熊本エリア

熊本地域は熊本市を所管しています。九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、西部は白川の三角州で形成された低平野からなっています。米や温州みかんが本県農業産出額の約14%を占めていて、特に野菜と果樹は県内でもトップレベルの産地です。

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県央広域本部 農林部 農業普及・振興課

〒862-8570 熊本市中央区⽔前寺6−18−1(防災センター内)

電話:096-333-2776

FAX :096-333-2781

熊本エリア普及現地情報

2025年12月

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食の技を若人へ!~食の名人学校派遣事業始まる~

地域の郷土料理や食文化に対する理解促進及び次世代へ伝承することを目的に、小学校~高等学校を対象に「くまもとふるさと食の名人」の出前講座が毎年実施されています。今年も、済々黌高校を皮切りに名人の学校派遣事業がスタートしました。
10月6日、8日、14日と、「食文化」を受講する3年生に、食の名人の早田雅美氏による「デコ巻きずし」講座を開催。すしめしを海苔に広げ、漬物やチーズかまぼこを目やくちばしに見立てて、ペンギンの巻きずしを作りました。途中、海苔の表裏が分からない等のハプニングはあったものの、全員かわいい巻きずしを完成させ、日本食の良さを実感してもらいました。
また、10月22日、29日には、尚絅高等学校でも3年生の「フードデザイン」の授業で、食の名人の杉本純子氏、上村きみ子氏による「だご汁」や「いきなり団子」づくりを実施。農家のお母さん直伝のだご練りに悪戦苦闘しながら、出来上がっただご汁等に舌鼓を打ちました。
当課としては、食の名人の活動を支援することで、地産地消や農業への理解活動の促進、ひいては、地域への愛着や誇りを育て、次世代への食文化継承を目指してまいります。

2025年12月

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現場事務所実演の様子
焼却実演の様子

県央広域本部家畜伝染病防疫演習を開催

10月22日・27日に鳥インフルエンザなどの特定家畜伝染病発生時に的確で迅速な後方支援体制がとれるよう、関係機関、市、県の関係者119人を参集し、家畜伝染病防疫演習を開催しました。
演習は2日に分けて開催。1日目の10月22日には座学と現場事務所の実地演習を行いました。座学では、中央家畜保健衛生所から家畜伝染病の概要と発生状況について、当課からは管内で発生した際の防疫体制と対応の流れについてそれぞれ説明を行いました。実施演習では、雨天のため、室内での実演となりましたが、現場事務所について役割や設置について説明し、防疫従事者の受入れから送り出しの実演を行い、具体的な作業の流れについて確認することができました。
2日目の10月27日には、熊本市東部環境工場焼却の実地演習を行い、小規模養鶏場・大規模養鶏場のそれぞれで発生した場合を想定し、焼却するための施設の準備を行い、運搬車両を消毒し施設内へ密閉容器を搬入しピットへ投入する流れを確認することができました。
今後も当課では、万が一の発生時に迅速かつ的確な初動防疫が行えるよう、引き続き関係機関と連携し、より一層の防疫体制強化に取り組んでいきます。

2025年12月

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研修会の様子
ウイルス病発生状況調査の様子

熊本市植木地区のウリ類ウイルス病対策研修会開催 ~天敵を利用した防除技術など新たな取組への第一歩~

JA鹿本園芸部会植木支部(部会員251名)では、スイカ、メロン、キュウリ等ウリ類の栽培が周年で行われています。
このため、微小害虫(タバココナジラミやミナミキイロアザミウマ)が媒介するウイルス病の対策に地域一体となって取り組んでいますが、近年の夏場の異常気象による微小害虫の多発や薬剤抵抗性の発達などで、ウイルス病が増加傾向にあります。
このため、11月5日、6日に防除対策研修会を開催し、両日で48名の参加がありました。
研修会では、まず近年の微小害虫やウイルス病の発生の特徴について説明し、次に県内他産地も含めた防除対策の展示ほ結果について説明しました。
夏場でも通気性の良い防虫ネットや光捕虫器を用いた物理的防除、またナス等で利用されている天敵「タバコカスミカメ」をスイカに利用した展示ほ結果に特に参加者の関心が寄せられました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携し、ウイルス病対策の確立・普及に取り組みます。

