玉名エリア

玉名地域は荒尾市、玉名市、玉名郡を所管しています。熊本県の北西部に位置し、有明海に面した平坦水田地域、金峰山や小岱山の山麓地域及び北東部の中山間地域の3地域に大別され、本地域の中央を阿蘇外輪山を水源とする菊池川が南北に流れています。
主な経営品目としては、平坦水田地域を中心に施設野菜や米・麦・大豆等が、山麓地域では温州みかん・ナシ等の果樹が、中山間地域では畜産など多彩な農業生産活動が行われています。

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県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課

〒865-0016 玉名市岩崎1004-1

電話:0968-74-2136

FAX :0968-74-2194

玉名エリア普及現地情報

2025年12月

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(農)よなだがナスの収穫体験イベントで小学生の郷土愛と農業 愛を育む

10月7日に南関町の(農)よなだがナス栽培ほ場に地元南関第四小学校2年生9人とその保護者、教師を招いて収穫体験イベントを開催しました。当課は、企画・準備から実施までの活動を支援しました。
はじめに、打越組合長から法人の活動や地域の農地を守っていることなどを紹介した後、組合員からナスの収穫方法や注意点について説明しました。収穫体験は5つのグループに分かれ、それぞれに組合員が補助に付いて行いました。また、ナス収穫後は、傍らに栽培中のからいも掘りも体験してもらいました。
児童は、ナスの収穫では真剣な眼差しでナスの見極めや正しいハサミの使い方にチャレンジし、からいも掘りでは株引きや土堀りに夢中になっていました。終わりの会では「ナスの収穫法が分かった」、「大きい芋が取れてたのしかった」等の感想が活発に発せられ、児童にとって郷土の営みや農業を知る良い機会になったと思います。
(農)よなだは中山間地の小規模な法人ですが、高収益品目としてナスを導入し、地元への農業理解活動にも活用する他、レンゲを栽培して耕蜂連携や地力増進に取り組むなど集落営農の持続に積極的に関わっています。当課は今後も、(農)よなだをはじめとする中山間地域の営農組織の活動支援を継続していきます。

2025年12月

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あらたま窯元めぐりとコラボで花の消費拡大を

玉名地域では、切り花から鉢物まで様々な花きが生産されています。花き協会玉名支部では、管内産の花きのPR及び需要拡大のため花育等を行ってきました。今年は、これまで以上に広く消費者へ魅力を発信しようと、あらたま窯元めぐりと同時開催で花プレゼント企画を実施しました。「器と花のある暮らしを」をテーマに掲げ、13窯元と8花店に協力をいただき、窯元めぐり期間中に指定金額以上の焼き物を購入した方に玉名管内の花店で花と交換できる引換券を渡しました。窯元からは、いい取組みだという声があり、引換券を渡したお客さんからも喜ばれたようです。
近年は、住宅事情の変化や家に人を招くという習慣の減少等で、大きな花器よりも一輪挿しのような生活に溶け込むタイプの花器にトレンドがシフトしているようです。花の消費状況は変化しても、暮らしに彩を添える花の良さは変わりません。関係機関と連携して花の良さを発信する活動を継続していきます。

2025年12月

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生育は良好で、着花も順調
色艶のよいナスが実る

玉名地域の冬春ナスの出荷が本格化!~夏秋作からリレーし、品質の高いナスを届ける~

玉名地域では、共販出荷で今季40名が17haで冬春ナスの栽培に取り組んでおり、現在、出荷が本格的に始まっています。当地域では、夏秋作でも54名が4.5haで栽培に取り組んでおり、両作型が重なる今の時期は、出荷をリレーして生産量を確保し、関西などの消費地に玉名産のナスを届けています。
令和7年産冬春作は、前年同様の8月1日から定植が始まりましたが、高温による初期生育の停滞や害虫多発等のため、前年より2週間遅れの9月17日から出荷が始まりました。その後も暖秋傾向が続き、10月下旬現在では出荷が本格化しています。
冬春作の生産上の課題として、定植後の高温対策が必須となっており、潅水方法や施設換気の活用等に関する対策技術を発信すると共に、遮光事例を調査し、生産者や関係機関と効果を検証しています。また、これから加温時期を迎えるにあたり、現地検討会と講習会で、省エネで暖房効果を確保するための施設整備や、収量向上と病害抑制につながる環境管理について、情報発信と指導を予定しています。
当地域のナス生産者が安定して長く栽培に取り組めるように関係機関と連携を密にして支援して参ります。

2025年12月

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室内研修
現地研修

新規就農者を対象とした新規就農者研修会(園芸コース)の開催

玉名地域の新規就農者(就農後5年未満)は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も20歳から70代前半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そこで、当課としては、新規就農者に対して、今後とも営農を継続し、安定的な農業経営の確立に資するため、早期の栽培技術の習得や経営の更なる改善を図るために、8月に開催した果樹及び土地利用型作物の研修に引き続き、農業研究センターの協力のもと、園芸作物栽培の研修会を開催しました。
今回の研修会には4名の参加があり、野菜研究室から試験研究状況の説明を受けた後、トマト、ミニトマト、イチゴ、ナスの栽培状況の視察を行いました。
参加者は、自分が栽培するにあたっての課題や疑問点等、積極的な質問をするなど、自分の経営に少しでも役立てたいという思いを強く感じました。
また、研究員からは、明確な対策や助言をいただくことで、新規就農者にとって有意義な研修であったようでした。
次回は1月以降に新規就農者を対象に、品目別研修会を開催することとしています。
今後とも新規就農者に対する支援を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2025年11月

