、水分等から食味評価値を点数化する。

2022年3月

茶の新植・改植に関するアンケート調査を実施

鹿本地域では、消費者ニーズに合った茶生産を行うため、茶の新植や改植を推進しています。当課ではこれまで、有望品種の情報提供や、試飲等による新品種への理解促進を図ってきました。
しかし、近年は高齢化等により茶の新植・改植が進んでいないため、3茶工場の生産部会員全戸を対象に、茶園の「樹齢」、「品種」、「面積」などの栽培状況と、新植・改植の意向についてのアンケート調査を実施しました。
その結果、「若手や後継者がいる農家を中心に、これまでも計画的な改植がなされ、茶の樹齢・品種のバランスが良好な茶工場」と「若手や後継者がいるにも関わらず、老齢茶園が多く、品種が一極化している茶工場」など、茶工場ごとの特徴を把握することができました。
当課ではこの調査結果をもとに、改植が進んでいない茶工場に焦点を絞り、気象条件や早晩性、将来にわたっての消費動向等を考慮した有望品種の提案を若手農家を中心に行うなど、茶工場と連携して茶の産地力向上に向けた取組を支援していきます。

2022年3月

畑カラー試作
視察研修

花きの新規品目(省力的品目)の導入に向けて

鹿本地域は県内でも輪ギクの主要産地ですが、近年は高齢化が進み体力的な問題で栽培をやめる農家も増えており、面積の減少が続いています。そのため、これまでJA等の関係機関と連携し、高齢者向けの省力的な品目の導入・検討を進めてきました。
1月24日にJA鹿本と共催で畑カラーやアリウム等の省力的な品目について勉強会を開催したところ、6名の参加者があり、それぞれ現在の経営から品目転換した場合について検討を行いました。
畑カラーについては、今年度1名の方が試作を行い、11月から1月に約3,000本ほど出荷を行いました。球根が高額なため初期投資がかかるなど課題もありましたが、輪ギクより人手がかからず、また市場からの評価も良く出荷継続の要望もあり、単価も安定して販売できたことから、来年度は新たに2名の方が加わり面積と品種を増やすこととなりました。
また、アリウムについても2月24日に先進地視察研修を行い、来年度の取組みに向けて引き続き検討を行っているところです。
今後も関係機関と連携しながら、引き続き高齢者に向いた省力的な品目の検討や導入支援を行い、鹿本地域の花き産地維持を図っていきます。

2022年3月

スイカほ場視察
牛舎視察

新規4Hクラブ員のほ場を見学

山鹿市青年農業者クラブでは、クラブ員のスキルアップやクラブ員同士の交流を深めることを目的に、毎年視察研修を行っています。しかし、コロナ禍の影響から、R2~3年度については実施を断念しており、また他の活動も制限されたことで、自粛期間中に加入した新規クラブ員が馴染めていないことも懸念されていました。そこで、「新規クラブ員との親睦」と「新規クラブ員の経営の現地見学と意見交換による相互のスキルアップ」を目的として、2月24日に「新規クラブ員のほ場見学」が実施されました。当課は、企画段階から視察当日にかけて支援を行いました。
当日は8名のクラブ員が参加し、うち2名の新規クラブ員のほ場(スイカ、和牛繁殖)を見学しました。同じ作目のクラブ員は特に関心が高く、自身の経営と比較しつつ、経営面や技術面について質問やアドバイスを積極的に行い、互いに刺激を受けた様子でした。また、異なる作目のクラブ員からも多くの質問があり、訪問後には「日頃目にしない作目なので興味深く、とても勉強になった。」という感想も聞かれ、充実した研修となったようです。また、長い時間行動を共にしたことで、互いの人柄もわかり、親睦を深めることもできました。
現在、クラブの平均年齢は上昇傾向にあり、近い将来クラブ員数の著しい減少が予想されます。当課では、4Hクラブ活動がより魅力的なものとなるよう支援を継続しつつ、新規クラブ員の獲得に向けた活動についても、クラブ員と協力してより精力的に行うことで、クラブの活性化を図っていきます。

