2025年のエリア普及現地情報

2025年2月

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検討会の様子

青年部で荒尾梨の将来を守ろう 省力樹形(JVトレリス)等検討会

荒尾梨部会青年部は現在12名が在籍し、ともに技術研鑽、情報交換等を行っています。農家数が減少する中、産地を維持するためには、生産性の向上が重要です。その一環として、昨年、青年部の2名がJVトレリス仕立てを導入しました。今年、初めてのせん定となるため、12月23日にせん定検討会を行いました。導入した2ほ場で、枝の残し方や切り方等意見を出し合いながらせん定しました。その後、ベテラン農家のほ場で3本主枝樹形の苗木の仕立て方を勉強しました。普段は、他の農家のほ場を見たり、話しを聞く機会は少ないため、ベテラン農家の考え方や工夫を聞き、青年部は自分の失敗や上手くできなかったことなどを熱心に質問していました。
荒尾地域のナシ生産については、生産者数、栽培面積ともに減少の一途をたどっています。人数は少ないながらナシ栽培を引き継いでいる青年部は荒尾梨産地を守る重要な存在であり、当課としても関係機関一体となって組織活動を支援していきます。

2025年2月

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温州ミカンの日焼け果
PT設置会議

温暖化における農業生産を考える玉名地方温暖化対応プロジェクトチームの設置

令和6年産の玉名地域の農業生産は、夏季の高温や少雨、冬季の低温不足に起因する生理障害の発生や生育ステージの変化により、各品目で生産量の減少及び品質の低下が問題となりました。特にイチゴの花芽分化遅れ、ミカンの日焼け果・裂果やナシのミツ症、水稲の白未熟粒米の発生は、農業経営に大きな影響を与えました。
今後も温暖化が進展すると想定され、現状のままでは農業経営が不安定になるばかりではなく、農業自体の継続が懸念されます。そこで、温暖化に適応し、玉名地域の農業生産の維持に向けて、プロジェクトチーム(以下、PT)を設置し、12月13日に会議を開催しました。PTは、玉名地方農業普及指導協議会の下部組織に位置付け、農業団体、市町、県に加えて、農業共済組合玉名支所の参画を得て発足しました。全体会議後、農産、野菜、果樹の3作業部会に分かれ、今年産の状況と気象要因分析、これまで実施してきた対策の検証等を検討しました。
今後は、各部会で検討を重ね、2月中旬には生産者へ短期的対策の提示をする予定です。温暖化を乗り越え、安定した農業生産が継続できるよう、玉名地域関係機関一丸となって実効性の高い対策の実践に取組んでいきます。

2025年2月

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JAさがイチゴパックセンターの視察
佐賀県農業試験研究センターの視察

農業普及指導協議会野菜技術部会先進地視察研修の開催! ~JAさがいちごパックセンタ・佐賀県農業試験研究センタ~

玉名地方農業普及指導協議会野菜部会(野菜振興協会玉名支部)では、関係機関の野菜担当者の連携強化や資質向上等を目的に現地検討会、講演会、展示ほ調査等を行っています。その一環で、令和6年12月13日(金)に会員16名でJAさが白石イチゴパックセンターの稼働状況及び佐賀県農業試験研究センターでのイチゴ及びナス県育成品種の視察を行いました。
JAさが白石イチゴパックセンターでは、荷受け時にカメラが自動で選果・計量し、計測データからパックすべき果実がプロジェクターに表示され、パック詰めの時間と果実接触を減らしイチゴの傷みを最小化するスマート選果システムを視察しました。
佐賀県農業試験研究センターでは、県育成のナス品種「佐賀N4号」の基礎的栽培試験及びイチゴ品種「佐賀i9号」(商標名:いちごさん)の花芽早進化試験を視察しました。多収で果皮障害の少ない単為結果性ナス品種、良食味で多収な市場評価の高いイチゴ品種として両品種とも注目される一方、最適な耕種管理や年内収量の確保等の残された課題もあり、品種の強みを最大化すべく各種試験が行われていました。
参加者からは、「担当品目は違っても、スマート選果等参考になる点が多かった」、「花芽早進化等、今後の温暖化対策のヒントを得ることが出来た」等が聞かれました。
当部会では、今後も関係機関の野菜担当者のレベルアップと協力を通じた、足腰の強い野菜産地づくりを支援していきます。

