玉名エリア

玉名地域は荒尾市、玉名市、玉名郡を所管しています。熊本県の北西部に位置し、有明海に面した平坦水田地域、金峰山や小岱山の山麓地域及び北東部の中山間地域の3地域に大別され、本地域の中央を阿蘇外輪山を水源とする菊池川が南北に流れています。
主な経営品目としては、平坦水田地域を中心に施設野菜や米・麦・大豆等が、山麓地域では温州みかん・ナシ等の果樹が、中山間地域では畜産など多彩な農業生産活動が行われています。

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県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課

〒865-0016 玉名市岩崎1004-1

電話:0968-74-2136

FAX :0968-74-2194

玉名エリア普及現地情報

2024年10月

ナス収穫サポーターを活用した労働力確保

南関町米田地区は、平成30年に県中山間農業モデル地区強化事業の地区指定を受け、農事組合法人よなだを中心として高収益作物(露地ナス)の栽培や地域連携活動に取り組んでいます。当課では、中山間地農業の経営力強化を重点課題としており、当法人に対するナスの栽培技術指導や地域連携の取組み支援を継続しています。
ナスの栽培にあたっては、管理や収穫作業が一部の構成員に偏り、防除や収穫の遅れが見られるという課題がありました。そのため、今作から構成員全員を収穫作業のローテーションに組み込み、法人全体で管理する体制を整えるとともに、構成員外からの労働力確保に向けた取り組みを始めました。
昨年、収穫体験に参加した親子を対象にサポーターの希望を募ったところ、2組から延べ6日間の作業申し込みがあり、8月から9月の土曜日に、収穫作業に来ていただくこととなりました。初日の8月3日には2組6名の親子が参加し、組合長から収穫方法の説明を受けた後、休憩を取りながら2時間ほど作業を行いました。暑い中でしたが、子供たちの賑やかな声が響き、保護者も汗だくになりながらも収穫を楽しんでいる様子が見られました。
当課では今後も、中山間地農業の経営力強化のための支援を継続していきます。

2024年10月

講師の講演の状況
講演資料

玉名地域の持続可能なミニトマト経営のあり方を考える~トマトの若手生産者向け規模拡大のススメ講演会の開催~

当課では令和6年度を通じ、重点指導対象の5名の若手トマト生産者向けに、外部から講師を迎え経営力向上に役立つ学びの機会を企画しています。この一環として、令和6年8月21日に南関町の指導農業士の菅原一真氏を講師に招き、「ミニトマト栽培の規模拡大と高冷地での生産に関する講演会」を開催しました。当日は若手生産者3名の他、関係機関5名の参加がありました。
菅原氏からは、他産地と比べ決して有利とは言えない南関町を拠点とするため、安定した価格と量を出荷できる取引先との契約を重視する経営方針の説明がありました。その上で、契約先からの要請に応える中で、大玉からミニ品種への転換、安定供給のための規模拡大や南関町と産山村での2元出荷に至った経緯のお話がありました。特に、部会組織に属さないため、日々注意深く情報収集し、ハウス、機械から産山での住居までインターネット上の取引で調達して可能な限り投資を節約した点など実践的でとても参考になるお話でした。
当日は、車座形式で、講師と参加者が間近で対話できる形式としたため、参加者からは、情報収集の具体的方法や規模拡大に取組むに当たっての手順等の実践的な質問が多く聞かれました。
講演会後のアンケートからは、他の先進農家の経営の話も聞きたい等の感想があり、今後とも参加者の経営力向上につながる機会を創出していきたいと考えています。

2024年10月

4Hクラブが出店した屋台の様子
4Hクラブが出店した屋台の様子

玉名地方4Hクラブ、夏祭りで地域交流!

