2018年のエリア普及現地情報

2018年12月

地域営農法人が新規参入を支援!

宇城市小川町の地域営農法人「農事組合法人宇土割営農生産組合」は、農業担い手育成のための県認定研修機関に認定され、研修生の受入を行っています。これまで、4名の新規参入就農者が誕生しています。
今年も6月に研修を終えたT氏が新規参入者として就農しました。受入農家でもある法人代表の斡旋でハウス付きの農地を借受け、8月からトマト生産を開始しています。受入農家や先に就農した先輩の支援を受けながら、日々の農作業に頑張っています。
農業普及・振興課では、就農支援アドバイザーと連携して、研修受入れや青年等就農計画の作成及び農業次世代人材投資事業の活用などの就農支援を行ってきました。これからも、定期巡回等による技術指導など、営農確立に向けた支援を継続していきます。

2018年11月

天敵利用技術の向上を目指して

JA熊本うき胡瓜(きゅうり)専門部会では、ウイルス病を媒介する微小害虫対策として、スワルスキーカブリダニと土着のタバコカスミカメが天敵として導入されています。これまで、マニュアルを用いた天敵利用講習会や温存植物の活用方法について情報提供を行ってきました。現在では25名の部会員のうち約半数が天敵を利用した防除を実践しています。
天敵として低コストで利用できるタバコカスミカメ単独での利用が多い状況ですが、微小害虫の防除効果を高めるため、定着・増殖が安定しているスワルスキーカブリダニとの併用を推進しています。
そこで今年作では、効果実証のためタバコカスミカメのみ利用と、2種を併用の効果の違いについて調査をしています。
今後は、これらの調査結果を通して天敵利用のポイントを整理し、天敵利用技術のさらなる向上を図ります。

2018年10月

県内JA初!生姜部会がJGAP認証取得

JA熊本うき園芸部生姜専門部会が、県内JA初となるJGAP団体認証を取得しました。生姜専門部会は部会員数139名、栽培面積は68haで、出荷数量の77%が特別栽培生姜で出荷され、特別栽培に取り組む生産者のうち48戸でJGAPの認証を取得しました。
昨年6月からGAPに関する研修を始め、役員検討会や全体説明会、生産施設の巡回等を生産者、JA、普及が一体となって進めてきました。1月には役員や青年部を中心とする23名がJGAP指導員基礎研修を受講し、指導員資格を取得するなど、生産者自らも体制の基礎固めに努力されました。
審査は7月6日から3日間行われ、8月9日付けで認証書が発行されました。 
今後、15ヵ月以内に維持審査を受けるため、さらに勉強会等を開催するとともに、部会全体への拡大を推進していきます。

2018年9月

指導農業士と語る!

宇城地方指導農業士連絡協議会の総会が、6月13日に宇城地域振興局で開催され、29年度の実績や30年度の計画等を協議しました。また、今年度から4組の方々が新規に普及指導協力委員となられ、総会に先立ち委嘱状の交付も行いました。
総会終了後の研修会では、「指導農業士の役割」について、農業普及・振興課の岩本課長の進行で参加者全員のフリートークを行いました。「研修生の受入等を通じた担い手育成」や、「普及組織等からの情報を地元へつなぎ、地域を育てる役割がある」など熱い思いが語られました。
さらに、全国や県等の功労者表彰を受けられた会員やOBを囲んで、宇城農業経営同友会と合同で開催された情報交換会は大いに盛り上がりました。
当課では、指導農業士と連携を強化し、担い手の育成や地域活性化に取り組みます。

2018年8月

大規模営農法人での小麦栽培支援

宇土市の大規模営農法人「(農)走潟」では、一層の経営安定を図るため、初めて約10haの小麦を栽培しました。法人の小麦の安定生産に向け、当課では作業時期に合わせて生産ほ場の巡回指導を行ってきました。また、JAと協力して法人を含む地域の生産者を対象に、播種前講習会や現地検討会を開催しました。こうした指導に基づく管理が実を結び、5月末には無事に収穫が行われました。
基本的な栽培管理を確実に行う法人の姿は、栽培1年目ながら地域の模範となり、熊本県麦作共励会に推薦され、収穫前の5月17日に行われた現地審査で、生育状況やほ場管理状況の確認が行われました。
法人では今後も小麦栽培面積を拡大する計画です。当課も栽培技術指導や作業効率化に向けた助言を引き続き行い、法人の面積拡大と経営安定化を支援します。

2018年7月

来季に向けて!カスミソウ反省会を開催

5月16日に、JA熊本うき花倶楽部主催による宿根カスミソウ反省会が開催され、普及・振興課からは、昨年行った低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒の実証結果について説明を行いました。
宿根カスミソウの重要土壌病害である萎凋細菌病は、根に沿って地中深くに存在するため、ピクリン等による薬剤消毒を行っても、ほ場によってはその効果が不安定な場合がありました。そこで、土壌の深層部まで消毒効果が期待される低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒の実証試験を実施したところ、これまで萎凋細菌病により株枯れが激発し、ほとんど採花が出来なかったほ場において、その発生をほぼゼロに抑えることが出来ました。
普及・振興課では、今後も現地検討会等を通じてさらなる周知に努め、管内での普及を目指していきます。

