2020年のエリア普及現地情報

2020年12月

熱心に質問しながらほ場を見学

同友会会員のほ場で学び、交流

玉名地域には農業コンクール参加者を含めた農業経営者等で構成している「農業振興同友会」という組織があります。今年度は4名の新規入会があり、会員40名で活動しています。例年は総会、夏期研修、全員交流会、冬期研修等役員会で企画検討しながら実施していますが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から総会も書面決議で行われ、なかなか会員同士の交流も図られず苦慮している状況です。
そのような中ではありますが、会員同志の研修及び交流の機会ができないか役員会で話し合い、新型コロナ対策に留意して11月20日に、南関町の菅原農園及び原農場のほ場での研修会を開催し、7件の夫婦参加を含め23人の出席がありました。菅原農園では、南関ほ場と産山ほ場で連携したミニトマトの周年栽培、原農場では、各種小物野菜の計画生産による直売所の運営等を学び、会員同志お互いの経営状況等の交換も行いながらの交流が図られました。
今後とも農業経営改善のための研修会・交流が図られるよう支援を行っていきたいと思います。

2020年12月

4Hクラブ先進地視察研修

玉名地方4Hクラブでは、11月11日に先進地視察研修を実施し、クラブ員13名(内新規クラブ員5名)が参加しました。毎年、県外の先進地への視察研修を行っていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、今年は研修先を県内に変更し実施しました。
研修では、鹿本4Hクラブ員である前田氏(メロン、スイカ)のほ場、阿蘇ミルク牧場(観光農園)、JA菊池甘藷部会を視察し、栽培や経営について説明を受け、その後活発な質疑が行われました。研修後、クラブ員からは「同じ施設栽培でも栽培方法が違うことに驚いた」、「分野は違っても大変参考になった」等の感想が聞かれ、クラブ員自身の今後の経営に活かしていけるような研修が実施できました。
当課では、今後とも4Hクラブ活動への支援・指導を行っていきます。

2020年11月

カットドレーンmini施工の様子
カットドレーンmini施工の原理 出典:カットドレーンminiパンフレット

麦作における排水対策新技術 穿孔暗渠機(せんこうあんきょき)「カットドレーンmini」®実演会開催

玉名市岱明町の扇崎(おうぎざき)・大野下(おおのしも)地区において、補助あんきょの新技術である、「カットドレーンmini」の実演会が10月19日に行われました。主催は、熊本県農業研究センター生産環境研究所(農業工学部門)で、クボタアグリサービス株式会社及び玉名地域振興局農林部の協力のもと実施されました。
「カットドレーンmini」は、農研機構(国研究機関)と株式会社北海コーキ(北海道の農機メーカー)が共同開発した製品です。特徴としては、通水空洞が長期間保持されるため排水機能が持続し、粘性土壌に適するといわれています。
玉名地域では、補助あんきょとして弾丸あんきょ(サブソイラ―)が一般的ですが、新しい技術である「カットドレーンmini」の実演会には多くの生産者が参加され、熱心に話を聞かれていました。
農業普及・振興課では、扇崎・大野下地区の試験ほ場の排水効果を確認するとともに、麦作の栽培支援を行いながら、補助あんきょなど排水対策の重要性への理解促進に努めていきます。

2020年10月

品評会審査の様子
品評会果実販売の様子

ジャンボナシ「新高」品評会、内容は上々!

「ジャンボナシ」として有名な荒尾市特産の「新高」の品評会が9月26日、同市の商業施設「あらおシティモール」で開催されました。
JAたまな荒尾梨部会(部会員82名)の主催で54名が出品、品評会果実の平均糖度は13度を超え、内容は上々、普及やJA、市、果実連の職員による厳正な審査の結果、最優秀の優等に平井地区の松下信義さんが選ばれました。出品された果実は、シティモール入口で一般のお客さんに販売され、大好評のうちに即完売しました。
今年は、夏場の高温乾燥により「新高」でみつ症(※)の発生増加が懸念されたため、普及ではJAと協力し、梅雨明け後から定期的なかん水の実施や積算温度を基にした適期収穫を指導し、みつ症発生軽減を図りました。生産者にも広く周知され、かん水の実施や早めの収穫の意識が高まりました。今後もJA等関係機関と協力して品質の良いナシが生産されるよう支援していきます。

