2023年のエリア普及現地情報

2023年6月

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露地ナスほ場(鹿北町岩野)
定植後1週間のナスの様子

鹿北町の露地ナス定植が順調にスタート!~若手生産者への個別指導を強化~

令和5年度JA鹿本鹿北町茄子部会の露地ナス栽培が面積約2.4ha、部会員数24名でスタートしました。鹿北町は県内でも有数の露地ナス産地であり、部会には栽培歴30年以上のベテランから新規就農者まで幅広く在籍しています。現在は定植作業の真っ最中で、6月中下旬の出荷に向けて取り組んでいます。
昨年度は梅雨明け以降の天気も安定していたことや病害虫対策の徹底により、収量・品質とも良好で、部会歴代最高の成績となりました。しかし、一部ほ場では定植直後の活着不良や、夏場のかん水不足による樹勢低下が見られたため、定植後のスムーズな活着に向けた対策が、より一層求められています。
そこで、農業普及・振興課ではJA鹿本と連携し、特に栽培経験の少ない就農3年目以内の若手生産者に対しては巡回数を増やし、定植日や生育に合わせた指導の強化に取り組んでいます。今後は特に高温・乾燥傾向が続くと予想されるため、活着までのかん水管理(根回し水、発根剤施用)を重点的に指導し、本年の気象に合わせた管理の見直しを呼び掛けています。また、肥料高騰対策として、低コストの代替肥料を用いた栽培試験にも取り組む予定です。
当課では、ほ場の温度データの測定等も行いながら、更なる安定生産及び品質向上に向けて、関係機関と協力して取り組んでいきます。

2023年6月

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「山鹿市4Hクラブ総会」3年ぶりの対面開催~7名の新規クラブ員が加入!~

4月21日(金)、対面での開催は3年ぶりとなる山鹿市4Hクラブ総会が開催されました。昨年度からクラブ員と協力して、地域の若手農家との交流や先輩農家へクラブ員候補者の情報提供依頼等を行うとともに、プロジェクト活動での躍進ぶりが認知度向上にも繋がった結果、今年度から新たに7名ものクラブ員の加入がありました。新体制の活動テーマは「交流」に決定し、15名の約半数が新規クラブ員となる今年度にふさわしいテーマとなりました。
総会後は、4Hクラブ員と普及員でクラブ員の経営や技術の課題について話し合う、「プロジェクト検討会」を実施しました。クラブ員と普及員との顔合わせを行い、スムーズにプロジェクト活動に繋げていくことが狙いです。初参加の新規クラブ員とも、経営の状況や悩みについて活発に意見交換を行いました。
山鹿市4Hクラブでは、昨年度の県農業者会議で総合優勝したことで、クラブ員の士気が高まっており、さらに7名もの新たなクラブ員を迎えたことで、今後の活動の活性化が期待されます。
当課では、プロジェクト活動への支援とともに、新規クラブ員の確保や交流会などのクラブ活動についても、引き続き支援していきます。

2023年4月

対策資料を説明する城本参事(当時)
鹿本地域における対策活動の説明資料

ウリ類退緑黄化病防除対策会議を3年ぶりに開催~令和5年度の重点活動を関係者で確認~

コロナ禍により2年間開催されていなかった「鹿本地域ウリ類退緑黄化病防除対策会議」を、山鹿市、熊本市、JA、物産館連絡協議会、生産者代表など関係機関37名を参集し、令和5年3月23日にJA鹿本本所で開催しました。
会議では、まずJAから今年度の活動経過が報告された後、当課から鹿本地域におけるウリ類退緑黄化病対策について説明を行いました。事前に実施した生産者へのアンケート結果からは、退緑黄化病の認知度は93.6%に上り、どのような対策を取ればよいか知っていると答えた割合も9割を超えていました。
一方で、実際に行われている「入れない」「増やさない」「出さない」の対策内容には、生産者間のバラつきが大きいことが示されました。参加者からは、対策の更なる徹底や一斉防除の必要性について熱心な発言がありました。また、「栽培後のハウスの閉め込み」に重点をおいた、令和5年度の活動スケジュールを確認しました。
今後も関係機関と連携し、地域一体となってウリ類退緑黄化病防除対策を実施し、スイカを中心としたウリ類の生産安定に取組んでいきます

