2022年のエリア普及現地情報

2022年9月

視察の様子
県立農大卒業社員

宇城の洋ラン農家に県立農大生視察

7月26日、県立農大花きコース1・2年生8名及び担当教授による、宇城市三角町戸馳の有限会社天川花園(洋ラン栽培面積:約55a)への先進事例研修が行われました。宇城地域の洋ラン栽培は、県内1位(生産額約10億円:R2花き生産実績)です。その中でも、三角地区は昭和59年に「5年先の蘭の経営を見据え、ともに学び合っていく」ことを目的に「五蘭塾」が結成された場所です。(有)天川花園の現社長である嶋田薫氏は大学卒業後2年間の研修を経て平成4年から洋ラン栽培を開始し、令和元年から社長に就任されています。
研修では、初めに嶋田社長から就農後の経営発展の歴史やここ数年のコロナ禍とその回復状況について説明がありました。また、経営拡大には、雇用労働の安定化が重要であり、働きやすい環境づくりに工夫しているとのことでした。その後、栽培状況説明では、県立農大を卒業後、天川花園に雇用就農した2名の先輩から現在の仕事の状況の説明やほ場案内を受けました。
質疑応答の中では、「暑い夏の中でもハウス内は涼しく、花の仕事は楽しそう。」との意見や、育苗から出荷までの作業内容についての質問が交わされていました。 
当課では、今後とも、農大等の若い就農希望者へ、将来の進路選択のきっかけとなるよう、情報提供に努めていきます。

2022年9月

審査の状況
1位受賞の果実

ブドウの魅力ある商品づくりを目指して

宇城地域のブドウは62haで栽培されており、県内の栽培面積の4割を占める県内1位の産地です。中でも、主力品種の「巨峰」は管内の栽培面積の5割以上を占めています。
当課では、ブドウ産地としてのブランド維持や魅力ある商品づくりに向けた取組みを支援しています。
7月21日には、ブドウ「巨峰」の果実品評会が、JA熊本うき本所において、感染防止対策を徹底しながら開催されました(主催:JA熊本うきブドウ部会松橋支部)。品評会は、生産者の生産意欲の向上につなげることを目的に例年開催されており、今年は11点の出品がありました。
品評会では、JA熊本うき、当課職員、生産者代表の審査員6名が、着色の良否や房および果実の大きさ、粒揃い、高糖度で食味が良好であるか、といった観点で審査を行いました。
品評会が開催された7月中旬は、降雨が多いことに加えて、最低気温が平年に比べ高かったため、着色向上には不利な気象条件でした。
しかし、日頃の生産管理等の努力により、出品された果実の品質はいずれも良好で、順位付けに苦労しました。中でも、1位の果実は糖度が18度を超え、品質および外観も素晴らしいものでした。
農業普及・振興課では、ブドウの主力品種である「巨峰」の高品質果実生産に向けた支援を引き続き行っていきます。加えて、昨年度作成した「シャインマスカット」栽培マニュアルを活用して、高品質果実生産のための栽培技術の普及に取り組むなど、宇城地域がブドウの主産地として持続・発展できるような普及活動を進めていきます。

2022年9月

(株)藤瀬農園の視察
株)みっちゃん工房の視察

令和4年度宇城農業経営同友会青年部研修会を開催

宇城農業経営同友会は、熊本県農業コンクール大会に出場した農業者およびその家族で構成されています。青年部はその中でも比較的若い会員で組織され、夫婦が一緒に参加することを推奨しながら、各種活動を行っています。
今回、県下で先進的な取組を行っている経営体の事例調査を行い、地域農業経営の高度化につなげていくことを目的とし、7月19日に研修会を実施しました。研修会には、青年部をはじめとした同友会会員12名が参加しました。
はじめに、嘉島町の株式会社藤瀬農園にて、経営体として先進的な取組や新たに建設されたフェンロー型ハウスでのミニトマト長期栽培について、代表取締役藤瀬弘治氏より説明いただきました。1年以上栽培されたミニトマトの株や、省力的な管理作業の様子、整った作業環境などを実際に見ながら、学ぶことができました。
続いて、益城町の株式会社みっちゃん工房にて、既存の経営を新しく発展させてきた同社の沿革や、労務管理、経営での取組等について代表取締役光永カオリ氏より説明を受けました。特に、社内での事業実績や計画の共有、従業員の立場に立った接し方について、活発に意見交換が行われました。
参加者の中には労務環境を整備中のところもあり、今後の経営について考えるにあたり大いに参考になったようです。
宇城農業普及・振興課ではこれからも、同会への活動支援を通し、農家経営や地域農業の活性化を支援、推進していきます。

