宇城エリア

宇城地域は宇土市、宇城市、下益城郡を所管しており、有明海と八代海に挟まれた海岸島しょ地域(宇土半島)、八代海に面した平坦地域及び九州山地の中山間地域と大きく3つの地域に区分され、異なる立地条件を生かした多彩な農業生産活動が展開されています。
海岸島しょ地域においては、不知火類や温州みかんをはじめとする柑橘類や洋ラン等の生産が行われ、平坦地域では、トマト、メロンなどの施設野菜やれんこん、米等が生産され、酪農等の畜産も営まれています。なかでも、柑橘類、鉢物類(洋ラン)、しょうが、れんこん、柿などの生産量は県内上位を占めており、県内における有数の農業地帯です。

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県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 宇城市松橋町久具400-1

電話:0964-32-5090

FAX :0964-32-0373

宇城エリア普及現地情報

2025年4月

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生産者によるキュウリ栽培の説明
トレーニングファームについての説明

JA熊本うき胡瓜部会で佐賀の最先端キュウリ栽培を視察!

令和7年2月20日、JA熊本うき胡瓜部会13名でキュウリの反収が伸び悩んでいる現状を打破するため、佐賀県の篤農家であり、トレーニングファームの講師も兼任されている生産者のほ場とトレーニングファームを視察に行きました。視察先の生産者によると、キュウリの反収を上げるためには、光合成を最大化する必要があり、緻密な温度管理や二酸化炭素施用のタイミング等が重要とのことで、参加者は環境制御技術を活用したデータの見える化の重要性を実感されていました。また、トレーニングファームでは、最先端技術を備えたハウスでの環境制御技術や就農するまでの手厚いサポート制度を学ぶことができ、宇城にもトレーニングファームのような地域一体となった農業環境づくりが必要だとの部会員の声が聞かれました。JA熊本うき胡瓜部会は、今回の学びを基に栽培方法を見直し、生産性及び品質向上を目指してキュウリ栽培に取り組む予定であり、当課では、今後も研修や現地検討会等を通して、地域の栽培技術向上に努め、産地の活性化を図っていきます。

2025年4月

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リリーフ園を視察する参加者
視察したリリーフ園

研修会開催により、関係機関で新規就農支援体制について取組事例を学習

宇城地域では、新規就農者の確保・育成を目的に、県や市町、JA、金融機関等で構成する宇城地域農業活性化協議会が、連携会議や新規就農者向けの研修会を実施しています。
2月25日には、今年度2回目となる連携会議及び新規就農者育成に取組む県内事例の視察研修会を開催しました。連携会議では、当課から管内の新規就農者の現状を説明した後、各市町、JAから今年度の新規就農支援に係る取組実績及び来年度の事業計画等が報告されました。その後の研修会では、芦北地域へ移動し、芦北地方農業振興協議会による、柑橘のリリーフ園(注)を活用した独立就農の支援状況について視察しました。実際に研修指導にあたっているJAあしきた職員の話を聞き、リリーフ園での研修生の作業を見る中で、園地の確保や維持をどのように行っているか等、参加者から多くの質問が飛び交いました。日々、研修生の育成に尽力されているJAあしきた職員から、周りがやっている以上の手厚い支援がないと新規就農者を確保できないとの話もあり、関係機関が新規就農支援への意識を高める研修会となりました。
当課では、引き続き、このような関係機関向けの連携会議や研修会でスキルアップを図るとともに、新規就農者向けの経営・技術講習会等で、定着を支援していきます。