2023年4月

「川南地区」集積・集約状況
法人の新規作物導入の検討

鹿本地域農地集積推進チームの取り組み~「川南地区」の農地集積と営農法人の体制強化を支援~

当課が事務局の「県・市連携会議」農地の有効利用部会※では、JA鹿本を加えて農地集積推進チームを編成し、農地集積の推進に取組んでいます。
3月14日に、今年度最後の会議を開催し、年間活動の総括を行いました。
今年度は、山鹿市農業委員会が中心となり、川南地区をモデル地区に設定し、目標地図の作成と農地中間管理機構による利用権設定を推進したことにより、1ha以上の団地面積が7.5haから32haへと大幅に拡大しました。
また、当課が主導し、集積の受け手となる地域営農法人の体制強化を支援した結果、JA研修卒業生など若手オペレーターの確保事例が出てきたほか、子実用トウモロコシなどの新規作物導入の取組みも始まりました。
さらに、農地整備課では、基盤整備を契機とした農地集積推進に向け、農業農村整備の現状把握(特に用水路等の再整備)と課題の抽出、地元要望の内容・エリアのマッピング作業等を実施しました。
今後は、「川南地区の事例を基にした効果的な『地域計画』策定の推進」、「地域営農法人の経営力強化と更なる農地集積に向けた取組みの支援」、「市と連携した、地域の状況を踏まえた計画的な基盤整備推進方策の検討」について、関係機関と連携を密にしながら、引き続き活動を進めていきます。

※構成:(山鹿市:農業振興課、農林整備課、農業委員会、振興局:農業普及・振興課、農地整備課)

2023年3月

茶園品評会の審査結果をもとに栽培管理指導を実施

鹿本地域には、製茶工場や茶生産団体で組織する山鹿市茶業振興協議会があり、茶業の安定・振興を目的として技術研鑽等に取り組まれています。昨年11月に開催された熊本県茶品評会(茶園の部)に協議会から4名の農家が出品されました。惜しくも入賞はならなかったものの、審査では茶園の管理状況の確認や土壌分析が行われたため、当課ではその結果をもとに次年度に向けた栽培管理指導を行いました。
指導に当たっては、茶園品評会の調書として各農家から提出された栽培管理記録と、当日の審査結果及び土壌分析結果から、農家毎に栽培管理の処方箋を作成しました。
出品された農家に対しては、昨今の肥料高騰により、土壌中に蓄積している主要成分の施用量を減らすことと、茶の品質に影響する微量要素補給の話を中心に行いました。指導を行った農家からは、「コスト削減を考えながらも品質向上させる対策が分かり、さっそく実践してみる」との意見もありました。
茶の消費低迷や、肥料高騰など情勢は厳しいですが、地域の主要な作物の一つとして、今後も茶業経営安定に向けた支援を行っていきます。

2023年3月

講習会の様子(部会生産者33名出席)
春のまだら果対策について(資料の一部抜粋)

いちご「ゆうべに」春のまだら果対策講習会を実施

2月8日、いちご「ゆうべに」まだら果対策講習会を開催しました。本年のJA鹿本苺部会の「ゆうべに」年内収量は約800kg(前年比130%)と、定植~年内にかけての温暖な気候の影響も相まって、過去最高の反収量となりました。しかし、年内の着果負担の影響から生育が緩慢なほ場も散見されるため、出荷の折り返しとなるこの時期に、①年内までの栽培状況の振返り、②春先のまだら果および灰色カビ病果の発生予防対策、③今後の栽培管理ポイント(温度、電照、施肥管理)について座学形式で指導を行いました。
当課では、例年よりも生産者ごとの生育状況に差が見られるため、実際に部会生産者ほ場の写真を用いて生育が弱っている株、維持できている株の判断の目慣らしと、生育に合わせた今後の管理について共有しました。初の試みでしたが生産者からも多くの質問が寄せられ、より実践的な講習会になりました。
また、農薬一覧表を新たに作成・配布し、今年の被害報告が多い灰色カビ病果や、防除が困難となっているスリップスの防除強化に取り組んでいます。
今後も関係機関と連携して安定出荷できるよう栽培支援を行っていきます。

