熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2024年12月

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大豆新品種「フクユタカA1号」の現地検討会を実施

令和6年10月21日、(農)秋津営農組合の大豆ほ場でJA熊本市管内(大豆作付面積約140ha)の大豆生産者を対象に、大豆新品種「フクユタカA1号」の収穫前の生育状況に係る現地検討会を実施しました。当課管内では約650haの大豆が作付けされており、「フクユタカA1号」は難裂莢性(莢がはじけにくい特性)を持つことで収穫適期幅が従来品種より長く、大豆の作付面積が拡大する大規模法人等で収量向上に資することが期待されています。
当日は(農)秋津営農組合の生産者をはじめ、県内大豆種子の約9割を生産する健軍大豆種子部会の部会員(8名)など約20名を参集し、当課から農業研究センター発表の「農業の新しい技術」を基に難裂莢性や大粒比率がやや高いこと、遅播きした場合に青立ちが多いことなど当該品種の特性を紹介した後、JA熊本市から過年度の展示ほ結果について報告がありました。
次に、本年産の生育状況を確認するため、(農)秋津営農組合の試験栽培展示ほ場にて生育量の違いや着莢状況の観察を行いました。ほ場を観察した生産者からは、「『フクユタカ』より草丈が高い」、「今年8月の少雨のわりには着莢が良い」といった意見が聞かれました。
当課では引き続き、生育状況の調査や生産物の収量・品質の調査により地域適応性を評価し、管内の品種転換に向けて支援を行っていきます。

2024年12月

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果実外観調査の様子
大玉果実部門 優勝果実(707g)

植木町および鹿本地域のカキ「太秋」果実品評会開催!

JA鹿本カキ部会(部会員48名)のカキ「太秋」果実品評会が、令和6年10月23日(水)に部会員相互の生産技術向上による「太秋」の銘柄確立ならびに部会発展を目的に開催されました。
夏季の高温の関係で、成熟が例年より10日ほど遅延気味だったにもかかわらず果実品質部門に19点、大玉果実部門に11点の出品があり、外観、果形、糖度等について審査が行われました。今年は、高温乾燥、カメムシの多発等カキ栽培にとっては厳しい環境でしたが、出品された果実はどれも高品質で、こまめな樹体管理や防除等の生産努力が感じられました。大玉果実部門優勝は、707gの果実で、一般的な果実の約2倍の大きさがありました。果実品質部門最優秀賞を受賞された生産者は、R5年産に引き続き2連覇されました。
今年産「太秋」は、成熟期後期の多雨による汚損果注1)発生が多い中、新梢管理や通風改善などの基本管理を徹底して外観が美しく食味の良い大玉果を安定して生産される方もあり、今後も当課としては、講習会等をとおした栽培技術の指導により、高品質かつ安定生産に向けた取り組みを支援していきます。

注1)汚損果とは、樹上または収穫後の果実の表面が黒変するもの。黒変は果皮のみに発生し、剥皮すると普通のカキと変わりはないが、外観が悪いので商品価値が著しく低下する。

