2025年のエリア普及現地情報

2025年2月

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講習会の様子(2024.12.4)
摘花の実演(2024.12.4)

高温に負けない!収量向上を目指して ~「ゆうべに」摘花講習会を開催!!~

JA熊本市白浜苺部会は、部会員数17名で、栽培面積は「ゆうべに」が約5.3ha、「恋みのり」が約1.1ha、合計約6.4haのイチゴを栽培しています。
「ゆうべに」は、花芽分化が早く、早生性を有する品種で、年内収量を確保しやすい特徴があります。しかしながら、過度な着果負担により、成り疲れを引き起こし、収量が減収する場合があるため、第2花房出蕾時の摘花管理が必要です。
そこで当課では、成り疲れ防止による収量向上目指して、部会員を対象に、12月4日に摘花講習会を開催しました。当日はご夫婦での参加も多く、約30名集まりました。
今年は、秋季の高温の影響で、第2花房の出蕾が遅れているほ場が散見されている状況です。この状況を踏まえて、講習会では資料と実演で、今年の花芽分化や花数の傾向をもとに、通常は頂花房を11~12果程度残すところ、果数確保のために頂花房を12~15果残す必要があることを説明しました。生産者からは「1.5番花(花房間葉数2枚以内で分化した花房)は摘花するのか」、「収穫や管理作業で忙しい場合の摘花基準はあるか」といった質問が多く、摘花の重要性について理解を得られました。
今後定期巡回を通して、生産者の実情に応じたアドバイスを行うことで、収量向上につながるよう支援していきます。

2025年2月

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自動運転トラクターの実演
ICT建機による施工の実演

熊本農業高校における農業土木技術者の育成に向けた取組み ~スマート農業機械を間近で体験~

県央農林部では、農地整備課を中心に熊本農業高校生(農業土木科)に対し、技術力向上等を目的とした連携授業を平成27年から実施しているところです。
今後の農業は、担い手の減少やスマート農業、DX技術等の進展により、超省力、効率化生産へ移行することが予想されていますが、それらの技術導入・普及のためには、スマート農業技術に対応できるほ場整備等の生産基盤整備が必要です。令和6年度は2・3年生にスマート農業に関する講義やICT施工の実演がこれまで2回実施されています。
今回は3回目として、12月18日(水)に農業土木科2年生及び1年生の80名を対象に、スマート農業に関する授業を実施しました。当課からは農機メーカー協力のもと、自動運転トラクターの自動運転を実演し、担い手不足等の課題と併せてスマート農業技術の導入の必要性やほ場の大区画化及び機械に合わせた整備の重要性について啓発を行いました。農地整備課からは実際の工事現場を活用したドローン測量やICT建機による3Dデータを基にしたICT施工の実演が行われました。
農業土木科の生徒は非農家の生徒が多く、自動運転トラクターが動いているところを間近で見学できる希少な機会となり、「作業時間や価格はどれくらいか」、「県内には何台あるのか」といった質問や「今回の経験を将来の仕事で活かしたい」とのコメントがありました。
当課では、継続してスマート農業技術の導入に向け取り組んでいきます。

2025年2月

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新規就農者等研修・交流会を開催 ~少人数ながら盛り上がりに手応え~

当課では、熊本市やJA等と連携して新規就農者の支援策を実施していますが、その中で営農に役立つ情報や交流の機会を求める声が新規就農者から聞こえていました。
そこで、就農後おおむね5年以内の新規就農者を対象に、12月6日(金)防災センター3階会議室において新規就農者等研修・交流会を開催しました。LoGoフォームを用いた募集を行ったところ、当初10名の参加申込みがありましたが体調不良等で3名が欠席となり、JA熊本市の就農研修生2名も含めて当日は9名の参加となりました。
研修会では、農業革新支援センターの児玉参事に「知って得する病害虫対策の基礎知識」と題して講演をいただき、参加者からも活発な質問が出ていました。その後に関係機関を含め10名ずつに分かれてフリートークの交流会を行いましたが、予定時間を超えて色々な話が飛び交い、会の終了後にも各所で連絡先を交換したり質疑応答を交わしたりしている姿が見られました。
研修後のアンケートでも、「参加して良かった」、「定期的にまた開催して欲しい」などの意見がほとんどで、有意義な研修交流会になったと思われます。
参加者数が少なかったことは今回の反省点となりましたが、より参加しやすい時期や関心の高い内容等の工夫をして開催するなど、今後とも関係機関と共に新規就農者へのフォローアップ対策に取り組んでいきます。

