玉名エリア

玉名地域は荒尾市、玉名市、玉名郡を所管しています。熊本県の北西部に位置し、有明海に面した平坦水田地域、金峰山や小岱山の山麓地域及び北東部の中山間地域の3地域に大別され、本地域の中央を阿蘇外輪山を水源とする菊池川が南北に流れています。
主な経営品目としては、平坦水田地域を中心に施設野菜や米・麦・大豆等が、山麓地域では温州みかん・ナシ等の果樹が、中山間地域では畜産など多彩な農業生産活動が行われています。

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県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課

〒865-0016 玉名市岩崎1004-1

電話:0968-74-2136

FAX :0968-74-2194

玉名エリア普及現地情報

2025年11月

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ドローン防除 
検討会の様子 

労力軽減によるミカン産地の維持にむけて -ドローン防除の検討-

玉名地域のミカンは、農家の高齢化、農家戸数の減少により、産地の維持が懸念されます。一方で、意欲ある若手の農家も一定数おり、ミカン園を維持するには若手の規模拡大が重要な要素の一つです。そのため、省力化を目的とし、ミカン栽培において最も労力がかかる夏場の防除の軽減のためドローン防除を検討しました。
7月と8月の2回、モデル園でドローン防除を実施しました。2回合わせて若手から高齢まで約50名の農家が参加しました。併せて、農業普及・振興課が主体となって、農薬の付着状況の調査を行いました。実施後は、ドローン防除が有効な園地や樹の状態、防除効果、経費について、農家から多くの質問があり、関心の高さがうかがえました。中には、高齢の農家からドローン防除ができればもう少しミカン栽培を継続できそうだ、という感想もありました。
今後は、収穫時の果実状態等を確認し、ドローン防除が有効であるかを検討していきます。ドローン技術が産地維持の一助になることを期待します。

2025年11月

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夏秋ナス現地検討会にて栽培技術の底上げを支援

玉名地域では、令和7年産は共販出荷で57名の生産者が約5haの面積で夏秋ナスを栽培しています。出荷最盛期を迎える最中現地検討会を和水・南関地区(7月29日)と荒尾地区(8月13日)で開催しました。
収穫期序盤の露地栽培のほ場のナスは順調な生育状態でしたが、収穫期中盤にさしかかる雨よけ栽培のほ場ではやや管理の遅れが見られたので、不良果(花)の除去により着果負担を軽減させるとともに早めの剪定をするよう指導しました。
また、別のほ場では、幸いにも8月10日からの豪雨による浸水は見られなかったものの、土壌水分が多く、やや草勢の低下が見られたため、排水促進や追肥、早めの不良果の摘除で生育を回復するよう指導しました。
現地検討会後の講習会では、発生予察情報や捕殺調査結果をもとに、今後の発生増加が心配されるチョウ目害虫や微小害虫の防除対策を説明しました。
当課では、夏秋ナス生産の底上げに向け、生産者への支援を継続して参ります。

2025年11月

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果樹コース
土地利用型コース

新規就農者を対象とした新規就農者研修会の開催

玉名地域の新規就農者(就農後5年未満)は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も20歳から70代前半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そこで、当課としては、新規就農者に対して、今後とも営農を継続し、安定的な農業経営の確立に資するよう、早期の栽培技術の習得や経営の更なる改善を図ることを目的に、新規就農者研修会を開催しました。
今回の研修会では果樹と土地利用型作物を栽培している新規就農者を対象に、農業研究センターの協力のもと、研修会を開催しました。
果樹コースでは6名の参加があり、果樹研究所で温州ミカン、ブドウ、ナシの栽培状況の視察と併せて、研究内容及び成果の説明を受けました。
また、土地利用型コースでは5名の参加があり、水稲の病害虫対策や高温対策等の研修に加え、水稲及び大豆の栽培状況の視察を行いました。
両コースとも参加者が積極的な質問をするなど、自分の経営に少しでも役立てたいという思いを強く感じました。
また、10月には園芸コースでも同様の研修を行う予定です。
今後とも新規就農者に対する支援を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2025年11月

