宇城エリア

宇城地域は宇土市、宇城市、下益城郡を所管しており、有明海と八代海に挟まれた海岸島しょ地域(宇土半島)、八代海に面した平坦地域及び九州山地の中山間地域と大きく3つの地域に区分され、異なる立地条件を生かした多彩な農業生産活動が展開されています。
海岸島しょ地域においては、不知火類や温州みかんをはじめとする柑橘類や洋ラン等の生産が行われ、平坦地域では、トマト、メロンなどの施設野菜やれんこん、米等が生産され、酪農等の畜産も営まれています。なかでも、柑橘類、鉢物類(洋ラン)、しょうが、れんこん、柿などの生産量は県内上位を占めており、県内における有数の農業地帯です。

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県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 宇城市松橋町久具400-1

電話:0964-32-5090

FAX :0964-32-0373

宇城エリア普及現地情報

2024年12月

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現地検討会風景
美里かぼちゃの栽培状況

美里かぼちゃ秋の現地検討会開催

美里町では、中山間地域の振興を目的として、12月下旬~1月上旬に出荷する抑制作型のかぼちゃ栽培を推進しており、令和6年は約4haで取り組まれています。
かぼちゃは設備投資が不要で高齢者でも取り組みやすく、この時期は冬至用に需要が高いため、町の特産品「美里かぼちゃ」としてブランド化を進めています。
10月1日には、生産者の技術向上を図るため、美里町、JA熊本うき、種苗会社と連携して、砥用地区及び中央地区の2ヵ所で現地検討会を開催し、生産者12名の参加がありました。
今年は、8~9月の記録的な猛暑や少雨により、播種や定植の遅れ、雄花の減少等による着果段数の上昇が見られており、例年より収穫時期が遅れること(10月下旬→11月上中旬)が予想されます。そこで、収穫まで樹勢を落とさない管理ポイントや、既存品種「くりゆたか」よりも果実肥大がよい新品種の最適な栽培方法を実証する展示ほの状況等について説明を行いました。説明後には、病害虫防除に関する質疑応答など活発な意見交換が行われました。
当課では、今後も引き続きカボチャ、アスパラガスなど中山間地域野菜の振興支援に尽力して参ります。

2024年12月

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実演会風景
実演機と草刈風景

ブドウハウスでロボット草刈機の実演会を開催

地球温暖化で夏場の農作業が厳しくなっています。特に今年は、宇城管内で生産者が午後の作業に15時頃まで出られず、1日の作業時間が短くなっています。今後もこの傾向が続くという前提で、限られた時間で栽培管理を進めるためにも、スマート機器の活用が有効になっています。
県内のナシ産地の一部で、ロボット草刈機の導入が進んでいますが、宇城管内では、圃場が平坦なブドウハウスで導入しやすいのではと考えました。
そこで、除草作業を自動化し、品質向上につながる他の管理作業時間の確保を目指して、10月3日にロボット草刈機の実演会を開催しました。実演前は除草効果に半信半疑だった参加者も、実演中はロボットの動きや除草あとをしっかりと確認するなど、徐々に興味がわき、最後は活用できる補助事業について質問の声があがるなど、こちらの狙い通りの反応を見ることができました。
当課では、今後もスマート機器を含めた省力化技術を積極的に紹介し、労力軽減につながる支援を行っていきます。

2024年12月

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公民館での講師の経営概要説明の様子
園地視察の様子

指導農業士が中心になり、新規就農者を地域ぐるみでサポート

宇城地域では担い手の育成確保を重点課題として、新規就農者の相談から定着までの支援に取り組んでいます。その中で、市町・JA等の関係機関と定期的な巡回指導を行うほか、指導農業士の協力のもと、部門ごとの生産から流通に係る具体的な課題解決を図る研修を地域ぐるみで行っています。今回は、9月25日に、管内で果樹を栽培する新規就農者を対象として、視察交流会を開催しました。
当日は、宇土市網田の柑橘経営の指導農業士に視察を依頼し、新規就農者7名への助言と交流を行いました。販路開拓についての話では、参加者は大きな関心を寄せ、どのような営業手法で新規取引先を獲得したのか等、多くの質問を投げかけていました。その後、講師の園地に研修場所を移し、急傾斜地での露地栽培から平地での施設栽培まで、多様な柑橘生産の説明を受け、経営発展の一助としてもらいました。講師から参加者に対して、栽培で苦労していることを問う場面もあり、双方向で意見が飛び交う交流会となりました。
今回の視察交流会をとおし、農業者間には新たな交流が生まれたので、今後、この関係が地域ぐるみの支援体制に繋がるよう継続して支援していきます。

