宇城エリア

宇城地域は宇土市、宇城市、下益城郡を所管しており、有明海と八代海に挟まれた海岸島しょ地域(宇土半島)、八代海に面した平坦地域及び九州山地の中山間地域と大きく3つの地域に区分され、異なる立地条件を生かした多彩な農業生産活動が展開されています。
海岸島しょ地域においては、不知火類や温州みかんをはじめとする柑橘類や洋ラン等の生産が行われ、平坦地域では、トマト、メロンなどの施設野菜やれんこん、米等が生産され、酪農等の畜産も営まれています。なかでも、柑橘類、鉢物類(洋ラン)、しょうが、れんこん、柿などの生産量は県内上位を占めており、県内における有数の農業地帯です。

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県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課

〒869-0532 宇城市松橋町久具400-1

電話:0964-32-5090

FAX :0964-32-0373

宇城エリア普及現地情報

2025年7月

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宇城地域トマトキバガ防除対策会議
家庭菜園用啓発チラシ

「宇城地域トマトキバガ緊急防除対策会議」を開催 ~地域をあげた迅速な対策で発生拡大を抑え込む!~

宇城地域では、トマトキバガ防除対策として、これまでに「宇城地域野菜病害虫対策会議」(5/21開催)で、防除対策の周知・徹底の呼びかけとともに、関係機関と連携して、全トマト生産者への啓発チラシの配布・JAのLINE活用や講習会での周知などの取組みを行ってきました。
今回、「県トマトキバガ緊急防除対策会議」が開催されたことを受け、翌日の6月3日に改めて市町、JA、うき協連を参集した地域独自の対策会議を開催しました。
会議では、当課から管内でのトマトキバガの発生経過やこれまでの対策の説明を行うとともに、今後の対策について協議を行いました。出席者からは、「農薬代が高く、一斉防除は難しいかもしれないが、呼びかけることは大事」「生産者以外では、直販所だけでなく、苗販売業者(ホームセンター等)にも周知が必要」「野良生えトマト除去の確認・指導の徹底が必要」などの意見が出され、活発な協議が行われました。
今後は、トマトキバガを次作につながない対策として、①一斉防除の呼びかけ、②トマト生産者全戸巡回によるハウス密閉処理・野良生えトマト除去の確認及び指導、③家庭菜園用啓発チラシの管内直販所・ホームセンター等への配布などを行う予定であり、引き続き、地域一体となって防除対策・発生抑制に取り組んでいきます。

2025年7月

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野菜病害虫対策会議の様子

宇城地域の野菜病害虫対策会議を開催~今年はトマトキバガにも注意!トマト、ウリ類の病害虫対策~

当課では、5月21日にJAの各品目の部会長、市町、JAなど野菜関係者を参集し、宇城野菜の病害虫の重点対策を話し合う「野菜病害虫対策会議」を開催しました。
本会議は、トマト黄化葉巻病が本県で確認されて以降、地域でのまん延を防止するため、平成15年から毎年開催しています。近年は抵抗性品種の普及もあり、発病は抑えられていましたが、今年産は猛暑の影響もあり、タバココナジラミの発生が平年より多く、これまでになかった11月にも誘殺が確認されたことから、トマト黄化葉巻病・メロン退緑黄化病などの発生が例年に比べて多い傾向となっています。
このため、今後収穫終了を迎えるトマトを中心に、ウイルスを媒介するコナジラミ類、アザミウマ類の防除対策について協議しました。具体的には、栽培終了後のハウスを密閉する「出さない対策」、7月の1ヵ月間はトマトを作付けしない「つながない対策」の2つに重点をおいた防除対策の徹底に加え、コナジラミ類の天敵を誘引する植物「クレオメ」の栽培を推進することを、関係者全員で申し合わせました。
また、今年は県内各地でトマトキバガの発生が例年に比べ多いため、トマトキバガの防除対策の周知・徹底も併せて呼びかけました。
今後、農業普及・振興課では、関係機関と協力して、全生産者の密閉処理の確認調査を行うなど、地域一体となった病害虫対策に取り組み、病害虫から産地を守るきめ細やかな支援を引き続き行っていきます。