2023年3月

就農相談の様子(2/11就農相談会)
協議会のブース(2/25マイナビFEST)

担い手協議会による広域就農相談会への出展

山鹿市、山鹿市農業委員会、JA鹿本、県等で組織する山鹿市担い手育成総合支援協議会では、昨年6月の総会を機に毎月の担当者会議や就農相談会を開催するなど関係機関の連携を強化し、新規就農者の確保・定着に向けた支援体制を充実させてきました。
その一環として、県内外の就農希望者に山鹿市をPRするため、これまでJA単独で出展していた熊本県就農セミナー&相談会(2月
11日)、隣接する福岡県で開催されたマイナビ農林水産FEST(2月25日)に市・JA・県の合同チームで参加しました。
相談者は熊本会場で4名、福岡会場で3名と多くはありませんでした。しかし、具体的に山鹿市での農業を考えておられる方にはJAでの研修や市の補助制度を紹介したり、県外で山鹿市のことをよく知らない方には観光名所など山鹿市の魅力や移住の窓口も併せて紹介するなど、混成チームならではの協力した対応ができました。
また、福岡会場での出展に合わせ、協議会でテーブルの腰巻を新調し、山鹿市観光PR動画を流しましたが、他のブースでは揃いのハッピやノボリなど更に目立つ工夫がされており、今後のPRに向けた参考になりました。
今後も、関係機関で協力し合って他地域からの就農者の呼び込みに努め、協議会HPの開設など、山鹿市の農業の魅力を発信できるような取組みを進めていきたいと考えています。

2023年3月

2/14熊本県青年農業者会議
2/27鹿本青年農業士との交流会

山鹿市4Hクラブ、波に乗ってます!

山鹿市青年農業者クラブ(以下、4HC)には、若手農業者13名が所属しており、日々精力的に活動を行っています。
2月14日には、「熊本県青年農業者会議」が開催され、鹿本地方から計6名が参加しました。当課では、12月の市大会の反省を踏まえ、クラブ員がより良い発表ができるように支援を行いました。そして、当日は全員が練習の成果を存分に発揮したことで、7年ぶりとなる総合優勝を達成することができました。
また2月27日には、先輩農家との意見交換を目的とした「鹿本地方青年農業士との交流会」を開催しました。青年農業士には、4HCのOBも多く在籍しており、意見交換は4HC活動について考える良い機会になりました。クラブ員や青年農業士からは、「昔の活気ある4HCの雰囲気を感じた」、「毎年恒例にしたい」という意見が出る等、互いにとって有意義な会になったようです。また、青年農業士から、クラブ員候補の情報提供があり、交流会をきっかけに、新規クラブ員の多数獲得にも希望が見えてきました。
活動の機会やクラブ員数が減少傾向にある中で、クラブ員の活動意欲低下も見られていましたが、今回の総合優勝と交流会により、クラブ内の士気は高まっています。さらに新規クラブ員の多数獲得が実現すれば、来年度は更なる4HC活動の活性化が見込まれます。
当課では、将来の地域農業を担うクラブ員にとって、4HCの活動がより良い成長の機会となるよう、引き続き支援していきます。

