熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

このエリアに関するお問い合わせはこちら

県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2025年4月

new

食の名人が小学校・高校へ出向き食の技を伝承

令和6年11月から令和7年2月にかけて、今年度も管内のくまもとふるさと食の名人(以下、「食の名人」という)のべ10名がおせち料理やいきなり団子、デコ巻きの伝承授業(全6回)を行いました。
この取組は、若い世代に郷土料理を継承することを目的としており、熊本農業高校では、4品の料理(辛子蓮根、赤飯、いきなり団子汁、紅白なます)を、熊本中央高校、第一高校ではデコ巻き(断面に図柄を描いた飾り巻き寿司)を作りました。
また、山本小学校では、1・2年生が自分たちで栽培したさつま芋を使って、いきなり団子と茶巾絞りを作りました。
授業を終えた生徒からは、「家族と一緒に自分でも一緒に作ってみたい。熊本の伝統的な料理を自分達も引き継いでいきたい」との感想が聞かれました。
生徒たちにとって有意義な授業となるように、高校や小学校側とレシピ検討等の事前打合せや、食材の準備方法や指導方法を「食の名人」と臨機応変に打ち合わせるなど、農業普及・振興課が学校と名人の間に立ったことでスムーズな授業に繋がりました。
今後も、郷土料理の伝承推進に向け、「食の名人」全員が活躍できるようサポートするとともに、「食の名人」同士の技術向上、後継者確保にも努めてまいります。

2025年4月

new
収穫を待つトルコギキョウ
5月出荷用のほ場

春出荷向けトルコギキョウの現地検討会開催 ~市場と二人三脚で需要期の安定出荷を目指す~

令和7年2月21日(金)JA熊本市トルコギキョウ部会(4戸)は、主要取引5社を招き春の需要期に向けた販売対策会議を兼ねた現地検討会を開催しました。
当部会では、トルコギキョウを270a栽培し(令和6年産冬春花き生産販売対策会議資料「熊本経済連主催」)、関東・関西地域へ出荷しています。円安傾向のなか海外(主に台湾)からの輸入が大幅に減少しており、国内生産量の少ない冬春期の需要は旺盛であり、トルコギキョウの需要は供給を上回る状況にあります。
現地検討会では産地側から現在の生育状況や出荷の見通し等について説明を行い、現地検討会後の販売対策会議では市場から3月以降の他産地の出荷傾向や需要の見通しについて情報提供され、今後の販売について意見交換を行いました。
当部会では適切な温度管理や肥培管理に取組み、定期的に現地検討会や販売対策会議を開催しています。また、部会員と市場との意見交換を重ね出荷物の品質確保や適期出荷にも取り組んでいます。花型の中心は需要の大きい大輪系で、白、ピンク、紫、ラベンダー等冠婚葬祭のいずれにも使える花色を栽培しています。また、今年度は従来からの課題だったフザリウムによる立枯病対策として低濃度エタノールを使った土壌還元消毒に取組み、発生割合を40%から5%まで引き下げることができました。
農業普及・振興課では引き続き、トルコギキョウ生産が安定して行えるよう、生産者への技術的な支援を進めていきます。

2025年4月

new
研修園の視察
室内研修の様子

果樹産地の担い手確保に係る先進地視察研修を開催

「果樹産地推進協議会」※では、令和6年度から「担い手育成・確保部会」を設置し、果樹産地の新たな担い手育成・確保の体制づくりに取り組んでいます。2月18日から19日にかけて、より効果的な体制構築の参考とするため、愛媛県のJAにしうわ、農事組合法人笑柑園ナカウラを視察しました。JAにしうわやナカウラの担当者から研修システムや取り組まれている活動を通しての課題なども伺いました。
愛媛県においては、収穫時期の労働力不足を補うために、全国から収穫アルバイトを募集しています。JAにしうわでは、廃校や閉園した保育園などの休遊施設を、収穫アルバイトや研修生などが利用している事例について話を伺いました。熊本市河内地域には廃校があり、現在その活用について関係機関で検討を進めています。今回伺った休遊施設の運営事例は非常に参考となるものでした。
当課では、担い手の新たな確保・育成について、引き続き関係機関とともに対策を検討していきます。