2022年8月

現地検討会の様子
ミニシクラメンの現在の育苗状況

シクラメン、暑い夏直前に栽培管理検討会開催

宇城地域は、県内1位(県全体8戸中5戸)のシクラメン産地です。(令和2年度花き生産実績)。6月16日に宇城、上益城のシクラメン生産者が合同で、相互の技術向上のために栽培管理検討会を開催しました。
当日は、甲佐町からスタートし、美里町、松橋町の各農家のハウスを視察し、お互いのシクラメンの生育状況を見比べながら意見交換をしました。
栽培農家は、今年の夏の高温への不安はもちろんですが、肥料や農薬、燃油、その他資材の高騰の中で、需要期である年末までに、「いかにコストを下げながらに品質を維持するか。」悩んでいました。
農業普及・振興課からは、「今年は例年以上に暑い夏と予測される。対策として、これまで実施してきた遮光や換気の励行に加えて、ヒートポンプを活用し夜間冷房(夜冷)することで、葉の枚数を確保し生育を進めることができる。これにより、株枯れが減り歩留まりも向上し、生育も進むため、秋の燃油の節約にもつながる。」と説明しました。また、温度が平年以上に高いと害虫の発生サイクルも早くなるため、防除頻度を高め、薬剤ローテ-ションを行うよう指導しました。
栽培管理検討会は、今後も12月まで毎月開催の予定です。
農業普及・振興課では、農家に寄り添ったアドバイス、支援を続けていきます。

2022年8月

各ハウスに処理状況確認票を掲示
適正な密閉処理を生産者に説明

トマト等施設栽培終了後には害虫を外へ出さないで!

ミニトマト、メロン、キュウリ等の施設栽培が盛んな宇城地域では、令和3年産トマト・ミニトマトにおいて、タバココナジラミの媒介するトマト黄化葉巻病が多発し問題となりました。そこで、5月17日に生産者、JA、市町、県を参集した病害虫対策会議を開催し、地域の現状や課題の協議を通して、令和4年産の被害低減に向けた防除意識の醸成や取組計画の策定を行いました。
具体的な対策の一つとして、栽培終了後にコナジラミが野外へ出ないようにハウスを閉め切り、作物や雑草を枯らして殺虫する「密閉処理」を徹底するため、関係機関でハウスを巡回して適正な処理を確認・指導しました。
6月上旬と下旬の2回、栽培終了しているメロンやトマト類を対象に巡回したところ、ほとんどの農家で適正に処理されていましたが、中には雑草が残っているほ場もあり、処理状況確認票の掲示や啓発チラシの配付により、密閉処理の徹底を呼びかけました。
今後、7月にはキュウリのハウスを巡回し、広く対策を周知する予定です。また、育苗や定植時、栽培期間中における農薬のローテーション防除等についても指導していきます。