※みつ症:成熟期に果肉の一部が水浸状となる障害。発生果は発酵臭があり、日持ちも悪くなる。また重症果は褐変を伴い、商品性は著しく低下する。

2020年10月

写真1 調査の様子
写真2 土壌の断面

ホオズキほ場の土壌断面調査実施

玉名地域の中山間農業モデル地区である和水町板楠小原(いたくすこばる)地区では、夏場の収入源として、昨年からホオズキ栽培を進めています。しかし本年度、白絹病の発生により出荷に至りませんでした。白絹病の発生要因は、ほ場の排水不良と考えられたことから、柿内農業革新支援専門員の指導の下、7月22日に生産者とともに土壌断面調査を行いました。
その結果、作土層には大きな問題はないものの、畝から40cm下に不透水層があり、この層に沿って雨水が滞留し、排水不良となっていることがわかりました。
このことから、ハウス内に弾丸暗渠を施工するとともに、ハウス外に40cm程度の明渠を掘ることで、雨水の流入を防ぎ、排水改善が図れることがわかりました。生産者からは、実際に土壌断面を見たことで、「水が流入した原因がわかった」、「改善すべきことがよく分かった」、との感想があり、今後の栽培への意欲が高まっています。
当課では、今後とも各関係機関と連携し、地域へのホオズキ栽培の定着を目指し、農家への技術支援を継続していきます。
 
※ホオズキ白絹病:排水の悪いほ場などで発生しやすい土壌病害。

2020年10月

育苗ほの様子

稼げる後継者の育成を目指して! JAたまな横島イチゴ部会青年部現地検討会開催

横島地域は、イチゴの栽培面積が管内最大であり、後継者も多く、活気のある地域です。そこで、稼げる後継者の育成を目指して、8月27日にJAたまな横島イチゴ部会青年部の現地検討会が開催されました。
イチゴ栽培において、育苗期はその後の収量を左右する重要な時期です。今回現地を巡回したほ場は概ね県の基準通りでしたが、一部のほ場では育苗管理の遅れがみられ、「適期採苗」の課題が明らかとなりました。
このため、適期採苗による次年度の収量の安定化のため、育苗の方法や採苗スケジュールの見直しについての意見交換を行い、次年度産に向けた意識の統一ができました。
当課では、JAたまなや農業革新支援センター、農研センターと連携したタイムリーな情報提供や技術指導を通して、産地の将来を担う後継者の更なる栽培技術の向上を支援していきます。

2020年7月

写真1 摘果講習会
写真2  シートマルチ設置確認

ついに開催!!カンキツ講習会

6月16日から19日にかけJAたまなと当課で今年度初の「温州みかん・不知火類の摘果等講習会」をコロナ対策に十分留意して開催しました。4~5月までは新型コロナウイルス感染拡大防止のため講習会の開催を自粛し、栽培管理資料の配布が指導の中心となっていましたが、久しぶりの講習会開催で生産者からは摘果技術や、病害虫防除、シートマルチの設置等について積極的な質問があり、活発な意見交換ができました。
また、摘果指導の実演では、生産者に見た目の着果量と実際の着果量を合わせてもらうため、着果数を一緒に数えてもらい、その後、樹体に合わせた目標着果量まで摘果しました。生産者からは「自分が思っていたよりも少なかった」「目慣らしの良い機会になった」という意見が多数ありました。着果量については今年が表年にもかかわらず、平年に比べて気温が高かったことから、生理落果が多く、このような意見が出たと考えられます。みかんの果実品質の向上には、収穫期まで適度の着果負担をかけることが重要です。今回の講習会で今年産の生育に合わせた管理方法を周知できました。
特に、シートマルチの設置については樹体に水分ストレスを与えることで果実品質向上を促す重要な作業です。本年度のマルチ実施面積は昨日を上回る184haが計画されており、JA・当課で連携し、確認を行うことにしています。
今後も玉名みかんのブランド力の向上と高品質連年安定生産のために気候と生育状況にあわせた適正管理の指導を行っていきます。

