玉名エリア

玉名地域は荒尾市、玉名市、玉名郡を所管しています。熊本県の北西部に位置し、有明海に面した平坦水田地域、金峰山や小岱山の山麓地域及び北東部の中山間地域の3地域に大別され、本地域の中央を阿蘇外輪山を水源とする菊池川が南北に流れています。
主な経営品目としては、平坦水田地域を中心に施設野菜や米・麦・大豆等が、山麓地域では温州みかん・ナシ等の果樹が、中山間地域では畜産など多彩な農業生産活動が行われています。

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県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課

〒865-0016 玉名市岩崎1004-1

電話:0968-74-2136

FAX :0968-74-2194

玉名エリア普及現地情報

2025年1月

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玉名地域家畜防疫演習を開催

11月7日に、玉名地域家畜防疫演習を開催しました。当地域では過去2回鳥インフルエンザが発生し、後方支援業務に関する多くの課題が浮き彫りとなったため、マニュアルの改訂や研修・演習の充実等、多くの改善に取り組んできました。
演習に先立ち、9月には係別の研修会を行い、マニュアルを見ながら応援者の動きや各職員の担当業務を確認しました。演習当日は、市町職員を含めた実際の発生時と同様の人数で、レイアウト案に基づいた動線の明示や、かご台車資材の受け入れ、TELETやiPad、モバイルプリンターを使った名簿の出力等を行い、より実践的な演習となりました。事前に係別研修を実施したことで、業務内容を把握し自ら動くことができましたが、想定より立ち上げ作業に時間がかかったり、振興局から持参した資材が上手く活用されていなかったり、動線が分かりづらい等の課題も見つかりました。一方で、演習参加者から「動線の明示方法として各エリアに番号を付けたら良いのではないか」等、自発的な提案や意見も出され、非常に有用な研修となりました。
今シーズンは過去最も早い初発事例に始まり、すでに昨シーズンの発生数を超えており、発生リスクが極めて高い状態となっています。
今後も引き続き各支援業務における課題を整理し、局内及び管内市町等と連携を図りながら、万一の際に迅速かつ的確な後方支援ができるよう体制づくりを進めていきます。

2025年1月

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検討会の様子
実施後の土壌断面の様子

ホオズキの生産安定に向けて ~土壌改良検討会の開催~

和水町の小原ホオズキ生産組合では、令和2年から7月出荷ホオズキの生産に取り組んでいます。しかし、ここ数年、5月中旬頃からホオに枯れが生じる生理障害(ホオ枯れ)により、商品化率が著しく低下することが課題となっています。原因を調べるため作付後の7月中旬に土壌断面調査を行った結果、深さ21㎝あたりに耕盤層があり、有効土層が狭いことが分かりました。そのため、生理障害の軽減対策のひとつとして、農研機構が開発した「カットブレーカー」という心土破砕機を用いた耕盤層の破砕による土壌の物理性改善に取組むこととしました。
11月25日に、ハウス3棟にカットブレーカーで心土破砕を行ったところ、実施後の断面調査では、30㎝~35㎝あたりに切り込みが入っていることが確認できました。
今後は、生理障害軽減のため、土壌改良の効果検証も含めた調査や潅水管理の指導を集中的に行い、生産者が安定的に出荷できるよう支援していきます。

注)カットブレーカー:土にV字に切りこみをいれ、持ち上げた土を落とすことで、V字の破砕層を形成する機械。

2025年1月

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光反射防虫ネットの様子
アザミウマの見取り調査の様子

イチゴ難防除害虫「アザミウマ」のIPM防除技術の確立を目指して

玉名地域のイチゴ栽培では、化学農薬による害虫防除を行っていますが、春季におけるアザミウマ類の多発生により品質および収量が著しく低下する事例が散見されています。また、花粉交配用ミツバチを導入している期間は使用できる農薬が限られているため、薬剤防除だけでなく、天敵や防虫ネット等を用いた複合的な防除体系(IPM防除技術)の確立が求められています。
そこで、令和5年度から地元JA、県農業革新支援センター、農業研究センター病害虫研究室と連携し、光反射防虫ネットによる物理的防除と天敵資材による生物的防除を組み合わせたIPM実証展示を行っています。昨年度は、防虫ネットによる春先の害虫の飛び込み抑制効果は確認できましたが、11月の天敵放飼時に害虫数が抑えられておらず、厳寒期にも害虫が増加し、春先は野外での発生より早くハウス内で害虫が増加しました。その結果を踏まえて、今年度は秋のビニル被覆後から天敵放飼までの防除を強化し、害虫の密度をできる限り低くしてから天敵が放飼できるように取り組みました。
その結果、野外の害虫数が昨年度の2~3倍と非常に多かったのに対して、ハウス内の害虫数は1花あたり0から0.03匹と昨年より抑えられている状況です。今後も継続して調査を行い、5月下旬の栽培終了まで調査を続け、高品質のイチゴの出荷につながるよう、IPM技術の確立に取り組んでいきます。

