熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2025年6月

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摘蕾講習会の様子
農作業安全対策啓発の様子

令和7年産「太秋」生産始まりました!

「太秋」は大玉で糖度が高いことが魅力である柿の品種の一つであり、熊本市では柿の生産量(R5年産59t:令和5年産果樹振興実績より)のうち80%以上を「太秋」が占めています。特に植木町は、熊本市の「太秋」生産量の約70%を占めるなど、生産が盛んな地域となっています。
「太秋」の大玉果生産には着蕾確認後から開花前までの短い期間内の摘蕾作業が極めて重要です。この時期の管理が適切に行われない場合、高単価商材となる大玉生産に大きな影響を及ぼします。そこで、この時期の適期管理の重要性を周知するため、JAと協力し「太秋摘蕾講習会」を4月22日に開催しました。また、当課からは栽培管理指導に加えて、農作業安全対策についても啓発を行いました。高品質果実の生産だけでなく、生産者が安全に作業を行うよう併せて指導を行うことで、持続可能な農業の実現につながることを期待しています。講習会では、摘蕾管理だけでなく、病害虫防除の効果的な方法についても活発な質疑応答が行われ、これからの高品質果実生産に向けた有意義な講習会となりました。
令和7年産の「太秋」でも高品質で大玉果が生産できるよう、当課では引き続き生産者への技術的な支援を行っていきます。今後も、栽培管理の向上と安全対策の強化を進め、持続可能な果樹生産の実現を目指します。

2025年5月

野菜ソムリエが伝える「防災と食」~熊本市地域女性農業者交流会を開催~

令和7年3月25日、防災に関する意識を高めるとともに、管内女性農業者間の交流を深めること等を目的に交流会を開催し、25名の参加がありました。
講師は、熊本市植木町でミカンを栽培する傍ら、野菜ソムリエプロや食育防災アドバイザー、県農業女性アドバイザー、食の名人として県内外で活躍されている、宮本好美さんです。
まず、防災食の実習では、ポリ袋に麺を入れて調理する「乾燥野菜の洋風パスタ」、切干大根を水戻しせずに使う「和え物」、普段は汁物に入れる麩(ふ)で作る「ティラミス」の3品について指導していただきました。
次に、「災害を最小限にするために日頃から備えておくこと」、「災害が起きてからの行動」、「家庭での備蓄」等について説明していただきました。最後に、「災害時は、日常とかけ離れた環境。いつもと変わらない温かくバランスの取れた食事で心と体が満たされれば、不安も解消される。」と結ばれました。
参加者からは、「防災食がこんなに手軽で、美味しく出来ることを知らなかった。」、「備えが大事だと痛感した。」、「このような交流会をぜひ継続して欲しい。」等の感想が寄せられ、有意義な会となりました。
当課では、今後とも地域の農業を支える女性農業者の活動を支援していきます。

2025年5月

かんきつ継承候補園の現地確認を実施

生産者、JA、市、県央広域本部などの関係機関で構成する「熊本市果樹産地推進協議会」では、令和6年5月に「担い手育成・確保部会」を設立し、果樹産地の維持に向けて担い手確保を目的とした取り組みを進めています。
部会設立後の6月から7月にかけては、「熊本市果樹産地の未来を考えるためのアンケート調査」を実施し、産地の高齢化・担い手不足の現状や将来の生産面積推移等を確認しました。また、これらの結果を基に、令和7年2月34名の温州みかん生産者に対し個別聞き取り調査を実施しました。調査では、新規就農者への技術指導の可否、第三者への園の継承意向、継承可能な園の具体的な状況等を聞き取っています。
そして3月には、上記の継承可能園のうち生産者が手放す時期が近い園を選定し、熊本市JA熊本市とともに、園の日当たり、排水、傾斜や樹齢など現地状況を確認しました。個別聞き取り及び現地確認を通じて、働きやすく早期の経営安定を図ることができる継承候補園の情報を今後も継続して収集し、生産者による技術指導と併せて産地の新規就農者受入体制の構築を目指します。
令和7年度には当協議会において担い手確保に向けた産地ビジョンを策定する予定です。農業普及・振興課では、現在の担い手の営農継続支援と将来的に不足する担い手の新たな確保・育成について、引き続き関係機関とともに対策の検討を進めていきます。