※「産地推進協議会」:生産者、JA、市、県央広域本部などの関係機関で構成

2025年4月

new

果樹産地アンケートを基に担い手確保に向けた聞き取り調査 を実施

生産者、JA、市、県央広域本部などの関係機関で構成する「熊本市果樹産地推進協議会」では、今年度5月に「担い手育成・確保部会」を設立し果樹産地の維持に向けて取り組みを進めています。
今年度の6月~7月にかけて実施した「熊本市果樹産地の未来を考えるためのアンケート調査」(管内果樹生産者約900戸対象)では、労働力不足や10年後柑橘生産面積の減少見込みなどが示唆され、産地規模の縮小が懸念される結果となっています。
今回、担い手育成・確保部会では、担い手の減少に歯止めをかけるべく、アンケートで得た回答の内「新規就農者への技術指導が可能」かつ「園の拡大もしくは縮小意向」を有する回答者を主な対象として、2月上旬に個別聞き取り調査を実施しました。この調査では、拡大意向の生産者に対しては、今後の面積拡大の見込みや法人化の考え等について、縮小意向の生産者に対しては、縮小・離農時期やほ場、設備、機械等の譲渡可否等について聞き取りを行いました。特に縮小意向については、個別の園地条件(品種・収量・作業性など)も確認しています。
今後は縮小見込み園の現地確認も行い、新たな担い手が短期間で営農基盤の安定を図ることができるよう、継承候補となる園地リストを整理する予定です。
次年度は果樹産地構造改革計画の更新年にあたり、当協議会では併せて担い手確保への産地ビジョン策定も計画しています。農業普及・振興課では、現在の担い手の営農継続支援と将来的に不足する担い手の新たな確保・育成について、引き続き関係機関と共に対策の検討を進めていきます。

2025年3月

new

熊本市内の女性農業者合同研修会「名人の食の技学ぶ」

令和7年1月8日、女性農業者間の交流を深めるため、くまもとふるさと食の名人と営農生活研究グループの女性農業者を対象に合同研修会を開催し、
26名の参加がありました。
研修では、からし蓮根で食の名人の認定をされ、高校でも御指導いただき、また、直売所等で販売もされている金子雄子さんに、「からし蓮根」や「蓮根料理2種」の実技指導をしていただきました。蓮根の調理内容に合う節の部分やからし蓮根の調理ポイントなど説明していただき、皆、熱心に教わっていました。
参加者は、日頃から食の伝承活動等に取り組んでおられますが、からし蓮根も指導できるようになろうとコツなどを改めて習い、「貴重な経験で、再認識ができた。」と喜ばれていました。
また、食の名人の新規認定者の紹介や料理披露、女性活躍表彰で県知事賞を受賞された杉本純子さんの事例発表も行い、お互いの活動等の情報交換もでき、盛りだくさんの内容で充実した時間を過ごせました。
多忙な女性農業者ですが、当課では今後も、新たな連携や活動の展開につながる取組を進めていきます。

2025年3月

new
講習会の様子
令和7年産の防除暦について説明する

令和7年産のナシ生産に向けて講習会を実施

熊本市西区河内町の芳野地区では、温州みかんとの複合経営の一品目としてナシ栽培も行われています。令和7年産ナシ生産の新たなスタートの前に、芳野地区のナシ生産者を対象にしたせん定講習会を1月7日に開催しました。
講習会では、現地と座学での指導を行いました。現地では、普及指導員がせん定の基本的な考え方を説明しながら実演し、その後、参加者全員で樹一本のせん定を仕上げました。座学では、薬剤耐性菌の発生しにくい防除の考え方、着果安定のための授粉対策などについて説明しました。参加者は、互いのせん定の考え方について意見交換を行い、質疑応答では発生の多い病害への対策などの質問があり、令和7年産への意欲の高さが伺えました。
また、1月10日にはJA熊本市ナシ部会員を対象に、暖冬における発芽確保を見据えたせん定方法について研修会を開催し、近年問題になっている気象変動に対応した管理の必要性について部会内での意識共有を図りました。
当課では、今後もナシの安定生産に向けて栽培技術指導・支援を継続していきます。