ドローン防除 
検討会の様子 

労力軽減によるミカン産地の維持にむけて -ドローン防除の検討-

玉名地域のミカンは、農家の高齢化、農家戸数の減少により、産地の維持が懸念されます。一方で、意欲ある若手の農家も一定数おり、ミカン園を維持するには若手の規模拡大が重要な要素の一つです。そのため、省力化を目的とし、ミカン栽培において最も労力がかかる夏場の防除の軽減のためドローン防除を検討しました。
7月と8月の2回、モデル園でドローン防除を実施しました。2回合わせて若手から高齢まで約50名の農家が参加しました。併せて、農業普及・振興課が主体となって、農薬の付着状況の調査を行いました。実施後は、ドローン防除が有効な園地や樹の状態、防除効果、経費について、農家から多くの質問があり、関心の高さがうかがえました。中には、高齢の農家からドローン防除ができればもう少しミカン栽培を継続できそうだ、という感想もありました。
今後は、収穫時の果実状態等を確認し、ドローン防除が有効であるかを検討していきます。ドローン技術が産地維持の一助になることを期待します。

2025年11月

夏秋ナス現地検討会にて栽培技術の底上げを支援

玉名地域では、令和7年産は共販出荷で57名の生産者が約5haの面積で夏秋ナスを栽培しています。出荷最盛期を迎える最中現地検討会を和水・南関地区(7月29日)と荒尾地区(8月13日)で開催しました。
収穫期序盤の露地栽培のほ場のナスは順調な生育状態でしたが、収穫期中盤にさしかかる雨よけ栽培のほ場ではやや管理の遅れが見られたので、不良果(花)の除去により着果負担を軽減させるとともに早めの剪定をするよう指導しました。
また、別のほ場では、幸いにも8月10日からの豪雨による浸水は見られなかったものの、土壌水分が多く、やや草勢の低下が見られたため、排水促進や追肥、早めの不良果の摘除で生育を回復するよう指導しました。
現地検討会後の講習会では、発生予察情報や捕殺調査結果をもとに、今後の発生増加が心配されるチョウ目害虫や微小害虫の防除対策を説明しました。
当課では、夏秋ナス生産の底上げに向け、生産者への支援を継続して参ります。

2025年11月

果樹コース
土地利用型コース

新規就農者を対象とした新規就農者研修会の開催

玉名地域の新規就農者(就農後5年未満)は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も20歳から70代前半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そこで、当課としては、新規就農者に対して、今後とも営農を継続し、安定的な農業経営の確立に資するよう、早期の栽培技術の習得や経営の更なる改善を図ることを目的に、新規就農者研修会を開催しました。
今回の研修会では果樹と土地利用型作物を栽培している新規就農者を対象に、農業研究センターの協力のもと、研修会を開催しました。
果樹コースでは6名の参加があり、果樹研究所で温州ミカン、ブドウ、ナシの栽培状況の視察と併せて、研究内容及び成果の説明を受けました。
また、土地利用型コースでは5名の参加があり、水稲の病害虫対策や高温対策等の研修に加え、水稲及び大豆の栽培状況の視察を行いました。
両コースとも参加者が積極的な質問をするなど、自分の経営に少しでも役立てたいという思いを強く感じました。
また、10月には園芸コースでも同様の研修を行う予定です。
今後とも新規就農者に対する支援を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

2025年11月

研修会
質疑応答・意見交換

「家族経営の効率を最大化するために」認定農業者連絡会議・農業振興同友会合同研修会の開催

玉名地域では労働力の確保が大きな課題となっており、昨年度は地域認定農業者連絡会議、農業振興同友会それぞれが労働力派遣企業を招き研修会を行いました。本年度は、労働力確保は全農業者に共通する課題として、家族労力の効率化に焦点を当て、認定農業者連絡会議と農業振興同友会とで合同研修会を開催しました。
研修会は、令和6年度県農業コンクール経営体部門秀賞受賞の富岡修氏を講師として招き、「家族経営の効率を最大化するために」をテーマに講演があり、玉名地域からは各市町認定農業者連絡協議会や同友会会員、関係者を含め約40名の参加がありました。家族経営がテーマということもあり、夫婦での参加も数組ありました。
富岡氏からは、家族労力を最大限に活用するための作業計画の立て方やスマート農業技術の活用のほか、販売戦略や人材育成など幅広い話題提供がありました。参加者の関心が高い話題でもあったことから、質疑応答の時間では参加者と講師との間で活発な意見交換があり、盛会のうちに研修会は終了しました。
当課では、今後とも認定農業者連絡会議や同友会が企画する研修に対する支援を行い、農業者の経営改善に向けた支援強化を図ることにしています。