2025年5月

新たな担い手確保につなげる農作業体験会を開催

県央地域では、令和6年度より県、市、JAと連携し、熊本市河内地区を中心とした柑橘産地の新たな担い手育成確保に重点的に取り組んでいます。その一環として、3月22日に今年度2回目となる農作業(収穫)体験会を開催し、県内外から6名の参加がありました。
今回の参加者は、福岡県から2名、県内から4名で、就農を予定している方や以前から農業に興味があった方、将来は農業に携わりたい農業高校生など幅広く、受入農家のもとで河内晩柑を収穫しながら、農業の大変さや収穫の喜び、日々の暮らし方などさまざまな話を聞き、農業のイメージを膨らませていました。
約2時間の農作業体験を終え、農家や関係機関との意見交換を行った際には、「どのように園地を見つけるのか」、「どんな品種を植えるとよいのか」など、具体的な質問が寄せられました。
令和7年度からは、柑橘栽培のさまざまな作業を年間通じて体験するカリキュラムを予定しています。今後も引き続き、関係機関と連携しながら就農事例の実現に向けて取り組みを進めていきます。

2025年4月

食の名人が小学校・高校へ出向き食の技を伝承

令和6年11月から令和7年2月にかけて、今年度も管内のくまもとふるさと食の名人(以下、「食の名人」という)のべ10名がおせち料理やいきなり団子、デコ巻きの伝承授業(全6回)を行いました。
この取組は、若い世代に郷土料理を継承することを目的としており、熊本農業高校では、4品の料理(辛子蓮根、赤飯、いきなり団子汁、紅白なます)を、熊本中央高校、第一高校ではデコ巻き(断面に図柄を描いた飾り巻き寿司)を作りました。
また、山本小学校では、1・2年生が自分たちで栽培したさつま芋を使って、いきなり団子と茶巾絞りを作りました。
授業を終えた生徒からは、「家族と一緒に自分でも一緒に作ってみたい。熊本の伝統的な料理を自分達も引き継いでいきたい」との感想が聞かれました。
生徒たちにとって有意義な授業となるように、高校や小学校側とレシピ検討等の事前打合せや、食材の準備方法や指導方法を「食の名人」と臨機応変に打ち合わせるなど、農業普及・振興課が学校と名人の間に立ったことでスムーズな授業に繋がりました。
今後も、郷土料理の伝承推進に向け、「食の名人」全員が活躍できるようサポートするとともに、「食の名人」同士の技術向上、後継者確保にも努めてまいります。

2025年4月

収穫を待つトルコギキョウ
5月出荷用のほ場

春出荷向けトルコギキョウの現地検討会開催 ~市場と二人三脚で需要期の安定出荷を目指す~

令和7年2月21日(金)JA熊本市トルコギキョウ部会(4戸)は、主要取引5社を招き春の需要期に向けた販売対策会議を兼ねた現地検討会を開催しました。
当部会では、トルコギキョウを270a栽培し(令和6年産冬春花き生産販売対策会議資料「熊本経済連主催」)、関東・関西地域へ出荷しています。円安傾向のなか海外(主に台湾)からの輸入が大幅に減少しており、国内生産量の少ない冬春期の需要は旺盛であり、トルコギキョウの需要は供給を上回る状況にあります。
現地検討会では産地側から現在の生育状況や出荷の見通し等について説明を行い、現地検討会後の販売対策会議では市場から3月以降の他産地の出荷傾向や需要の見通しについて情報提供され、今後の販売について意見交換を行いました。
当部会では適切な温度管理や肥培管理に取組み、定期的に現地検討会や販売対策会議を開催しています。また、部会員と市場との意見交換を重ね出荷物の品質確保や適期出荷にも取り組んでいます。花型の中心は需要の大きい大輪系で、白、ピンク、紫、ラベンダー等冠婚葬祭のいずれにも使える花色を栽培しています。また、今年度は従来からの課題だったフザリウムによる立枯病対策として低濃度エタノールを使った土壌還元消毒に取組み、発生割合を40%から5%まで引き下げることができました。
農業普及・振興課では引き続き、トルコギキョウ生産が安定して行えるよう、生産者への技術的な支援を進めていきます。