玉名地方青年農業者クラブ(以下4Hクラブ)には現在19名の若手農業者が在籍しています。様々なクラブ活動を通して、地域や若手農業者同士との交流、地域貢献、課題解決能力の向上などを目指して日々活動しています。
8月11日に玉名市横島町でよこしま夏祭りが開催されました。4Hクラブはこの夏祭りに毎年屋台の出店などを行っています。今年も屋台の出店を計画し、7月から綿菓子やヨーヨーすくい等の販売物や人員の割振りといった準備を進めてきました。当日は12人のクラブ員が屋台の運営に携わりました。開始直後から4Hクラブの屋台には長い行列ができ、最終的には販売物のほとんどが完売し、大盛況で終えることができました。猛暑の中、過酷な環境ではあったものの、屋台を訪れた人々とクラブ員の間では多くの交流が行われ、たくさんの笑顔があふれる空間となっていました。今回の活動はクラブ員同士の連携強化や地域貢献に繋がる良い機会になりました。
玉名地方4Hクラブでは、今後も様々な活動を計画しています。将来の産地を担っていくクラブ員の成長に繋げられるよう、引き続き活動の支援を行っていきます。

2024年9月

玉名地方品目別専門部会分科会を5年ぶりに開催~JAや地域を超えて園芸産地の持続的な発展を議論~

ミニトマトやイチゴなどの県内有数の作付を有する玉名地域では、管内のJAと市町及び県で野菜振興協会玉名支部を組織し、野菜産地の持続的な発展に向け連携して活動しています。この一環として、令和6年7月24日にJA玉名とJA大浜のトマト、ミニトマト、イチゴ、ナスの生産部会役員、JA熊本経済連及び県農業革新支援センターから75名の出席を得て、生産上の課題と共通する事項への対応を協議する品目別専門部会を分科会形式で5年ぶりに開催しました。
分科会の中では、栽培環境の温暖化で顕在化している生理障害や品質低下への対応及び温暖化に付随する難防除病害虫の発生の激増や長期化への対応について、協議されました。高温化に対しては、遮光や精密な潅水等の降温化対策や品種及び定植時期の変更といった耕種的対応の提案がありました。また、難防除病害虫については、発生しにくい環境条件の整備や、農薬抵抗性の発達を抑えるIPM技術の情報提供等がありました。各分科会でとりまとめた内容は、役員を通じて、生産部会全員で共有される予定です。
出席した部会員の中には、協議時間ぎりぎりまで、JAや普及・振興課の担当者に対し質問や課題を投げかける場面も見られ、JAや地域を超えた議論を通じて、産地意識が醸成されていました。
当課では、引き続き園芸産地の持続的な発展につながる関係機関の連携や生産振興対策について支援を行って参ります。

2024年9月

令和5年度のトマト天敵利用展示ほ報告会の開催~土着タバコカスミカメの低コスト防除技術の深化に向けて~

当課では、令和3年産から地元JA、農研機構及び県農業革新支援センターと連携し、トマト類の重要病害虫であるタバココナジラミの天敵(タバコカスミカメ)の実証展示を行っています。令和3年産はトマトでの防除効果の検証、令和4年産には天敵導入時期や温存植物(クレオメ)の管理方法に着目した低コスト化の検証に取り組んでいます。令和5年産は更なる低コスト化を目的とした土着天敵利用技術に挑戦しており、その報告会を令和6年7月25日に展示ほ生産者4名を含む関係者12名を参集して開催しました。
令和5年産の調査では、野外のクレオメで収集したタバコカスミカメをトマト定植前後から導入し、早期に増殖させることで春先からトマト上で定着が確認でき、タバココナジラミの発生が抑制され、トマト黄化病等のウイルス病の発生時期が遅延しました。また、土着のタバコカスミカメを利用することで、費用が従来の購入天敵の5%程度(3千円/10a)に低減できる結果となりました。
出席した生産者からは、取組み3年目で防除効果が安定してきたといった手応えや天敵放飼時期の早進化や温存植物の追加で更に防除効果が期待されるといった声が聞かれ、生産者や関係機関と共に技術が磨き上げられている状況です。
令和6年産からは新たに4名(1ha超)が本技術を導入する見込みです。当課では、引き続きトマトの天敵利用技術の高度化、安定化に向けた技術確立の支援を行って参ります。

2024年9月

後藤研究員による講義の様子
フタモンマダラメイガ幼虫による加害

ナシの安定生産に向けて荒尾梨部会全体研修会の開催!