2025年7月

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高温化対策会議風景
パパイヤ栽培状況

~猛暑に負けない!野菜産地の育成・強化(Vol.2)~ 「宇城地域野菜の高温化対策会議」を開催

宇城地域では、野菜の高温化対策に迅速に取り組むため、4月に「宇城地域野菜の高温化対策会議」を立ち上げましたが、そのキックオフとなる第1回目の対策会議を関係者30名(生産者代表9名を含む)が出席して、5月21日に開催しました。
対策会議では、JA熊本うきの各作物担当者から、トマト、ショウガ等9品目について、前年度の高温障害・病害虫の発生状況と今年度の具体的な対策について説明がありました。また、当課からは、令和7年度の事業計画や展示ほ設置計画とともに、耐暑性品目(パパイヤ)の試験状況等について説明を行いました。参加した生産者からは、トマト高温耐性品種への提案(試験品種の追加)もあり、高温化対策に向けた情報共有や意識統一につながる大変有意義な会議となりました。
今後は、実働メンバーのプロジェクトチームでトマト高温耐性品種やショウガ・イチゴの遮光・遮熱資材による高温対策、キュウリ・トマトのIPM(天敵等)によるウイルス病対策に加え、ナスの土壌病害対策の検討・導入推進を行う予定です。
会議後は、生産者から「省力化のため、ドローンによる遮光剤塗布への支援があると助かる。」「良い取組みで期待している。展示ほ設置にぜひ協力したい。」などの声が挙がっています。期待に応えるためにも、さらに「高温化対策」に地域一体となって取組み、宇城地域野菜の生産安定と産地力の強化につなげていきます。

2025年6月

研修会の様子1
研修会の様子2

宇城地域鳥インフルエンザ防疫研修会を開催

高病原性鳥インフルエンザが万一発生した場合には、まん延を防止し、地域経済への最小化を図るため、速やかに防疫措置までを完了することが重要となります。このため、4月22日に「宇城地域鳥インフルエンザ防疫研修会」を開催しました。
本研修は、宇城地域振興局及び果樹研究所の転入者を中心とした職員を対象に、毎年度当初に実施しています。特に本県では、過去に4月の発生事例もあり、できるだけ多くの職員に参加してもらえるよう、午前と午後の2部に分けて開催し、合計62名の参加がありました。
研修では、高病原性鳥インフルエンザの発生状況やマニュアルの改訂内容、管外および管内で発生した際の動員の流れや具体的な作業内容、体制等について説明を行い、動画を交えながら、自身の役割や防疫対応についての理解を深めてもらいました。
管内には県下最大クラスも養鶏場もあることから、農業普及・振興課では今後とも、発生の際に迅速・確実な対応ができるよう、特別防疫対策期間が始まる秋口までには、より詳しい研修や実地演習なども組み合わせながら、関係機関と連携して初動体制を構築していきます。

2025年5月

麦生育の様子

小麦赤かび病の適期防除に向けた取り組み~今年産の生育を反映した防除計画を新たに策定~

宇城地域で水稲の裏作として栽培している小麦では、赤かび病の病原菌が産生するかび毒のデオキシニバレノールやニバレノール汚染を防ぐため、開花を始めた時期から、開花期とその7~10日後の2回薬剤散布をすることが必須となっています。
一方、今年産の麦は、2月までの低温により、全体的に生育が遅れており、播種時期が12月にずれ込んだほ場ではさらに生育が遅れ、赤かび病の防除適期を予測することが難しくなっています。赤かび病の防除は、無人航空機で行うほ場も多くあり、防除適期の予測は作業スケジュールを立てる上でも、特に重要となっています。
そこで当課では、JA熊本うきの普通作指導員とともに、3月から4月上旬にかけて定期的に幼穂長調査や出穂の状況などを調査し、地域やほ場間での生育の進み方を正確に把握し、それを基に防除計画を作成しました。生育のばらつきが大きいため、早いほ場と遅いほ場とでは防除時期を分けなければならないような状況となっており、無人ヘリオペレーター部会や生産法人、個人で防除する生産者にそれら情報を伝え、的確な防除ができよう指導しました。
当課では引き続き、関係機関と連携して、生育診断や適期防除の指導を行いながら、高品質な麦生産に向けた支援を行っていきます。