2025年2月

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プロジェクト発表の様子
プロジェクト発表の様子

「第64回玉名地方青年農業者会議」開催!!~若手農業者の課題解決を支援~

12月19日玉名地域振興局にて、玉名地方青年農業者クラブ連絡協議会と共同主催で「第64回玉名地方青年農業者会議」を開催しました。来賓、新規就農者など多数の出席者のもと、意見発表部門2点とプロジェクト発表部門6点の発表が行われました。
プロジェクトの活動内容については、クラブ員自らが考え、自身の経営改善に繋がるよう当課が支援しながら、発表に向けて準備をしてきました。
 発表内容については下記のとおりです。
①ミニトマトにおける法人化などによる経営改善
②玉名地域で栽培事例のないダイコンへの新たな挑戦
③イチゴ(ゆうべに)高設栽培と土耕栽培の作業性、収量性の比較
④イチゴとナスの栽培両立に係る労働時間の分析とイチゴの育苗関連資材を用いたクレオメ栽培
⑤横島町の小学校と保育園で実施した食育活動
⑥北稜高校生と共同で実施した商品開発(トマトのふりかけ)
各発表後には審査員との質疑応答や意見交換が活発に行われました。地域代表に選出されたクラブ員は、2月に開催される県大会に向けてより良い発表ができるよう内容のブラッシュアップをしていきます。

2025年2月

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JVトレリス樹形栽培視察の様子
川登基盤整備地区説明の様子

玉名地域認定農業者連絡会議持ち回り研修会を初開催

玉名地域認定農業者連絡会議では、12月5日に荒尾市において持ち回り研修会を開催しました。この研修会は、令和5年度の役員会において管内各市町の特徴的な農業の取り組み等を学んではどうか、という提案に沿って年1回の開催が決定されたもので、初回となる今回は生産者12名、関係機関12名の参加でした。
研修内容は、荒尾市の特産物である梨に関して、オリジナル品種「有宝」を個人で育成された村上厚氏から品種開発の秘話をお聞きした後、省力栽培技術であるJVトレリス樹形の園地を視察しました。その後は近隣の「川登基盤整備地区」へ移動し、荒尾市役所農林水産課の担当から地区の概要や基盤整備の流れ等が説明されました。また換地地区委員長で、本整備において中心的に地区をまとめられた上田良一氏からも、当時の経緯を聴くことができました。
参加者からは各テーマ毎にいろいろな質疑が寄せられましたが、ほとんどの生産者が果樹農家だったこともあり、JVトレリス樹形園地における質疑応答や意見交換が盛んに行われていました。
次回は玉名市で開催予定となり、当課では、今後も認定農業者の経営改善を支援し
ていきます。

2025年1月

玉名地域家畜防疫演習を開催

11月7日に、玉名地域家畜防疫演習を開催しました。当地域では過去2回鳥インフルエンザが発生し、後方支援業務に関する多くの課題が浮き彫りとなったため、マニュアルの改訂や研修・演習の充実等、多くの改善に取り組んできました。
演習に先立ち、9月には係別の研修会を行い、マニュアルを見ながら応援者の動きや各職員の担当業務を確認しました。演習当日は、市町職員を含めた実際の発生時と同様の人数で、レイアウト案に基づいた動線の明示や、かご台車資材の受け入れ、TELETやiPad、モバイルプリンターを使った名簿の出力等を行い、より実践的な演習となりました。事前に係別研修を実施したことで、業務内容を把握し自ら動くことができましたが、想定より立ち上げ作業に時間がかかったり、振興局から持参した資材が上手く活用されていなかったり、動線が分かりづらい等の課題も見つかりました。一方で、演習参加者から「動線の明示方法として各エリアに番号を付けたら良いのではないか」等、自発的な提案や意見も出され、非常に有用な研修となりました。
今シーズンは過去最も早い初発事例に始まり、すでに昨シーズンの発生数を超えており、発生リスクが極めて高い状態となっています。
今後も引き続き各支援業務における課題を整理し、局内及び管内市町等と連携を図りながら、万一の際に迅速かつ的確な後方支援ができるよう体制づくりを進めていきます。