7月30日に荒尾梨の生産安定と部会員の技術力・知識力の向上を目的に荒尾梨部会の全体研修会が開催され、約30名の部会員が参加しました。
研修会では、まず果樹研究所の後藤研究員からフタモンマダラメイガとニセナシサビダニの防除についての講義がありました。これらの害虫は玉名地域のナシで問題となっていることから多くの質問があり、活発な意見交換が行われました。効果の高い薬剤や病害虫を発生させないための耕種的防除といった内容もあり、部会員各々の防除体系について見直すいい機会になったようでした。
当課からは「新高」で問題となっているミツ症について今年の積算温度のデータを示し、発生の注意喚起及び対策の徹底を呼びかけました。
玉名地域では、9月の「新高」の収穫に向けて重要な時期に入ります。これからも引き続きナシの生産安定に向けた指導を行っていきます。

2024年9月

新規就農者ヒアリング
作物担当による指導状況

新規就農者の経営安定に向けた巡回指導の実施

玉名地域の新規就農者は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も20代から40代後半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そのような中、目標とする農業経営に向かって順調に経営できている新規就農者がいる反面、計画通りの経営ができていない新規就農者がいるのも事実です。
特に、計画通りの経営改善ができてない新規就農者に対しては、技術の習得をはじめ、規模拡大のための支援も必要になります。
そこで、当課としては、作物担当をはじめ、市町や農協等の関係機関一体となった支援をするために、関係機関と連携し、新規就農者27名に対して巡回指導を6月から7月にかけて実施しました。併せて継続的な支援が実施できるように指導事項を記載した「新規就農者カード」の作成を行いました。
今回の巡回指導の結果、農業経営が順調な方がいる一方で、適期作業の遅れや技術が未熟で計画通りの収量が確保出来ていない方もいる状況でした。
特に、今後は技術的に課題がある方については、作物担当が中心となって指導を強化するとともに、下期についてもその後の状況確認のために巡回指導を実施することで、関係機関と情報共有を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2024年9月

PCを使って自由自在に名刺づくりを!~農業女性ネットワーク「ひまわりクラブ」研修会~

玉名地域では、農業女性アドバイザーやOGでつくる任意グループ「ひまわりクラブ」(山野美佐子会長、会員数22人)があり、年2回程度の自主的な研修会を行っています。
今回は、7月11日に、来月に球磨地域で開催予定のくまもと農業女性ネットワーク全体研修会で必要な名刺づくりを実習しました。名刺は、市販の台紙を使い、PCを使って汎用性の高い文書作成ソフトを用いて作成しました。基本的なフォーマットは、普及指導員が作ったサンプルを使いながら、各自で文字入力や自分が生産する作物等のイラストを貼付けて作成しました。交代しながらPCを使い、文字入力が苦手な方は、普及指導員のサポートを受けながら80分余りで参加者の名刺が出来上がりました。
また、当日は、今年度新規認定を受けたアドバイザー3人に農林部長から認定証の交付も行いました。先輩方から温かい歓迎を受け、新規認定を受けた方もひまわりクラブに加入されたところです。
各市町や地域での活躍が期待される農業女性アドバイザーですが、当課は、任意グループへの活動支援を通じて、アドバイザーの活躍の場づくりを行い、農山漁村の男女共同参画の下支えをしていきます。

2024年8月

南関町まるごと田舎体験田植え会で町ににぎわい

南関町まるごと田舎体験事業推進協議会では、農業理解促進を目的とした体験活動を約30年前から実施しています。今年は6月30日に、田植え会が上長田地区のほ場で開催され、県内外から6家族26名の参加がありました。リピーターとなって毎年楽しみに来られる方や、ラジオでイベントを知って初めて参加したという方など様々で、地域PRにも貢献しています。
植え始めは慣れない様子でぎこちない手つきだった参加者も、協議会メンバーの指導を受けどんどん上達していました。子供たちは、田んぼで泥んこになった後は竹の水鉄砲作りで盛り上がり、なんかんトッパ丸とのふれあいを楽しんでいました。会の終わりには、南関町生活研究グループによる地域食材を利用した田舎弁当がふるまわれ、協議会会長からは「田植えや稲刈り体験だけでなく、稲の成長する様子を見にたくさん足を運んでいただき、南関町をまるごと満喫してほしい」との挨拶があり、盛況のうちに閉会しました。
当課では、人を繋ぎ農業と農地を未来につなぐこれらの取組みに対して、今後も継続的に支援していきます。

2024年8月

高品質なみかんを目指して応援隊が行く!

