2022年のエリア普及現地情報

2022年5月

収量報告会の様子
収穫直前のホウレンソウほ場

加工用ホウレンソウ産地の更なる拡大にむけて

当課では、令和元年度からJA熊本市や加工業者等各関係機関と連携し、加工用ホウレンソウの産地育成を進めています。昨年度は、6名の生産者が12.5haで栽培を行い、4月初旬には全てのほ場で収穫が終了しました。
4月25日には、関係者注1を集めた収量報告会を開催し、加工業者から収穫状況や収量について説明がありました。昨年度は、初めて収量が10a当たり3tを超えるほ場がみられ、生産者からも「確実に栽培技術が向上している。引き続き栽培を頑張っていきたい。」などの前向きな意見がありました。
一方、関係機関からは、新たな課題として、秋季の少雨対策、春季における抽苔注2対策が提起され、生産者も含め活発な意見交換が行われました。その結果、次期作では、対策技術の確実な実施、抽苔しにくい品種を検討するための品種比較展示ほの設置を行うことになりました。また、今年度の作付面積については、更に増加する見込みです。
当課では、引き続きJAと共に、安定生産技術の現地指導を通じて、面積拡大に向けた支援を行っていきます。

(注1)関係者:生産者、JA熊本市、加工業者、種苗卸、肥料メーカー、県
(注2)花をつけるため、茎が伸長する現象。ホウレンソウでは商品価値が無くなる。

2022年5月

稼働を始めたパレタイザー
屋根が増築されたトラックヤード

令和4年産「夢未来スイカ」販売スタート~一貫パレチゼーションを実現した選果場から~

JA熊本市北部選果場は、本年3月にパレタイザーを導入し、手積み手降ろしの時間短縮を図り、一貫パレチゼーションによる物流合理化が可能な選果場へと進化しました。また、大玉に対応した自動箱詰機を導入し、4L以上の規格にも対応するとともに、トラックヤードに屋根を増築。天候に左右されない製品管理により、消費地への安定供給が可能な集出荷施設に一新されました。
このようななか、3月23日に査定会が行われ、糖度や熟度の品質確認を行い、3月26日から令和4年産の「夢未来スイカ」の販売がスタートしました。今年は2月の低温により生育がやや遅れていましたが、温度管理やかん水管理の徹底などの生産努力により、大玉のスイカに仕上がっています。
今後、スイカの出荷量は徐々に増加し、ゴールデンウイーク頃にピークを迎え、今年さんは約3,700tの出荷を予定しています。本選果場の活用により、JA熊本市「夢未来スイカ」のブランドが更に強化され、生産者の所得向上により産地の活性化が進むことが期待されます。

※一貫パレチゼーション:パレット積みのまま発送から到着の荷卸しまで一貫して輸送する方式

2022年5月

掘り上げられる大苗
若手生産者の勉強の場としても活用

「させぼ温州」の共同大苗育苗ほの取組~2年間の育苗を終え、生産者へ配布~

熊本市果樹産地推進協議会では、「させぼ温州」の早期成園化・面積拡大のため、令和2年4月に果樹経営支援対策事業を活用して、共同大苗育苗ほ(14a、1,400本)を設置しました。管理はJA熊本市柑橘部会に委託され、受託した同部会では、部会役員・生産技術部・生産プロジェクトのメンバー約20人を中心に芽かきや防除作業などを2年間、管理を行ってきました。
育苗された苗は、整枝が整い、十分な大きさに揃った上質な苗となったことから、令和4年3月11~12日に、苗木の掘り起こしと、改植を行う生産者への配付が行われました。当日、受け取った生産者は苗の出来の良さに満足されていました。当課からは、事前に部会と協議しながら作成した「大苗定植後の管理指針」を生産者に配付し、定植後の適切な管理の技術指導を行いました。
今回の大苗は約1.4haのほ場に植栽され、部会員の作付面積は92haまで拡大しました。また、育苗ほは、育苗期間中、青年部や女性部の勉強会の場としても活用され、技術研鑽が図られました。これら一連の取組が「させぼ温州」の出荷量拡大に今後、大きく寄与することが期待されます。

2022年5月

フルーツカッティングの実習と出来上がった作品
フルーツカッティングの実習と出来上がった作品

女性農業者が集い、学び、語らい、交流

当課では、3月22日、男女共同参画を推進するため、県農業女性アドバイザー及び熊本市営農生活研究グループ員合わせて10名出席のもと、農業経営推進セミナーを開催しました。
初めに、青色申告制度等のポイントについて講義を行い、その後、「若い世代と連携するには」をテーマに、意見交換を行いました。出席者からは「若い世代が興味のありそうなイベントを企画する」「自分達が歩み寄り、若い世代の得意分野(SNSでの情報発信等)を教わることも大事」との意見が出ました。
次に、元農業女性アドバイザーの片山初美さん(植木町)を講師に、見せるためのフルーツの切り方や飾り方として「フルーツカッティング」を学び、出席者それぞれが作品を完成させました。出席者から「ネーブルを生産していても切り方は“くし型”しか知らなかった。今回の体験で“映える”切り方を教わり嬉しい!」とのコメント。講師から「皮が薄く包丁で切って食べるフルーツこそ、切り方次第で食卓が豪華になる。家でも実践してほしい。」とのアドバイスがありました。
県では今後も、女性農業者の活力及び経営参画・社会参画に繋がる取組みを進めていきます。