2018年6月

単為結果性ナス導入に向けた取組み

ナス栽培における交配作業は、主な栽培管理時間の約3割を占め、適期管理の大きな負担(障害)となっています。
そこで、JA熊本うきナス専門部会では、交配作業の必要がない単為結果性品種「PC筑陽」の導入を検討しています。
現在、JAと連携して「調査ほ」を設置し、草勢や収穫量、品質について、主力品種である「筑陽」との比較をしています。
これまでのところ「筑陽」と遜色ない結果が出ているため、部会員を対象に現地検討会を開催しました。品種特性として、1.着果性が良い2.草勢の維持が必要(着果に波がみられる)3.果実に花びらが残りやすい点などを説明し、玉名地域や熊本市などの状況も報告しました。
まだ栽培期間中であり、今後の生育状況を確認しながら、適正な管理方法について検討を継続していきます。

2018年5月

食品加工研修会開催

宇城地域では6次化への取組みが盛んです。その様な中、最新機器を使用した加工技術を研修し、新たな商品開発に役立てるため、3月1日、宇城地域食品加工研修会を開催しました。当日は管内の加工組織、農業女性野菜ソムリエの会、関係機関等23名の参加がありました。
研修では、ホシザキ南九株式会社の協力のもと「スチームコンベクション」や「ブラストチラー」等を使用し、宇城産のショウガの加工実演およびミニトマト、レンコンを使ったピザ作りの実習を行いました。製造工程における食品衛生やHACCP導入についても講習を行い、活発な質問や参加者同士の意見交換が行われ、充実した時間を提供することができました。
農業普及・振興課では、今後も農産加工による起業活動や新商品の開発を支援していきます。

2018年4月

県内初、JA主体の地域鳥獣対策本部設立

イノシシによる農作物被害の対策をJA、住民、自治体などの地域一体で進めるため、2月1日に、関係者約70人が出席し、「JA熊本うき三角地区鳥獣害対策本部」の設立式が行われました。   
この設立式では、三角地域の農産物と住民の安全を守るため、地域全体でイノシシの生態や被害対策の知識を共有し、生息環境管理対策、農地への侵入防止対策、適正な個体数管理(捕獲)対策に取り組むことが申し合わされました。
その後、設立式に出席した関係者も参加して、宇城市三角町古場地区の住民とともに、イノシシ被害に遭っている柑橘園の現地確認を行い、被害軽減対策の研修を行いました。
農業普及・振興課では、JAと連携して、地区での地域一丸となったイノシシの被害軽減対策を支援して行く予定です。

2018年3月

農事組合法人「名越谷サポートセンター」設立

美里町の名越谷地区で「農事組合法人名越谷サポートセンター」が設立されました。
名越谷地区では、平成5年に設立された「名越谷機械利用受委託組合」が、ライスセンターを核とした水稲の作業受託に取り組んできました。
しかし当地区においても、高齢化や担い手不足が進行し、農業経営からリタイヤされる農家もあり、組合に水稲の生産や農地の管理を相談される農家が増えています。
そのため、今後の地域農業の受け皿として組織を発展させ、法人設立に至りました。
農業普及・振興課では法人設立に当たって運営方針の検討などの支援を行ってきました。これからも、地域から信頼される地域営農法人を目指し、経営力の強化への支援を継続する予定です。

2018年2月

求評会で大好評!うき産「くまさんの輝き」

県オリジナル良食味米「くまさんの輝き」は、今年度から栽培が始まり、トップブランド化が期待されています。
去る11月29日、JA熊本うきでは管内7種類の米の食味を比較する「求評会」を実施し、生産者、JA女性部、卸業者等、関係者約50名が評価に参加しました。食味アンケートでは、「くまさんの輝き」が、1位と1ポイントの僅差で2位となり、多くの参加者から高評価を得られました(1位は特栽「森のくまさん」)。
宇城地域では昨年、美里町で既存品種との比較試験栽培ほを設置し、生育状況や収量、玄米品質の調査を行ってきました。その結果、「くまさんの輝き」の収量は既存品種と同等で、農産物検査で全量1等となるなど、品質も良好でした。
今後は来年以降の栽培に向け、より適した栽培方法の検討を行い、一層の食味向上を目指します。

2018年1月

「宇城のうまかもん」が大集合

宇城のうまかもんフェスティバルが、10月28日・29日の2日間にわたり、イオンモール宇城で開催されました。
「宇城地域直販ネットワークの会」を構成する管内の直売所・物産館など11か所の連携により、地元の農産物(ミカン・太秋柿・生姜・新米など)や加工品の紹介・販売が行われました。
また、「農業女性野菜ソムリエの会」による地元農産物を使った野菜料理の簡単メニューの紹介と試食会も行われ、宇城産農産物のPR促進に繋げることができました。
農業普及・振興課では、直売所を核とした地産地消、農業振興・地域活性化の推進に取り組んでいます。今回のように地域が一体となった地元農産物の情報発信によって、各直売所の集客拡大や地域活性化につながる取組みを今後も関係機関とともに支援していきます。

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