熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2025年11月

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組織の垣根を越えた農業女性の交流を! ~女性農業者「夏の交流会」~

熊本市地域には、市の認定農業者女性組織、3つのJA女性部、植木町同友会、営農生活研究グループの他、県知事が認定する農業女性アドバイザーや指導農業士など様々な女性農業者が活動されています。
8月20日(水)北区植木公民館で、初となる女性農業者「夏の交流会」を開催したところ、組織の垣根を越えて30人近い参加者が集まりました。
まずは、当課の倉岡参事から「小規模企業共済」について説明。自らが計画的に20年積み立てておくことで、法人でなくとも農業を引退する時に退職金が受け取れることを理解してもらいました。
次に、ヨガ講師でもある新規の農業女性アドバイザーからストレッチの手ほどきを受け、忙しい農作業の中でも自分自身で心身の調子を整えていくことを学びました。
さらに、もう1人の新規農業女性アドバイザーを講師に地元産品であるすいかやいちご等の冷凍果実を使ったスムージーづくりに、参加者は大満足。「比較的時間が取れる夏場なら交流ができる。また来年も何かやりたい」という感想が述べられました。
当課としては、年間を通して多忙な女性農業者の方々にも、メリハリのある活動を通じて、交流と研鑽の機会を積極的に提供してまいります。

2025年11月

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分析と講習会でデコポン生産を支援!

加温栽培された不知火類の中でも、贈答用として高い人気を誇る「デコポン」は、一定の品質基準を満たした果実だけに与えられる称号です。強い甘みとほどよい酸濃度味、そして特徴的で美しい外観が魅力で、9月以降から徐々に品質が上がり、収穫の時期を迎えます。
今年の加温栽培不知火類は、例年以上に酸濃度が高い状況でスタートしたため、夏季の減酸を最優先課題と位置づけ、関係機関と連携して、かん水や摘果管理などに関する講習会を随時開催。高糖・低酸濃度の高品質果実に向けた技術指導を進めました。さらに、生産者が自らの園地の酸濃度状況を把握できるよう、例年にはない7月の一斉分析を実施。その結果、8月の定期一斉分析では順調な減酸が確認され、生産者が例年以上にかん水に取り組んでいることが明らかになりました。しかし、依然として酸濃度が高い状況であったため、8月12日に再度講習会を開催し、「9月以降の仕上げに向けた最終時期!」と題して、かん水の重要性を改めて周知しました。この取り組みにより生産者の現状把握への意識がさらに高まり、講習会後には追加の一斉分析も実施。例年8月、9月の2回だった一斉分析が4回に増え、生産者の高品質果実への意欲を大きく後押しする結果となりました。
今後は、目標とする酸濃度に達成した後、雨水の流入を防ぐことが重要な課題となります。8月の講習会ではビニル被覆やシートマルチの設置など、糖度向上に向けた意識も着実に醸成されています。令和7年産の「デコポン」収量増加を目指し、当課では今後も関係機関と協力しながら生産者への技術支援を強化してまいります。

2025年11月

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白浜分校の活用案発表会・意見交換会を開催

平成30年に閉校した河内小学校白浜分校(以下白浜分校)の活用を目指し、熊本県立大学と農業普及・振興課等の関係機関が連携し、令和7年度「地域連携スタートアップ事業」に取り組んでいます。
去る9月4日に、県立大学都市計画研究室(以下県立大)による活用案発表会と、地元農業者等による意見交換会(以下ワークショップ)を実施しました。
学生たちは、6月に実施した現地見学・地元との交流会を通じて情報を収集し、それぞれの個性を生かした3つの活用案を発表しました。もともとはみかん収穫時期の雇用者向け宿泊拠点等に廃校を利用している愛媛県の事例を県立大へ紹介していましたが、さらに防災拠点としての役割や子育て・観光との連携を活かした案など、若い世代ならではのフレッシュな活用案が発表されました。
その後のワークショップでは、玉名・荒尾地域のまちづくりに携わっているアドバイザーの方々も参加され、「地元住民のたまり場」や「高齢者向け福祉施設」など、自由なプランが提案されました。最後は自治会長の「まずは地元住民で草刈りから始めよう」との前向きな意見で締めくくられ、今後につながる第一歩となりました。
今後は、白浜分校を拠点とした収穫体験会と取りまとめ報告会を予定しています。農業普及・振興課では、少しずつ盛り上がってきた地元の取り組みを引き続き支援していきます。

