2022年のエリア普及現地情報

2022年3月

天敵製剤(バコトップ)
放飼方法 ※蓋を取って置くだけ

続・トマトにおける新たなIPM技術の導入を検討~タバコカスミカメを活用した黄化葉巻病の対策~

玉名地域では、タバココナジラミをハウス内で「増やさない」対策の一つとして天敵の利用を検討しており、「定植初期を化学農薬で、3月以降は天敵で!」を合言葉に天敵「タバコカスミカメ」を用いたコナジラミ防除の展示ほを4カ所90a設置し、関係機関と連携して、定期的に調査を行っています。
今回の展示ほでは、第1回目の放飼を10月29日に行い、定植~放飼までにコナジラミ防除効果の高い薬剤を集中して使用することでコナジラミ密度をできるだけ低下させることができました。また、温存植物である「クレオメ」上ではタバコカスミカメが順調に定着し、増加しているほ場もみられています。さらに、2月22日には春先のコナジラミの増殖期を前に再放飼を行いました。
また、これまでの調査から、厳冬期にタバコカスミカメの密度を維持していくためには、温存植物の定植本数やハウス内での定植場所などが重要であることも分かってきました。今作の終了まで調査を継続し、トマトにおける天敵利用技術の確立を目指します。
当課では今後も関係機関と連携して、収量・品質の更なる向上に向け、トマト黄化葉巻病の蔓延防止対策に取り組んでいきます。

2022年3月

図1 整枝・せん定のイメージ(指導資料抜粋)
写真1 講習会の様子

R4年産カンキツ、本格管理始動(せん定講習会)!

温州みかんや不知火類等のカンキツの生産では、日当たりや作業性を向上させ、高品質な果実の安定生産を図るうえで、冬場の整枝・せん定は重要な作業です。このため、JAと協力して2月に部会各地区でせん定講習会を開催しました。
前年の着果状況などを踏まえ、園地や樹勢に応じたせん定の指導を行っているところですが、特に前年の着果が多かった早生・中生温州では、着花が少ないことが予想されます。このため、混み合っている箇所を間引く軽めのせん定により、着花を確保することを念頭に管理の徹底を指導しました。 
とりわけ中生温州は、他品種より新梢発生が多く、枝葉が混みやすいため、間隔を十分空ける(図1)とともに、4・5月の新梢・着花管理による着果安定技術について、R3年度の展示ほ調査で得られた着果量の向上結果をもとに指導を行いました。また、R3年産に被害が多かったカイガラムシの対策として、せん定による耕種的対策と併せて、発芽前(3月上中旬)の越冬世代の薬剤防除を呼びかけています。生産者も中生温州のせん定等管理やカイガラムシ防除について関心が高く、活発な意見が交わされました。
現地でのせん定が本格化し、いよいよR4年産が始まります。当課ではJA等関係機関と協力し、高品質安定生産に向けて今後も指導を行っていきます。

2022年2月

1/5:振興局内検証会議
1/19:南関町、情報区家保との検証会議

今後の鳥インフルエンザ防疫強化に向けて~南関町と検証に係る連携会議を開催~

12月2日に南関町で発生した鳥インフルエンザの防疫対応に際し、当課では速やかに局内・各市町・建設業協会などの関係団体と連絡体制を整え、関係機関とともに総力をあげて、防疫措置の支援にあたり、約54時間で防疫措置が完了しました。また続発することもなく、同月27日には制限区域が解除され、地域への影響を最小限に食い止めることができました。
一方、実際の防疫作業や支援センター運営の中で、新たに判明した課題も多く、この経験を踏まえ今後の防疫体制の強化を図るため、検証作業に取り組んでいます。
まず、1月5日に玉名地域振興局内で課題を共有し、意見を取りまとめる検証会議を、1月19日には、発生地で対応に当たった南関町職員や、家畜防疫員として防疫作業指揮の指揮に当たった城北家畜保健衛生所の職員と検証会議を開催しました。
会議では、農場の防疫計画資料の共有や情報伝達を確実に行う仕組み、動員者や資材を円滑に搬送する体制強化などの意見が出されました。現時点で、修正可能なものはすぐに採用し、全体的な見直しは、次年度に行う立ち入り調査時などでより詳細に整備を行っていくことを確認しました。
今後は新型コロナの状況を見ながら、玉名地域全体で各市町や関係機関との検証会議を開催していきたいと考えています。そして、それらの検証結果を基に、更なる防疫体制強化に取り組んでいきます。