2025年12月

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説明の様子

市内の小学校3年生へ柑橘選果場を案内

JA熊本市の夢未来柑橘選果場では、温州みかんの出荷シーズンに合わせ、選果量が増加する10月から11月にかけて、市内の小学校70校を主な対象として選果場の施設見学対応を行っています。この活動は小学3年生の社会科見学の一環として、地元の農業に関する知識を深めることを目的に実施されており、JA熊本市、熊本市及び当課が分担して対応しています。
見学では、まず選果場の概要についてクイズも交えながら説明を行い、その後、実際にみかんが選果レーンを通過して選別されていく様子を案内しています。小学生からは「美味しいみかんの見分け方」、「みかん生産で大変な作業は何か」、「選別で外れたみかんはどうするのか」などの質問も積極的に挙がり、見学を通じ柑橘の生産・出荷に関するイメージを深めてもらうことができています。
また、見学に参加した小学生の中には、みかん生産者の子供もおり、親や祖父母の仕事について更に理解を深め、将来の職業を考える上でも良い機会の一つになっているようです。
農業普及・振興課では、管内の果樹振興の一環として、引き続き関係機関と連携し、果樹産業の理解促進活動を進めていきます。

2025年12月

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「河内みかん塾」開講しました!!

県央地域では、県、熊本市、JA熊本市と連携し、熊本市河内地区を中心とした柑橘産地において、新たな担い手に加え、親元就農者の育成・確保に重点的に取り組んでいます。
今年度は新たな取り組みとして、年間を通じて代表的な柑橘の管理作業を体験できるトライアル研修「河内みかん塾」を開催しました。
9月下旬から就農相談会等でPRを重ねた結果、熊本市内外から10名程度の申込があっています。10月15、16日には初めての「河内みかん塾」を開講しました。熊本市内から参加されたご夫婦は柑橘栽培全般についての座学と、受入農家の園地でみっちり収穫作業を行いました。農作業と、受入農家との交流を通じ、農業の良さや厳しさを体験され、「とても充実した研修だった。また必ず参加したい」との前向きな感想をいただきました。
熊本県認定研修機関であるJA熊本市は、柑橘部門を新たに追加し、支援事業を活用しながら研修できる体制を整えました。「河内みかん塾」からJA熊本市での研修受講を経て経営開始を目指す道筋ができつつあります。より良い支援体制を構築していくには、まずは事例を作り実際に対応しながら改善していく必要があります。
今後も引き続き、関係機関と一体となって取組を進めていきます。

2025年11月

組織の垣根を越えた農業女性の交流を! ~女性農業者「夏の交流会」~

熊本市地域には、市の認定農業者女性組織、3つのJA女性部、植木町同友会、営農生活研究グループの他、県知事が認定する農業女性アドバイザーや指導農業士など様々な女性農業者が活動されています。
8月20日(水)北区植木公民館で、初となる女性農業者「夏の交流会」を開催したところ、組織の垣根を越えて30人近い参加者が集まりました。
まずは、当課の倉岡参事から「小規模企業共済」について説明。自らが計画的に20年積み立てておくことで、法人でなくとも農業を引退する時に退職金が受け取れることを理解してもらいました。
次に、ヨガ講師でもある新規の農業女性アドバイザーからストレッチの手ほどきを受け、忙しい農作業の中でも自分自身で心身の調子を整えていくことを学びました。
さらに、もう1人の新規農業女性アドバイザーを講師に地元産品であるすいかやいちご等の冷凍果実を使ったスムージーづくりに、参加者は大満足。「比較的時間が取れる夏場なら交流ができる。また来年も何かやりたい」という感想が述べられました。
当課としては、年間を通して多忙な女性農業者の方々にも、メリハリのある活動を通じて、交流と研鑽の機会を積極的に提供してまいります。

2025年11月

分析と講習会でデコポン生産を支援!