2022年8月

会議の状況
新規就農者の状況報告の様子

第1回宇城地域新規就農者確保・育成対策会議を開催

宇城地域農業活性化協議会普及部会に設置された新規就農者確保・育成対策会議の今年度第1回目の会議を6月29日(水)に開催しました。
会議には、管内市町主管課、各農業委員会、JA熊本うき、日本政策金融公庫、地域就農支援アドバイザー、農業公社、農業普及・振興課から約20名が参加しました。
はじめに、全国や県、地域の新規就農者の現状や新規就農者向けの支援策について当課から説明しました。
次に、今年度の活動計画を協議しました。今年度は「新規就農者の育成」のために、チームでの現地巡回指導、勉強会の実施、先輩農家との交流会の実施や助言農家の実証ほ設置を行うこととなりました。また、「新規就農者の確保」のために、宇城地域での就農を促すチラシ等の資料作成や、就農相談者への提案のための推奨品目の選定を予定しています。
会議後半では、新規就農者支援に関する、新規事業に関連した情報共有や支援体制の事例紹介など、今後の活動に向けて活発な意見交換が行われました。特に、会議では様々な関係機関がトータルでサポートすることに加え、就農希望者本人の意向・意思確認も重要であるとの意見がありました。当地域ではこれからも、本会議の開催及び各活動を通して新規就農者の確保・育成に向けた取組みを進めていきます。

2022年7月

若手農家とカーネーション
コチョウランの出荷の様子

「母の日」向けのカスミソウ・洋ラン・カーネーション出荷

5月の第2日曜日(今年は5月8日)は母の日でした。
宇城管内では、33戸が宿根カスミソウを、24戸が洋ラン(鉢物)を、11戸がカーネーションを栽培しています。
今年2月の気温は例年より2℃ほど低かったうえに重油高騰のため、カスミソウとカーネーション栽培で暖房の設定温度調整に苦慮していました。そのため、1週間程度生育の遅れにより、母の日までに開花が間に合わず、品不足になると予想されていました。また、コロナ禍3回目の母の日で、イベント等は少なく需要減も予想され、生産者にとって不安な冬でした。
そこで、カスミソウ農家の栽培管理指導では、スタッフ会議、花き部会役員会において電照技術や省エネ暖房技術(EOD加温)について説明するとともに、ハウスごとに適正な暖房の程度を指導しました。また、カーネーション農家の栽培管理指導では、効果的な暖房方法に併せて、低温障害に対する欠乏症対策の指導を個別に行いました。その結果、開花が間に合い、カスミソウ、洋ラン、カーネーションとも母の日に合わせて出荷することができました。
花き栽培では、環境の変化が大きい中で、消費者が求める時期に適切に出荷する出荷調整の技術がこれまで以上に求められています。
農業普及・振興課では、引き続き農家の所得向上につながる技術的な支援を行っていきます。

2022年7月

天敵生物タバコカスミカメ
種ショウガの温湯消毒

宇城地域の野菜栽培における環境保全型農業の推進

近年、化学合成農薬だけに頼らず、天敵生物や粘着トラップ等を活用した総合的病害虫・雑草管理(IPM)などの環境に配慮した農業が求められています。
しかしながら、これらの技術は現地にかなう手法や費用対効果等が明らかでないため、宇城地域に合ったIPM技術の確立と普及が課題となっています。
そこで、当課ではこれらの課題解決のため、宇城地域で栽培されている主要野菜のうち3種類を対象に、環境保全型農業の展示ほを設置します。
①ミニトマト・キュウリ
コナジラミ類が媒介する黄化葉巻病等ウイルス病を抑制するため、タバコカスミカメ等の天敵利用効果を実証する。
②ショウガ
根茎腐敗病や立枯病などの土壌病害を防止するため、令和2年度から実証してきた種ショウガの温湯消毒技術を複数の農家で実践し、普及を図る。
生産者のなかには、新たな技術の導入をためらう人もいますが、環境保全型農業への機運を高めつつ、将来を見据えた持続可能な農業を推進していくために、展示ほの結果に基づき対策資料を作成し、現地検討会等で説明することで、IPM技術の定着を図っていきます。