2024年12月

座学
果樹園での実地研修

宇城地域における鳥獣被害防止への取組み

宇城地域の令和4年度の鳥獣被害額は約6,100万円(前年比96.8%)であり、前年度よりやや減少していますが、県下第3位の被害額となっています。特にイノシシの被害が約半分を占め、柑橘や野菜での被害が大きくなっており、被害軽減対策の取組みが課題となっています。
そこで、7月25日に市町、JA、県の関係者で担当者会議を開催しました。宇城地域の被害調査結果の分析や鳥獣被害防止対策等について、情報の共有や意見交換を行いました。
また、9月18日には、農業アカデミーと連携し、鳥獣被害防止対策講座を開催し、管外からの出席者も含め、28名の出席がありました。講座では、(株)末松電子製作所の西陽平氏から、「熊本県の被害の現状やその対策」について講義をいただき、その後果樹園において防護柵設置に係る実地研修を実施しました。
参加者の中には、今後防護柵設置を予定されている方も多く、電線の張り方や効果的な対策について熱心に学ぶ姿がありました。
農業普及・振興課では、今後も市町やJAと連携して、宇城地域の鳥獣被害防止への取組みを進めていきます。

2024年12月

家畜審査の様子
褒章授与式

宇城・上益城地域統一畜産共進会の開催

9月21日、県畜産農協矢部畜産センター(山都町)において、第22回宇城・上益城地域統一畜産共進会が開催されました(肉牛の部は8月21日に熊本畜産流通センターで開催)。本共進会は、宇城・上益城地域の畜産振興に資することを目的に毎年開催されており、肉用種牛(褐毛和種、黒毛和種)、肉牛、飼料作物、堆肥の部門に、合計90点の出品がありました。
宇城地域からは、県内褐毛和種の主産地である美里町を中心に、肉用種牛の部24頭、肉牛の部6頭、飼料作物の部9点、堆肥の部8点の出品がありました。
肉用牛改良に熱心に取り組んでいる宇城・上益城地域では、今回の共進会にでもレベルの高い牛が多く出品されて、地域の技術の高さがうかがえました。審査の結果、宇城地域関連では、肉用種牛(褐毛和種)の部で井上司氏(美里町)、肉牛の部で廣田幸基氏(美里町)、飼料作物の部で北本慶一氏(美里町)がグランドチャンピオン(各部の首席の中から選ばれる)を受賞したほか、褐毛和種2、3、4部において首席に選ばれました。
審査後は、バーべキューも開催され、畜産農家同士の交流も深まりました。
農業普及・振興課では、今後も引き続き畜産団体等の関係機関と連携し、畜産農家の飼養管理技術の更なる向上に向けた支援を行っていきます。

2024年12月

上益城地域と連携して新規就農者研修会を開催

宇城地域では担い手の育成確保を重点課題として、新規就農者の相談から定着までの支援体制づくりに取り組んでいます。その中で、新規就農者が抱える共通課題を解決するため定期的に研修会を開催しており、今回、初めて有機農業が盛んな上益城地域との共催で、各地域の特徴的な取組みが学べる「土づくり」をテーマとした研修会を開催しました。
今回の研修会は座学研修と視察研修の2部構成で、宇城会場と上益城会場に分かれて同時並行で実施し、約20名の新規就農者はどちらかの会場を選択して参加しました。座学は土壌肥料の基礎について、講師である県農業革新支援センターの宮崎主幹が上益城会場で講義を行い、宇城はオンラインで受講しました。2部では宇城と上益城がそれぞれの視察先で研修を行いました。宇城では、有限会社肥後あゆみの会の澤村代表に、有機農業で実践している堆肥及びぼかし肥料の作り方について、現場で実物を見ながら説明していただきました。上益城からの参加者もあり、学びの多い研修会となりました。
今回の研修会は、新規就農者の要望をもとに企画しましたが、今後も引き続き関係機関と連携し、新規就農者のニーズにマッチした支援を企画していきます。

