2021年のエリア普及現地情報

2021年12月

支援センター内の部署間の情報伝達を演習
有明保健所の指導による防疫服着脱

「万が一」の家畜伝染病発生に備える!~高病原性鳥インフルエンザ等防疫研修会開催~

10月26日(火)、中央家畜保健衛生所の協力のもと、振興局職員及び各市町担当者を対象に、令和3年度高病原性鳥インフルエンザ等防疫研修会を開催しました。本年度は、新型コロナウィルスの「まん延防止期間」が終了したばかりで、局内職員と市町のみを参集し、関係機関・団体への説明は、別途開催する形式で実施しました。
午前中に局内各部・課毎に管内発生時の役割について説明を行い、その後庁内備蓄倉庫で、初動時に使用する資材の確認を行いました。 
午後は、玉名市内での発生を想定し支援センターが設置される玉名市勤労者体育センターに会場を移し、動員者の受入から送り出しまでの模擬演習を行いました。実際のレイアウトに基づいた防疫服着脱ゾーンなどの配置や動線を明示し、支援センター内の情報伝達や動員者の体調に応じた健康観察の実施など、様々な想定に対応できるよう、実際の発生を意識した内容で研修を行い、参加者も自分の役割をイメージして受講していました。
家畜伝染病は、「発生させないこと」が第一ですが、「万が一」に発生した場合には、迅速な初動と封じ込めが最も重要です。農業普及・振興課では、今後とも未然の対策と併せ、「万が一」の体制強化にも取り組んでいきます。

2021年12月

保毒虫率に関する調査結果報告
R3年度野外保毒虫率の推移

感染リスクを見える化!トマト黄化葉巻病対策へ

玉名地域では、平成16年度に玉名地域緊急病害虫対策会議を設置して以来、産地全体で「トマト黄化葉巻病」対策に取り組んでいます。特に、ウイルスを媒介するタバココナジラミをハウス内に「入れない」・内で「増やさない」・外に「出さない」を柱に、トマト類の休耕期間を設けることで伝染環を断つ「つなげない」対策に注力してきました。
しかし、近年の単価低迷や生産コスト増加から、休耕期間の縮小や撤廃を求める意見が一部生産者からあがりました。蔓延防止には、産地全体の休耕が最も有効ですが、期間の目安となる野外のウイルスの推移を経時的に示したデータがなく、生産者に休耕の重要性を伝えきれていませんでした。
このため、当課を中心に、JAたまな、農業革新支援センター、病害虫防除所等が連携し、野外コナジラミのウイルス保毒虫率を調査しました。その結果、7月中旬の栽培終了後から約1か月程度で野外の保毒虫率は急速に低下することが分かり、休耕の有効性と重要性を「見える化」することができました。本データは、次年産のトマト黄化葉巻病対策の合意形成や対策徹底に活用する計画です。今後も関係機関と連携して、収量・品質の更なる向上に向け、蔓延防止対策に取り組んでいきます。

2021年12月

植え付け体験6/15
イモ堀り体験11/2

横島4Hクラブが小学生に農業体験授業を実施~耕作放棄地を活用した食育プロジェクト~

11月2日、横島4Hクラブでは、地元玉名市立横島小学校の小学1年生から3年生までの児童約100名を対象に、サツマイモの堀り取り体験授業を行いました。
体験授業は今年度からの取組みで、学校近くの耕作放棄地を活用し、地元の景観保全とともに子供達に農業への理解と農作物への感謝の気持ちを育んでもらうため、初めて企画しました。
クラブ員にはサツマイモの栽培経験がなかったことから、JA菊池甘藷部会での栽培調査を行い、当課の土壌診断やほ場作りの指導を受けるなど、昨年から入念に準備を行いました。6月の植え付け体験では、クラブ員が定植方法を子供達に説明し、一緒に作業を行いました。その後はクラブ員全員で草刈りや害虫対策等のほ場管理に励んだ結果、順調に生育し、イモ堀り体験当日を迎えました。児童たちは夢中になって掘り取り、イモの大きさを競い合うなど、授業を楽しんでもらうことが出来ました。また、植え付けから育つ過程の観察、収穫まで一貫して体験してもらうことで、食や農業の大切さへの理解を深めることにつながりました。
今後も当課では、クラブ活動への支援・指導を行いながら、担い手のスキルアップによる地域農業の活性化に取り組んでいきます。

2021年11月

摘果講習会
最終園地確認

大雨ニモマケズ!「肥のあかり」が順調にスタート!!