2022年5月

カキ「太秋」のジョイント栽培導入による作業の省力化と早期成園化をめざして

落葉果樹栽培では、低樹高栽培や平棚栽培の導入だけでなく、新たな省力樹形を導入することによって、摘果や収穫等の作業効率を上げ、労働生産性の向上と早期成園化につながることが期待されています。
そのような中、熊本県ではカキ「太秋」で低樹高ジョイント栽培技術の導入の推進を図っています。R3年産では、宇城管内において9戸25a(熊本県内で24戸273a)の導入があり、今後も導入面積の拡大が見込まれています。
県内有数のカキ「太秋」産地である宇城地域では、農業革新支援専門員、JA熊本うきの果樹担当者と協力し、ジョイント栽培技術の実証のため、4月5日に宇城市小川町のほ場で、ジョイント作業を行いました。
苗木のジョイント作業は、展示ほを設置した生産者と一緒に、ベテラン技術者の指導も仰ぎながら、計画どおりに実施し、展示ほを設置することができました。
農業普及・振興課では、今回新たに設置した展示ほに加えて、既にジョイント栽培に取り組まれているほ場の収量性などの調査を行い、得られた結果を関係機関と共有することで、ジョイント栽培技術の定着を図ります。

※「ジョイント栽培」とは、列状に植栽した苗木と隣の苗木と接ぎ、連結させる栽培方法。従来に比べ、早期成園化と省力化の効果がある。

2022年5月

新規就農者確保・育成対策会議
新規就農者共通課題勉強会

新規就農者確保・育成対策会議の活動状況

令和3年3月に設置した「宇城地域農業活性化協議会普及部会 新規就農者確保・育成対策会議」の第3回会議を3月7日(月)に開催しました。会議には、管内市町(農業委員会含む)、JA熊本うき、日本政策金融公庫、地域就農支援アドバイザー、農業公社、農業技術課、農業普及・振興課等22名が参加しました。
会議では、活動の柱である新規就農者の巡回指導結果報告や、今後の新規就農者支援のための関係機関の役割分担について整理しました。さらに、新規就農者確保等の取組みの先進地である阿蘇地域振興局農業普及・振興課の担当者から「農業師匠」の取組み事例を紹介していただきました。この内容を参考に、当会議では次年度、新規就農支援のための助言農家設置について実証事業として取り組む予定です。
また、3月22日(火)には住友化学株式会社福岡営業所技術顧問の行徳裕氏を講師に、第2回新規就農者共通課題勉強会「病害虫」研修会を開催しました。11名の新規就農者が参加し、病害虫やIPM(総合的病害虫・雑草管理)、農薬使用と幅広い内容の基礎について学習しました。参加者からは「基礎を分かりやすく学べた」「有意義な研修だった」といった感想がありました。
会議や勉強会を通じ、支援体制の構築や、新規就農者の課題解決のために一つ一つ取り組みを進めています。次年度からも地域全体で新規就農者支援を行えるよう活動を行っていきます。

2022年5月

振り返りシート
宇城地域版「シャインマスカット」栽培マニュアル

産地全体で「シャインマスカット」の栽培力向上へ

宇城地域は県内有数のブドウ産地で、「巨峰」や「シャインマスカット」を主体としたブドウ栽培が行われています。なかでも、「シャインマスカット」の栽培については、房管理が難しく、宇城地域内でも栽培技術の高位平準化が求められています。     
高位平準化には、現状把握及び生産者の「疑問」の解決と、高品質果実を生産するため「産地で統一した技術」が必要です。そのために、①今年度(令和3年度)栽培の成績表・振返りシートの配布・回収、②宇城地域版「シャインマスカット」栽培マニュアルの作成を行いました。
振返りシートには、栽培が「うまくいった理由」と「うまくいかなかった理由」がチェックされ、生産者それぞれで次年産の栽培につなげる振り返りを行うことができたのではないかと思います。
また、栽培マニュアルの作成については、実際の作業時に活用していただけるよう、言葉では分かりづらい作業も写真を多く用いて説明することを意識し、関係機関の協力のもと、完成に至りました。4月以降、「シャインマスカット」生産者に配布予定です。
農業普及・振興課では、更なる高品質なブドウ生産を目指して、関係機関と連携して生産者の個別巡回を強化するなど、引き続き支援を行っていきます。