2024年12月

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熱心に研修を受ける参加者

新たな果樹担い手の確保に向けて先進事例を探る ~農業法人による果樹産地維持の取組みを研修~

生産者と関係機関で構成する「熊本市果樹産地推進協議会」では、今年度から果樹産地の維持に向けた取組みを進めており、その参考とするため10月30日(水)に福岡県行橋市の「(株)ふるさぽ新田原(しんでんばる)」を訪れて事例調査研修を行いました。
当日は偶然にも芦北地域との合同研修となり、熊本地域からはJA熊本市、熊本市、県央広域本部の11名の参加でしたが、(株)ふるさぽ新田原の役員の方と京築普及指導センターから、果樹産地では珍しい地域ぐるみ型農業法人の設立による産地維持の取組みについて詳しく話を聞くことができました。
新田原は、栽培面積25haのイチジク等の落葉果樹産地で、果樹部会員86名のうち70歳以上が8割を超えています。このため平成28年に定年就農者等の比較的若い生産者が高齢生産者のせん定作業等を受託する「果樹サポート部」を設立。利用者からのニーズ拡大とサポート部の労力不足等に対応するため、令和5年3月に(株)ふるさぽ新田原が設立されました。
研修では参加者から熱心な質問が相次ぎ、(株)ふるさぽ新田原の運営や受託作業の状況、新規就農者への樹園地継承の取り組み、普及組織による園地マップ整備支援等、産地の維持に向けて大変役に立つ話を伺うことができ、貴重な機会となりました。
当課では、現在の担い手の営農継続支援と将来的に不足する担い手の新たな確保・育成について、引き続き関係機関と共に対策を検討していきます。

2024年12月

出荷協議会
極早生みかん出発式

お待たせしました!令和6年産夢未来みかんの出荷はじまります

JA熊本市果樹部会柑橘部会では、9月6日に令和6年産夢未来みかん※1出荷協議会を開催しました。協議会では部会員、取引市場関係者、業者など約400名が参加のもと、本年産夢未来みかん18,400tの販売計画について説明され、部会員一丸となって仕上げ対策を徹底していくことが確認されました。
そして、9月13日に「夢未来みかん」のトップバッターである極早生みかん「肥のあかり」の初売りが行われ、本年産温州みかんの販売が始まりました。本年産は、早生~普通温州で着花がやや少なかったものの、生産者による着果確保対策の取組やマルチの設置やフィガロン乳剤※2散布の実施徹底により糖度は平年より高く高品質に仕上がり、昨年を上回る価格で取引され、好調な出だしとなりました。今後は、早生・中生・普通温州をリレーしながら2月まで出荷が続きます。今後も農業普及・振興課では、講習会や調査活動などを通じて高品質かつ安定生産に向けた取組を支援していきます。

※1「夢未来みかん」:JA熊本市果樹部会柑橘部会で生産販売を行っている柑橘のブランド。
※2 フィガロン乳剤:柑橘類などで品質向上効果がある植物成長調整剤。

2024年12月

地域営農法人の経営安定を目指して ~従業員雇用に向けた意見交換会を実施~

熊本地域では、本年度から管内地域営農法人の経営安定を重点課題に位置付け、経営支援や大豆の栽培支援に取り組んでいます。
今回は取組の一環として、令和6年9月25日に管内3法人((農)アグリ郷おおい(植木町 R2設立)、(農)吉松グリーンファーム(植木町 R5設立)、(農)火の君とよだ(城南町 H30設立))を参集し、今後の労働力不足対策を目的とした従業員の雇用に係る意見交換会を実施しました。
まず、(農)火の君とよだ代表理事の岩永氏から、経営の概要や労働力不足から法人設立後3年目に従業員を雇用したことについて説明いただき、意見交換をスタートしました。植木町の2法人からは、厚生年金や雇用保険などの社会保険料に関することや従業員の昇給の仕組み、既存の組合員との作業分担など具体的な内容について質問があり、活発な議論が行われました。さらに(農)火の君とよだの従業員からは、入社当時に感じたことやほ場管理システムについて被雇用者側の貴重な意見をいただきました。
今回、同規模の地域営農法人が集まったことで、法人間ではより具体的な議論が交わされ、今後の法人運営の参考になる意見交換会となりました。
当課では引き続き、地域営農法人の経営安定に向けて支援を継続していきます。