2025年5月

第3回新規就農者共通課題勉強会を開催~イチゴとアスパラガスの試験研究を視察~

新規就農者が抱える経営面や栽培技術面の課題解決を図るため、宇城地域では共通課題勉強会として、定期的に研修会を開催しています。
3月7日、当課が企画し、イチゴとアスパラガスの品種開発や安定供給の栽培技術を研究している農研機構九州沖縄農業研究センター久留米研究拠点を訪問し、最新の研究成果について説明を受ける機会を設けました。
イチゴ、アスパラガスを栽培する新規就農者を中心に11名の参加があり、研究所の職員から農研機構で開発されたイチゴ品種の特性やアスパラガスの栽培基礎知識について説明があった後、ほ場でイチゴの二酸化炭素局所施用技術やアスパラガスの高畝栽培を視察しました。アスパラガスの生産者が多かったこともあり、アスパラガスの高畝栽培については、反収や土質など多くの質問が上がり、高い関心が伺えました。
農業普及・振興課では、今後も新規就農者を対象とした研修会開催等の支援を継続的に実施し、新規就農者の確保及び定着につなげていきます。

2025年4月

生産者によるキュウリ栽培の説明
トレーニングファームについての説明

JA熊本うき胡瓜部会で佐賀の最先端キュウリ栽培を視察!

令和7年2月20日、JA熊本うき胡瓜部会13名でキュウリの反収が伸び悩んでいる現状を打破するため、佐賀県の篤農家であり、トレーニングファームの講師も兼任されている生産者のほ場とトレーニングファームを視察に行きました。視察先の生産者によると、キュウリの反収を上げるためには、光合成を最大化する必要があり、緻密な温度管理や二酸化炭素施用のタイミング等が重要とのことで、参加者は環境制御技術を活用したデータの見える化の重要性を実感されていました。また、トレーニングファームでは、最先端技術を備えたハウスでの環境制御技術や就農するまでの手厚いサポート制度を学ぶことができ、宇城にもトレーニングファームのような地域一体となった農業環境づくりが必要だとの部会員の声が聞かれました。JA熊本うき胡瓜部会は、今回の学びを基に栽培方法を見直し、生産性及び品質向上を目指してキュウリ栽培に取り組む予定であり、当課では、今後も研修や現地検討会等を通して、地域の栽培技術向上に努め、産地の活性化を図っていきます。

2025年4月

リリーフ園を視察する参加者
視察したリリーフ園

研修会開催により、関係機関で新規就農支援体制について取組事例を学習

宇城地域では、新規就農者の確保・育成を目的に、県や市町、JA、金融機関等で構成する宇城地域農業活性化協議会が、連携会議や新規就農者向けの研修会を実施しています。
2月25日には、今年度2回目となる連携会議及び新規就農者育成に取組む県内事例の視察研修会を開催しました。連携会議では、当課から管内の新規就農者の現状を説明した後、各市町、JAから今年度の新規就農支援に係る取組実績及び来年度の事業計画等が報告されました。その後の研修会では、芦北地域へ移動し、芦北地方農業振興協議会による、柑橘のリリーフ園(注)を活用した独立就農の支援状況について視察しました。実際に研修指導にあたっているJAあしきた職員の話を聞き、リリーフ園での研修生の作業を見る中で、園地の確保や維持をどのように行っているか等、参加者から多くの質問が飛び交いました。日々、研修生の育成に尽力されているJAあしきた職員から、周りがやっている以上の手厚い支援がないと新規就農者を確保できないとの話もあり、関係機関が新規就農支援への意識を高める研修会となりました。
当課では、引き続き、このような関係機関向けの連携会議や研修会でスキルアップを図るとともに、新規就農者向けの経営・技術講習会等で、定着を支援していきます。

(注)リリーフ園とは、研修機関が一時的に借り受け、新規就農者が研修修了後に引き継ぐ農地のこと。

2025年3月

美里かぼちゃ有望品種試食会の開催

美里町では、年末や年明けに出荷する「美里かぼちゃ」の振興が図られてきました。ここでは、良食味の「くりゆたか」が栽培されてきましたが、樹勢が若干弱く収量が伸びないことが問題となっており、昨年度から樹勢が強く高収量が望める有望品種を試作してきました。
今年度の出荷がほぼ終了した1月16日に当課が主催して、試作した有望品種の食味を確かめる試食会を開催しました。
先ず、当課から今年度試作の実績の概要として「試作品種は樹勢が強く大きい果実が収穫できている」旨の説明を行い、次いで種苗メーカーから「くりゆたかDX(以下「DX」)」と名前を付けて来週から種子を発売すると報告がありました。
その後の試食では「DX」が「くりゆたか」より食味が優れていると評価され試作農家やJA担当者からも好評でした。
この結果から「DX」は順次「美里かぼちゃ」産地に導入されていく予定です。
「DX」をどう作りこなし、どう売ったら農家の手取りが増えるのか等の検討がこれからも必要です。
当課は、これからも産地の取り組みを関係機関と協力してしっかりと支援して行こうと考えています。

2025年3月

農福連携コーディネーターによる面談
福祉事業所によるみかん収穫の様子

果樹農家の青年農業者クラブ員による農福連携を伴走支援!