玉名みかんのトップバッターである「肥のあかり」の販売が、例年とほぼ同じ9月16日からスタートしました。8月の大雨で品質低下が懸念されましたが、市場からの評価も高く、9月末で約1,250t(前年比約2割増)と順調な出荷になりました。
今年産は、各品種の開花が4月26日前後と平年より10日程度早かったことで、果実肥大や成熟が平年より前進化し、また極早生、早生中心に着果が多く、生育状況に応じた対策が求められました。
そのため当課では、JAと協力して、例年より10日程度早く(6月中旬から品種に応じて)マルチ被覆を行うように指導し、実施状況を確認するとともに、6月~8月に粗摘果から仕上げ摘果までほ場での講習会を実施しました。さらに、8月には収穫前の樹上選果まで含めた摘果対策資料を部会全体に配布するなど、作業適期を逸しないよう指導を行い、対策の徹底を図りました。
その結果、生産者の取組みが広がり、大雨前までは平年より全体的に糖度が高い状態で推移しました。また、大雨後は着果管理や水分ストレスを与える対策を指導したことで、糖度低下、果実の肥大化を最小限に抑えることができました。今後、普通温州の出荷終了まで気を抜くことなく、産地が一丸となって「玉名みかん」のブランド向上に努めていきます。

2021年11月

新技術実証展示ほの「みつ症」発生調査
「新高」品評会での果実審査

温暖化に負けない荒尾「新高」の生産安定を目指して

荒尾特産のナシ「新高」は近年、温暖化の影響で「みつ症」※の発生が増加し、生産が不安定となっています。このため、当課では「みつ症」発生軽減のために、適期収穫等の技術的指導や遮光等の新技術の実証に取り組み、生産安定の支援を行っています。併せて、「みつ症」発生の少ない「あきづき」などの新たな品種導入の推進を図っています。
今年は平年より10日程度生育が前進化したことから、「みつ症」の発生も早まることが懸念されました。このため、当課ではJAと連携し、積算温度を基にした早めの収穫を指導した結果、平年より約10日早く収穫が開始され、「みつ症」の発生を抑えることができました。また、9月19日に開催された荒尾梨品評会でも外観・品質の優れる果実が多く出品され、マスコミにも多く取り上げられました。なお、出品果実は荒尾シティモール入口で販売され、大好評のうちに完売しました。
今後も関係機関と協力し、「新高」の生産安定とともに、稼げる果樹経営の確立に向けて、歴史ある産地の発展を支援していきます。

※「みつ症」…果肉の一部が水浸状となる生理障害。日持ち性や食味が大きく低下することで商品価値が失われる。

2021年9月

春季管理講習会の様子
マルチ被覆、着果状況確認の様子

令和3年産温州みかん肥大・糖度とも順調!

令和3年産の温州みかんは、春季の気温が高く、開花は平年より10日前後早くなりました。着花は全体的に良好で、中晩生の品種を除いて生理落果後も着果は多い状況です。
そのため、当課ではJAと協力し、着果の多い令和3年産の生育状況に応じた品質向上を図る講習会を実施しています。具体的には、植物成長調整剤を活用した摘果技術や増糖対策、着果状況に合わせた粗摘果・仕上げ摘果の指導を行っています。
また、増糖対策として、マルチの早期被覆(生育前進化に合わせ一部を除き平年より7~10日程度被覆を早める)を図るとともに、園地毎の被覆状況及び着果状況の確認を行いました。
現在、天候にも恵まれ、肥大は平年並からやや大きく、糖度も平年より高く、順調です。9月上中旬には、いよいよ産地のトップバッターとなる「肥のあかり」の出荷が始まります。最後まで高品質なみかんのリレー出荷ができるよう、JA等関係機関一体となり、仕上げ管理の徹底に取り組んでいきます。

2021年9月

指導員向け土壌消毒研修会の様子
本年発生の多かった土壌病害(フザリウム株腐病の疑い)