2025年1月

検討会の様子
実施後の土壌断面の様子

ホオズキの生産安定に向けて ~土壌改良検討会の開催~

和水町の小原ホオズキ生産組合では、令和2年から7月出荷ホオズキの生産に取り組んでいます。しかし、ここ数年、5月中旬頃からホオに枯れが生じる生理障害(ホオ枯れ)により、商品化率が著しく低下することが課題となっています。原因を調べるため作付後の7月中旬に土壌断面調査を行った結果、深さ21㎝あたりに耕盤層があり、有効土層が狭いことが分かりました。そのため、生理障害の軽減対策のひとつとして、農研機構が開発した「カットブレーカー」という心土破砕機を用いた耕盤層の破砕による土壌の物理性改善に取組むこととしました。
11月25日に、ハウス3棟にカットブレーカーで心土破砕を行ったところ、実施後の断面調査では、30㎝~35㎝あたりに切り込みが入っていることが確認できました。
今後は、生理障害軽減のため、土壌改良の効果検証も含めた調査や潅水管理の指導を集中的に行い、生産者が安定的に出荷できるよう支援していきます。

注)カットブレーカー:土にV字に切りこみをいれ、持ち上げた土を落とすことで、V字の破砕層を形成する機械。

2025年1月

光反射防虫ネットの様子
アザミウマの見取り調査の様子

イチゴ難防除害虫「アザミウマ」のIPM防除技術の確立を目指して

玉名地域のイチゴ栽培では、化学農薬による害虫防除を行っていますが、春季におけるアザミウマ類の多発生により品質および収量が著しく低下する事例が散見されています。また、花粉交配用ミツバチを導入している期間は使用できる農薬が限られているため、薬剤防除だけでなく、天敵や防虫ネット等を用いた複合的な防除体系(IPM防除技術)の確立が求められています。
そこで、令和5年度から地元JA、県農業革新支援センター、農業研究センター病害虫研究室と連携し、光反射防虫ネットによる物理的防除と天敵資材による生物的防除を組み合わせたIPM実証展示を行っています。昨年度は、防虫ネットによる春先の害虫の飛び込み抑制効果は確認できましたが、11月の天敵放飼時に害虫数が抑えられておらず、厳寒期にも害虫が増加し、春先は野外での発生より早くハウス内で害虫が増加しました。その結果を踏まえて、今年度は秋のビニル被覆後から天敵放飼までの防除を強化し、害虫の密度をできる限り低くしてから天敵が放飼できるように取り組みました。
その結果、野外の害虫数が昨年度の2~3倍と非常に多かったのに対して、ハウス内の害虫数は1花あたり0から0.03匹と昨年より抑えられている状況です。今後も継続して調査を行い、5月下旬の栽培終了まで調査を続け、高品質のイチゴの出荷につながるよう、IPM技術の確立に取り組んでいきます。

2025年1月

現地検討会ほ場の様子

若手生産者が農業コンクール大会受賞者を研修 ~地域の先進生産者に学ぶトマト・ミニトマト栽培~

玉名農業普及・振興課では、重点普及課題の中で、地域の主力品目であるトマト類栽培の将来を担う中核的な若手生産者の重点指導に取り組んでいます。これまでに個別面談や合同の現地検討会を通じ、個々の経営課題の解決や、資質向上に向けた指導を行っているところです。
その一環として、11月26日に若手生産者6名が、地域の農業コンクール受賞者3名を訪問する現地検討会を開催しました。訪問した3名は、大玉で30t/10a、ミニトマトで20t/10aレベルと地域平均を大きく上回る高収量を安定して上げており、早めの茎葉整理や病害虫防除の徹底など基本管理の徹底を最も重視されておられました。その上で、記録的な高温に対応する新たな遮光資材の展張や換気環境の改善など数々の工夫を取り入れておられ、その詳細を自ら説明いただきました。
特に「施設内の換気改善を進めたことで、0.3mm目合の防虫ネットを谷、サイドとも展張でき、施設環境の高温化を防ぎつつ、病害虫の発生をゼロ近くにできた」等の受賞者の話に若手生産者の多くが感心していました。
若手生産者の中には、受賞者に名刺を渡す等、今後の繋がりを作る姿が見られると共に、受賞者からは「若手の姿に地域の未来を感じた」との言葉が聞かれました。当課では、地域の先進生産者の協力を得ながら、若手生産者の経営課題の解決と資質向上を支援して参ります。