温州みかんにおいて、7月は品質向上に重要な時期です。JAたまな柑橘部会は、着果量に応じた着果管理やマルチ被覆を主体に、高品質果実生産に向けて部会を挙げて取り組んでいます。部会役員等を中心に「マルチ被覆応援隊」を結成し、労力的にマルチ被覆が困難な部会員のマルチ被覆を応援しています。今年は、依頼があった3園のマルチ被覆を総勢26名で応援しました。また、6月下旬からは、各地区で管理講習会を開催し、摘果方法や防除について、実技を交えて講習しました。さらに、極早生温州のマルチ被覆と摘果実施状況をJAと県の指導員で園地を巡回し確認しました。講習会後に巡回することで、講習会の内容が理解されているか、実践できているか、を確認することにもつながりました。
今後も重要な管理が続きます。生産者への指導、指導結果の確認、それを次の指導に生かす、というサイクルを実践しながら、高品質果実作りに向けて関係機関や部会と連携し取組んでいきます。

2024年8月

玉名のトマト産地の未来を創る人づくり~地域の中核となるトマト若手生産者の育成~

玉名地域は県内有数のトマト・ミニトマト産地ですが、近年の需給バランスの不均衡に加え、生産資材費の高騰や労働力不足により収益性は悪化傾向にあり、さらに気象の温暖化で果実品質の低下も見られています。
このような中、産地を維持・発展させていくためには、今後、地域のトマト・ミニトマト生産を担っていく若手生産者の能力を更に引き上げる必要があります。このため農業普及・振興課では、重点普及課題に位置付け、4HCや青年農業士の代表者等中核となる若手生産者5名を重点対象に選定しました。
取組としては、「メールやSNSで対象者が気になることを何時でも相談できる体制を基本とし」、月1回の割合で、個別巡回と面談、対象者の施設での現地検討会における技術指導、地元の農業コンクール出品者への視察研修、栽培や人材派遣の専門家を招聘しての講演会等を実施。これらの取り組みを通じ、対象者は新たな気づきを得ると共に、若手同士や取り組みで出会った方々との繋がりを醸成していきます。
先日、令和6年6月28日には令和5年度の活動の振り返りと今年度の活動計画を協議するキックオフミーティングを開催すると共に、現在、経営担当者を交えて、令和6年度の栽培と経営の目標設定の個別面談を行っています。
今後も、将来のトマト産地を担う、若手生産者の経営力及び資質向上に向け、継続的なニーズの汲み取りを行い、学びと交流の機会創出を行って参ります。

2024年8月

環境負荷低減事業「みどり認定」の取り組みを支援

玉名農業普及・振興課では、「みどりの食料システム戦略」の実現のため、環境負荷低減への取り組みを支援しています。これまでも、産地全体で環境にやさしい農業に取り組み、「くまもとグリーン農業マーク」の利用等により、選ばれる産地づくりへの支援を行ってきました。
この一環として、令和6年6月25日に生産者が環境負荷の低減に取り組む計画を認定する「みどり認定」の申請書記入会を開催しました。当日は、市町担当者とJA指導員が計25名参加し、県農業技術課担当者から「みどりの食料システム戦略」に関する県の方針や、「みどり認定」を受けるメリット、申請の流れについての説明を受けました。また、団体申請を想定し、書類作成模擬演習にも取り組みました。併せて、生産者部会での環境負荷低減の活動内容について意見交換を行い、生産者が認定を受ける際の支援体制を作ることができました。
今後も、市町担当者やJA指導員と協力し、玉名地域全体で環境にやさしい農業の推進に向けて支援を行っていきます。

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