農福連携は、障がいを持つ方の社会参画と、担い手不足や高齢化が進む農業分野での、新たな働き手の確保を結びつける取組みであり、昨年改正された食料・農業・農村基本法においても農福連携の推進が位置付けられています。そこで、当課では、普及の調査研究に位置付けて、この取組みを進めています。
今年度、繁忙期の人手不足に悩む果樹農家の青年農業者クラブ員3名が、クラブ活動の中で農福連携に関心を持ったことを契機として、県の「お試し農福連携支援事業」を活用して、農福連携の取組みを支援しました。はじめに、パンフレット等を用いた勉強会で、注意点など基本事項を確認し、併せて、お願いしたい作業内容や条件等を整理しました。次のステップでは、県の農福連携コーディネーターの協力のもと、宇城管内の福祉事業所とのマッチング支援を行いました。このマッチングでは、双方が納得した条件で取り組めるよう何回も意見交換を重ね、作業内容はみかんの収穫及び貯蔵のための袋詰めをお願いすることに決まりました。お試しの結果、互いに満足のいく内容であったことから、その後も継続的に作業委託が行われるという結果を得ることができました。この結果を、青年農業者クラブ内で共有したことで、取組みの広がりも期待できます。当課としても、農福連携の定着拡大につながるよう、支援を継続していきます。

2025年2月

土着天敵が好む植物「クレオメ」

野外のコナジラミを減らせないか? ~春のクレオメ栽培の提案~

トマトのウイルス病を媒介する害虫「タバココナジラミ」には、「タバコカスミカメ」という土着の天敵(以下、土着天敵)がおり、これを活用できないかと考えました。
この土着天敵は、「クレオメ」という植物を好みます。この「クレオメをハウスの外側に定植する展示ほ」を設置したところ、土着天敵の増殖が確認できました。
その結果を、JAうきトマト部会の会議や講習会など機会ある毎に報告したところ、多くの農家が土着天敵を活用した野外のコナジラミ対策に興味を持たれました。
そこで当課からJAトマト部会の支部長会に対して「部会員による春のクレオメ栽培」を提案したところ賛同が得られたため、第一段として、12月12日に小川支部でクレオメ栽培の狙いと栽培方法を説明しました。
その説明後、JAうきトマト部会長から部会員に向け、「コナジラミ対策として新しい取り組みであり、来年は部会としてクレオメ栽培に取り組んでみたい、強制ではないので希望者は知らせてほしい」との発言がありました。
JAトマト部会の各支部で意欲に濃淡はありますが、当課ではトマト部会全体での取り組みとなるよう今後提案の具体化を進めると同時に、JA部会員以外にも提案して地域全体での取り組みとなるよう支援して参ります。

2025年2月

宇城うき収穫祭及び宇城地方青年農業者会議の開催

宇城地方4HCでは、11月30日にアグリパーク豊野で農産物販売会「宇城うき収穫祭」を、12月5日に農業経営や栽培管理などの課題解決の取組みを発表する「宇城地方青年農業者会議」を開催しました。
農産物販売では、対面販売の難しさを学んだ一方で、消費者ニーズに合わせた価格帯や商品規格など販売戦略が重要であることも実感し、その後の振興局での販売や県庁プロムナードでの販売につながりました。
また、青年農業者会議では、6名の発表があり、意見発表では就農に向けた思い、プロジェクト発表では、地域の特色ある柑橘での農福連携や露地野菜の栽培挑戦などの経営改善・向上に向けた取組みが発表されました。
今後は、2月18日に開催される熊本県青年農業者会議に向けて、クラブ員と農業普及・振興課が一丸となって発表内容を更に磨き上げるとともに、クラブ員がやりがいのあるクラブ活動が行えるよう環境づくりを引き続き進めていきます。

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