トマトの更なる生産安定に向けて!「土壌病害対策研修会・講習会」を開催

玉名地域では令和2年産トマト(トマト、ミニトマト)の栽培が7月19日にすべて終了しました。現在は、残渣処理や土壌消毒など次期作の令和3年産に向けた準備が進められています。
令和2年産は、長梅雨等の影響で土壌消毒期間が確保できなかったこともあり、春先に土壌病害の発生が見受けられました。このため、農業革新支援センターと連携し、JAたまな指導員を対象とした土壌消毒研修会を6月17日に開催しました。土壌病害発生のメカニズムや対策について専門性の高い講義内容となり、指導員からは「生産者への徹底をしっかり図りたい。」という声が聞かれました。
また、7月7日にはJAたまな天水地区のトマト生産者を対象に、土壌消毒講習会を開催しました。土壌消毒対策の考え方や効果的な実施方法などを中心に講習を行い、土壌消毒に毎年取り組んでいる生産者からも「効果的な土壌消毒のやり方を見直したい。」という言葉も聞かれ、次期作への対策をしっかりと理解してもらうことができました。 
今後も当課では当地の主力作物であるトマトの更なる安定生産に向け、関係機関と連携して取り組んでいきます。

2021年7月

写真1 摘果講習会の様子
写真2 収穫前の果実

令和3年産「ハニーローザ」、高単価で順調に販売終了

「ハニーローザ」はやや小ぶりですが、糖度が高く、食味が極めて良好なスモモです。玉東町では、平成15年に導入を開始し、現在では2haを栽培する日本一の産地となっています。また、果実が裂果しやすいことから雨よけ栽培の導入を推進し、現在約8割が導入しています。
当課では、高品質果実の安定生産に向け、JAと連携し、4月及び5月に摘果、新梢管理等の管理講習会を開催しました。講習会では、今年の生育が平年比で10日程度早まり、着果も多かったことから、早期の摘果で肥大を促進することが最重要であることを呼び掛け、大玉生産を図るよう指導を行ったところ、玉伸びも良く、高品質なハニーローザが生産されました。
なお、今年は、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響でPRイベント「ハニーローザ収穫祭」は中止となりましたが、TVや新聞等のメディアを活用し積極的なPR活動を行いました。その結果、雨よけ栽培の単価は約1150円/kg(前年比104%)と高単価の販売につながりました。
当課では、今後も町の特産品として、高品質果実の安定生産に向けた支援を継続していきます。

2021年7月

部会検討会の様子
刈取りの様子

需要に応じた高品質小麦の生産

玉名地域は、麦作の盛んな地域ですが、特にパンに向く小麦「ミナミノカオリ」では、当課、JA及び実需者(熊本製粉(株))が協力し、タンパク質含有率の高い高品質な小麦商品のブランド化を図ることで生産者の所得増大を目指す取組みを進めています。
タンパク質含有率を高めるには、実肥を適切に行うことが重要ですが、JA高品質ミナミノカオリ生産部会では、実肥時期である穂揃い期前に、ほ場毎に数本抜き取り、葉色と葉長を調べることで適切な追肥量を算出し、それをもとに各生産者が実肥を行うことで品質向上を図っています。
令和3年産の管内の麦作は、播種後の乾燥や低温により初期生育にバラつきが見られたものの、その後は天候に恵まれ、実肥を含めた管理作業も順調に行われたことで良好な生育となりました。収穫期の雨の影響で刈取がやや遅れたものの「ミナミノカオリ」の収穫量は生重量約1,600t(前年比136%)で、うち3割弱が高タンパク質の基準である含有率12.5%以上を満たしました。
農業普及・振興課では、今回の結果を踏まえ、次作以降に向けてJAと連携して高品質麦の安定生産を目指した講習会や追肥診断を実施するなど高品質な小麦商品のブランド化を進めて参ります。

2021年7月

トマトの更なる品質向上を目指して!黄変果対策への取り組み~Ver.令和2年産~

近年、県下の冬春トマトでは、春先からの気温上昇に伴い、トマト肩部が黄色に変色する「黄変果」の発生による品質の低下が問題となっています。
このため、昨年度からJAたまなと連携して、発生要因の特定に取り組んできました。これまでの調査結果から、黄変果はハウス内の気温上昇や直射日光により、果実温が高くなることで発生すると考えられることから、トマト部会では、5月5日までに遮光資材の展張を行い、部会全体で果実の降温対策に取り組みました。
今年度は、遮光だけでは防ぐことが難しい高温期の対策を新たに検討するため、展示ほを設置し、①果実の着果位置を下げる誘引、②袋掛け の効果を調査しました。これまでの結果から、誘引については効果が限定的であり、今後も誘引時期等の検討が必要です。一方、袋掛けの効果は高いことがわかりましたが、費用や労力面で課題があり、より効率的で効果的な対策をさらに検討する必要があります。
黄変果は県下全体で発生が確認されていることから、農業革新支援センターが主催する黄変果対策会議においても、各地域や農業研究センターと情報共有を行っています。今後も黄変果対策技術確立に向け現場実証を進めながら関係機関と連携し、取り組んでいきます。