2025年11月

発表の様子
表彰式

快挙!全国酪農発表大会で農林水産大臣賞受賞

令和7年7月17日から18日にかけて、全国酪農青年女性酪農発表大会が岡山市で開催されました。本大会は、酪農業の安定的発展を目指して全国の酪農家が意見交換を行い将来の酪農を担っていくリーダーを育成することなどを目的として、全国酪農青年女性会議及び全国酪農業協同組合連合会の主催により毎年開催されているものです。
4月に沖縄県で開催された九州大会を勝ち抜き、九州酪農青年女性会議の代表となった玉名郡和水町の(株)髙木牧場髙木大輔氏が酪農経営発表を行い、見事、最優秀賞である農林水産大臣賞を受賞されました。髙木牧場は、DIYやエコフィードの活用による徹底したコスト削減と、牛に負担をかけない管理による安定した乳量確保を両立しており、全ての発表者の中で最も経営の収益性や安定性、飼養管理水準が優れている点などが高く評価されました。
本大会を通して、全国の酪農家の経営に対する意識の高さを感じるとともに、牛への愛情を持ち、厳しい環境ながらも技術と工夫で酪農業を営まれている現状を知ることができました。当課では、生産者の取組みをしっかりと把握し、きめ細やかな支援を行ってまいります。

2025年11月

くまさんの輝き現地検討会の様子
水稲生育調査の様子

水稲高温耐性品種「くまさんの輝き」「にじのきらめき」導入に向けて

令和6年産の水稲は、極端な高温等に起因する障害が多く発生し、収量および品質が低下しました。これを受け、玉名地域では局・市町・JAの関係機関が連携して温暖化対策に取組むプロジェクトチームを立ち上げ、具体的な対策内容の検討とその実践を目標に活動を行っています。
本年度は、対策の1つとして高温耐性品種「くまさんの輝き(普通期米)」「にじのきらめき(早期米)」の導入に向けた展示ほをJAたまなと協力して設置し、生育調査や生産者を対象とする講習会および現地検討会を実施します。いずれの品種も高温条件下で玄米の収量と品質が低下しにくい特性があり、管内への作付け拡大による地域産米の収量・品質向上が期待されます。
7月には各品種の導入を検討している地区の生産者を対象とする現地検討会を開催し、生育状況の確認のほか、品種特性の説明や高温対策資料を用いた講習会も併せて実施しました。生産者からは多くの質問があり、高温耐性品種の導入に意欲的な姿が見受けられました。
当課は今後もJAと協力し、生育調査、現地検討会や収量・品質を踏まえた成績検討会を開催し、高温耐性品種導入に向けた技術的支援を継続していきます。

2025年11月

収穫期を迎えたホオズキ
出荷準備の様子 

中山間地域の高収益作物「ホオズキ」の挑戦

和水町の板楠小原集落営農組合では、収益力向上のため、令和元年から高収益作物としてホオズキの栽培に取り組んでいます。組合員は、花き栽培の経験がなかったため、ハウスの温度・かん水管理、防除等基本的な管理に苦労し、最初の数年は、病気や生理障害の発生により、十分な出荷ができませんでした。特にホオ枯れは、収量減につながる大きな障害であり、当課を中心に原因解明を試みましたが、他産地で発生が見られない生理障害だったため、今でも原因の特定に至っていません。しかし、考えられる対応策の実施と綿密な指導により、令和7年産は生理障害の発生はほとんど見られず、6月27日から出荷を開始しました。
7年間の生産者の努力と普及の指導の結果、基本的な技術が習得できたので、次の目標として品質向上を掲げ、今年の反省と来年産の栽培計画を検討し、最終的には組合の収益の柱になる品目として育成していきます。

2025年11月

アザミウマ類による被害果の様子
実証展示ほ調査の様子

イチゴのIPM防除技術の確立を目指して~次作に向けて産地全体で情報共有~

当課では、イチゴの難防除害虫アザミウマ類の防除技術確立を目的に、令和5年度から地元JA、県農業革新支援センター、農業研究センターと連携し、光反射防虫ネットによる物理的防除と天敵資材による生物的防除を組み合わせたIPM実証展示ほを行っています。
これまでの調査結果から、春に被害が発生するアザミウマ類は、秋にハウス内に飛び込んで越冬していることが明らかになったため、令和6年度展示ほでは、上記の対策に加えて、秋の農薬防除を強化した体系で実証を行いました。結果、春の被害を完全に抑えることはできなかったものの、昨年と比べて少ない被害に抑えることができました。令和6年産の栽培終了後には、展示ほ設置生産者とJA指導員とで結果について検討し、調査結果をもとに作成した技術資料を7月からの現地検討会や講習会で防除のポイントとして産地全体へ共有しています。
今後も新たな技術を組み合わせた実証展示ほを行いながら、巡回指導で技術共有を図り、次作のアザミウマ類による被害果軽減にむけた支援を継続してまいります。

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