2020年6月

麦踏み作業の様子
ミナミノカオリ収穫の様子

今年産小麦の収穫が順調に終了

玉名地域では、今年も順調に小麦の収穫を終えることができました。令和2年産(2020年産)小麦の生育は、暖冬の影響を受け、平年よりも大幅に早く進みました。分げつ期の降雨により、麦踏みや土入れ作業等の管理作業が十分にできなかったほ場も散見され、茎数が少ない傾向にありましたが、その後の生育は順調に推移しました。麦の収穫は5月4日から始まり、収穫期間中は天候に恵まれ順調に終了しました。
令和2年産の収量は、茎数が十分に確保できていなかったことや充実不足等で前年産と比べ2割程度少なくなったものの、品質は概ね良好となりました。
農業普及・振興課では、関係機関と連携を行いながら、高品質の小麦づくり支援を行ってきました。令和2年産の天候や栽培状況等を振り返り、次期作に向け関係機関と一体となって天候に負けない高品質小麦の安定生産に向けて支援していきます。

2020年5月

現地調査の様子
黄変果

トマトの品質向上を目指して!黄変果対策の取り組み

近年、県下の冬春トマトで、春先の気温上昇にともない、赤く着色しない着色不良果(※黄変果)が問題となっています。
これまで、当課ではJAたまなと連携して「黄変果」対策についての課題抽出を行い、以下の問題が判明しました。
①春先の高温期に産地で収穫する着色度では出荷先の市場や、小売店の商品棚での発生率を把握できていない。
②果実温度を下げることが有効と考えられるが遮光等の適切な対策ができていない。
そこで、本年度から施設装備及び品種間差による黄変果の発生状況を調査し、現場で実施可能な対策を検討する展示ほを設置しています。4月中旬頃から黄変果の発生が確認され、現状の降温(遮光)対策では開始時期が遅い事等が明らかとなり、対策の糸口がわかりつつあります。
「黄変果」は県下全体で発生しており、県として一体的な取り組みが必要であることから本展示ほで得られたデータは農業革新支援センター、農研センター及び他産地の普及・振興課と情報共有を行っています。
今後は農業研究センターで行われる黄変果発生のメカニズムの解明、対策試験と同時並行で当課が現場調査を行い、現地に適合した対策を検討していきます。
※「黄変果」とはトマト果実が高温になることで黄色に着色すると考えられている着色不良果のこと。詳細な発生メカニズムは明らかではない。

2020年4月

展示されたフラワーアレンジメント

お花で癒しを!

3月23日、玉名管内の6市町庁舎や新玉名駅など計9カ所に、玉名地方農業普及指導協議会花き部会は、地域で栽培された花を使用したフラワーアレンジメントを飾りました。
新型コロナウイルス感染拡大による各種行事の中止・縮小で花の値段が1~2割下落しているため、花の需要拡大を呼びかけるため、企画したものです。
展示された花を見た生産者からは、「3月は卒業式や送別会などで需要が高まる時期だが、今年は価格が上がっていない。玉名の花をPRして、少しでも飾ってほしい。」等の声が聞かれました。
農業普及・振興課では、今後も花の栽培技術向上の支援に加え、庁舎内での展示等で消費対策も行っていきます。


2020年4月

カンキツ植樹後の様子(「新玉名駅」前)

新玉名駅に玉名の特産カンキツを植樹!!