2022年5月

研修会の様子
グループワークの様子

宇城4Hクラブでリーダー研修会を開催

宇城地方青年農業者クラブ連絡協議会では、令和4年3月18日にリーダー研修会を初めて開催しました。クラブ員からの「宇城4Hクラブでできることを整理して、クラブ活動をもっと活発にしたい」という声をもとに実施したところ、17名の参加がありました。
研修会では、これまでのクラブ活動を振り返った後、地域の担い手や一人前の経営者としての志と目標をグループで話し合いました。参加者からは「良いものを作って取引先やお客さんが喜ぶようにしたい」、「現状と未来の情報を把握し、臨機応変な経営をしたい」など意欲的な思いが挙がりました。
これらの志をクラブ員同士で共有し、自身の目標を実現するためにクラブ活動で何をしたいのか、何をする必要があるのかを考える良い機会になったので、積極的に活動を立案・参加する意識の醸成につながりました。
農業普及・振興課では、引き続き、クラブ活動支援を通して青年農業者の育成を行っていきます。

2022年3月

熟練の生産者による仕上げ技術の講習
当課から適期収穫の必要性を説明

畳表の更なる高品質化に向け、生産者の意識が高まる

JAやつしろい業部は2月9日、畳表の仕上げに関する産地全体の技術向上や若手生産者への技術継承を目的として、生産者35名参加のもと加工講習会を開催しました。
畳表の仕上げは、畳表を織る際に発生した織り傷を修復するために行い、品質を左右する大事な作業です。講習会の上級コースでは、県内トップクラスの技術を持った生産者2名から、様々な織り傷を手早く修復する熟練の技術が披露され、参加者はそれを自分のものにしようと熱心に指導を受けていました。また、初級コースでは、仕上げ道具の扱い方など初歩的な技術をベテラン生産者が丁寧に伝えていました。
併せて当課からは、生産者全戸調査から明らかになった結果を基に、県育成品種「涼風」の適期収穫、深耕・心土破砕・堆肥施用などの土づくりを中心に、良質いぐさ生産のための基本技術について講習しました。
また、産地では2月から3月にかけて、各地域で令和4年産いぐさの現地検討会も開催されています。当課も参加者のほ場を一緒に回りながら、今年の生育状況に応じた栽培管理について検討を重ねており、加工と栽培の両面で生産者の意識が高まってきています。

2022年3月

受賞したカスミソウ
カスミソウの栽培ほ場

宇城地域のカスミソウ、県花き品評会農林水産大臣賞を受賞

2月21日~22日に開催された熊本県花き品評会(152点出品)で、宇城市三角町戸馳の浦川洋光さん(34歳)の黄色に染めた「宿根カスミソウ」(品種名:アルタイル)が、グランプリである「農林水産大臣賞」を受賞されました。これは、切り花としての品質の高さや、高度な染色技術が評価されたためです。
宇城地域では、海岸島しょの冬季温暖な地域を中心に洋ランや切り花、鉢物が栽培されており、その中でも宿根カスミソウは27戸の農家が栽培しています。宇城地域の特色は、市場単価の高いブランド品である2L規格品(草丈80㎝以上)、量販店向けのレギュラー品であるM・S規格品や染品(染色した宿根カスミソウ)など、幅広い市場ニーズに対応した生産を行っているところです。
また、今年は燃油高騰で十分な加温がしづらい状況でしたが、電照・蒸し込み処理等、農研センターの新技術を現地に導入し、需要期に出荷できるように、省エネ・高品質栽培に取り組んでいます。
農業普及・振興課としては、このように、農家のニーズに合わせた技術支援を継続し、農家の所得向上につなげています。

2022年3月

研修の様子(熊本市河内町)
研修の様子(宇土市走潟町)