2023年3月

クリ剪定講習会の様子

クリの産地活性化への取り組み

鹿本地域は西日本一のクリの産地で、栽培面積も年々増加傾向にありますが、近年ではクリの高木化や生産者の高齢化による労力不足が課題となっている状況です。また、最近では、新規栽培者のクリの植栽方法の理解不足や幼木管理等が不十分なことに起因する生育不良も起きています。
そこで当課ではJA鹿本と連携して、9月に2回、新・改植者に苗木の植え付け指導を行ってきましたが、今回、12月から1月にかけてJA鹿本クリ部会に対し剪定講習会を8回実施しました。講習会には約130名の参加があり、当課からは成木と幼木の剪定指導を行うとともに、高木や急傾斜園、労力不足の園では剪定作業受託組織の活用を推進しました。昨年産のクリの価格が好調だったこともあり、例年より女性や若手の生産者も多く参加し、質疑応答もとても活発に行われました。特に、高樹齢の園が多い地域では改植事業の説明も行い、品質向上や収量安定を図りました。
また、今年度は剪定受託作業組織の体制強化に向けて、補助事業の活用による機械導入支援や、新規作業員の勧誘も積極的に行いました。現在、新規就農者が1名、作業員として研修中であり、他にも多数の問合せがあっている状況です。
今後とも、当課ではクリの安定生産と品質向上のため、引き続き関係機関と連携しながら産地活性化を行っていきます。

2023年3月

現地検討会の様子
1/31検討会の様子

(農)岳間の杜における検討会を開催

山鹿市鹿北町の山間部にある農事組合法人「岳間の杜」では、19名の組合員が約7haで米作りを行っています。当課は、(農)岳間の杜を中山間モデル地区の重点指導対象と位置づけており、今年度は「新規需要米の導入」と「販路拡大」の2つを柱として支援してきました。この度、1月31日に今年作の振り返りと次年度に向けた取組みについての検討会を開催しました。
(農)岳間の杜では、今年作から新規需要米「ミズホチカラ」を導入しており、定着に向けて初年度の収量確保が課題でした。当課からは、現地検討会を毎月実施する等の支援を行ってきたこともあり、台風や病害虫による被害を最小限に留め、目標収量をほぼ達成することができました。さらに、検討会において収益性の比較や次年度作に向けた対策を十分協議できたことで、次年度は作付面積を1.2ha→2.2haに拡大することが決定されました。
また「販路拡大」として、今年度から独自のシールを作成する等、販売力を強化の取組みを支援しており、少しずつですが販売先の拡大や直販の売上も増えてきています。次年度は、法人オリジナルの米袋作成にも取り組む予定です。
今回の検討会では、全体を通じて組合員から活発な質問や意見が出され、今後の活動強化に向けて非常に前向きな意識の変化が感じられました。
当課では、(農)岳間の杜が中山間地域のモデルとなるような法人になることを目指し、引き続き支援していきます。

2023年3月

研修生と法人との顔合わせ
意見交換会

担い手の確保に向け地域営農法人の研修会を開催

鹿本地域では現在17の営農法人が設立されていますが、その多くが担い手の確保を課題として挙げており、役員や構成員の高齢化が進むなか、法人経営継続に向けた懸念を持っています。
法人の担い手確保に向けた取組みを推進するため、1月27日に管内の集落営農法人を対象に担い手確保に向けた研修会を開催しました。
また、研修会には、JA鹿本担い手育成センターの研修生6名にも出席してもらい、就農後に地域との関わりをスムーズにするきっかけとなるよう、各法人との顔合わせを行いました。
研修会では、法人のオペレーターとして活躍されている2名の方と、その法人の代表者から、管内の担い手確保事例として発表いただきました。
この2名の方は、担い手育成センターの卒業生であり、法人の組合員としても加入され、ご活躍されています。また、法人に入ったことで、自分のハウスのビニル張りに地域からの協力が得られるなど、大きなメリットを感じられておられました。法人の代表者からは、就農して間もないなか、我が家の経営を優先してもらい、できるときに法人の作業を依頼するなどの配慮を行っていることが紹介されました。
その後、意見交換では農大卒業生の受け入れに向けた動きや、雇用に関する考えなどの紹介があり、当課からも雇用の際に必要な保険等の制度について情報提供を行いました。
担い手の確保は、法人経営継続を行う中でも重要な課題です。当課では、今後も法人の担い手確保に向けたきっかけとなるよう、継続的な研修会の実施と法人の状況に合わせた担い手確保対策を推進していきます。