2025年2月

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熊本市青年農業者会議を開催

熊本市青年農業者クラブ連絡協議会は、令和6年12月13日に熊本市青年農業者会議を開催しました。青年農業者の主張部門2名、プロジェクト活動部門4名の計6名が発表し、県大会発表には5名が選出されました。
主張部門では、農業を継ぐ意思がなかったが、環境の変化により就農を余儀なくされたクラブ員が農作業の中で見出したやりがいや、農業大学校を卒業したばかりのクラブ員が実際の営農活動を通じて感じた事など、新しく農業に取り組む新鮮な気持ちや今後の意気込みが発表されました。
また、プロジェクト部門では、経営移譲を受けたクラブ員による経営状況の分析、ナスの収量確保と作業時間削減の両立を目的とした疎植栽培、小玉スイカの直販による収益確保、4Hクラブ員の減少を止めるための試みについて発表が行われました。
クラブ員は主に9月から12月の間、生産管理に追われながらも計4回の検討、2回の発表準備を経て本番に臨みました。審査員からは、各発表に対して資料の改善や取り組みの深化等に係るアドバイスをいただき、発表したクラブ員以外も含め、今後のプロジェクトにどう取り組んでいくか考える良い機会となりました。
農業普及・振興課では2月開催の県大会に向けて、そして更なる営農改善に向けて4Hクラブ員が積極的に活動していけるよう、支援を継続していきます。

2025年1月

みかん栽培についての座学
糖度計を使ってみかんの糖度を測定

子どもたちへみかん栽培の魅力を発信する食育講座を開催

農業普及・振興課では、子どもたちが地域や農業への関心を持つきっかけとするために、熊本市河内町のみかん栽培に関する食育講座「河内みかん物語~おいしいみかんができるまで~」の開催を支援しています。本取組は、生産者の1年間の仕事の流れやみかん栽培の工夫についての座学、みかんの樹の観察や収穫体験を行う全3回の講座です。本年は熊本市内から3家族10名が参加しました。
11月10日に開催された3回目の講座では、収穫されたみかんが出荷されるまでの様子やみかんに含まれる栄養素を説明した後、収穫体験を行いました。子どもたちは前回観察したみかんとの大きさの違いに驚きながら、一つ一つ丁寧にみかんを収穫する様子が見られ、講座を通して生産者の苦労や思いを伝えられたと感じました。質問コーナーでは、子どもたちだけでなく保護者からもたくさんの質問がでてきて、農業への関心を高める講座にできたと思える取組となりました。
当課では、地域農業への理解を深めるために、子どもたちへ河内地域とみかん栽培の魅力を引き続き発信していきます。