2024年10月

ドローン防除の様子
ドローン防除の様子

ショウガ栽培におけるスマート農業の取り組み ~ドローン防除の本格導入~

宇城地域では、ショウガが58ha※栽培されており、本県の主要産地となっています。主に、山間部の段々畑で栽培されており、特に夏季の厳しい暑さの中での農薬散布は大きな負担であるとともに、農薬散布に伴う土壌病害の病原菌の持ち込みに細心の注意を払っています。
このため、当課では、令和4~5年度の2年間、農薬散布作業の省力化と圃場への立ち入り回数の削減を目的に、ドローン防除の実証試験を行ってきました。
幾度も実証試験を重ね、農薬散布労力の削減効果や適切な散布方法が確認できたため、今年から生産者6名がドローン防除技術を導入しています。ドローンの操縦は民間会社に委託されており、6月中旬から9月上旬に計5回、ショウガの主要病害虫である白星病やハスモンヨトウの防除が行われました。ドローン防除技術の導入で、農薬散布労力や、圃場立ち入り回数が大幅に削減できており、目的どおりの成果につながっています。生産者からは、「作業が楽になった。今後もドローン防除のほ場を増やしたい。」との声が上がっており、今後更なる拡大が期待されます。
当課では、今後も引き続きショウガをはじめとした様々な品目でのスマート農業技術の普及、定着を進めながら地域農業の発展に尽力して参ります。

※令和6年産 JA熊本うき生姜専門部会面積

2024年10月

地域に密着した営農指導!JA営農指導員とともに早朝巡回を実施

7月から8月末まで実施されたJA熊本うき企画の野菜の早朝巡回に農業普及・振興課も出席し、JA営農指導員とともに生産者の巡回指導を実施しました。早朝巡回とは、JA熊本うきが対面指導の充実を図ることを目的に、7年前から始められた地域密着型の取り組みであり、夏季の暑い時間帯を避けて作業を実施する生産者の実状に合わせて、早朝(6時30分)から巡回指導を実施するものです。この取組みにより、実際に農作物の状況を確認しながら、対面での指導が可能となるため、適切な農薬の選択、栽培管理等を直接指導することができ、地域の生産力安定・向上につながっています。生産者も「栽培管理方法やどの農薬を散布していいのか等を作業開始前のタイミングで聞けるため、大変助かっている」とのことです。
農業普及・振興課は、今後もこうした地域密着型の営農指導に積極的に取り組むことで生産者及びJAとの信頼を構築するとともに、地域一体となった農作物の生産力安定・向上に努めていきます。

2024年9月

水稲の生育状況をみて今後の管理について

美里うまい米づくり会第1回現地検討会の開催

美里うまい米づくり会は、美里町のお米の食味向上とブランド化を進め、地域農業の活性化等に繋げることを目的として活動しています。会は、町主催の美里米食味コンクールや九州のお米食味コンクールなどにも出品し、会員からは入賞者がでています。また、県で進めている特A獲得を目指したおいしい米づくりに「くまさんの輝き」で取り組んでいます。会員の栽培面積20.7haのうち、くまさんの輝きは5.4haが作付けられており、この品種は食味値も優れていることから、今後、さらに増やしていきたいと考えられています。
会のメンバーの更なるレベルアップを目指して、7月14日に現地検討会を開催しました。3カ所のほ場を巡回し、美里町のアドバイザーからそれぞれのほ場の管理状況を、農業普及・振興課から今後のポイントとなる管理について説明しました。特に、うまい米づくりで重要な水管理については生育状況をみながらアドバイスをしており、今後も現地検討会をとおして、会員のレベルアップにつなげていきたいと思います。