2023年3月

ミニトマト生育調査
農業経営講座

新たな担い手の育成・確保に向けた支援活動

JA鹿本では、次世代の担い手を育成・確保し、産地の維持・拡大を図るため、平成30年から地域担い手育成センターを運営し、研修生の受入れを行ってきました。これまで18名が鹿本地域の新たな担い手として活躍しています。
同センターでは7月から翌6月までの1年間、スイカ・ナス・ミニトマトの栽培実習が行われます。今年は、同センター所属の6名及び篤農家(センターで栽培していないイチゴ、アスパラガス)で栽培実習を行う2名に対し、栽培技術や農業経営などの座学研修が行われ、当課でも支援を行っています。
栽培に関しては、現在研修生と共にミニトマトの生育調査やナスの天敵定着状況調査を行い、生育診断や天敵の利用方法等の習得支援を行っています。
経営に関しては、農業簿記の基礎や農業経営の基本について指導し、理解を深めた所で、2月の就農計画認定を目指して昨年10月から1月まで計画の作成支援を行ってきました。就農5年目までに概ね250万円以上の所得目標を達成するため、収支計画や資金の活用計画などを作成し、初期投資を抑えながら適切な農地や栽培施設、農機具を確保するよう指導しました。
研修生には、その他にも青色申告基礎研修(8月)や新規就農者激励会・4Hクラブ活動発表会(12月)、集落営農法人研修会(1月)なども適宜案内し、農業に関する学びや関係者との交流の場の提供に努めており、今後も引き続き関係機関と連携して計画的な支援を行っていきます。

2023年3月

就農定着に向けた営農サポーター意見交換会

山鹿市担い手育成支援協議会では、新規就農者の定着を図るため、国の交付金制度の対象者となっている新規就農者に営農サポーター(国ではメンターと呼称)を配置し、営農のアドバイス等を行うことになっています。
今回、それぞれの営農サポーターがどのような活動を行っているかお互いに確認し、新規就農者への今後の指導に活かしてもらうため、意見交換会を行いました。
まず、山鹿市から営農サポーターの役割や期待することなどの説明があり、参加者からは活動状況や困っていること、協議会への要望などについて意見をいただきました。
就農前から数多く接触していただいた方も多く、就農者のハウス建込みが遅れていたので仲間総出で手伝って定植に間に合わせた、排水対策をするよう直接指導したほ場以外では対策を行わず生育不良だったなど、就農者の農業の感覚に戸惑いながら、指導されているようでした。
また、自分が作っている品目は指導ができるが、それ以外の品目に対しどうすればいいかという質問があり、当方からは普及やJAの指導員、近所で上手に作っている農家などを紹介してやってくださいと返答しました。
協議会に対しては、研修生への経営指導をもっと強化してほしいという要望が多く、実際に農業を始めてからの「学びの継続」の重要性を強く感じました。
営農サポーター自身の悩みや就農者と多く接しているからこそ分かる就農者の不安や葛藤、支援機関に求めることなど活発な意見が交わされました。
次年度は、交付対象者が増える分だけ新たな営農サポーターも必要となるため、より早い時期の意見交換会の開催を協議会で検討しているところです。

2023年2月

品評会審査の様子
市民交流センター展示の様子

鹿本地域切り花品評会開催

12月15日、JA鹿本花卉部会と熊本県花き協会鹿本支部の共催で鹿本地域切り花品評会を開催しました。これは、花卉部会員の栽培技術研鑽と品質向上を目的として2年毎に開催しているものです。
当日は、鹿本地域の主力品目であるキク類を中心に23点の切り花が出品され、審査終了後は部会員に見てもらうため花き集荷所内で展示しました。上位入賞品の他、出品物の中には現在導入を進めている「精興明杯」や「畑地性カラー」もあり、品質や切り花特性を直接見てもらう良い機会となりました。
その後、鹿本産花きの紹介・宣伝のため場所を変えて山鹿市民交流センターのロビーで展示を行いました。前回の品評会開催時はコロナによる行動制限が出ていたため展示を中止しており、4年ぶりの実施となりましたが、訪れた人の中には4年前の展示を覚えていた方もおり「今回の菊も立派だね。」「花を見ると気持ちが明るくなる、また展示して欲しい。」など、次回の開催を求める声も多く寄せられました。
コロナの影響で活動が制限されるなか、当課では関係機関と連携して、これまで観光施設での花の装飾展示や、フラワーアレンジ・寄せ植え体験教室等を開催してきました。今後も鹿本産花きの消費拡大のため、地元消費者へ向けた活動に取り組んでいきます。