水稲生産協業化に向けた合意形成支援

宇城市三角町戸馳地区は花き、果樹、早期米の産地ですが、担い手減少対策と稲作生産コスト低減を主な目的として、水稲生産の協業化を推進しています。
昨年度から市やJAなど関係機関と水稲生産農家を中心に協議を重ね、令和3年11月に、担い手農家5名と関係機関合わせて15名で、地区の水田利用を協議する水田利用検討委員会が立ち上がりました。委員会では毎月1回程度、集落営農についての学習や、水稲協業化、営農組織設立へ向けた協議を続けています。
令和4年2月14日には、白浜営農組合(熊本市河内町)と農事組合法人走潟(宇土市走潟町)で、営農組織活動先進事例視察研修を実施しました。各組織の経営内容や営農活動について、機械の保有・更新、資金調達、労働力確保、作業面積など、熱心に意見交換が行われ、有意義な研修会となりました。
これからも、地域の活性化や、農業生産持続のため、集落営農法人設立等に係る支援を続け、担い手の確保・育成に取り組んでいきます。

2022年2月

左から右田氏、松井氏、市川氏
松井氏の茶園

県茶品評会(茶園の部)表彰伝達式を開催

くまもと茶ブランド確立対策協議会主催の令和3年度熊本県茶品評会(茶園の部)において、美里町の生産者3名が上位入賞されました。
例年、2月の熊本県茶振興大会において表彰式が開催されていましたが、新型コロナ禍の中で本年も中止となったことから、2月8日、美里町中央庁舎において、上田美里町長ほか関係者出席のもと、宇城地域振興局農林部長から、松井義博氏に最高賞の農林水産大臣賞(くまもと茶ブランド確立対策協議会長賞1等)、右田健一氏に熊本県知事賞、市川辰太氏に全国茶生産団体連合会長賞を伝達しました。また、美里町長及びJA熊本うき常務から、関係機関を代表して祝辞が述べられました。
農業普及・振興課では、宇城地域茶業振興協議会6名の生産者に対して、現地検討会や管理講習会等を開催し、良質茶生産の支援を行っています。受賞者の茶園は施肥、防除、整枝などの管理が適切に行われており、多くの審査項目で高く評価されました。
今後は品評会の審査結果に基づき事後指導を行うとともに、現地検討会などを通じて茶園管理についての情報提供を行い、良質で消費者ニーズにマッチした魅力あるお茶づくりの支援を行っていきます。

2022年2月

狭畦畝立て播種(九沖農研)
畝立て播種(クボタ)

農事組合法人「走潟」の大豆栽培に対する取組み支援

宇土市の農事組合法人「走潟」では、水稲+麦による営農が行われていますが、近年は高齢化や担い手不足が進む中、法人への農地集積や農作業委託がさらに拡大し、農作業の集中・競合が問題となっています。そこで、水稲の一部を大豆に切り替える検討をしています。
令和2年度は、玉名地域で試験している大豆の狭畦畝立て播種のほ場を見学し、走潟の排水不良田でも取り組めるのではと判断し、令和3年度に大豆を約50a試作しました。
試作では、玉名地域と同じく国立研究開発法人農研機構九州沖縄農業研究センター(九沖農研)が開発中の試作機による播種のほか、株式会社クボタの逆転ロータリー+サイドリッジャーによる畝立て播種を行いました。
今回は播種前の降雨や播種後の乾燥などの影響もあり、大豆の生育は不良となりましたが、「走潟」では初めて取り組んだ大豆栽培を前向きにとらえ、今後数ha程度に規模拡大する方向で検討されています。
農業普及・振興課では、今後も地域に適した大豆栽培体系の確立に向け、技術的な支援を行っていきます。

2022年2月

農家に配布したチラシ
ミニトマトの生育状況(12月22日)