2025年11月

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4Hクラブ会長の経営紹介
交流を目的とした意見交換会

4Hクラブと連携し、新規就農者研修・交流会を開催!

県央広域本部農業普及・振興課では、熊本市やJA等と連携して新規就農者の育成に向けた支援を実施していますが、新規就農者との面談や巡回時に「資金繰り」など経営に関する課題があるとの声が多く聞かれていました。
そこで、就農後おおむね5年以内の新規就農者を対象に、8月6日(金)熊本県防災センターにおいて経営力向上を目的とした新規就農者等研修・交流会を開催したところ、15名の参加がありました。
研修会は3部構成とし、1部は先輩農家の経営紹介と当課の倉岡参事から資金繰りや青色申告書の活用策等の講話。2部は参加者間の交流を目的とした意見交換会、3部は情報交換会としました。
今回の研修会は、4Hクラブと連携して開催することができました。4Hクラブ会長の経営紹介、4Hクラブの活動状況紹介及び意見交換会でのアドバイス等積極的に協力してもらったので、充実した研修・交流会になりました。
参加者からは、「経営状況を見直すきっかけになる」、「時間が足りなかった」、「定期的に開催してほしい」などの意見がったことから、当課では新規就農者の技術力と経営力の向上につながる支援を継続していきます。

2025年11月

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研修会の様子

みかん産地の労働力確保を学ぶ研修会を開催

熊本地域では、全国的に有名なみかん産地である河内地区を中心に、関係機関と連携し新たな担い手の育成・確保に取り組んでいます。
令和6年度に実施した「果樹産地の未来を考えるアンケート」結果から、繁忙期の労働力確保に不安を抱える農家が多数あることがわかりました。
そのため、河内地区認定農業者協議会の協力のもと令和7年8月29日に河内公民館において、「農業人材確保と農福連携の取り組み」と題した研修会を開催しました。
労働力確保をテーマに、「外国人材」、「バイトアプリ」、「農福連携」、「産地ぐるみの期間アルバイター確保」について、それぞれ事例を紹介しました。
特に「農福連携」については、福祉施設と連携した果樹経営の労働力確保を実践している宇城市の青年農業者に講話いただきました。制度や手順、実施した感想などを具体的に話され、参加者は熱心に聞き入っていました。
働き手が高齢化していく中で、労働力確保については、農家経営や産地全体の喫緊の課題となっています。
現在、農業普及・振興課では労働力確保に係るアンケートも取りまとめています。この結果も踏まえ、今後も引き続き労働力確保に向けた方策等を情報提供していきます。

2025年11月

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個人面談の様子
生産者の出荷データ

いちご個人面談会を開催!! ~更なる収益向上を目指して~

JA熊本市白浜苺部会(部会員数18名)は、河内町白浜地区で約6haを作付けされており、収量が県の平均より高いことで知られています。
当課では、県育成品種「ゆうべに」の導入以降、毎年、前作の生産上の課題を振り返り、次作の収益向上を図ることを目的に「個人面談会」を開催しています。 
本年は昨年度に引き続き、生産者及び部会の平均出荷実績等をグラフ化し、両者を比較することで、生産者が抱えている課題や、理想とする出荷体系の実現に向け、次作への対策を話し合いました。加えて、当課からは、昨年度の高温による花芽分化遅延による対策として、「充実した苗づくり」、「花芽分化確認後の定植の遵守」の2点の徹底を周知し、生産者の意識醸成に繋げました。
生産者からは、「自分がどこで収量を落としているかわかりやすい」、「昨年の問題を改善し、収量増に繋げたい」などの前向きな声が挙がりました。
今後も、生産者の収益向上に向け、引き続き支援して参ります。