加温栽培された不知火類の中でも、贈答用として高い人気を誇る「デコポン」は、一定の品質基準を満たした果実だけに与えられる称号です。強い甘みとほどよい酸濃度味、そして特徴的で美しい外観が魅力で、9月以降から徐々に品質が上がり、収穫の時期を迎えます。
今年の加温栽培不知火類は、例年以上に酸濃度が高い状況でスタートしたため、夏季の減酸を最優先課題と位置づけ、関係機関と連携して、かん水や摘果管理などに関する講習会を随時開催。高糖・低酸濃度の高品質果実に向けた技術指導を進めました。さらに、生産者が自らの園地の酸濃度状況を把握できるよう、例年にはない7月の一斉分析を実施。その結果、8月の定期一斉分析では順調な減酸が確認され、生産者が例年以上にかん水に取り組んでいることが明らかになりました。しかし、依然として酸濃度が高い状況であったため、8月12日に再度講習会を開催し、「9月以降の仕上げに向けた最終時期!」と題して、かん水の重要性を改めて周知しました。この取り組みにより生産者の現状把握への意識がさらに高まり、講習会後には追加の一斉分析も実施。例年8月、9月の2回だった一斉分析が4回に増え、生産者の高品質果実への意欲を大きく後押しする結果となりました。
今後は、目標とする酸濃度に達成した後、雨水の流入を防ぐことが重要な課題となります。8月の講習会ではビニル被覆やシートマルチの設置など、糖度向上に向けた意識も着実に醸成されています。令和7年産の「デコポン」収量増加を目指し、当課では今後も関係機関と協力しながら生産者への技術支援を強化してまいります。

2025年11月

白浜分校の活用案発表会・意見交換会を開催

平成30年に閉校した河内小学校白浜分校(以下白浜分校)の活用を目指し、熊本県立大学と農業普及・振興課等の関係機関が連携し、令和7年度「地域連携スタートアップ事業」に取り組んでいます。
去る9月4日に、県立大学都市計画研究室(以下県立大)による活用案発表会と、地元農業者等による意見交換会(以下ワークショップ)を実施しました。
学生たちは、6月に実施した現地見学・地元との交流会を通じて情報を収集し、それぞれの個性を生かした3つの活用案を発表しました。もともとはみかん収穫時期の雇用者向け宿泊拠点等に廃校を利用している愛媛県の事例を県立大へ紹介していましたが、さらに防災拠点としての役割や子育て・観光との連携を活かした案など、若い世代ならではのフレッシュな活用案が発表されました。
その後のワークショップでは、玉名・荒尾地域のまちづくりに携わっているアドバイザーの方々も参加され、「地元住民のたまり場」や「高齢者向け福祉施設」など、自由なプランが提案されました。最後は自治会長の「まずは地元住民で草刈りから始めよう」との前向きな意見で締めくくられ、今後につながる第一歩となりました。
今後は、白浜分校を拠点とした収穫体験会と取りまとめ報告会を予定しています。農業普及・振興課では、少しずつ盛り上がってきた地元の取り組みを引き続き支援していきます。

2025年11月

4Hクラブ会長の経営紹介
交流を目的とした意見交換会

4Hクラブと連携し、新規就農者研修・交流会を開催!

県央広域本部農業普及・振興課では、熊本市やJA等と連携して新規就農者の育成に向けた支援を実施していますが、新規就農者との面談や巡回時に「資金繰り」など経営に関する課題があるとの声が多く聞かれていました。
そこで、就農後おおむね5年以内の新規就農者を対象に、8月6日(金)熊本県防災センターにおいて経営力向上を目的とした新規就農者等研修・交流会を開催したところ、15名の参加がありました。
研修会は3部構成とし、1部は先輩農家の経営紹介と当課の倉岡参事から資金繰りや青色申告書の活用策等の講話。2部は参加者間の交流を目的とした意見交換会、3部は情報交換会としました。
今回の研修会は、4Hクラブと連携して開催することができました。4Hクラブ会長の経営紹介、4Hクラブの活動状況紹介及び意見交換会でのアドバイス等積極的に協力してもらったので、充実した研修・交流会になりました。
参加者からは、「経営状況を見直すきっかけになる」、「時間が足りなかった」、「定期的に開催してほしい」などの意見がったことから、当課では新規就農者の技術力と経営力の向上につながる支援を継続していきます。