トマト抑制栽培の状況~トマト黄化葉巻病を次作に引き継がないために~

12月8日~13日に、トマト抑制栽培に取り組む農家(約100戸)を中心にトマト黄化葉巻病防除対策のチラシを配布し、栽培終了時のポイントについて周知確認を行いました。
宇城地域では、トマト黄化葉巻病抵抗性品種が主に栽培されていますが、本年度は同病の発生が多くなりました。同病が多発生したハウスでは、計画より早い時期に栽培を終了するなど、全体の1割程度が植替えする状況になっています。
そこで本年は、抑制栽培終了時にも同病の基本的な防除法を再確認してもらいました。内容は、寒い時期での栽培終了のため、ハウス内に残った雑草にコナジラミなどの害虫が残って生きのび、次作の作物に被害を及ぼさないように、特にハウス内の除草に重点を置きました。
農業普及・振興課としては、今後も新規農薬の導入技術や天敵利用、物理的防除の実証など、引き続きトマト黄化葉巻病防除対策の支援を行っていきます。

2022年2月

種生姜の温湯消毒
講習会の様子

クリーンな種生姜の確保に向けて

宇城地域の生姜栽培では根茎腐敗病の発生が問題となっており、当課では本病の対策として、種生姜を植え付け前に温湯消毒する実証展示に取り組んできました。
植え付けの12日前、5日前、1日前に消毒する試験区を設定したところ、どの区も根茎腐敗病の発生がありませんでした。また、収量は無処理区と同等で、収穫物にいびつな形も発生しないことが確認できました。このことから、処理能力に制限がある現行の機械であっても、植え付け約2週間前から種生姜を温湯消毒しておき、定植に備えられることが分かりました。
この展示ほ結果を伝えるため、12月21日~22日に生姜栽培講習会を開催しました。参加した生産者78名の中からは「この消毒法を試してみたい」という声が多くあがりました。
ただし、いくら種生姜が健全であっても、ほ場自体に潜む病原菌や他ほ場からの持ち込みにもしっかり対策を講じなければなりません。当課では、根茎腐敗病への総合的な対策を呼び掛け、生姜の生産安定を支援していきます。

2022年2月

宇城うき収穫祭の様子
POPやチラシで工夫して販売する様子

冬の一大イベント!宇城うき収穫祭を開催

宇城地方青年農業者クラブ(宇城地方4Hクラブ)は、12月25日に宇城市豊野町のアグリパーク豊野にて、宇城うき収穫祭(農産物即売会)を開催しました。
この即売会は、消費者との交流および4HクラブのPRを目的に、毎年管内の直売所で開催している行事であり、今年も9名のクラブ員が野菜、果樹、花き等の農産物を約20品目即売しました。即売会では、クラブ員がチラシ配布と声掛けにより、積極的に集客を行うとともに、直接農産物の食べ方や特徴を伝えることで、消費者とコミュニケーションがとれる良い機会となりました。
また、当日は気温が低く、寒い中でしたが、場所を貸して下さったアグリパーク豊野の従業員や来客者の方々から、「これからも頑張ってね」と声をかけてくださる場面もあり、地域の方の温かさを感じることができました。今年はコロナ禍のため、なかなか活動ができていない中で、久々に会うクラブ員同士でも和気あいあいと情報交換ができたようでした。
今後も、クラブ員の交流の場づくりのほか、クラブ員の資質向上につながる様々な活動をしっかりと支援していきます。

2022年1月

県立農大学生及び鹿本農高生の視察の様子
生産者代表(左)から美里町長への贈呈

農大学生視察受入れとシクラメン贈呈

11月17日に、県立農大花きコースの学生8名及び鹿本農業高校生12名の視察研修が、シクラメンやポインセチアなどの花の鉢物を約80a栽培する「ゴトウナーセリー熊本」(宇城市松橋町古保山)で開催されました。
研修で園主は「今後の農業経営は「SDGs」の視点を持って行わなければならない」との農業経営の心構えを強調されました。農薬や化石燃料が環境に与える影響など、具体的な説明を受けた学生からは、農家の口から「SDGs」について語られたことへの驚きや、自らの経営を楽しそうに語られたので、「卒業後はこんな社会人になりたい」という声があがりました。
また、宇城地域は花の鉢物生産が盛んで、シクラメンは県内1位の産地です。出荷ピークを迎えるこの時期、シクラメンの生産振興と消費拡大のため、熊本県花き協会宇城支部(事務局:農業普及・振興課)では、12月2日、管内の市や町、農協へシクラメンの鉢を贈呈しました。シクラメン生産者数は、宇城地域と上益城地域で県内全体の約9割を占めており、宇城・上益城合同で毎月勉強会を開催し技術研鑽に取り組んでいます。
12月から、次年度産の生産が始まっています。当課では、上益城地域振興局と連携しながら、今後も栽培技術や補助事業等の情報提供と消費喚起活動支援を継続していきます。

2022年1月

講習会の様子
移植機の実演

いぐさカセット式移植機の円滑な導入に向け、講習会を開催!