2025年11月

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暑さに負けない米作りを目指して

JA熊本市と当課は、令和7年7月22日から8月4日にかけ、延べ9回の水稲現地検討会を熊本市管内で開催しました。
近年、全国的な猛暑により米も影響を受けており、高温による収量、品質の低下が課題となっています。そのため、当管内でも安定的な収量、品質の確保へ向けた技術の普及が急務となっています。
検討会では、まず、JA熊本市の担当者から今後の管理について説明を行った後、当課から「収量・品質向上のために重要な穂肥のポイント」や「難防除雑草のナガボノウルシへの対策」を中心に説明しました。その後現地ほ場において、生育状況の確認を行い、払落しにより害虫の発生状況の調査を行いました。
生産者からは、穂肥や病害虫防除の具体的なタイミング、中干しの程度などについて具体的な質問が寄せられ、活発な質疑応答が交わされました。現在、コメ不足への懸念が高まる中で、生産者は意欲的に米づくりに取り組まれており、その姿勢からも稲作への真剣な思いが感じられました。今後も気象条件や病害虫の発生状況を踏まえた指導及び情報提供を行い、関係機関と連携して生産者の支援に尽力してまいります。

2025年11月

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熊本市果樹産地の担い手育成・確保に向けたワークショップ開催 ~10年後の理想の河内を実現するために~

令和7年7月17日、熊本市の歴史あるみかん産地である河内地域において果樹担い手育成・確保に向けたワークショップを開催しました。この取組みは、担い手不足や労働力不足など、産地が抱える課題解決に向けて産地でどのような取組みが必要か生産者が主体的に考えること目的に実施しました。
ワークショップの前段として、当課から熊本市果樹産地の未来を考えるためのアンケート集計結果を共有した上で、(株)みらいコンシェルジュの山浦代表取締役より、外から見た河内の魅力について講話をいただきました。その後河内の魅力を活かし、担い手不足や労働力不足解消へどう繋げていけるかをグループに分かれて話し合い、最後に各グループから出た意見を発表してもらいました。発表の中では離農予定園を地域間で共有する体制づくりや、外部の人にもっと河内を知ってもらうための情報発信が必要、また、生産者同士の知識、情報共有で生産性の向上を図るなど様々な意見が交わされ、有意義な時間となりました。
今後も、当課では関係機関と連携して、果樹産地維持のための担い手確保の取組み支援を継続していきます。

2025年11月

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相続について楽しく学ぼう!~熊本市指導農業士協議会総会&研修会~

熊本市指導農業士協議会(会長:西山力哉氏、23戸)は、農業大学校・農業高校などの農家派遣研修の受入れを中心に、会員同士の情報交換を盛んに行いながら、幅広く農業後継者の育成や地域農業の振興に尽力いただいています。
7月7日に今年度の総会を開催し、役員改選により、西川猛良氏から西山力哉氏へ会長を交代しました。総会終了後には、「難しいことをやさしく楽しく学ぼう」と行政書士を招き、相続について漫才形式で笑いを交えながら気楽に学びました。
関心の高いテーマだったため、講演終了後も次々と会員から質問が出され、予定時間を超えて応答がなされました。講師からも相続時に狭小農地は放置されたままで、その取扱いに専門家としても苦慮しているとの話も聞かれ、相続はその農家だけの問題ではないとの認識を共有できました。
当課としては、今後も指導農業士の交流をすすめながら、引き続き実のある実践活動を支援してまいります。

2025年11月

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熊本市4Hクラブ×熊本農業高校=熊農インターン ~高校生との交流会を開催~