3月25日にJR九州新幹線「新玉名駅」で、玉名市及びJAたまなで組織された「玉名市柑橘振興協議会」主催によるカンキツの植樹が行われました。玉名の特産カンキツである温州みかん「肥のあすか」、中晩柑類「不知火」及び「河内晩柑」が植樹されました。当課からは、植樹方法や今後の管理のアドバイスを行いました。苗木が育ち、実をつける樹齢を迎えると、11月~3月にかけて黄色やオレンジに色づいた果実を見ることができます。1日600人を超える人が利用する新玉名駅でのカンキツPRで、認知度の向上が期待されます。
今後もカンキツの生産拡大に向けて、関係機関と連携しながら支援を行っていきます。

2020年4月

JAたまな初!トマト類での県版GAP団体認証を取得

JAたまなは、主力品目のトマト類で、県版GAPの団体認証を取得しました。
トマト類生産では、規模拡大に伴う雇用型経営も増加しており、固定経費が増大傾向にあります。  
加えて、近年の単価安など、利幅の少ない中での経営安定という、新たな課題に直面しています。
このような中、安定した経営を継続するため、生産工程における食品安全・労働安全等のリスクを見直す取組み(=GAPの活用)が必要になっています。
そこで、県版GAP認証を目指しているJAたまなを支援するため、当課では、指導員及び生産者を対象にした研修会を定期的に実施しました。
研修会では、担当者が同じ認識を持って県版GAPに取組み、生産者を指導できるよう、知識の習得状況に応じた、段階的な講習会や現地検討会等に取り組みました。
また、部会役員をモデル的な位置づけとしてJAたまなGAP協議会を設立し推進を図ったことで、県版GAPに認証されました。
当課では、このモデル的取組みが面的取組みとなるよう、引き続き支援を行う予定です。

2020年2月

個別経営改善指導会の様子

地域営農法人の経営安定をめざして

玉名地域には、経営面積が100haを超える大規模な地域営農法人が3法人あり、それぞれ法人設立から3~6年が経過し、持続可能な安定した経営が大きな課題となっています。そこで、その3法人を対象に、12月10日に当課の主催による個別経営改善指導会を開催しました。
まず、3期分の決算書等により各法人の経営状態を分析し、収益性や健全性等について検討を行い、続いて今後の経営について意見交換等を行いました。当課から3法人に対して、高収益作物の導入により売上を伸ばすことや、経営面積の拡大、役員報酬額を増やすことで役員が経営に専念する環境を整え、企業的経営への転換を図ること等を提案しました。 
当課としては、今後とも地域営農法人の経営安定を継続して支援するとともに、新たな法人の設立も推進していきます。

2020年1月

発表をする4Hクラブ員
会議終了後の集合写真

玉名地方4Hクラブ員が1年間の学習成果を発表!

玉名地方青年農業者クラブ連絡協議会(玉名地方4Hクラブ)は、今年度4名が新規加入し、総勢28名で活動しています。
同協議会と玉名地域振興局との共催で、令和元年(2019年)12月13日(金)に、第59回玉名地方青年農業者会議を開催しました。
会議では、意見発表部門に新規加入者を含む4名、プロジェクト発表部門に8名、地域活動報告に1名の計13名が、担当普及員のサポートでまとめ上げた意見や研究報告を、参加者の前で堂々と発表しました。
審査の結果、最優秀賞の本山さんを始めとする入賞者が決定され、表彰を受けました。審査委員からは、「もう少し発表の仕方やデータの集め方に工夫を」といった指摘のほか、「天敵防除など自分自身も営農の参考になった」などの意見がありました。
当課では、今後とも関係機関と協力し、玉名地方4Hクラブへの支援・指導を行っていきます。

2020年1月

授賞式の様子
出品果実

玉名産!柿「太秋」の品評会開催

10月24日にJA玉東総合支所でJAたまな柿部会太秋品評会が開催されました。当品評会は部会員の生産意識向上を目的に平成28年から実施されており、今年は果実品質部門、大玉果実部門合せて22点の出品がありました。外観や糖度、果実の重さなどについて審査が行われ、それぞれ山野誠さん、松本宗行さんが最優秀賞を受賞されました。
今年は台風の襲来や8月の曇天等の影響で生産に苦慮する年でしたが、生産者による適期管理が行われ、出品された柿はいずれも高品質なものばかりでした。同部会の関幸次郎部会長は、「出品される果実の品質は、年々、向上している。今後も軟化果実対策を徹底し、消費者に良い果実を届けよう。」と意気込みを語りました。
今後も引き続き柿の高品質・安定生産に向けた支援を行っていきます。

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