2025年1月

訪問団へ説明をする金子氏
辛子れんこんと金子氏を囲んで

食の名人とフランス・ディジョンメトロポール訪問団が交流 ~「からし蓮根」で紡ぐ食文化伝承の輪~

11月23日、「くまもとふるさと食の名人」の金子雄子氏(熊本市南区)が、フランスのディジョンメトロポール(ブルゴーニュ地方のディジョン市を中心とした23自治体で構成される自治体連合)の訪問団と伝統的な郷土料理「からし蓮根」をテーマに交流されました。
熊本県とディジョンメトロポールは、令和5年度に締結した国際交流促進覚書(MOU)に基づき交流を深めています。今後のイベント開催や交流に向け、熊本の食文化を担う方々等とのつながりを持つことなどを目的として、ディジョン副市長をトップとする訪問団が来熊しました。
その一環として、ディジョンの特産品であるマスタードと親和性があり、熊本を代表する伝統料理「からし蓮根」の食の名人、金子氏との交流が企画されました。
訪問団メンバーのほとんどは今回が初来熊であり、蓮根を見るのも初めてです。そのため、蓮根の実物や和からし(粉)、試食などを準備し、金子氏からからし蓮根の歴史や作り方などを説明しました。
「和がらしとはどんなもの?」「ディジョンマスタードで作れるか?」などの質問が相次ぎ、金子氏が丁寧にジェスチャーを交え回答し、試食タイムには「とてもおいしい!」と絶賛されました。
以前は各家庭で作っていた「からし蓮根」ですが、現在はほとんどが購入するものになっており、金子氏が学校などで作り方を伝承していると説明した際には、「とても大事な活動。知識は宝です。」と真摯にコメントされ、国を超えて食文化伝承の重要性が共有された良い機会となりました。

2025年1月

適正な出荷規格を示したサンプル
栽培講習会の様子

高品質なスティックセニョールの出荷に向けて ~出荷説明会及び栽培講習会を実施~

スティックセニョールは、柔らかい花蕾※と茎が食用となるアブラナ科の野菜で、甘味があるため人気があります。JA熊本市スティックセニョール部会では、45名の生産者が11月から翌年3月にかけて生産を行い、県内や関東地域を中心に出荷されています。今期の出荷が本格化することから、当課ではJA熊本市と連携し、11月25日に出荷説明会及び栽培講習会を開催し、生産者や種苗会社合わせて約30名の参加がありました。
当部会に係るスティックセニョールの出荷は、収穫から箱詰めまで生産者が自ら行うため、生産者間でバラつきが生じないように、JA販売担当者から出荷規格や注意点についてサンプルを用いて説明がありました。また、今年は、収穫後の切口にトロケのような症状が散見されたことから、収穫後は注視して袋詰めを行なうよう周知されました。
当課からは、今後の病害虫防除管理について説明しました。生産者からは軟腐病対策について多数の質問があり、収穫用ハサミを洗浄、消毒する対策を伝え、病気を伝染させない重要性を理解いただきました。
当課は引き続き関係機関と連携し、高品質なスティックセニョールの栽培指導を行い、当産地の産地拡大を支援していきます。

※花蕾:蕾の部分。ブロッコリー等アブラナ科野菜の一部では、開花前の柔らかい時期に食す。

2025年1月

令和8年度の品種転換に向けて大豆新品種「フクユタカA1号」栽培講習会を実施

令和6年11月20日及び21日に熊本市南区の大豆生産者を対象に、大豆新品種「フクユタカA1号」への品種転換に係る講習会を実施しました。
熊本市南区の大豆作付面積は約480ha(県内シェア約18%)と県内でも有数の大豆産地であり、令和8年産から当該新品種への全面転換を予定しています。
講習会は2日間、計4回開催し、計60名の大豆生産者に対して、当該品種の特性について農業研究センター発表の「農業の新しい技術」を基に難裂莢性や大粒比率がやや高いこと、遅播きした場合に青立ちが多いこと等を紹介した後、現地試験では青立ちは少なかったことが過年度の展示ほ結果について報告しました。加えて、JA担当者より品種の全面転換となることから自家採種はせず、必ず種子を購入することを含め、諸注意事項の説明がありました。
次に、意見交換では、当該品種の難裂莢性による収量向上への期待の声や、本年度の大豆作柄や適期播種のための対策技術、雑草抑制技術など大豆栽培技術に対する幅広な質問があり、県内有数の大豆産地として大豆栽培への関心の高さが窺えました。
当課では引き続き、管内の品種転換に向けて支援を行っていきます。

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