※熊本県農業女性アドバイザー:農業経営や地域活性化に意欲的に取り組む女性農業者を、市町村長の推薦を受けて県知事が認定。任期は5年。

2022年3月

WM柵の設置作業風景

「総員でイノシシ被害から守る園地づくり3年計画」~1年目の活動(植木町吉次地区)~

近年、北区植木町吉次地区では、温州みかんなどへのイノシシ被害が増加しています。そこで当課と熊本市では、当地区を本年度から3年間、重点モデル地区として、勉強会の実施、侵入防止柵の整備推進及び捕獲体制の強化等の支援を連携して行っているところです。
7月にイノシシの生態や被害防止対策の勉強会を行い、8月に侵入防止柵(WM柵)10.3haの設置を集落総出で行いました。その結果「被害なし」の面積割合が取組前の15%(7ha)から33%(15ha)に増加しました。参加者からは、「個人の対応では限界があり、地域ぐるみで対策を進めていく重要さを実感しました」との声があがりました。当地区では更なる侵入防止柵拡大に向け、来年度も10ha程度の取組が計画されています。
加えて、箱わな3基を導入(計5基)し、狩猟免許新規取得による捕獲従事者の1名増員(合計4名)など捕獲体制の強化も確実に進んでいます。
当地区では、令和5年までに侵入防止柵の整備を全園地42haで整備し、併せて捕獲活動にも力を入れていく計画です。イノシシ被害ゼロを実現するため、当課としても市と連携しながら引き続き支援して参ります。

2022年3月

熱心に講習を受ける生産者
熱心に講習を受ける生産者

令和4年産水稲の収量・品質向上に向けた栽培講習会を開催

JA熊本うきと当課は、2月22日に同JAの北営農センター(下北)及び城南出張所において、水稲の収量・品質向上を目的に令和4年産水稲作付前講習会を開催し、100人を超える生産者の参加がありました。
令和3年作においては移植期から分げつ期にかけての日照不足や8月中旬の大雨により収量が低下しました。そこで今回の講習会では、適切な播種や潅水作業による健苗育成や堆肥利用も含めた本圃の土づくりを重点的に説明を行いました。
生産者からは、近年増加している大雨等の異常気象が予想される場合の水管理や病害虫対策についての質問が多くあり、気象変動に負けない米作りへの高い意欲が見られました。
当課では、引き続き関係機関と連携した地域農家への栽培指導を行い、更なる収量・品質向上支援を行っていきます。

2022年3月

毎月の巡回指導
土壌調査(左:生産者)

ナス新規就農者への課題解決に向けた技術支援

当課では、新規就農者の支援モデル作成のため、ナス栽培を行っている就農4年目以内の生産者を重点指導対象に、毎月、関係機関と共に巡回指導を行っています。これまでの巡回指導の中でハウス内通路にいつも水が溜まっているほ場があり、排水不良について原因を究明するため、2月8日に土壌調査を行いました。
調査は、ハウス内に穴を掘り、耕盤の有無や既存暗渠(あんきょ)の状態について、目視で行いました。その結果、①通路面から約20cmの深さに耕盤が存在していること、②本暗渠は経年劣化により機能が低下していることを確認しました。
現在のところナスの生育に影響は見られていないものの、排水不良が年々酷くなっていることを考慮し、本暗渠の追加施工や補助暗渠の施工、明渠の設置など技術対策について指導を行いました。
これにより、生産者は、次期作の排水対策について検討を開始し、更なる生産性向上に向けて大きく意欲が高まりました。
当課では引き続き、関係機関と連携し、新規就農者の支援及び支援モデル作成に取り組んでいきます。

※暗渠:ほ場内の見えない排水機構。設置工事により常設した本暗渠と営農対策として実施される弾丸暗渠などの補助暗渠に分けられる。

2022年2月

現地検討会の様子
現地検討会の様子

加工用ホウレンソウ大規模産地育成に向けて

当課では、令和元年度からJA熊本市や種苗会社等各関係機関と連携し、加工用ホウレンソウの産地育成を進めています。今年度、6名の農家が12.5ha(前年比316%)で栽培を行っており、250t(前年比413%)の出荷をする計画です。
去る1月20日には、関係者(注1)を参集し、安定生産技術の確立に向けた現地検討会を開催。全生産者のほ場を巡回して、生育状況の確認を行いました。
検討会では、生育不良・乾燥時の対処や、湿害・病害対策に関する指導を行い、今年度実施している品種比較試験の結果について報告を行いました。
参加した生産者からは、「自分のほ場でも似たような症状が出ていたので、その原因や対策を聞くことができて良かった。」といった感想や、「2年前と比べて確実に栽培技術が向上しているのが分かった。引き続き栽培を頑張っていきたい。」などの前向きな意見が得られました。
当課では、今後もJAとともに、更なる面積拡大と安定生産技術の確立に向け支援を行ってまいります。