いぐさ植付作業の省力化を望む生産者の要望を受け再生産が決まった88台のいぐさカセット式移植機のうち、本年度分の66台が生産者に引き渡されました。
引き渡しに当たって、植付作業が円滑にできるように、11月5日、農業研究センターアグリシステム総合研究所において、JA熊本経済連主催でいぐさカセット式移植機導入者講習会が開催されました。講習会は、コロナ禍の中、三密を避けるため午前午後の2回に分けて開催され、宇城・八代地域合わせて生産者約70名が参加しました。農業普及・振興課からは「カセット式いぐさ移植機による植付作業の注意点」として苗づくりから植付作業の要点を説明しました。その後、農機メーカーにより移植機の取扱説明や苗処理・移植作業の実演が行われ、参加した生産者は説明を熱心に聞いていました。
本年のいぐさの植付作業は、例年どおり11月上旬から始まりました。天候に恵まれ順調に進んでおり、今後12月中旬ごろまで続きます。

2022年1月

講師の山下氏
講演の様子

稼げる農業の実現へ!農業経営講座を開催

宇城農業経営同友会では、今の流動的な時代における農業経営感覚や対応力を養うため、昨年より株式会社農テラス 代表取締役 山下弘幸氏を講師として招き、農業経営講座を実施しています。
今年度も同会では3回の農業経営講座を開催します。第1回目となる令和3年11月29日は、同友会会員をはじめとした生産者、青年農業者クラブ員など32名が参加しました。「稼げる農業のキホン」と題し、山下氏から時代の流れに乗った『お客様ファースト』の考え方、経営者に必要な『志(今後の経営方針)をたてる』ということの重要性、現状をとらえ今後に活かすための『分析する力』について講演がありました。なかなか普段聞くことのない、経営者としてのあり方の講話に、参加者も刺激を受けたようでした。
次回は、今回の講座を基軸として自己分析、グループワークを実施し、参加者の今後の経営方針を打ち出すワークを行っていく予定です。
当課では、これからも、宇城農業経営の更なる発展のため、同会の資質向上につながる研修会の開催支援を進めていきます。

2022年1月

プロジェクト発表の様子
発表したクラブ員たち

青年農業者が課題を把握・解決し、さらなる高みへ!

11月25日、農業に対する若手農家の意見や、農業経営の改善等について研究・実践してきたプロジェクト活動を発表する宇城地方青年農業者会議が開催されました。
当会議は宇城地方青年農業者クラブ連絡協議会が主催するもので、今年は、意見発表部門1名、プロジェクト発表部門8名の出場がありました。各クラブ員は、年度初めに考えた自身や地域の課題解決へ向けて1年間取り組んだ内容を発表しました。中には、5か年計画を立て、段階的に対策を実践する長期プロジェクトもありました。発表後には、市町やJA熊本うきの他、先輩農業者などの審査員から質疑や提案を受けました。発表者にとって、自身の農業に対する姿勢や経営課題などを見つめ直す良い機会となり、出席した他のクラブ員にとっては、貴重な情報交換の場となりました。
審査の結果、9名のうち6名が県農業者会議に出場することになりました。出場が決まったクラブ員は、次の本番に向けてパワーポイントの修正や発表練習を行うなど、意欲的に取り組んでいます。
当課では、意見発表やプロジェクト活動に対して支援を実施してきました。引き続きクラブ員が将来の地域農業を担っていけるよう、さらなる資質向上をめざして支援していきます。

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