2021年7月

現地検討会の様子(5月19日)
ホオズキの生育状況

ホオズキの生産安定に向けた新たな取組を開始~簡易土壌水分計を活用した栽培管理の徹底~

和水町の板楠小原地区では、3年前に中山間農業モデル地域の指定を受け、営農組織の夏期収入であり、新たな高収益作物として7月盆用のホオズキ栽培(7a)に取り組んでいます。
しかし、新規栽培者にとってはこまめな水管理が難しく、梅雨の大雨等もあり、土壌が過乾燥や過湿に極端に偏り、生育不良や病害が発生し、生産が不安定でした。
そこで、土壌水分の適正化と「見える化」を図るため、5月19日に農業革新支援センターと協力して、簡易土壌水分計を活用した現地検討会を開催しました。当日は、データを元にかん水管理や排水対策について指導を行いました。対象農家は、水管理を振り返り、「今後本格的な梅雨に向けてより徹底した管理を行いたい」と意識の高まりが伺えました。現在、ホオズキは生育揃いが良好で、均質なホオズキの出荷が期待されています。
今後も地域の新規品目として生産安定を図るため、栽培マニュアルの整備や現地検討会の開催など継続的に支援を行います。

2021年7月

(農)野口での播種作業の様子
播種直前の最終調整の状況

新技術「水稲乾田畝立直播栽培」への取り組み

玉名市岱明の農事組合法人野口では、平成28年から国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発した「水稲乾田畝立直播機」の実証試験が行われています。本年度は、5月26日に多収性品種「やまだわら」で70aの播種が行われました。
代掻きを省略する乾田直播栽培は、播種後の降雨による発芽不良や雑草が繁茂し易いなど課題がありました。新たな「畝立乾田直播機」は、播種畝への早期入水や早期除草剤等の栽培技術を組み合わせ、安定生産が可能になり、年度内の市販化も予定されています。
当日は、農研機構や機械メーカー等立ち合いのもと、最終調整に向けた試験が行われました。大規模受委託組織では、育苗の管理や田植え作業での苗運びが面積拡大のネックにもなっており、関係者の期待も高まっています。
農業普及・振興課では、JAたまなや関係市町と連携を図りながら、農事組合法人野口や新たな取り組み農家に対して、技術面でのサポートとともに更なる省力栽培技術の確立に取り組んでいきます。

2021年6月

写真1 芽かぎの様子
写真2 芽かぎ後の樹の様子

中生温州の着果安定で更なる販売力向上を支援

玉名管内では、天水地区を中心に温州みかんの栽培が盛んです。しかし、9~10月出荷の極早生温州に偏った品種構成になっており、不足しているお歳暮商材の確保と長期安定出荷による販売力向上を目的に、中生温州(「させぼ温州」、「坂村1号」等)の増産に取り組んでいます。
早生温州と比べ、中生温州は新梢の発生が多く、枝が強勢になりやすいため、着花しても新梢と花の養分競合で生理落花(果)が多くなり、着果が不安定であることが問題となっています。
このため、当課では中生温州の新梢を芽かぎで減らしたうえで、植物成長調整剤(ジベレリン)を散布し、着果を安定させる技術を実証するため、JAと協力して、4月22日に新たに展示ほを設置しました。
今後は、生理落果後の7月に着果状況、収穫期(11月下旬)に収量等の調査で効果の検証を行っていきます。また、得られた結果については、せん定講習会等の機会をとらえ、生産者への指導に活用していく予定です。

2021年6月

基盤整備が進む扇崎・大野下地区
農事組合法人岱明設立総会写真

~基盤整備を契機とした農地集積への取組み~「農事組合法人 岱明」の設立

令和3年4月9日、玉名市の扇崎・大野下地区において、市内で5団体目の地域営農法人「農事組合法人岱明」(経営面積41.5ha、構成員44人)が設立されました。
当地区は玉名市西部の水田地帯で、平成26年度から基盤整備に取り組んでいます。また、県重点地区の指定も受け、当課でも担い手への農地集積と法人化に向けた話し合い活動を支援してきました。
法人化に向けた活動は決して順調でなく、特に高収益作物の柱として検討されていたトマト栽培がまとまらず、一時は組織設立が危ぶまれた時期もありました。しかし、農業による地域活性化のためには、困難があっても法人化は進めるべきだという声が逆に地域に高まり、この度の法人設立となりました。
今後は、主食用米や麦の生産とともに、新規需要米やWCSなどを拡大し、経営安定を目指す計画です。農業普及・振興課では、引き続き、JA、市等の関係機関と連携を図りながら、法人として経営安定が図られるよう支援して参ります。

