2025年のエリア普及現地情報

2025年1月

new
みかん栽培についての座学
糖度計を使ってみかんの糖度を測定

子どもたちへみかん栽培の魅力を発信する食育講座を開催

農業普及・振興課では、子どもたちが地域や農業への関心を持つきっかけとするために、熊本市河内町のみかん栽培に関する食育講座「河内みかん物語~おいしいみかんができるまで~」の開催を支援しています。本取組は、生産者の1年間の仕事の流れやみかん栽培の工夫についての座学、みかんの樹の観察や収穫体験を行う全3回の講座です。本年は熊本市内から3家族10名が参加しました。
11月10日に開催された3回目の講座では、収穫されたみかんが出荷されるまでの様子やみかんに含まれる栄養素を説明した後、収穫体験を行いました。子どもたちは前回観察したみかんとの大きさの違いに驚きながら、一つ一つ丁寧にみかんを収穫する様子が見られ、講座を通して生産者の苦労や思いを伝えられたと感じました。質問コーナーでは、子どもたちだけでなく保護者からもたくさんの質問がでてきて、農業への関心を高める講座にできたと思える取組となりました。
当課では、地域農業への理解を深めるために、子どもたちへ河内地域とみかん栽培の魅力を引き続き発信していきます。

2025年1月

new
訪問団へ説明をする金子氏
辛子れんこんと金子氏を囲んで

食の名人とフランス・ディジョンメトロポール訪問団が交流 ~「からし蓮根」で紡ぐ食文化伝承の輪~

11月23日、「くまもとふるさと食の名人」の金子雄子氏(熊本市南区)が、フランスのディジョンメトロポール(ブルゴーニュ地方のディジョン市を中心とした23自治体で構成される自治体連合)の訪問団と伝統的な郷土料理「からし蓮根」をテーマに交流されました。
熊本県とディジョンメトロポールは、令和5年度に締結した国際交流促進覚書(MOU)に基づき交流を深めています。今後のイベント開催や交流に向け、熊本の食文化を担う方々等とのつながりを持つことなどを目的として、ディジョン副市長をトップとする訪問団が来熊しました。
その一環として、ディジョンの特産品であるマスタードと親和性があり、熊本を代表する伝統料理「からし蓮根」の食の名人、金子氏との交流が企画されました。
訪問団メンバーのほとんどは今回が初来熊であり、蓮根を見るのも初めてです。そのため、蓮根の実物や和からし(粉)、試食などを準備し、金子氏からからし蓮根の歴史や作り方などを説明しました。
「和がらしとはどんなもの?」「ディジョンマスタードで作れるか?」などの質問が相次ぎ、金子氏が丁寧にジェスチャーを交え回答し、試食タイムには「とてもおいしい!」と絶賛されました。
以前は各家庭で作っていた「からし蓮根」ですが、現在はほとんどが購入するものになっており、金子氏が学校などで作り方を伝承していると説明した際には、「とても大事な活動。知識は宝です。」と真摯にコメントされ、国を超えて食文化伝承の重要性が共有された良い機会となりました。

2025年1月

new
適正な出荷規格を示したサンプル
栽培講習会の様子

高品質なスティックセニョールの出荷に向けて ~出荷説明会及び栽培講習会を実施~

スティックセニョールは、柔らかい花蕾※と茎が食用となるアブラナ科の野菜で、甘味があるため人気があります。JA熊本市スティックセニョール部会では、45名の生産者が11月から翌年3月にかけて生産を行い、県内や関東地域を中心に出荷されています。今期の出荷が本格化することから、当課ではJA熊本市と連携し、11月25日に出荷説明会及び栽培講習会を開催し、生産者や種苗会社合わせて約30名の参加がありました。
当部会に係るスティックセニョールの出荷は、収穫から箱詰めまで生産者が自ら行うため、生産者間でバラつきが生じないように、JA販売担当者から出荷規格や注意点についてサンプルを用いて説明がありました。また、今年は、収穫後の切口にトロケのような症状が散見されたことから、収穫後は注視して袋詰めを行なうよう周知されました。
当課からは、今後の病害虫防除管理について説明しました。生産者からは軟腐病対策について多数の質問があり、収穫用ハサミを洗浄、消毒する対策を伝え、病気を伝染させない重要性を理解いただきました。
当課は引き続き関係機関と連携し、高品質なスティックセニョールの栽培指導を行い、当産地の産地拡大を支援していきます。

※花蕾:蕾の部分。ブロッコリー等アブラナ科野菜の一部では、開花前の柔らかい時期に食す。

2025年1月

new

令和8年度の品種転換に向けて大豆新品種「フクユタカA1号」栽培講習会を実施

令和6年11月20日及び21日に熊本市南区の大豆生産者を対象に、大豆新品種「フクユタカA1号」への品種転換に係る講習会を実施しました。
熊本市南区の大豆作付面積は約480ha(県内シェア約18%)と県内でも有数の大豆産地であり、令和8年産から当該新品種への全面転換を予定しています。
講習会は2日間、計4回開催し、計60名の大豆生産者に対して、当該品種の特性について農業研究センター発表の「農業の新しい技術」を基に難裂莢性や大粒比率がやや高いこと、遅播きした場合に青立ちが多いこと等を紹介した後、現地試験では青立ちは少なかったことが過年度の展示ほ結果について報告しました。加えて、JA担当者より品種の全面転換となることから自家採種はせず、必ず種子を購入することを含め、諸注意事項の説明がありました。
次に、意見交換では、当該品種の難裂莢性による収量向上への期待の声や、本年度の大豆作柄や適期播種のための対策技術、雑草抑制技術など大豆栽培技術に対する幅広な質問があり、県内有数の大豆産地として大豆栽培への関心の高さが窺えました。
当課では引き続き、管内の品種転換に向けて支援を行っていきます。

エリアカテゴリ