2025年1月

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現地検討会ほ場の様子

若手生産者が農業コンクール大会受賞者を研修 ~地域の先進生産者に学ぶトマト・ミニトマト栽培~

玉名農業普及・振興課では、重点普及課題の中で、地域の主力品目であるトマト類栽培の将来を担う中核的な若手生産者の重点指導に取り組んでいます。これまでに個別面談や合同の現地検討会を通じ、個々の経営課題の解決や、資質向上に向けた指導を行っているところです。
その一環として、11月26日に若手生産者6名が、地域の農業コンクール受賞者3名を訪問する現地検討会を開催しました。訪問した3名は、大玉で30t/10a、ミニトマトで20t/10aレベルと地域平均を大きく上回る高収量を安定して上げており、早めの茎葉整理や病害虫防除の徹底など基本管理の徹底を最も重視されておられました。その上で、記録的な高温に対応する新たな遮光資材の展張や換気環境の改善など数々の工夫を取り入れておられ、その詳細を自ら説明いただきました。
特に「施設内の換気改善を進めたことで、0.3mm目合の防虫ネットを谷、サイドとも展張でき、施設環境の高温化を防ぎつつ、病害虫の発生をゼロ近くにできた」等の受賞者の話に若手生産者の多くが感心していました。
若手生産者の中には、受賞者に名刺を渡す等、今後の繋がりを作る姿が見られると共に、受賞者からは「若手の姿に地域の未来を感じた」との言葉が聞かれました。当課では、地域の先進生産者の協力を得ながら、若手生産者の経営課題の解決と資質向上を支援して参ります。

2025年1月

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女性部研修会の様子
全体研修会の様子

玉名地域認定農業者連絡会議 各種研修会開催 ~働き方改革&労働力確保!~

玉名地域認定農業者連絡会議では、11月8日に株式会社みっちゃん工房の光永代表を講師に迎え、女性部研修会を開催しました。今回の研修会は、昨年の全国優良経営体表彰働き方改革部門で農林水産大臣賞を受賞された光永氏の取り組みを学ぶことを目的に、会員29名、関係機関7名の参加のもと開催されました。
講演では、旅行代理店で働いていた光永代表が就農した経緯から、その後の取り組みが紹介され、同じ経営者の立場にいる参加者と質疑応答が盛んに行われました。
また11月15日には、全ての会員に共通で、しかも喫緊の課題である労働力確保をテーマに、様々な業態で労働力を提供するサービスを行っている3社の担当者を講師に迎え、全体研修会を開催しました。全体研修会には会員18名、関係機関9名の参加がありました。
3社3様のサービスの特徴等について講演が行われ、問題意識を持つテーマだったためか、質疑応答には多くの質問が寄せられ、3社の中では、1日からでも依頼でき、住居の手配なども必要でない農作業受委託形式の業者への関心が高いようでした。
当課では、今後も認定農業者の経営改善を支援していきます。

2025年1月

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研修会の様子

玉名地方青年農業士連絡協議会の認定証授与式及び研修会の開催 ~地域を共に担う若手生産者の仲間づくり~

玉名地域では、野菜や果樹、土地利用型作物等の生産に従事する満35歳未満の若手農業者が「玉名地方青年農業士連絡協議会」を組織し、農業普及・振興課と共に資質向上や地域を超えた仲間づくりを目的に研修活動等を行っています。
その一環として、令和6年12月6日に今年度新たに青年農業士に認定された8名に認定証が授与されました。令和2年度以降、新型コロナ感染症蔓延の影響で集合形式の認定証授与が見送られており、会長を含め協議会員の半数近くが認定証の授与を受けました。これまで、会員の多くが認定を受けずに活動してきており、今回の授与を契機に、青年農業士としての自覚を新たにしていました。
また、当日は、施設野菜の環境制御技術の専門家である深田正博氏を講師にお招きして、低コスト環境制御技術に関する研修会を開催しました。大変密度の濃い講演で、講演後の質問時間では足りない位の盛んな質疑応答がありました。参加者は、自分の施設でも、お金をかけずに取り組める環境制御技術が少なくないことに大きな刺激を受けていたようでした。
当課では、今後も玉名地域の将来を担う青年農業士の仲間づくりと資質向上を支援して参ります。