2022年2月

意見発表の様子
プロジェクト発表の様子

逆境に負けず、「第61回玉名地方青年農業者会議」を開催~若手農業者の課題解決を支援~

1月14日、玉名地方青年農業者クラブ連絡協議会による「第61回玉名地方青年農業者会議」が開催されました。当初12月の開催予定が管内での「鳥インフルエンザ」発生により延期となり、また、新型コロナ感染拡大防止のため、クラブ員・市町職員1名ずつと当課員のみに人数を絞った形式で、意見発表部門2点とプロジェクト部門6点の発表が行われました。
当課では、年度当初プロジェクトに取り組むクラブ員に部門担当者を割り当て、マンツーマン体制で、まずは経営や栽培技術の悩みや問題点を共有しました。そして各々の課題を解決に向け、定期的に助言・指導を行いながらクラブ員が主体的に取り組むよう、側面から支援をしてきました。
当日の発表では、日々の作業過程を定期的に撮影するなど、こだわった観察・記録や地元小学校への食育活動・販売力アップへの取組みや想いがしっかり参加者に伝わる内容で、甲乙つけがたく、審査員を悩ませました。今後は、2月に実施される県大会へ向けて、発表内容をさらにブラッシュアップし、出場者全員の上位入賞を目指しています。
玉名地域は特に若いクラブ員が多いことから、様々な経験と同年代で切磋琢磨し合う学びの場として、4HCクラブは重要な組織です。今後も関係機関と連携して、地域を支える有能な若手農業者の育成支援に引き続き取り組んでいきます。

2022年2月

調査の様子
クレオメ上のタバコカスミカメ

トマトにおける新たなIPM技術の導入を検討~タバコカスミカメを活用した黄化葉巻病の対策~

玉名地域では、産地全体で「トマト黄化葉巻病」対策に取り組んでいますが、媒介するタバココナジラミの農薬への感受性低下により、ハウス内で「増やさない」対策が難しい状況となっています。
このため、当課では新たな防除技術の確立を図るため、JAたまな、支援センター、農業研究センター等と連携し、タバココナジラミの天敵である「タバコカスミカメ」を活用した対策の検討を進めています。この天敵はナスやキュウリの栽培にすでに活用されていますが、トマトで有効性が確認されてから日が浅いため、現地にはまだ普及していません。
そこで、本年度から「定植初期を化学農薬で、コナジラミ発生が増加する3月以降は天敵で」防除することを目的に、展示ほを設置しました。10月中旬に天敵の働きを助ける天敵温存植物「クレオメ」を定植し、10月下旬に最初の「タバコカスミカメ」を放飼しました。2月中旬には再放飼を行い、春先のコナジラミ低減効果の確認調査を行う予定です。
本技術は、タバココナジラミを「増やさない」ことに加え、低密度に抑えることで「出さない」・「繋がない」対策にも寄与すると考えています。今後も関係機関と連携して、収量・品質の更なる向上に向け、トマト黄化葉巻病の蔓延防止対策に取り組んでいきます。

※タバコカスミカメ:土着のカメムシの一種。捕食能力、分散能力が高くコナジラミ類の有力な天敵。R3年5月26日に農薬登録され、生物農薬として市販開始。

2022年2月

保温対策についての講義
農作業事故防止の啓発活動

燃油高騰の中、青年農業士がハウス管理の研修会を開催~ハウス保温性向上対策研修会を開催~

玉名地方青年農業士連絡協議会は、新型コロナ感染拡大防止の観点から、会員が集まっての活動を自粛し総会も書面開催としていました。しかし、10月の役員会で会員同士の交流ができないことは会の存在意義にも関わってくるなどの意見から、感染症対策を十分にとって研修を実施することが決まりました。
12月1日、会員13名が参加し、当課職員が講師となり、燃油高騰を背景に「施設ハウスの保温性向上対策について」と題した研修会を開催しました。
研修会では、日頃の点検でできる被覆資材の隙間や破れの発見・補修、暖房機のダクトの配置による効果的な保温方法などの対策について説明が行われました。燃油高騰に加え、厳寒期を控える前の研修会で、参加者は真剣に話を聞き、質疑応答ではお互いの保温対策を説明したうえで、具体的な点を質問し合う等、温度管理対策に対する意識の高さをうかがうことができました。また、「農作業事故」、「油流出事故」のチラシ配布も行い、事故防止への啓発活動を併せて実施しました。
当課では、若い担い手農業者の栽培管理技術向上や経営リスクに対する意識向上により経営安定が図られるよう、今後も引き続き支援していきます。

2022年1月

農業振興同友会が「こども食堂」に農産物を寄贈~地元産食材で栄養と笑顔を支援~

玉名地方農業振興同友会※では、新型コロナ感染防止のため、昨年度に続き、今年度総会も書面決議となりました。会の活動も制限される中、7月末初めての役員会で「家庭で食事をとることの少ない子供達を支援しているこども食堂に、同会で真心のこもった農産物提供をできないか」との提案がありました。
管内での設置情報もなかったため、まず当課から各市町に照会し、運営状況や食材ニーズなどの取りまとめを行いました。再度、11月の役員会に情報提供し、役員で協議した結果、現在も毎週運営している3カ所のこども食堂に農産物を寄贈することが決まりました。
11月25日、開設日の木曜に併せ、農繁期にもかかわらず、役員代表が3班に分かれ、直接こども食堂を訪問し、目録と日持ちする米・みかん・LL牛乳の農産物セットの贈呈を行いました。食堂側からは「さっそく、子供達に食べさせます」との感謝がありました。また、感染防止のため、調査時に運営休止中の組織からも、「支援の声を頂いただけでも、とても感謝している」とのメッセージがありました。
集合形式での活動が難しい中でも、地域農業の発展に中心的な存在である同会の積極的な取組みを、当課でも引き続き支援していきます。