(注)リリーフ園とは、研修機関が一時的に借り受け、新規就農者が研修修了後に引き継ぐ農地のこと。

2025年3月

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美里かぼちゃ有望品種試食会の開催

美里町では、年末や年明けに出荷する「美里かぼちゃ」の振興が図られてきました。ここでは、良食味の「くりゆたか」が栽培されてきましたが、樹勢が若干弱く収量が伸びないことが問題となっており、昨年度から樹勢が強く高収量が望める有望品種を試作してきました。
今年度の出荷がほぼ終了した1月16日に当課が主催して、試作した有望品種の食味を確かめる試食会を開催しました。
先ず、当課から今年度試作の実績の概要として「試作品種は樹勢が強く大きい果実が収穫できている」旨の説明を行い、次いで種苗メーカーから「くりゆたかDX(以下「DX」)」と名前を付けて来週から種子を発売すると報告がありました。
その後の試食では「DX」が「くりゆたか」より食味が優れていると評価され試作農家やJA担当者からも好評でした。
この結果から「DX」は順次「美里かぼちゃ」産地に導入されていく予定です。
「DX」をどう作りこなし、どう売ったら農家の手取りが増えるのか等の検討がこれからも必要です。
当課は、これからも産地の取り組みを関係機関と協力してしっかりと支援して行こうと考えています。

2025年3月

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農福連携コーディネーターによる面談
福祉事業所によるみかん収穫の様子

果樹農家の青年農業者クラブ員による農福連携を伴走支援!

農福連携は、障がいを持つ方の社会参画と、担い手不足や高齢化が進む農業分野での、新たな働き手の確保を結びつける取組みであり、昨年改正された食料・農業・農村基本法においても農福連携の推進が位置付けられています。そこで、当課では、普及の調査研究に位置付けて、この取組みを進めています。
今年度、繁忙期の人手不足に悩む果樹農家の青年農業者クラブ員3名が、クラブ活動の中で農福連携に関心を持ったことを契機として、県の「お試し農福連携支援事業」を活用して、農福連携の取組みを支援しました。はじめに、パンフレット等を用いた勉強会で、注意点など基本事項を確認し、併せて、お願いしたい作業内容や条件等を整理しました。次のステップでは、県の農福連携コーディネーターの協力のもと、宇城管内の福祉事業所とのマッチング支援を行いました。このマッチングでは、双方が納得した条件で取り組めるよう何回も意見交換を重ね、作業内容はみかんの収穫及び貯蔵のための袋詰めをお願いすることに決まりました。お試しの結果、互いに満足のいく内容であったことから、その後も継続的に作業委託が行われるという結果を得ることができました。この結果を、青年農業者クラブ内で共有したことで、取組みの広がりも期待できます。当課としても、農福連携の定着拡大につながるよう、支援を継続していきます。

2025年2月

土着天敵が好む植物「クレオメ」

野外のコナジラミを減らせないか? ~春のクレオメ栽培の提案~

トマトのウイルス病を媒介する害虫「タバココナジラミ」には、「タバコカスミカメ」という土着の天敵(以下、土着天敵)がおり、これを活用できないかと考えました。
この土着天敵は、「クレオメ」という植物を好みます。この「クレオメをハウスの外側に定植する展示ほ」を設置したところ、土着天敵の増殖が確認できました。
その結果を、JAうきトマト部会の会議や講習会など機会ある毎に報告したところ、多くの農家が土着天敵を活用した野外のコナジラミ対策に興味を持たれました。
そこで当課からJAトマト部会の支部長会に対して「部会員による春のクレオメ栽培」を提案したところ賛同が得られたため、第一段として、12月12日に小川支部でクレオメ栽培の狙いと栽培方法を説明しました。
その説明後、JAうきトマト部会長から部会員に向け、「コナジラミ対策として新しい取り組みであり、来年は部会としてクレオメ栽培に取り組んでみたい、強制ではないので希望者は知らせてほしい」との発言がありました。
JAトマト部会の各支部で意欲に濃淡はありますが、当課ではトマト部会全体での取り組みとなるよう今後提案の具体化を進めると同時に、JA部会員以外にも提案して地域全体での取り組みとなるよう支援して参ります。