2021年5月

“麦わら”のほ場内すき込み推進チラシを作成

玉名地域は県内でも有数の麦類の産地です。5月下旬から6月上旬にかけて、収穫作業が行われ、その後すぐ、水稲の田植え作業が始まります。
一方、収穫後の麦稈は、ほ場外に持ち出されることが多く、すき込まれることなく処理されることがほとんどです。
このため、土づくりにおいて有効な有機物資源である“麦わら”の活用推進を図るため、地元JAや農業技術革新支援センターと連携し、「すき込み推進チラシ」を当課で作成しました。
チラシには、“麦わら”をほ場にすき込むことで得られる効果や水稲栽培における“麦わら”をすき込む行う上でのポイントをまとめており、地元JAの広報誌にも掲載され、今後は普通作講習会等での配布を行いながら、地力向上による良食味米の生産と併せて、“麦わら”の有効利用を推進していきます。

2021年5月

展示されたフラワーアレンジメント(荒尾市役所)

管内施設にフラワーアレンジを展示、需要を喚起!

新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い、各種行事の中止・縮小による花き需要減少の中で、消費喚起には、地域内での購買意欲向上が重要です。
このため、昨年に引き続き、3月3日から3月30日まで、当課及び「玉名地方農業普及指導協議会花き部会」が企画し、管内6市町庁舎やJA、新玉名駅など計14カ所の施設に、地域で栽培された花を使用したフラワーアレンジメントを展示しました。
提供された各機関や来庁者などからは、「庁舎が明るくなり、とてもよかった。県民の方に花をPRして、家庭などでも飾ってほしい。」等の声が聞かれました。
農業普及・振興課では、今後も栽培技術向の支援に加え、花き農家の所得確保に向けて、消費拡大対策も併せて支援していきます。

2021年3月

写真1 定植の様子
写真2 排水対策がなされた明渠の様子

ホオズキ定植実施

玉名地域の中山間農業モデル地区である和水町板(いた)楠小原(くすこばる)地区では、夏場の収入対策として、ホオズキ栽培の導入を進めています。3作目となる今年は、前作多発した白絹病対策として課題となっている排水の改善のために、明渠や弾丸暗渠の施工について指導を行うとともに、育苗等について講習会を行ってきました。その結果、ほ場準備や苗の生育が順調に進み、2月14日に予定通り定植を行うことができました。
排水対策の結果、土壌水分も適度に保たれ、生育は順調に進んでいます。今年は面積が3aから5aとなり、栽培意欲の向上も見られます。
今後は7月の収穫まで病害虫対策や肥培管理について指導を継続し、夏場の収入確保につながるよう支援していきます。

2021年3月

写真1 ナシ講習会の様子
写真2 カンキツ講習会の様子

R3年産ナシ・カンキツせん定講習会開催!

玉名地域の主要な果樹品目であるナシ及び温州みかんを中心としたカンキツについて、せん定講習会を12月(ナシ)に荒尾市で、2~3月(カンキツ)に玉名管内全域でJAと協力して開催しました。
講習会は、新型コロナ感染防止対策のもと、地区毎に開催し、若手からベテラン、男女合わせて多数の生産者が参加されました。講習では、R2年産の生育状況や着果状況、気象状況などを踏まえ、R3年産の高品質安定生産の基本になるせん定等管理について指導を行いました。
併せて、産地の主なナシ品種である「新高」では、近年温暖化の影響で発芽不良や開花異常、みつ症の発生等が多くなり、連年安定生産が難しくなってきていることから、温暖化の影響を受けにくい優良品種への一部改植を推進しました。また、温州みかんでは、高単価が期待できる中生温州が近年増加していることから、苗木等の管理指導を重点的に行いました。生産者からの質問も多く、生産者の間でも活発に意見交換が行われるなど、充実した講習会となりました。
JA等関係機関と協力し、高品質安定生産に向けて今後も指導を行っていきます。

2021年2月

講習会の様子
管理機による麦踏みの様子

中山間地域における新たな小麦産地を目指して!