熊本市4Hクラブは、毎年若手生産者が入会していますが、30代前後のベテランクラブ員が多数在籍し、若手クラブ員の割合が少ない状況です。
そこで当クラブではクラブ員の確保を課題とし、農業及び4Hクラブの魅力を発信するため、7月11日に熊本農業高等学校の学生を対象とした熊農インターンを開催しました。
インターンには、高校生17名、クラブ員6名、普及4名の計27名参加しました。
具体的には4Hクラブの紹介をした後、クラブ員、高校生及び普及員を交えて3グループに分かれて座談会形式で意見交換が行われました。
クラブ員からは農業のやりがい、自身の栽培品目及び経営について、自身の経験と感想を交えながら説明し、学生からは高校生活の悩みや就農に向けての準備すること等多くの質問があり、活発な意見交換が行われました。
インターン終了後、参加した学生からは「4Hクラブは若い人が多く新しく農家になりたい人に優しいクラブということを知ることができた」、「農家によって様々な考え方があって、とても勉強になった」、「4Hクラブにもとても興味が湧いた」等の感想がありました。
熊農インターンは、引き続き行われる予定であり、インターン終了後に実施した学生アンケート結果をもとに、次回の交流内容について高校側と協議する予定です。
当課では、熊本市4Hクラブを含む若手農業者育成の為の活動を引き続き支援して参ります。

2025年8月

芳野地区の豊かな恵みを思い出に! ~ふるさと食の名人が中学3年生へ食の技伝承~  

熊本市西区河内町の「くまもとふるさと食の名人」は、熊本市立芳野中学校3年生を対象に、毎年、郷土料理の実技指導を通じて、地域の農業や食文化を継承する活動に取り組んでいます。
きっかけは、県の委託事業等を活用した名人の活躍の場づくりでしたが、学校のカリキュラム変更に伴い、今の時期にボランティアとして実技指導を行っているそうです。
6月13日、3年生17名に「筍のちらし寿司、じゃがいもの照り焼き、キュウリのもろみ添え、梅ジュース」などの山の恵みあふれる芳野地区ならではの味を伝授。
2時間ほどかかって無事に4品を完成させました。
また、当日参加できなかった名人1人からは、サプライズで「みかん果汁入りカステラ」の差し入れがあり、中学生は美味しさに笑顔を見せていました。中学校生活の締めくくりを控え、学生は動画を自主制作しており、食の名人へのインタビューも撮影されるなど、両者にとって良い思い出となりました。
芳野地区でも核家族化が進み、自宅でちらしずしなどを作る家庭は珍しくなりました。当課としては、食の名人の活動を支援することで、地産地消や農業への理解活動の促進、ひいては、地域への愛着や誇りを育て、住民や出身者が自ら守っていく地域づくりを目指してまいります。

2025年8月

収穫直前のホオズキ :エスレルを500~1000倍で1~2回散布し着色させる。また、ほ場で葉落としを行っておく。
出荷査定会の状況 :各農家が3本程度持ち寄り選花・選別の目均しを行う。

7月盆向けホオズキ栽培の取組み

JA鹿本ではホオズキ生産(5戸うち植木町4戸)を推進しており、7月盆用として主に関東地域へ出荷を行っています。
JAでは、4月、5月、6月に現地検討会、収量調査を行い、592ケース・10市場への出荷を見込んでおり、6月28日から出荷が始まります。
以前のホオズキ栽培は地下茎を植え込んで栽培するのが主流でしたが、ウイルス病や土壌病害に問題があり、品質が不安定でした。近年では、収穫後に残しておいたホオズキ優良株から採種して乾熱滅菌、ジベレリン処理後育苗を行い、その地下茎を栽培に用いており、この一連の流れはJA鹿本が県内で初めて取り組みました。この結果、ウイルスフリー化、切り花品質の均一化が図られています。また、確実な結実のためホルモン剤を使った交配からクロマルハナバチを使った交配へと変更し、交配作業時間を縮減することも可能になりました。今年は、晩春からアブラムシ、アザミウマ類、コナジラミ類、ハダニの発生があり、その対策が急務となっています。
農業普及・振興課ではホオズキ生産が安定して行えるよう、技術的支援と併せて天敵を使った防除の導入を支援していきます。

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