2025年3月

new
ツマジロクサヨトウの被害(R6.9.24撮影)
子実とうもろこし収量調査(R6.12.17撮影)

子実とうもろこし二期作の取組み

熊本市管内では飼料自給率の向上及び飼料価格の高騰対策として、R4年度から養豚・養鶏農家において子実とうもろこしの生産・利用拡大に取り組んでいますが、養鶏農家では昨年度から二期作にも取り組んでいます。
本年度の夏作は春作収穫後の8月中旬に播種し、12月下旬に収穫が行われました。昨年と同様の2.2haの面積で収穫でき、全体収量は4,356kgとなりました。
平均単収は、春作では昨年の458kg/10aから今年は524kg/10aと伸ばすことができましたが、夏作では197kg/10aと昨年度と同程度の結果となりました。今年度は、成熟期間を確保するために夏作の播種時期を昨年より1週間程度早めるなどの対策を行いましたが、帰化アサガオ等の雑草やツマジロクサヨトウの被害が大きく、また、イノシシの被害もあったことから、収量が伸びなかったと考えられます。
今後、単収を上げるためには、これらの防除をより徹底し、併せて夏作に適した品種の検討を行うなどの対策を行う必要があります。当課としても継続して支援を行っていくことにしています。

2025年2月

講習会の様子(2024.12.4)
摘花の実演(2024.12.4)

高温に負けない!収量向上を目指して ~「ゆうべに」摘花講習会を開催!!~

JA熊本市白浜苺部会は、部会員数17名で、栽培面積は「ゆうべに」が約5.3ha、「恋みのり」が約1.1ha、合計約6.4haのイチゴを栽培しています。
「ゆうべに」は、花芽分化が早く、早生性を有する品種で、年内収量を確保しやすい特徴があります。しかしながら、過度な着果負担により、成り疲れを引き起こし、収量が減収する場合があるため、第2花房出蕾時の摘花管理が必要です。
そこで当課では、成り疲れ防止による収量向上目指して、部会員を対象に、12月4日に摘花講習会を開催しました。当日はご夫婦での参加も多く、約30名集まりました。
今年は、秋季の高温の影響で、第2花房の出蕾が遅れているほ場が散見されている状況です。この状況を踏まえて、講習会では資料と実演で、今年の花芽分化や花数の傾向をもとに、通常は頂花房を11~12果程度残すところ、果数確保のために頂花房を12~15果残す必要があることを説明しました。生産者からは「1.5番花(花房間葉数2枚以内で分化した花房)は摘花するのか」、「収穫や管理作業で忙しい場合の摘花基準はあるか」といった質問が多く、摘花の重要性について理解を得られました。
今後定期巡回を通して、生産者の実情に応じたアドバイスを行うことで、収量向上につながるよう支援していきます。

2025年2月

自動運転トラクターの実演
ICT建機による施工の実演

熊本農業高校における農業土木技術者の育成に向けた取組み ~スマート農業機械を間近で体験~

県央農林部では、農地整備課を中心に熊本農業高校生(農業土木科)に対し、技術力向上等を目的とした連携授業を平成27年から実施しているところです。
今後の農業は、担い手の減少やスマート農業、DX技術等の進展により、超省力、効率化生産へ移行することが予想されていますが、それらの技術導入・普及のためには、スマート農業技術に対応できるほ場整備等の生産基盤整備が必要です。令和6年度は2・3年生にスマート農業に関する講義やICT施工の実演がこれまで2回実施されています。
今回は3回目として、12月18日(水)に農業土木科2年生及び1年生の80名を対象に、スマート農業に関する授業を実施しました。当課からは農機メーカー協力のもと、自動運転トラクターの自動運転を実演し、担い手不足等の課題と併せてスマート農業技術の導入の必要性やほ場の大区画化及び機械に合わせた整備の重要性について啓発を行いました。農地整備課からは実際の工事現場を活用したドローン測量やICT建機による3Dデータを基にしたICT施工の実演が行われました。
農業土木科の生徒は非農家の生徒が多く、自動運転トラクターが動いているところを間近で見学できる希少な機会となり、「作業時間や価格はどれくらいか」、「県内には何台あるのか」といった質問や「今回の経験を将来の仕事で活かしたい」とのコメントがありました。
当課では、継続してスマート農業技術の導入に向け取り組んでいきます。