2025年2月

宇城うき収穫祭及び宇城地方青年農業者会議の開催

宇城地方4HCでは、11月30日にアグリパーク豊野で農産物販売会「宇城うき収穫祭」を、12月5日に農業経営や栽培管理などの課題解決の取組みを発表する「宇城地方青年農業者会議」を開催しました。
農産物販売では、対面販売の難しさを学んだ一方で、消費者ニーズに合わせた価格帯や商品規格など販売戦略が重要であることも実感し、その後の振興局での販売や県庁プロムナードでの販売につながりました。
また、青年農業者会議では、6名の発表があり、意見発表では就農に向けた思い、プロジェクト発表では、地域の特色ある柑橘での農福連携や露地野菜の栽培挑戦などの経営改善・向上に向けた取組みが発表されました。
今後は、2月18日に開催される熊本県青年農業者会議に向けて、クラブ員と農業普及・振興課が一丸となって発表内容を更に磨き上げるとともに、クラブ員がやりがいのあるクラブ活動が行えるよう環境づくりを引き続き進めていきます。

2025年1月

宇城地域家畜伝染病防疫演習の開催

悪性家畜伝染病発生時の迅速かつ的確な防疫措置に資するため、11月6日午後、中央家畜保健衛生所において、宇城地域家畜伝染病防疫演習を開催しました。
今シーズンの全国における鳥インフルエンザの発生は、これまでで最も早く、危機感の高い中での演習となり、市町や警察等関係機関を含め、60名の参加がありました。
演習では、家畜伝染病の発生状況や発生時の防疫措置、後方支援体制について説明を行った後、駐車場において現場事務所の実地演習を行いました。
実地演習では、現場事務所の役割や流れについて説明しながら、防疫作業員の受入れから送り出しまでの実演を行いました。
また、これに先立ち、午前の部では、現場事務所のメンバーで設営訓練を行っており、設置手順の確認のうえ、午後の部(演習)での実演に当たりました。
農業普及・振興課では、今後とも万一の発生に備え、迅速な初動対応が行えるよう体制強化に取り組んでいきます。

2025年1月

技術部会の様子
技術部会研修の様子

県野菜振興協会宇城支部技術部会の現地検討会・研修会について

標記の技術部会は、県(農業普及・振興課)、市町(農政主管課)、JA営農指導担当者で構成された部会で、野菜に関する技術研鑽や課題解決を目的として活動しています。
11月1日には、現地検討会を開催し、まず当課から今シーズンのトマトキバガやコナジラミなどの病害虫の発生状況を報告し、防除の徹底などの注意喚起を行いました。また、現地において、野外でのコナジラミ増殖を抑える天敵のタバコカスミカメを導入したトマトの事例などの視察を行いました。
さらに、11月22日には、JA阿蘇の西原集荷場でサトイモの産地動向や選果状況、菊陽町のタキイ種苗研究農場で野菜の育種状況を視察しました。管内では、国営農地整備事業で排水改良による高収益作物の導入に向けた品目選定を行っているところであり、多くの参加者が露地品目に強い関心を寄せ、多くの質問が投げかけられていました。
当課では、今後も当技術部会の活動を通して、関係機関の連携と担当者の技術力向上を図り、産地の維持・強化につなげていきます。

2025年1月

新規就農者(R5年5月以降就農)の自己紹介
共通課題勉強会の様子

地域の農業者と関係機関が新規就農者を激励

宇城地域では、新規就農者に対して関係機関からなる指導チームで巡回指導を実施するほか、指導農業士等の協力を得ながら技術、経営力が向上する取組みなど、地域の農業者と関係機関が一体となった定着支援を行っています。このたび、令和5年5月以降に就農された方々を対象とした「令和6年度新規就農者激励会及び共通課題勉強会」を11月15日に開催したところ、新規就農者をはじめ、指導農業士や4Hクラブ員など34名の参加がありました。
激励会では、新規就農者が自己紹介を行った後、関係機関、地域農業者の各代表に熱いメッセージを贈ってもらい、その後の共通課題勉強会では、有限会社重元園芸の重元太郎代表取締役に、経営改善の取組み等について講演をいただきました。一従業員だった過去、経営者となった現在、それぞれの視点から課題や取り組んだ工夫を話してもらったことで、勉強会後の情報交換会では、講師と新規就農者が熱く語り合う様子が見られました。
今回の取組みを契機として、新規就農者と地域の農業者及び関係機関との新たな繋がりが生まれたことから、今後も継続して地域一体となった定着支援を推進していきます。