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研修会
質疑応答・意見交換

「家族経営の効率を最大化するために」認定農業者連絡会議・農業振興同友会合同研修会の開催

玉名地域では労働力の確保が大きな課題となっており、昨年度は地域認定農業者連絡会議、農業振興同友会それぞれが労働力派遣企業を招き研修会を行いました。本年度は、労働力確保は全農業者に共通する課題として、家族労力の効率化に焦点を当て、認定農業者連絡会議と農業振興同友会とで合同研修会を開催しました。
研修会は、令和6年度県農業コンクール経営体部門秀賞受賞の富岡修氏を講師として招き、「家族経営の効率を最大化するために」をテーマに講演があり、玉名地域からは各市町認定農業者連絡協議会や同友会会員、関係者を含め約40名の参加がありました。家族経営がテーマということもあり、夫婦での参加も数組ありました。
富岡氏からは、家族労力を最大限に活用するための作業計画の立て方やスマート農業技術の活用のほか、販売戦略や人材育成など幅広い話題提供がありました。参加者の関心が高い話題でもあったことから、質疑応答の時間では参加者と講師との間で活発な意見交換があり、盛会のうちに研修会は終了しました。
当課では、今後とも認定農業者連絡会議や同友会が企画する研修に対する支援を行い、農業者の経営改善に向けた支援強化を図ることにしています。

2025年11月

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発表の様子
表彰式

快挙!全国酪農発表大会で農林水産大臣賞受賞

令和7年7月17日から18日にかけて、全国酪農青年女性酪農発表大会が岡山市で開催されました。本大会は、酪農業の安定的発展を目指して全国の酪農家が意見交換を行い将来の酪農を担っていくリーダーを育成することなどを目的として、全国酪農青年女性会議及び全国酪農業協同組合連合会の主催により毎年開催されているものです。
4月に沖縄県で開催された九州大会を勝ち抜き、九州酪農青年女性会議の代表となった玉名郡和水町の(株)髙木牧場髙木大輔氏が酪農経営発表を行い、見事、最優秀賞である農林水産大臣賞を受賞されました。髙木牧場は、DIYやエコフィードの活用による徹底したコスト削減と、牛に負担をかけない管理による安定した乳量確保を両立しており、全ての発表者の中で最も経営の収益性や安定性、飼養管理水準が優れている点などが高く評価されました。
本大会を通して、全国の酪農家の経営に対する意識の高さを感じるとともに、牛への愛情を持ち、厳しい環境ながらも技術と工夫で酪農業を営まれている現状を知ることができました。当課では、生産者の取組みをしっかりと把握し、きめ細やかな支援を行ってまいります。

2025年11月

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くまさんの輝き現地検討会の様子
水稲生育調査の様子

水稲高温耐性品種「くまさんの輝き」「にじのきらめき」導入に向けて

令和6年産の水稲は、極端な高温等に起因する障害が多く発生し、収量および品質が低下しました。これを受け、玉名地域では局・市町・JAの関係機関が連携して温暖化対策に取組むプロジェクトチームを立ち上げ、具体的な対策内容の検討とその実践を目標に活動を行っています。
本年度は、対策の1つとして高温耐性品種「くまさんの輝き(普通期米)」「にじのきらめき(早期米)」の導入に向けた展示ほをJAたまなと協力して設置し、生育調査や生産者を対象とする講習会および現地検討会を実施します。いずれの品種も高温条件下で玄米の収量と品質が低下しにくい特性があり、管内への作付け拡大による地域産米の収量・品質向上が期待されます。
7月には各品種の導入を検討している地区の生産者を対象とする現地検討会を開催し、生育状況の確認のほか、品種特性の説明や高温対策資料を用いた講習会も併せて実施しました。生産者からは多くの質問があり、高温耐性品種の導入に意欲的な姿が見受けられました。
当課は今後もJAと協力し、生育調査、現地検討会や収量・品質を踏まえた成績検討会を開催し、高温耐性品種導入に向けた技術的支援を継続していきます。