2024年12月

野口氏の園地にて
木之内氏の講話

女性農業者の活力に期待!農業経営同友会研修会の開催

令和6年9月2日(月)に、植木町農業経営同友会(以下、同友会)がコロナ禍以降数年ぶりに視察研修会を実施し、農業コンクール歴代参加者のほか農業女性アドバイザー、女性農業委員等地域のリーダー約30名が参加しました。
「女性のパワーが大事!」という同友会会長の熱い思いから、今年度は地域の主要な役職を担う女性農業者7名が新たに会員となりました。その波及効果で、これまで参加が少なかったベテラン会員も復帰し、当日の出席者の約半数は女性会員が占めました。
研修のテーマは「絆をつなぐ」。後継者や次世代へ農業をつないでいく事例として、上益城地域の「お茶ののぐち」の野口拓哉氏、(株)藤木牧場の藤木陽子氏、東海大学臨空キャンパスの木之内均キャンパス長3名の取組み事例を紹介いただきました。資材高騰や気候変動などの厳しい状況の中でも、農業を次世代につなげていく方策を前向きに検討し行動されていることに感銘を受け、帰路の車中では「私たちもがんばらんといかん!」と盛り上がりました。
農業普及・振興課としては、今後も引き続き同友会の活動を支援していきます。

2024年12月

熊本市の果樹産地の担い手育成・確保に向けて ~生産者と関係機関で現状と課題を共有~

生産者、JA、市、県央広域本部などの関係機関で構成する「熊本市果樹産地推進協議会」では、今年度「担い手育成・確保部会」を設立し果樹産地の維持に向けて取り組みを進めています。
今回、管内全果樹農家(約900戸)を対象に、10年後の園の将来像についてのアンケート調査を実施し、その結果を9月12日に開催された協議会総会で報告しました。10年後の生産者の平均年齢の上昇や温州みかん栽培面積の縮小(共に推計)、労働力不足など厳しい予想を示すことになりましたが、より一層担い手育成・確保の必要性を認識してもらうことができました。一方で、規模拡大意向や新規就農者にみかんづくりを教えてもよいとする生産者も多数いることがわかり、産地維持に向けて明るい兆しも感じられました。
農業普及・振興課では、現在の担い手の営農継続支援と将来的に不足する担い手の新たな確保・育成について、引き続き関係機関と共に対策の検討を進めていきます。

2024年10月

収穫前の子実とうもろこし(R6.7.18撮影)
子実とうもろこし収量調査(R6.7.26撮影)

子実とうもろこしの生産拡大進む

熊本市管内では飼料自給率の向上及び飼料価格の高騰対策として、R4年度から養豚・養鶏農家において子実とうもろこしの生産・利用拡大に取り組んでおり、本年度の春作の作付面積も昨年度の5.5haから12.2ha(前年比222%)と大きく拡大しました。
8月上旬には養鶏農家による収穫が行われ、一部、湿害による発芽不良やカラス及びイノシシの被害により収穫できないほ場がありましたが、収穫できたほ場での平均単収は524kg/10aとなりました。単収については、まだ伸ばす必要がありますが、昨年度の458kg/10aを上回ることができ、当課の坪刈調査では1,000kg/10aと平均単収を大きく超えたほ場もありました。これらのことは昨年度の結果を踏まえた、適正な堆肥の散布量や植栽密度、雑草防除の徹底等の対策を行った成果だと思われます。
今後、排水対策や鳥獣害対策が課題となっており、春作収穫後すぐに夏作を作付けされていることから、当課としても対策を検討し、更なる収量増を図るため継続して支援を行っていくことにしています。

2024年10月

アリウムの貯蔵切り花の取組み~出荷ピークをずらして農家経営の安定を図る~

JA熊本市西部花卉部会(4戸)では、ジャパンフラワー強化プロジェクト推進事業(国)を活用して令和6年5月から低温管理下でジベレリン吸収後低温貯蔵して6、7月に出荷する試みを行っています。
これまでのアリウムの出荷は3~5月に集中し、単価下落や作業が集中する問題がありました。しかし、オランダ、中国など、海外需要の高まりもあり、1~2月出荷作型の拡大や切り花の貯蔵による6月以降の出荷期間拡大など、出荷ピークの分散が求められてきました。
このため、令和4年度には1~2月出荷作型へ挑戦し、次いで今年度は「丹頂」切り花の長期貯蔵技術に取り組みました。併せて消費地市場(大田花き、フラワーオークションジャパン)との意見交換を行い、市場に到着した時の開花が進みすぎていたなど、品質上の課題が明らかになりました。一方、海外輸出向けのアリウム切り花の需要が高いことから1、2月出荷に重点を置き5月一杯までしっかりと出荷していただきたいとの要望が市場側から出ました。
農業普及・振興課では、令和6年産以降のアリウム生産について出荷の前進化を主体とした技術的な支援を進め、農家経営の安定を図っていきます。