2023年2月

発表の様子
新規就農者との意見交換

山鹿市4Hクラブ「プロジェクト活動発表会」を開催

山鹿市青年農業者クラブ(以下、4HC)には、若手農業者13名が所属しており、日々精力的に活動を行っています。12月16日には、山鹿市と4HCの主催で、プロジェクト活動発表会が開催されました。
当課では、6月に活動方針を検討し、その後は課題解決に向けた栽培技術や発表内容への指導により、クラブ員の支援を行ってきました。
当日は、意見発表1題、プロジェクト活動7題の発表がありました。意見発表では農業に対する思いや将来の目標、プロジェクト活動では新技術の導入や、地元の農高生への4HCや農業に対する意識調査等の発表が行われ、審査員から高い評価を得ることができました。
また、初の試みとして、会に参加した新規就農者との意見交換を実施したことで、4HCに興味を持った様子の新規就農者も多くみられ、クラブ活動をPRする良い機会になりました。
当課では、将来の地域農業を担うクラブ員にとって、4HCの活動がより良い成長の機会となるよう、引き続き支援していきます。

2023年2月

3年ぶりの新規就農者激励会開催

鹿本地域農業改良普及事業協議会は、振興局が活動主体となり、山鹿市やJA鹿本などの関係団体と連携して活動していますが、近年はコロナ感染症の影響により十分な活動ができない状況でした。
今回、12月15日に、3年ぶりとなる鹿本地域の新規就農者激励会及び先輩農家の事例発表・意見交換会を山鹿市内のホテルで開催しました。
令和2~4年度の新規就農者やJA鹿本の研修生などを激励会に案内したところ、管内から22名の参加がありました。
主催者挨拶、来賓の鹿本地方農業経営者協議会や山鹿市4Hクラブからの激励の言葉に続き、新規就農者が営農している地区や作目などについて自己紹介を行い、交流をスタートさせました。
その後、市、農業委員会、共済、JA、普及から情報提供を行い、新規就農者にいつでも相談できる体制であることをPRしました。
事例発表では、令和元年度及び2年度の県農業コンクール新人王部門に出場された2名の方に経営内容や課題、将来目標などを語っていただきました。
新規就農者や研修生にとって関心の高い話に参加者は熱心に聞き入り、発表後には多くの質問や意見が交わされ、大変有意義な研修となりました。
今回の開催で、新規就農者同士及び関係機関が直接会って交流を深めることの重要性を改めて認識させられました。今後も積極的に新規就農者に働きかけ、技術向上や交流の場の提供に努めていきます。

2023年1月

11月9日支援センター実地演習の様子 (防疫服着衣)
11月17日防疫研修会の様子

鳥インフルエンザ発生に備えて防疫演習を開催

管内での鳥インフルエンザの発生を想定し、防疫措置における後方支援業務についての内容及び役割を確認することにより、各関係機関の防疫体制及び連携強化を図ることを目的に、鹿本地域家畜伝染病防疫演習を開催しました。
11月9日には、支援センター候補地となっている山鹿市菊鹿多目的研修集会施設において当振興局及び山鹿市により、支援センター設営と資機材の搬入、防疫作業員の受け入れ、健康観察、防疫服着脱等についての手順や動線の確認等の実地演習及び検討会を行いました。また、11月17日には、当振興局で山鹿市、山鹿警察署、農業団体等を参集し、防疫研修を実施しました。
今回、何もない状態からの支援センター実地演習を行ったことにより、動線や配置など多くの課題を発見することができ、その後の研修会での動画上映により、関係機関の理解もより深まったように感じました。
今シーズンは、異例のスピードで鳥インフルエンザが確認さており、どこで発生してもおかしくない状況です。今回の演習及び検証結果等を基に、発生に備え、迅速かつ的確な防疫対策が行えるよう関係機関と連携し、より一層の体制強化に取り組みます。