2025年11月

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収穫期を迎えたホオズキ
出荷準備の様子 

中山間地域の高収益作物「ホオズキ」の挑戦

和水町の板楠小原集落営農組合では、収益力向上のため、令和元年から高収益作物としてホオズキの栽培に取り組んでいます。組合員は、花き栽培の経験がなかったため、ハウスの温度・かん水管理、防除等基本的な管理に苦労し、最初の数年は、病気や生理障害の発生により、十分な出荷ができませんでした。特にホオ枯れは、収量減につながる大きな障害であり、当課を中心に原因解明を試みましたが、他産地で発生が見られない生理障害だったため、今でも原因の特定に至っていません。しかし、考えられる対応策の実施と綿密な指導により、令和7年産は生理障害の発生はほとんど見られず、6月27日から出荷を開始しました。
7年間の生産者の努力と普及の指導の結果、基本的な技術が習得できたので、次の目標として品質向上を掲げ、今年の反省と来年産の栽培計画を検討し、最終的には組合の収益の柱になる品目として育成していきます。

2025年11月

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アザミウマ類による被害果の様子
実証展示ほ調査の様子

イチゴのIPM防除技術の確立を目指して~次作に向けて産地全体で情報共有~

当課では、イチゴの難防除害虫アザミウマ類の防除技術確立を目的に、令和5年度から地元JA、県農業革新支援センター、農業研究センターと連携し、光反射防虫ネットによる物理的防除と天敵資材による生物的防除を組み合わせたIPM実証展示ほを行っています。
これまでの調査結果から、春に被害が発生するアザミウマ類は、秋にハウス内に飛び込んで越冬していることが明らかになったため、令和6年度展示ほでは、上記の対策に加えて、秋の農薬防除を強化した体系で実証を行いました。結果、春の被害を完全に抑えることはできなかったものの、昨年と比べて少ない被害に抑えることができました。令和6年産の栽培終了後には、展示ほ設置生産者とJA指導員とで結果について検討し、調査結果をもとに作成した技術資料を7月からの現地検討会や講習会で防除のポイントとして産地全体へ共有しています。
今後も新たな技術を組み合わせた実証展示ほを行いながら、巡回指導で技術共有を図り、次作のアザミウマ類による被害果軽減にむけた支援を継続してまいります。

2025年11月

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講演会の様子(前之園講師)
講演会の様子(北山講師)

野菜の生産者が集う玉名地方品目別専門部会が盛大に開催!~「価格転嫁・資金繰り」や「熱中症対策」を学ぶ~

玉名地域では、トマト類やイチゴ等の野菜類を栽培する生産者を参集し、(一社)熊本県野菜振興協会玉名支部が主催した玉名地方品目別専門部会を7月3日に開催しました。会では、多くの生産者が抱える課題に関連する講師を招聘し、以下の2つのテーマで講演会を行いました。
①「価格転嫁のための考え方と資金繰りの重要性」
講師:中小企業診断士 前之園博一 氏(くまもと農業経営相談専門員)
②「今夏の熱中症対策と応急処置について」
講師:大塚製薬株式会社 熊本営業所 北山奈々夏 氏
当日は関係機関含め83名の出席があり、講演後は個別の経営相談が寄せられ、また、セルフチェックをはじめとした具体的な熱中症対策について周知することができました。参加者からは「各部会の講習会等に招き、より多くの生産者に聞いてもらいたい」といった意見が挙がりました。
今後も、生産者や関係機関のニーズを把握しながら講演会等の企画を行い、生産者の資質向上にむけた支援を引き続き行っていきます。