玉名地域の中山間モデル地区である、和水町板楠小原(いたくすこばる)地区では所得向上の取り組みとして、水田裏を利用した小麦の作付けを令和2年度産から行っています。昨年は、ほ場の排水不良により湿害で出芽揃いが悪く、麦踏みや追肥などの管理作業が実施できなかったことにより、収量が十分に確保できませんでした。
そのため、令和3年度産では、排水対策として全ほ場に弾丸暗渠と額縁明渠を施工し、作付面積も前年度産から3倍に拡大し3haで小麦が栽培されています。播種後晴天が続き、出芽までに時間を要したものの、約3週間後には出芽し、現在は順調に生育しています。
農業普及・振興課では、栽培技術講習会を行うなど、播種直後から栽培支援を行うとともに、小麦の生育に合わせた管理作業が行えるよう支援しています。今後も、関係機関と連携して、中山間地域における所得向上に向けた小麦栽培を支援していきます。

2021年2月

蛹の状態で到着した 「ビーフライ」
研修会の様子

いちごの継続的な安定出荷を目指して!新たな花粉媒介昆虫「ビーフライ」研修会開催

当地域のいちご栽培では、花粉媒介昆虫であるセイヨウミツバチの活動が低下しやすい厳寒期に、クロマルハナバチを併用する生産者が増加しています。
しかし、クロマルハナバチは輸入の割合が高く、新型コロナウイルスの影響によっては、注文後すぐに確保できない可能性も考えられます。
そこで、ミツバチの多様な代替手段を検討するため、新たな花粉媒介昆虫として注目されている、ヒロズキンバエ(「ビーフライ」)の利用に係る研修会を開催しました。
「ビーフライ」は、「国産で安定した入荷が期待できること」、「低温寡日照でも活動できること」というメリットがあります。
研修会では「ビーフライ」の実物を用意し、利用に係るポイント及び他地域の導入事例等を紹介しました。参加したJAたまな指導員や生産者からは、実際の利用を想定した質問が挙げられ、用意したサンプルは、その後ハウスへ試験的に導入されました。
当課では、今後も産地に必要な新しい情報を提供し、継続的に安定出荷ができる強い産地づくりを支援していきます。

2021年1月

個別経営改善指導会の様子

地域営農法人の経営安定をめざして

玉名地域には地域営農法人が平坦地域に4法人、中山間地域に2法人ありますが、法人毎に様々な運営及び経営の異なる課題があります。
そこで、それらの課題を解決することにより、法人の経営安定を図ることを目的として、平坦地域の3法人、中山間地域の1法人を対象に、令和2年(2020年)12月に当課主催による個別経営改善指導会を開催しました。
まず、「法人決算書の見方」を説明した後、過去3期分の決算書により現在の当該法人の経営状況(収益性・健全性等)について分析・検討を行いました。
次に、各法人のヒアリングを行い、「水稲、大豆の収量が減少している」、「農地や農業機械の集約が進まない」、「対策をしているが鳥獣被害が止まらない」、「法人雇用のために直営農地を増やしたい」、「高収益作物を導入していきたい」等の課題等を聞き取りました。
当課では、このように各法人の抱える様々な課題について、課題解決を支援し、地域営農法人の継続的かつ安定した経営が可能となるよう、より一層の経営支援を実施していきます。

2021年1月

青年農業士視察研修を実施!

玉名地方青年農業士連絡協議会では、12月10日に先視察研修を実施し、会員6名が参加しました。今年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、例年どおりの活動が難しい状況が続いていましたが、会員からの強い要望があり感染症対策を十分に行って研修を実施することができました。
研修では、昨年度地方間交流を行った鹿本地方青年農業士の会員である横田氏(ナス、水稲)と小原氏(温州ミカン、不知火類、せとか等)のほ場を視察しました。横田氏からは周年雇用のための工夫や品種変更による省力化、小原氏からは小面積で高収益性を可能とする工夫等、栽培管理や経営状況について説明を受けた後、活発な意見交換が行われました。研修後、会員からは、「品目転換を検討していたため大変参考になった」、「他地域のほ場視察ができて新鮮だった」、「今後も交流を行っていきたい」等の感想が聞かれ、会員の活動や営農に対する意欲の向上が図られるような研修が実施できました。
当課では、今後とも青年農業士の活動に対し、支援・指導を行っていきます。

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