(注1)関係者:生産者、JA熊本市、加工業者、種苗メーカー、肥料メーカー、県

2022年2月

伝承指導の様子
伝承指導の様子

食の名人が高校生におせち料理を伝承

12月6日から16日にかけて、昨年に引き続き県立第一高校1年生(9クラス、368人)を対象に、管内のくまもとふるさと食の名人(以下、「食の名人」という)14名がおせち料理の伝承授業(全9回)を行いました。
この取組は、若い世代に郷土料理を継承することを目的としており、当課が同高校と協議し、授業の題材を熊本の代表的な正月料理(おせち料理)としました。
生徒たちは10グループに分かれて、グループごとに5品の料理(煮しめ、辛子蓮根、きんとん、紅白なます、ブリの照り焼き)を作りました。
授業を終えた生徒からは、「祖母が作ってくれる料理を自分でも作ることができた。熊本の伝統的な料理を自分達も引き継いでいきたい」との感想が聞かれました。
当課は、生徒たちにとって有意義な授業となるように、「食の名人」と高校側とでレシピ検討、リハーサル等の打ち合わせを事前に行いました。
また、授業期間中、食材の準備方法や指導方法を「食の名人」と臨機応変に打ち合わせながら改善することで、スムーズな授業に繋げることができました。
今後も、郷土料理の伝承推進に向け、「食の名人」全員が活躍できるようサポートするとともに、「食の名人」同士が指導方法等を学び合える研修会を行っていきます。

2022年2月

施設ナスにおける簡易生育判断手法の検討

熊本市西南地域は、耐候性ハウスを中心としたナスの促成栽培が盛んに行われています。その中で、スマート農業技術の柱である複合環境制御装置についても積極的に導入されています。
しかし、装置を導入したものの、栽培経験の浅い生産者は生育状況の正しい把握が難しく、その結果、適切な環境制御設定ができずに増収に繋がっていない現状があります。そのため、関係機関では、適切に生育状況を判断するために“生育を見える化”できる手法を開発する必要があると考えています。
そこで、生産者でも簡単に実施可能な手法を明らかにするため、今作において判断指標と成り得る“茎の太さ”や“着果数”等の調査結果と収量性の関係を調査し、関係者で比較検討を行っています。
当課は、関係機関と連携しながら簡易生育診断手法に関するマニュアルを7月までに作成し、その後、環境モニタリング装置の効果的な活用方法について普及・指導を行っていきます。

※複合環境制御装置:施設内の気温、湿度、日射量、土壌水分量等の測定結果を基に、暖房機やかん水装置等をコンピュータで複合的に制御する装置のこと

2022年2月

プロジェクト発表の様子
参加したクラブ員の集合写真

熊本市青年農業者会議開催

熊本市4Hクラブは、12月17日(金)に熊本市青年農業者会議を開催しました。青年農業者の主張部門1名、プロジェクト部門5名の合計6名が発表し、県大会には5名が推戴されました。
主張部門では、新規クラブ員が、有機農業に対する将来の夢や目標、それを実現したいという強い思いを語り、日々の努力や独立に対する熱意が主張されました。
また、プロジェクト部門では、日々の農作業の中で浮かんだ疑問や課題をテーマに、我が家の栽培方法や労働時間の改善に向けた取り組みが発表されました。
当課は、4月からこれまで担当制を敷き、継続的にクラブ員ごとの課題解決に向け、設定段階から発表方法まで繰り返し個別指導を重ね、クラブ員が自信を持って発表ができるようサポートを行いました。
今後も、2月に開催される県大会で全員秀賞を獲得できるように、引き続き発表内容のブラッシュアップを図ってまいります。

2022年1月

熊本農業高校でスマート農業を体験!

12月3日に熊本農業高校と熊本市農業普及指導協議会(農業普及・振興課事務局)は、将来の担い手となる生徒や農業者へAIやICTを駆使した農業技術の理解を深めるために「スマート農業実演研修会」を同校にて開催しました。
当日は、県内農業高校の生徒や地域の農業者、関係機関の参加がありました。(株)ヤンマーアグリジャパンから最新情報の講演後、ほ場での直進アシスト機能付き自動操舵トラクターや農薬散布用及びリモートセンシング用ドローンの実演を行いました。
生徒らは目を輝かせながら自動操舵トラクターに試乗し、最新技術の魅力を知ってもらう良い機会となりました。
今後、担い手不足の中で地域農業・農地を継承していくための手段として、スマート農業の活用も必要となることから、関係機関と連携し、農作業の省力化に向けたスマート農業の検証支援を行っていきます。

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