2025年11月

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新規就農者ヒアリング
作物担当による指導状況

新規就農者の経営安定に向けた上期巡回指導の実施

玉名地域の新規就農者は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も20代から60代後半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そのような中、当課としては、新規就農者(就農5年未満)44名に対して、上期の巡回指導を6月から7月にかけて実施しました。
巡回指導は、昨年度から作物担当をはじめ、市町や農協等の関係機関一体となって実施しており、併せて継続的な支援が実施できるように指導事項を記載した「新規就農者カード」の作成更新も行い、各市町担当者への情報共有を図っています。
また、一方で新規就農者に対して、技術面や経営面等での課題解決の相談先に当課の存在を認識してもらうことも念頭に実施しています。
今回の巡回指導の結果、着実に農業経営の向上に向けた取り組みをされている新規就農者が多い状況でした。ただ、圃場条件の問題、労力不足による適期作業の遅れ、栽培技術の未熟さ等により目標とする収量が確保出来ていない方もいました。
引き続き、技術的に課題がある方については、作物担当が中心となって指導を強化するとともに、下期についてもその後の状況確認のために巡回指導を実施することで、関係機関と情報共有を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2025年8月

田植えの様子
南関町生活研究グループの田舎弁当

大盛況!南関町まるごと田舎体験田植え会

南関町では、まるごと田舎体験事業推進協議会の主催による農業体験活動を継続して実施しています。今年31回目の開催となる田植え会が、6月29日に上長田地区のほ場で開催されました。県内外から定員を大きく超える19家族77名の参加があり、6月とは思えない程強い日差しが照り付ける田んぼで汗を流しました。
初めて田植えをするという参加者が多く、大人も子供もはじめは田んぼの感触に驚いて入るのをためらっていましたが、慣れてくると器用な手つきで集中して植えていました。腰まで浸かって泥んこになったり、水辺の生き物を探してつかまえたりする子供もいて、普段できない体験を満喫していました。会の終わりには、恒例の南関町生活研究グループによる地域食材を利用した田舎弁当がふるまわれ、皆さん舌鼓を打っていました。協議会会長からは「このイベントは田舎の人と触れ合って田舎の良さを知ってもらうことを目的にしている。高温が続くが、秋の稲刈り体験に向けて減農薬で大事に管理していく。ぜひ稲の成長する様子も見にたくさん足を運んでいただき、南関町をまるごと満喫してほしい。」との挨拶があり、盛況のうちに閉会しました。
当課では、人を繋ぎ農業と農地を未来につなぐこれらの取組みに対して、今後も継続的に支援していきます。

2025年8月

かん水モデル園             
女性部勉強会の様子

温暖化に対応した産地への育成 ~ミカンのかん水施設モデル園の設置~ 

玉名地域では令和6年度に温暖化に対応した産地育成に向けて関係機関でプロジェクトチームを立ち上げ、対策の検討と実践を推進しています。
温州ミカンでは、令和6年産に夏期の高温・少雨により、裂果、日焼け、樹勢低下等が発生しました。そのため、対策の一つとして、かん水施設の導入を推進することとしました。経営規模の大きい露地ミカンにおけるかん水施設の導入には、コストが最も重要です。そこで、「低コスト、簡易、維持管理が簡単」をポイントにかん水施設を検討し、モデル園を設置しました。モデル園では、タンクに水を積み、低圧ポンプで園内に設置したチューブからかん水します。既存のタンクを利用することでコストを下げることができます。また、ポンプは軽トラックで移動できるため、かん水チューブを園に設置しておけば、複数の園のかん水ができます。2,000Lを約40分でかん水できるため、その間に摘果等の作業をすることができます。
6月に柑橘部会の全体集会及び女性部勉強会でモデル園のかん水の様子を紹介しました。農家から多くの質問があり、かん水の必要性を認識されたようでした。今後、梅雨明けから本格的に潅水が必要な時期に入ります。かん水の実施状況や果実品質等に及ぼす影響を調査し、更なる推進につなげていきます。

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