2022年2月

設立総会
法人化研修

中山間地域を担う農事組合法人が誕生

1月26日、山鹿市菊鹿町内野地区を主な活動地域とする農事組合法人上内田ファームが設立されました。
内野地区は中山間地域で、平成28年度に県の農地集積加速化事業促進地区に指定され、農地集積や地域営農組織設立などが検討されましたが、意見がまとまらず組織設立は見送られていました。
しかし、高齢化が一層進み担い手不足が深刻な状況となる中、昨年から地域の将来を懸念する農業者有志により地域営農組織の検討が再開しました。当課では、山鹿市やJA鹿本と連携し、県の「未来へつなぐ地域営農組織経営力強化支援事業」を活用して、組織設立の協議や法人化研修等をサポートしました。そして、地域の課題解決には地域営農法人の設立が必要との意見がまとまり、(農)上内田ファームの設立に至りました。
令和4年度は8haの農地を集積し、水稲を中心に栽培する計画です。将来は、一層の農地の集積を図りながら、WCS用稲や米粉用米、露地野菜、栗等の導入を検討し、経営安定を目指しています。
当課では、スタートしたばかりの法人の経営安定に向けて、関係機関と連携して、新規品目の展示ほ設置など技術・経営両面でのサポートをしていきます。

2022年2月

ミニトマト生育調査
ナス天敵調査

担い手の確保・育成に向け支援を行っています

JA鹿本は、次世代の鹿本地域の農業の担い手確保と生産基盤の維持・拡大を図るため、平成30年から地域担い手育成センターの運営を開始し研修生の受け入れを行ってきました。これまで、13名が研修課程を終え、鹿本地域でスイカやナス、アスパラガスなどの品目で就農し、鹿本地域の新たな担い手として活躍しています。
本年は6名の研修生が7月から1年間の研修を行っており、農業普及・振興課では、栽培技術や農業経営の講義等を実施してきました。
現在は、研修の一環として、ミニトマトの生育調査とナスの天敵定着状況調査を2週間おきに研修生とともに行い、生育診断や天敵の利用方法等の習得に向けた支援を行っています。
研修生達の中では、生育状況を把握しコントロールするための生育調査の必要性への認識も高まっており、調査を通した観察眼の錬成も進んでいます。また、天敵の有効性も実感しているようです。
当課では、今後も引き続き鹿本地域の新たな担い手の確保・育成に向けて支援を行っていきます。

2022年2月

順調に生育する「くすもち二条」
配布を行った資料

高品質な麦類の安定生産に向けて

鹿本地域では、水稲の裏作となる麦類が地域営農組織等を中心に積極的に作付けされており、主な品種は日本めん用小麦の「チクゴイズミ」ともち性大麦「くすもち二条」です。作付面積は昨年約600haに対し、今年は680haで拡大傾向にあります。
収穫された麦類は、農水省が定める品質評価区分※により、数量払の交付金単価が決定されるため、所得確保のためには高品質化及び高収量化が必要です。
当課ではこれまで毎年、生産者を集め、麦類の収量及び品質の向上を目的とした「栽培技術講習会」を開催していました。しかし昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、講習会が開催できなかったことから、今年は生産者への技術資料の配布と個別巡回指導により対応を行っています。
巡回指導では、各生産者、各ほ場ごとに麦の生育ステージに合った管理作業をきめ細かく指導しており、順調な生育に繋がっています。
昨年も生育は順調で、高収量が期待されましたが、収穫期頃の長雨による穂発芽の発生により、収穫できなかったほ場もあったため、今後は刈遅れ等のないよう、天候を考慮した収穫適期の呼びかけを徹底していきます。

※ 品質評価区分:「タンパク含有率」や「容積重」等4項目の基準により麦類の品質をランク付けする。用途(パン用、日本めん用等)によって基準は異なる。

2022年2月

ハウスきんかん「夢小町」の出荷始まる

平成3年に鹿央町(現在山鹿市)で栽培が始まったハウスきんかんは、平成8年から「夢小町」のブランドで販売され、JA鹿本の特産品として確固たる地位を確立しています。
JA鹿本ハウスきんかん部会は9戸の農家で構成されており、すべてたばことの複合経営作物として、2.2haで栽培しています。ハウスきんかん「夢小町」は、1月から3月に出荷する完熟栽培で、果実は大玉で果皮色は赤みが強く、糖度が18~20と高いのが特徴で、そのまま生食で食べられます。本年産は、夏に異常気象もありましたが、着色も良好で糖度の高い果実が生産されており、1月15日から3月まで25tの出荷が予定されています。
普及・振興課では、JA技術員・部会役員と一緒に、単価が高い大玉果実の生産に向けて一番花の結実対策としての加温開始時期、ジベレリン活用の実証や摘果法の講習会などに取り組んできました。
今後も関係機関と連携して、大玉果実を早期に出荷できるよう栽培支援を行っていきます。

2022年2月

出荷大会の様子
「ゆうべに」着果状況(1/4撮影)