2024年12月

現地検討会風景
美里かぼちゃの栽培状況

美里かぼちゃ秋の現地検討会開催

美里町では、中山間地域の振興を目的として、12月下旬~1月上旬に出荷する抑制作型のかぼちゃ栽培を推進しており、令和6年は約4haで取り組まれています。
かぼちゃは設備投資が不要で高齢者でも取り組みやすく、この時期は冬至用に需要が高いため、町の特産品「美里かぼちゃ」としてブランド化を進めています。
10月1日には、生産者の技術向上を図るため、美里町、JA熊本うき、種苗会社と連携して、砥用地区及び中央地区の2ヵ所で現地検討会を開催し、生産者12名の参加がありました。
今年は、8~9月の記録的な猛暑や少雨により、播種や定植の遅れ、雄花の減少等による着果段数の上昇が見られており、例年より収穫時期が遅れること(10月下旬→11月上中旬)が予想されます。そこで、収穫まで樹勢を落とさない管理ポイントや、既存品種「くりゆたか」よりも果実肥大がよい新品種の最適な栽培方法を実証する展示ほの状況等について説明を行いました。説明後には、病害虫防除に関する質疑応答など活発な意見交換が行われました。
当課では、今後も引き続きカボチャ、アスパラガスなど中山間地域野菜の振興支援に尽力して参ります。

2024年12月

実演会風景
実演機と草刈風景

ブドウハウスでロボット草刈機の実演会を開催

地球温暖化で夏場の農作業が厳しくなっています。特に今年は、宇城管内で生産者が午後の作業に15時頃まで出られず、1日の作業時間が短くなっています。今後もこの傾向が続くという前提で、限られた時間で栽培管理を進めるためにも、スマート機器の活用が有効になっています。
県内のナシ産地の一部で、ロボット草刈機の導入が進んでいますが、宇城管内では、圃場が平坦なブドウハウスで導入しやすいのではと考えました。
そこで、除草作業を自動化し、品質向上につながる他の管理作業時間の確保を目指して、10月3日にロボット草刈機の実演会を開催しました。実演前は除草効果に半信半疑だった参加者も、実演中はロボットの動きや除草あとをしっかりと確認するなど、徐々に興味がわき、最後は活用できる補助事業について質問の声があがるなど、こちらの狙い通りの反応を見ることができました。
当課では、今後もスマート機器を含めた省力化技術を積極的に紹介し、労力軽減につながる支援を行っていきます。

2024年12月

公民館での講師の経営概要説明の様子
園地視察の様子

指導農業士が中心になり、新規就農者を地域ぐるみでサポート

宇城地域では担い手の育成確保を重点課題として、新規就農者の相談から定着までの支援に取り組んでいます。その中で、市町・JA等の関係機関と定期的な巡回指導を行うほか、指導農業士の協力のもと、部門ごとの生産から流通に係る具体的な課題解決を図る研修を地域ぐるみで行っています。今回は、9月25日に、管内で果樹を栽培する新規就農者を対象として、視察交流会を開催しました。
当日は、宇土市網田の柑橘経営の指導農業士に視察を依頼し、新規就農者7名への助言と交流を行いました。販路開拓についての話では、参加者は大きな関心を寄せ、どのような営業手法で新規取引先を獲得したのか等、多くの質問を投げかけていました。その後、講師の園地に研修場所を移し、急傾斜地での露地栽培から平地での施設栽培まで、多様な柑橘生産の説明を受け、経営発展の一助としてもらいました。講師から参加者に対して、栽培で苦労していることを問う場面もあり、双方向で意見が飛び交う交流会となりました。
今回の視察交流会をとおし、農業者間には新たな交流が生まれたので、今後、この関係が地域ぐるみの支援体制に繋がるよう継続して支援していきます。

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