2025年4月

研修園の視察
室内研修の様子

果樹産地の担い手確保に係る先進地視察研修を開催

「果樹産地推進協議会」※では、令和6年度から「担い手育成・確保部会」を設置し、果樹産地の新たな担い手育成・確保の体制づくりに取り組んでいます。2月18日から19日にかけて、より効果的な体制構築の参考とするため、愛媛県のJAにしうわ、農事組合法人笑柑園ナカウラを視察しました。JAにしうわやナカウラの担当者から研修システムや取り組まれている活動を通しての課題なども伺いました。
愛媛県においては、収穫時期の労働力不足を補うために、全国から収穫アルバイトを募集しています。JAにしうわでは、廃校や閉園した保育園などの休遊施設を、収穫アルバイトや研修生などが利用している事例について話を伺いました。熊本市河内地域には廃校があり、現在その活用について関係機関で検討を進めています。今回伺った休遊施設の運営事例は非常に参考となるものでした。
当課では、担い手の新たな確保・育成について、引き続き関係機関とともに対策を検討していきます。

※「産地推進協議会」:生産者、JA、市、県央広域本部などの関係機関で構成

2025年4月

果樹産地アンケートを基に担い手確保に向けた聞き取り調査 を実施

生産者、JA、市、県央広域本部などの関係機関で構成する「熊本市果樹産地推進協議会」では、今年度5月に「担い手育成・確保部会」を設立し果樹産地の維持に向けて取り組みを進めています。
今年度の6月~7月にかけて実施した「熊本市果樹産地の未来を考えるためのアンケート調査」(管内果樹生産者約900戸対象)では、労働力不足や10年後柑橘生産面積の減少見込みなどが示唆され、産地規模の縮小が懸念される結果となっています。
今回、担い手育成・確保部会では、担い手の減少に歯止めをかけるべく、アンケートで得た回答の内「新規就農者への技術指導が可能」かつ「園の拡大もしくは縮小意向」を有する回答者を主な対象として、2月上旬に個別聞き取り調査を実施しました。この調査では、拡大意向の生産者に対しては、今後の面積拡大の見込みや法人化の考え等について、縮小意向の生産者に対しては、縮小・離農時期やほ場、設備、機械等の譲渡可否等について聞き取りを行いました。特に縮小意向については、個別の園地条件(品種・収量・作業性など)も確認しています。
今後は縮小見込み園の現地確認も行い、新たな担い手が短期間で営農基盤の安定を図ることができるよう、継承候補となる園地リストを整理する予定です。
次年度は果樹産地構造改革計画の更新年にあたり、当協議会では併せて担い手確保への産地ビジョン策定も計画しています。農業普及・振興課では、現在の担い手の営農継続支援と将来的に不足する担い手の新たな確保・育成について、引き続き関係機関と共に対策の検討を進めていきます。

2025年3月

熊本市内の女性農業者合同研修会「名人の食の技学ぶ」

令和7年1月8日、女性農業者間の交流を深めるため、くまもとふるさと食の名人と営農生活研究グループの女性農業者を対象に合同研修会を開催し、
26名の参加がありました。
研修では、からし蓮根で食の名人の認定をされ、高校でも御指導いただき、また、直売所等で販売もされている金子雄子さんに、「からし蓮根」や「蓮根料理2種」の実技指導をしていただきました。蓮根の調理内容に合う節の部分やからし蓮根の調理ポイントなど説明していただき、皆、熱心に教わっていました。
参加者は、日頃から食の伝承活動等に取り組んでおられますが、からし蓮根も指導できるようになろうとコツなどを改めて習い、「貴重な経験で、再認識ができた。」と喜ばれていました。
また、食の名人の新規認定者の紹介や料理披露、女性活躍表彰で県知事賞を受賞された杉本純子さんの事例発表も行い、お互いの活動等の情報交換もでき、盛りだくさんの内容で充実した時間を過ごせました。
多忙な女性農業者ですが、当課では今後も、新たな連携や活動の展開につながる取組を進めていきます。