2024年9月

生産者と密閉処理確認をしている様子
生産者と密閉処理確認をしている様子

トマトハウス密閉処理調査~宇城のトマトを守る!ハウスから害虫を出さない対策~

宇城地域のトマト栽培では、タバココナジラミが媒介するウイルス病であるトマト黄化葉巻病が問題となっています。タバココナジラミに対しては、多くの化学農薬が効きにくくなっており、ウイルスを保毒した成虫の移動を防ぐため「6月末までの栽培終了」「ハウスの密閉処理(作物を枯死させ、タバココナジラミを死滅させる)」「7月の1ヶ月間の休作期間の設置」を重点対策として取り組んでいます。
これらの対策は、地域全体で徹底することが重要であるため、6月17日~20日、7月8日~12日の2回にわたり、農業普及・振興課、市町、JA熊本うきの担当者で全トマトハウス(約200戸)において密閉処理状況調査を行いました。また、生産者に対しては、調査の主趣を説明するとともに、調査したハウスには「密閉処理確認票」の貼付をしました。
これらの対策でトマト黄化葉巻病の発生は減少傾向にあることから、当課では引き続き地域一体となり病害虫対策に取り組み、トマトの生産安定につなげていきます。

2024年9月

会議の様子

宇城地域トマト生産対策会議を開催

JA熊本うきのトマト担当職員、当課野菜づくり支援班員が宇城地域のトマト類の生産課題を話し合うため、農業革新支援センターをアドバイザーとして招いた標記会議を7月12日の午後からJA本所会議室で開催しました。
会議では、県内及び全国の産地においてミニトマトが増え大玉トマトが減少傾向であること、トマト黄化葉巻病対策である「ハウス密閉調査」で密閉が徹底されていたことを共有しました。
また、生産課題として、大玉トマトの秋の裂果と春の黄変果の対策として、適正品種を探すことになり、ミニトマトでは、購入苗のコスト増についてJAから言及があったため、今年度はコスト低減のための方策を模索することにしました。
なお、大玉トマト、ミニトマト共通して、市場ニーズに応える平準出荷を目標としているため、確認ほ場を設けたうえで定期的に巡回することが決まりました。
昨年度から始めた当会議ですが、関係者一緒になって宇城地域のトマト生産課題に正面から向き合う会議となり、昨年度と同様に有意義な会議となりました。
当課では、今後も関係者との議論を踏まえた効果的な対策を実施することで、安定生産の産地づくりにつなげていきます。

2024年9月

会議の様子

新規就農者確保・育成対策会議で、地域おこし協力隊の制度を活用した就農支援の取組みを共有

宇城地域では令和5年度に12名が新規就農しており、雇用就農者を加えると19名となっています。新たな担い手確保に苦戦している中、宇土市及び宇城市では、今年度から地域おこし協力隊の制度を活用した就農支援の取組みを開始するなど、新たな動きがあります。このような就農支援に係る取組みの共有及び連携強化のため、農業普及・振興課、市町、JA、就農支援アドバイザー等の関係機関が年に2、3回の頻度で標記会議を開催しており、今年度は第1回目を7月8日に開催しました。
会議では、はじめに当課から管内新規就農者の現況、就農支援に係る国や県の施策及び当課の事業スケジュール等を説明した後、各市町、JAからそれぞれの新規就農支援の取組みや今後の巡回指導予定等を説明してもらいました。意見交換では、地域おこし協力隊の取組みについて、制度設計や募集状況を問う質問が複数あがりました。
会議の後には、事例発表として、(一社)南阿蘇村農業みらい公社事務局長の山戸陸也氏をお招きして、令和3年度から受入れを継続されている地域おこし協力隊の取組みを含む新規就農支援等について、紹介していただきました。応募状況や事業のPR方法等、多くの質疑が寄せられ、各機関にとって今後の参考となる発表となりました。
当課では、今回の関係機関からの意見や要望をもとに、さらに連携を深めた支援により、新規就農者の確保や定着につなげていきます。

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