2025年1月

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全体研修会状況
品目毎研修会状況

新規就農者を対象とした第2回新規就農者研修会の開催

玉名地域の新規就農者(就農後5年未満)は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も18歳から70代前半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そのような中、目標とする農業経営に向かって順調に経営できている新規就農者がいる反面、計画通りの経営ができていない新規就農者がいるのも事実です。
そこで、当課としては、新規就農者に対して、今後とも営農を継続し、安定的な農業経営の確立に資するとともに、早期の栽培技術の習得や経営の更なる改善を図るために、先月の第1回に引き続き、第2回新規就農者研修会を開催しました。
今回の研修会では12名の新規就農者が参加し、農業経営のセーフティネットとしての収入保険の制度説明や、病害虫の防除や農薬の基礎知識の全体研修に加え、品目別に分かれて更に詳細な病害虫対策について研修を実施しました。
各研修の中で活発な質問が飛び交い、新規就農者のやる気と貪欲な技術取得の意欲が伺えました。
特に各品目別に分かれた研修会を通じて新規就農者が、農業普及・振興課の部門担当にいつでも気軽に相談できる雰囲気作りができたと感じています。
今後、第3回研修会を2月に実施する予定です。今後とも新規就農者に対する支援を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2024年12月

ドローンによるレンゲ播種
小学生レンゲ播種体験

持続可能な中山間農業の実現に向けた取り組み

平成30年に県中山間農業モデル地区指定を受けた南関町米田地区では、農事組合法人よなだを中心として、高収益作物(露地ナス)の栽培や地域連携活動に取り組んでいます。
当法人の基幹作物は水稲であり、構成員が計15haの主食用米を栽培していますが、冬場はほとんどの水田で作付けがされていない状況です。一方、米田周辺には養蜂家が春先に蜜蜂の巣箱を置いており、蜜源が求められています。そこで、当法人と養蜂家双方にメリットのある取り組みとして、水田の地力増進と蜜蜂の蜜源確保を目的とした水田へのレンゲ播種を行うこととしました。
水稲収穫前の9月26日、地元小学生との地域連携活動の中で、ドローンによるレンゲ播種及び児童による播種体験を行いました。当日は秋晴れの空のもと、地元小学校の2年生17名及び保護者が当法人の水田に集いました。参加者はドローンやレンゲの種子に興味を持った様子で、児童からは、「ドローンはいくらするんですか?」という質問が飛んだり、「種まきが楽しかった」といった声が聞かれました。法人組合長からは、「ぜひレンゲが育つ様子も見に来てください」との話があり、法人の活動が地域に浸透してきている様子も伝わってきました。レンゲの本格的な播種は、稲刈り後の10月下旬から11月上旬頃にかけて、構成員10名の水田計5.6haに行う予定です。
当課では、中山間地域における持続可能な農業経営の検討、また、地域営農組織等の取組み支援を継続していきます。

2024年12月

保毒虫検定の状況
診断キットによる保毒虫の検定 (発光しているのが保毒虫サンプル)

地域のトマト黄化葉巻病ウイルス保毒虫をモニタリング~地域一丸となったトマト黄化葉巻病対策の効果を検証~

玉名地域では、感染するとトマト類の生産に多大な影響を及ぼすトマト黄化葉巻病(以下、黄化葉巻病)発生低減を最重要課題に位置付け、生産者組織が連携し、産地を挙げて1か月間トマトの不作付期間を設けて対応しています。
その効果を検証するため、令和2年からJAと連携し管内2か所で誘殺板を用いてコナジラミ類を収集し、農業研究センターの支援を受けて黄化葉巻病ウイルス保毒虫の検定を行っています。
野外の保毒虫をモニタリングすることで、次作のトマト黄化葉巻病の発病リスクを評価できるため、前作終了の6月から作付初期の10月まで毎月調査してきました。
今季は、従来の月2回の調査から月1回の調査に集約しましたが、例年の傾向どおり、保毒虫の割合はトマトの栽培終了時に最も高く、トマトの作付けの無い期間に最も低くなりました。一方で、例年になく10月に入っても真夏日が続いた今季は、10月の保毒虫の割合が例年より低くなりました。これは研究機関の調査傾向とも一致しており、高温によりタバココナジラミのハウスへの侵入やハウス内での活動が抑制され黄化葉巻病感染植物との接触が少なかったことや野外での世代交代が促進されたことも要因の1つと推定されました。
今期のトマト類の収穫は既に始まっており、年間を通した生産安定に向け、トマト黄化葉巻病対策に緊張感を持って取り組んで参ります。