2025年3月

講習会の様子
令和7年産の防除暦について説明する

令和7年産のナシ生産に向けて講習会を実施

熊本市西区河内町の芳野地区では、温州みかんとの複合経営の一品目としてナシ栽培も行われています。令和7年産ナシ生産の新たなスタートの前に、芳野地区のナシ生産者を対象にしたせん定講習会を1月7日に開催しました。
講習会では、現地と座学での指導を行いました。現地では、普及指導員がせん定の基本的な考え方を説明しながら実演し、その後、参加者全員で樹一本のせん定を仕上げました。座学では、薬剤耐性菌の発生しにくい防除の考え方、着果安定のための授粉対策などについて説明しました。参加者は、互いのせん定の考え方について意見交換を行い、質疑応答では発生の多い病害への対策などの質問があり、令和7年産への意欲の高さが伺えました。
また、1月10日にはJA熊本市ナシ部会員を対象に、暖冬における発芽確保を見据えたせん定方法について研修会を開催し、近年問題になっている気象変動に対応した管理の必要性について部会内での意識共有を図りました。
当課では、今後もナシの安定生産に向けて栽培技術指導・支援を継続していきます。

2025年3月

ツマジロクサヨトウの被害(R6.9.24撮影)
子実とうもろこし収量調査(R6.12.17撮影)

子実とうもろこし二期作の取組み

熊本市管内では飼料自給率の向上及び飼料価格の高騰対策として、R4年度から養豚・養鶏農家において子実とうもろこしの生産・利用拡大に取り組んでいますが、養鶏農家では昨年度から二期作にも取り組んでいます。
本年度の夏作は春作収穫後の8月中旬に播種し、12月下旬に収穫が行われました。昨年と同様の2.2haの面積で収穫でき、全体収量は4,356kgとなりました。
平均単収は、春作では昨年の458kg/10aから今年は524kg/10aと伸ばすことができましたが、夏作では197kg/10aと昨年度と同程度の結果となりました。今年度は、成熟期間を確保するために夏作の播種時期を昨年より1週間程度早めるなどの対策を行いましたが、帰化アサガオ等の雑草やツマジロクサヨトウの被害が大きく、また、イノシシの被害もあったことから、収量が伸びなかったと考えられます。
今後、単収を上げるためには、これらの防除をより徹底し、併せて夏作に適した品種の検討を行うなどの対策を行う必要があります。当課としても継続して支援を行っていくことにしています。

2025年2月

講習会の様子(2024.12.4)
摘花の実演(2024.12.4)

高温に負けない!収量向上を目指して ~「ゆうべに」摘花講習会を開催!!~

JA熊本市白浜苺部会は、部会員数17名で、栽培面積は「ゆうべに」が約5.3ha、「恋みのり」が約1.1ha、合計約6.4haのイチゴを栽培しています。
「ゆうべに」は、花芽分化が早く、早生性を有する品種で、年内収量を確保しやすい特徴があります。しかしながら、過度な着果負担により、成り疲れを引き起こし、収量が減収する場合があるため、第2花房出蕾時の摘花管理が必要です。
そこで当課では、成り疲れ防止による収量向上目指して、部会員を対象に、12月4日に摘花講習会を開催しました。当日はご夫婦での参加も多く、約30名集まりました。
今年は、秋季の高温の影響で、第2花房の出蕾が遅れているほ場が散見されている状況です。この状況を踏まえて、講習会では資料と実演で、今年の花芽分化や花数の傾向をもとに、通常は頂花房を11~12果程度残すところ、果数確保のために頂花房を12~15果残す必要があることを説明しました。生産者からは「1.5番花(花房間葉数2枚以内で分化した花房)は摘花するのか」、「収穫や管理作業で忙しい場合の摘花基準はあるか」といった質問が多く、摘花の重要性について理解を得られました。
今後定期巡回を通して、生産者の実情に応じたアドバイスを行うことで、収量向上につながるよう支援していきます。

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