2025年11月

研修会の様子

みかん産地の労働力確保を学ぶ研修会を開催

熊本地域では、全国的に有名なみかん産地である河内地区を中心に、関係機関と連携し新たな担い手の育成・確保に取り組んでいます。
令和6年度に実施した「果樹産地の未来を考えるアンケート」結果から、繁忙期の労働力確保に不安を抱える農家が多数あることがわかりました。
そのため、河内地区認定農業者協議会の協力のもと令和7年8月29日に河内公民館において、「農業人材確保と農福連携の取り組み」と題した研修会を開催しました。
労働力確保をテーマに、「外国人材」、「バイトアプリ」、「農福連携」、「産地ぐるみの期間アルバイター確保」について、それぞれ事例を紹介しました。
特に「農福連携」については、福祉施設と連携した果樹経営の労働力確保を実践している宇城市の青年農業者に講話いただきました。制度や手順、実施した感想などを具体的に話され、参加者は熱心に聞き入っていました。
働き手が高齢化していく中で、労働力確保については、農家経営や産地全体の喫緊の課題となっています。
現在、農業普及・振興課では労働力確保に係るアンケートも取りまとめています。この結果も踏まえ、今後も引き続き労働力確保に向けた方策等を情報提供していきます。

2025年11月

個人面談の様子
生産者の出荷データ

いちご個人面談会を開催!! ~更なる収益向上を目指して~

JA熊本市白浜苺部会(部会員数18名)は、河内町白浜地区で約6haを作付けされており、収量が県の平均より高いことで知られています。
当課では、県育成品種「ゆうべに」の導入以降、毎年、前作の生産上の課題を振り返り、次作の収益向上を図ることを目的に「個人面談会」を開催しています。 
本年は昨年度に引き続き、生産者及び部会の平均出荷実績等をグラフ化し、両者を比較することで、生産者が抱えている課題や、理想とする出荷体系の実現に向け、次作への対策を話し合いました。加えて、当課からは、昨年度の高温による花芽分化遅延による対策として、「充実した苗づくり」、「花芽分化確認後の定植の遵守」の2点の徹底を周知し、生産者の意識醸成に繋げました。
生産者からは、「自分がどこで収量を落としているかわかりやすい」、「昨年の問題を改善し、収量増に繋げたい」などの前向きな声が挙がりました。
今後も、生産者の収益向上に向け、引き続き支援して参ります。

2025年11月

暑さに負けない米作りを目指して

JA熊本市と当課は、令和7年7月22日から8月4日にかけ、延べ9回の水稲現地検討会を熊本市管内で開催しました。
近年、全国的な猛暑により米も影響を受けており、高温による収量、品質の低下が課題となっています。そのため、当管内でも安定的な収量、品質の確保へ向けた技術の普及が急務となっています。
検討会では、まず、JA熊本市の担当者から今後の管理について説明を行った後、当課から「収量・品質向上のために重要な穂肥のポイント」や「難防除雑草のナガボノウルシへの対策」を中心に説明しました。その後現地ほ場において、生育状況の確認を行い、払落しにより害虫の発生状況の調査を行いました。
生産者からは、穂肥や病害虫防除の具体的なタイミング、中干しの程度などについて具体的な質問が寄せられ、活発な質疑応答が交わされました。現在、コメ不足への懸念が高まる中で、生産者は意欲的に米づくりに取り組まれており、その姿勢からも稲作への真剣な思いが感じられました。今後も気象条件や病害虫の発生状況を踏まえた指導及び情報提供を行い、関係機関と連携して生産者の支援に尽力してまいります。

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