小麦赤かび病の適期防除に向けた取り組み~今年産の生育を反映した防除計画を新たに策定~
宇城地域で水稲の裏作として栽培している小麦では、赤かび病の病原菌が産生するかび毒のデオキシニバレノールやニバレノール汚染を防ぐため、開花を始めた時期から、開花期とその7~10日後の2回薬剤散布をすることが必須となっています。
一方、今年産の麦は、2月までの低温により、全体的に生育が遅れており、播種時期が12月にずれ込んだほ場ではさらに生育が遅れ、赤かび病の防除適期を予測することが難しくなっています。赤かび病の防除は、無人航空機で行うほ場も多くあり、防除適期の予測は作業スケジュールを立てる上でも、特に重要となっています。
そこで当課では、JA熊本うきの普通作指導員とともに、3月から4月上旬にかけて定期的に幼穂長調査や出穂の状況などを調査し、地域やほ場間での生育の進み方を正確に把握し、それを基に防除計画を作成しました。生育のばらつきが大きいため、早いほ場と遅いほ場とでは防除時期を分けなければならないような状況となっており、無人ヘリオペレーター部会や生産法人、個人で防除する生産者にそれら情報を伝え、的確な防除ができよう指導しました。
当課では引き続き、関係機関と連携して、生育診断や適期防除の指導を行いながら、高品質な麦生産に向けた支援を行っていきます。