2025年1月

女性部研修会の様子
全体研修会の様子

玉名地域認定農業者連絡会議 各種研修会開催 ~働き方改革&労働力確保!~

玉名地域認定農業者連絡会議では、11月8日に株式会社みっちゃん工房の光永代表を講師に迎え、女性部研修会を開催しました。今回の研修会は、昨年の全国優良経営体表彰働き方改革部門で農林水産大臣賞を受賞された光永氏の取り組みを学ぶことを目的に、会員29名、関係機関7名の参加のもと開催されました。
講演では、旅行代理店で働いていた光永代表が就農した経緯から、その後の取り組みが紹介され、同じ経営者の立場にいる参加者と質疑応答が盛んに行われました。
また11月15日には、全ての会員に共通で、しかも喫緊の課題である労働力確保をテーマに、様々な業態で労働力を提供するサービスを行っている3社の担当者を講師に迎え、全体研修会を開催しました。全体研修会には会員18名、関係機関9名の参加がありました。
3社3様のサービスの特徴等について講演が行われ、問題意識を持つテーマだったためか、質疑応答には多くの質問が寄せられ、3社の中では、1日からでも依頼でき、住居の手配なども必要でない農作業受委託形式の業者への関心が高いようでした。
当課では、今後も認定農業者の経営改善を支援していきます。

2025年1月

研修会の様子

玉名地方青年農業士連絡協議会の認定証授与式及び研修会の開催 ~地域を共に担う若手生産者の仲間づくり~

玉名地域では、野菜や果樹、土地利用型作物等の生産に従事する満35歳未満の若手農業者が「玉名地方青年農業士連絡協議会」を組織し、農業普及・振興課と共に資質向上や地域を超えた仲間づくりを目的に研修活動等を行っています。
その一環として、令和6年12月6日に今年度新たに青年農業士に認定された8名に認定証が授与されました。令和2年度以降、新型コロナ感染症蔓延の影響で集合形式の認定証授与が見送られており、会長を含め協議会員の半数近くが認定証の授与を受けました。これまで、会員の多くが認定を受けずに活動してきており、今回の授与を契機に、青年農業士としての自覚を新たにしていました。
また、当日は、施設野菜の環境制御技術の専門家である深田正博氏を講師にお招きして、低コスト環境制御技術に関する研修会を開催しました。大変密度の濃い講演で、講演後の質問時間では足りない位の盛んな質疑応答がありました。参加者は、自分の施設でも、お金をかけずに取り組める環境制御技術が少なくないことに大きな刺激を受けていたようでした。
当課では、今後も玉名地域の将来を担う青年農業士の仲間づくりと資質向上を支援して参ります。

2025年1月

全体研修会状況
品目毎研修会状況

新規就農者を対象とした第2回新規就農者研修会の開催

玉名地域の新規就農者(就農後5年未満)は、新規学卒就農をはじめ、Uターン就農や新規参入と就農する形態も多様である中で、年齢層も18歳から70代前半と幅広く、栽培作物や目指す経営の姿も多様化しています。
そのような中、目標とする農業経営に向かって順調に経営できている新規就農者がいる反面、計画通りの経営ができていない新規就農者がいるのも事実です。
そこで、当課としては、新規就農者に対して、今後とも営農を継続し、安定的な農業経営の確立に資するとともに、早期の栽培技術の習得や経営の更なる改善を図るために、先月の第1回に引き続き、第2回新規就農者研修会を開催しました。
今回の研修会では12名の新規就農者が参加し、農業経営のセーフティネットとしての収入保険の制度説明や、病害虫の防除や農薬の基礎知識の全体研修に加え、品目別に分かれて更に詳細な病害虫対策について研修を実施しました。
各研修の中で活発な質問が飛び交い、新規就農者のやる気と貪欲な技術取得の意欲が伺えました。
特に各品目別に分かれた研修会を通じて新規就農者が、農業普及・振興課の部門担当にいつでも気軽に相談できる雰囲気作りができたと感じています。
今後、第3回研修会を2月に実施する予定です。今後とも新規就農者に対する支援を図り、新規就農者の経営改善に向けた支援強化を行うことにしています。

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