※玉名地方農業振興同友会(会長:原 靖)
県指導農業士や歴代農業コンクール参加者の41名で、地域農業振興のため、例年相互の情報交換や自己研鑽の研修会などを実施。

2022年1月

「ホオズキ」の土壌改良と排水対策を徹底~モデル地区における新規品目の安定生産支援~

「和水町板楠小原地区」では、経営力向上と遊休農地の解消を図るため、3年前から中山間農業モデル地区指定を受け、事業を活用し、営農組合で7月盆用ホオズキの栽培に取り組んでいます。
しかし、栽培園は硬盤層が地表から浅いところにあり、作土層が狭いことや排水不良により、これまで生産が不安定でした。このため、当課では11月19日にクボタアグリサービス(株)の協力を得て、排水性の改善と根張り向上を目的に、土壌改良対策検討会を開催し、硬盤層破砕と部分天地返しを同時に行える「ソイルリフター」の実証試験を行いました。
今回の試験では、深さ20cm未満の作土層を、施工前に比べて約17cm拡大することができました。営農組合員からは「根が張らなかった硬い層を簡単に柔らかくすることができた。効果に期待したい。」と来作に向けた意欲が高まっています。
現在、育苗も順調で来作の準備も着々と行われています。さらに当課では次のステップとして、土壌の理化学性に着目し、有機物等の投入による排水性並びに保水性の向上に取り組む予定です。今後ともホオズキの生産安定に向けて、関係機関等と連携して継続な支援を行なっていきます。

※「ソイルリフター」…プラウの天地返しとサブソイラーの心土破砕二つの効果を持ち作土に亀裂と空気が入り、根の生育範囲を拡大

2022年1月

いちごほ場(現地検討会)
横島集荷センター(JAたまな)

令和3年産「たまな」いちご 本格出荷開始!~平均反収5t以上の達成を目指して~

玉名地域は県内有数の促成いちご産地で、JAたまなでは、県育成品種「ゆうべに」(栽培面積35ha、県内最大面積)を中心に、約200戸で51haを栽培しています。令和3年産は11月11日から出荷が開始され、出荷数量460トン・販売額32億円を目指し、来年6月までの出荷を計画しています。
本年は、育苗期の低温・低日照による苗の徒長や9月中旬からの高温乾燥などの気象条件が続き、定植後の活着がやや遅れたものの、その後生育は順調に回復し、一番果の最盛期は、「ゆうべに」で12月上旬~下旬を見込んでいます。
「ゆうべに」は多収である反面、まだら果や成り疲れも出やすい品種であり、肥料や温度の細やかな管理が必要です。このため、当課ではJA部会と連携し、現地検討会を通じ、生育に応じたほ場毎の指導を徹底し、本年は部会平均5トン以上の反収達成を目指しています。また、ハダニに対しては約70%で天敵導入が進んでいますが、アザミウマに対しては技術が確立されていないため、展示ほを設置し、新たな防除体系の確立に取り組んでいます。
当課では、更なる収量アップによる所得向上とともに、安全・安心な「たまな産いちご」がしっかりと消費者に届くよう、引き続き支援をしていきます。

2022年1月

小型ドローンの操作体験
みかんドローン防除の見学

北稜高校でスマート農業体験授業を実施~ドローン防除の基礎知識習得と操作を体験~

11月12日、県立北稜高校が、スマート農業の理解促進のため、園芸科学科生徒23名と教職員を対象にドローン防除の体験授業を実施しました。
実施に際しては、和水町の農業法人(有)ミドリに全面的に御協力いただき、当課は相談窓口として授業内容の立案・検討や(有)ミドリをはじめとした機関・組織への協力依頼などコーディネートの役を担いました。
当日は、代表取締役上原泰臣氏から「ドローン防除の基礎知識」、当課からは「温州みかんにおけるドローン防除の可能性と今後の展望」について、それぞれ講義を実施しました。講義終了後は、当課配備等の小型ドローンを使って、全員で実際の操作を体験しました。ドローンは触ったこともなく、操作体験を通じて、スマート技術を身近に感じてもらう機会になりました。
その後、園地に移動し、農業用ドローンによる温州みかん防除を見学しました。普段は数十分かかる防除作業が1分程度で終わる様子を見て、生徒からは「こんなのが当たり前になれば農業も楽しい」といった言葉が聞かれました。
当課では、今後も農業高校との連携を深めながら、最新技術の理解活動を通じて、農業担い手確保・育成に取り組んでいきます。

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