2024年12月

果実品評会
選果状況

過酷な環境下での高品質「太秋」生産の取組み

玉名地域は、玉東町を中心に約12haでカキ「太秋」が栽培されています。JAたまな柿部会では、部会員の技術力向上を目的に、春から摘蕾講習会、摘果講習会等、年間を通して活動しています。今年産の管理の集大成として、10月31日、第9回太秋柿果実品評会が開催されました。果実糖度や外観等を総合的に評価する果実部門に12点、果実の大きさで評価する大玉果実部門に11点の出品がありました。果実品質部門に出品された果実は、どれも着果管理や袋掛け、防除の管理が徹底されており、高品質の果実でした。また、大玉部門についても、夏期の少雨という小玉になりやすい気象条件の中、かん水等の管理徹底により、大玉に仕上げられていました。
一方で、今年は、夏期の高温・乾燥、9月以降の厳しい残暑と栽培が非常に難しい気象条件でした。特に「太秋」は、品質向上に重要な袋掛け等の管理が7月下旬から8月にあたり作業負荷が高くなること、収穫期の高温により着色が進まないこと等、温暖化に伴い、栽培が益々困難になっていくことが予想されます。加えて、生産者の高齢化と後継者の不在も大きな問題です。
「太秋」は、熊本県を代表する果実として全国的な知名度も高いため、生産量を維持していくことは重要です。当課としては、部会活動を通じて技術力の向上や産地維持対策を支援していきます。

2024年12月

研修会状況
意見交換会状況

新規就農者を対象とした第1回新規就農者研修会の開催

玉名地域の新規就農者(就農後5年未満)は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も18歳から70代前半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そのような中、目標とする農業経営に向かって順調に経営できている新規就農者がいる反面、計画通りの経営ができていない新規就農者がいるのも事実です。
そこで、当課としては、新規就農者に対して、今後とも営農を継続し、安定的な農業経営の確立に資するため、早期の栽培技術の習得や経営の更なる改善を図るために、第1回新規就農者研修会を開催しました。
今回の研修会では11名の新規就農者が参加し、土壌肥料の基礎知識についての研修や、今後の経営に役立てるため補助事業や農業制度資金の情報提供を行ったのちに、参加者同士で意見交換を行いました。
土壌肥料の研修では活発な質問が飛び交い、新規就農者のやる気と貪欲な技術取得の意欲が伺えました。また、意見交換では、「仲間づくりの手法」、「就農しての悩み事」など活発な意見交換が行われました。
今後、第2回研修会を11月に第3回研修会を2月に実施する予定です。今後とも新規就農者に対する支援を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2024年12月

説明会の様子
作成した土壌診断表

地域営農法人における大豆の収量向上のための土壌養分動態把握の取組み(続)~土壌分析結果説明会開催~

玉名市岱明町の「農事組合法人 野口」では、約100haのほ場で水稲、麦および大豆のブロックローテーションに取り組んでいます。しかし、当法人の大豆の収量が県内平均を下回っていることから、昨年度より、当課において、大豆の収量向上支援を実施しています。
今年度は、大豆作付前の堆肥施用や石灰散布による地力の回復に向け、土壌分析を行う19ほ場を選定し、当課指導のもと麦栽培後に組合員自ら土壌採取を行ってもらいました。大豆作付前に分析結果の概要を法人に説明した結果、土づくりへの理解が深まり、大豆播種ほ場の約8割で堆肥(昨年は未実施)、約6割で石灰散布(昨年は約3割)が行われ、土づくりの取組みを拡大できました。
9月17日に対象ほ場の耕作者を参集した土壌分析結果説明会を開催しました。当課より、土壌分析項目の見方、土壌養分動態の現況を説明し、改めて堆肥施用および石灰散布による土づくりの重要性を説明したところ、積極的に質問が挙がるなど、土づくりへの機運を更に醸成することができました。
当課では、土壌養分の経時変化を組合員へ還元し、堆肥や石灰の適正施用量を指導することにより、大豆の収量向上支援を継続していきます。

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