2023年1月

輪ギク(省力的品種)の導入に向けて

12月に入り、JA鹿本花き部会の主力品目である年末ギクの出荷が始まりました。
輪ギクの生産現場では高齢化による労働力不足が問題となっており、栽培面積の減少が続いています。特に主力品種である「精興光玉」は脇芽が多く、芽摘み作業に人手がかかる事も減少要因の一つとなっています。
そのため、当課ではJA鹿本と連携し、R3年に脇芽の少ない「精興明杯」の試作を行いました。その結果、芽摘み作業時間は「精興光玉」より6割程短縮され、また花の市場評価もよかった事から、R4年は13名が「精興明杯」を導入しました。
年末出荷用には約50a栽培されており、12月18日前後に出荷ピークを迎える見込みです。
「精興光玉」より芽摘み作業は少ない一方で、『花首や茎が曲がりやすい』、『葉に斑点症状がでる』、『定植直後に立枯れがでた』など試作の段階ではわからなかった問題も出てきており、引き続き問題解決に向けて肥培管理や植調剤の試験等に取組む予定です。
今後もJA等関係機関と連携しながら、引き続き省力的な品目・品種の導入支援を行い、鹿本地域の花き産地の維持を図っていきます。

2023年1月

出荷大会の様子
「ゆうべに」状況(12/1撮影)

JA鹿本苺部会出荷大会を開催

JA鹿本苺部会では、部会員46名が県育成品種「ひのしずく」、「ゆうべに」を中心に作付面積約8haで栽培に取り組んでいます。この度、11月30日に、「JA鹿本苺部会出荷大会」がJA鹿本本所において開催されました。
各市場の担当者が来席しての集合形式開催は3年ぶりで、部会員で等階級毎のパック詰め確認を行った後、JAからイチゴ販売計画について、市場からはイチゴの消費動向や他産地の情勢についてそれぞれ報告がありました。
当課では、昨年度の花芽分化のばらつきを教訓に、例年以上に育苗管理の徹底に取り組んできました。生産者に対しては、講習会や展示ほを活用し、「ゆうべに」栽培指針に基づく肥培管理と定植後の出蕾状況に応じた摘花・摘花房対策を再度理解してもらい、部会全体での管理技術の向上を図りました。
結果、頂花房の花芽分化を揃えることができ、「ゆうべに」においては過去最高の出荷数量で販売がスタートしています。年明け以降まで安定的な出荷が見込まれ、良好な成績が期待されています。
これからも関係機関と連携してイチゴ経営の更なる安定に向けて栽培支援を行っていきます。

2023年1月

生産者に調査結果を説明している様子
排水性の悪い土壌の断面写真

アスパラ新規定植者支援-土壌断面調査の実施

11月17日、来年春にアスパラガス新規定植を検討している生産者を対象に定植予定ほ場の土壌断面調査を行いました。本調査は、土壌の排水性や土性をより詳しく分析するために行うもので、定植から15年以上、植替えを行わず同じほ場で栽培を続けていくアスパラガス栽培では重要な調査になります。今回、農業革新支援センター柿内主幹に協力いただき、JA鹿本アスパラ指導員立合いのもと、生産者へのほ場状況の説明と指導を行いました。調査の結果、土壌の排水性が悪くアスパラガス栽培に適さないほ場については、生産者、農協指導員と話合いを行い、別ほ場の選定を行っています。
当課では、今後の新規定植者支援として来年春の定植に向けた栽培講習会を計画しています。アスパラ栽培に必要な資材、準備・作業の流れを理解してもらうことで、スムーズな定植に繋げることが目的です。また、今年度から取り組んでいる若手生産者グループの勉強会にも勧誘し、体系的な栽培技術面の指導も行っていきます。
部会、JA、普及・振興課が一体となった支援を続けていくことは、栽培技術の向上だけではなく、新規就農者の受け入れ体制の強化・拡充にもつながり、将来的な担い手の確保、産地の維持が期待されます。

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