2024年10月

個人面談の様子
生産者の出荷データ

いちご個人面談会を開催!! ~更なる収益向上を目指して~

JA熊本市白浜苺部会(部会員数17名)は、河内町白浜地区を中心として約6haの作付けがなされており、部会平均の収量が高く、いちごの生産力が高い部会となっています。
当課では、県育成品種「ゆうべに」の導入以降、毎年、前作の生産上の課題を振り返り、次作の収益向上を図ることを目的に「個人面談会」を開催しています。 
本年は新たに、生産者の出荷実績等をグラフ化することで、生産者が抱えている課題や、理想とする出荷体系の実現に向け、次作への対策を話し合いました。
生産者からは、「年内だけでなく、春先にもう少し収量を伸ばしたい。」といった生産上の課題や、「着実に出荷量が伸びているので生産面積を増やしたい。」など前向きな意見も聞かれました。
今後は、今回の面談により明らかとなった課題の解決と収益向上に向け、引き続き支援を実施して参ります。

2024年10月

熊本市青年農業士総会開催

令和6年8月23日(金)、防災センター会議室において、熊本市青年農業士協議会総会が開催されました。熊本市青年農業士協議会は、天明、飽田、中央、北部河内の5支部20名で構成されています。協議会は、熊本県青年農業士として県央広域本部長から認定された者で組織され、満40歳以下の青年農業士を対象としています。
総会には会員11名が参加し、昨年度の活動実績・決算、今年度の役員、今年度の活動計画・予算について検討され、議案はいずれも承認されました。
また、総会後の研修会では、「農業分野における労働の確保について」株式会社タイミー スポットワーク研究所 地方創生グループの出竹絵美里氏より、熊本県内の活用事例等を交えながらお話をいただきました。会員からは、自分の経営での活用方法等、熱心な質問や意見もあり、有意義な研修となりました。また、当課からは熱中症対策や無登録農薬使用注意などの情報提供を行いました。
当課では、引き続き、青年農業士の活動を支援していきます。

2024年10月

熊本市青年農業者クラブ視察研修の開催~鳥獣害対策を学ぶ~

熊本市4Hクラブでは、8/26(月)にジビエファーム(運営:㈱イノP、宇城市三角町戸馳)での視察研修を開催し、鳥獣害対策について学びました。
参加したクラブ員7名のほ場でも、スイカがアナグマに被害を受けたり、ハウス菊がイノシシに荒らされるなど、鳥獣害が身近な課題となっています。
今回の研修では鳥獣害対策の基本的な考え方、捕獲センサー等IoTを活用した箱罠の設置・運用手法やジビエ加工処理施設の運用について学びました。また、昼には三角町で捕獲されたイノシシのジビエカレーを試食しながら、㈱イノP代表の宮川将人氏に農家ハンターとしての取組みや自身が経営する㈲宮川洋蘭の経営、今後の展望についてお話を伺いました。
そして、鳥獣対策の研修後にはクラブ員のミニトマト、キュウリほ場(熊本市南区城南町)を訪問し、その栽培状況について活発な意見交換がなされました。
今回の研修では、クラブ員間の交流も深めつつ、これから自分の地域を鳥獣害から守るために、主体的に何をしていくべきかを考える良い機会となりました。
当課では引き続き、青年農業者が抱える課題の主体的な解決に向けた各種の取組みについて、しっかりと支援していきます。

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