2025年2月

新規就農者等研修・交流会を開催 ~少人数ながら盛り上がりに手応え~

当課では、熊本市やJA等と連携して新規就農者の支援策を実施していますが、その中で営農に役立つ情報や交流の機会を求める声が新規就農者から聞こえていました。
そこで、就農後おおむね5年以内の新規就農者を対象に、12月6日(金)防災センター3階会議室において新規就農者等研修・交流会を開催しました。LoGoフォームを用いた募集を行ったところ、当初10名の参加申込みがありましたが体調不良等で3名が欠席となり、JA熊本市の就農研修生2名も含めて当日は9名の参加となりました。
研修会では、農業革新支援センターの児玉参事に「知って得する病害虫対策の基礎知識」と題して講演をいただき、参加者からも活発な質問が出ていました。その後に関係機関を含め10名ずつに分かれてフリートークの交流会を行いましたが、予定時間を超えて色々な話が飛び交い、会の終了後にも各所で連絡先を交換したり質疑応答を交わしたりしている姿が見られました。
研修後のアンケートでも、「参加して良かった」、「定期的にまた開催して欲しい」などの意見がほとんどで、有意義な研修交流会になったと思われます。
参加者数が少なかったことは今回の反省点となりましたが、より参加しやすい時期や関心の高い内容等の工夫をして開催するなど、今後とも関係機関と共に新規就農者へのフォローアップ対策に取り組んでいきます。

2025年2月

熊本市青年農業者会議を開催

熊本市青年農業者クラブ連絡協議会は、令和6年12月13日に熊本市青年農業者会議を開催しました。青年農業者の主張部門2名、プロジェクト活動部門4名の計6名が発表し、県大会発表には5名が選出されました。
主張部門では、農業を継ぐ意思がなかったが、環境の変化により就農を余儀なくされたクラブ員が農作業の中で見出したやりがいや、農業大学校を卒業したばかりのクラブ員が実際の営農活動を通じて感じた事など、新しく農業に取り組む新鮮な気持ちや今後の意気込みが発表されました。
また、プロジェクト部門では、経営移譲を受けたクラブ員による経営状況の分析、ナスの収量確保と作業時間削減の両立を目的とした疎植栽培、小玉スイカの直販による収益確保、4Hクラブ員の減少を止めるための試みについて発表が行われました。
クラブ員は主に9月から12月の間、生産管理に追われながらも計4回の検討、2回の発表準備を経て本番に臨みました。審査員からは、各発表に対して資料の改善や取り組みの深化等に係るアドバイスをいただき、発表したクラブ員以外も含め、今後のプロジェクトにどう取り組んでいくか考える良い機会となりました。
農業普及・振興課では2月開催の県大会に向けて、そして更なる営農改善に向けて4Hクラブ員が積極的に活動していけるよう、支援を継続していきます。

2025年1月

みかん栽培についての座学
糖度計を使ってみかんの糖度を測定

子どもたちへみかん栽培の魅力を発信する食育講座を開催

農業普及・振興課では、子どもたちが地域や農業への関心を持つきっかけとするために、熊本市河内町のみかん栽培に関する食育講座「河内みかん物語~おいしいみかんができるまで~」の開催を支援しています。本取組は、生産者の1年間の仕事の流れやみかん栽培の工夫についての座学、みかんの樹の観察や収穫体験を行う全3回の講座です。本年は熊本市内から3家族10名が参加しました。
11月10日に開催された3回目の講座では、収穫されたみかんが出荷されるまでの様子やみかんに含まれる栄養素を説明した後、収穫体験を行いました。子どもたちは前回観察したみかんとの大きさの違いに驚きながら、一つ一つ丁寧にみかんを収穫する様子が見られ、講座を通して生産者の苦労や思いを伝えられたと感じました。質問コーナーでは、子どもたちだけでなく保護者からもたくさんの質問がでてきて、農業への関心を高める講座にできたと思える取組となりました。
当課では、地域農業への理解を深めるために、子どもたちへ河内地域とみかん栽培の魅力を引き続き発信していきます。

もっと過去の普及現地情報についてはアーカイブで年を選択してください。

エリアカテゴリ