JA鹿本苺部会出荷大会を開催~令和3年産イチゴ出荷は順調~

JA鹿本苺部会では、県育成品種「ひのしずく」、「ゆうべに」を中心に作付面積約8ha、部会員数45名が栽培に取り組んでいます。令和3年12月1日には、「JA鹿本苺部会出荷大会」がJA鹿本本所において開催されました。部会員で等階級毎のパック詰め確認を行った後、JAからイチゴ販売計画について、市場(オンライン)からはイチゴの消費動向や他産地の情勢についてそれぞれ報告がありました。
当課では、これまで夏の長雨とその後の天候不順がイチゴの生育に影響し、偏った出荷体系にならないように、年内収量の確保とその後のなり疲れ防止を目的とした摘花房の指導(展示ほ調査も実施中)に取り組んできました。そして今回、市場からの「本年産は産地毎に出荷ピークが異なり、年内から翌年にかけて九州産の需要が高まる。」という報告を受けて、JA技術員と協力し、加温の徹底、草勢に合わせた摘果の指導をより一層強化して行いました。
結果、12月中下旬に1番果の収穫ピークを合わせることができ、ここまで「ゆうべに」を中心に順調な販売に繋がっています。現在も、年内から依然として高単価の状況が続いている中で、安定的な出荷を見込んでおり、年明け以降も良好な成績が期待されます。
今後も関係機関と連携して安定出荷できるよう栽培支援を行っていきます。

2022年2月

発表の様子
閉会後に記念撮影

山鹿市4Hクラブ「プロジェクト活動発表会」を開催

山鹿市青年農業者クラブ(以下、4HC)には、若手農業者15名が所属しており、精力的に活動を行っています。12月9日には、山鹿市と4HCの主催で、プロジェクト活動発表会が開催されました。
当課では、6月に各クラブ員に対して担当者の割り振りと活動方針の検討を実施し、その後は、課題解決に向けた栽培技術指導や発表内容への指導により、クラブ員の支援を行ってきました。
幸いにも、当会合が県内のコロナ感染が落ち着いたタイミングで開催できたことで、各組織の代表や就農前の研修生等、約40名と多くの出席がありました。
当日は、意見発表2名、プロジェクト活動6名、今年度の活動報告5名の計13名の発表が行われました。
今年度は、「競争心を高めて、内容を向上させよう」というクラブ員の発案で、これまで各部門で表彰していたプロジェクト活動を全部門から1名とし、また意見発表等を含む全ての発表から最優秀賞1名を選出するように変更しました。加えて、2月に就任された早田順一市長が初めて出席されるということで、緊張は見られましたが、皆自信を持って発表に臨んでいました。発表内容は、新技術導入や農高生への意識調査、みどりの食料システム戦略とも関連した有機農業経営体制の確立等、多岐にわたり、出席者は真剣な表情で聞いていました。
発表後の質疑応答では、市長や審査員の方々から多くの質問や意見があり、関心の高さが伺えました。また、クラブ員にとっては、新たな気づきや改善のアイデアを得ることができる貴重な機会となりました。
当課では、将来の地域農業を担うクラブ員にとって、4Hクラブ活動がより良い成長の機会となるよう、引き続き支援していきます。

2022年1月

支部反省会(鹿北支部)
栽培カレンダー

令和3年産アスパラガスの総括と次年度に向けて

12月上旬、鹿本アスパラ部会支部反省会および事業報告会を開催し、生産者と本年度の出荷実績および気象状況等について総括を行いました。
本年度は8月中旬の長雨で極端に気温が下がったこと、9月以降は逆に晴天が続き気温が高かったことなどから、普段とは異なるタイミングでの病害虫の発生や株の水不足の発生など、例年以上に丁寧な管理が必要でした。
そこで、農業普及・振興課とJA鹿本では地区毎に現地検討会を開催し、適期作業や高温に備えた管理(少量多かん水、風通しの良い整枝など)の周知・徹底を行いました。結果的に令和3年度産実績は、出荷数量約250t(前年比105%)、販売金額約2億5千万円(前年比99%)となり、比較的良好な成績を収めました。
また、本年度の反省を踏まえ、当課とJA鹿本では令和4年度産に向けた生産方針を確認し、①事業を活用した遮光資材(遮光率50%)の導入による収量・品質向上対策、②栽培カレンダーの改訂を計画しました。次年度に向け、ほ場品評会や定期的に開催する検討会の場で現地の状況を整理しながら、更なる安定生産および品質向上に向けて関係機関と共に取り組んでいきます。

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